JP4614902B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Description

本発明は、燃費が低く抑えられ、かつ使用時の安全性が向上された空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤの転がり抵抗を低減するとともにウエットグリップ性能を維持する目的で、タイヤのたとえばトレッド部、さらに他の部材としてブレーカー部やサイドウォール部にもシリカを用いる方法が種々提案されている。しかしシリカが多量に配合された場合、タイヤの電気抵抗が高くなり、たとえば車両の燃料補給時に静電気によるスパークが発生して燃料に引火する場合があり、使用時の安全性に欠けるという問題があるため、転がり抵抗の低減およびウエットグリップ性能の維持が実現されるとともに、静電気の発生防止も可能なタイヤの供給が要求されている。
特許文献1には、導電性を改善し、車体に静電気が蓄積されることにより生じる放電現象を防止することが可能な空気入りタイヤとして、トレッド部を構成するゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対してカーボンブラックの配合量が50重量部以下で非カーボンブラック系補強剤を含有し、サイドウォール部を構成するゴム組成物は、カーボンブラックの配合量がゴム成分100重量部に対して40重量部以下であり、トレッド部およびサイドウォール部に導電性薄膜が敷設され、導電性薄膜を構成するゴム組成物は、カーボンブラックの配合量がゴム成分100重量部に対して60重量%以上でかつゴム組成物全体の35重量%以上である空気入りタイヤが提案されている。
特許文献2には、優れたウエット性能などを維持しつつ、タイヤ電気抵抗を効果的に低減し、しかもこれらの特性をタイヤの使用初期から摩耗限度に亘って安定して発揮しうる空気入りタイヤとして、トレッドゴムが、シリカによって架橋された体積固有抵抗値が1×108Ω・cm以上の絶縁性ゴム材からなる主トレッドゴム部と、体積固有抵抗値が1×108Ω・cm未満の導電性ゴム材から形成されかつ主トレッド部とともに接地面をなし、しかも接地面の端縁からタイヤ軸方向内側へ接地巾の3〜35%の距離を隔てて終端する外導電部とを含み、外導電部は、厚さが0.01〜1.0mmのシート状をなして横溝の溝壁、溝底を含むトレッド外表面に露出してタイヤ周方向に連続するとともに、ウイングゴム、サイドウォールゴムおよびクリンチゴムを導電性ゴム材を用いて形成する一方、外導電部をウイングゴムに連続させたことを特徴とする空気入りタイヤが提案されている。
特許文献3には、転がり抵抗が小さく、耐摩耗性、ウエット性能に優れ、電気抵抗が小さいタイヤを与えるタイヤサイドウォール用ゴム組成物として、特定のジエン系ゴム100重量部に対し、一次粒子径が20nm以上、圧縮DBP吸油量が120ml/100g以下およびCTAB表面積が130m2/g以下であるカーボンブラックを5〜50重量部と、DBP吸油量が200ml/100g以上、BETチッ素吸着比表面積が180m2/g以下である沈降性シリカを10〜60重量部と、反応性のファクタが特定の範囲内に制御される量のシランカップリング剤とを混練して得られるタイヤサイドウォール用ゴム組成物が提案されている。
特許文献4には、シリカを補強剤として用いたタイヤトレッドにおいて、導電防止性の低下を防止することを目的として、高抵抗率のタイヤトレッド用ゴム組成物で構成され、かつ所定の横幅を有して長さ方向に延びるストリップと、該横幅内で長さ方向に敷設され、かつトレッドストリップの表面から底面まで延設された108Ω・cm以下の体積抵抗率を有する低抵抗率のタイヤ用ゴム組成物で構成された導電性ストリップとを備えたことを特徴とするタイヤトレッドが提案されている。
しかし特許文献1〜4の方法においては、低い転がり抵抗と高い安全性とを十分満足できるレベルで高度に両立させるという点で未だ改善の余地がある。
特開平8−230407号公報 特開2000−190709号公報 特開平10−36559号公報 特開平8−34204号公報
本発明は上記の課題を解決し、転がり抵抗を低く維持しつつ路面とタイヤとの間における静電気の発生を良好に防止し、低燃費性を損なうことなく使用時の安全性を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、該トレッド部から該サイドウォール部を経て該ビード部に至るカーカスとを少なくとも備え、該カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部が設けられた空気入りタイヤであって、トレッド部、ブレーカー部およびサイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗がいずれも1×108Ω・cm以上に設定され、カーカスを構成するカーカスプライとサイドウォールゴムとの間に、体積固有抵抗が1×108Ω・cmより小さくかつ厚みが0.2〜2.0mmの範囲内である導電層が形成され、かつ、タイヤ表面に、導電層および/または導電層に接して形成されトレッドゴムよりも低い体積固有抵抗を有するゴムセメント層が露出してなる空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、上記の導電層が、ゴム成分と、該ゴム成分の100質量部に対して30〜100質量部の範囲内で配合されるカーボンブラックとを少なくとも含有し、該カーボンブラックの窒素吸着比表面積が100m2/g以上1500m2/g以下であり、かつ、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムのそれぞれが、充填剤のうちシリカの占める割合が50質量%以上となるように該充填剤を含有する、空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、正規リムに装着して規定内圧を充填した状態で、タイヤ半径方向におけるサイドウォール部の外端からトレッド部の外端までの高さが、タイヤ半径方向におけるリム接触部からトレッド部の外端までの高さの0〜15%の範囲内となるように上記のサイドウォール部が形成される空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、上記の導電層がタイヤ表面に露出しないように形成され、上記のゴムセメント層が、接地面となる部位の一部を含む領域に形成される空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、上記のゴムセメント層が、ゴム成分と、該ゴム成分の100質量部に対して30〜100質量部の範囲内で配合されるカーボンブラックとを少なくとも含有し、該カーボンブラックの窒素吸着比表面積が100m2/g以上1500m2/g以下である空気入りタイヤに関する。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部、ブレーカー部およびサイドウォール部をそれぞれ構成するゴムの電気抵抗を制御するとともに、カーカスプライとサイドウォールゴムとの間に導電層を設け、該導電層の電気抵抗および厚みを制御することによって、転がり抵抗が低く抑えられ、かつ路面とタイヤとの間における静電気が良好に防止される。これにより、低燃費性を維持しつつ使用時の安全性が向上された空気入りタイヤを得ることが可能となる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部、ブレーカー部およびサイドウォール部をそれぞれ構成するトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムの体積固有抵抗がいずれも1×108Ω・cm以上に設定される。該体積固有抵抗が1×108Ω・cm以上であれば耐久性が損なわれたり加工性が低下したりする危険性が少ない。
本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカスプライとサイドウォールゴムとの間に、体積固有抵抗が1×108Ω・cmより小さくかつ厚みが0.2〜2.0mmの範囲内の導電層が設けられ、かつ、タイヤ表面に、導電層および/または導電層に接して形成されトレッドゴムよりも低い体積固有抵抗を有するゴムセメント層が露出している。すなわち、本発明においては、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗をそれぞれ1×108Ω・cm以上として転がり抵抗や耐久性等のタイヤ性能を維持しつつ、体積固有抵抗が低く設定された導電層および/またはゴムセメント層をタイヤ表面に露出するように別途設けることにより、空気入りタイヤの接地面と路面との間で発生した静電気を導電層において消滅させて放電現象を防止する。これにより転がり抵抗を低く維持しつつ使用時、特に燃料補給時等における安全性が向上された空気入りタイヤを得ることができる。
本発明においては、導電層と導電層に接して設けられるゴムセメント層とのいずれか一方がタイヤ表面に露出していれば良い。本発明においてゴムセメント層を設けない場合には導電層をタイヤ表面に露出させ、ゴムセメント層を設ける場合には、導電層におけるタイヤ表面への露出部の一部または全部をゴムセメント層で覆うことにより、導電層およびゴムセメント層、またはゴムセメント層のみをタイヤ表面に露出させれば良い。ゴムセメント層が設けられる場合、該ゴムセメント層の体積固有抵抗はトレッドゴムよりも低くされ、かつゴムセメント層は導電層と接しているため、接地面と路面との間で発生した静電気はゴムセメント層を介して導電層に逃がされ、該静電気による放電現象が防止される。導電層がタイヤ表面に露出しないようにゴムセメント層が形成されている場合、耐久性がより良好になるという利点がある。
本発明の空気入りタイヤに形成される導電層の体積固有抵抗は1×108Ω・cmより小さくされる。導電層の体積固有抵抗が1×108Ω・cmより小さければ、タイヤの導電性の向上効果が所望の程度得られる。該導電層の体積固有抵抗は、1×107Ω・cm以下、さらに1×106Ω・cm以下がより好ましい。タイヤの導電性の向上効果という点で該導電層の体積固有抵抗は低い程好ましいが、たとえば導電性成分を多量に配合することによって電気抵抗が低下し、タイヤがリムに接する部分における電気化学反応が促進されてリムが錆び易くなるという現象を防止する観点では、該導電層の体積固有抵抗が、1×103Ω・cm以上、さらに1×104Ω・cm以上に設定されることがより好ましい。
