JP6084947B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いて作製した空気入りタイヤに関する。
近年の低燃費タイヤでは、タイヤの電気抵抗が高くなり、車両の燃料補給時に静電気によるスパークが発生して燃料に引火する等、安全性に欠けるという問題が生じている。
このような問題について、特許文献1には、導電性薄膜を配置し、導電性を確保したタイヤが提案されているが、近年の更なる低燃費化の要請により、導電性薄膜が低燃費化への足かせになっている。また、ゲージアップによる導電性の確保も有効であるが、同様に低燃費性が悪化し、コストアップという問題もある。
更に、充填剤として導電性カーボンブラックを使用する手法も提案されているが、一般にカーボンブラック表面がゴムと相互作用が低い微粒子で、ゴム内の分散性が悪いため、破壊性能や耐屈曲亀裂性能が低下するという問題がある。
特開平8−230407号公報
本発明は、上記課題を解決し、優れた導電性を得ながら、破壊性能及び低燃費性をバランス良く改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴムラテックスと、窒素吸着比表面積が900m/g以上、DBP吸油量が300ml/100g以上である導電性カーボンブラックの分散液とを混合して得られるウェットマスターバッチを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記ウェットマスターバッチは、更にカーボンブラックを含有するものであることが好ましい。
上記導電性カーボンブラックの揮発分は、0.6質量%以上であることが好ましい。
上記ゴムラテックスは、スチレンブタジエンゴムラテックスであることが好ましい。
上記ウェットマスターバッチの含有量は、60質量%以下であることが好ましい。
上記ウェットマスターバッチは、該ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して、上記導電性カーボンブラックを1〜15質量部含むことが好ましい。
上記マスターバッチは、更にオイルを混合して得られるものであることが好ましい。
上記ゴム組成物の体積固有抵抗が1×10Ω・cm以下であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、タイヤコード被覆用ゴム組成物であることが好ましい。
本発明は、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したタイヤコード被覆部材を有する空気入りタイヤに関する。上記タイヤコード被覆部材は、カーカス及び/又はジョイントレスバンドであることが好ましい。
上記空気入りタイヤは、体積固有抵抗1×10Ω・cm以上のサイドウォールを有することが好ましい。
本発明によれば、ゴムラテックスと、窒素吸着比表面積が900m/g以上、DBP吸油量が300ml/100g以上である導電性カーボンブラックの分散液とを混合して得られるウェットマスターバッチを含有するタイヤ用ゴム組成物であるので、良好な導電性を得ながら、破壊性能及び低燃費性をバランス良く改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴムラテックスと、窒素吸着比表面積が900m/g以上、DBP吸油量が300ml/100g以上である導電性カーボンブラックの分散液とを混合して得られるウェットマスターバッチを含有する。
ゴムラテックスと、高窒素吸着比表面積及び高DBP吸油量を有する導電性カーボンブラックとを用いて作製されるウェットマスターバッチを使用することで、導電性カーボンブラックとゴムラテックス中のゴム成分との相互作用が高まり、更に導電性カーボンブラックのハンドリング性能が向上することから、当該ゴム成分中に導電性カーボンブラックが充分に分散され、良好な導電性を確保できると同時に、破壊性能や低燃費性を顕著に改善できる。そのため、良好なハンドリング性能を得つつ、導電性、破壊性能、低燃費性の性能バランスを相乗的に改善することが可能となる。
特に、ゴムラテックスとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックスを用いて前記ウェットマスターバッチを作製した場合、ドライ混合での作製に比べ、導電性が大幅に向上し、また、前述の性能も顕著に改善される。SBRは、スチレン基を有しカーボンのグラファイトと電子吸引性を示すため、カーボンを取り込み易い性質を有する。そのため、例えば、NR/SBRの非相溶系配合ゴムにおいて、予め、SBRラテックスと導電性カーボンブラックから作製したウェットマスターバッチを用いると、導電性カーボンブラックが選択的に取り込まれたSBR相による導電パスが形成され、高い導電性が発揮される。
<ウェットマスターバッチ>
本発明におけるウェットマスターバッチを製造する方法としては特に限定されず、例えば、ゴムラテックスと、前記特定の窒素吸着比表面積及びDBP吸油量を有する導電性カーボンブラックの分散液とを混合し、その後、凝固、乾燥することにより調製できる。
(ゴムラテックス)
上記ゴムラテックスとしては特に限定されず、天然ゴムラテックス、合成ジエン系ゴムラテックス(ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどのラテックス)などが挙げられ、市販品を使用してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、破壊性能、低燃費性、コードとの接着性などに優れるという点から、SBRラテックス、NR、ENR、IRなどのイソプレン系ゴムのラテックスが好ましく、イソプレン系ゴムと非相溶である点から、少なくともSBRラテックスをウェットマスターバッチのゴム成分として使用することがより好ましい。
