JP5519385B2 - ブレーカートッピング用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、ブレーカートッピング用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、環境問題、経済性を考慮して、タイヤの転がり抵抗の低減(低燃費性の向上)の要求が高まっており、ブレーカートッピング用ゴムについても、低燃費性の向上が要求されている。
ブレーカートッピング用ゴムに配合されているカーボンブラック等の補強用充填剤の量を減量することにより、低燃費性は向上するが、操縦安定性、耐久性が低下するという問題があった。また、ブレーカートッピング用ゴムには、スチールコードとの接着性、耐剥離性も要求され、例えば、湿熱劣化後の接着性(湿熱接着性)、湿熱劣化後の耐剥離性(湿熱耐剥離性)が必要とされている。
特許文献1には、トレッドゴムに短繊維を配合することにより、タイヤ表面に短繊維が露出し、露出した短繊維により氷雪路面に対する引っ掻き効果を向上できるスタッドレスタイヤについて開示されている。しかし、石炭ピッチ系炭素繊維の補強用充填剤としての使用やブレーカートッピング用ゴムへの適用について詳細に検討されていない。
特開2004−34743号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、操縦安定性、耐久性、湿熱接着性、湿熱耐剥離性がバランスよく得られるブレーカートッピング用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、石炭ピッチ系炭素繊維とを含むブレーカートッピング用ゴム組成物に関する。
上記石炭ピッチ系炭素繊維は、熱伝導率が100W/(m・K)以上、平均繊維径が1〜80μm、平均繊維長が0.1〜30mmであることが好ましい。
上記石炭ピッチ系炭素繊維の含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましい。
本発明はまた、タイヤコードを上記ゴム組成物により被覆して得られるブレーカーを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分と、石炭ピッチ系炭素繊維とを含むブレーカートッピング用ゴム組成物であるので、低燃費性、操縦安定性、耐久性、湿熱接着性、湿熱耐剥離性がバランスよく得られる。該ゴム組成物をブレーカー(該ゴム組成物をタイヤコードに被覆して得られるブレーカー)に適用することにより、低燃費性、操縦安定性、耐久性がバランスよく得られる空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のブレーカートッピング用ゴム組成物は、ゴム成分と、石炭ピッチ系炭素繊維とを含む。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、スチレンイソプレンゴム、イソプレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴムが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低燃費性に有利であるという理由から、NR、IR、BRが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
NRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。80質量%未満であると、耐久性の面で不利になる傾向がある。
本発明では、石炭ピッチ系炭素繊維が使用される。石炭ピッチ系炭素繊維は、繊維状材料であることからゴムの剛性を向上できる。そのため、走行時のゴムの動きを抑制することができ、ゴムの発熱を抑制できる。さらに、石炭ピッチ系炭素繊維により、熱伝導性が向上し、ゴム全体に熱を逃がすことでゴムの発熱をより抑えることができる。このため、低いtanδを得つつ、高い硬度や弾性率が得られ、優れたゴム強度も得ることができると共に、ブレーカー部分の損傷を抑制することができ、耐久性も向上できるものと推測される。更に、ゴムの動きの抑制や放熱効果により湿熱接着性、湿熱耐剥離性も改善されたと推測される。このように、石炭ピッチ系炭素繊維を配合することにより、耐久性、低燃費性、操縦安定性、湿熱接着性、及び湿熱耐剥離性の性能がバランス良く得られる。
石炭ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、低発熱性向上の観点から、平均繊維径が1〜80μmであることが好ましい。平均繊維径の下限は、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。また、平均繊維径の上限は、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
また、石炭ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、低発熱性向上の観点から、平均繊維長が0.1〜30mmであることが好ましい。平均繊維長の下限は、より好ましくは1mm以上、更に好ましくは4mm以上である。また、平均繊維長の上限は、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
なお、上記平均繊維径、平均繊維長は、例えば、電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
石炭ピッチ系炭素繊維の熱伝導率は、好ましくは100W/(m・K)以上、より好ましくは130W/(m・K)以上である。100W/(m・K)未満であると、低発熱性向上の面で不利となる傾向がある。石炭ピッチ系炭素繊維の熱伝導率は、好ましくは1500W/(m・K)以下、より好ましくは800W/(m・K)以下、更に好ましくは500W/(m・K)以下である。1500W/(m・K)を超えると、石炭ピッチ系炭素繊維のコストが顕著に高くなり、コストが増大する傾向がある。
ここで、石炭ピッチ系炭素繊維の熱伝導率は、JIS R1611−1997「ファインセラミックスのレーザフラッシュ法による、熱拡散率・比熱容量・熱伝導率試験方法」の熱伝導率試験方法に準じて測定される値である。
本発明における石炭ピッチ系炭素繊維としては特に限定されないが、例えば、特開平7−331536号公報に記載の製法により得られるものが好適に用いられる。具体的には、ピッチ繊維を常法にしたがって不融化し、所望の温度で炭化及び/又は黒鉛化を行うことにより「原料となる炭素繊維」を得、次にその原料となる炭素繊維を予め黒鉛化処理されたパッキングコークスとともに黒鉛製のルツボの中に入れ黒鉛化処理することにより、石炭ピッチ系炭素繊維を製造できる。
