JP5632790B2 - ブラダー用ゴム組成物及び加硫用ブラダー - Google Patents

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Description

本発明は、ブラダー用ゴム組成物、及びこれを用いた加硫用ブラダーに関する。
タイヤ加硫用ブラダーは、タイヤの加硫成形時に用いられるものであり、ブラダーを未加硫タイヤの内側に配置し、ブラダー内部に加熱媒体を充填させて未加硫タイヤを内側から押圧することによりタイヤの加硫を行う。このような加硫用ブラダーは、ブチルゴム、充填剤、加硫剤などを含むゴム組成物からなり、一般的に熱伝導率が小さいため、通常、乗用車用タイヤでは10〜20分間、トラック・バス用タイヤでは30〜60分間程度の加硫時間を必要としている。
一般的に加硫用ブラダーの厚さを薄くすると、未加硫タイヤに熱が速く伝わり、加硫時間を短縮できることが知られているが、ブラダーの製品寿命が短くなるため、タイヤの製造原価が高くなる。また、加熱媒体の温度を高めて加硫時間を短縮化できるが、ブラダーの耐久性が低下してしまう。このように、タイヤの加硫工程において、ブラダーの製品寿命が短くなることを抑制しつつ、加硫時間を短縮し、生産性を向上させることは困難である。
特許文献1には、有機材料からなる短繊維を使用することで、寿命を延長させたブラダーが開示されている。しかし、タイヤの性能を損なうことなく加硫時間を短縮し、更にブラダーの製品寿命も改善するという点については、未だ改善の余地を残している。
特開2005−288816号公報
本発明は、前記課題を解決し、加硫工程において、タイヤの性能を損なうことなく加硫時間を短縮できるとともに、製品寿命も改善されたブラダー用ゴム組成物及びそれを用いた加硫用ブラダーを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対して、ピッチ系炭素繊維を3〜55質量部配合したブラダー用ゴム組成物に関する。
上記ピッチ系炭素繊維は、石炭ピッチ系炭素繊維であることが好ましい。
上記ピッチ系炭素繊維は、熱伝導率100W/m・K以上、平均繊維径1〜80μm、平均繊維長0.1〜30mmであることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した加硫用ブラダーに関する。
本発明によれば、所定量のピッチ系炭素繊維を配合したゴム組成物であるので、該ゴム組成物を加硫用ブラダーに適用することにより、加硫工程において、タイヤの性能を損なうことなく、加硫時間を短縮できる。また、同時に加硫用ブラダーの製品寿命も改善できる。
本発明のブラダー用ゴム組成物は、ゴム成分及び所定量のピッチ系炭素繊維を含有する。ピッチ系炭素繊維の配合によってゴム組成物の熱伝導率が高められるため、タイヤの加硫工程でタイヤへの熱伝導速度が速くなる。そのため、特段加硫時の加熱媒体の温度を高めたり、ブラダーの厚さを薄くしなくても、加硫に必要な時間を短縮化できる。また、加硫時間の短縮により使用可能な加硫回数を増加でき、更に所定量のピッチ系炭素繊維を配合することによりゴム強度の改善も見られるため、ブラダーの寿命を好適に延ばすこともできる。更に、加熱媒体の温度上昇に起因するブラダーの耐久性の低下も防止できる。
ゴム成分としては特に限定されず、例えば、ブチルゴム(IIR)や臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)などのハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)などのブチル系ゴム、クロロプレンゴム(CR)、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体臭素化物、シリコーンゴムなどが挙げられる。なかでも、連続加熱による硬化が少ないという点から、ブチル系ゴムを使用することが好ましく、IIRを使用することがより好ましい。また、良好な耐熱性や剛性が得られ、ブラダーを長寿命化できる点から、IIRなどのブチル系ゴム及びCRを併用することが特に好ましい。これらのゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは93質量%以上である。90質量%未満では、耐熱性が低下するおそれがある。また、該ブチル系ゴムの含有量は、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下である。99質量%を超えると、ブチル系ゴム以外のゴム量が不足してゴムが柔らかくなり、必要な剛性を保持できないおそれがある。
ゴム成分100質量%中のCRの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。1質量%未満では、ブラダーに必要な剛性を保つことが困難となるおそれがある。また、該CRの含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。10質量%を超えると、ブチル系ゴムの含有量が低下し、充分な耐熱性が得られないおそれがある。
本発明では、ピッチ系炭素繊維が使用される。これにより、熱伝導性を高め、加硫するゴムのゴム物性の低下を抑制しながら加硫時間を短縮化できる。また、所定量のピッチ系炭素繊維を配合することによりゴム強度を改善できる。そのため、加硫時間の短縮、ゴム強度の改善により、ブラダーの寿命を延ばすこともできる。ピッチ系炭素繊維としては、本発明の効果が良好に得られる点から、石炭ピッチ系炭素繊維が好ましい。
