JP4118307B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP4118307B2
JP4118307B2 JP2006103349A JP2006103349A JP4118307B2 JP 4118307 B2 JP4118307 B2 JP 4118307B2 JP 2006103349 A JP2006103349 A JP 2006103349A JP 2006103349 A JP2006103349 A JP 2006103349A JP 4118307 B2 JP4118307 B2 JP 4118307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
tire
conductive layer
tread
carcass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006103349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007276570A (ja
Inventor
洋一 水野
守 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2006103349A priority Critical patent/JP4118307B2/ja
Priority to EP07005398A priority patent/EP1844958B1/en
Priority to DE602007000172T priority patent/DE602007000172D1/de
Priority to US11/723,677 priority patent/US8042582B2/en
Priority to CNB2007100968116A priority patent/CN100480070C/zh
Publication of JP2007276570A publication Critical patent/JP2007276570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4118307B2 publication Critical patent/JP4118307B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C19/00Tyre parts or constructions not otherwise provided for
    • B60C19/08Electric-charge-dissipating arrangements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L21/00Compositions of unspecified rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K2201/00Specific properties of additives
    • C08K2201/001Conductive additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L71/00Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S152/00Resilient tires and wheels
    • Y10S152/02Static discharge

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、電気抵抗が低く抑えられ、かつ使用時の安全性が向上された空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤの転がり抵抗を低減するとともにウエットグリップ性能を維持する目的で、タイヤのたとえばトレッド部、さらに他の部材としてブレーカー部やサイドウォール部にもシリカを用いる方法が種々提案されている。しかしシリカが多量に配合された場合、タイヤの電気抵抗が高くなり、たとえば車両の燃料補給時に静電気によるスパークが発生して燃料に引火する場合があり、使用時の安全性に欠けるという問題があるため、転がり抵抗の低減およびウエットグリップ性能の維持が実現されるとともに、静電気の発生防止も可能なタイヤの供給が要求されている。
特許文献1には、導電性を改善し、車体に静電気が蓄積されることにより生じる放電現象を防止することが可能な空気入りタイヤとして、トレッド部を構成するゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対してカーボンブラックの配合量が50重量部以下で非カーボンブラック系補強剤を含有し、サイドウォール部を構成するゴム組成物は、カーボンブラックの配合量がゴム成分100重量部に対して40重量部以下であり、トレッド部およびサイドウォール部に導電性薄膜が敷設され、導電性薄膜を構成するゴム組成物は、カーボンブラックの配合量がゴム成分100重量部に対して60重量%以上でかつゴム組成物全体の35重量%以上である空気入りタイヤが提案されている。
特許文献2には、優れたウエット性能などを維持しつつ、タイヤ電気抵抗を効果的に低減し、しかもこれらの特性をタイヤの使用初期から摩耗限度に亘って安定して発揮しうる空気入りタイヤとして、トレッドゴムが、シリカによって架橋された体積固有抵抗値が1×108Ω・cm以上の絶縁性ゴム材からなる主トレッドゴム部と、体積固有抵抗値が1×108Ω・cm未満の導電性ゴム材から形成されかつ主トレッド部とともに接地面をなし、しかも接地面の端縁からタイヤ軸方向内側へ接地巾の3〜35%の距離を隔てて終端する外導電部とを含み、外導電部は、厚さが0.01〜1.0mmのシート状をなして横溝の溝壁、溝底を含むトレッド外表面に露出してタイヤ周方向に連続するとともに、ウイングゴム、サイドウォールゴムおよびクリンチゴムを導電性ゴム材を用いて形成する一方、外導電部をウイングゴムに連続させたことを特徴とする空気入りタイヤが提案されている。
特許文献3には、転がり抵抗が小さく、耐摩耗性、ウエット性能に優れ、電気抵抗が小さいタイヤを与えるタイヤサイドウォール用ゴム組成物として、特定のジエン系ゴム100重量部に対し、一次粒子径が20nm以上、圧縮DBP吸油量が120ml/100g以下およびCTAB表面積が130m2/g以下であるカーボンブラックを5〜50重量部と、DBP吸油量が200ml/100g以上、BETチッ素吸着比表面積が180m2/g以下である沈降性シリカを10〜60重量部と、反応性のファクタが特定の範囲内に制御される量のシランカップリング剤とを混練して得られるタイヤサイドウォール用ゴム組成物が提案されている。
