JP5421025B2 - カーカス用ゴム組成物、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カーカス用ゴム組成物と、該ゴム組成物を用いて作製したカーカスを有する空気入りタイヤと、該ゴム組成物を用いてカーカスを作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法とに関する。
一般に、タイヤには、繊維コードなどの補強コードと、そのコードを被覆するゴム組成物とを含んで構成されたカーカス(ケース)が設けられている。近年、環境問題、経済性の観点から、タイヤの転がり抵抗の低減と、長期の走行時における耐久性の向上とが要求されており、カーカス用のゴム組成物においても、転がり抵抗の低減とともに、引き裂き強度、耐屈曲亀裂性等の耐久性の向上が求められている。
しかしながら、転がり抵抗の低減と、耐久性の向上とを同時に実現することは困難であった。例えば、カーボンブラック、シリカなどの充填剤や、フェノール系樹脂などの熱硬化性樹脂の配合量を多くしたり、充填剤を微細化することにより、硬度を高めることができるが、この場合、tanδが大きくなり、転がり抵抗が上昇する傾向があった。また、引き裂き強度、耐屈曲亀裂性等のゴム強度(耐久性)が低下するという傾向もあった。
特許文献1には、脱蛋白天然ゴムを含有するインナーライナー用ゴム組成物が開示されているが、カーカス用ゴム組成物については開示されておらず、また、炭素繊維については詳細に検討されていない。更に、前記の性能についても改善の余地がある。
特開2009−13197号公報
本発明は、前記課題を解決し、転がり抵抗特性及び耐久性をバランス良く向上できるカーカス用ゴム組成物と、それを用いて作製したカーカスを有する空気入りタイヤと、該ゴム組成物を用いてカーカスを作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法とを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対して、石炭ピッチ系炭素繊維を5〜40質量部含有するカーカス用ゴム組成物に関する。
上記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、シリカを25〜80質量部含有し、上記シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を1〜15質量部含有することが好ましい。
上記石炭ピッチ系炭素繊維は、平均繊維径が1〜80μm、平均繊維長が0.1〜30mmであることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したカーカスを有する空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いてカーカスを作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法に関する。
本発明によれば、ゴム成分に石炭ピッチ系炭素繊維を配合することにより、ゴム組成物の転がり抵抗を低減するとともに、引き裂き強度及び耐屈曲亀裂性能が向上し、耐久性を高めることができる。従って、該ゴム組成物をカーカスに適用することにより、転がり抵抗特性及び耐久性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のカーカス用ゴム組成物は、ゴム成分と、石炭ピッチ系炭素繊維とを含有するため、低いtanδを有しつつ、引き裂き強度及び耐屈曲亀裂性能が向上し、耐久性を高めることができる。従って、該ゴム組成物をカーカスに使用することにより、転がり抵抗特性及び耐久性に優れた空気入りタイヤを製造できる。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、スチレンイソプレンゴム、イソプレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴムが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低発熱性の点から、NR及びSBRを併用することが好ましい。
NR、SBRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。例えば、NRとしては、SIR20、RSS♯3、TSR20等を使用できる。また、SBRとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、ゴムの破壊強度が低くなる傾向がある。また、該スチレン含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、ゴムの加工性が悪化する傾向がある。
NRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上である。50質量%未満であると、ゴムの伸びが低下し、加工性が悪化する傾向がある。該NRの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。95質量%を超えると、ゴムの耐熱性が低下し、繰り返し歪みをかけたときに割れが発生する傾向がある。
SBRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。10質量%未満であると、ゴムの耐熱性の向上に寄与できない傾向がある。該SBRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。80質量%を超えると、ゴムの伸びが低下し、シートの押し出し形状が不均一になる傾向がある。
NR及びSBRの合計含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。80質量%未満であると、ゴムの加工性が低下し、シートとしてまとまらない等の不具合が生じる傾向がある。
本発明では、石炭ピッチ系炭素繊維が使用される。石炭ピッチ系炭素繊維の配合により、引き裂き強度及び耐屈曲亀裂性能を高め、剛性(ゴム強度)を高めることができる。また、発熱性を抑え、低いtanδを得ることもできる。従って、該ゴム組成物をカーカスに使用することにより、低い転がり抵抗と高い耐久性(ゴム強度)とを両立でき、両性能のバランスに優れた空気入りタイヤを製造できる。
石炭ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、低発熱性向上の観点から、平均繊維径が1〜80μmであることが好ましい。平均繊維径の下限は、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。また、平均繊維径の上限は、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
また、石炭ピッチ系炭素繊維は、ゴム中への分散、低発熱性向上の観点から、平均繊維長が0.1〜30mmであることが好ましい。平均繊維長の下限は、より好ましくは1mm以上、更に好ましくは4mm以上である。また、平均繊維長の上限は、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
なお、上記平均繊維径、平均繊維長は、例えば、電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
本発明における石炭ピッチ系炭素繊維としては特に限定されないが、例えば、特開平7−331536号公報に記載の製法により得られるものが好適に用いられる。具体的には、ピッチ繊維を常法にしたがって不融化し、所望の温度で炭化及び/又は黒鉛化を行うことにより「原料となる炭素繊維」を得、次にその原料となる炭素繊維を予め黒鉛化処理されたパッキングコークスとともに黒鉛製のルツボの中に入れ黒鉛化処理することにより、石炭ピッチ系炭素繊維を製造できる。
