JP5354515B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、発熱性を抑制すると共に、高温度においても剛性を維持できるゴム組成物サイド補強層またはビード部補強層に用いたランフラットタイヤに関する。
従来のランフラットタイヤは、サイドウォール部の内側に配置されている高硬度のサイド補強用ゴムを有する構造であり、パンクにより内圧が減少した状態においてもサービスステーションまで所定距離の走行が可能となる。このランフラットタイヤの装着により、スペアタイヤを常備する必要性がなくなり、車輌全体における質量の軽量化が期待できる。しかし、ランフラットタイヤのパンク時における走行速度および走行距離は十分とはいえずランフラットタイヤの耐久性の向上が望まれている。
ランフラットタイヤの耐久性を向上させる有効な手段として、補強用ゴムを厚くすることにより変形を抑え、変形による破壊を防ぐ方法があげられる。しかし、タイヤの質量が大きくなるため、ランフラットタイヤの当初の目的である軽量化が達成できない。
また、ランフラットタイヤの耐久性を向上させる有効な手段として、カーボンブラックなどの補強用充填剤を増量し、それらを配合することによって補強用ゴムの硬度を上げ、変形を抑える方法がある。しかし、混練り、押出しなどの工程への負荷が大きく、また、加硫後物性において発熱性が高くなることから、ランフラット耐久性の向上はあまり期待できない。
またランフラットタイヤの耐久性を向上させるため、カーボンブラックを増量することなく加硫剤および加硫促進剤を多量に用いること試みられている。この技術で加硫密度を上げ、変形、発熱を抑えることはできるが、ゴムの伸びが小さくなり破壊強度が低下する傾向が生じる。一方、タイヤのサイドウォール用ゴムに、雲母類などの薄板状天然鉱石を配合する技術も提案されている。しかしゴム組成物は耐屈曲性能が必要とされるため、硬度が低いためサイド補強用ゴムとして用いても荷重を支持するには不充分である。
またパンク時のランフラット走行の際に、サイド補強層はタイヤの繰り返し変形に伴い発熱し温度が上昇する。その結果、サイド補強層の剛性が低下しランフラット性能を著しく損なうことになる。したがって高温においても高い剛性を維持するゴム組成物の開発が重要となっている。
特許文献1には、タイヤ用のベーストレッド用ゴム組成物として、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン結晶を2.5〜20重量%含むポリブタジエンゴムを含むゴム組成物が開示されている。これは、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン結晶成分が、ポリブタジエンゴムにグラフト重合したものである。
また特許文献2には、タイヤのクリンチ用ゴム組成物として、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン結晶を2.5〜20重量%含むポリブタジエンゴムを含むゴム組成物が開示されている。これもシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン結晶成分が、ポリブタジエンゴムにグラフト重合したものである。
特開2006−124503号 特開2006− 63143号
本発明は、低発熱性で高強度であるランフラットタイヤのサイド補強層またはビード部補強層に適したゴム組成物に関し、特に、該ゴム組成物をランフラットタイヤのサイド補強層またはビード部補強層に使用し、パンク時のランフラット走行の際に伴いサイド補強層などの温度が上昇した場合においても、剛性の低下を軽減しランフラット耐久性を改善し、走行距離および速度を向上したランフラットタイヤを提供する。
本発明は、1,2シンジオタクチックポリブタジエン結晶を30〜60質量%含有するスチレン−ブタジエン共重合ゴムが70質量%を超えるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜80質量部配合したことを特徴とするゴム組成物に関する。前記ゴム成分は、スチレン−ブタジエン共重合ゴムとポリイソプレンゴムの混合物であることが好ましい。さらに前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムのスチレン含量が10モル%以上で35モル%以下であることが好ましい。
さらにゴム成分中の1,2シンジオタクチックポリブタジエン結晶30〜60質量%含有するスチレン−ブタジエン共重合ゴムは80質量%を超えることが好ましい。本発明は、前記ゴム組成物をサイド補強層またはビード部補強層に用いたランフラットタイヤに関する。
本発明に基づけば、低発熱性で高強度のゴム組成物が得られ、該ゴム組成物をランフラットタイヤのサイド補強層またはビード部補強層に用いることで、パンク時のランフラット走行の際にサイド補強層などの温度が上昇した場合においても剛性を維持しランフラット耐久性に優れたランフラットタイヤを得ることができる。
