以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の電気掃除機1の平面図である。図2は実施の形態1の電気掃除機1の平面視における模式的な断面図である。図2は、電気掃除機1の内部構造を説明するためのものである。図3は、実施の形態1の電気掃除機1の斜視図である。本実施の形態に係る電気掃除機1は、使用者の腰にベルト3が巻かれる形態である腰巻き形態と、使用者の肩にベルト3が掛けられる形態である肩掛け形態と、の2つの形態で使用可能に構成されていることを特徴とするものである。図1から図3は、腰巻き形態における電気掃除機1を示している。
図1から図3に示されるように、電気掃除機1は、掃除機本体2と、ベルト3と、を備えている。図1から図3に示される腰巻き形態において、使用者は、ベルト3を腰に巻いた状態で、電気掃除機1を使用する。肩掛け形態において、使用者は、ベルト3を肩に掛けた状態で、電気掃除機1を使用する。
本開示では、塵埃を含む空気を「含塵空気」と称し、塵埃が取り除かれて清浄な状態になった空気を「清浄空気」と称する。また、本開示では、ごみ、塵、埃、毛髪、繊維等のように、電気掃除機1の清掃対象となるものを総称して、「塵埃」と称する。掃除機本体2は、含塵空気から塵埃を分離して捕集し、清浄空気を排出する機能を有するものである。
掃除機本体2には、集塵部4と電動送風機5とが設けられている。集塵部4は、掃除機本体2へと流入した含塵空気中の塵埃を捕集するものである。電動送風機5は、含塵空気を吸引するための気流を発生させるものである。電動送風機5は、掃除機本体2に内蔵されている。
掃除機本体2は、長手方向を有する細長い形状に形成されている。例えば、掃除機本体2は、外径が8cmで長さが28cmの円筒型に形成されている。
本実施の形態において、集塵部4には1次フィルター41と2次フィルター42とが設けられている。1次フィルター41は、例えば、紙パックまたは布フィルター等から構成される。2次フィルター42は、1次フィルター41よりも塵埃捕集率の高いHEPAフィルターまたはULPAフィルター等から構成される。
集塵部4は、1次フィルター41および2次フィルター42と共に掃除機本体2から取り外し可能に構成されている。また、1次フィルター41および2次フィルター42は、集塵部4から取り外し可能であり、それぞれ個別に清掃することが可能である。
円筒状の掃除機本体2の長さ方向の端部には、一例として、接続管6が備えられている。図1および図2に示されるように、接続管6には、吸気口7が形成されている。吸気口7は、掃除機本体2の内部に含塵空気を吸引するための開口である。また、掃除機本体2の側面部には、排気口8が形成されている。排気口8は、掃除機本体2から清浄空気を排出するための開口である。
また、掃除機本体2には、バッテリー9および制御部10が備えられている。バッテリー9は、電気掃除機1の動力源となる。バッテリー9には、外部の充電装置によって、掃除機本体2に設けられた図示しない充電端子を介して電力が供給される。バッテリー9は、充電装置によって供給された電力を蓄える。制御部10は、バッテリー9に蓄えられた電力によって、電動送風機5を駆動させる。
図2に示されるように、接続管6内には、電気信号線および電力供給線からなる電気配線11が設けられている。電気配線11は、バッテリー9に蓄えられた電力および制御部10から送信される電気信号を掃除機本体2の外部へ伝達する。
図1から図3に示されるように、実施の形態1に係る電気掃除機1は、ベース12を備える。ベース12は、掃除機本体2に着脱自在に設けられている。ベース12は、例えば、掃除機本体2に嵌合または係止されることで、掃除機本体2に固定される。ベース12は、例えば、板状の部材として構成される。板状のベース12の寸法は、例えば、長さが28cm、幅が6cm、厚さが1.5cmである。本実施の形態における掃除機本体2およびベース12は、本開示に係る電気掃除機1の本体の一例を構成している。上記したベルト3は、電気掃除機1の本体に対して装着されている。
本実施の形態において、ベース12には、図1および図2に示されるように、取り外しボタン13が設けられている。掃除機本体2に対するベース12の固定は、取り外しボタン13が押されることで解除される。使用者は、取り外しボタン13を押すことで、掃除機本体2からベース12を分離させることができる。取り外しボタン13は、ベース12と掃除機本体2との固定を解除する解除手段の一例を構成している。
なお、ベース12と掃除機本体2との固定を解除する解除手段は、ベース12ではなく掃除機本体2に設けられていてもよい。本開示に係る解除手段は、掃除機本体2およびベース12の少なくとも一方に設けられていればよい。
図2に示されるように、掃除機本体2の重心Gは、電動送風機5の付近に位置している。本実施の形態において、掃除機本体2の重心Gは、当該掃除機本体2の長手方向の中央を基準として、吸気口7の反対側に寄っている。
本実施の形態において電気掃除機1の本体の一例を構成するベース12には、第1の保持部14および第2の保持部15が設けられている。第1の保持部14および第2の保持部15は、ベルト3をベース12に対して保持する部材である。第1の保持部14および第2の保持部15のそれぞれは、例えば、金属製の細長い円柱状の部材の両端側の一部を折り曲げることで形成される。
円柱状の部材からなる第1の保持部14は、その長手方向がベース12の長手方向に対して概ね垂直となるように配置される。第1の保持部14の折り曲げられた両端部は、ベース12に固定される。これにより、第1の保持部14とベース12との間には、ベース12の長手方向に貫通する隙間が形成される。ベルト3は、この隙間を通った状態で、第1の保持部14によって保持される。
同様に、円柱状の部材からなる第2の保持部15は、その長手方向がベース12の長手方向に対して概ね垂直となるように配置される。第2の保持部15の折り曲げられた両端部は、ベース12に固定される。これにより、第2の保持部15とベース12との間には、ベース12の長手方向に貫通する隙間が形成されている。ベルト3は、この隙間を通った状態で、第2の保持部15によって保持される。
第1の保持部14と第2の保持部15とは、それぞれ、異なる位置に配置されている。例えば、第1の保持部14は、ベース12の長手方向の一端部に設けられる。第2の保持部15は、例えば、ベース12の長手方向の上記の一端部の反対側の他端部に設けられる。ベルト3は、ベース12の両端部において、第1の保持部14および第2の保持部15によって保持される。
