JP5159185B2 - 大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物および大型タイヤ - Google Patents

大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物および大型タイヤ Download PDF

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Description

本発明は、脱蛋白天然ゴムを用いた大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物、および該ゴム組成物をキャップトレッドに用いた大型タイヤに関する。
トラック/バス用タイヤなど大型タイヤでは耐久性能の維持、燃費の向上を目的に低発熱性であることが求められていることから、そのトレッド用ゴムを構成するゴムの殆どが天然ゴムである。
ところで、主として良路を走行することが多いバスなどのオールシーズンタイヤでは、耐摩耗性を向上させるためブタジエンゴム(BR)を配合することもあるが、ダンプなどの大型タイヤでは悪路を走行することが多いため、キャップトレッドにチップカットなどの損傷が生じやすい。そのため、耐摩耗性は向上するが耐チップカット性を損なう方向のBRは配合せず、専ら耐チップカット性に優れかつ高い強度が得られる天然ゴムのみで構成している。
このように、耐チップカット性が重視される大型タイヤ、特に悪路走行用の大型タイヤの耐摩耗性を向上させる手段はカーボンブラックの配合によって補強性を向上させることに限定されているのが現状である。
一方、通常の天然ゴム中には、蛋白質や脂質等の非ゴム成分が5〜10重量%ほど存在している。これらの非ゴム成分、とくに蛋白質は分子鎖の絡み合いの原因となると言われており、ゲル化を引きおこす要因となり、ゲル化がおこるとゴムの粘度が上昇し、加工性が悪化するという欠点がある。一般的に、天然ゴムの加工性を改良するために、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げるという方法が用いられているが、このような素練りは分子主鎖をランダムに切断してしまうため、燃費特性の悪化を引きおこす。
そこでゲル化の要因の一つとしてあげられている蛋白質を除去する方法が知られており、得られた脱蛋白天然ゴムをタイヤのコンポーネント用のゴムとして使用することが提案されている(特許文献1〜2参照)。しかし、これらの文献に記載されたゴム組成物は経時後を含めた耐チップカット性能に直接係るゴム強度の点で改善の余地がある。
特開平6−329838号公報 特開2005−47993号公報
本発明は、天然ゴムの優れた特性である耐チップカット性や機械的強度を低下させることなく、耐摩耗性、加工性および低燃費性を向上させ得る大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物、ならびに該ゴム組成物をキャップトレッドに用いた大型タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを5〜90重量%と天然ゴムを10〜95重量%含むゴム成分と、
該ゴム成分100重量部に対してワックスを0.5〜3.0重量部含む大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物に関する。
前記脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は、0.1重量%以下であることが好ましい。
前記ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの割合は、20〜80重量%であることが好ましい。
さらに本発明は、前記キャップトレッド用ゴム組成物からなるキャップトレッドを有する大型タイヤにも関する。
本発明によれば、総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムと天然ゴムを併用し、さらにワックスを配合することにより、耐チップカット性や機械的強度を低下させることなく、耐摩耗性、加工性および低燃費性を向上させ得る大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物、ならびに該ゴム組成物をキャップトレッドに用いた大型タイヤを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物は、総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムと天然ゴムとワックスとを含む。
本発明で使用する脱蛋白天然ゴムは、天然ゴム中に5〜10重量%程度含まれ、ゲル化を引きおこす蛋白質を除去し、蛋白質の指標としての総チッ素含有率を0.3重量%以下にした脱蛋白天然ゴムをゴム成分の一部として配合することで、耐摩耗性、ゴム強度、発熱性能を改善している。なお、天然ゴムを脱蛋白する処理としては、特開平6−329838号公報、特開2005−47993号公報などに記載されている従来から公知の方法を採用することができる。
本発明では、脱蛋白天然ゴムの蛋白質含有量の指標として総チッ素含有率を用いる。脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下である。総チッ素含有率が0.3重量%をこえると、ゲル化を引き起こす要因となり、ゴム組成物の加工性が低下したり、さらに耐摩耗性やゴム強度が悪化する。なお、脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は低い方が好ましく、できればチッ素を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常0.03重量%である。
脱蛋白天然ゴムの重量平均分子量は、生ゴム強度が高く、タイヤに成形したときの耐摩耗性に優れる点から、100万以上が好ましく、120万以上がより好ましい。なお、脱蛋白天然ゴムの重量平均分子量の上限値はとくに制限はないが、押出成形時などにおける加工性に優れる点から、通常180万以下が好ましい。
また、脱蛋白天然ゴムはゲル分が減少した天然ゴムであり、トルエン不溶分として測定される脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は、未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制でき、加工性に優れる点から、20重量%以下が好ましい。なお、脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は低い方が好ましく、できればゲル分を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常3重量%である。
