JP5451124B2 - ブレーカートッピング用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーカートッピング用ゴム組成物及びタイヤに関する。
従来より、タイヤの転がり抵抗を低減させる技術(車の低燃費化)として、ゴム組成物に充填剤としてシリカを配合する方法が知られており、トレッドゴムにシリカを配合すると、転がり抵抗を低減できるとともに、WETトラクション性能も同時に向上できる。例えば、特許文献1〜3には、窒素吸着比表面積の異なる2種類のシリカをトレッドゴムに配合することで転がり抵抗性能、操縦安定性、ウェットスキッド性能、等をバランスよく向上できることが開示されている。
しかし、トレッドゴムのみの改善では転がり抵抗低減効果に限界があり、トレッドゴム以外のタイヤ部材にも優れた低発熱性が要求され、例えば、ブレーカートッピングゴムにも転がり抵抗性能の改善が求められている。また、ブレーカートッピングゴムでは、転がり抵抗性能だけでなく、耐破壊強度、スチールコード等のコードとの接着性等の性能もバランスよく改善すること、更に未加硫状態での加工性に優れていることも要求されている。
転がり抵抗を低減できる他の技術として、補強用充填剤の含有量を減量する方法が知られているが、ゴム組成物の硬度が低下するためタイヤが軟化し、操縦安定性が劣るという問題がある。そのため、この方法をブレーカートッピングゴムに適用した場合、走行による繰り返し変形で劣化が進み、最終的にはゴムが破断するおそれがある。
ブレーカートッピング用ゴム組成物では、トレッドゴムと異なり、低燃費化のために従来から粒子径の大きいカーボンブラックが使用されている。そのため、カーボンブラックの一部又は全部をシリカに置換しても、転がり抵抗の低減効果はそれほど大きくない。また、シリカに置換すると、耐破壊強度や操縦安定性が低下するという問題もある。さらに、シリカをブレーカートッピング用ゴム組成物に用いると、未加硫状態のゴム粘度(ムーニー粘度)が上昇するなど、加工性についても不利な点がある。
以上のように、ブレーカートッピング用ゴム組成物において、転がり抵抗性能、耐破壊強度、未加硫状態の加工性、操縦安定性、コードとの接着性のすべての性能を同時に満足するゴム組成物は得られていないのが現状である。
特開2006−233177号公報 特開2008−50570号公報 特開2008−101127号公報
本発明は、上記課題を解決し、転がり抵抗性能、耐破壊強度、未加硫状態の加工性、操縦安定性、コードとの接着性のすべての性能をバランス良く得ることができるブレーカートッピング用ゴム組成物、及びこれを用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、(1)窒素吸着比表面積が130m/g以下のシリカおよび(2)窒素吸着比表面積が150m/g以上のシリカを合計20〜100質量部含有し、さらに上記シリカ(1)および(2)の合計含有量100質量部に対して、シランカップリング剤を2〜15質量部含有し、上記シリカ(1)および(2)の含有量が、以下の式を満たすブレーカートッピング用ゴム組成物に関する。
〔シリカ(1)の含有量〕×0.2≦〔シリカ(2)の含有量〕≦〔シリカ(1)の含有量〕×6.5
上記ジエン系ゴムが、天然ゴム、イソプレンゴム、及びエポキシ化天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むことが好ましい。また、上記天然ゴム、イソプレンゴム、及びエポキシ化天然ゴムの合計含有量が、上記ジエン系ゴム100質量%中、70質量%以上であることが好ましい。
本発明はまた、ブレーカーコードを上記ゴム組成物により被覆して得られるブレーカーを有するタイヤに関する。
本発明によれば、低比表面積のシリカと高比表面積のシリカとシランカップリング剤とを配合し、該2種類のシリカの含有量の混合比を所定の範囲にすることで、転がり抵抗性能、耐破壊強度、未加硫状態の加工性、コードとの接着性、及び車の操縦安定性がバランス良く得られるブレーカートッピング用ゴム組成物、及びこれをブレーカーコードに被覆して得られるブレーカーを有するタイヤを提供できる。
本発明のブレーカートッピング用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分、(1)窒素吸着比表面積が130m/g以下のシリカ(以下、シリカ(1)とする)、(2)窒素吸着比表面積が150m/g以上のシリカ(以下、シリカ(2)とする)、シランカップリング剤を含有する。
ジエン系ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)などが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スチールコードとの接着性が優れる点から、NR、IR、ENRが好ましく、NRがより好ましい。
ジエン系ゴム100質量%中のNR、IR及びENRの合計含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。70質量%未満であると、スチールコードとの接着性が充分確保できず、タイヤの耐久性が劣る傾向がある。
シリカ(1)および(2)としては、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などが挙げられ、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカが好ましい。
