JP5943257B2 - 鞄用肩掛けベルト - Google Patents

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この発明は、鞄を一方の肩に掛けてぶら下げたり、鞄を両方の肩に掛けて背中に背負ったりして使用することができる鞄用肩掛けベルトに関するものである。
従来、この種の鞄用肩掛けベルトとしては、例えば図9に示したように、移動吊金具21の挿通孔21a、21aに交互に通した帯22の一側22aに、ワンタッチフック23が折り返した帯をビス24で止めて取り付けられたものとしている。さらに、前記帯22の他側22bには、その先端にワンタッチフック23が取り付けられており、この取り付けのために折り返された帯22の先端には他側22bと係合してその長さを調節する止金具25が取り付けられたものとしている(特許文献1)。
このように構成した従来の鞄用肩掛けベルトは、三個の鉤金具を有する鞄26に用いる場合には、図10に示したように、先ず、鞄26の中央上方の鉤金具27aに、移動吊金具21の環21bを掛け、次に鉤金具27bにワンタッチフック23を掛けて帯22の一側22aの長さが適当か否かを調べ、帯22と移動吊金具21の基盤との間の摩擦を適宜解いて長さを調節するようにしている。そして、調節した帯22の一側22aの長さに他側22bの長さが一致するように止金具25の係合を解いて調節し、同じ長さにしたところでワンタッチフック23を鉤金具27bに掛けるようにしている。
また、図9に示した従来の鞄用肩掛けベルトは、二個の鉤金具を有する鞄28に用いる場合には、図11に示したように、先ず、釣金具27cにワンタッチフック23を掛け、次に、帯22の他側22bを鉤金具27dに通して折り返し、先端のワンタッチフック23を移動金具21の環21bに掛けるようにしている。そして、帯の全体的長さが適当か否かを調べ、不適当の場合には帯22と移動吊金具21の基盤との間の摩擦を適宜解いて移動調整し、最適の長さに設定するようにしている。
さらに、従来のこの種の鞄用肩掛けベルトとしては、例えば図12に示したように、先端部に長さ調整用の係止孔31が設けられており、各先端部は、それぞれ鞄本体32の側壁32bに設けたバックル33、33に係脱可能に係止されている。各ベルト34、34の他端部は、図13に示すように、リング35を係止バンド36のバンド部36aに挿通し、このバンド部36aをバンド通し36bに挿通した後、バンド部36aに形成された留め孔36cを留めピン36dに嵌め入れることにより、鞄本体32に取り付けられている。このリング35を逆の手順で係止バンド36から取りはずし、前記各先端部をバックル33、33から離脱させると、ベルト34、34を鞄本体32から取りはずすこともできるとしている(特許文献2)。
また、図12に示した従来の鞄用肩掛けベルトは、鞄本体32に対して着脱自在であるため、使用時以外にはベルト34、34を取りはずすことができるだけでなく、図14に示すように、ベルト34、34を襠部37、37に設けたバックル33、33に付け替えることにより、ショルダーバッグとして使用することもできるとしている。
実開昭59−8623号公報 実用新案登録第3037413号公報
上記図9及び図12に示した従来の鞄用肩掛けベルトは、何れも図10、11又は図12、14に示されたように、鞄を一方の肩に掛けてぶら下げたり、鞄を両方の肩に掛けて背中に背負ったりして使用することができるようにしている。
しかしながら、上記従来の鞄用肩掛けベルトは、鞄を両方の肩に掛けて背中に背負った状態にして使用する場合には、何れも特に問題がないが、鞄を一方の肩に掛けてぶら下げるようにして使用する場合には、移動吊金具21やリング35が露出しているため、これら移動吊金具21やリング35が使用者の肩に直接当たってしまい、使用者の衣服を傷めてしまったり、鞄の荷重で肩が痛くなってしまうという課題を有していた。
さらに、上記図9に示した従来の鞄用肩掛けベルトは、鞄を両方の肩に掛けて背中に背負った状態にして使用する場合には、移動吊金具21の挿通孔21a、21aに交互に通し折り返して二股にした帯22の間の角度を調節することが殆どできないため、使用者の体格に応じて前記帯22の間の角度を自由に広げたり、狭めたりすることが困難となり、帯22が窮屈であったり、逆に帯22が緩過ぎて、鞄が背負い辛くなってしまうという課題を有していた。