また、本実施の形態において、ベース12には、第1の保持部14と第2の保持部15との間に、第3の保持部16が設けられている。第3の保持部16は、内側をベルト3が通過可能に構成されている。第3の保持部16は、第1の保持部14と第2の保持部15との間において、当該第3の保持部16の内側を通過するベルト3を保持する部材である。この第3の保持部16は、第1の保持部14と第2の保持部15との間において一重の状態のベルト3を保持する形態と、第1の保持部14において折り返されて重なった状態のベルト3を保持する形態と、の両形態に切り替え可能に構成されていることを特徴とする。図1から図3に示される状態において、第3の保持部16は、第1の保持部14と第2の保持部15との間において一重の状態のベルト3を保持している。
第3の保持部16は、例えば、柔軟性を有する素材から形成された帯状の部材から構成される。帯状の部材からなる第3の保持部16は、両端が連結して環状になっている連結状態と、両端が分離した分離状態と、に切り替え可能に構成される。第3の保持部16には、当該第3の保持部16を連結状態および分離状態に切り替える連結部材17が設けられている。
本実施の形態において、使用者は、ベルト3を腰に巻くことで、または、ベルト3を肩に掛けることで、掃除機本体2を支持する。ベルト3は、例えば、樹脂繊維によって形成される。ベルト3は、一部がベース12の長手方向に沿って配置されると共に、当該一部が第1の保持部14とベース12との間の隙間および第2の保持部15とベース12との間の隙間を通るように配置される。
また、本実施の形態において、ベルト3には、バックル18が備えられている。バックル18は、連結および分離が可能な一対の部品で構成される。図1および図2には、バックル18を構成する一対の部品が嵌合して連結した状態が示されている。図3には、バックル18を構成する一対の部品の嵌合が外されて分離した状態が示されている。バックル18には、ベルト3の両側の端部がそれぞれ接続されている。図1および図2に示されるように、バックル18は、連結することでベルト3を環状にする。
図2および図3に示されるように、ベルト3の両側の端部は、それぞれ、バックル18の孔181を通って折り返されて固定されている。バックル18を構成する一対の部品の一方は嵌合爪182を有し、他方は嵌合爪182と嵌合する嵌合部を有している。嵌合爪182が嵌合部に押し込まれることで、一対の部品が嵌合し、バックル18が連結した状態となる。使用者は、嵌合爪182を押しながらバックル18を構成する一対の部品を引き離すことによって、当該バックル18を分離された状態にすることができる。
一例として、ベルト3の端部の折り返し部31と、ベルト3のうち当該折り返し部31と対向して当接する範囲と、のそれぞれには、面状ファスナーが備えられている。折り返し部31とは、孔181を通って折り返されている部分である。一例として、折り返し部31は、面状ファスナーによって固定される。折り返し部31の長さは、面状ファスナーの固定位置を変えることで調節される。折り返し部31の長さを調節することによって、ベルト3の周長を調節することができる。
ベルト3の寸法は、例えば、長さが90cm、幅が5cm、厚さが0.2cmである。例えば、ベルト3の両端の折り返し部31の長さをそれぞれ8cmとし、バックル18の長さを10cmとすると、ベルト3の環状となる部分のバックル18を含めた周長は、(90cm-2×8cm+10cm)=84cmとなる。ここで、折り返し部31の長さを、例えば、それぞれ4cmとすると、ベルト3の環状となる部分のバックル18を含めた周長は、92cmとなる。折り返し部31の長さを、例えば、それぞれ12cmとすると、バックル18を含めたベルト3の周長は、76cmとなる。このように折り返し部31の長さの調節によって、ベルト3の環状となる部分の周長を調節することができる。
以上に示したように、本実施の形態において、バックル18は、当該バックル18の連結時におけるベルト3の周長を調節可能に構成されている。本実施の形態であれば、使用者の腰に巻かれるベルト3の周長を、使用者の体型に合わせて調節することが可能である。
上記したように、ベルト3は、第1の保持部14とベース12との間の隙間および第2の保持部15とベース12との間の隙間を通るように配置される。ベルト3は、第1の保持部14および第2の保持部15に対して摺動自在に保持される。ベルト3は、第1の保持部14および第2の保持部15に対するバックル18の相対位置を変更可能な状態で保持されている。本実施の形態であれば、使用者は、電気掃除機1の使用時に、自身の身体に対するバックル18の相対位置を任意の位置に調節することができる。
また、図1から図3に示されるように、ベルト3には、滑り止め20が取り付けられている。滑り止め20は、ゴム等の弾性材料から形成される部材である。滑り止め20は、中空な筒状に形成されており、内側にベルト3が通されている。滑り止め20は、ベルト3に対して移動可能である。具体的に、滑り止め20は、バックル18と第2の保持部15との間で位置を変更可能に設けられている。滑り止め20は、第2の保持部15に対する相対位置を変更可能に構成されている。
図4は、実施の形態1の電気掃除機1の腰巻き形態における使用時の状態を示す側面図である。使用者は、掃除機本体2を腰に装着する際、まず、バックル18の嵌合爪182を押して、バックル18を分離する。次に、使用者は、バックル18を分離させた状態でベルト3の両端を持って、掃除機本体2を腰に当てる。使用者は、この状態で、バックル18の嵌合爪182を嵌合部に押し込んでバックル18を連結し、ベルト3を環状にする。使用者は、バックル18を操作することで、掃除機本体2を腰に対して容易に着脱することができる。
電気掃除機1の使用時には、接続管6にホース21が連結される。図2に示されるように、ホース21の内部には、電気配線11に接続する電気配線211が備えられている。
図4に示されるように、電気掃除機1の使用時には、ホース21の先にハンドルノズル22が連結される。ハンドルノズル22は、内部に風路が形成された、くの字状のノズルである。ハンドルノズル22は、含塵空気が流れる風路の一部を構成する部材として機能するとともに、使用者が把持するハンドルとしても機能する。
ハンドルノズル22には、操作部23が備えられている。ハンドルノズル22の表層には、操作部23に接続される電気配線221が備えられている。図1から図4においては、この電気配線221の図示を省略している。ハンドルノズル22とホース21と接続管6とが連結された状態において、ハンドルノズル22の電気配線221は、ホース21の電気配線211を介して、電気配線11に接続されている。ハンドルノズル22とホース21と接続管6とが連結されると、使用者は、操作部23によって、電気掃除機1の運転および停止の操作を行うことができる。
ハンドルノズル22の先端には、手元ブラシ24が備えられている。手元ブラシ24はハンドルノズル22の先端で回動可能に設けられている。例えば、机上や高所の清掃を行う場合、手元ブラシ24は、植毛が前方に向くようにセットされる。
