JP5992747B2 - 高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物及び高性能タイヤ - Google Patents

高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物及び高性能タイヤ Download PDF

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Description

本発明は、高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた高性能タイヤに関する。
高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物には、グリップ性能及び耐摩耗性の両立が強く要求されており、これらの性能を確保するため、従来から様々な工夫がなされている。
グリップ性能及び耐摩耗性を両立させる方法として、微粒子で且つ高ストラクチャーのカーボンブラックを使用する方法が知られている。微粒子であることでヒステリシスロスを大きくしてグリップ性能を改善し、高ストラクチャーであることでモジュラスを大きくして耐摩耗性を改善することができる。
微粒子で且つ高ストラクチャーのカーボンブラックを使用すると、ゴムが著しく硬くなる傾向があるため、このようなカーボンブラックを使用する際には、可塑剤を増量し、ゴムの硬さを調整する必要がある。しかし、可塑剤を増量すると、可塑剤のブルーミング量が増加してタイヤカスがトレッド表面に付着しやすくなり、付着したタイヤカスによってグリップ性能の低下が引き起こされるという点で改善の余地があった。また、可塑剤を増量すると、耐ブローアウト性能が低下して走行中にブローアウトが発生しやすくなるという点でも改善の余地があった。そのため、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能をバランス良く改善する方法が求められている。
特許文献1には、カーボンナノチューブを使用してモジュラスを高める方法が記載されているが、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能をバランス良く改善するという点については、未だ改善の余地がある。
特開2009−46547号公報
本発明は、前記課題を解決し、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能をバランス良く改善できる高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する高性能タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、カーボンナノチューブと、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛とを含む高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物に関する。
上記カーボンナノチューブが黒鉛化処理されていないカーボンナノチューブであることが好ましい。
上記カーボンナノチューブの繊維径が5〜200nmであることが好ましい。
上記カーボンナノチューブの繊維長が1〜50μmであることが好ましい。
上記カーボンナノチューブの嵩密度が0.03g/cm以上であることが好ましい。
上記カーボンナノチューブが化学気相成長法で合成された気相法炭素繊維であることが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対する上記カーボンナノチューブの含有量が0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対する上記カーボンナノチューブ及びカーボンブラックの合計含有量が30〜170質量部であることが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対する上記酸化亜鉛の含有量が0.1〜10質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する高性能タイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分と、カーボンナノチューブと、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛とを含む高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物であるので、グリップ性能及び耐摩耗性を両立させるだけでなく、耐ブローアウト性能をも同時に向上させ、これらの性能をバランス良く改善することができる。
本発明の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分と、カーボンナノチューブ(CNT)と、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛(微粒子酸化亜鉛)とを含む。
上述したように、微粒子で且つ高ストラクチャーのカーボンブラックを使用すると、グリップ性能及び耐摩耗性を両立できるものの、ゴムが著しく硬くなって可塑剤の増量が必要となり、グリップ性能や耐ブローアウト性能の低下が引き起こされるという点で改善の余地があった。これに対し、本発明では、ゴム成分と、CNTと、微粒子酸化亜鉛とを併用することにより、ゴムを著しく硬くすることなく、グリップ性能及び耐摩耗性を両立させることができる。また、可塑剤を増量する必要が無いため、可塑剤の増加に起因するグリップ性能や耐ブローアウト性能の低下を防止することができる。また、CNTと微粒子酸化亜鉛との併用により、高い熱伝動性が得られるため、ゴムが暖まりやすくなって良好な初期グリップ性能が得られ、更に、放熱効果が高まることによってタイヤの温度がブローアウト発生温度まで上昇しにくくなり、良好な耐ブローアウト性能も得られる。
CNTは、黒鉛化処理されていないCNTであることが好ましい。黒鉛化処理されていないCNTは、黒鉛化処理を行ったCNTと比較して配合性が低いため、グリップ性能及び耐摩耗性をタイヤトレッド全面で改善することが可能となる。また、コストの増加を抑えるという点から、CNTは、化学気相成長法(CVD法)で合成された気相法炭素繊維であることが好ましい。
CNTの繊維径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは7nm以上、更に好ましくは10nm以上であり、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは80nm以下である。5nm未満の場合、混練り工程で充分に分散させることが困難であり、補強性が低下するおそれがある。200nmを超えると、充分なグリップ性能が発揮できないおそれがある。
CNTの繊維長は、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下、特に好ましくは8μm以下である。1μm未満では、充分なモジュラスを確保できず、良好な耐摩耗性が得られないおそれがある。50μmを超えると、混練り工程で充分に分散させることが困難であり、補強性が低下するおそれがある。
CNTの繊維径及び繊維長は、透過型顕微鏡写真の画像解析で求めた平均値である。
CNTの嵩密度は、好ましくは0.03g/cm以上、より好ましくは0.04g/cm以上、更に好ましくは0.05g/cm以上である。0.03g/cm未満では、嵩が高すぎて、計量及び練り装置への投入時における作業性が悪い傾向がある。嵩密度の上限は特に限定されないが、好ましくは0.50g/cm以下、より好ましくは0.10g/cm以下である。
CNTの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。0.1質量部未満であると、充分なグリップ性能を発揮できない場合がある。10質量部を超えると、CNTが分散しにくくなり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛(微粒子酸化亜鉛)を使用する。微粒子酸化亜鉛をCNTとともに配合することにより、微粒子酸化亜鉛の分散性とCNTの分散性を相乗的に向上させ、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能をバランス良く改善できる。
微粒子酸化亜鉛の平均一次粒子径は、200nm以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは140nm以下、更に好ましくは130nm以下である。200nmを超えると、CNTの分散性を改善する効果が充分に得られず、分散不良がクラックの起点となり、ブローアウトしてしまうおそれがある。微粒子酸化亜鉛の平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。20nm未満であると、微粒子酸化亜鉛の粒子同士の凝集により、CNTが充分に分散しにくくなり、耐ブローアウト性が悪化する傾向がある。
本発明において、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、BET法により測定したBET比表面積から真球状粒子モデルへ換算したときの一次粒子径である。
