JP5946675B2 - タイヤ用ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びその製造方法に関するものである。
最近の空気入りタイヤに用いられるゴム組成物では、シリカを主たる補強性充填剤として配合したシリカ配合が多用されるようになっている。これは、シリカ配合が、カーボンブラックを主たる補強性充填剤としたカーボンブラック配合に比べて、タイヤの転がり抵抗性能と湿潤路面に対する制動性能のバランスに優れているからである。
しかしながら、その一方で、シリカ配合は導電性が低いことから、車体に電荷が溜まりやすく、静電気スパークや電子部品の誤動作、オーディオのノイズなどの問題を引き起こす要因となる。
このようなタイヤの導電性を改善するために、例えば、下記特許文献1には、トレッドゴムをシリカ配合のキャップゴム層とカーボンブラック配合のベースゴム層の2層構造とした上で、トレッド表面の陸部の少なくとも一部においてベースゴム層をトレッド表面に露出させて帯電防止用の導電路を形成することが提案されている。しかしながら、このような構成では、押し出し設備や工程が複雑になり、タイヤの低燃費性能やユニフォミティも悪化するという問題がある。
下記特許文献2には、シリカ配合のトレッドゴム表面に、導電性炭素繊維を含んだ導電性ゴム糊を塗布することで、導電性を確保することが開示されている。しかしながら、この場合、タイヤ成形工程において導電性ゴム糊を塗布するという別工程が必要になる。
一方、下記特許文献3には、ゴム組成物の導電性を向上するために、ゴム成分に対し、解砕処理が施された気相成長炭素繊維を配合することが開示されている。また、下記特許文献4には、良好な加工性を有し、高発熱性、破壊特性が改良されたゴム組成物を得るために、ゴム成分にカーボンナノチューブを配合することが開示されている。これらのカーボンナノチューブや気相法炭素繊維は導電性には優れているものの、ゴム成分に対する分散性に劣り、ゴム組成物を高粘度化させることで加工性が損なわれたり、また、ゴム組成物のtanδを高くしてシリカ配合本来の低燃費性能が損なわれたりするという問題がある。そのため、これらの導電性物質の配合量をできるだけ抑えながら、ゴム組成物に導電性を付与することが求められる。
特開平11−115414号公報 特開2004−277504号公報 特開2009−144131号公報 特開2004−210830号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、導電性物質の配合量の増加をできるだけ抑えながら、シリカ配合のゴム組成物に優れた導電性を付与することができるタイヤ用ゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る製造方法は、シリカを主たる補強性充填剤として含有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、ゴム成分を構成する2種以上のジエン系ゴムのうち、最も体積比率が大きい主ジエン系ゴムに導電性物質を添加混合し、得られた混合物に他のジエン系ゴムと補強性充填剤を混合し、得られたノンプロ混合物に最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加し混合することを特徴とするものである。
本発明に係るゴム組成物は、シリカを主たる補強性充填剤として含有するタイヤ用ゴム組成物であって、ゴム成分が2種以上のジエン系ゴムからなり、そのうち最も体積比率が大きく連続相を形成する主ジエン系ゴムに導電性物質が偏在し、前記主ジエン系ゴムからなる連続相と他のジエン系ゴムからなる分散相との全体に補強性充填剤が分散したことを特徴とするものである。
本発明によれば、ポリマーブレンドによって形成されるゴム成分の海−島構造において、連続相となる主ジエン系ゴムに導電性物質を選択的に存在させることにより、少量の導電性物質でありながら、ゴム組成物に優れた導電性を付与することができる。
実施形態に係るゴム組成物における導電性物質の分散状態を示す模式図 従来例に係るゴム組成物における導電性物質の分散状態を示す模式図 比較例に係るゴム組成物における導電性物質の分散状態を示す模式図
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分としては、2種以上のジエン系ゴムをブレンドして用いられる。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、及びこれらの各変性ゴムなどが挙げられ、これらのジエン系ゴムを2種以上組み合わせて用いる。その場合の組み合わせとして、例えば、エポキシ化天然ゴム等の変性天然ゴムと天然ゴムをブレンドした場合にも海−島構造を形成するため、この場合も2種のジエン系ゴムのブレンドとなる。すなわち、変性ゴムとそれに対応する未変性ゴムとのブレンドでもよい。また、スチレンブタジエンゴムのような共重合体ゴムの場合、モノマーの構成比率が大きく異なると、ブレンドした場合に海−島構造を形成するため、このような場合にも2種以上のジエン系ゴムのブレンドとなる。すなわち、ブレンドした場合に、海−島構造を形成するものであればよい。
好ましくは、ゴム成分としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、及びこれらの変性ゴムからなる群から選択される2種以上をブレンドして用いることである。