上記したように、掃除機本体2の側面部には、排気口8が形成されている。本実施の形態において、排気口8は、掃除機本体2の側面部のうち、ベース12が設けられている面の反対側に形成されている。図4に示される腰巻き形態における使用時には、排気口8から排出される排気風は、使用者の後方に向けて排出される。本実施の形態において、排気口8から排出される排気風は、使用者の身体に直接当たることがない。
電気掃除機1を腰巻き形態で使用することで、手元にかかる電気掃除機1の本体重量の負荷をより小さく抑えることができる。電気掃除機1を腰巻き形態で使用することで、清掃作業時における手および腕の疲労を軽減することができる。また、掃除機本体2を腰に装着した状態で使用者が場所を移動する負荷は、掃除機本体2を手で持った状態で移動する負荷よりも小さい。使用者は、電気掃除機1を腰巻き形態で使用することで、清掃作業を、より楽に行うことができる。
本実施の形態に係る電気掃除機1は、使用者の腰にベルト3が巻かれる形態である腰巻き形態と、使用者の肩にベルト3が掛けられる形態である肩掛け形態と、の2つの形態で使用可能に構成されている。図5は、実施の形態1の電気掃除機1の肩掛け形態を示す側面図である。
図5に示される肩掛け形態において、ベルト3は、図1の状態から第1の保持部14と第2の保持部15に通されたまま位置をずらされた状態になっている。使用者は、ベルト3を摺動させることで、バックル18の位置を、肩掛け形態において適切な位置に調節することができる。
使用者は、電気掃除機1を図5に示されるような肩掛け形態で使用する場合、掃除機本体2をベルト3によって吊り上げた状態で、当該ベルト3を肩に掛ける。このとき、滑り止め20を、肩に当接するように上部に移動させる。滑り止め20が使用者の肩に当接することで、ベルト3が肩からずり落ちにくくなる。掃除機本体2を、図5のように水平に吊り下げた場合、滑り止め20は、掃除機本体2の重心Gの鉛直上方よりも若干前方に位置する。掃除機本体2の重心方向への傾斜は、肩と滑り止め20との摩擦抵抗によって抑制される。
使用者は、電気掃除機1を肩掛け形態で使用することで、手元にかかる電気掃除機1の本体重量による負荷を小さくすることができる。これにより、清掃作業時の手および腕の疲労を軽減することができる。また、掃除機本体2を肩に掛けた状態で使用者が場所を移動する負荷は、掃除機本体2を手で持った状態で移動する負荷よりも小さい。
肩掛け形態での清掃作業時には、腰巻き形態での清掃作業時に比べると、使用者の肩周辺に掃除機本体2が位置するために腕の動きが制限される。一方、ベルト3を肩に掛ける作業は、ベルト3を腰に巻く作業に比べて容易である。また、電気掃除機1を使用後に体から離す際の作業も、肩掛け形態の時の方が腰巻き形態の時よりも容易である。使用者は、バックル18を操作することで、掃除機本体2を、腰巻き形態と肩掛け形態とに容易に切り替えることができる。本実施の形態であれば、使用者は、清掃作業の内容および作業時間等に応じて、腰巻き形態と肩掛け形態とを容易に使い分けることができる。
図5の状態において、バックル18を含めたベルト3の周長は、図1の状態と同じ長さとなる。図5の状態において、バックル18を含めたベルト3の周長は、例えば、84cmである。図5に示される肩掛け形態では、図4に示される腰巻き形態に比べて、ベルト3と使用者の身体との隙間が大きくなっている。図5の状態において、使用者が清掃作業中に前かがみ姿勢になると、掃除機本体2が前方に移動してしまう可能性がある。
そこで、肩掛け形態においては、第3の保持部16によって、第1の保持部14において折り返されて重なった状態のベルト3を保持することがより好適である。図6は、実施の形態1の電気掃除機1の肩掛け形態におけるより好適な状態を示す斜視図である。図6に示される状態において、ベルト3は、第1の保持部14において折り返されて重なった状態の部分が第3の保持部16の内側を通っている。図6に示される状態において、ベルト3は、第1の保持部14で折り返された部分がベース12に沿った状態で第3の保持部16によって保持される。
図7および図8は、実施の形態1の電気掃除機1の肩掛け形態におけるより好適な使用状態を示す側面図である。使用者は、電気掃除機1を図4の腰巻き形態から図7および図8の肩掛け形態に切り替える場合、まず、第3の保持部16の連結部材17を外す。次に、使用者は、バックル18が第1の保持部14に近づく方向に、ベルト3をずらす。このとき、ベルト3は第1の保持部14および第2の保持部15に保持された状態のまま摺動してずらすことが可能である。そして、使用者は、連結部材17が外されて両端が分離した状態の第3の保持部16で、第1の保持部14において折り返されて二重になった状態のベルト3を挟み込み、当該第3の保持部16を連結部材17によって連結する。これにより、第1の保持部14において折り返されて二重になった状態のベルト3が、第3の保持部16によって保持される。この状態で、使用者は、環状のベルト3を吊り上げ、ベルト3の頂点付近に滑り止め20を移動させる。これにより、電気掃除機1は、図7および図8に示される状態になる。
図6から図8に示される肩掛け形態において、ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分の周長は、ベルト3全体の周長から、第1の保持部14で折り返されて二重になっている折り返し部分の長さを差し引いた長さとなる。この折り返し部分とは、ベルト3のうち、第3の保持部16を通ってから第1の保持部14において折り返されて再び当該第3の保持部16を通るまでの部分を意味する。ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分とは、第2の保持部15から第3の保持部16までの部分を一辺として構成される環状の部分である。
上記の折り返し部分の長さとは、すなわち、電気掃除機1の本体の長手方向における第1の保持部14から第3の保持部16までの距離の2倍である。上述したベルト3の周長を84cmとする例において、図6から図8に示される状態で第1の保持部14で折り返されて二重になっている折り返し部分の長さを24cmとすると、ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分の周長は60cmとなる。
本実施の形態において、第3の保持部16は重心Gに近接して配置されている。具体的に、電気掃除機1の本体の長手方向において、第3の保持部16から重心Gまでの距離は、第3の保持部16から第1の保持部14までの距離よりも短い。また、電気掃除機1の本体の長手方向において、第3の保持部16から重心Gまでの距離は、第3の保持部16から第2の保持部115までの距離よりも短い。図7および図8に示される状態において、掃除機本体2は、ベルト3によって、第2の保持部15と第3の保持部16とにおいて支持されて吊り上げられる。図7および図8に示される状態において、掃除機本体2は第3の保持部16および第1の保持部14側が下がる方向に傾斜する。
ベルト3を摺動自在な状態で掃除機本体2を吊り上げたとき、ベルト3の頂点付近は、掃除機本体2の重心Gの鉛直上方に位置する。使用者は、この頂点付近に、滑り止め20を移動させる。この状態でベルト3を肩に掛けると、掃除機本体2は第2の保持部15側が上がる方向に傾斜した状態で安定する。
本実施の形態に係る電気掃除機1では、肩掛け形態において、第1の保持部14において折り返されて重なった状態のベルト3を第3の保持部16によって保持することで、ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分の周長を短くすることができる。これにより、使用者が清掃作業中に前かがみ姿勢になった場合における掃除機本体2の前方への移動を抑制することができる。例えば、肩掛け形態で電気掃除機1を使用する使用者が清掃作業中に前かがみ姿勢になった場合に掃除機本体2が前方に移動して使用者の手元の邪魔になってしまうことを抑制することができる。
また、図7および図8に示されるように、ベルト3を肩に掛けた際に、掃除機本体2は傾斜して当該掃除機本体2の位置が使用者の脇に近くなる。これにより、使用者は、掃除機本体2を胴と上腕の間に挟んだ状態で用いることができ、掃除機本体2の移動を抑制することができる。また、ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分の周長が短くなることで、ベルト3が使用者の肩や腕に密着し易く、かつ、掃除機本体2の揺動も小さく抑えられる。このため、ベルト3が使用者の肩からずり落ちにくくなる。本実施の形態であれば、肩掛け形態での電気掃除機1の使用時における使用者の作業効率の低下を抑制することができ、使い勝手が向上する。
図5,図7および図8に示される肩掛け形態における使用時には、排気口8から排出される排気風は、下方に向けて排出される。肩掛け形態において、排気口8から排出される排気風は、使用者の身体に直接当たることがない。
なお、第3の保持部16は、ベルト3のうち当該第3の保持部16を通ってから第1の保持部14において折り返されて再び当該第3の保持部16を通るまでの部分である折り返し部分の長さを調節する機能を有していてもよい。具体的に、第3の保持部16は、ベース12に対して移動可能に構成されてもよい。第3の保持部16のベース12に対する位置を変更することにより、第1の保持部14から第3の保持部16までの距離が変更される。これにより、上記の折り返し部分の長さが調節される。そして、折り返し部分の長さを調節することによって、ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分の周長を調節することが可能となる。また、第3の保持部16は、当該第3の保持部16の長さを調節する機能を有してもよい。第3の保持部16の長さを調節することにより、ベルト3の第3の保持部16によって保持されている部分と、ベース12と、の間隔を調節することができる。これにより、ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分の周長を調節することが可能となる。
また、本実施の形態に係る電気掃除機1は、ベース12をベルト3と共に掃除機本体から取り外して、肩掛け形態および腰巻き形態とは別の形態で使用可能に構成されている。具体的には、電気掃除機1は、スティック形態用のアタッチメントを装着することで、スティック形態として使用することが可能に構成されている。これに関して、まず、ベース12と掃除機本体2との着脱手順について説明する。図9は、実施の形態1の電気掃除機1のベース12が掃除機本体2から取り外された状態を示す平面図である。図10は、実施の形態1の電気掃除機1のベース12が掃除機本体2から取り外された状態を示す斜視図である。
図9および図10に示されるように、掃除機本体2のベース12に対向する面には、所定の距離を隔てて2つのフック121が配置されている。ベース12の掃除機本体2に対向する面には、2つのフック121のそれぞれに対応する位置に、2つの嵌合穴122が形成されている。ベース12には、2つの嵌合穴122のそれぞれに隣接して、ラッチ123が配置されている。ラッチ123は、ベース12内でバネによって嵌合穴122を狭める方向に付勢されている。ラッチ123は、ベース12の内部で取り外しボタン13に連結されている。ラッチ123は、取り外しボタン13が押されると、それに連動して、嵌合穴122を広める方向にスライドするように構成されている。
使用者は、取り外しボタン13を押しながらベース12を掃除機本体2から離すことで、掃除機本体2からベース12を分離することができる。取り外しボタン13が押されると、2つのラッチ123がスライドして、嵌合穴122の開口が広くなる。これにより、嵌合穴122とフック121との係合が解除され、ベース12を掃除機本体2から分離することができる。
ベース12を掃除機本体2に取り付ける場合には、使用者は、嵌合穴122をフック121の位置に合わせてベース12を掃除機本体2に押し付ける。これにより、ラッチ123は、フック121に押し付けられ、バネの付勢力に抗して嵌合穴122を広くする方向にフック121の傾斜面上をスライドする。フック121が嵌合穴122に嵌合すると、ラッチ123は嵌合穴122を狭める方向にスライドする。これにより嵌合穴122にフック121が固定される。使用者は、上記のようにして、ベース12を掃除機本体2に取り付けることができる。
次に、電気掃除機1が備える各種の掃除用アタッチメントについて説明する。図11は、実施の形態1の掃除機本体2および当該掃除機本体2に接続可能な掃除用アタッチメントを説明する側面図である。
第1のパイプ25は、内部に風路が形成される円筒状の掃除用アタッチメントである。第1のパイプ25は、掃除機本体2に着脱自在に取り付け可能に構成されている。第1のパイプ25を掃除機本体2に着脱するための構造は、ベース12を掃除機本体2に着脱するための構造と概ね同一である。
具体的には、第1のパイプ25の側面には、掃除機本体2のフック121に嵌合する嵌合穴251が形成されている。嵌合穴251に隣接する位置には、ラッチ253が備えられている。ラッチ253は、バネによって嵌合穴251を狭める方向に付勢されている。また、第1のパイプ25には、取り外しボタン252が備えられている。ラッチ253は、取り外しボタン252に連結され、取り外しボタン252が押されると、それに連動して、嵌合穴251を広める方向にスライドする。
掃除機本体2を第1のパイプ25に取り付ける場合、使用者は、フック121を嵌合穴251の位置に合わせて掃除機本体2を第1のパイプ25に押し付ける。ラッチ253はバネの付勢力に抗して嵌合穴251を広くする方向にフック121の傾斜面上をスライドする。フック121が嵌合穴251に嵌合すると、ラッチ253は嵌合穴251を狭める方向にスライドし、フック121を固定する。これにより、掃除機本体2が第1のパイプ25に取り付けられる。
また、使用者は、取り外しボタン252を押しながら、掃除機本体2を第1のパイプ25から離すことで、第1のパイプ25から掃除機本体2を取り外すことができる。より具体的には、取り外しボタン252が押されると、ラッチ253はスライドして嵌合穴251の開口を広くする。これにより嵌合穴251とフック121との係合が解除され、掃除機本体2は第1のパイプ25から分離可能な状態になる。
以上に示したように、本実施の形態において、第1のパイプ25は、掃除機本体2とベース12との嵌合部に着脱自在に嵌合可能に構成されている。
第1のパイプ25の上端側には、ハンドルノズル22、第2のパイプ26または中継ダクト27を連結することができる。第1のパイプ25の下端側には、吸込口体28または第2のパイプ26を連結することができる。
第2のパイプ26は、内部に風路が形成される円筒状の掃除用アタッチメントである。
第2のパイプ26の上端側は、ハンドルノズル22、第1のパイプ25の下端側または中継ダクト27に連結することができる。第2のパイプ26の下端側は、第1のパイプ25の上端側、中継ダクト27または吸込口体28と連結することができる。
中継ダクト27は、掃除機本体2の接続管6および第1のパイプ25に連結可能に構成された掃除用アタッチメントである。中継ダクト27の内部には、風路が形成される。中継ダクト27は、第1のパイプ25および接続管6に連結することで、第1のパイプ25内の風路と吸気口7とを連通させる。
中継ダクト27の上端側は、ハンドルノズル22または第2のパイプ26に連結することができる。ただし、中継ダクト27の上端側にハンドルノズル22が連結された状態において、ハンドルノズル22内の風路と中継ダクト27内の風路とは連通しない。同様に、中継ダクト27の上端側に第2のパイプ26が連結された状態において、ハンドルノズル22内の風路と第2のパイプ26内の風路とは連通しない。
スティック形態において、ハンドルノズル22が中継ダクト27、第1のパイプ25または第2のパイプ26と連結されて用いられる場合、手元ブラシ24は植毛が後方に向くようにセットされる。このとき、ハンドルノズル22は、使用者が把持するハンドルとして機能する。
吸込口体28は、底面に開口を備え、当該開口から床面の塵埃を吸引する掃除用アタッチメントである。吸込口体28は、ブラシヘッド281と延長管282とヒンジ部283とを備える。ブラシヘッド281は、略直方体に形成される。ブラシヘッド281には、外周に植毛を有する回転ブラシ284が備えられている。回転ブラシ284は、ブラシヘッド281の底面の開口から突出し、図示しない回転ブラシ駆動モーターの駆動によって回転する。ヒンジ部283は、延長管282をブラシヘッド281に対して回動自在に軸支する。
図11に示されるように、第1のパイプ25には、第1のパイプ25の上端から下端に亘って電気配線254が備えられている。第2のパイプ26には、第2のパイプ26の上端から下端に亘って電気配線261が備えられている。
また、中継ダクト27には、電気配線271が内蔵されている。電気配線271は、中継ダクト27の上端から下端に亘って配置されるとともに、掃除機本体2側への風路に沿うように途中で分岐している。電気配線271、掃除機本体2側の電気配線11に接続できるようになっている。
ハンドルノズル22の内部には、電気配線221が備えられている。吸込口体28の内部には電気配線285が備えられている。電気配線285は、延長管282の上端からヒンジ部283を経由してブラシヘッド281に亘って配置されている。電気配線285は、回転ブラシ駆動モーターに接続されている。
電気配線254、電気配線261、電気配線271、電気配線221および電気配線285は、それぞれ、電力線と信号線とを備えている。
上記したように、電気掃除機1は、着脱可能な複数の掃除用アタッチメントを備えている。各種の掃除用アタッチメントは、任意の組合せで連結可能に構成されている。電気掃除機1は、掃除用アタッチメントの連結方法によって使用形態を変えることが可能に構成されている。
図12は、実施の形態1における掃除用アタッチメントであるハンドルノズル22、第1のパイプ25、第2のパイプ26および吸込口体28を順に連結した状態を示す側面図である。図12に示されるように連結された掃除用アタッチメントは、例えば、肩掛け形態および腰巻き形態の何れかにおいて、ホース21の先端に連結して使用することができる。図12のように連結されたハンドルノズル22の端部がホース21の先端に連結されることで、吸込口体28の底面の開口から、掃除機本体2の吸気口7までの風路が連通する。図12に示される状態の掃除用アタッチメントをホース21に連結することにより、肩掛け形態および腰巻き形態のいずれにおいても、使用者から比較的離れた位置の床面等のフラットな部分を吸込口体28によって容易に清掃することができる。
ハンドルノズル22、第1のパイプ25、第2のパイプ26および吸込口体28が連結されると、電気配線221、電気配線254、電気配線261および電気配線285が接続される。電気配線221は、ホース21の電気配線211を介して掃除機本体2の電気配線11に接続される。これにより、吸込口体28の回転ブラシ駆動モーターに電力が供給可能になる。そして、操作部23によって、電気掃除機1の運転および停止状態に合わせて回転ブラシ駆動モーターの制御を行うことができる。
なお、図12の状態から、第1のパイプ25と第2のパイプ26とを取り外して、ハンドルノズル22に吸込口体28を連結してもよい。これにより、使用者は、ハンドルノズル22を持って階段およびソファーなどの清掃を容易に行うことができる。
図13は、実施の形態1の電気掃除機1の上重心のスティック形態を説明する側面図である。電気掃除機1をスティック形態で使用する場合、図13に示されるように、掃除機本体2は第1のパイプ25に嵌合され、中継ダクト27によって、第1のパイプ25の上端と掃除機本体2の接続管6とが連結される。そして、電気掃除機1を重心位置の高い上重心のスティック形態とする場合には、中継ダクト27の上端には、ハンドルノズル22が連結される。また、第1のパイプ25の下端には第2のパイプ26が連結され、第2のパイプ26の下端には吸込口体28が連結される。これにより、吸込口体28底面の開口から、掃除機本体2の吸気口7までの風路が連通する。各掃除用アタッチメントをこのように連結することにより、電気掃除機1を、重心位置の高い上重心のスティック形態とすることができる。