本発明においてゴム成分として使用される脱蛋白天然ゴム以外のゴム成分は天然ゴムである。
ゴム成分中における脱蛋白天然ゴムの割合は5〜90重量%であり、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは50〜80重量%である。脱蛋白天然ゴムの割合が5重量%を下回ると脱蛋白天然ゴムを配合する効果が小さくなり、一方、90重量%をこえるとコスト高となる。
本発明の大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物には、さらにワックスを配合する。ワックスを配合することにより、耐候性が向上する。ワックスの配合割合は、ゴム成分100重量部に対して0.5〜3.0重量部であり、好ましくは1〜2重量部である。0.5重量部を下回ると耐候性が充分に発揮できず、老化によるゴム強度の低下が早まる。一方、3.0重量部をこえると滲出(ブルーミング)による変色などが生じやすくなる。
本発明のゴム組成物にはカーボンブラックを含むことが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は好ましくは70m2/g以上、さらに好ましくは80〜180m2/gである。カーボンブラックのN2SAが前記の範囲にあるとき、良好な補強効果が得られることから好ましい。
前記カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸油量は好ましくは70ml/100g以上、さらに好ましくは80〜160ml/100gである。DBP吸油量が前記範囲にあるとき、良好な補強効果が得られることから好ましい。
前記カーボンブラックの具体例としては、HAF、ISAF、SAF等があげられるが、とくに制限されるものではない。
前記カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜120重量部、特に好ましくは15〜100重量部である。カーボンブラックの配合量が前記の範囲にあるとき、よりいっそう充分な低発熱性およびウェットグリップ性能が得られ、また良好な加工性、作業性が達成できる。
本発明のゴム組成物はシリカを含んでいてもよい。シリカとしては湿式法または乾式法により製造されたシリカがあげられるが、とくに制限はない。
本発明に用いられるシリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は好ましくは100〜300m2/g、さらに好ましくは120〜280m2/gである。シリカのN2SAがこの範囲にあるとき、良好な補強効果と良好な分散性が得られ、ゴム組成物の発熱性をさらに抑えることができる。
前記シリカの配合量は、ゴム成分100重量部に対して好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜120重量部、特に好ましくは15〜100重量部である。シリカの配合量が前記の範囲にあるとき、より一層充分な低発熱性およびウェットグリップ性能が得られ、また良好な加工性、作業性が達成できる。
本発明のゴム組成物はシランカップリング剤を含むことが好ましい。本発明で好適に使用できるシランカップリング剤は、従来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリング剤とすることができる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。シランカップリング剤の添加効果とコストの両立からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらシランカップリング剤は1種、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100重量部に対して0〜20重量部が好ましい。シランカップリング剤の配合量が前記範囲にあるとき、適正なコストでカップリング効果が得られ、より一層良好な補強性や耐摩耗性が達成できる。分散効果、カップリング効果がさらに向上することから、シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して2〜15重量部であることがより好ましい。
なお、本発明のゴム組成物には、前記の天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、ワックス、さらに要すればカーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤以外に、必要に応じて、軟化剤、老化防止剤、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の大型タイヤのキャップトレッドの製造に通常用いられる配合剤を適宜配合することができる。
本発明の大型タイヤは、本発明の大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階で大型タイヤのキャップトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造する。
本発明の大型タイヤは、バス、トラック、トレーラー、モノレールなどの良路用のオールシーズンタイヤとして、また、ダンプトラック、トラクターなどの悪路用のタイヤとして使用できるが、耐チップカット性が特に要求されるダンプなどの悪路用の大型タイヤとして特に好適である。
なお、本明細書で規定する総チッ素含有率、ゲル含有率および重量平均分子量の測定法はつぎのとおりである。
(総チッ素含有率)
ケルダール試験法(特開平6−329838号公報に詳しく記載されている方法)によりチッ素含有率を測定する。
(ゲル含有率)
生ゴムを1mm×1mmに切断したサンプル70mgを計り取り、これに35mlのトルエンを加え1週間冷暗所に静置する。ついで、遠心分離してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで洗浄した後、乾燥し重量(mg)を測定し、つぎの式によりゲル含有率(%)を求める。
ゲル含有率(%)=(乾燥後の重量)/(最初のサンプル重量)×100
(重量平均分子量測定)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定し(溶媒;テトラヒドロフラン)、重量平均分子量を求める。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