特許文献4には、シリカを補強剤として用いたタイヤトレッドにおいて、導電防止性の低下を防止することを目的として、高抵抗率のタイヤトレッド用ゴム組成物で構成され、かつ所定の横幅を有して長さ方向に延びるストリップと、該横幅内で長さ方向に敷設され、かつトレッドストリップの表面から底面まで延設された108Ω・cm以下の体積抵抗率を有する低抵抗率のタイヤ用ゴム組成物で構成された導電性ストリップとを備えたことを特徴とするタイヤトレッドが提案されている。
特許文献5には、静電気が車に蓄積するのを防ぐことのできるタイヤトレッド用ゴム組成物として、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、オキシエチレンユニットを有する化合物を1.0〜30重量部、シリカを5〜80重量部およびカーボンブラックを0〜40重量部配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物が提案されている。
しかし特許文献1〜5の方法においては、低い電気抵抗と高い安全性とを十分満足できるレベルで高度に両立させるという点で未だ改善の余地がある。
特開平8−230407号公報 特開2000−190709号公報 特開平10−36559号公報 特許第2944908号公報 特開平10−147668号公報
本発明は上記の課題を解決し、路面とタイヤとの間における静電気の発生を良好に防止し、電気抵抗を低くして使用時の安全性を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスとを少なくとも備え、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部が設けられた空気入りタイヤであって、前記トレッド部、前記サイドウォール部、前記ブレーカー部、および前記カーカスにそれぞれ形成されるトレッドゴム、サイドウォールゴム、ブレーカーゴム、およびカーカスゴムの体積固有抵抗がいずれも1×1012Ω・cm以上に設定され、前記カーカスを構成するカーカスプライと前記サイドウォールゴムとの間に、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下の導電層が設けられ、かつ、前記導電層はタイヤ表面への露出部を有し、前記導電層における前記露出部の少なくとも一部と、前記トレッド部における路面への接地面となる領域の少なくとも一部とに接するゴムセメント層が設けられてなる。
本発明はまた、前記導電層の厚みが0.2〜3.0mmの範囲内である、空気入りタイヤに関する。本発明はまた、前記導電層がシリカを含む、空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、前記導電層および前記ゴムセメント層は、ジエン系ゴムと、前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜30質量部の範囲内で配合されてなるオキシエチレンユニットを有する化合物とを少なくとも含有する、空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、前記ゴムセメント層は前記トレッドゴムよりも小さい体積固有抵抗を有する、空気入りタイヤに関する。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部、サイドウォール部、ブレーカ部、およびカーカスをそれぞれ構成するゴムの電気抵抗を制御するとともに、カーカスプライとサイドウォールゴムとの間に体積固有抵抗を制御される導電層と、ゴムセメント層とを設けることによって、転がり抵抗および電気抵抗が低く抑えられ、かつ路面とタイヤとの間における静電気が良好に防止される。これにより、電気抵抗を低くして使用時の安全性が向上された空気入りタイヤを得ることが可能となる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスとを少なくとも備え、カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部が設けられた空気入りタイヤである。トレッド部、サイドウォール部、ブレーカー部、およびカーカスにそれぞれ形成されるトレッドゴム、サイドウォールゴム、ブレーカーゴム、およびカーカスゴムの体積固有抵抗がいずれも1×1012Ω・cm以上に設定されている。カーカスを構成するカーカスプライとサイドウォールゴムとの間に、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下の導電層が設けられ、かつ、導電層はタイヤ表面への露出部を有している。導電層における露出部の少なくとも一部と、トレッド部における路面への接地面となる領域の少なくとも一部とに接するゴムセメント層が設けられてなる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用、トラック・バス用、重機用等、種々の車両のタイヤとして使用され得る。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの断面図の右半分を例示した図である。図2は、本発明に係る空気入りタイヤ1におけるトレッド部2を拡大して説明する図である。図1および図2を参照して、タイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを備える。またビード部4、4間にはカーカス5が架け渡されるとともに、このカーカス5のタイヤ半径方向外側にブレーカー層6が配される。該カーカス5は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部2からサイドウォール部3を経て、ビード部4のビードコア7と、該ビードコア7の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス8との廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返され、折返し部5aによって係止される。ブレーカー層6は、ブレーカーコードを配列した2枚以上のプライからなり、各ブレーカーコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置している。本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカス5を構成するカーカスプライとサイドウォール部3を構成するサイドウォールゴムとの間に、タイヤ表面への露出部を有する導電層9が設けられる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部2、ブレーカー部およびサイドウォール部3をそれぞれ構成するトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムの体積固有抵抗がいずれも1×1012Ω・cm以上に設定される。該体積固有抵抗が1×1012Ω・cm以上であれば耐久性が損なわれたり加工性が低下したりする危険性が少ない。