また、ゴム成分の一実施形態として、シリカのシラノール基(Si−OH)と相互作用がある官能基(ヘテロ原子を含む官能基)が導入された変性ジエン系ゴムと、他のジエン系ゴムとのブレンドであってもよい。該官能基は、ゴムポリマー鎖の末端に導入されてもよく、あるいはまたゴムポリマー鎖中に導入されてもよいが、好ましくは末端に導入されることである。ここで、相互作用とは、シリカのシラノール基との間で化学反応による化学結合又は水素結合することを意味する。かかる官能基としては、アミノ基、アルコキシシリル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、及びハロゲン基等が挙げられ、これらはそれぞれ1種のみ導入されてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて導入されてもよい。該官能基において、アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級アミノ基でもよい。アルコキシル基(−OR、但しRはアルキル基)としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。アルコキシシリル基は、シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つが上記アルコキシル基で置換されたものをいい、これには、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基が含まれる。ハロゲン基としては、塩素、臭素などが挙げられる。これらの中でも、官能基としては、アミノ基及びアルコキシシリル基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。該変性ジエン系ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム及び/又はポリブタジエンゴムが好ましく、より好ましくは変性スチレンブタジエンゴムである。該変性ジエン系ゴムは、後述する連続相を構成する主ジエン系ゴムとして用いてもよく、分散相を構成するジエン系ゴムとして用いてもよいが、補強性充填剤としてのシリカの分散性を向上するため、好ましくは主ジエン系ゴムとして用いることである。一方、該変性ジエン系ゴムとブレンドする他のジエン系ゴムとしては、未変性スチレンブタジエンゴム、未変性ポリブタジエンゴム、及び天然ゴムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
該ゴム成分を構成する2種以上のジエン系ゴムのうち、最も体積比率が大きいジエン系ゴムが、海−島構造における連続相(海相)を形成するが、かかる連続相を形成する主ジエン系ゴムは、ゴム成分中に含まれる割合が30〜70体積%であることが好ましい。ゴム成分に対する主ジエン系ゴムの比率が30体積%未満では、主ジエン系ゴムが連続相を形成することが困難となる。逆に、該比率が70体積%を超えると、導電性物質を添加しない分散相の比率が小さくなりすぎ、導電性物質の添加量を少量に抑えることが困難になる。ゴム成分中に占める主ジエン系ゴムの比率は、35〜70体積%であることがより好ましく、更に好ましくは40〜65体積%である。
本実施形態に係るゴム組成物には、主たる補強性充填剤としてシリカが配合される。シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ等が挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。
シリカのコロイダル特性は特に限定しないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)が100〜250m/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは180〜230m/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
シリカの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜80質量部である。
補強性充填剤としては、シリカ単独でも良いが、シリカとともに、カーボンブラックを配合してもよい。但し、シリカを主成分とするため、補強性充填剤はその50質量%超がシリカである。カーボンブラックを併用する場合、その配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下であり、この場合、カーボンブラックの役割はむしろ着色がメインとなる。なお、ここでいう補強性充填剤としてのカーボンブラックは、ゴム補強用に一般に用いられているSAF、ISAF、HAF、FEFなどの各グレードのファーネスブラックである。
本実施形態に係るゴム組成物には、導電性を付与するために導電性物質が配合される。導電性物質としては、特に限定されないが、例えば、導電性炭素繊維、導電性カーボンブラック等の各種導電性カーボンが挙げられ、この中でも、カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などの導電性炭素繊維であることが好ましく、より好ましくは、カーボンナノチューブ及び気相法炭素繊維からなる群から選択された少なくとも1種の導電性炭素繊維である。