シリカ(1)の窒素吸着比表面積(以下、NSAとする)は130m/g以下、好ましくは100m/g以下、より好ましくは70m/g以下である。シリカ(1)のNSAが130m/gをこえると、シリカ(2)との混合により得られる効果が小さい。また、シリカ(1)のNSAは20m/g以上が好ましく、30m/g以上がより好ましい。シリカ(1)のNSAが20m/g未満では、ゴム組成物の耐破壊強度が低下する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
窒素吸着比表面積(NSA)130m/g以下のシリカとしては、例えば、デグッサ社製のULTRASIL360(NSA50m/g)、ローディア社製のZEOSIL115GR(NSA115m/g)、ローディア社製のZEOSIL1115MP(NSA115m/g)等が挙げられる。
シリカ(1)の含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。シリカ(1)の含有量が5質量部未満では、転がり抵抗が充分に低減しない傾向がある。また、シリカ(1)の含有量は、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましい。シリカ(1)の含有量が40質量部をこえると、ゴム組成物の耐破壊強度が低下する傾向がある。
シリカ(2)のNSAは、150m/g以上、好ましくは160m/g以上、より好ましくは170m/g以上である。シリカ(2)のNSAが150m/g未満では、シリカ(1)との混合により得られる効果が小さい。また、シリカ(2)のNSAは、300m/g以下が好ましく、240m/g以下がより好ましい。シリカ(2)のNSAが300m/gをこえると、加工性が悪化する傾向がある。
窒素吸着比表面積(NSA)150m/g以上のシリカとしては、例えば、デグッサ社製のULTRASILVN3(NSA175m/g)、ローディア社製のZEOSIL1165MP(NSA160m/g)、ローディア社製のZEOSIL1205MP(NSA200m/g)等が挙げられる。
シリカ(2)の含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。シリカ(2)の含有量が5質量部未満では、充分な操縦安定性が得られない傾向がある。また、シリカ(2)の含有量は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。シリカ(2)の含有量が40質量部をこえると、加工性が悪化する傾向がある。
シリカ(1)および(2)の合計含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。シリカ(1)および(2)の合計含有量が20質量部未満では、シリカ(1)および(2)の添加による補強効果が充分に得られない。また、シリカ(1)および(2)の合計含有量は100質量部以下、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。シリカ(1)および(2)の合計含有量が100質量部をこえると、ゴム組成物中において、シリカが均一に分散することが困難となり、ゴム組成物の加工性が悪化する。
シリカ(1)の含有量および(2)の含有量は、以下の式を満たす。
〔シリカ(1)の含有量〕×0.2≦〔シリカ(2)の含有量〕≦〔シリカ(1)の含有量〕×6.5
シリカ(2)の含有量は、シリカ(1)の含有量の0.2倍以上、好ましくは0.5倍以上である。シリカ(2)の含有量がシリカ(1)の含有量を0.2倍した量より少ないと、耐破壊強度が低下する傾向がある。また、シリカ(2)の含有量は、シリカ(1)の含有量の6.5倍以下、好ましくは4.5倍以下、より好ましくは3.0倍以下である。シリカ(2)の含有量がシリカ(1)の含有量を6.5倍した量より多いと、加工性が悪化し、転がり抵抗低減効果が充分得られない傾向がある。
本発明で使用されるシランカップリング剤としては、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤とすることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。なかでも、加工性に優れる点からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ(1)および(2)の合計含有量100質量部に対して2質量部以上、好ましくは5質量部以上である。シランカップリング剤の含有量が2質量部未満では、耐破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は15質量部以下、好ましくは10質量部以下である。シランカップリング剤の含有量が15質量部をこえると、シランカップリング剤を添加することによる耐破壊強度の増加、転がり抵抗低減、加工性の向上などの効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分、シリカ(1)および(2)、ならびにシランカップリング剤のほかに、ゴム組成物の製造に一般に使用される添加剤、カーボンブラック、クレーなどのシリカ以外の補強用充填剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、ワックス、加硫剤、加硫促進剤、加工助剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、耐破壊強度、加工性(未加硫状態の加工性)を向上させることができる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、FF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は40m/g以上が好ましく、45m/g以上がより好ましい。40m/g未満では、補強性及び耐摩耗性が著しく悪化する傾向がある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は120m/g以下が好ましく、90m/g以下がより好ましい。120m/gを超えると、分散性が悪く、かえって補強性及び耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、シリカ及びカーボンブラックの合計含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは45質量部以上である。40質量部未満では、ゴム硬度が低くなり、破断強度が不足する傾向がある。また、該合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは130質量部以下、より好ましくは90質量部以下、さらに好ましくは70質量部以下である。130質量部を超えると、発熱性が高くなり、耐久性が低下する傾向がある。