なお、前記製法で使用されるピッチ繊維(紡糸ピッチ)としては、石炭系のコールタール、コールタールピッチ、石炭液化物等の炭素質原料(40%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上の光学的異方性組織を含むものが好適である)を用いて紡糸して得られるものが挙げられる。また、「原料となる炭素繊維」には、サイジング剤(エポキシ化合物、水溶性ポリアミド化合物等)を添着してもよい。
前記製法により、繊維軸方向の熱伝導率が500〜1500W/m・K、引張弾性率85ton/mm以上、圧縮強度35kg/mm以上であり、黒鉛結晶の積層厚みLcが30〜50nm、黒鉛結晶の層面方向の広がりLaとの比(La/Lc)が1.5倍以上であり、かつ繊維軸方向の断面のドメインサイズが500nm以下である石炭ピッチ系炭素繊維を製造でき、本発明で好適に使用できる。なお、熱伝導率、引張弾性率、圧縮強度、Lc、La、ドメインサイズ、光学的異方性組織割合は、前記公報に記載の方法により測定できる。
前記製法による石炭ピッチ系炭素繊維は、分子の配向が一方向に規制された液晶(メソフェーズ)などを原料としているため、結晶化度が極めて高く、弾性率、熱伝導度が高い。
本発明における石炭ピッチ系炭素繊維は、多環芳香族分子骨格が層状に積み重なった構造を有するものが好ましい。石炭ピッチ系炭素繊維の市販品としては、三菱樹脂(株)製の「K6371T」等が挙げられる。
上記石炭ピッチ系炭素繊維の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは10質量部以上である。また、該含有量は、40質量部以下、好ましくは35質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。5質量部未満であると、転がり抵抗の低減と耐久性の向上とが期待できず、40質量部を超えると、ゴムの強度が低下してしまい、またコストも上昇し、好ましくない。
本発明のゴム組成物は、補強充填剤を含有することが好ましい。これにより、補強効果が得られ、剛性を向上できる。補強充填剤としては、タイヤ工業で一般的に用いられているものを特に制限なく使用でき、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸マグネシウム等が挙げられる。なかでも、ゴムの強度をより向上できるという点から、シリカを用いることが好ましく、シリカ及びカーボンブラックを併用することがより好ましい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、120m/g以上が好ましく、150m/g以上がより好ましい。120m/g未満では、ゴムの補強性が低下するおそれがある。また、シリカのNSAは、220m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。220m/gを超えると、シリカが凝集しやすく、十分な分散が得られない傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、25質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは35質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。25質量部未満であると、ゴムの補強性が十分でない傾向がある。上記シリカの含有量は、80質量部以下、好ましくは75質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。80質量部を超えると、ゴムの低発熱性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、シリカとともに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどのスルフィド系が挙げられる。また、メルカプト系、ビニル系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系なども挙げられる。なかでも、ゴム中にシリカを微分散させるために、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを用いることが好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上である。1質量部未満では、添加による効果が充分に得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは15質量部以下である。15質量部を超えると、配合量に見合う効果が得られず、補強性が低下するおそれがある。
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、FEF、GPF、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上が好ましく、35m/g以上がより好ましい。30m/g未満であると、ゴムの補強性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、100m/g以下が好ましく、80m/g以下がより好ましい。100m/gを超えると、転がり抵抗が不利になる傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。10質量部未満であると、ゴムの補強性が悪化する傾向がある。また、該含有量は、70質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、50質量部以下が更に好ましい。70質量部を超えると、転がり抵抗が不利になる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、熱硬化性樹脂を配合してもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、クレゾール系樹脂などが挙げられる。なかでも、高硬度が得られる点から、フェノール系樹脂が好ましい。
フェノール系樹脂としては、例えば、フェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるフェノール樹脂;カシューオイル、トールオイル、アマニ油、各種動植物油、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミンなどを用いて変性した変性フェノール樹脂等が挙げられる。フェノール系樹脂のなかでも、硬度の向上効果が大きいという理由から、変性フェノール樹脂が好ましく、カシューオイル変性フェノール樹脂又はロジン変性フェノール樹脂が好ましい。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、軟化剤(パラフィン系、アロマ系、ナフテン系のプロセスオイル等のオイル、可塑剤等)、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進補助剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
加硫剤として硫黄を用いる場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.0質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下である。1.0質量部未満では、加硫速度が遅く、加硫不足になる傾向があり、6.0質量部を超えると、加硫速度が速くなり、スコーチングする傾向がある。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系加硫促進剤(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど)、グアニジン系加硫促進剤(ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなど)が好ましく、TBBS、CBSが特に好ましい。