ここで、BET比表面積から真球状粒子モデルへ換算したときの一次粒子径は、以下の関係式により算出することができる。一次粒子を理想的な球と見立てると、粒子1個の表面積(S)、体積(V)、密度(ρ)と比表面積(SSA)との間には、下記式で表される関係が成立する。
SSA=1/(V・ρ)×S
ここで、V及びSは粒子径によって一義的に決定される物理量なので、比表面積と密度により粒子径を求めることができる。密度は、例えば、市販のピクノメーターにより簡便に求めることができる。
微粒子酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上である。0.1質量部未満では、CNTの分散性を改善する効果が充分に得られない傾向がある。また、微粒子酸化亜鉛の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは7質量部以下、特に好ましくは4質量部以下である。10量部を超えると、微粒子酸化亜鉛が分散しにくくなるため、微粒子酸化亜鉛の凝集塊がブローの核となり、耐ブローアウト性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、補強用充填剤として、CNTの他にも、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用される補強用充填剤のなかから任意に選択して用いることができるが、カーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックとしては、特に限定されることはなく、例えば、広く世間で使用されている、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックを使用できる。また、カーボンブラックについては、2種類以上のコロイダル特性が異なるものを併用してもよい。
カーボンブラックのNSA(窒素吸着比表面積)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは105m/g以上、更に好ましくは110m/g以上であり、好ましくは600m/g以下、より好ましくは550m/g以下、更に好ましくは530m/g以下である。100m/g未満では、グリップ性能が低下する傾向がある。600m/gを超えると、良好な分散が得られにくく、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは25質量部以上、より好ましくは35質量部以上、更に好ましくは45質量部以上であり、好ましくは160質量部以下、より好ましくは140質量部以下、更に好ましくは130質量部以下である。25質量部未満であると、充分なグリップ性能を発揮できない場合がある。160質量部を超えると、カーボンブラックが分散しにくくなり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
CNT及びカーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であり、好ましくは170質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。30質量部未満であると、充分なグリップ性能を発揮できない場合がある。170質量部を超えると、CNT及びカーボンブラックが分散しにくくなり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能をバランスよく改善できるという理由から、NR、BR、SBRが好ましく、SBRがより好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有率は、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。20質量%未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、SBRのスチレン含有率は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。60質量%を超えると、耐摩耗性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、充分な耐ブローアウト性能が得られない傾向がある。SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、軟化剤、ステアリン酸、各種老化防止剤、樹脂、粘着付与剤、ワックス、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、オイルであればアロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。また、低分子量の液状ポリマーを軟化剤として使用してもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能をバランス良く改善できるという理由から、液状ポリマーを使用することが好ましい。
液状ポリマーとしては、液状SBR、液状BR、液状IR、液状SIRなどが挙げられるが、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能をバランス良く改善できるという理由から、液状SBRを用いることが好ましい。
液状ポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×10〜2.0×10であることが好ましい。1.0×1.0未満では、破壊特性が低下し、充分な耐久性が確保できない恐れがある。一方、2.0×10を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ、生産性が悪化する恐れがある。
液状ポリマーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは35質量部以上である。15質量部未満の場合、液状ポリマーを配合した効果が充分に得られないおそれがある。また、液状ポリマーの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
本発明で使用できる樹脂としては、特に限定するものではないが、芳香族系石油樹脂を配合することが好ましい。芳香族系石油樹脂としては、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、ロジン樹脂、DCPD樹脂などがあげられる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、クマロンインデン樹脂が好ましい。
クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
芳香族系石油樹脂の軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。70℃未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、該軟化点は、好ましくは170℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは120℃以下である。170℃を超えると、グリップ性能が悪化する傾向がある。
なお、芳香族系石油樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
芳香族系石油樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、グリップ性能の改善効果が充分に得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは25質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。25質量部を超えると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
本発明で使用できる加硫促進剤としては特に限定されるものではないが、下記式(1)で表される加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤を好適に使用できる。
N−(C=S)−Sz(C=S)−NR (1)
上記式(1)のzは1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3)の整数を表す。
上記式(1)のR〜Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜15(好ましくは2〜12、より好ましくは4〜10)の炭化水素基を表す。R〜Rの炭化水素基としては、例えば、アルキル基などの1価の脂肪族炭化水素基、アリール基などの1価の芳香族炭化水素基などが挙げられ、好ましくはアルキル基、より好ましくは分岐構造を有するアルキル基、更に好ましくは2−エチルヘキシル基である。
上記式(1)で表される加硫促進剤としては、例えば、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBzTD(テトラベンジルチウラムジスルフィド)、ノクセラーTOT−N(テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)などが挙げられ、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドが好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドなどが挙げられ、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは6質量部以上であり、好ましくは15質量部以下、より好ましくは13質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。1質量部未満では、充分な加硫速度が得られない傾向がある。15質量部を超えると、ブルーミングを起こすおそれがある。
本発明のゴム組成物は、高性能タイヤのトレッドに用いられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
本発明の高性能タイヤは、通常の製造方法により製造できる。すなわち、前記ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのトレッド部の形状に押し出し加工し、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り合わせて未加硫タイヤを成形する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱、加圧することで製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol9548(スチレン含有率:35質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
カーボンブラック1:東海カーボン(株)製のシースト9(SAF、NSA:142m/g)
カーボンブラック2:東海カーボン(株)製のシースト6(ISAF、NSA:119m/g)
CNT1:昭和電工(株)製のVGCF(CVD法で合成された気相法炭素繊維(黒鉛化処理有り)、繊維径:150nm、繊維長:10〜20μm、嵩密度:0.04g/cm
CNT2:昭和電工(株)製のVGCF−X(CVD法で合成された気相法炭素繊維(黒鉛化処理なし)、繊維径:10〜15nm、繊維長:3μm、嵩密度:0.08g/cm
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
液状SBR:サートマー社製のRAICON100(重量平均分子量:5000)
レジン:日塗化学(株)製のエスクロンG90(クマロンインデン樹脂、軟化点:90℃)
酸化亜鉛1:三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種(平均一次粒子径:400nm)
酸化亜鉛2:ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2(平均一次粒子径:65nm)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:住友化学(株)製アンチゲン6C
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤TOT−N:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
<ゴム組成物の製造法>
表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーを用いて硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りした。得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を得た。
(グリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。その際における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほどドライ路面におけるグリップ性能が高いことを示す。
(初期グリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。その際の2周目における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほどドライ路面における初期グリップ性能が高いことを示す。
(グリップ性能低下度)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。その際におけるベストラップと最終ラップの操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが比較評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほどドライ路面におけるグリップ性能低下度が低い(グリップ性能が低下していない)ことを示す。
(耐摩耗性)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。その際におけるタイヤトレッドゴムの残溝量を計測し(新品時15mm)、比較例1の残溝量を100として指数表示した。数値が大きいほど耐摩耗性が高いことを示す。
(タイヤゴムカス量)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。その際におけるタイヤトレッドの表面に付着したゴムカスをスクレイパーで剥ぎ取り、その質量を測定し、比較例1のゴムカス量を100として指数表示した。数値が大きいほど、付着したゴムカス量が少ないことを示す。
(耐ブローアウト性能)
フレクソ試験機を用いて、加硫ゴム組成物に繰り返し圧縮変形を与え自己発熱させ、ブローアウトする時間(ブローアウトタイム)を測定した。試験条件は、繰り返し圧縮歪20%、周波数10Hzとした。そして、比較例1のブローアウトタイムを100として指数表示した。指数が大きいほどブローアウトタイムが長く、耐ブローアウト性能が高いことを示す。
Figure 0005992747
表1の結果より、CNTと、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛(酸化亜鉛2)とを併用した実施例は、グリップ性能、耐摩耗性及び耐ブローアウト性能がバランス良く改善された。また、比較例9、10と、実施例2との比較から、CNT及び酸化亜鉛2の併用により、相乗的な改善効果が得られることが分かった。

Claims (11)

  1. ゴム成分と、黒鉛化処理されていないカーボンナノチューブと、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛と、カーボンブラックとを含み、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が25〜160質量部である高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記カーボンナノチューブの繊維径が5〜200nmである請求項1記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記カーボンナノチューブの繊維長が1〜50μmである請求項1又は2記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記カーボンナノチューブの嵩密度が0.03g/cm以上である請求項1〜のいずれかに記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  5. 前記カーボンナノチューブが化学気相成長法で合成された気相法炭素繊維である請求項1〜のいずれかに記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  6. 前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンナノチューブの含有量が0.1〜10質量部である請求項1〜のいずれかに記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  7. 前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンナノチューブ及び前記カーボンブラックの合計含有量が30〜170質量部である請求項1〜のいずれかに記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分100質量部に対する前記酸化亜鉛の含有量が0.1〜10質量部である請求項1〜のいずれかに記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  9. 前記ゴム成分に対する芳香族系石油樹脂の含有量が2〜25質量部である請求項1〜8のいずれかに記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  10. 前記ゴム成分に対する加硫促進剤の含有量が1〜15質量部である請求項1〜9のいずれかに記載の高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する高性能タイヤ。
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