上記カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素原子が構成する六角網目構造がチューブ状に連なった構造を有し、その直径がナノメートルオーダーである炭素の結晶である。カーボンナノチューブには、単層構造のシングルウォールナノチューブ(SWNT)、複層の同軸管状なすマルチウォールナノチューブ(MWNT)があり、また複層構造の中でも特に2層のものはダブルウォールナノチューブ(DWNT)と称されているが、それらのいずれであってもよい。また、カーボンナノチューブの合成方法としては、例えば、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学的気相成長法(CVD法)などが挙げられるが、いずれにより合成されたものであってもよく、特に限定されない。
カーボンナノチューブの直径(平均径)も特に限定されるものではないが、0.1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜20nmである。また、チューブ長さ(平均長)は50nm〜100μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μmである。
上記気相法炭素繊維は、気相法にて合成された炭素繊維である。より詳細には、鉄やニッケルなどの遷移金属元素の超微粒子を触媒として有機化合物の熱分解による気相成長により生成される炭素繊維であり、一般にPAN系やピッチ系炭素繊維と比べて、繊維径が小さい微細炭素繊維であり、導電性に優れる。気相法炭素繊維の製造方法としては、特開平7−150419号公報に開示されている製造方法、即ち、遷移金属又はその化合物を含有する有機化合物の微小液滴を加熱炉壁面に向けて吹付けながら反応させて、炉壁面に炭素繊維を生成させ、さらにその炭素繊維上に分岐状の炭素繊維を生成させ、これを間欠的に掻き取る方法が好ましい方法として挙げられる。また、このようにして得られた気相法炭素繊維を熱処理して黒鉛化することが好ましく、黒鉛化により結晶性を高めて導電性向上に寄与することができる。
気相法炭素繊維としては、特に限定するものではないが、繊維径(平均径)が1〜500nmである高結晶性の微細炭素繊維が好ましく、より好ましい繊維径は5〜200nmである。また、その繊維長(平均長)は0.5〜50μmであることが優れた導電性を確保する上で好ましく、より好ましい繊維長1〜20μmである。
ここで、導電性炭素繊維の平均径及び平均長は、走査型電子顕微鏡観察(SEM)により測定され、詳細には、同顕微鏡の画像データから導電性炭素繊維を20個無作為に抽出し、その直径の相加平均により平均径が求められ、長さの相加平均により平均長が求められる。
上記導電性カーボンブラックは、補強性充填剤として汎用されている一般のカーボンブラック(ファーネスブラック)に比べて、少量の充填で高い導電性を発揮するカーボンブラックであり、具体的には、アセチレン法により製造されるアセチレンブラックと、ガス化法により製造されるケッチェンブラックが該当する。
本実施形態に係るゴム組成物において、導電性物質は、連続相を形成する上記主ジエン系ゴムに偏在している。詳細には、図1に示すように、本実施形態に係るゴム組成物は海−島構造をなしており、その連続相をなす主ジエン系ゴム中に導電性物質が分散しているが、分散相である他のジエン系ゴム中には導電性物質は実質的に含まれていない。このように連続相に導電性物質を選択的に存在させることにより、少量の導電性物質でありながら、ゴム組成物に優れた導電性を付与することができる。すなわち、連続相に導電性物質が存在していれば、分散相には存在しなくても、導電性物質により通電が可能となるので、その分、導電性物質の配合量を減らしながら、導電性を確保することができる。そのため、導電性物質を添加することに起因する、分散性の低下による加工性の悪化や、tanδの上昇による低燃費性能の低下を抑えながら、導電性を確保することができる。
上記のように導電性物質は主ジエン系ゴムに偏在して導電性を確保するために配合されるため、その配合量は、主ジエン系ゴムとの関係で規定されることが好ましい。すなわち、導電性物質(より詳細には、上記導電性炭素繊維)は、該導電性物質と主ジエン系ゴムの合計量に対して0.5〜6体積%の割合で含まれることが好ましい。導電性物質の種類にもよるが、0.5体積%以上とすることで、十分な導電性を確保しやすい。また、6体積%以下とすることで、加工性や低燃費性の悪化を抑えることができる。導電性物質の配合量は、導電性物質と主ジエン系ゴムの合計量に対して0.5〜5体積%であることが好ましく、より好ましくは0.7〜3体積%である。
なお、全ゴム成分に対する導電性物質の配合量は、上記の理由から必ずしも規定する必要はないが、ゴム成分100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、シリカの分散性を向上するために、スルフィドシランやメルカプトシランなどのシランカップリング剤を配合することができる。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ配合量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、軟化剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
上記加硫剤としては、硫黄、及び硫黄含有化合物(例えば、塩化硫黄、二塩化硫黄、高分子多硫化物、モルホリンジスルフィド、及びアルキルフェノールジスルフィド等)が挙げられ、これらはいずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫剤の配合量は、特に限定するものではないが、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤を用いることができ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