本発明は、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(以下「SPBd結晶」ともいう。)30〜60質量%含有するスチレン−ブタジエン共重合ゴムが70質量%を超えるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックが10〜80質量部配合されたゴム組成物である。
<SPBd結晶SBR>
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン結晶(SPBd結晶)とは、エチレン成分が1,2ポリブタジエン主鎖に交互に反対方向に規則的に配列された結晶性の高い樹脂であり、例えば約200℃の融点を有する樹脂である。本発明においては、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの融点は180℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましい。融点が180℃未満では、プレスによるタイヤの加硫中に結晶が溶融し、結晶の状態が変化して結晶の分散性が悪くなり、結晶性が低下して融点が低くなり耐熱性が劣ることがある。本発明においてSPBd結晶SBRは、結晶性SPBdがSBRに化学結合(例えば、グラフト重合)しているものをいう。SPBd結晶SBR中のSPBd結晶の含量は30〜60質量%、好ましくは、30〜50質量%の範囲である。SPBd結晶の含量が30〜60質量%の範囲で、ゴム組成物の強度と加工性がバランスよく改善できる。
またSPBd結晶SBRはゴム成分中に70質量%を超えて配合される。SPBd結晶SBRがゴム成分に70質量%以下の混合ではゴム組成物に十分な剛性が維持できず、より好ましくは80質量%以上である。
本発明において、スチレン−ブタジエン共重合ゴムのスチレン含量が10モル%以上で35モル%以下であることが好ましい。ゴム組成物をランフラットタイヤのサイド補強層またはビード部補強層に使用する場合、これら補強層はタイヤの走行時の高速回転により繰り返し変形を受けて補強層の発熱により温度が上昇する。その結果、補強層は軟化し特性が劣化することになるが、温度上昇に伴う劣化を軽減することが重要である。
<ゴム成分>
前記SPBd結晶スチレン−ブタジエン共重合ゴムと混合される他のゴム成分として、ポリイソプレンゴム(IR)が好ましい。その含有率は30質量%未満であることが好ましい。ポリイソプレンゴム(IR)の含有率を30質量%未満とすることで損失正接(tanδ)を低く維持し、ランフラット走行時の発熱を抑制することができ、タイヤの発熱により温度が上昇した場合においてもゴム組成物の劣化が軽減されランフラット性能が維持される。
本発明においてゴム成分は、ゴム成分の20質量%以下の範囲でイソプレンゴム以外のゴム成分が配合される。ここでゴム成分として、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、イソブチレンン−イソプレンゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合ゴムなどが使用できる。これらのゴム成分は、好ましくは1種類または2種類以上が混合される。
<補強剤>
ゴム組成物は補強剤としてカーボンブラックを併用できる。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、ゴム組成物を低発熱に維持するため、FEF、FPFなどのソフトカーボンが好ましい。例えば、窒素吸着比表面積(N2SA)は、30m2/g以上であり、好ましくは35m2/g以上である。N2SAが30m2/g未満では補強性が不足し、充分な耐久性が得られない。また、該カーボンブラックのN2SAは、100m2/g以下であり、好ましくは80m2/g以下、より好ましくは60m2/g以下である。N2SAが100m2/gをこえると、発熱性が高くなる。
前記カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)は、50ml/100g以上、好ましくは80ml/100g以上である。DBP吸油量が50ml/100g未満では、充分な補強性を得ることが困難になる。
前記カーボンブラックの含有量は、SPBdの配合量によっても異なるが、ゴム成分100質量部に対して80質量部以下であり、好ましくは60質量部以下である。カーボンブラックが多くなると、ゴム組成物の粘度が上昇し、ゴムの混練り押出しが困難になり、さらにランフラット走行時の発熱が大きくなる。