また、上記図12に示した従来の鞄用肩掛けベルトは、鞄を両方の肩に掛けて背中に背負った状態にして使用する場合には、一対のベルト34、34の間の角度を調節するときに、リング35の周囲に沿ってベルト34、34を移動させるだけよいので、その角度調節が容易に行なえるが、ベルト34、34がリング35の周囲を無制限に移動するので、ベルト34、34の間で移動差が生じて、ベルト34、34どうしの傾斜角度が同じにならず、背負った鞄が傾いてしまうことがあるという課題を有していた。
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、使用者の衣服を傷めてしまったり、鞄の荷重で肩が痛くなってしまうことがなく、さらに鞄が背負い辛くなってしまうことがなく、しかも背負った鞄が傾いてしまうことがない鞄用肩掛けベルトを提供することを目的とする。
そのため、この発明の鞄用肩掛けベルトは、一対のベルト1、1と、連結板2と、肩当て3とを備えたものとしており、前記連結板2に一対の円弧状長孔4、4を対向させて設けると共に、これら対向する円弧状長孔4、4の中間位置に掛止孔5を設けたものとし、前記円弧状長孔4、4の一方に、前記ベルト1、1の一方の一端を、任意角度、旋回自在に取り付けると共に、前記円弧状長孔4、4の他方に、前記ベルト1、1の他方の一端を、任意角度、旋回自在に取り付けたものとし、前記連結板2全体と前記ベルト1、1の取付端とを前記肩当て3によって着脱自在に被覆したものとし、前記一方のベルト1を長さ調節自在としてその他端に、鞄6の両側面の上部に設けた肩掛け用リング7、7、又は鞄6の前後面の一方の下部両端及び上部の何れか一端に設けた背負い用下部リング8、8、8の何れかに着脱自在とした取付フック9を設けると共に、前記他方のベルト1を長さ調節自在としてその他端に、前記肩掛け用リング7、7又は前記背負い用下部リング8、8、8の何れかに着脱自在とした取付フック9を設け、さらに前記連結板2の掛止孔5に、鞄6の前後面の一方の上部中央及び一側端中央に設けた背負い用上部取付フック10、10の何れかを着脱自在として連結できるようにし、前記連結板2は、中心角が150〜170度の略扇形に形成され、その角を落して丸くしたものとし、前記連結板2の円弧状長孔4、4の中心角αがそれぞれ85〜90度にしており、前記ベルト1、1間の角度βが90〜170度までの範囲で任意の角度に調節可能にしている。
この発明の鞄用肩掛けベルトは、以上に述べたような構成としているので、使用者の衣服を傷めてしまったり、鞄の荷重で肩が痛くなってしまうことがなく、さらに鞄が背負い辛くなってしまうことがなく、しかも背負った鞄が傾いてしまうことがないものとなった。
この発明の鞄用肩掛けベルトの一実施形態を示す全体図である。 この発明の鞄用肩掛けベルトの連結板の円弧状長孔にベルトの一端を取り付けた状態を示しており、(a)は一対のベルト間の角度βを最大にしたときの説明図であり、(b)は一対のベルト間の角度βを最小にしたときの説明図である。 この発明の鞄用肩掛けベルトの連結板の平面図である。 この発明の鞄用肩掛けベルトの肩当ての閉じた状態を示す斜視図である。 この発明の鞄用肩掛けベルトの肩当ての開いた状態を示す斜視図である。 この発明の鞄用肩掛けベルトの一使用状態を示す説明図である。 この発明の鞄用肩掛けベルトの他の使用状態を示す説明図である。 この発明の鞄用肩掛けベルトのさらに他の使用状態を示す説明図である。 従来の鞄用肩掛けベルトの一例を示す全体斜視図である。 図9の鞄用肩掛けベルトの一使用状態を示す斜視図である。 図9の鞄用肩掛けベルトの他の使用状態を示す斜視図である。 従来の鞄用肩掛けベルトの他の例の一使用状態を示す斜視図である。 図12の鞄用肩掛けベルトを鞄に取り付ける状態を示す説明図である。 図12の鞄用肩掛けベルトの他の使用状態を示す斜視図である。
以下、この発明の鞄用肩掛けベルトを実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
この発明の鞄用肩掛けベルトは、図1、2に示したように、一対のベルト1、1と、連結板2と、肩当て3とを備えたものとしている。
この発明の鞄用肩掛けベルトは、前記連結板2に一対の円弧状長孔4、4を対向させて設けると共に、これら対向する円弧状長孔4、4の中間位置に一つの掛止孔5を設けたものとし、前記円弧状長孔4、4の一方に、前記ベルト1、1の一方の一端を、任意角度、旋回自在に取り付けると共に、前記円弧状長孔4、4の他方に、前記ベルト1、1の他方の一端を、任意角度、旋回自在に取り付けたものとしている。