また、上記の連結により、掃除機本体2の電気配線11に、電気配線271、電気配線254、電気配線261および電気配線285が接続され、電気配線271と電気配線221とが接続される。これにより、操作部23から、電気掃除機1の運転および停止と、回転ブラシ駆動モーターの駆動および停止と、を操作することができる。
スティック形態では、肩掛け形態および腰巻き形態に比べて、掃除機本体2を身体から遠くに離した状態で清掃作業を行うことができる。また上重心のスティック形態では、吸込口体28の移動が容易となる。
また、図14は、実施の形態1の電気掃除機1の下重心のスティック形態を説明する側面図である。電気掃除機1を重心位置の低い下重心のスティック形態で使用する場合、図14に示されるように、掃除機本体2は第1のパイプ25に取り付けられ、中継ダクト27によって第1のパイプ25の上端と掃除機本体2の接続管6とが連結する。中継ダクト27の上端には第2のパイプ26が連結され、第2のパイプ26の上端にはハンドルノズル22が連結される。第1のパイプ25の下端には、吸込口体28が連結される。これにより、吸込口体28の底面の開口から掃除機本体2の吸気口7までの風路が連通する。各掃除用アタッチメントをこのように連結することにより、電気掃除機1を、重心位置の低い下重心のスティック形態とすることができる。下重心のスティック形態では、ハンドルノズル22の操作負荷を小さくすることができる。
また、上記の連結により、掃除機本体2の電気配線11に、電気配線271、電気配線254および電気配線285が接続される。また、電気配線271、電気配線261および電気配線221が接続される。これにより、操作部23から、電気掃除機1の運転および停止と、回転ブラシ駆動モーターの駆動および停止と、を操作することができる。
なお、電気掃除機1は、図13の形態から、第2のパイプ26を取り外した形態で使用することもできる。
本実施の形態に係る電気掃除機1では、ベース12を掃除機本体2から取り外すことができ、スティッククリーナーとして使用することができる。また、ベース12および第1のパイプ25は、掃除機本体2から容易に着脱できる。ベース12および第1のパイプ25を着脱可能とすることで、電気掃除機1の収納形態の選択肢を増やすことができる。また、ベルト3が装着されるベース12を掃除機本体2に着脱自在とすることで、腰巻き形態、肩掛け形態およびスティック形態等の、電気掃除機1の形態を容易に切り替えることが可能となる。
また、図15は、実施の形態1の電気掃除機1のベルト3に補助バッテリー29を取り付けた状態の斜視図である。補助バッテリー29は、掃除機本体2に備えられたバッテリー9とは別のバッテリーである。図15に示されるように、ベルト3は、バッテリー9とは別のバッテリーが取り付け可能に構成されてもよい。
ベルト3に取り付けられた補助バッテリー29は、掃除機本体2に電気的に接続可能に構成される。補助バッテリー29は、例えば、ケーブル291によって制御部10に接続可能に構成される。補助バッテリー29は、バッテリー9と並列に接続され、電気掃除機1を運転させるための電力を増加させる。
例えば、補助バッテリー29の外殻には、係止部材292が備えられている。補助バッテリー29は、この係止部材292によって、ベルト3に装着される。このように、補助バッテリー29をベルト3に装着することにより、腰巻き形態および肩掛け形態においては、補助バッテリー29の重量によって手元の負荷を増加させることなく、電気掃除機1の運転時間を長くすることができる。
また、図16は、実施の形態1の電気掃除機1のベルト3にアタッチメントノズル30を取り付けた状態の斜視図である。アタッチメントノズル30は先端に向かって開口が広くなる形状のノズルであり、ハンドルノズル22の先端に取り付け可能に構成されている。図16に示されるように、ベルト3は、アタッチメントノズル30等の任意の掃除用アタッチメントを取り付け可能に構成されていてもよい。具体的には、アタッチメントノズル30は、収納ケース301に収納された状態でベルト3に装着される。収納ケース301の外殻には、ベルト3に係止可能な係止部材302が備えられている。
掃除用アタッチメントをベルト3に装着することにより、腰巻き形態および肩掛け形態において、ハンドルノズル22の先端に取り付ける掃除用アタッチメントを容易に変更することができる。これにより、使用者は、被清掃面に適した清掃を容易に行うことができる。
また、図16に示されるように、ベルト3には、環状部材33が設けられていてもよい。環状部材33は、バックル18の操作時に使用者の指が掛けられる部材である。環状部材33は、例えば、樹脂材料で形成される。環状部材33は、バックル18の近傍に配置される。具体的には、環状部材33は、ベルト3の端部の折り返し部31の間に取り付けられる。
使用者は、電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合、バックル18を分離した後に結合する。この作業を行う際に、使用者がバックル18を掴み損ねると、掃除機本体2が落下してしまう。そこで、バックル18を操作する際に環状部材33に指を掛けることができるようにすることで、バックル18を掴み損ねて掃除機本体2が落下してしまうことを防止することができる。
なお、環状部材33の構成は、上述の構成に限るものではない。環状部材33は、複数備えられてもよいし、材質は繊維等であってもよい。環状部材33の取り付け位置は、バックル18周辺であれば任意の位置でもよい。また、環状部材33は、バックル18またはベルト3の一部として、バックル18またはベルト3と一体的に構成されてもよい。
上記したように、本開示に係る解除手段の一例である取り外しボタン13は、掃除機本体2およびベース12の少なくとも一方に設けられていればよい。掃除機本体2と第1のパイプ25との嵌合を解除する取り外しボタン252も、取り外しボタン13と同様に、第1のパイプ25および掃除機本体2の少なくとも一方に設けられていればよい。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1と同一または相当する部分については、説明を簡略化および省略する。図17および図18は、実施の形態2の電気掃除機1の肩掛け形態を示す斜視図である。図19は、実施の形態2の電気掃除機1の肩掛け形態を示す側面図である。本実施の形態の電気掃除機1は、実施の形態1の構成に加えて揺動抑制部材34を備えることを特徴としている。揺動抑制部材34は、肩掛け形態においてベルトによって吊り下げられている掃除機本体2の揺動を抑制するための部材である。
揺動抑制部材34は、受け部341と支持部342とによって構成されている。受け部341は、例えば、樹脂により形成された板状の部材である。本実施の形態において、受け部341の長手方向の長さは、円筒状の掃除機本体2の半径より長い。支持部342は、受け部341を、一端側が回転可能な状態でベース12に支持する。受け部341は、支持部342を軸として時計回りと反時計回りの両方に約90°回転可能となっている。ただし、受け部341は、約90°等の最大回転角の位置で係止されてそれ以上は回転しないように構成されている。図18は受け部341が時計回りに約90°回動した状態を示している。図19は受け部341が時計回りに約90°回動した状態を示している。
