JP5443073B2 - クリンチエイペックス用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、クリンチエイペックス用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、省エネルギーの社会的な要請に伴い、タイヤの転がり抵抗を低減して発熱を抑えることによる自動車の低燃費化が行われている。このため、タイヤ部材のなかでもタイヤにおける占有比率の高いトレッド以外の部材に対しても低燃費化が求められ、クリンチエイペックスに対しても低発熱性を有するゴム配合が要求されている。
クリンチエイペックスにおいて、例えば、シリカを配合することやカーボンブラックを減量することによって転がり抵抗は低減するが、耐久性(ゴム強度)が低下してしまうという問題がある。従って、クリンチエイペックスのゴム配合において、耐久性(ゴム強度)、転がり抵抗、操縦安定性のバランスに優れた配合を提供することが望まれている。
特許文献1には、アセチレンブラック、炭素繊維等を配合したゴム組成物を使用し、生産性を改善した空気入りタイヤが開示されているが、炭素繊維について詳細に検討されていない。特許文献2には、炭素繊維の前躯体短繊維をトレッドに使用したスタッドレスタイヤが開示されているが、クリンチエイペックスへの適用は検討されていない。また、前記の性能についても改善の余地がある。
特開2004−330822号公報 特開2004−34743号公報
本発明は、前記課題を解決し、優れた耐久性(ゴム強度)、転がり抵抗及び操縦安定性の性能がバランス良く得られるクリンチエイペックス用ゴム組成物、及び該組成物を用いて作製したクリンチエイペックスを有する空気入りタイヤ(特に乗用車用空気入りタイヤ)を提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対して、石炭ピッチ系炭素繊維を4〜55質量部含有するクリンチエイペックス用ゴム組成物に関する。
上記ゴム成分100質量部に対して、補強充填剤を25〜120質量部含有することが好ましい。また、上記石炭ピッチ系炭素繊維は、平均繊維径が1〜80μm、平均繊維長が0.1〜30mmであることが好ましい。
本発明は、上記ゴム組成物を用いて作製したクリンチエイペックスを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分に、石炭ピッチ系炭素繊維を配合したゴム組成物であるので、該ゴム組成物をクリンチエイペックスに適用することにより、耐久性(ゴム強度)、転がり抵抗及び操縦安定性の性能がバランス良く優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物は、ゴム成分及び石炭ピッチ系炭素繊維を含有する。このため、低いtanδ、高い弾性率(E)及び高い硬度が得られ、また高いゴム強度も得ることができる。従って、該ゴム組成物をクリンチエイペックスに使用することにより、耐久性(ゴム強度)、転がり抵抗及び操縦安定性の性能のバランスに優れ、リムチェフィング性能にも優れた空気入りタイヤを製造できる。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、スチレンイソプレンゴム、イソプレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴムが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐久性、転がり抵抗及び操縦安定性のバランスの点から、NR、BR、ENRが好ましく、NR及びBRを併用することがより好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。
NRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。20質量%未満であると、加工性が悪化する傾向がある。該NRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下である。70質量%を超えると、BRに比べて転がり抵抗が不利になる傾向がある。
BRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。40質量%未満であると、転がり抵抗が不利になる傾向がある。該BRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。80質量%を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
NR及びBRの合計含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。80質量%未満であると、SBR等の他のゴム成分を配合することになり、転がり抵抗が不利になる傾向がある。
本発明では、石炭ピッチ系炭素繊維が使用される。石炭ピッチ系炭素繊維の配合により、熱伝導性を高め、ゴム全体に熱を逃がすことで発熱性を抑えることができる。このため、、低いtanδを得つつ、高い硬度や弾性率が得られ、優れたゴム強度も得ることができる。従って、耐久性、転がり抵抗及び操縦安定性の性能がバランス良く得られる。
石炭ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、低発熱性向上の観点から、平均繊維径が1〜80μmであることが好ましい。平均繊維径の下限は、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。また、平均繊維径の上限は、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
また、石炭ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、低発熱性向上の観点から、平均繊維長が0.1〜30mmであることが好ましい。平均繊維長の下限は、より好ましくは1mm以上、更に好ましくは4mm以上である。また、平均繊維長の上限は、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
なお、上記平均繊維径、平均繊維長は、例えば、電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
本発明における石炭ピッチ系炭素繊維としては特に限定されないが、例えば、特開平7−331536号公報に記載の製法により得られるものが好適に用いられる。具体的には、ピッチ繊維を常法にしたがって不融化し、所望の温度で炭化及び/又は黒鉛化を行うことにより「原料となる炭素繊維」を得、次にその原料となる炭素繊維を予め黒鉛化処理されたパッキングコークスとともに黒鉛製のルツボの中に入れ黒鉛化処理することにより、石炭ピッチ系炭素繊維を製造できる。