各種薬品の説明
天然ゴム:RSS#3
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN220(N2SA:120m2/g、DBP吸油量:110ml/100g)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド)
下記に示す調製例1〜3により脱蛋白天然ゴムA〜Cを調製した。
調製例1(脱蛋白天然ゴムA)
ソクテック社(マレーシア)製の高アンモニアタイプの天然ゴムラテックス(固形分60.2%)150mlをゴム固形分が10%になるように2Lの蒸留水で希釈し、0.12%のナフテン酸ソーダで安定化させ、リン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調節した。ついで、脱蛋白酵素アルカラーゼ2.0M(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))7.8gを100mlの蒸留水に分散させて、前記希釈天然ゴムラテックスに加えた。ラテックスのpHを再度9.2に調整した後、37℃で24時間維持して脱蛋白処理を行なった。脱蛋白処理を完了したラテックスに対して、陰イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製のKP4401)を1重量%の割合で添加し、10,000rpmで30分間遠心分離を行なった。遠心分離後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出し、さらに水で希釈することにより、ゴム固形分60%の脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得た。この脱蛋白天然ゴムラテックスをガラス板上にキャストし、室温で乾燥した後、さらに減圧下に乾燥した。得られた乾燥ゴムをアセトン/2−ブタノン混合溶媒(3:1)で抽出処理して不純物(ホモポリマーなど)を除去し、脱蛋白天然ゴムA(DPNR−A)を得た。
この脱蛋白天然ゴムAの総チッ素含有率は0.034重量%であり、ゲル含有率は4.5重量%、重量平均分子量は140万であった。
調製例2(脱蛋白天然ゴムB)
脱蛋白酵素アルカラーゼの量を2.0gに変更したほかは調製例1と同様にして脱蛋白天然ゴムB(DPNR−B)を得た。
この脱蛋白天然ゴムBの総チッ素含有率は0.25重量%であり、ゲル含有率は18.8重量%、重量平均分子量は130万であった。
調製例3(脱蛋白天然ゴムC)
脱蛋白酵素アルカラーゼの量を0.1gに変更したほかは調製例1と同様にして脱蛋白天然ゴムC(DPNR−C)を得た。
この脱蛋白天然ゴムCの総チッ素含有率は0.35重量%であり、ゲル含有率は25.3重量%、重量平均分子量は130万であった。
調製例4(市販の天然ゴム(NR))
市販のハイアンモニア天然ゴムラテックス(野村貿易(株)製、Hytex)をガラス板上に流延し、室温で乾燥した後、減圧下で乾燥した。得られた乾燥ゴムをアセトン/2−ブタノン混合溶媒(3:1)で抽出処理して不純物(ホモポリマーなど)を除去し、天然ゴム(NR)を得た。
この天然ゴム(NR)の総チッ素含有率は0.4重量%であり、ゲル含有率は29.0重量%、重量平均分子量は120万であった。
実施例1〜4および比較例1〜2
表1に示す配合処方にしたがって、混練り配合し、各種供試ゴム組成物を得た。これらのゴム組成物について、つぎの特性を調べた。結果を表1に示す。
(加工性)
JIS K6300に準じて各配合の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を130℃で測定する。測定結果を比較例1のムーニー粘度を100とした指数で示す。指数が大きいほど粘度が低く加工性に優れている。
(耐チップカット性)
試験片をつぎの方法により作製する。
得られたゴム組成物をロールを用いて厚さ2mmのシートに成形し、ついで150℃、35分間かけて加硫した後、ダンベル(JIS−3号形)で打抜き試験片とする。
JIS K6251に準じて各試験片の引張試験を行い、破断伸びを測定する。測定結果を比較例1の破断伸びを100とした指数で示す。指数が大きいほどゴム強度が大きく、耐チップカット性に優れている。
(摩耗試験)
試験片をつぎの方法により作製する。
得られたゴム組成物を厚さ5.5mmのディスクに成形し、ついで150℃、35分間かけて加硫した後、外径49mm、内径22mmのドーナツ状に打抜き試験片とする。
ランボーン摩耗試験機((株)岩本製作所製)にて、表面回転速度50m/分、負荷荷重3.0kg、落砂量15g/分、スリップ率20%にて試験片の摩耗量を測定する。比較例1の摩耗量を100とした指数で示す。指数が大きいほど耐摩耗性に優れている。
(転がり抵抗指数)
試験片をつぎの方法により作製する。
得られたゴム組成物をロールを用いて厚さ2mmのシートを成形し、ついで150℃、35分間かけて加硫した後、幅4mm、長さ30mmに打抜き試験片とする。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各試験片のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、つぎの計算式で指数表示する。指数が大きいほど転がり抵抗特性に優れる。
転がり抵抗指数=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 0005159185

Claims (4)

  1. 蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴム5〜90重量%と天然ゴム10〜95重量%のみからなるゴム成分と、
    該ゴム成分100重量部に対してワックスを0.5〜3.0重量部含む大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率が0.1重量%以下である請求項1記載の大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの割合が20〜80重量%である請求項1または2記載の大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1、2および3記載の大型タイヤのキャップトレッド用ゴム組成物からなるキャップトレッドを有する大型タイヤ。
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