次に、本実施形態に係るゴム組成物の製造方法について説明する。
ゴム組成物の製造に際しては、まず、ゴム成分を構成する2種以上のジエン系ゴムのうち最も体積比率が大きい主ジエン系ゴムに、上記導電性物質を添加混合してマスターバッチ化を行う。マスターバッチ化に際しては、主ジエン系ゴムに導電性物質を乾式混合してもよく、あるいはまた、ラテックス状態のゴムへの湿式混合でもよい。
詳細には、乾式混合に係る一実施形態として、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、上記導電性物質を、0.5〜6体積%になるように、上記主ジエン系ゴムに添加し混練することで、マスターバッチとしての混合物が得られる。その際、混合機で混合した後に、一旦冷却してから、その後の混合工程(後述するノンプロ混合工程)に投入してもよく、あるいはまた、バンバリーミキサーなどの密閉式混合機で所定温度(例えば120℃)まで混練した後、該混合機から排出することなく、そのままノンプロ混合工程に移行してもよい。
湿式混合に係る一実施形態として、上記主ジエン系ゴムのラテックスに、上記導電性物質を、0.5〜6体積%(乾燥分での体積比率)になるように添加し分散混合させ、その後乾燥させることで、マスターバッチとしての混合物(主ジエン系ゴムと導電性物質の複合体)が得られる。その際、導電性物質は、予め水系溶媒に分散させて水系分散液とし、これを主ジエン系ゴムラテックスと混合することが好ましい。導電性物質の水系分散液は、導電性物質を水単独または水とともに分散剤を用いて、高圧ホモジナイザーや超音波分散などにより、微細に分散させることで調製することができる。また、ゴムラテックスに導電性物質を分散させた混合液を乾燥させる方法は、特に限定されず、常法に従い、凝固、乾燥させることで、固形状のマスターバッチとしての混合物が得られる。
次いで、上記で得られた混合物に、他のジエン系ゴムと、シリカを含む補強性充填剤とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合するノンプロ混合を行う。ノンプロ混合は、バンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いた通常の乾式混合により行うことができる。密閉式混合機を用いた場合における排出温度は特に限定されないが、130〜200℃であることが好ましい。
ノンプロ混合後、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加し混合することにより、本実施形態に係るゴム組成物が得られる。最終混合段階での混合温度は、加硫の進行を抑えるために、通常は100℃以下に設定されることが好ましい。
このようにして得られたゴム組成物によれば、上記のように、図1に示す如く、連続相を形成する主ジエン系ゴム中に導電性物質が偏在している。そのため、高価な導電性物質の含有量を少量に抑えて、コスト低減を図り、また加工性や低燃費性能の悪化を抑えながら、ゴム組成物に導電性を付与することができる。また、特にマスターバッチ化に際して湿式混合することで、主ジエン系ゴム中における導電性物質の分散性を向上して導電性を高めることができ、また、ゴム組成物の製造工程における導電性物質の飛散も低減することができる。
これに対し、図2に示すように、導電性物質が、ゴム成分の全体に添加されている場合、導電性に寄与する連続相だけでなく、分散相にも導電性物質が存在することにより、導電性物質の配合量がそれだけ多くなってしまう。また、導電性物質の配合量が増えると、その分、分散性の低下による加工性の悪化や、tanδの上昇による低燃費性能の悪化を伴う。一方、導電性物質を偏在させるとしても、添加するのが最多量のジエン系ゴムでないと、図3に示すように、分散相に導電性物質が偏在することになり、導電性を確保することが困難となる。
本実施形態に係るゴム組成物は、トレッドやサイドウォール等の空気入りタイヤの各ゴム部材として用いることができ、特には、トレッドゴムに用いることが好適である。すなわち、該ゴム組成物は、常法に従い、例えば140〜200℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(トレッドゴムやサイドウォールゴムなど)を構成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例で用いた各成分の詳細は以下の通りである。
・SBR1:未変性乳化重合スチレンブタジエンゴム、JSR(株)製「JSR1500」
・SBR2:アミノ基及びアルコキシシリル基が導入された末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、JSR(株)製「HPR350」
・SBR3ラテックス:スチレンブタジエンゴムラテックス、固形分濃度(DRC):50質量%、JSR(株)製「ローデックス」
・SBR3乾燥物:SBR3ラテックスを60℃オーブン中で水分率が0.8質量%になるまで凝固乾燥させて得られたスチレンブタジエンゴム
・BR:ポリブタジエンゴム、宇部興産株式会社製「BR150B」
・NR1:RSS#3
・NR2ラテックス:天然ゴムラテックス、固形分濃度(DRC):60質量%、レヂテックス(株)製「NRラテックス」
・NR2乾燥物:NR2ラテックスに蟻酸を添加しpH4に調整した後、60℃オーブン中で水分率0.8質量%になるまで乾燥させて得られた天然ゴム