本発明のゴム組成物は、汎用ゴム一般に用いられているシリカを使用することができる。たとえば補強材として使用される乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙げられる。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。
さらに本発明は、薄板状天然鉱石、例えばカオリナイト、セリナイト、フロゴバイトおよびマスコバイト等の雲母類を配合することもできる。ここで薄板状天然鉱石のアスペクト比(厚さに対する最大径の比)は、3以上のものがゴム硬度を高める点で好ましい。前記薄板状天然鉱石の平均粒子径は、2μm以上であり30μm以下のものが好適に使用される。その配合量は、ゴム成分100質量部に対して5質量部〜120質量部の範囲で混合できる。
<配合剤>
本発明のゴム組成物に用いられる硫黄または硫黄化合物としては、硫黄の表面析出を抑えるという観点から不溶性硫黄が好ましい。不溶性硫黄は、平均分子量が10000以上、特には100000以上で、500000以下、特には300000以下が好ましい。平均分子量が10000未満では、低温での分解が起こりやすく表面析出しやすい傾向があり、500000をこえるとゴム中での分散性が低下する傾向がある。
硫黄または硫黄化合物の配合量は、2質量部以上、さらには3質量部以上であることが好ましく、10質量部以下、さらには8質量部以下であることが好ましい。硫黄または硫黄化合物が2質量部未満では、充分な硬さが得られない傾向があり、10質量部をこえると、未加硫ゴムの貯蔵安定性が損なわれる傾向がある。
さらに、本発明のサイド補強用ゴム組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、通常のゴム配合に用いられる酸化亜鉛、ワックス、ステアリン酸、オイル、老化防止剤、加硫促進剤などを含んでもよい。
前記加硫促進剤は、例えばスルフェンアミド系促進剤は、遅延系加硫促進剤として、製造過程において焼けが起こりにくく、加硫特性に優れているので、最も良く使用される。また、スルフェンアミド系促進剤を用いたゴム配合は、加硫後ゴム物性においても外力による変形に対して発熱性が低いため、ランフラットタイヤの耐久性が向上する。
スルフェンアミド系促進剤としては、たとえば、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)、CBS(N-シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ゾリルスルフェンアミド)、DZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)などが挙げられる。その他の加硫促進剤としては、たとえば、MBT(メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、DPG(ジフェニルグアニジン)などを用いることができる。
<シランカップリング剤>
本発明は、前記シリカまたは前記薄板状天然鉱石と併用して、シランカップリング剤を添加することができる。前記シランカップリング剤としては、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシランなどが挙げられる。前記シランカップリング剤の配合量は、シリカおよび/または薄板状天然鉱石100質量部に対して2質量部〜20質量部の範囲で配合される。
<ゴム組成物の粘弾性特性>
ゴム組成物の70℃における動的弾性率(E’70)は、20MPa以上、150℃における動的弾性率(E’150)と、200℃における動的弾性率(E’200)の比(E’200)/(E’150)は、0.5以上であることが望ましい。このような値に調整することで、ランフラット時の繰り返し変形による発熱で温度が上昇してもランフラット耐久性を維持することができる。
<ランフラットタイヤ>
本発明のゴム組成物は、ランフラットタイヤのサイド補強層、あるいはビードエーペックス等のビード部補強層に用いられる。ここでサイド補強層とは、ランフラットタイヤのサイドウォール部の内側に配置されるゴム層であり、ビードエーペックスはビードコアの上辺からサイドウォール方向に延びるゴム層である。ランフラットタイヤにおいてサイド補強層および/またはビードエーペックスが存在することで、内圧が減少した状態でも、タイヤがリムから外れることなく車輌を支えることができ、優れたランフラット耐久性が得られる。
図1は、本発明に係るランフラットタイヤの断面図の右半分を示す。図1において、ランフラットタイヤ1は、一対のビードコア2の廻りを両端が折り返されて係合されるトロイド状のカーカス3と、該カーカス3のクラウン部の外側に配置され、タイヤ周方向に5〜30度の角度でコードが配列された2枚のブレーカプライをコードが交差するように配置されたブレーカー4と、該ブレーカーの外側にはトレッド部5を備えている。そしてタイヤ内腔側でカーカス3に隣接してサイドウォールの領域に亘ってサイドウォール中央部から両端方向に厚さを漸減するサイド補強層6が配置されている。さらにビードコア2の上辺からサイドウォール方向には、硬質ゴムのビードエーペックス7が配置されている。本発明は、前記サイド補強層に前述の特定のゴム組成物を採用したものである。