SBRラテックスにおけるSBRのビニル含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。ビニル含量が5質量%未満であると、耐熱性が低下する傾向がある。該ビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。ビニル含量が50質量%を超えると、破壊エネルギーが低下する傾向がある。
なお、SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRラテックスにおけるSBRのスチレン含量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。スチレン含量が20質量%未満であると、破壊エネルギーが低下する傾向がある。該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。スチレン含量が60質量%を超えると、低温で硬くなり、脆性破壊を起こしやすくなる傾向があり、発熱が高くなる傾向がある。
なお、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
SBRラテックス中のゴム成分(ゴム固形分)の濃度は特に限定されないが、ゴムラテックス中での均一分散性の点から、ゴムラテックス(100質量%)中、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%である。
(導電性カーボンブラックの分散液)
本発明における導電性カーボンブラックの分散液は、前記特定の窒素吸着比表面積及びDBP吸油量を持つ導電性カーボンブラックが分散された分散液である。具体的には、導電性カーボンブラックを水性媒体中に分散させた分散液等が挙げられる。該分散液を使用することにより、ポリマー(ゴム分子)と導電性カーボンブラックを液体状態で混合することができ、良好な導電性カーボンブラックの分散性が得られる。
上記導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、900m/g以上、好ましくは1000m/g以上、より好ましくは1050m/g以上である。900m/g未満では、充分な導電性が得られない傾向がある。また、該NSAは、好ましくは1200m/g以下、より好ましくは1150m/g以下、更に好ましくは1100m/g以下である。1200m/gを超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。また、分散性に劣り、破壊性能、耐久性が低下する傾向がある。
上記導電性カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、300ml/100g以上、好ましくは350ml/100g以上である。300ml/100g未満であると、充分な導電性が得られない傾向がある。また、該DBP吸油量は、好ましくは600ml/100g以下、より好ましくは500ml/g以下、更に好ましくは400ml/100g以下である。600ml/100gを超えると、破壊性能、耐久性が低下する傾向がある。
上記導電性カーボンブラックの揮発分は、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは0.9質量%以上である。揮発分が0.6質量%を下回るとゴムとの相互作用が弱くなり分散性、低燃費性、破壊性能が悪化する恐れがある。また、該揮発分の上限は特に限定されないが、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。
上記導電性カーボンブラック中の鉄含有量は、好ましくは60ppm以上、より好ましくは300ppm以上、更に好ましくは800ppm以上、特に好ましくは1000ppm以上である。該鉄含有量は、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは2000ppm以下、特に好ましくは1500ppm以下である。
本明細書において、導電性カーボンブラック中の鉄含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析装置により測定できる。
前記水性媒体としては、水、アルコールなどが挙げられ、なかでも、水を使用することが好ましい。
前記導電性カーボンブラックの分散液は、公知の方法で製造でき、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等を用いて調製できる。具体的には、コロイドミルに水性媒体を入れ、撹拌しながら導電性カーボンブラックを添加し、次いでホモジナイザーを用いて必要に応じて界面活性剤とともに循環することにより、上記分散液を調製できる。なお、上記分散液中のフィラーの濃度は特に限定されないが、分散液(100質量%)中、均一分散性の点から、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%である。