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」(BET=200m/g)
・カーボンブラック:三菱化学(株)製「ダイヤブラックN339」(比重=1.8)
・CNT:カーボンナノチューブ、(株)名城ナノカーボン製「SWNT APJ」(平均径=1.4nm、平均長=1〜5μm、比重=2.1)
・VGCF−H:気相法炭素繊維、昭和電工(株)製「VGCF−H」(平均径=150nm、平均長=8μm、比重=2.1)
・VGCF−X:気相法炭素繊維、昭和電工(株)製「VGCF−X」(平均径=10〜15nm、平均長=3μm、比重=2.1)
・シランカップリング剤:デグサ社製「Si69」
・老化防止剤:6PPD、住友化学(株)製「アンチゲン6C」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・オイル:JOMOサンエナジー(株)製「プロセスP200」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤CZ:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・加硫促進剤D:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
[実施例1]
バンバリーミキサーを使用し、100質量部のSBR2に、1.6質量部のCNTを添加し、混練(排出温度=120℃)することにより、CNTの含有率が0.7体積%であるマスターバッチMB1を得た。次いで、バンバリーミキサーを用い、下記表1に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、マスターバッチMB1に、他のジエン系ゴムとともに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物は、図1に示すように、SBR2を連続相とし、SBR1を分散相とする海−島構造を有するものであって、連続相にCNTが偏在していた。なお、補強性充填剤としてのシリカは、連続相と分散相の全体に分散していた。
[実施例2]
バンバリーミキサーを使用し、100質量部のSBR2に、2.3質量部のVGCF−Hを添加し、混練(排出温度=120℃)することにより、VGCF−Hの含有率が1.0体積%であるマスターバッチMB2を得た。該マスターバッチMB2を用い、その他は実施例1と同様に、下記表1に示す配合(質量部)に従ってゴム組成物を調製した。
[実施例3]
バンバリーミキサーを使用し、100質量部のSBR2に、12質量部のVGCF−Xを添加し、混練(排出温度=120℃)することにより、VGCF−Xの含有率が5.0体積%であるマスターバッチMB3を得た。該マスターバッチMB3を用い、その他は実施例1と同様に、下記表1に示す配合(質量部)に従ってゴム組成物を調製した。
[比較例1]
バンバリーミキサーを用い、下記表1に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、ジエン系ゴムに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。
[比較例2]
バンバリーミキサーを使用し、100質量部のSBR2に、42質量部のカーボンブラックを添加し、混練(排出温度=120℃)することにより、カーボンブラックの含有率が18体積%であるマスターバッチMB4を得た。該マスターバッチMB4を用い、その他は実施例1と同様に、下記表1に示す配合(質量部)に従ってゴム組成物を調製した。
[比較例3]
バンバリーミキサーを用い、下記表1に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、ジエン系ゴムにCNTとともに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物は、SBR2を連続相とし、SBR1を分散相とする海−島構造を有するものであり、図2に示すようにCNTは連続相と分散相の全体に分散していた。
[比較例4]
バンバリーミキサーを使用し、100質量部のSBR1に、2.3質量部のCNTを添加し、混練(排出温度=120℃)することにより、CNTの含有率が1.0体積%であるマスターバッチMB5を得た。該マスターバッチMB5を用い、その他は実施例1と同様に、下記表1に示す配合(質量部)に従ってゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物は、SBR2を連続相とし、SBR1を分散相とする海−島構造を有するものであり、図3に示すようにCNTは分散相に偏在していた。
得られた実施例及び比較例の各ゴム組成物について、加工性を評価するとともに、160℃×30分間で加硫した試験片について、低燃費性能と電気抵抗を測定・評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・加工性:JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど、加工性に優れている。
・低発熱性能:東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、静歪み10%、動歪み±1%、周波数10Hz、温度60℃の条件下で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、従って、発熱しにくく、低発熱性能に優れることを意味する。