加硫剤としては、ゴム工業において加硫時に一般的に用いられるもの(硫黄など)を使用できるが、特にゴムシート押出し時又はゴムシート保管時において、ゴム表面へ析出し難いという効果が得られることから、不溶性硫黄を用いることが好ましい。ここで、不溶性硫黄とは、硫黄をゴム加硫剤に用いた場合に生じるブルーミングを防止できる高分子硫黄のことをいう。
硫黄の配合量(不溶性硫黄の場合は、純硫黄分の配合量)は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましい。硫黄の配合量が2質量部未満では、充分な架橋密度が得られないため、スチールコードとの良好な接着性が得られない可能性がある。また、硫黄の配合量は、12質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。硫黄の配合量が12質量部をこえると、ゴムシート押出し時又はゴムシート保管時において、ゴム表面へ析出する可能性があり、接着性を充分確保できなくなるおそれがある。
加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられる。なかでも、加硫速度を遅くし、スチールコードとの接着性を確保する点から、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)が好ましい。
本発明のゴム組成物は、有機酸コバルトを含んでもよい。有機酸コバルトは、コード(スチールコード)とゴムとを架橋する役目を果たすため、この成分を配合することにより、コードとゴムとの接着性を向上させることができる。有機酸コバルトとしては、例えば、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ホウ素3ネオデカン酸コバルトなどが挙げられる。なかでも、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルトが好ましい。
有機酸コバルトの含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、コバルトに換算して好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.25質量部以上である。0.1質量部未満では、スチールコードのメッキ層とゴムの接着性が充分ではないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下である。0.5質量部を超えると、ゴムの酸化劣化が顕著になり、破断特性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。また、本発明では、未加硫状態の加工性が向上(ムーニー粘度が低下)するため、混練り工程や押出し加工工程の加工性を改善することができる。
本発明のブレーカートッピング用ゴム組成物は、トレッドの内部で、かつカーカスの半径方向外側に配されるブレーカーに使用される。具体的には、特開2003−94918号公報の図3、特開2004−67027号公報の図1、特開平4−356205号公報の図1〜4に示されるブレーカーに使用される。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤコードを上記ブレーカートッピング用ゴム組成物で被覆してブレーカーの形状に成形したのち、他のタイヤ部材と貼りあわせて未加硫タイヤを成形し、加硫することによって、空気入りタイヤ(ラジアルタイヤなど)を得ることができる。得られた空気入りタイヤは、低発熱性(優れた転がり抵抗性能)を有し、また、優れた操縦安定性、耐破壊強度を有する。また、タイヤコードの接着性にも優れている。
ブレーカーコードとしては、タイヤ用スチールコード、2+2/0.23(線経0.23mmの2本と2本のコードを和して撚り合せたタイヤコード)、黄銅メッキ付高張力コードなどが挙げられる。
実施例にもとづいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS♯3
カーボンブラック(1):キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(NSA75m/g)
カーボンブラック(2):キャボットジャパン(株)製のショウブラックN550(NSA42m/g)
シリカ(1):デグッサ社製のULTRASIL360(NSA50m/g)
シリカ(2):ローディアジャパン社製のZEOSIL1205MP(NSA200m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ナフテン酸コバルト:大日本インキ化学工業(株)製のナフテン酸コバルト(Co含量10.0質量%)
オイル処理不溶性硫黄:フレキシス社製のクリステックスHSOT20(硫黄80質量%およびオイル分20質量%含む不溶性硫黄。硫黄成分のうち、不溶性硫黄分は90%以上であり、可溶性硫黄分は10%以下である。)