加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上である。また、該配合量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下である。0.5質量部未満では、加硫速度が遅く、加硫不足になる傾向があり、3.0質量部を超えると、加硫速度が速くなり、スコーチングする傾向がある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、カーカスにおけるカーカスコードを被覆するゴム組成物として使用される。具体的には、特開2009−13220号公報の図面、等に示されるカーカスに使用される。カーカスコードとしては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレートなどの原料により得られる繊維コードが挙げられ、なかでも、熱安定性に優れ、安価であるという理由から、ポリエステルコードが好ましい。カーカスは、従来公知の方法により製造でき、例えば、上記ゴム組成物をフィルム状に加工し、該フィルム状のゴム組成物でカーカスコードを被覆してカーカスを製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、各種配合剤とゴム成分とを混練りした後、得られた混練物を用いてカーカスコードを被覆してから、タイヤ成型機上にて通常の方法でカーカス形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
本発明のカーカス用ゴム組成物を用いて作製したカーカス用ゴム組成物を有するタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤに特に好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:JSR(株)製のJSR1502(スチレン含量25.2質量%)
NR:TSR20
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックHAF(N330、NSA:79m/g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
石炭ピッチ系炭素繊維:三菱化学(株)製のK6371T(チョップドファイバー、平均繊維径:11μm、平均繊維長:6.3mm)
石油ピッチ系炭素繊維:(株)クレハ製のクレカミルドM101T(平均繊維径18μm、平均繊維長100μm)
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPS32
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛1号
硫黄:フレキシス(株)製のクリステックスHSOT20
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜3及び比較例1〜5
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を160℃の条件で25分間プレス加硫することにより、各加硫ゴム組成物を作製した。
(引き裂き試験)
JIS−K6252の「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引き裂き強さの求め方」の試験方法に準じて、上記加硫ゴム組成物からなる切り込み無しのアングル形試験片を使うことにより引き裂き強さ(N/mm)を測定した。数値が大きいほど、引き裂き強度に優れていることを示す。
(De mattia試験)
JIS−K6260の「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムのデマッチャ屈曲亀裂成長試験方法」の試験方法に準じて、室温25℃の条件で、上記加硫ゴム組成物からなるサンプルに1mmの破断が生じるまでの屈曲回数を測定し、得られた回数を対数で表した。数値が大きいほど耐屈曲亀裂性能が良好であることを示す。なお、70%および110%とは、もとの加硫ゴム組成物サンプルの長さに対する伸び率を表す。
(転がり抵抗試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、測定温度80℃、初期歪み10%、動歪み±2%、周波数10Hzの条件で、加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により、転がり抵抗特性を指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が小さく、低発熱性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ/各配合のtanδ)×100
Figure 0005421025
表1から、平均繊維径及び平均繊維長を有する石炭ピッチ系炭素繊維を用いた実施例1〜3では、比較例1(石炭ピッチ系及び石油ピッチ系炭素繊維を添加せず)と比較して、引き裂き強度、耐屈曲亀裂性能及び転がり抵抗特性がバランスよく向上していた。また、石油ピッチ系炭素繊維を使用した比較例2〜4では、比較例1と比較して、引き裂き強度及び耐屈曲亀裂性能が低下しており、また、石油ピッチ系炭素繊維の含有量が増えるにつれて、引き裂き強度及び耐屈曲亀裂性能が悪化していく傾向があった。更に、実施例1〜3と同じ石炭ピッチ系炭素繊維を用いて、その配合量を50質量部にした比較例5では、比較例1と比較して、引き裂き強度及び耐屈曲亀裂性能が低下した。

Claims (8)

  1. 天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分100質量部に対して、石炭系ピッチ系炭素繊維を5〜40質量部含有するカーカス用ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、シリカを25〜80質量部含有し、
    前記シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を1〜15質量部含有する請求項1記載のカーカス用ゴム組成物。
  3. 前記石炭ピッチ系炭素繊維は、平均繊維径が1〜80μm、平均繊維長が0.1〜30mmである請求項1又は2記載のカーカス用ゴム組成物。
  4. カーボンブラックを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のカーカス用ゴム組成物。
  5. フェノール系樹脂及び/又はクレゾール系樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のカーカス用ゴム組成物。
  6. 硫黄及び加硫促進剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のカーカス用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したカーカスを有する空気入りタイヤ。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いてカーカスを作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
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