なお、前記製法で使用されるピッチ繊維(紡糸ピッチ)としては、石炭系のコールタール、コールタールピッチ、石炭液化物等の炭素質原料(40%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上の光学的異方性組織を含むものが好適である)を用いて紡糸して得られるものが挙げられる。また、「原料となる炭素繊維」には、サイジング剤(エポキシ化合物、水溶性ポリアミド化合物等)を添着してもよい。
前記製法により、繊維軸方向の熱伝導率が500〜1500W/m・K、引張弾性率が85ton/mm以上、圧縮強度が35kg/mm以上であり、黒鉛結晶の積層厚みLcが30〜50nm、黒鉛結晶の層面方向の広がりLaとの比(La/Lc)が1.5倍以上であり、かつ繊維軸方向の断面のドメインサイズが500nm以下である石炭ピッチ系炭素繊維を製造でき、本発明で好適に使用できる。なお、熱伝導率、引張弾性率、圧縮強度、Lc、La、ドメインサイズ、光学的異方性組織割合は、前記公報に記載の方法により測定できる。
前記製法による石炭ピッチ系炭素繊維は、分子の配向が一方向に規制された液晶(メソフェーズ)などを原料としているため、結晶化度が極めて高く、弾性率、熱伝導度が高い。
本発明における石炭ピッチ系炭素繊維は、多環芳香族分子骨格が層状に積み重なった構造を有するものが好ましい。石炭ピッチ系炭素繊維の市販品としては、三菱樹脂(株)製の「K6371T」等が挙げられる。
上記石炭ピッチ系炭素繊維の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、4質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。4質量部未満であると、操縦安定性の向上が期待できない。また、該含有量は、55質量部以下、好ましくは52質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。55質量部を超えると、ゴムの強度が低下してしまい、またコストや上昇し、好ましくない。
本発明のゴム組成物は、補強充填剤を含有することが好ましい。これにより、補強効果が得られ、剛性を向上できる。補強充填剤としては、タイヤ工業で一般的に用いられているものを特に制限なく使用でき、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸マグネシウム等が挙げられる。なかでも、カーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、FEF、GPF、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。カーボンブラックの使用により、ゴムの強度を向上させることができる。また、石炭ピッチ系炭素繊維と併用することで、ゴムの強度と転がり抵抗のバランスを向上できるため、耐久性、転がり抵抗及び操縦安定性がバランス良く得られる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましい。50m/g未満であると、ゴムの補強性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、120m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましく、90m/g以下が更に好ましい。120m/gを超えると、転がり抵抗に不利になる。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、25質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましく、50質量部以上が更に好ましい。25質量部未満であると、ゴムの補強性が悪化する傾向がある。また、操縦安定性にも不利になる傾向がある。また、該含有量は、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下が更に好ましい。100質量部を超えると、転がり抵抗が悪化してしまうおそれがある。
本発明において、カーボンブラック等の補強充填剤の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、25質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、35質量部以上が更に好ましい。25質量部未満であると、ゴムの加工性、補強性が悪化する傾向がある。また、該含有量は、120質量部以下が好ましく、118質量部以下がより好ましく、115質量部以下が更に好ましい。120質量部を超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、軟化剤(パラフィン系、アロマ系、ナフテン系のプロセスオイル等のオイル、可塑剤等)、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進補助剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
加硫剤として硫黄を用いる場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下である。0.5質量部未満では、加硫速度が遅く、加硫不足になる傾向があり、4.0質量部を超えると、逆に加硫速度が速く、スコーチングする傾向がある。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系加硫促進剤〔N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど〕、グアニジン系加硫促進剤(ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなど)が好ましく、TBBS、CBSが特に好ましい。
加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、該配合量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下である。0.5質量部未満では、加硫速度が遅く、加硫不足になる傾向があり、3.0質量部を超えると、加硫速度が速くなり、スコーチングする傾向がある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物(加硫後)の複素弾性率Eは、好ましくは8MPa以上、より好ましくは8.5MPa以上、更に好ましくは8.8MPa以上である。8MPa未満では、操縦安定性向上が見込めず、好ましくない。Eの上限は特に限定されないが、好ましくは50MPa以下、より好ましくは45MPa以下である。50MPaを超えると、乗心地の悪化や操縦している時の振動が大きくなり、好ましくない。