また、該導電層の厚みが0.2mm以上であればタイヤ導電性の向上効果が所望の程度得られ、2.0mm以下であればタイヤの転がり抵抗を大きく悪化させることがない。導電層の厚みは、0.5mm以上、さらに0.9mm以上がより好ましく、また、1.5mm以下がより好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用、トラック・バス用、重機用等、種々の車両のタイヤとして使用され得る。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの断面図の右半分を例示した図である。タイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを具える。またビード部4、4間にはカーカス5が架け渡されるとともに、このカーカス5のタイヤ半径方向外側にブレーカー層6が配される。該カーカス5は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部2からサイドウォール部3を経て、ビード部4のビードコア7と、該ビードコア7の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス8との廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返され、折返し部5aによって係止される。ブレーカー層6は、ブレーカーコードを配列した2枚以上のプライからなり、各ブレーカーコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置している。本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカス5を構成するカーカスプライとサイドウォール部3を構成するサイドウォールゴムとの間に、タイヤ表面への露出部を有する導電層9が設けられる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、正規リムに装着して規定内圧を充填した状態で、タイヤ半径方向におけるサイドウォール部の外端からトレッド部の外端までの高さH2が、タイヤ半径方向におけるリム接触部からトレッド部の外端までの高さH1の0〜15%の範囲内となるようにサイドウォール部が形成されることが好ましい。すなわち、本発明において、正規リムに装着して規定内圧を充填した状態で、タイヤ半径方向におけるサイドウォール部の外端からトレッド部の外端までの高さが、タイヤ半径方向におけるリム接触部からトレッド部の外端までの高さの0%以上とされる場合、トレッドゴムが十分な接地面を有することによってタイヤの耐久性が良好である点で好ましく、15%以下とされる場合、タイヤ転動時のサイドウォール表面の歪みが過度に大きくならないため、走行時の導電層またはゴムセメント層の割れを防止して導電性を維持することができる点で好ましい。
本発明のタイヤにおいて設けられる上記の導電層は、ゴム成分と、該ゴム成分の100質量部に対して30〜100質量部の範囲内で配合されるカーボンブラックとを含有することが好ましい。ゴム成分の100質量部に対して30質量部以上のカーボンブラックが配合される場合、導電層の導電性が良好である点で好ましい。またカーボンブラックの含有量がゴム成分の100質量部に対して100質量部以下である場合耐久性が良好である点で好ましい。ゴム成分の100質量部に対するカーボンブラックの配合量は、35質量部以上、さらに40質量部以上がより好ましく、80質量部以下、さらに70質量部以下がより好ましい。
導電層において配合されるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、100m2/g以上1500m2/g以下とされることが好ましい。該窒素吸着比表面積が100m2/g以上である場合導電層の機械的強度が良好であり、1500m2/g以下である場合製造時の加工性を確保する点で好ましい。該窒素吸着比表面積は、105m2/g以上がより好ましく、また、1300m2/g以下、さらに1000m2/g以下がより好ましい。
導電層は、カーボンブラック以外に、充填剤としてたとえばシリカ等を含有しても良いが、良好な導電性を付与するという観点から、充填剤のうち8質量%以上、さらに15質量%以上、さらに100質量%をカーボンブラックが占めることがより好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムのそれぞれに含有される上記の充填剤のうち50質量%以上がシリカであることが好ましい。充填剤のうち50質量%以上をシリカが占める場合、タイヤの転がり抵抗の低減効果が良好である。充填剤のうちシリカが占める割合は、70質量%以上、さらに90質量%以上がより好ましい。本発明においては、上記充填剤のすべてがシリカであっても良いが、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムのそれぞれの導電性や機械的強度を調整する目的で他の充填剤が併用されることも好ましい。
シリカは、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムのそれぞれにおけるゴム成分の100質量部に対してたとえば5質量部以上100質量部以下で配合することができる。シリカとしては汎用ゴム一般に用いられるものを使用でき、たとえば補強材として使用される乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙げられる。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。シリカの配合量がゴム成分100質量部に対して5質量部以上である場合、タイヤの耐摩耗性が良好であり、100質量部以下である場合、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの製造時における未加硫ゴム組成物の粘度上昇による加工性の低下やコストの過度な上昇を良好に防止できる。
上記で使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、たとえば50〜300m2/g、さらに100〜200m2/gの範囲内であることが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積が50m2/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。一方該窒素吸着比表面積が300m2/g以下である場合、それぞれのゴムの製造時の加工性が良好であり、タイヤの操縦安定性も良好に確保される。なお、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定されることができる。
図2は、本発明に係る空気入りタイヤ1におけるトレッド部2を拡大して説明する図である。本発明の空気入りタイヤにおいては、図2に示すように、トレッド部2における接
地面となる部位の一部を含む領域にゴムセメント層10が形成されても良い。図2に示す構造においては、ゴムセメント層10が導電層9を覆うことによって導電層9がタイヤ表面に露出しないようにされている。図2に示す構造の空気入りタイヤにおいては、トレッドゴムよりも小さい体積固有抵抗を有するゴムセメント層をタイヤの路面への接地面を含む領域に設けることによって、導電層とトレッド部の接地面とが導通され、走行時にトレッド部の接地面において路面とタイヤとの間で生じた静電気が、高い導電性を有する導電層にゴムセメント層を介して逃がされるため、該静電気による放電現象を防止して使用時の安全性をより向上させることができる。またゴムセメント層は接地面となる部位の一部のみを含む領域に設けられるため、転がり抵抗が大きく悪化することはない。
本発明におけるゴムセメント層は、典型的には、ゴム組成物を有機溶媒と混合し、該有機溶媒にゴム組成物中のゴム成分を溶解させて得られるゴムセメントを、タイヤ表面の所定の部位に塗布し、乾燥および加硫硬化させることによって形成されるものである。すなわち、ゴムセメント層は、ゴム成分が一度有機溶媒に溶解された後に乾燥されるという工程を経ているため、ゴムシートとして形成された層と比べて厚みが小さい。これにより、ゴムセメント層がタイヤ走行時に摩耗しても、トレッド部におけるゴムの摩耗速度の差による外観の不具合が生じ難いという特徴を有する。
ゴムセメント層の体積固有抵抗はトレッドゴムよりも低くされれば良い。この場合タイヤの導電性の向上効果がより良好に得られる。タイヤの導電性の向上効果という点でゴムセメント層の体積固有抵抗は低い程好ましいが、たとえば導電性成分を多量に配合することによって電気抵抗が低下し、タイヤがリムに接する部分における電気化学反応が促進されてリムが錆び易くなるという現象を防止する観点では、ゴムセメント層の体積固有抵抗が、1×103Ω・cm以上、さらに1×104Ω・cm以上に設定されることがより好ましい。
また、ゴムセメント層の厚みが0.03mm以上である場合、ゴムセメント層の摩耗後も導電性が確保される点で好ましく、0.1mm以下である場合、ゴムセメント層とトレッドゴムとの摩耗速度の差による外観の不具合が生じ難い。
ゴムセメント層は、ゴム成分と、ゴム成分の100質量部に対して30〜100質量部の範囲内で配合されるカーボンブラックとを含むゴムからなることが好ましい。カーボンブラックをゴム成分100質量部に対して30質量部以上含有させることにより、ゴムセメント層の導電性と耐摩耗性が良好となり、カーボンブラックの含有量を100質量部以下とすることにより良好な耐久性が付与される。カーボンブラックの該含有量は、好ましくは、40質量部以上、さらに50質量部以上、また90質量部以下、さらに80質量部以下とすることができる。
ゴムセメント層において配合されるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、100m2/g以上1500m2/g以下とされることが好ましい。該窒素吸着比表面積が100m2/g以上である場合ゴムセメント層の機械的強度が良好であり、1500m2/g以下である場合製造時の加工性を確保する点で好ましい。該窒素吸着比表面積は、105m2/g以上がより好ましく、また、1300m2/g以下、さらに1000m2/g以下がより好ましい。