受け部341は、図17に示されるように、長手方向が、ベース12の長手方向に向く状態で、ベース12および掃除機本体2から幅方向に突出することなくベース12とベルト3との間に収納される。
また、受け部341は、約90°回動した状態で使用される。この状態では、図18に示されるように、受け部341の先端側の一部が、ベルト3の幅方向に向けて、掃除機本体2よりも外側に突出する。
図19に示されるように、掃除機本体2が使用者の脇に挟まれた肩掛け形態で使用される場合、受け部341は使用者の上腕の後方に当接する。これにより、肩掛け形態で使用されている電気掃除機1の掃除機本体2の前方向への移動が抑制される。なお、受け部341は、回動方向を変えることができるため、左右の肩のいずれにベルト3を掛けても、受け部341を上腕後方に当接させることができる。
揺動抑制部材34は、受け部341の、上腕と当接する長手方向に平行な2つの外周面に、受け部341よりも軟質な材料で形成された軟質部材が取り付けられた構成としてもよい。また、この軟質部材は、着脱可能に形成されていてもよい。この場合、使用者は、左右の肩のどちらに掃除機本体2を掛けるかに応じて、上腕後方に当接する側の側面に軟質部材を取り付けることができる。
図19に示される肩掛け状態での掃除作業の際に使用者が前にかがんだ姿勢をとるなどして掃除機本体2に前方に移動する力がかかった場合、受け部341は、使用者の上腕の後方に当接して、掃除機本体2が前方に移動することを抑制する。また、使用者の姿勢の変更によって、ベルト3が肩から外れる方向に力を受けた場合、滑り止め20が肩との摩擦抵抗によって滑らずに肩に掛かった状態を維持する。このとき、滑り止め20と第2の保持部15が近接しているため、掃除機本体2の揺動が小さく抑えられる。
以上に示したように、実施の形態2の電気掃除機1であれば、肩掛け形態での清掃時において使用者が前かがみとなっても、揺動抑制部材34によって、掃除機本体2の揺動を抑制して安定させることができる。本実施の形態によれば、肩掛け形態での清掃作業における使用者への負担を低減させることができる。さらに、揺動抑制部材34の受け部341を回転させ、受け部341を、ベース12より外側の上腕後ろ側に張り出させることができる。これにより、揺動抑制部材34を上腕の後側に当接させることができる。従って、使用者が清掃作業中に前かがみ姿勢になるような場合にも、掃除機本体2が前方に移動することを抑制することができ、掃除機本体2の揺動による掃除効率の低下を抑制することができる。
また、揺動抑制部材34は、上記したように、ベルト3の幅方向に向けて掃除機本体2よりも外側に突出する状態と、掃除機本体2よりも外側に突出しない収納状態と、に切り替え可能に構成されている。電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合には、揺動抑制部材34を収納した状態のまま受け部341を回動させなければ、使用者の作業の邪魔になることはない。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、説明を簡略化および省略する。図20は、実施の形態3の電気掃除機1の肩掛け形態を示す斜視図である。図21は、実施の形態3の電気掃除機1の肩掛け形態を示す側面図である。実施の形態3に係る電気掃除機1は、ベース12に揺動抑制部材34を有さず、ベルト3に揺動抑制部材35を備える点を除き、実施の形態2に係る電気掃除機1と同一の構成を有している。
揺動抑制部材35は、受け部351と支持部352とを備える。受け部351は、その中央部が、支持部352によってバックル18に取り付けられている。受け部351は、例えば、樹脂で形成された板状の部材として構成される。受け部351は、支持部352を中心に回転可能である。受け部351は、回転により、長手方向がベルト3に沿う状態と、ベルト3の周方向に対して垂直になる状態と、に切り替えて使用することができる。
図20および図21には、受け部351を、ベルト3の周方向に対し垂直とした状態が表されている。受け部351を、ベルト3の周方向に対して垂直に突出させることで、肩掛け形態において掃除機本体2が脇に挟まれている状態において、受け部351は、背中と上腕の後方との両方に当接する。
この状態で、使用者が姿勢を変えることで掃除機本体2が前方に向かう力を受ける場合、受け部351が背中および上腕の後方に当接することにより、実施の形態2と同様に掃除機本体2の前方への移動が抑止される。ここで受け部351は、使用者の背中と上腕の後方との両方に当接する。本実施の形態の揺動抑制部材35によれば、実施の形態2の揺動抑制部材34に比べて、掃除機本体2の前方への移動抑制効果を高くすることができる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、説明を簡略化および省略する。図22は、実施の形態4の電気掃除機1の肩掛け形態を示す斜視図である。実施の形態4の電気掃除機1は、揺動抑制部材36を更に備える点を除き、実施の形態3と同一の構成を有している。
揺動抑制部材36は、紐体361、上側フック362、下側フック363および長さ調節部364を備えている。上側フック362および下側フック363は、紐体361の両端部にそれぞれ接続されている。上側フック362および下側フック363は、それぞれ、第2の保持部15および第1の保持部14に着脱することができる。紐体361は、長さ調節部364内にその一部が収納されている。長さ調節部364は、図示しない固定手段および解除手段を備え、これにより紐体361の長さを調節することができる。
使用者は、電気掃除機1を肩掛け形態で使用する場合、まず、上側フック362を第2の保持部15から取り外して下側フック363のみが第1の保持部14に取り付けられた状態として、ベルト3を肩に掛ける。次に、紐体361を、腰を経由させて、ベルト3を掛けていない側の肩の上に回す。そして、上側フック362を、第2の保持部15に取り付ける。このとき、紐体361にたるみが生じない程度に、紐体361の長さを長さ調節部364によって予め調節しておくことが望ましい。
揺動抑制部材36が、使用者の腰から肩に回された状態にすることにより、使用者が前にかがんだ姿勢になっても、掃除機本体2の前方への移動が抑制される。本実施の形態に係る電気掃除機1は、肩掛け形態での清掃作業で使用者が姿勢を変更する場合にも、揺動抑制部材35と揺動抑制部材36とによって掃除機本体2の揺動を効果的に抑制することができ、清掃作業を容易にすることができる。
実施の形態5.