ピッチ系炭素繊維の熱伝導率(繊維軸方向)は、好ましくは100W/m・K以上、より好ましくは120W/m・K以上、更に好ましくは130W/m・K以上、特に好ましくは135W/m・K以上である。また、該熱伝導率の上限は特に限定されないが、好ましくは1500W/m・K以下、より好ましくは1000W/m・K以下、更に好ましくは500W/m・K以下である。上記範囲内であると、タイヤの性能を損なうことなく加硫時間の短縮化、ブラダーの長寿命化が可能となる。
なお、熱伝導率は、炭素繊維の熱伝導率と電気比抵抗の間の非常によい相関関係を利用して、電気比抵抗の値から、次式によって算出した。
K=1272.4/ER−49.4
(Kは炭素繊維の熱伝導率(W/m・K)、ERは炭素繊維の電気比抵抗(μΩm)を表す。)
ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、加硫時間の短縮化、ブラダーの長寿命化の観点から、平均繊維径が1〜80μmであることが好ましい。平均繊維径の下限は、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。また、平均繊維径の上限は、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
また、ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、加硫時間の短縮化、ブラダーの長寿命化の観点から、平均繊維長が0.1〜30mmであることが好ましい。平均繊維長の下限は、より好ましくは1mm以上、更に好ましくは4mm以上である。また、平均繊維長の上限は、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
なお、上記平均繊維径、平均繊維長は、例えば、電子顕微鏡観察により測定できる。
本発明におけるピッチ系炭素繊維としては特に限定されないが、例えば、特開平7−331536号公報に記載の製法により得られる石炭ピッチ系炭素繊維が好適に用いられる。具体的には、ピッチ繊維を常法にしたがって不融化し、所望の温度で炭化及び/又は黒鉛化を行うことにより「原料となる炭素繊維」を得、次にその原料となる炭素繊維を予め黒鉛化処理されたパッキングコークスとともに黒鉛製のルツボの中に入れ黒鉛化処理することにより、石炭ピッチ系炭素繊維を製造できる。
なお、前記製法で使用されるピッチ繊維(紡糸ピッチ)としては、石炭系のコールタール、コールタールピッチ、石炭液化物等の炭素質原料(40%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上の光学的異方性組織を含むものが好適である)を用いて紡糸して得られるものが挙げられる。また、「原料となる炭素繊維」には、サイジング剤(エポキシ化合物、水溶性ポリアミド化合物等)を添着してもよい。
前記製法により、繊維軸方向の熱伝導率が100〜1500W/m・K、引張弾性率85ton/mm以上、圧縮強度35kg/mm以上であり、黒鉛結晶の積層厚みLcが30〜50nm、黒鉛結晶の層面方向の広がりLaとの比(La/Lc)が1.5倍以上であり、かつ繊維軸方向の断面のドメインサイズが500nm以下である石炭ピッチ系炭素繊維を製造でき、本発明で好適に使用できる。なお、引張弾性率、圧縮強度、Lc、La、ドメインサイズ、光学的異方性組織割合は、前記公報に記載の方法により測定できる。
前記製法による石炭ピッチ系炭素繊維は、分子の配向が一方向に規制された液晶(メソフェーズ)などを原料としているため、結晶化度が極めて高く、弾性率、熱伝導度が高い。
本発明における石炭ピッチ系炭素繊維は、多環芳香族分子骨格が層状に積み重なった構造を有するものが好ましい。石炭ピッチ系炭素繊維の市販品としては、三菱樹脂(株)製の「K6371T」等が挙げられる。
上記ピッチ系炭素繊維の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。3質量部未満であると、添加による効果が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは55質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは35質量部以下である。55質量部を超えると、ゴム強度が低下し、ブラダーの寿命が短くなるおそれがある。
本発明のゴム組成物には、更にフェノール系樹脂を配合することが好ましい。これにより、硬度が高められるため、上記成分とともに使用することで、本発明の効果が良好に発揮される。
フェノール系樹脂としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、フェノールフルフラール樹脂、レゾルシンホルムアルデヒド樹脂などが挙げられ、これらは変性されていてもよい。なかでも、変性されていてもよいフェノールホルムアルデヒド樹脂が好ましく、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂がより好ましく、下記式で表される樹脂が更に好ましい。
Figure 0005632790