加硫促進剤DZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜3および比較例1〜5
表1に示す配合内容にしたがって、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を3分間混練し、さらに、硫黄および加硫促進剤をオープンロールで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
更に、得られた未加硫ゴム組成物をシート状に圧延後、金型で150℃の条件下で30分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物を用いてスチールコードを被覆し、ブレーカーの形状に成形した後、他のタイヤ部材と貼り合わせて加硫することにより、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴムシート、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(ムーニー粘度)
JIS K 6300−1「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準じて、ムーニー粘度試験機を用いて、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4/130℃)を測定した。測定結果を比較例1の結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど粘度が低く、加工が容易であることを示す。
(転がり抵抗指数)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で、各配合(加硫ゴムシート)のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗性能が優れる。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(耐破壊強度)
加硫ゴムシートについて、JIS K6251に準じて3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断強度(TB)を破断時伸びEB(%)を測定した。TB×EB/2の数値を耐破壊強度として、比較例1の耐破壊強度を100とした指数で示した。指数が大きいほど耐破壊強度に優れる。
(接着性)
接着試験を実施し、加硫ゴムシートを温度80℃、湿度95%の条件下で150時間、湿熱劣化したのちの加硫ゴムシートのゴム被覆率(%)をそれぞれ測定した。ゴム被覆率は、スチールコードとゴム間を剥離したときの剥離面のゴムの覆われている割合を指数表示した。5は100%全面が覆われ、0は全く覆われていない状態を示す。
(操縦安定性)
試験用タイヤを車両(国産FR2500cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。10点を満点とし、比較例1を6点として相対評価を行った。数値が大きいほど、操縦安定性に優れ、良好であることを示す。
Figure 0005451124
表1のとおり、NRに、充填剤として、低比表面積のシリカと高比表面積のシリカとを同時に使用した実施例は、転がり抵抗性能、耐破壊強度、未加硫状態の加工性、操縦安定性、コードとの接着性のすべての性能をバランス良く得ることができた。一方、従来使用されている粒子径の大きいカーボンブラックを使用した比較例1では、実施例に比べて全体的に性能が劣っていた。また、カーボンブラックを減量した比較例2や、比較例1よりもさらに粒子径の大きいカーボンブラックを使用した比較例3は、耐破壊強度および操縦安定性に劣っていた。また、2種類のシリカを同時に使用しなかった比較例4、5では、転がり抵抗性能、耐破壊強度、未加硫状態の加工性、操縦安定性、コードとの接着性のすべての性能をバランス良く得ることができなかった。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム成分100質量部に対して、
    (1)窒素吸着比表面積が130m/g以下のシリカおよび(2)窒素吸着比表面積が150m/g以上のシリカを合計20〜100質量部含有し、
    さらに前記シリカ(1)および(2)の合計含有量100質量部に対して、シランカップリング剤を2〜15質量部含有し、
    前記シリカ(1)および(2)の含有量が、以下の式を満たし、
    以下の式におけるシリカ(1)の含有量が、ジエン系ゴム成分100質量部に対するシリカ(1)の含有量(質量部)を表し、シリカ(2)の含有量が、ジエン系ゴム成分100質量部に対するシリカ(2)の含有量(質量部)を表すブレーカートッピング用ゴム組成物。
    〔シリカ(1)の含有量〕×0.2≦〔シリカ(2)の含有量〕≦〔シリカ(1)の含有量〕×6.5
  2. 前記ジエン系ゴム成分が、天然ゴム、イソプレンゴム、及びエポキシ化天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含む請求項1記載のブレーカートッピング用ゴム組成物。
  3. 前記天然ゴム、イソプレンゴム、及びエポキシ化天然ゴムの合計含有量が、前記ジエン系ゴム成分100質量%中、70質量%以上である請求項2記載のブレーカートッピング用ゴム組成物。
  4. ブレーカーコードを請求項1〜3のいずれかに記載のブレーカートッピング用ゴム組成物により被覆して得られるブレーカーを有するタイヤ。
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