次に、実施の形態5について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、説明を簡略化および省略する。図23は、実施の形態5の電気掃除機1の腰巻き形態を示す平面図である。図24は、実施の形態5の電気掃除機1の肩掛け形態を示す斜視図である。図25は、実施の形態5の電気掃除機1の肩掛け形態を示す側面図である。実施の形態5の電気掃除機1は、第3の保持部16を備えずに、第3の保持部37を備える点を除き、実施の形態1と基本的に同一の構成を有している。
第3の保持部37は、ベース12に設けられている。第3の保持部37は、ベース12の長手方向に沿って移動可能に構成されている。第3の保持部37は、例えば、樹脂材料から形成される。第3の保持部37は、コの字状の部材として構成される。第3の保持部37の端部には、2つのガイド38が設けられている。2つのガイド38は、ベース12の側面に設けられたガイドレール39に嵌合している。ガイド38はガイドレール39に沿ってベース12の長手方向に移動可能に設けられている。第3の保持部37の可動範囲は、ベース12の端部である第1の保持部14の外側の部分から、第1の保持部14と第2の保持部15との間まで、に亘る。
ガイド38がベース12の端部に位置するとき、ベルト3は第1の保持部14と第2の保持部15とによって保持される。この状態において使用者は、図23に示すように電気掃除機1を腰巻き形態で使用することができる。腰巻き形態でのベルト3のバックル18を含む周長は、例えば、84cmである。
本実施の形態の電気掃除機1を肩掛け形態で使用する場合、使用者は、図24に示されるように、第3の保持部37を第2の保持部15側に移動させる。これにより、ベルト3は、第1の保持部14で折り返されて重なった状態となって、第3の保持部37によってベース12に沿った状態で保持される。この状態のとき、第3の保持部37によって保持されるベルト3の折り返し部分の長さが24cmであると、第2の保持部15から第3の保持部16までの部分を一辺として構成される環状の部分の周長は62cmとなる。このように第3の保持部37の移動量により、肩掛け形態においてユーザーの肩に掛けられる部分の周長を調節することができる。
図25の状態において、掃除機本体2は、ベルト3によって、第2の保持部15と第3の保持部37とで支持された状態で吊り上げられる。実施の形態1と同様、第3の保持部37が重心Gに近接しているため、掃除機本体2は、第3の保持部37側が下がる方向に傾斜する。滑り止め20を重心Gの鉛直上方に位置するように移動させて当該滑り止め20が肩に当たるようにベルト3を肩に掛けると、掃除機本体2は、第2の保持部15側が上がる方向に傾斜した状態で安定する。
ガイド38はガイドレール39上を移動可能に構成されている。ガイド38とガイドレール39との間には、摺動抵抗がある。この摺動抵抗は、ベルト3によって掃除機本体2が吊り上げられた際にベルト3の張力によってガイド38が移動しないように設定される。
本実施の形態によれば、実施の形態1に比べて、ベルト3のうち肩掛け形態において肩に掛けられる環状の部分の周長を容易に調整することができる。
実施の形態6.
次に、実施の形態6について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、説明を簡略化および省略する。図26は、実施の形態6の電気掃除機1の腰巻き形態を示す斜視図である。図27は、実施の形態6の電気掃除機1の肩掛け形態を示す斜視図である。実施の形態6の電気掃除機1は、第3の保持部16を備えずに、第3の保持部43を備える点を除き、実施の形態1と基本的に同一の構成を有している。
実施の形態1において、第3の保持部16はベース12に設けられている。本実施の形態において、第3の保持部43は、ベルト3に取り付けられている。第3の保持部43は、実施の形態1における第3の保持部16と同様に、例えば、柔軟性を有する素材から形成された帯状の部材から構成される。帯状の部材からなる第3の保持部43は、両端が連結して環状になっている連結状態と、両端が分離した分離状態と、に切り替え可能に構成される。第3の保持部43には、当該第3の保持部43を連結状態および分離状態に切り替える連結部材44が設けられている。
図26に示されるように、電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合に、ベルト3は第1の保持部14と第2の保持部15によって保持される。第3の保持部43は、第1の保持部14と第2の保持部15の間においてベルト3に固定されている。第3の保持部43は、一重の状態のベルト3を保持している。
電気掃除機1を肩掛け形態で使用する場合、使用者は、連結部材44を分離して、第3の保持部43を開く。そして、図27に示すように、第1の保持部14で折り返されて重なった状態のベルト3を第3の保持部43によって挟み込んだ状態とし、連結部材44を連結する。例えば、第3の保持部16によって保持されるベルト3の折り返し部分の長さが24cmである場合、第2の保持部15から第3の保持部16までの部分を一辺として構成される環状の部分のベルト3の周長は62cmとなる。
このように、肩掛け形態における掃除機本体2を安定させるための第3の保持部43は、電気掃除機1の本体側ではなく、ベルト3側に設けられていてもよい。なお、第3の保持部43はベルト3に固定されていてもよいし、ベルト3の長手方向に移動可能に設けてもよい。第3の保持部43をベルト3の長手方向に移動可能とすることにより、ベルト3のうち肩掛け形態において肩に掛けられる部分の周長を調節することが可能となる。