図1においてはサイド補強層をカーカスプライ3の内側に配置したが、カーカスプライ3の外側、即ちサイドウォールと隣接して配置することもできる。この場合、サイド補強層とビードエーペックスを一体として、ビードコアの上辺から、ブレーカー両端部近傍に延びるサイド補強層とすることも可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。以下に、実施例および比較例で用いた材料をまとめて示す。
実施例1〜3および比較例1〜10
<SPBd結晶SBR(1)の合成>
1,3ブタジエン250gをヘキサン溶液8000mlに溶解し、SBR(JSR社製SL574)を165g加え、十分に溶解させた。重合触媒として0.2Mのトリイソプロピルアルミニウム500ml、0.042Mのオクチル酸コバルト溶液20ml、二硫化炭素15mlを加えて、40℃で8時間反応させた後、減圧乾燥した。そして結晶含有率が45.4質量%のSPBdの300gを得た。
SPBd結晶の融点は、TAインスツルメンツ社製の自動示差走査熱量計Q2000を用いて、昇温速度10℃/分で測定されるガラス転移温度によって求めた。
SPBd結晶の融点:205℃
SPBd結晶のSBR中の含量:45.4質量%。
<SPBd結晶SBR(2)の合成>
上記SPBd結晶SBR(1)の合成方法に準じて、SPBd結晶SBR(2)を合成した。合成条件として、1,3ブタジエンの量を変更した。
SPBd結晶の融点:204℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:50質量%。
<SPBd結晶SBR(3)の合成>
上記SPBd結晶SBR(1)の合成方法に準じて、SPBd結晶SBR(3)を合成した。合成条件として、1,3ブタジエンの量を変更した。
SPBd結晶の融点:205℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:30質量%。
<SPBd結晶SBR(4)の合成>
上記SPBd結晶SBR(1)の合成方法に準じて、SPBd結晶SBR(4)を合成した。合成条件として、SBRの種類及び1,3ブタジエンの量を変更した。
SPBd結晶の融点:204℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:15質量%。
<SPBd結晶SBR(5)の合成>
上記SPBd結晶SBR(1)の合成方法に準じて、SPBd結晶SBR(5)を合成した。合成条件として、SBRの種類及び1,3ブタジエンの量を変更した。
SPBd結晶の融点:203℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:25質量%。
<SPBd結晶SBR(6)の合成>
上記SPBd結晶SBR(1)の合成方法に準じて、SPBd結晶SBR(6)を合成した。合成条件として、SBRの種類及び1,3ブタジエンの量を変更した。
SPBd結晶の融点:203℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:52質量%。
<ゴム組成物の調整>
表1に示す配合内容にしたがって、バンバリーミキサーを用いて、不溶性硫黄および加硫促進剤以外の成分を、160℃で5分間混練りした。得られた混練り物に不溶性硫黄と加硫促進剤を加えてバンバリーミキサーを用いて、120℃で2分間練り込んで未加硫ゴム組成物を得た。さらに未加硫ゴム組成物を所定の形状のシートに押出し、175℃で、20分間のプレス加硫して試験片を調整した。
以下の各評価を行なった。評価結果を表1に示す。
Figure 0005354515
(注1)SBR(1):JSR社製、「SL574」(スチレン含量:15モル%)。
SPBd結晶の融点:205℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:45.4質量%
(注2)SBR(2):JSR社製「SL574」(スチレン含量:15モル%)。
SPBd結晶の融点:204℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:50質量%。
(注3)SBR(3):JSR社製、「SL574」(スチレン含量:15モル%)。
SPBd結晶の融点:205℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:30質量%。
(注4)SBR(4):日本ゼオン社製「NS312S」(スチレン含量:40モル%)。