さらに、この発明の鞄用肩掛けベルトは、前記連結板2全体と前記ベルト1、1の取付端とを前記肩当て3によって着脱自在に被覆したものとしている。
そして、この発明の鞄用肩掛けベルトは、前記一方のベルト1を長さ調節自在としてその他端に、鞄6に設けた肩掛け用リング7又は背負い用下部リング8に着脱自在とした取付フック9を設けると共に、前記他方のベルト1を長さ調節自在としてその他端に、鞄6に設けた肩掛け用リング7又は背負い用下部リング8に着脱自在とした取付フック9を設けたものとしている。
また、この発明の鞄用肩掛けベルトは、前記連結板2の掛止孔5に、鞄6に設けた背負い用上部取付フック10を着脱自在として連結できるようにしている。
前記ベルト1、1は、それぞれの一端を前記したように連結板2の円弧状長孔4、4に取り付けており、それぞれの他端に前記したように鞄6の肩掛け用リング7又は背負い用下部リング8に着脱自在とした取付フック9を設けたものとしており、さらにそれぞれの中間部に長さ調節具11を取り付けて長さ調節自在としている。
前記連結板2は、金属板をプレス加工して略半円形や、中心角が150〜170度の略扇形に形成し、その角を落して丸くしたものとしており、前記肩当て3で被覆したときに出っ張りが生じ難くすると共に、使用者が使用時に手などに引っ掛けて怪我をしないようにしている。
前記連結板2の円弧状長孔4、4は、図3に示したように、それぞれの中心角αを85〜90度としており、図2に示したように、これら円弧状長孔4、4にそれぞれ一対のベルト1、1の端部を通して折り返し、その折り返した部分を縫着したり、ビス止め等して取り付けることにより、旋回自在になるようにしている。そして、前記円弧状長孔4、4にそれぞれ取り付けたベルト1、1は、前記図2に示したように、使用者の体格に応じてベルト1、1間の角度βを90〜170度、好ましくは75〜180度までの範囲で任意の角度に調節できるようにしている。前記ベルト1、1間の角度βが170〜180度のときは、前記連結板2全体と前記一対のベルト1、1のそれぞれの取付端とを肩当て3で被覆したときに、図2(a)に示したように、その部分が略直線状となり被覆することができる。
前記肩当て3は、図4、5に示したように、四角形の基布の両側を包み片3a、3aとし、一方の包み片3aの表面の側端部に面ファスナーの雌体12aを設け、他方の包み片3aの裏面の側端部に面ファスナーの雄体12bを設け、前記基布の表裏面又は表面の中央部にクッション材13を設けたものとしている。そして、前記連結板2全体と前記一対のベルト1、1のそれぞれの取付端とを前記肩当て3によって被覆するには、これらを基布の裏面の中央部に当て、包み片3a、3aを折り返して、面ファスナーの雌体12aと雄体12bを接着すればよい。なお、前記面ファスナーの雌雄体12a、12bの両端部にホックの雌雄体14a、14bを設けたものにすることにより、前記包み片3a、3aどうしの接着をより強いものとして、使用中に両者がより外れ難いものにしておくことができる。
前記鞄6は、図示したものでは、横長の略直方体形状に構成しており、前後面の上部には必要に応じて一対の手提げ用の把手15、15が設けられており、両側面の上部には前記肩掛け用リング7、7を設けたものとしている。さらに、前記鞄6の前後面の一方(図示したものでは後面)の下部両端及び上部の何れか一端に、前記背負い用下部リング8を設けており、前後面の一方(図示したものでは後面)の上部中央に、前記背負い用上部フック10を設けたものとしている。さらに、前記背負い用上部フック10と共に、前後面の一方(図示したものでは後面)の一側端の中央に、もう一つの背負い用上部フック10を設けたものとしている。前記背負い用上部フック10、10は、鞄6を背中に背負った状態にして使用しない場合には、この鞄6の後面に設けた内ポケット16に収納するなどして、背負い用上部フック10が目立たないようにしたり、ぶらつかないようにしている。なお、前記肩掛け用リング7、背負い用下部リング8及び背負い用上部フック10を鞄6に設ける位置は、それぞれの役目を果たす位置であれば、制限されることはなく、またこの発明の鞄用肩掛けベルトは、前記鞄6に限定されることなく、多種多用の鞄に使用することができる。
以上のように構成したこの発明の鞄用肩掛けベルトは、図6に示したように、一対のベルト1、1のそれぞれの取付フック9、9を、鞄6の両側面に設けた肩掛け用リング7、7にそれぞれ引っ掛け、長さ調節具11によりそれぞれのベルト1、1の長さを調節すれば、鞄6を一方の肩に掛けてぶら下げた状態にして使用することができる。