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。nは0〜10の整数を示す。)
Rの炭素数1〜20(好ましくは炭素数2〜14、より好ましくは炭素数6〜10)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
nは0〜10(好ましくは0〜6、より好ましくは0〜4)の整数である。
フェノール系樹脂の配合量は、加硫速度が適切で、硬度を充分上昇させることができる点から、ゴム成分100質量部に対して、1〜12質量部が好ましく、下限は3質量部以上、上限は9質量部以下であることがより好ましい。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、破断強度(ゴム強度)などの性能が改善され、耐久性が向上する。
カーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどが挙げられる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは90m/g以上、より好ましくは105m/g以上である。90m/g未満では、補強力が不充分であり、ブラダーの寿命が低下するおそれがある。また、該カーボンブラックのNSAは、好ましくは140m/g以下、より好ましくは125m/g以下である。140m/gを超えると、ブラダーが硬くなる傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、充分な補強性が得られる点から、好ましくは70〜150ml/100gであり、下限は100ml/100g以上、上限は125ml/100g以下であることがより好ましい。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは45質量部以上である。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは75質量部以下である。上記範囲外であると、加硫ブラダーの使用に適さないおそれがある。
本発明のゴム組成物には、酸化亜鉛、ステアリン酸、オイルなどの可塑剤、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどの無機充填剤、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤、各種老化防止剤などを配合してもよい。
本発明では、加硫剤として硫黄を好適に使用できる。この場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。上記範囲内に調整することにより、前述の効果に優れた加硫用ブラダーが好適に得られる。
更に本発明では、加硫特性や耐久性などの点から、加硫促進剤として、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)などのスルフェンアミド系加硫促進剤が好適に使用され、TBBSが特に好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下である。上記範囲内に調整することにより、前述の効果に優れた加硫用ブラダーが好適に得られる。
本発明のブラダー用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明の加硫用ブラダーは、公知の方法で製造できる。例えば、加硫剤及び加硫促進剤以外の前記成分をバンバリーミキサー、ニーダーなどの混練り機を用いて混練りし、得られた混練物に加硫剤及び加硫促進剤を添加し、カレンダーロールを用いた圧延、押出機を用いた押し出しなどにより、帯状に成形した未加硫ゴム組成物を得る。次いで、得られた未加硫ゴム組成物を上下ブラダーモールドの間の内側にセットし、モールドを閉じてゴムを押しつぶすことにより、加硫ブラダーの形状に成形する。また、インジェクションによる成形も可能である。
本発明の加硫用ブラダーの厚さは、好ましくは5mm以上、より好ましくは6mm以上である。5mm未満では、ブラダーの寿命が短くなる傾向がある。また、該厚さは、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下である。15mmを超えると、コストアップする傾向がある。なお、加硫用ブラダーの厚さは、トレッドのクラウン部(中央部)の下部のインナーライナーと加硫時に接する箇所の厚さを測定することにより算出する。
本発明の加硫用ブラダーは、130〜220℃で5〜120分間(好ましくは150〜190℃で5〜90分間)の条件でタイヤの加硫成型に繰り返し用いる場合においても、優れたブラダーライフを有している。特に、乗用車用タイヤの加硫成型では140〜200℃で5〜35分間(好ましくは150〜185℃で7〜25分間)の加硫条件、トラック・バス用タイヤの加硫成型では135〜185℃で10〜50分間(好ましくは140〜175℃で12〜40分間)の加硫条件において、上記加硫用ブラダーを好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
ブチルゴム(IIR):エクソンモービル化学社製のBUTYL268
クロロプレンゴム(CR):東ソー(株)製のスカイプレンB30
カーボンブラック:キャボットジャパン社製のショウブラックN220(NSA:115m/g、DBP吸油量:115ml/100g)
キャスターオイル(ひまし油):伊藤製油(株)製のひまし油
フェノール系樹脂:住友化学(株)製のタッキロール201(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、下記式中、n:0〜2)
Figure 0005632790
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛1号
ピッチ系炭素繊維:三菱樹脂(株)製の石炭ピッチ系炭素繊維「K6371T」(チョップドファイバー、平均繊維径:11μm、平均繊維長6.3mm、熱伝導率140W/m・K)
炭素繊維(カーボンナノチューブ):昭和電工(株)製のVGCF(気相法炭素繊維(カーボンナノチューブ)、平均繊維径:150nm、平均繊維長15μm)
硫黄:軽井沢精錬所社製
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜3及び比較例1〜6
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りして混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に、硫黄及び加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を190℃で30分間加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
また、未加硫ゴム組成物を上型・下型ブラダーモールドとコアモールドの間の内側にセットし、モールドを閉じて上下から圧縮することにより195/65R15サイズのブラダーの形状に成形し、190℃で30分間加硫することにより、加硫用ブラダー(厚さ7mm)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、加硫用ブラダーを下記方法により評価した。
〔ゴム強度〕
JIS−K6251に準じて、加硫ゴム組成物からなる3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断強度TB(MPa)と破断時伸びEB(%)を測定した。TB、EBが大きいほどゴム強度が高いことを示し、ゴム強度の指標として、TB×EBを用いて示した。
〔熱伝導率〕
JIS−R2616に準じて、熱伝導率測定機(京都電子工業社製QTM−500)を用いて、測定温度25℃、測定時間60秒の条件で、加硫ゴム組成物の試験片(縦100mm×横50mm×厚さ10mm、サンプルは均質、測定面は平滑)の熱伝導率(W/m・K)を測定した。数値が大きいほど熱を通しやすく、加硫時間を短くできる。
〔ブラダーライフ試験〕
製造した加硫用ブラダーを、195/65R15サイズのタイヤ成形(加硫条件:185℃、表1に示す加硫時間)に使用し、ブラダーがパンクするまでの使用(加硫)回数を調べた。比較例1を100とし、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、ブラダーの寿命が長いことを示す。
(ブラダーライフ指数)=(各配合の使用回数)/(比較例1の使用回数)×100
〔操縦安定性〕
製造した加硫用ブラダーを用いて、一般的なゴム組成物からなる未加硫タイヤを185℃、21kgf/cmの条件で表1に示した加硫時間にて加硫成型し、試験用タイヤを製造した(タイヤサイズ195/65R15)。テストコースにおいて当該タイヤを装着した普通乗用車を走行させ、操縦安定性の官能試験を実施した。特にハンドル応答性について、比較例1を6点として相対評価した。
Figure 0005632790
表1から、ピッチ系炭素繊維を配合していない比較例1に対して、ピッチ系炭素繊維を3〜55質量部配合した実施例1〜3では、熱伝導率が高くなり、加硫時間を短縮化できた。さらに、ゴム強度(TB×EB値)も改善でき、ブラダーライフの長寿命化を実現できた。また、製造した加硫用ブラダーを用いて、加硫成型したタイヤの操縦安定性も同等の性能を有していた。ピッチ系炭素繊維を2.5質量部配合した比較例2では、ゴム強度の向上、加硫時間の短縮化に僅かに改善効果がみられるが、ブラダーライフの改善はあまりみられなかった。ピッチ系炭素繊維を60質量部配合した比較例3では、ゴム強度が低下し、ブラダーライフが悪化した。カーボンナノチューブを配合した比較例4〜6では、実施例に比べて、熱伝導率、ゴム強度の改善効果が低く、ブラダーライフが劣っていた。

Claims (4)

  1. ゴム成分100質量部に対して、ピッチ系炭素繊維を3〜55質量部配合し
    前記ゴム成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量が90〜99質量%、クロロプレンゴムの含有量が1〜10質量%であるブラダー用ゴム組成物。
  2. 前記ピッチ系炭素繊維は、石炭ピッチ系炭素繊維である請求項1記載のブラダー用ゴム組成物。
  3. 前記ピッチ系炭素繊維は、熱伝導率100W/m・K以上、平均繊維径1〜80μm、平均繊維長0.1〜30mmである請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した加硫用ブラダー。
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