SPBd結晶の融点:204℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:15質量%。
(注5)SBR(5):日本ゼオン社製「NS312S」(スチレン含量:40モル%)。
SPBd結晶の融点:203℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:25質量%。
(注6)SBR(6):日本ゼオン社製「NS312S」(スチレン含量:40モル%)。
SPBd結晶の融点:203℃。
SPBd結晶のSBR中の含量:52質量%。
(注7)IR:JSR社製、「IR2200」。
(注8)カーボンブラック(FEF):三菱化学(株)製、「ダイヤブラックE」(N2SA:41m2/g、DBP吸油量115ml/100g)。
(注9)ステアリン酸:日本油脂(株)製、「椿」。
(注10)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製、「酸化亜鉛2種」。
(注11)老化防止剤:住友化学工業(株)製、「アンチゲン6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)。
(注12)不溶性硫黄:四国化成工業(株)製、「ミュークロンOT」。
(注13)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーNS」(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)。
<粘弾性特性>
ゴム組成物から所定のサイズのゴム試験片(幅0.4cm、厚さ2mm)を作製し、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、測定温度70℃、初期歪み10%、動歪み±1%、周波数10HzにてE’(動的弾性率)、tanδ(損失正接)を測定した。
<評価結果>
表1から、ランフラットタイヤに要求される耐熱性と弾性率を所定の水準に維持するためには、SPBd結晶をSBR成分100質量部に対して、40質量%以上が必要である(比較例3、実施例5)。またSPBd結晶SBRをゴム成分中に70質量%を超えることで、200℃の高温においても物性の低下は軽減できる(比較例4、実施例1)。
カーボンブラックを充填した配合系において(比較例5〜8)、ゴム温度が170℃程度から粘弾性測定をしている数分間のレベルでも、ゴムの分子鎖切断、架橋構造変化などにより、弾性率の低下が認められた。その粘弾性は、比較例8の場合、イソプレンゴム(IR)中にカーボンブラックを80質量部配合しても動的弾性率(E’)は13.4MPaであり、これ以上のカーボンブラックを増量すると混練が困難となり、ゴム配合を製造することはできなかった。
SPBdを配合した系において、SPBdはカーボンブラックの同量の配合に対して、約4倍の強度を得ることができた。このため、カーボンに比べて、少量を配合することで大きな動的弾性率を得ることができた(比較例7、実施例1〜4)。
図2には、ゴム組成物のE’の温度分散の測定結果を示す。実施例1〜5はいずれも高いE’の値を有すると共に、200℃の高温においてもその値の低下は認められないことから、ランフラット時の発熱、昇温下においても、高い剛性を維持していることが判る。
本発明は、ランフラット性能に優れるサイド補強層、ビード部補強層に適したゴム組成物およびそれを用いたランフラットタイヤであり、乗用車用タイヤに限定されず、軽トラック用タイヤ、トラックバス用タイヤにも適用することが可能である。
本発明のランフラットタイヤの断面図の右半分を示す。 ゴム組成物の粘弾性の温度分散測定結果を示す。
符号の説明
1 タイヤ、2 ビードコア、3 カーカス、4 ブレーカー、5 トレッド部、6 サイド部補強層、7 ビードエーペックス。

Claims (4)

  1. 1,2シンジオタクチックポリブタジエン結晶30〜60質量%含有するスチレン−ブタジエン共重合ゴムが70質量%を超えるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜80質量部配合したゴム組成物を少なくともサイド補強層及びビード部補強層のいずれかに用いたランフラットタイヤ
  2. ゴム成分が、スチレン−ブタジエン共重合ゴムとポリイソプレンゴムの混合物である請求項1記載のランフラットタイヤ
  3. スチレン−ブタジエン共重合ゴムのスチレン含量が10モル%以上で35モル%以下である請求項1記載のランフラットタイヤ
  4. ゴム成分中の1,2シンジオタクチックポリブタジエン結晶30〜60質量%含有するスチレン−ブタジエン共重合ゴムは80質量%を超えることを特徴とする請求項1記載のランフラットタイヤ
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