・電気抵抗:(株)三菱化学アナリテック製「ハイレスターUP」により電気体積抵抗値を測定した。
Figure 0005946675
表1に示すように、シリカ配合で導電性物質を添加していない比較例1では、ゴム組成物の導電性に劣っていた。比較例1に対し、カーボンブラック(ファーネスブラック)をマスターバッチ化して添加した比較例2では、導電性は多少改良されたものの不十分であり、また、加工性及び低燃費性能が大幅に損なわれた。また、カーボンナノチューブをマスターバッチ化せずに配合した比較例3では、粘度が著しく高く、tanδも上昇して低燃費性能に劣っていた。また、カーボンナノチューブを連続相ではなく分散相に偏在させた比較例4では、電気抵抗改良効果がみられなかった。
これに対し、カーボンナノチューブや気相法炭素繊維を連続相に偏在させた実施例1〜3であると、比較例1に対して、加工性と低燃費性能の悪化を小さく抑えながら、導電性が大幅に改善されており、1×10Ω・cm未満という目標性能を満足していた。
[実施例4]
バンバリーミキサーを使用し、100質量部のSBR2に、3.4質量部のVGCF−Hを添加し、混練(排出温度=120℃)することにより、VGCF−Hの含有率が1.5体積%であるマスターバッチMB6を得た。次いで、バンバリーミキサーを用い、下記表2に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、マスターバッチMB6に、他のジエン系ゴムとともに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物は、SBR2を連続相とし、SBR1、BR及びNR1を分散相とする海−島構造を有するものであって、連続相にVGCF−Hが偏在していた。なお、補強性充填剤としてのシリカは、連続相と分散相の全体に分散していた。
[比較例5]
バンバリーミキサーを用い、下記表2に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、ジエン系ゴムに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。
[比較例6]
バンバリーミキサーを用い、下記表2に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、ジエン系ゴムにVGCF−Hとともに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物は、SBR2を連続相とし、SBR1、BR及びNR1を分散相とする海−島構造を有するものであり、連続相と分散相の全体にVGCF−Hが分散していた。
[比較例7]
バンバリーミキサーを使用し、100質量部のSBR1に、3.4質量部のVGCF−Hを添加し、混練(排出温度=120℃)することにより、VGCF−Hの含有率が1.5体積%であるマスターバッチMB7を得た。該マスターバッチMB7を用い、その他は実施例4と同様に、下記表2に示す配合(質量部)に従ってゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物は、SBR2を連続相とし、SBR1、BR及びNR1を分散相とする海−島構造を有するものであり、分散相のSBR1にVGCF−Hが偏在していた。
得られた実施例及び比較例の各ゴム組成物について、加工性を評価するとともに、160℃×30分間で加硫した試験片について、低燃費性能と電気抵抗を測定・評価した。各測定・評価方法は実施例1と同様である(但し、加工性と低燃費性能では、比較例1の代わりに、比較例5の値を100とした)。
Figure 0005946675
表2に示すように、コントロールである比較例5に対し、気相法炭素繊維をマスターバッチ化せずに配合した比較例6では、粘度が著しく高く、tanδも上昇して低燃費性能に劣っていた。また、気相法炭素繊維を連続相ではなく分散相に偏在させた比較例7では、電気抵抗改良効果がみられなかった。これに対し、気相法炭素繊維を連続相に偏在させた実施例4であると、比較例5に対して、加工性と低燃費性能の悪化を小さく抑えながら、導電性が大幅に改善されていた。
[実施例5]
高圧ホモジナイザーを用いて、CNTを水に分散させて1.6質量%の水分散液を得た。得られた水分散液を、100質量部(DRC換算)のNR2ラテックスに添加し、凝固装置としてカワタ製スーパーミキサーSM−20を使用し、せん断羽根を周速24m/sで回転させ凝固物を生成した。なお回転開始後4分経過後に凝固剤としてギ酸10質量%水溶液を添加し、pH3〜4に調整しさらに2分間攪拌した。その後 固形分を60℃オーブン中で水分が0.8質量%になるまで乾燥させて、CNTの含有率が0.7体積%であるマスターバッチMB8を得た。次いで、バンバリーミキサーを用い、下記表3に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、マスターバッチMB8に、他のジエン系ゴムとともに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物は、NR2を連続相とし、SBR1を分散相とする海−島構造を有するものであり、連続相にCNTが偏在していた。
[比較例8]
バンバリーミキサーを用い、下記表3に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、ジエン系ゴムに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。