本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカスプライとサイドウォールゴムとの間に、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下の導電層9が設けられ、該導電層9はタイヤ表面に露出部を有する。すなわち、本発明においては、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗をそれぞれ1×1012Ω・cm以上として転がり抵抗や耐久性等のタイヤ性能を維持しつつ、体積固有抵抗が低く設定された導電層9を、その一部がタイヤ表面に露出するように別途設けることにより、空気入りタイヤの接地面と路面との間で発生した静電気を導電層において消滅させて放電現象を防止する。これにより転がり抵抗を維持しつつ使用時、特に燃料補給時等における安全性が向上された空気入りタイヤを得ることができる。
導電層9の体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下であれば、タイヤの導電性の向上効果が所望の程度得られる。導電層9の体積固有抵抗は、1×1010Ω・cm以下、さらに1×109Ω・cm以下がより好ましい。タイヤの導電性の向上効果という点で該導電層の体積固有抵抗は低い程好ましいが、たとえば導電性成分を多量に配合することによって電気抵抗が低下し、タイヤがリムに接する部分における電気化学反応が促進されてリムが錆び易くなるという現象を防止する観点では、該導電層の体積固有抵抗が、1×103Ω・cm以上、さらに1×104Ω・cm以上に設定されることがより好ましい。
また、導電層9の厚みが0.2mm以上であればタイヤ導電性の向上効果が所望の程度得られ、2.0mm以下であればタイヤの転がり抵抗を大きく悪化させることがないため好ましい。導電層9の厚みは、0.3mm以上、さらに0.9mm以上がより好ましく、また、1.5mm以下がより好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて設けられる上記のゴムセメント層10は、図1に示すように、導電層9の露出部の少なくとも一部とトレッド部2における路面の接地面となる領域の少なくとも一部に接してゴムセメント層10が形成されることができる。すなわち、ゴムセメント層10をタイヤの路面への接地面を含む領域に設けることによって、導電層9の露出部とトレッド部2の路面への接地面となる領域とが導通され、走行時にトレッド部の接地面において路面とタイヤとの間で生じた静電気が、高い導電性を有する導電層9にゴムセメント層10を介して逃がされるため、該静電気による放電現象を防止して使用時の安全性をより向上させることができる。
本発明におけるゴムセメント層10は、トレッドゴムよりも小さい体積固有抵抗を有することが好ましい。具体的には、ゴムセメント層10の体積固有抵抗は、108Ω・cm以上1011Ω・cm未満の範囲内に設定されることが好ましい。
本発明におけるゴムセメント層10は、典型的には、ゴム組成物を有機溶媒と混合し、該有機溶媒にゴム組成物中のゴム成分を溶解させて得られるゴムセメントを、タイヤ表面の所定の部位に塗布し、乾燥および加硫硬化させることによって形成されるものである。すなわち、ゴムセメント層は、ゴム成分が一度有機溶媒に溶解された後に乾燥されるという工程を経ているため、ゴムシートとして形成された層と比べて厚みが小さく、タイヤ走行時に該ゴムセメント層が摩耗することによってタイヤトレッド面の摩耗による問題が発生しないという特徴を有する。
なおゴムセメント層10の形成の際に用いられる有機溶媒としては、ゴムセメント層用のゴム組成物に含まれるゴム成分の良溶媒となるものが好ましく、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン等が例示できる。
導電層9およびゴムセメント層10は、充填剤としてシリカ、アルミ、またはクレー等の材料を用いることが好ましい。導電層9およびゴムセメント層10は、特にシリカを含むことが好ましい。シリカは、含有される充填剤のうち50質量%以上であることが好ましい。充填剤のうち50質量%以上をシリカが占める場合、タイヤの転がり抵抗の低減効果が良好である。充填剤のうちシリカが占める割合は、70質量%以上、さらに90質量%以上がより好ましい。本発明においては、上記充填剤のすべてがシリカであっても良いが、導電性や機械的強度を調整する目的で、たとえば充填剤のうちシリカが占める割合を70質量%以下、さらに50質量%以下とし、残部をアルミやクレー等の充填剤が占めることも好ましい。
シリカは、導電層9およびゴムセメント層10におけるゴム成分の100質量部に対してたとえば5質量部以上100質量部以下で配合することができる。シリカとしては汎用ゴム一般に用いられるものを使用でき、たとえば補強剤として使用される乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙げられる。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。シリカの配合量が5質量部以上である場合、タイヤの耐摩耗性が良好であり、100質量部以下である場合、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの製造時における未加硫ゴム組成物の粘度上昇による加工性の低下やコストの過度な上昇を良好に防止できる。
上記で使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、たとえば50〜300m2/g、さらに100〜200m2/gの範囲内であることが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積が50m2/g以上である場合、タイヤ用ゴム組成物に対する補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。一方該窒素吸着比表面積が300m2/g以下である場合、タイヤ用ゴム組成物の加工性が良好であり、操縦安定性も十分確保される。ここで窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明のタイヤにおいて設けられる導電層9およびゴムセメント層10は、ジエン系ゴムと、ジエン系ゴム100質量部に対して1〜30質量部の範囲内で配合されてなるオキシエチレンユニットを有する化合物とを少なくとも含有することが好ましい。オキシエチレンユニットは、カーボンの代わりの導電性材料として用いる。ジエン系ゴム100質量部に対して1質量部以上のオキシエチレンユニットが配合される場合、オキシエチレンユニットを有する化合物のもつエーテル部分が親水性であるため、得られるタイヤのトレッド部の表面が親水性となる。そして、該親水性の表面に道路上の水や大気中の湿気が吸収され、静電気を地面または大気に放出することができ、その結果として静電気が車に蓄積するのを防ぐことができる。またジエン系ゴム100質量部に対して30質量部以下である場合、電気抵抗低減と補強性のバランスが良好である点で好ましい。ジエン系ゴムの100質量部に対するオキシエチレンユニットを有する化合物の配合量は、1〜20質量部であるのが好ましく、1〜10質量部であることがさらに好ましい。
なお、オキシエチレンユニットを有する化合物は、その主鎖、末端および/または側鎖にオキシエチレンユニットを有する。オキシエチレンユニットは、式1:−O−(CH2−CH2−O)n−Hで表わされる。式1中において、nは1以上の整数を表わす。
本発明において用いることのできるオキシエチレンユニットを有する化合物のうち、主鎖にオキシエチレンユニットを有する化合物としては、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシスチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアマイドなどが挙げられる。
また、主鎖または末端にオキシエチレンユニットを有する化合物については、市販のものとして、たとえば理研ビタミン社製のリケマールA−23(主鎖はフェニルエチレン、オキシエチレンユニットが主鎖を構成する炭素9個当たり1個、n=8)、リケマールB−205(主鎖はエチレン、オキシエチレンユニットが主鎖を構成する炭素数12個当たり1個、n=5)などを好ましく用いることができる。
オキシエチレンユニットを有する化合物は、少なくとも主鎖にオキシエチレンユニットを有していることが好ましい。オキシエチレンユニットをポリエチレンなどにグラフト重合反応させると、静電気の蓄積防止効果の持続性および電気抵抗の低減など得られるタイヤの表面特性を向上するからである。
また、少なくとも側鎖にオキシエチレンユニットを有する化合物は、主鎖を構成する炭素数100個当たりオキシエチレンユニットを4〜12個有していることが好ましい。4個以上とすることによって、電気抵抗をより低減できる。12個以内とすることによって、ゴム成分との相溶精および補強性をより向上するからである。なお、この場合、主鎖としては、主としてポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることが好ましい。
少なくとも側鎖にオキシエチレンユニットを有する化合物については、市販のものとして、たとえば住友化学工業社製のスミエード300G(主鎖はエチレン、オキシエチレンユニットが主鎖を構成する炭素数100個当たり6個、n=10)などを好ましく用いることができる。
なお、少なくとも主鎖にオキシエチレンユニットを有する化合物は、主鎖および/または末端にもオキシエチレンユニットを有していてもよい。
また、導電層9およびゴムセメント層10には、たとえば良好な導電性を付与するという観点からカーボンブラックなどの上記以外の充填剤を配合してもよい。
本発明の空気入りタイヤにおける導電層9、ゴムセメント層10、および、トレッド部2、ブレーカー部、サイドウォール部3は、たとえば下記のような成分が配合されたゴム組成物から構成されることができる。ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム、ジエン系合成ゴムが好ましく挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらのうち1種類または2種類以上を含むゴム成分が好適である。なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものである。ここで第三ジエン成分としては、たとえば炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が好ましく例示できる。特に、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等は好ましく使用され得る。
導電層に用いられるゴム成分としてはジエン系ゴムが好ましく、中でも、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等が特に好ましい。
また、ゴムセメント層に用いられるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等が好ましく例示できる。
上記のゴム組成物には、その他ゴム製品において一般的に配合される以下の成分を適宜配合することができる。
本発明において、ゴム組成物にシリカを配合する場合には、シラン系カップリング剤、好ましくは含硫黄シランカップリング剤をたとえば、シリカ質量に対して1質量%以上20質量%以下で配合することが好ましい。シランカップリング剤の配合によってタイヤの耐摩耗性および操縦安定性を向上させることができ、シランカップリング剤の配合量が1質量%以上の場合、耐摩耗性および操縦安定性の向上効果が良好に得られる。またシランカップリング剤の配合量が20質量%以下の場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない。含硫黄シランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
その他のシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を使用することができる。
本発明では、用途に応じてその他のカップリング剤、例えばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤を単独またはシラン系カップリング剤と併用して使用することも可能である。
ゴム組成物には、その他、カーボンブラック、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の充填剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
ここでカーボンブラックはゴム成分100質量部に対して10質量部以上で150質量部以下で配合されることが好ましい。ここでカーボンブラックの物性は窒素吸着比表面積(BET法)が70〜300m2/gの範囲内、DBP吸油量が5〜300ml/100gの範囲内、ヨウ素吸着量が146〜152mg/gの範囲内のものが、タイヤ用ゴム組成物に対する補強効果の点で好適である。
ゴム組成物には、上記の他に、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、発泡剤およびスコーチ防止剤等を添加することが可能である。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