なお、複素弾性率Eは、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
本発明のゴム組成物(加硫後)の25℃における硬度は、好ましくは60以上、より好ましくは70以上である。60未満では、ゴム強度が低下して、リムチューフィング性能が悪化する傾向がある。また該硬度は、好ましくは85以下、より好ましくは83以下である。85を超えると、後述する引張り試験のEB値が小さくなり、結果としてゴム強度が低下する傾向がある。
なお、硬度は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
本発明では、ゴム成分の種類やその混合比を調整すること(例えば、NR、BRを一定の混合比で使用すること)、石炭ピッチ系炭素繊維の平均繊維径や平均繊維長、配合量を調整すること、補強充填剤の配合量を調整すること、補強充填剤として所定のカーボンブラックを使用すること、等の手法によって、上記の複素弾性率、硬度を有するゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、タイヤのクリンチエイペックスとして用いられる。クリンチエイペックスとは、サイドウォールの内方端に配されるゴム部であり、具体的には、例えば、特開2008−75066号公報の図1、特開2004−106796号公報の図1等に示される部材である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのクリンチエイペックスの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
本発明のゴム組成物を用いて作製したクリンチエイペックスを有するタイヤは、乗用車用タイヤに特に好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(材料)
天然ゴム(NR):TSR20グレード
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR150B
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックHAF(N330、79m/g)
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPS32
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:フレキシス(株)製のサントフレックス13(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛1号
石炭ピッチ系炭素繊維:三菱化学(株)製のK6371T(チョップドファイバー、平均繊維径:11μm、平均繊維長:6.3mm)
硫黄:(株)軽井沢精練所製の硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜6及び比較例1〜6
表1〜2に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を175℃の条件下で10分間プレス加硫することにより、各加硫ゴム組成物を作製した。
また、得られた未加硫ゴム組成物をクリンチエイペックス形状に成形して、他のタイヤ部材と貼り合せ、180℃、21kgf/cmの条件にて、10分間加硫することにより、乗用車用空気入りタイヤ(195/65R15サイズ、試験用タイヤ)を作製した。
(硬度)
JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従って、タイプAデュロメーターにより、前記加硫ゴム組成物のサンプルの硬度を測定した。測定は、25℃で行った。
(粘弾性試験)
前記加硫ゴム組成物について、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、測定温度60℃、初期歪み10%、動歪み±2%、周波数10Hzの条件で、複素弾性率(E)及び損失正接(tanδ)を測定した。Eが大きいほど剛性が高く、操縦安定性が優れることを示し、tanδが小さいほど転がり抵抗が小さく、低発熱性に優れることを示す。
(引張試験)
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、前記加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定した。ゴム強度の指標としてTB×EBの値を用いた。各単位は、TB(MPa)、EB(%)である。TB×EB値が高い方が、リムチェーフィング性能が良好である。
(操縦安定性)
作製した試験用タイヤを装着した普通乗用車を用いて、テストコースで官能試験を実施した。特にハンドル応答性を比較例1を6点として相対評価した。点数が高い方が操縦安定性が良好である。
Figure 0005443073
Figure 0005443073
表1から、比較例1(石炭ピッチ系炭素繊維を添加せず)に対して、石炭ピッチ系炭素繊維を用いた実施例1〜3(NR/BR=40/60)では、硬度、E値が大きくなり操縦安定性が向上していた。また、tanδ値は比較例1と比べてほとんど上昇せず、転がり抵抗が悪化しなかった。更に、TB×EB値の向上も見られ、リムチェーフィング性能の改善が可能となった。石炭ピッチ系炭素繊維を少量(2.5質量部)添加した比較例2では、操縦安定性の向上が見られなかった。加えて、石炭ピッチ系炭素繊維を60質量部配合した比較例3では、TB×EB値が低下し、リムチェーフィング性能の低下が見られた。
更に、NR/BR=20/80に変更した表2でも同様の傾向がみられた。

Claims (5)

  1. 天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分100質量部に対して、石炭ピッチ系炭素繊維を4〜55質量部、カーボンブラックを50〜100質量部含有するクリンチエイペックス用ゴム組成物。
  2. 前記石炭ピッチ系炭素繊維は、平均繊維径が1〜80μm、平均繊維長が0.1〜30mmである請求項記載のクリンチエイペックス用ゴム組成物。
  3. 前記石炭ピッチ系炭素繊維は、多環芳香族分子骨格が層状に積み重なった構造を有する請求項1又は2記載のクリンチエイペックス用ゴム組成物。
  4. 前記石炭ピッチ系炭素繊維の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部である請求項1〜3のいずれかに記載のクリンチエイペックス用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したクリンチエイペックスを有する空気入りタイヤ。
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