得られた実施例及び比較例の各ゴム組成物について、加工性を評価するとともに、160℃×30分間で加硫した試験片について、低燃費性能と電気抵抗を測定・評価した。各測定・評価方法は実施例1と同様である(但し、加工性と低燃費性能では、比較例1の代わりに、比較例8の値を100とした)。
Figure 0005946675
表3に示すように、コントロールである比較例8に対し、カーボンナノチューブを連続相に偏在させた実施例5であると、加工性と低燃費性能の悪化を小さく抑えながら、導電性が大幅に改善されていた。
[実施例6]
高圧ホモジナイザーを用いて、CNTを水に分散させて2.1質量%の水分散液を得た。得られた水分散液を、100質量部(DRC換算)のSBR3ラテックスに添加し、凝固装置としてカワタ製スーパーミキサーSM−20を使用し、せん断羽根を周速24m/sで回転させ凝固物を生成した。なお回転開始後4分経過後に凝固剤としてギ酸10質量%水溶液を添加し、pH3〜4に調整しさらに2分間攪拌した。その後 固形分を60℃オーブン中で水分が0.8質量%になるまで乾燥させて、CNTの含有率が0.9体積%であるマスターバッチMB9を得た。次いで、バンバリーミキサーを用い、下記表4に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、マスターバッチMB9に、他のジエン系ゴムとともに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物は、SBR3を連続相とし、NR1を分散相とする海−島構造を有するものであり、連続相にCNTが偏在していた。
[比較例9]
バンバリーミキサーを用い、下記表4に示す配合(質量部)に従って、ノンプロ混合段階で、ジエン系ゴムに、硫黄と加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し、4分間混練して約160℃にて排出した。次いで、得られたノンプロ混合物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し、約1.5分間混練して100℃以下で排出することにより、ゴム組成物を調製した。
得られた実施例及び比較例の各ゴム組成 物について、加工性を評価するとともに、160℃×30分間で加硫した試験片について、低燃費性能と電気抵抗を測定・評価した。各測定・評価方法は実施例1と同様である(但し、加工性と低燃費性能では、比較例1の代わりに、比較例9の値を100とした)。
Figure 0005946675
表4に示すように、コントロールである比較例9に対し、カーボンナノチューブを連続相に偏在させた実施例6であると、加工性と低燃費性能の悪化を小さく抑えながら、導電性が大幅に改善されていた。

Claims (8)

  1. シリカを主たる補強性充填剤として含有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
    ゴム成分を構成する2種以上のジエン系ゴムのうち、最も体積比率が大きい主ジエン系ゴムに導電性物質を添加混合し、
    得られた混合物に他のジエン系ゴムと補強性充填剤を混合し、
    得られたノンプロ混合物に最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加し混合する
    ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記導電性物質がカーボンナノチューブ及び気相法炭素繊維からなる群から選択された少なくとも1種の導電性炭素繊維であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記導電性物質を、該導電性物質と前記主ジエン系ゴムの合計量に対して0.5〜6体積%の割合で、前記主ジエン系ゴムに添加混合することを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記主ジエン系ゴムのラテックスに前記導電性物質の水系分散液を添加混合し、乾燥させて前記混合物を得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. シリカを主たる補強性充填剤として含有するタイヤ用ゴム組成物であって、ゴム成分が2種以上のジエン系ゴムからなり、そのうち最も体積比率が大きく連続相を形成する主ジエン系ゴムに導電性物質が偏在し、前記主ジエン系ゴムからなる連続相と他のジエン系ゴムからなる分散相との全体に補強性充填剤が分散したことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記導電性物質がカーボンナノチューブ及び気相法炭素繊維からなる群から選択された少なくとも1種の導電性炭素繊維であることを特徴とする請求項5記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記主ジエン系ゴムは、前記ゴム成分中に含まれる割合が30〜70体積%であり、
    前記導電性物質は、該導電性物質と前記主ジエン系ゴムの合計量に対して0.5〜6体積%の割合で含まれることを特徴とする請求項5又は6記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記シリカを、前記ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
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