そして、この発明の鞄用肩掛けベルトは、鞄6を両方の肩に掛けて背中に背負った状態にして使用する場合には、先ず一対のベルト1、1のそれぞれの取付フック9、9を、鞄6の後面の下部両端に設けた背負い用下部リング8、8にそれぞれ引っ掛ける。次に、肩当て5の面ファスナーの雌雄体12a、12bどうしの接着を外し(ホックの雌雄体14a、14bを設けているものでは、これらの接着も外し)て、この肩当て5を前記ベルト1、1から外して連結板2を露出させる。さらに、この連結板2の掛止孔5に、鞄6の後面の上部中央に設けた背負い用上部取付フック10を引っ掛ければ、図7に示したように、鞄6を横長にして背負うことができる。
また、この発明の鞄用肩掛けベルトは、一対のベルト1、1の一方の取付フック9を、鞄6の後面の下部両端に設けた背負い用下部リング8、8の何れかに引っ掛け、前記他方の取付フック9を、鞄6の後面の一側端の上部に設けた背負い用下部リング8に引っ掛け、前記連結板2の掛止孔5に、鞄6の後面の一側端の中央に設けた背負い用上部取付フック10を引っ掛ければ、図8に示したように、鞄6を縦長にして背負うことができる。
このようにしたこの発明の鞄用肩掛けベルトは、前記鞄6を横長にして背負った場合にも、縦長にして背負った場合にも、使用者の体格に応じて一対のベルト1、1の間の角度を自由に広げたり、狭めたりすることができるので、肩掛けベルトが窮屈であったり、逆に肩掛けベルトが緩過ぎて、鞄が背負い辛くなってしまうようなことはなくなる。
また、この発明の鞄用肩掛けベルトは、一対のベルト1、1の間の角度を調節するときに、連結板2の円弧状長孔4に沿って、角度制限された範囲を一対のベルト1、1が移動することになるので、ベルト1、1の間で移動差が生じ難く、ベルト1、1どうしの傾斜角度も同じになりやすく、背負った鞄が傾いてしまうようなことがなくなる。
なお、前記鞄6を手に提げた状態にして使用するには、この発明の鞄用肩掛けベルトを上記した状態のままで使用することもできるが、垂れ下がるなどして使用し難くなるので、ベルト1、1のそれぞれの取付フック9を、肩掛け用リング7及び背負い用下部リング8から外し、鞄6の背負い用上部取付フック10を連結板2の掛止孔5から外して、この発明の鞄用肩掛けベルトを鞄6から取り去って使用すればよい。
1 ベルト
2 連結板
3 肩当て
4 円弧状長孔
5 掛止孔
6 鞄
7 肩掛け用リング
8 背負い用下部リング
9 取付フック
10 背負い用上部取付フック

Claims (1)

  1. 一対のベルト(1、1)と、連結板(2)と、肩当て(3)とを備えたものとしており、前記連結板(2)に一対の円弧状長孔(4、4)を対向させて設けると共に、これら対向する円弧状長孔(4、4)の中間位置に掛止孔(5)を設けたものとし、前記円弧状長孔(4、4)の一方に、前記ベルト(1、1)の一方の一端を、任意角度、旋回自在に取り付けると共に、前記円弧状長孔(4、4)の他方に、前記ベルト(1、1)の他方の一端を、任意角度、旋回自在に取り付けたものとし、前記連結板(2)全体と前記ベルト(1、1)の取付端とを前記肩当て(3)によって着脱自在に被覆したものとし、前記一方のベルト(1)を長さ調節自在としてその他端に、鞄(6)の両側面の上部に設けた肩掛け用リング(7、7又は鞄(6)の前後面の一方の下部両端及び上部の何れか一端に設けた背負い用下部リング(8、8、8の何れかに着脱自在とした取付フック(9)を設けると共に、前記他方のベルト(1)を長さ調節自在としてその他端に、前記肩掛け用リング(7、7)又は前記背負い用下部リング(8、8、8の何れかに着脱自在とした取付フック(9)を設け、さらに前記連結板(2)の掛止孔(5)に、鞄(6)の前後面の一方の上部中央及び一側端中央に設けた背負い用上部取付フック(10、10の何れかを着脱自在として連結できるようにした鞄用肩掛けベルトであって、
    前記連結板(2)は、中心角が150〜170度の略扇形に形成され、その角を落して丸くしたものとし、
    前記連結板(2)の円弧状長孔(4、4)の中心角(α)がそれぞれ85〜90度にしており、
    前記ベルト(1、1)間の角度(β)が90〜170度までの範囲で任意の角度に調節可能にしていることを特徴とする鞄用肩掛けベルト。
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