上述の分散液の製法のとおり、前記導電性カーボンブラックの分散液には、分散性の点から、適宜界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、特に限定されず、公知の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを適宜使用できる。なお、上記分散液において、界面活性剤の添加量は特に限定されないが、分散液(100質量%)中、フィラーの均一分散性の点から、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。
(カーボンブラックの分散液)
ウェットマスターバッチの調製において、前記導電性カーボンブラックの分散液が使用されるが、必要に応じて、該導電性カーボンブラック以外の他のフィラーの分散液を更に配合してもよい。具体的には、他のフィラーを水性媒体中に分散させた分散液等が挙げられる。該分散液を使用することにより、ポリマー(ゴム分子)とフィラーを液体状態で混合することができ、良好なフィラー分散性が得られる。
上記他のフィラーとして、カーボンブラック等を配合することが好ましい。導電性カーボンブラックに加えて、更にカーボンブラックを添加することで、本発明の効果を顕著に得ることができる。カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、タイヤコード用被覆ゴム組成物のゴム補強性などの観点から、HAF、ISAF、SAFが好ましい。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは20m/g以上である。20m/g未満であると、補強性が低下し、破壊性能が低下する傾向がある。また、該NSAは、110m/g以下、好ましくは100m/g以下、より好ましくは90m/g以下である。110m/gを超えると、低燃費性が悪化し、また、分散性に劣り、破壊性能、耐久性が低下する傾向がある。
前記カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、60ml/100g以上、好ましくは70ml/100g以上である。60ml/100g未満であると、補強性が低下し、破壊性能が低下する傾向がある。また、該DBP吸油量は、130ml/100g以下、好ましくは120ml/100g以下である。130ml/100gを超えると、引張破断時の伸びが悪化し、破壊性能、耐久性が低下する傾向がある。
前記カーボンブラックの分散液は、前記導電性カーボンブラックの分散液の製法において、該導電性カーボンブラックに代えて前記カーボンブラックを使用し、同様の水性媒体、必要に応じて同様の界面活性剤等を使用して調製できる。
なお、本発明において、上記導電性カーボンブラック及び上記カーボンブラックのNSAはJIS K 6217−2:2001、DBP吸油量はJIS K 6217−4:2001、揮発分はJIS K 6221:1982により測定される。
(軟化剤)
ウェットマスターバッチの調製において、必要に応じて、軟化剤を更に配合してもよい。軟化剤を配合することにより、本発明の効果がより良好に得られる。
軟化剤としては、オイル、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂などが挙げられる。なかでも、オイルが好ましい。
オイルとしては、ゴムの加工性(軟化効果、配合剤分散効果、ポリマー鎖間の潤滑効果など)を改善するために、石油系油類等が挙げられる。具体的には、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイルの他、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE(treated distillate aromatic extracts))、溶媒残留物芳香族系抽出物((SRAE)solvent residue aromatic extracts)等の代替アロマオイル、軽度抽出溶媒和物(MES(mild extraction solvates))等が挙げられる。なかでも、TDAE、SRAE等の代替アロマオイルを用いることが好ましい。
C5系石油樹脂としては、ナフサ分解によって得られるC5留分中のオレフィン、ジオレフィン類を主原料とする脂肪族系石油樹脂などが挙げられる。C9系石油樹脂としては、ナフサ分解によって得られるC9留分中のビニルトルエン、インデン、メチルインデンを主原料とする芳香族系石油樹脂などが挙げられる。
C5系石油樹脂、C9系石油樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上である。また、該軟化点は、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
(混合)
前記のとおり、ウェットマスターバッチは、前記ゴムラテックスと、前記導電性カーボンブラックの分散液と、必要に応じて前記カーボンブラックの分散液や軟化剤とを混合し、その後、凝固、乾燥する製法等で調製できるものであるが、ゴムラテックス、導電性カーボンブラックの分散液、及び必要に応じてカーボンブラックの分散液や軟化剤の混合方法としては、特に限定されず、公知の方法で製造でき、例えば、ブレンダーミル中にゴムラテックスを入れ、撹拌しながら、導電性カーボンブラックの分散液、カーボンブラックの分散液、軟化剤を滴下する方法や、導電性カーボンブラックの分散液、カーボンブラックの分散液、軟化剤を撹拌しながら、これにゴムラテックスを滴下する方法等が挙げられる。また、一定の流量比のゴムラテックス流、導電性カーボンブラックの分散液流、必要に応じてカーボンブラックの分散液や軟化剤を激しい水力撹拌条件下で混合する方法等でもよい。
(凝固)
上記混合工程の後、通常、凝固させるが、凝固工程は、通常、ギ酸、硫酸等の酸性化合物や、塩化ナトリウム等の凝固剤を添加して行われる。なお、上記混合によって凝固される場合もあり、この場合は凝固剤を用いなくてもよい。
(乾燥)
凝固後、通常、得られた凝固物を回収し、遠心分離等によって脱水し、更に、洗浄、乾燥を行うことにより、上記ウェットマスターバッチが得られる。乾燥に使用できる乾燥機としては、例えば、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー、熱風乾燥器、キルン式乾燥機等を使用できる。
(ウェットマスターバッチの組成)
ウェットマスターバッチは、該ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して、前記導電性カーボンブラックを1〜15質量部含むものであることが好ましい。1質量部未満であると、導電性が充分に発揮されない恐れがあり、15質量部を超えると、破壊性能に著しく悪影響を及ぼすおそれがある。下限は、より好ましくは2質量部以上であり、上限は、より好ましくは12質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
ウェットマスターバッチは、該ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックを30〜150質量部含むものであることが好ましい。30質量部未満であると、作製するゴム組成物中に前記カーボンブラックが充分に分散されない恐れがあり、150質量部を超えると、ウェットマスターバッチが硬くなりすぎ、ゴム組成物の加工性が極端に低下するおそれがある。下限は、より好ましくは35質量部以上であり、上限は、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。
ウェットマスターバッチは、該ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して、軟化剤を1〜50質量部含むことが好ましく、3〜40質量部含むことがより好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
<ゴム組成物>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記ウェットマスターバッチを含有するものであるが、該タイヤ用ゴム組成物100質量%中、該ウェットマスターバッチを、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上含むことが好ましい。また、上限としては、該ウェットマスターバッチを、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下含むことが好ましい。このような量のウェットマスターバッチを配合することで、本発明の効果が良好に得られる。
本発明のゴム組成物には、上記ウェットマスターバッチ中に含まれるゴム成分の他に、必要に応じて更にゴム成分を配合してもよい。配合するゴム成分としては、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、操縦安定性、低燃費性、破断時伸び、繊維コードとの接着性、加工性、耐リバージョン性をバランス良く改善できるという理由から、ウェットマスターバッチの他に配合するゴム成分として、イソプレン系ゴム、SBRが好ましく、イソプレン系ゴムとSBRを併用することがより好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などが挙げられる。なかでも、タイヤの耐久性、繊維コードとの接着性などに優れるという理由から、NRが好ましい。
NRとしては、SIR20、RSS#3、TSR20など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IR、ENRとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
前記ゴム組成物に含まれるゴム成分の総量100質量%中、イソプレン系ゴムの合計含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。40質量%未満であると、充分な破断時伸び、低燃費性、繊維コードとの接着性、加工性、タイヤの耐久性が得られないおそれがある。また、該合計含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、充分な操縦安定性、耐リバージョン性が得られないおそれがある。
SBRとしては特に限定されず、従来公知の溶液重合SBR、乳化重合SBR等を使用できる。
前記ゴム組成物中に含まれるゴム成分の総量100質量%中、SBRの合計含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、充分な操縦安定性、耐リバージョン性が得られないおそれがある。また、該合計含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、充分な破断時伸び、低燃費性、加工性、ひいてはタイヤの耐久性が得られないおそれがある。
前記ゴム組成物に含まれるゴム成分の総量100質量%中、イソプレン系ゴム及びSBRの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。80質量%未満であると、破壊強度、低燃費性について、良好な性能バランスが得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、ウェットマスターバッチに含まれる前記導電性カーボンブラック及び前記カーボンブラックに加えて、必要に応じて更に該導電性カーボンブラック及びカーボンブラックを配合してもよい。
前記ゴム組成物に含まれる前記導電性カーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満では、良好な導電性が得られず、また、優れた破壊性能、低燃費性が発揮されないおそれがある。また、該合計含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。5質量部を超えると、破壊性能が低下する傾向がある。
なお、本発明のゴム組成物に使用される前記導電性カーボンブラックの総量100質量%中、80質量%以上をウェットマスターバッチに配合することが好ましく、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
前記ゴム組成物に含まれる前記カーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分の総量100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。20質量部未満であると、良好な強度が確保できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。70質量部を超えると、tanδ(転がり抵抗特性)、破壊性能が悪化する傾向がある。
なお、本発明のゴム組成物に使用される前記カーボンブラックの総量100質量%中、10質量%以上をウェットマスターバッチに配合することが好ましく、より好ましくは30質量%以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
前記ゴム組成物において、前記導電性カーボンブラック及び前記カーボンブラックの配合比率(導電性カーボンブラック/カーボンブラック(質量比率))は、好ましくは0.1/99.9〜15/85、より好ましくは1/99〜10/90である。0.1/99.9未満では、良好な導電性が得られず、また、優れた破壊性能、低燃費性が発揮されないおそれもある。また、15/85を超えると、破壊性能が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、ウェットマスターバッチに含まれる前記軟化剤に加えて、必要に応じて更に該軟化剤を配合してもよい。
前記ゴム組成物に含まれる軟化剤の合計含有量は、ゴム成分の総量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。また、該合計含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
なお、本発明のゴム組成物に使用される軟化剤の総量100質量%中、50質量%以上をウェットマスターバッチに配合することが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ、クレー、タルクなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、上記ウェットマスターバッチ、他の成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、100Vで測定した体積固有抵抗が好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは0.5×10Ω・cm以下、更に好ましくは0.18×10Ω・cm以下である。なお、本発明において、体積固有抵抗は、実施例に記載の方法により測定できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤコード被覆用ゴム組成物として好適に使用でき、タイヤコードを被覆してタイヤコード被覆部材を形成することができる。なかでも、カーカストッピング用ゴム、ジョイントレスバンドトッピング用ゴムとして好適に使用でき、それぞれ、タイヤコードを被覆して、カーカス、ジョイントレスバンドを形成する。
カーカスとは、タイヤコード及びタイヤコード被覆ゴム層からなる部材であり、具体的には、特開2008−75066号公報(それら全てを参照して引用する)の図1等に示される部材である。
ジョイントレスバンドとは、タイヤコード及びタイヤコード被覆ゴム層からなる部材であり、車両の走行時のタイヤ回転に伴う遠心力によってブレーカーがカーカスから浮き上がるのを抑制するために、ブレーカーのタイヤ半径方向外側に設けられる部材であり、具体的には、特開2009−007437号公報(それら全てを参照して引用する)の図3などに示される部材である。
本発明のカーカスは、従来公知の方法により製造でき、例えば、複数のカーカスコードを引き伸ばして並列に配列した状態でカーカスコードの上下に未加硫のタイヤコード被覆用ゴム組成物をトッピングすることにより作製することができる。なお、カーカスコードとしては、従来から公知のものを用いることができ、例えば、ポリエステル等の有機繊維からなるテキスタイルコード(繊維コード)、スチールからなるスチールコード等を用いることができる。また、本発明のバンド等も従来公知の方法により製造でき、バンドコード等としても公知のものが使用できる。
<空気入りタイヤ>
本発明の空気入りタイヤとしては、前記ゴム組成物を用いて作製したカーカス、バンド等の部材と、必要に応じて、100Vで測定した体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上のサイドウォールとを有するもの等を好適に使用できる。該サイドウォールは、このような体積固有抵抗を持つサイドウォール用ゴム組成物により作製可能である。サイドウォール用ゴム組成物の配合は、前記体積固有抵抗を有する高シリカ配合ゴム等を任意に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、上記配合剤を混練りした後、得られた混練物でカーカスコード、バンドコード等を被覆し、タイヤ成型機上にて、カーカス、バンド等の形状に成形し、他のタイヤ各部材と貼りあわせた後、加硫することにより本発明のタイヤを製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤなどに好適に適用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、導電性カーボンブラック、カーボンブラック、及び微粒子カーボンブラックの分散液の調製並びに製造例1〜9で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBRラテックス:日本ゼオン(株)製のLX110(E−SBR、ビニル含有量:18質量%、スチレン含有量:37.5質量%、ゴムラテックス中のゴム成分の濃度:40.5質量%)
カーボンブラック(CB):三菱化学(株)製のダイアブラックH(N330、NSA:79m/g、DBP:105ml/100g)
微粒子カーボンブラック(微粒子CB):キャボットジャパン(株)製のショウブラックN134(NSA:148m/g、DBP:123ml/100g)
導電性カーボンブラック(1)(ライオナイト):LION(株)製のライオナイトCB(NSA:1052m/g、DBP:378ml/100g、揮発分:1.0質量%、鉄含有量:1330ppm)
導電性カーボンブラック(2)(ケッチェン):LION(株)製のケッチェンブラックEC300J(NSA:800m/g、DBP:365ml/100g、揮発分:0.4質量%)
導電性カーボンブラック(3)(Printex):デグッサ社製のPRINTEX XE2B(NSA:1000m/g、DBP:420ml/100g、揮発分:1.2質量%)
デモールN:花王(株)製の界面活性剤デモールN(β−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、陰イオン性界面活性剤)
オイル:H&R社製のTDAE
(導電性カーボンブラック(1)の分散液の調製)
ローター径30mmのコロイドミルに脱イオン水1900gと、導電性カーボンブラック(1)100gとを投入し、ローター・ステーター間隔1mm、回転数2000rpmで10分間撹拌した。次いで、デモールNを0.05質量%の濃度となるように加え、圧力式ホモジナイザーを用いて3回循環させ、導電性カーボンブラック分散液(1)を調製した。
(導電性カーボンブラック(2)の分散液の調製)
導電性カーボンブラック(1)を導電性カーボンブラック(2)に変更した以外は上記と同様にして、導電性カーボンブラック分散液(2)を調製した。
(導電性カーボンブラック(3)の分散液の調製)
導電性カーボンブラック(1)を導電性カーボンブラック(3)に変更した以外は上記と同様にして、導電性カーボンブラック分散液(3)を調製した。
(カーボンブラックの分散液の調製)
導電性カーボンブラック(1)をカーボンブラックに変更した以外は上記と同様にして、カーボンブラック分散液を調製した。
(微粒子カーボンブラックの分散液の調製)
導電性カーボンブラック(1)を微粒子カーボンブラックに変更した以外は上記と同様にして、微粒子カーボンブラック分散液を調製した。
(製造例1:ウェットマスターバッチ(1))
ゴム成分:導電性カーボンブラック(1)成分:カーボンブラック成分の固形分比(質量比)が100:3.3:50となるように、SBRラテックス、導電性カーボンブラック分散液(1)、カーボンブラック分散液を混合し、溶液が均一になった後、撹拌を続けながら硫酸を添加し、pH5に調整して凝固した。得られた固形物をろ過してゴム分を回収し、洗浄後の液体(洗浄水)がpH7になるまで純水でゴム分を洗浄し、乾燥し、ウェットマスターバッチ(1)を得た。
(製造例2:ウェットマスターバッチ(2))
ゴム成分:導電性カーボンブラック(1)成分:カーボンブラック成分の固形分比(質量比)が100:1.65:50となるようにした以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(2)を得た。
(製造例3:ウェットマスターバッチ(3))
ゴム成分:導電性カーボンブラック(2)成分:カーボンブラック成分の固形分比(質量比)を100:3.3:50となるように、SBRラテックス、導電性カーボンブラック分散液(2)、カーボンブラック分散液を混合した以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(3)を得た。
(製造例4:ウェットマスターバッチ(4))
ゴム成分(固形分):導電性カーボンブラック(1)成分(固形分):カーボンブラック成分(固形分):オイルの質量比が乾燥時に100:5:54:25となるように、SBRラテックス、導電性カーボンブラック分散液(1)、カーボンブラック分散液、オイルを混合した以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(4)を得た。
(製造例5:ウェットマスターバッチ(5))
ゴム成分(固形分):導電性カーボンブラック(1)成分(固形分):カーボンブラック成分(固形分):オイルの質量比が乾燥時に100:8:42:26となるように、SBRラテックス、導電性カーボンブラック分散液(1)、カーボンブラック分散液、オイルを混合した以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(5)を得た。
(製造例6:ウェットマスターバッチ(6))
ゴム成分(固形分):導電性カーボンブラック(1)成分(固形分):カーボンブラック成分(固形分):オイルの質量比が乾燥時に100:10:36:27となるように、SBRラテックス、導電性カーボンブラック分散液(1)、カーボンブラック分散液、オイルを混合した以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(6)を得た。
(製造例7:ウェットマスターバッチ(7))
ゴム成分(固形分):導電性カーボンブラック(1)成分(固形分):カーボンブラック成分(固形分):オイルの質量比が乾燥時に100:12:42:31となるように、SBRラテックス、導電性カーボンブラック分散液(1)、カーボンブラック分散液、オイルを混合した以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(7)を得た。
(製造例8:ウェットマスターバッチ(8))
ゴム成分:微粒子カーボンブラック成分(固形分):カーボンブラック成分の固形分比(質量比)が100:17:50となるように、SBRラテックス、微粒子カーボンブラック分散液、カーボンブラック分散液を混合した以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(8)を得た。
(製造例9:ウェットマスターバッチ(9))
ゴム成分(固形分):導電性カーボンブラック(3)成分(固形分):カーボンブラック成分(固形分):オイルの質量比が乾燥時に100:8:42:26となるように、SBRラテックス、導電性カーボンブラック分散液(3)、カーボンブラック分散液、オイルを混合した以外は、製造例1と同様にして、ウェットマスターバッチ(9)を得た。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol1502(E−SBR、ビニル含量:18質量%、スチレン含有量:23.5%)
カーボンブラック(CB):三菱化学(株)製のダイアブラックH(N330、NSA:79m/g、DBP:105ml/100g)
微粒子カーボンブラック(微粒子CB):キャボットジャパン(株)製のショウブラックN134(NSA:148m/g、DBP:123ml/100g)
導電性カーボンブラック(1)(ライオナイト):LION(株)製のライオナイトCB(NSA:1052m/g、DBP:378ml/100g、揮発分1.0質量%)
導電性カーボンブラック(2)(ケッチェン):LION(株)製のケッチェンブラックEC300J(NSA:800m/g、DBP:365ml/100g、揮発分:0.4質量%)
導電性カーボンブラック(3)(Printex):デグッサ社製のPRINTEX XE2B(NSA:1000m/g、DBP:420ml/100g、揮発分:1.2質量%)
ウェットマスターバッチ(1):製造例1
ウェットマスターバッチ(2):製造例2
ウェットマスターバッチ(3):製造例3
ウェットマスターバッチ(4):製造例4
ウェットマスターバッチ(5):製造例5
ウェットマスターバッチ(6):製造例6
ウェットマスターバッチ(7):製造例7
ウェットマスターバッチ(8):製造例8
ウェットマスターバッチ(9):製造例9
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
老化防止剤:精工化学(株)製のオゾノン6C(N−(1、3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24(アロマ系オイル)
ステアリン酸:日油(株)製の椿
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<実施例及び比較例>
表1、2に示す配合処方に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を160℃の条件下で3分間混練し、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練りこみ、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
<評価項目及び試験方法>
(ハンドリング性能(微粉量))
導電性カーボンブラック、導電性カーボンブラックを含有するウェットマスターバッチについて、JIS K 6219に準拠し、ふるい分け時間である5分後の125μm未満の微粉量を測定した。微粉量が小さいほど、カーボンブラックが粒子としてまとまっており、ハンドリング性能に優れることを示す。
(導電性)
上記加硫ゴム組成物を用いて厚さ2mm、15cm×15cmの試験片を作成し、ADVANTEST社製の電気抵抗測定R8340Aを用いて、温度25℃及び相対湿度50%の恒温恒湿条件下で、印加電圧100Vとし、それ以外についてはJIS K 6217:2008に準拠し、ゴム組成物の体積固有抵抗を測定した。値が小さいほどゴム組成物の体積固有抵抗が低く、導電性が良好であることを示す。