本発明では練り加工性を一層向上させるために軟化剤を併用しても良い。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、等が挙げられる。
可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等が挙げられる。
スコーチを防止または遅延させるためのスコーチ防止剤としては、たとえば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を使用することができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<導電層用ゴム組成物の調製>
表1に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用いて80℃で5分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経て導電層用のゴム組成物A〜Gを調製した。
<ゴムセメント層用ゴム組成物の調製>
表2に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用いて80℃で5分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てゴムセメント層用のゴム組成物Hを調製した。
<トレッド部用ゴム組成物の調製>
表3に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用いて80℃で5分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てトレッド部用のゴム組成物I−1、I−2を調製した。
<サイドウォール部用ゴム組成物の調製>
表4に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用いて80℃で5分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てサイドウォール部用のゴム組成物Jを調製した。
<ブレーカー部用ゴム組成物の調製>
表5に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用いて80℃で5分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てブレーカー部用のゴム組成物Kを調製した。
<カーカス用ゴム組成物の調製>
表6に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用いて80℃で5分間さらに練り込み、定法により押出し工程、カレンダー工程を経てカーカス用のゴム組成物Lを調製した。
<ゴム組成物の体積固有抵抗の測定>
得られたゴム組成物A〜Lから厚さ2mmで15cm四方の試験片を作成し、ADVANTEST社製の電気抵抗測定R8340Aを用いて電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件で、ゴム組成物A〜Lの体積固有抵抗を測定した。結果を表1〜6に示す。なお、表1〜6において、値が大きいほどゴム組成物の電気抵抗は高く、望ましくない。
Figure 0004118307
Figure 0004118307
Figure 0004118307
Figure 0004118307
Figure 0004118307
Figure 0004118307
注1:天然ゴムは、タイ製の商品名「TSR20」である。
注2:ブタジエンゴムは、宇部興産社製の商品名「BR150B」である。
注3:スチレンブタジエンゴムは、住友化学社製の商品名「SBR1502」である。
注4:カーボンブラックは、昭和キャボット社製の商品名「ショウブラックN220」である。
注5:シリカは、デグサ社製の商品名「ウルトラシルVN3」である。
注6:オキシエチレンユニットオキサイドは、住友化学社製の「スミガード」である。
注7:シランカップリング剤は、デグサ社製の商品名「Si266」である。
注8:ワックスは、大内新興化学社製の商品名「サンノックN」である。
注9:老化防止剤は、精工化学社製の商品名「オゾノン6C」である。
注10:ステアリン酸は、日本油脂社製の商品名「ステアリン酸 桐」である。
注11:亜鉛華は、東邦亜鉛社製の「銀嶺R」である。
注12:硫黄は、鶴見化学社製の商品名「硫黄」である。
注13:加硫促進剤は、大内新興化学社製の商品名「ノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド」である。
(実施例1〜6,比較例1〜5)
上記で作製したゴム組成物を表7および表8に示す組合せでそれぞれ用い、トレッド部、サイドウォール部、ブレーカー部、カーカス、導電層、およびゴムセメント層に適用し、常法にて加硫成形し、図1に示す構造を有するサイズ195/65R15の空気入りタイヤを作製した。なお、実施例1〜6および比較例1〜5に係る空気入りタイヤにおいては、図1中の高さH2/高さH1×100(%)が5%となるようにサイドウォール部を形成した。
Figure 0004118307
Figure 0004118307
<タイヤ導電性>
上記で作製した空気入りタイヤをスチールからなる正規リムに装着し、空気圧2.0kgcm2で充填して、荷重450kgでスチールからなる導体板にトレッド部を接地させ、印加電圧500V、温度25℃、湿度50%の条件で、タイヤリムの中央部とタイヤが接地している導体板との間の電気抵抗値を測定した。結果を表7および表8に示す。
表8に示す結果より、導電層を設けていない比較例2は、タイヤ導電性の低減ができないことが分かる。また、導電層を設けた場合であっても、導電層として体積固有抵抗が十分低減されていないゴム組成物Bを用いた比較例3においては、タイヤ導電性の低減が実現できないことが分かる。また、ゴムセメント層を設けていない比較例1,4は、タイヤの導電性の低減ができないことが分かる。また、トレッド部の体積固有抵抗が1×1012Ω・cm以上でないゴム組成物I−2を用いた比較例5においては、タイヤ導電性の低減が実現できないことが分かる。
これに対して、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下の導電層と、ゴムセメント層とを備える実施例1〜6は、タイヤ導電性が1.0×108Ω以下と低くなり、本発明に係る空気入りタイヤは導電性に優れることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
転がり抵抗が大きく増大することなく路面とタイヤとの間における静電気の発生が防止された本発明の空気入りタイヤは、たとえば乗用車、トラック、バス、重機等の各種車両に対して好ましく適用され得る。