ゴムセメント層は、カーボンブラック以外に充填剤としてたとえばシリカ等を含有しても良いが、良好な導電性を付与するという観点から、カーボンブラックのみを含有することが特に好ましい。
なおゴムセメント層の形成の際に用いられる有機溶媒としては、ゴムセメント層用のゴム組成物に含まれるゴム成分の良溶媒となるものが好ましく、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン等が例示できる。
本発明の空気入りタイヤにおける導電層、ゴムセメント層、および、トレッド部、ブレーカー部、サイドウォール部は、たとえば下記のような成分が配合されたゴム組成物から構成されることができる。ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム、ジエン系合成ゴムが好ましく挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらのうち1種類または2種類以上を含むゴム成分が好適である。なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものである。ここで第三ジエン成分としては、たとえば炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が好ましく例示できる。特に、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等は好ましく使用され得る。
導電層に用いられるゴム成分としてはジエン系ゴムが好ましく、中でも、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等が特に好ましい。
また、ゴムセメント層に用いられるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等が好ましく例示できる。
上記のゴム組成物には、その他ゴム製品において一般的に配合される以下の成分を適宜配合することができる。
本発明において、ゴム組成物にシリカを配合する場合には、シラン系カップリング剤、好ましくは含硫黄シランカップリング剤をたとえば、シリカ質量に対して1質量%以上20質量%以下で配合することが好ましい。シランカップリング剤の配合によってタイヤの耐摩耗性および操縦安定性を向上させることができ、シランカップリング剤の配合量が1質量%以上の場合、耐摩耗性および操縦安定性の向上効果が良好に得られる。またシランカップリング剤の配合量が20質量%以下の場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない。含硫黄シランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
その他のシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を使用することができる。
本発明では、用途に応じてその他のカップリング剤、例えばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤を単独またはシラン系カップリング剤と併用して使用することも可能である。
ゴム組成物には、その他、カーボンブラック、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の充填剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
ここで、トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムにカーボンブラックを配合する場合、該カーボンブラックはゴム成分100質量部に対して10質量部以上150質量部以下で配合されることが好ましい。なお、カーボンブラックの特性としては、窒素吸着比表面積(BET法)が70〜300m2/gの範囲内、DBP吸油量が5〜300ml/100gの範囲内、ヨウ素吸着量が146〜152mg/gの範囲内のものが、ゴム組成物に対する補強効果の点で好適である。
ゴム組成物には、上記の他に、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、発泡剤およびスコーチ防止剤等を添加することが可能である。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
本発明では練り加工性を一層向上させるために軟化剤を併用しても良い。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、等が挙げられる。
可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等が挙げられる。
スコーチを防止または遅延させるためのスコーチ防止剤としては、たとえば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を使用することができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<導電層用ゴム組成物の調製>
表1に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で4分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて95℃で2分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経て導電層用のゴム組成物A〜Cを調製した。
<ゴムセメント層用ゴム組成物の調製>
表2に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で4分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて95℃で2分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てゴムセメント層用のゴム組成物D〜Fを調製した。
<トレッド部用ゴム組成物の調製>
表3に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて140℃で4分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて95℃で2分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てトレッド部用のゴム組成物Gを調製した。
<サイドウォール部用ゴム組成物の調製>
表4に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて140℃で4分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて95℃で2分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てサイドウォール部用のゴム組成物Hを調製した。
<ブレーカー部用ゴム組成物の調製>
表5に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて140℃で4分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて95℃で2分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てブレーカー部用のゴム組成物Iを調製した。
<ゴム組成物の体積固有抵抗の測定>
ゴム組成物A〜Iにつき、150℃で30分間加硫成形した後における体積固有抵抗を測定した。結果を表1〜5に示す。
Figure 0004614902
Figure 0004614902
Figure 0004614902
Figure 0004614902
Figure 0004614902
注1:天然ゴムは、タイ製の商品名「TSR20」である。
注2:ポリブタジエンは、日本ゼオン社製の商品名「BR150B」である。
注3:カーボンブラックN220は、東海カーボン社製の商品名「シースト6」(窒素吸着比表面積:119m2/g)である。
注4:カーボンブラックN550は、東海カーボン社製の商品名「シーストSO」(窒素吸着比表面積:42m2/g)である。
注5:ワックスは、大内新興化学社製の商品名「サンノックN」である。
注6:老化防止剤は、住友化学社製の商品名「アンチゲン6C」である。
注7:ステアリン酸は、日本油脂社製の商品名「ステアリン酸 椿」である。
注8:亜鉛華は、三井金属鉱業社製の酸化亜鉛である。
注9:硫黄は、軽井沢製錬社製の商品名「粉末硫黄」である。
注10:加硫促進剤1は、大内新興化学社製の商品名「ノクセラーNS−P」である。
注11:合成ゴム1は、JSR社製の商品名「SBR1500」である。
注12:合成ゴム2は、日本ゼオン社製の商品名「NS116」である。
注13:シリカは、デグサ社製の商品名「VN3」である。
注14:シランカップリング剤は、デグサ社製の商品名「Si69」である。
注15:加硫促進剤2は、住友化学社製の商品名「ソクシノールD」である。
注16:ステアリン酸コバルトは、大日本インキ工業社製のステアリン酸コバルトである。
注17:不溶性硫黄は、四国化成社製の商品名「ミュークロンOT20」である。
注18:加硫促進剤3は、大内新興化学社製の商品名「ノクセラーDZ−G」である。
(実施例1,比較例1〜4)
上記で作製したゴム組成物を表6に示す組合せでそれぞれ用い、トレッド部、サイドウォール部、ブレーカー部、ゴムセメント層および導電層に適用し、常法にて加硫成形し、図1および図2に示す構造を有するサイズ195/65R15の空気入りタイヤを作製した。なお、実施例1および比較例1〜4に係る空気入りタイヤにおいては、図1中の高さH2/高さH1×100(%)が5%となるようにサイドウォール部を形成した。
<転がり抵抗>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、STL社製の転がり抵抗試験機を用い、速度80km/h、荷重4.7kNで転がり抵抗を測定した。転がり抵抗の測定値を荷重で除した転がり抵抗係数(RRC)につき、実施例1,比較例1〜4の転がり抵抗を、下記の式、
(転がり抵抗)=(比較例1の転がり抵抗係数)/(実施例1,比較例1〜4のそれぞれの転がり抵抗係数)×100
により比較例1を100として表示した。値が大きいほど転がり抵抗が小さく性能が良好である。結果を表6に示す。
<タイヤ導電性>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、荷重4.7kNで鉄板にトレッド部を接地させ、印加電圧100Vにおいてタイヤリム部と鉄板との間の電気抵抗値を測定した。結果を表6に示す。
Figure 0004614902
表6に示す結果より、導電層として体積固有抵抗が十分低減されていないゴム組成物を用いた比較例1および2においては、タイヤ導電性の向上が実現できないことが分かる。また、体積固有抵抗が十分低減されたゴム組成物を用いた場合でも、導電層の厚みが3.0mmと厚い比較例3においては転がり抵抗が十分でなく、0.1mmと薄い比較例4においてはタイヤ導電性の向上が十分でないことが分かる。これに対して、体積固有抵抗が1.0×105Ω・cmである導電層を形成し、トレッド部、ブレーカー部およびサイドウォール部の体積固有抵抗が1.0×1015Ω・cmとされる実施例1においては、転がり抵抗とタイヤ導電性とが高度に両立できており、本発明に係る空気入りタイヤは転がり抵抗と導電性のいずれにも優れることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
転がり抵抗が大きく増大することなく路面とタイヤとの間における静電気の発生が防止された本発明の空気入りタイヤは、たとえば乗用車、トラック、バス、重機等の各種車両に対して好ましく適用され得る。
本発明に係る空気入りタイヤの断面図の右半分を例示した図である。 本発明に係る空気入りタイヤ1におけるトレッド部2を拡大して説明する図である。
符号の説明
1 タイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 カーカス、5a 折返し部、6 ブレーカー層、7 ビードコア、8 ビードエーペックス、9 導電層、10 ゴムセメント層。

Claims (4)

  1. トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスとを少なくとも備え、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部が設けられた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部、前記ブレーカー部および前記サイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗がいずれも1×108Ω・cm以上に設定され、
    前記カーカスを構成するカーカスプライと前記サイドウォールゴムとの間に、体積固有抵抗が1×108Ω・cmより小さくかつ厚みが0.2〜2.0mmの範囲内である導電層が形成され、
    タイヤ表面に、前記導電層および/または前記導電層に接して形成され前記トレッドゴムよりも低い体積固有抵抗を有するゴムセメント層が露出してなり、
    前記導電層は、ゴム成分と、前記ゴム成分の100質量部に対して30〜100質量部の範囲内で配合されるカーボンブラックとを少なくとも含有し、
    前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が100m2/g以上1500m2/g以下であり、かつ、
    前記トレッドゴム、前記ブレーカーゴムおよび前記サイドウォールゴムのそれぞれが、充填剤のうちシリカの占める割合が50質量%以上となるように前記充填剤を含有する、空気入りタイヤ。
  2. 正規リムに装着して規定内圧を充填した状態で、タイヤ半径方向における前記サイドウォール部の外端から前記トレッド部の外端までの高さが、タイヤ半径方向におけるリム接触部から前記トレッド部の外端までの高さの0〜15%の範囲内となるように前記サイドウォール部が形成される、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記導電層が前記タイヤ表面に露出しないように形成され、
    前記ゴムセメント層が、接地面となる部位の一部を含む領域に形成される、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴムセメント層が、ゴム成分と、前記ゴム成分の100質量部に対して30〜100質量部の範囲内で配合されるカーボンブラックとを少なくとも含有し、
    前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が100m2/g以上1500m2/g以下である、請求項に記載の空気入りタイヤ。
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