(破壊性能)
JIS K 6251に準拠し、上記加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)の引張強度と破断伸びを測定した。(引張強度×破断伸び/2)により破壊エネルギーを計算し、比較例1の破壊エネルギー指数を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、破壊性能が優れることを示す。指数が97以上なら、実用的に問題ない。
(破壊エネルギー指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
(低燃費性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定し、比較例1のtanδを100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗特性(低燃費性)が優れることを示す。指数が97以上なら、実用的に問題ない。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(Total性能)
下記式により計算した。数値が大きいほど、導電性、破壊性能及び低燃費性の性能バランスが優れることを示す。Total性能が50以上なら、実用的に問題ない。
(Total性能)=破壊エネルギー指数×低燃費性指数÷導電性÷1000
Figure 0006084947
Figure 0006084947
表1、2により、ゴムラテックス、特定の導電性カーボンブラックの分散液、カーボンブラックの分散液を混合して作製したウェットマスターバッチを用いることで、優れたハンドリング性能が得られた。また、これを用いて作製したゴム組成物では、優れた導電性が得られると同時に、破壊性能及び低燃費性が顕著に改善され、これらの性能が高次元にバランス良く得られることが明らかとなった。
また、実施例1〜7の配合をカーカス用ゴム組成物、100Vで測定した体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上のサイドウォール用ゴム組成物を用いて試験用タイヤを作製し、導電性、破壊性能(耐久性)、低燃費性を評価しても、同様に優れた性能が得られることが明らかとなった。

Claims (13)

  1. ゴムラテックスと、窒素吸着比表面積が900m/g以上、DBP吸油量が300ml/100g以上である導電性カーボンブラックの分散液とを混合してウェットマスターバッチを得る工程と、
    前記ウェットマスターバッチを混練する工程とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
    前記タイヤ用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積が20〜110m /g又はDBP吸油量が60〜130ml/100gのカーボンブラックを含むものであるタイヤ用ゴム組成物の製造方法
  2. 前記ウェットマスターバッチが更に窒素吸着比表面積が20〜110m /g又はDBP吸油量が60〜130ml/100gのカーボンブラックを含有する請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記導電性カーボンブラックの揮発分が0.6質量%以上である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記ゴムラテックスがスチレンブタジエンゴムラテックスである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記ウェットマスターバッチの含有量が60質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  6. 前記ウェットマスターバッチは、該ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して、前記導電性カーボンブラックを1〜15質量部含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  7. 前記マスターバッチが更にオイルを混合して得られるものである請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  8. タイヤ用ゴム組成物の体積固有抵抗が1×10Ω・cm以下である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  9. タイヤコード被覆用ゴム組成物である請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法を用いてゴム組成物を作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法を用いてゴム組成物を作製する工程と、該ゴム組成物を用いてタイヤコード被覆部材を作製する工程とを含む空気入りタイヤの製造方法。
  12. 前記タイヤコード被覆部材が、カーカス及び/又はジョイントレスバンドである請求項11記載の空気入りタイヤの製造方法。
  13. 体積固有抵抗1×10Ω・cm以上のサイドウォールを有する請求項10〜12のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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