本発明に係る空気入りタイヤの断面図の右半分を例示した図である。 本発明に係る空気入りタイヤ1におけるトレッド部2を拡大して説明する図である。
符号の説明
1 タイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 カーカス、6 ブレーカー層、7 ビードコア、8 ビードエーペックス、9 導電層、10 ゴムセメント層。

Claims (5)

  1. トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスとを少なくとも備え、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部が設けられた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部、前記サイドウォール部、前記ブレーカー部、および前記カーカスにそれぞれ形成されるトレッドゴム、サイドウォールゴム、ブレーカーゴム、およびカーカスゴムの体積固有抵抗がいずれも1×1012Ω・cm以上に設定され、
    前記カーカスを構成するカーカスプライと前記サイドウォールゴムとの間に、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下の導電層が設けられ、かつ、
    前記導電層はタイヤ表面への露出部を有し、
    前記導電層における前記露出部の少なくとも一部と、前記トレッド部における路面への接地面となる領域の少なくとも一部とに接するゴムセメント層が設けられてなる、空気入りタイヤ。
  2. 前記導電層の厚みが0.2〜3.0mmの範囲内である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記導電層がシリカを含む、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記導電層および前記ゴムセメント層は、ジエン系ゴムと、前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜30質量部の範囲内で配合されてなるオキシエチレンユニットを有する化合物とを少なくとも含有する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴムセメント層は前記トレッドゴムよりも小さい体積固有抵抗を有する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
JP2006103349A 2006-04-04 2006-04-04 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP4118307B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006103349A JP4118307B2 (ja) 2006-04-04 2006-04-04 空気入りタイヤ
EP07005398A EP1844958B1 (en) 2006-04-04 2007-03-15 Pneumatic tire
DE602007000172T DE602007000172D1 (de) 2006-04-04 2007-03-15 Luftreifen
US11/723,677 US8042582B2 (en) 2006-04-04 2007-03-21 Pneumatic tire having conductive layer and rubber cement layer including compound having oxyethylene unit
CNB2007100968116A CN100480070C (zh) 2006-04-04 2007-04-03 充气轮胎

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006103349A JP4118307B2 (ja) 2006-04-04 2006-04-04 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007276570A JP2007276570A (ja) 2007-10-25
JP4118307B2 true JP4118307B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=38169692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006103349A Expired - Fee Related JP4118307B2 (ja) 2006-04-04 2006-04-04 空気入りタイヤ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8042582B2 (ja)
EP (1) EP1844958B1 (ja)
JP (1) JP4118307B2 (ja)
CN (1) CN100480070C (ja)
DE (1) DE602007000172D1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4614902B2 (ja) * 2006-03-16 2011-01-19 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
EP1892128B1 (en) * 2006-08-23 2009-12-30 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for sidewall and rubber composition for clinch apex and tire prepared using same
US8376005B2 (en) * 2006-09-27 2013-02-19 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire
JP2009292162A (ja) * 2006-09-27 2009-12-17 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
WO2008038461A1 (fr) * 2006-09-27 2008-04-03 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Pneumatique gonflable
US8424578B2 (en) * 2006-10-11 2013-04-23 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire
JP4755255B2 (ja) * 2006-10-11 2011-08-24 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2010285511A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd カーカスコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
US20130025752A1 (en) * 2010-01-26 2013-01-31 Bridgestone Corporation Pneumatic tire for a motorcycle
JP5679875B2 (ja) 2011-03-17 2015-03-04 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP5924985B2 (ja) * 2012-03-07 2016-05-25 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP6290524B2 (ja) * 2012-05-15 2018-03-07 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP5841551B2 (ja) * 2013-01-09 2016-01-13 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
WO2014178336A1 (ja) * 2013-04-30 2014-11-06 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
DE102014218428A1 (de) * 2014-04-30 2015-11-05 Continental Reifen Deutschland Gmbh Fahrzeugluftreifen aufweisend einen Streifen aus einer elektrisch leitfähigen Gummimischung
WO2016100618A1 (en) * 2014-12-17 2016-06-23 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Tire sidewalls including high molecular weight waxes
DE102015220492A1 (de) * 2015-10-21 2017-04-27 Continental Reifen Deutschland Gmbh Fahrzeugluftreifen
ES2769148T3 (es) * 2017-04-04 2020-06-24 Continental Reifen Deutschland Gmbh Procedimiento para preparar una suspensión, suspensión y su uso
CN107672388A (zh) * 2017-09-26 2018-02-09 正新橡胶(中国)有限公司 充气轮胎及其胎侧导电层

Family Cites Families (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2339546A (en) * 1944-01-18 Nonstatic tire
GB544757A (en) * 1940-02-15 1942-04-27 Us Rubber Co Improvements in a pneumatic tyre and method of making same
GB9409453D0 (en) 1994-05-12 1994-06-29 Sumitomo Rubber Ind tyre tread and tyres incorporating them
JP3462503B2 (ja) * 1994-10-11 2003-11-05 株式会社ブリヂストン 帯電性を改良したゴム組成物及びそれを利用した空気入りタイヤ
DE69513131T2 (de) * 1994-12-22 2000-02-24 Sumitomo Rubber Ind Luftreifen mit elektrisch ableitenden Eigenschaften
FR2729671B1 (fr) * 1995-01-20 1997-04-18 Michelin & Cie Enveloppe de pneumatique a base de silice precipitee presentant une resistance au roulement amelioree
JP3514539B2 (ja) 1995-02-27 2004-03-31 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
US6044882A (en) * 1995-03-07 2000-04-04 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire having silica reinforced rubber tread with outer cap containing carbon black
JP3792830B2 (ja) 1996-04-22 2006-07-05 住友ゴム工業株式会社 タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびタイヤ
JP3731840B2 (ja) 1996-07-18 2006-01-05 株式会社ブリヂストン 帯電防止用ゴムセメントおよびこれで被覆された空気入りタイヤ
JP3685569B2 (ja) 1996-11-19 2005-08-17 住友ゴム工業株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP4319264B2 (ja) 1998-02-02 2009-08-26 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
US20020107317A1 (en) 1998-02-06 2002-08-08 Luciano Garro Vulcanizable rubber composition, in particular for low rolling resistance treads of vehicle tires
US6046266A (en) * 1998-09-24 2000-04-04 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with silica reinforced tread and/or sidewall components