なお、前記製法で使用されるピッチ繊維(紡糸ピッチ)としては、石炭系のコールタール、コールタールピッチ、石炭液化物等の炭素質原料(40%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上の光学的異方性組織を含むものが好適である)を用いて紡糸して得られるものが挙げられる。また、「原料となる炭素繊維」には、サイジング剤(エポキシ化合物、水溶性ポリアミド化合物等)を添着してもよい。
前記製法により、繊維軸方向の熱伝導率が100〜1500W/m・K、引張弾性率85ton/mm以上、圧縮強度35kg/mm以上であり、黒鉛結晶の積層厚みLcが30〜50nm、黒鉛結晶の層面方向の広がりLaとの比(La/Lc)が1.5倍以上であり、かつ繊維軸方向の断面のドメインサイズが500nm以下である石炭ピッチ系炭素繊維を製造でき、本発明で好適に使用できる。なお、引張弾性率、圧縮強度、Lc、La、ドメインサイズ、光学的異方性組織割合は、前記公報に記載の方法により測定できる。
前記製法による石炭ピッチ系炭素繊維は、分子の配向が一方向に規制された液晶(メソフェーズ)などを原料としているため、結晶化度が極めて高く、弾性率、熱伝導度が高い。
本発明における石炭ピッチ系炭素繊維は、多環芳香族分子骨格が層状に積み重なった構造を有するものが好ましい。石炭ピッチ系炭素繊維の市販品としては、三菱樹脂(株)製の「K6371T」等が挙げられる。
上記石炭ピッチ系炭素繊維の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満であると、石炭ピッチ系炭素繊維を配合したことによる効果が充分に得られない。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。50質量部を超えると、耐久性、ゴム強度、加工性が低下するおそれがあると共に、コストも高くなる傾向がある。
本発明では、カーボンブラックを配合してもよい。これにより、ゴムの剛性を向上でき、操縦安定性を向上できる。また、ゴムの補強性も向上でき、耐久性を向上できる。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は30m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましい。30m/g未満では、ゴムの補強性が悪化する傾向にある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は180m/g以下が好ましく、160m/g以下がより好ましく、100m/g以下が更に好ましい。180m/gを超えると、未加硫時の粘度が非常に高くなり、加工性が悪化する傾向、または、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明のゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは25質量部以上である。20質量部未満では、ゴムの補強性が悪化する傾向がある。また、剛性が低下して操縦安定性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは110質量部以下である。120質量部を超えると、発熱が大きくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、有機酸コバルトを含んでもよい。有機酸コバルトは、コード(スチールコード)とゴムとを架橋する役目を果たすため、この成分を配合することにより、コードとゴムとの接着性を向上させることができる。有機酸コバルトとしては、例えば、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ホウ素3ネオデカン酸コバルトなどが挙げられる。なかでも、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルトが好ましい。
有機酸コバルトの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、コバルトに換算して好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.08質量部以上である。0.05質量部未満では、スチールコードのメッキ層とゴムの接着性が充分ではないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下、更に好ましくは0.2質量部以下である。0.5質量部を超えると、ゴムの酸化劣化が顕著になり、破断特性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、酸化亜鉛を含んでもよい。本発明のゴム組成物が酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、特に好ましくは5質量部以上、最も好ましくは7質量部以上である。0.2質量部未満では、補強性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。また、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。また、該酸化亜鉛の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、分散性が悪化し、補強性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ等の補強用充填剤、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のブレーカートッピング用ゴム組成物は、トレッドの内部で、かつカーカスの半径方向外側に配されるブレーカーに使用される。具体的には、特開2003−94918号公報の図3、特開2004−67027号公報の図1、特開平4−356205号公報の図1〜4に示されるブレーカーに使用される。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤコードを上記ブレーカートッピング用ゴム組成物で被覆してブレーカーの形状に成形したのち、他のタイヤ部材と貼りあわせて未加硫タイヤを成形し、加硫することによって、空気入りタイヤ(ラジアルタイヤなど)を得ることができる。得られた空気入りタイヤは、低燃費性、操縦安定性、耐久性のバランスに優れている。また、タイヤコードとの接着性、耐剥離性(剥離抗力)(特に、湿熱劣化後の耐剥離性)にも優れている。
タイヤコードとしては、タイヤ用スチールコードなどが挙げられる。
また、本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとしてより好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
カーボンブラック:三菱化学社製のダイアブラックLH(N326、NSA:84m/g)
プロセスオイル:出光興産社製のダイアナプロセスPS32
老化防止剤:フレキシス社製のサントフレックス13(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛1号
ステアリン酸コバルト:大日本インキ化学工業(株)製のcost−F(コバルト含有量:9.5質量%)
石炭ピッチ系炭素繊維:三菱樹脂(株)製のK6371T(チョップドファイバー、平均繊維径:11μm、平均繊維長6.3mm、熱伝導率140W/(m・K))
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜3及び比較例1
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
更に、得られた未加硫ゴム組成物をシート状に圧延後、金型で175℃、21kgf/cmの条件下で15分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物を用いてスチールコードを被覆し、175℃、21kgf/cmの条件下で15分間プレス加硫し、その後、温度80℃、湿度95%の条件下で150時間劣化処理し、剥離試験用サンプルを作製した。
また、得られた未加硫ゴム組成物を用いてスチールコードを被覆し、ブレーカーの形状に成形した後、他のタイヤ部材と貼り合わせて、未加硫タイヤを形成し、175℃、21kgf/cmの条件下で15分間プレス加硫することにより、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴムシート、剥離試験用サンプル、試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(硬度)
各加硫ゴムシートを用いてゴムの硬度をJIS K6253に準拠し、25℃の温度で硬度計を用いて測定した(ショア−A測定)。数値が大きいほど硬く、操縦安定性に優れることを示す。
(粘弾性試験)
粘弾性スペクトロメーターVES−F−3((株)岩本製作所製)を用いて、温度60℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴムシートのE(複素弾性率)、tanδ(損失正接)を測定した。Eが大きいほど操縦安定性に優れ、tanδが小さいほど低燃費性に優れる。
(ゴム強度)
加硫ゴムシートについて、JIS K6251に準じて3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断時のモジュラスTB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定した。TB×EBが大きいほどゴム強度に優れる。
(操縦安定性)
試験用タイヤを車両(国産FR2500cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性(特にハンドル応答性)を評価した。10点を満点とし、比較例1を6点として相対評価を行った。数値が大きいほど、操縦安定性に優れ、良好であることを示す。
(接着試験(ゴム被覆率、剥離抗力))
剥離試験用サンプルを用いて接着試験を行い、ゴム被覆率(%)、剥離抗力(N/mm)をそれぞれ測定した。なお、ゴム被覆率は、スチールコードとゴム間を剥離したときの剥離面のゴムの覆われている割合を示し、大きいほど湿熱劣化後の接着性(湿熱接着性)に優れている(100%:全面が覆われている)。また、剥離抗力は、インストロンにより測定し、比較例1の剥離抗力指数を100とし、下記計算式により、各配合の剥離抗力をそれぞれ指数表示した。剥離抗力指数が大きいほど剥離しにくく、湿熱劣化後の耐剥離性(湿熱耐剥離性)に優れている。
(剥離抗力指数)=(各配合の剥離抗力)/(比較例1の剥離抗力)×100
(耐久性(連続高速走行試験))
試験用タイヤを200kPaの内圧でリム組みし、8.79kNの荷重をかけてドラム上を速度170km/hで走行させ、ブレーカーゴムが損傷するまでの走行距離を測定した。比較例1の耐久性指数を100とし、下記計算式により、各配合の走行距離をそれぞれ指数表示した。耐久性指数が大きいほど、耐久性に優れる。
(耐久性指数)=(各配合の走行距離)/(比較例1の走行距離)×100
Figure 0005519385
石炭ピッチ系炭素繊維を配合した実施例は、比較例1と比較して、硬度、Eが大きくなり、操縦安定性、ゴム強度が向上した。また、tanδは比較例1と比較して、大きくは上昇せず、低燃費性は悪化しなかった。更に、スチールコードとの接着性(湿熱劣化後の接着性(湿熱接着性))は比較例1と比較して、同等以上であり、また、スチールコードとの耐剥離性(湿熱劣化後の耐剥離性(湿熱耐剥離性))が優れていた。更に、試験用タイヤを用いた連続高速走行試験では、ブレーカーゴムの損傷が発生しにくく、比較例1と比較して、耐久性が大幅に向上した。これらは、繊維状材料である石炭ピッチ系炭素繊維を配合したため剛性が向上し、ゴムの動きが抑制されていること、及び石炭ピッチ系炭素繊維の熱伝導率が大きいことによる放熱の効果によるものと推測される。

Claims (3)

  1. ゴム成分と、熱伝導率が100W/(m・K)以上、平均繊維径が1〜80μm、平均繊維長が0.1〜30mmである石炭ピッチ系炭素繊維とを含むブレーカートッピング用ゴム組成物。
  2. 前記石炭ピッチ系炭素繊維の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜50質量部である請求項1記載のブレーカートッピング用ゴム組成物。
  3. タイヤコードを請求項1又は2記載のブレーカートッピング用ゴム組成物により被覆して得られるブレーカーを有する空気入りタイヤ。
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