JP3261361B2 (ja) 1998-12-25 2002-02-25 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
US6399692B2 (en) * 1999-05-06 2002-06-04 Bridgestone Corporation Electrical conductivity of silica-filled rubber compositions using alkali metal salts dissolved in poly (alkylene oxide) compounds
GB2360781B8 (en) * 2000-03-31 2005-03-07 Unigel Ltd Gel compositions
JP4352198B2 (ja) * 2000-09-29 2009-10-28 日本ゼオン株式会社 ゴム組成物および架橋物
ATE309920T1 (de) * 2001-07-30 2005-12-15 Michelin Soc Tech Stranggepresstes gummiprofil, sein herstellungsverfahren und dieses enthaltender luftreifen
JP2004042858A (ja) 2002-07-15 2004-02-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
US7011125B2 (en) * 2003-11-18 2006-03-14 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with rubber sidewall containing internal electrically conductive rubber strip
US7284583B2 (en) 2004-07-27 2007-10-23 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire with electrically conductive cord extending from its outer wheel-rim mounting surface to its internal tread portion
EP1659005B1 (fr) * 2004-11-18 2008-01-23 Societe de Technologie Michelin Gomme conductrice localisée
JP4628888B2 (ja) * 2005-06-29 2011-02-09 住友ゴム工業株式会社 タイヤ
JP4464917B2 (ja) * 2005-12-28 2010-05-19 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP4614902B2 (ja) * 2006-03-16 2011-01-19 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
US7528186B2 (en) * 2006-06-19 2009-05-05 The Goodyear Tire & Rubber Company Silica reinforced rubber composition containing an ionic compound and article having a component thereof

Also Published As

Publication number Publication date
US20070227636A1 (en) 2007-10-04
JP2007276570A (ja) 2007-10-25
CN101049794A (zh) 2007-10-10
DE602007000172D1 (de) 2008-11-27
EP1844958B1 (en) 2008-10-15
US8042582B2 (en) 2011-10-25
CN100480070C (zh) 2009-04-22
EP1844958A1 (en) 2007-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4118307B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4614902B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5082128B2 (ja) 空気入りタイヤ
KR101091489B1 (ko) 공기입 타이어
JP4954810B2 (ja) サイドウォール用ゴム組成物およびクリンチエイペックス用ゴム組成物、ならびにそれらを用いたタイヤ
JP2008308083A (ja) 空気入りタイヤ
JP4249791B2 (ja) タイヤ
JP4628888B2 (ja) タイヤ
JP5480588B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4249792B2 (ja) タイヤ
JP5509294B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5119491B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2013006571A (ja) 空気入りタイヤ
JP5167512B2 (ja) トレッドゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2009023504A (ja) 空気入りタイヤ
JP5068031B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ
JP5068017B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4550763B2 (ja) インスレーション用ゴム組成物およびタイヤ
JP5395851B2 (ja) サイドウォール用ゴム組成物およびクリンチエイペックス用ゴム組成物、ならびにそれらを用いたタイヤ
RU2389612C2 (ru) Пневматическая шина

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080415

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4118307

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140502

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees