以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
本実施の形態1に係る電気掃除機は、掃除機本体をベルトで保持して腰に装着して使用する腰巻き形態と、掃除機本体をベルトで保持して肩に吊り下げて使用する肩掛け形態と、スティック形態との何れかの形態で使用することができる。
まず、腰巻き形態について説明する。図1から図4は、実施の形態1に係る電気掃除機を腰巻き形態で使用する場合の構成を示す図であり、図1はベルトの長さ方向に平行で幅方向に対し垂直な断面を模式的に示す図、図2は側面図、図3は斜視図である。また、図4は、使用者が電気掃除機を腰巻き形態で装着した状態を示す。
図1から図3に示されるように、実施の形態1に係る電気掃除機1は、例えば、略円筒型の掃除機本体2を備えている。図1に示されるように、掃除機本体2は、含塵空気から塵埃を分離して清浄空気を送出する。掃除機本体2には、集塵部4と電動送風機5とが備えられている。電動送風機5は気流を発生させることで、被清掃面の粉塵を含む含塵空気を吸引する。集塵部4は、掃除機本体2へと流入した含塵空気中の塵埃を捕集する。
集塵部4には1次フィルター41と2次フィルター42とが配置されている。1次フィルター41は、例えば、紙パック又は布のフィルターである。2次フィルター42は、1次フィルター41よりも塵埃捕集率の高いフィルターである。2次フィルター42は、例えば、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)又はULPAフィルター(Ultra Low Penetration Air Filter)である。集塵部4は、1次フィルター41と2次フィルター42と共に、掃除機本体2から取り外すことができる。1次フィルター41と2次フィルター42とは、集塵部4から取り外すことができ、これにより集塵部4と1次フィルター41と2次フィルター42とは個別に清掃可能である。
掃除機本体2は、接続管6、吸込口7、及び、排気口8を備えている。吸込口7は、掃除機本体2の長手方向の端部に配置されている。吸込口7は、掃除機本体2に含塵空気を吸引するための開口である。排気口8は、掃除機本体2の側面部に配置されている。排気口8は、掃除機本体2から清浄空気を送出するための開口である。
掃除機本体2には、バッテリー9と制御部10とが備えられている。バッテリー9は、外部の充電装置から、掃除機本体2の図示しない充電端子を介して供給される電力を蓄えることができる。制御部10は、バッテリー9に蓄えられた電力によって電動送風機5を駆動させる。接続管6内には、電気信号線及び電力供給線からなる電気配線11が配置されている。電気配線11は、バッテリー9に蓄えられた電力、及び、制御部10から送出される信号を伝達することができる。
掃除機本体2の重心Gは、電動送風機5付近に位置しており、掃除機本体2の長手方向の中央よりも吸込口7と反対側に寄っている。
肩掛け形態で電気掃除機1を使用する場合、図1~図3に示されるように、掃除機本体2には、ベース12が取り付けられる。ベース12は、板状の部材であり、掃除機本体2と着脱可能に構成されている。ベース12の長手方向の長さは、掃除機本体2の長手方向の長さと一致する。一例として、掃除機本体2のサイズは、外径8cm、長手方向の長さ28cmであり、この場合、ベース12のサイズは、例えば、長手方向の長さ28cm、幅6cm、厚さ1.5cmである。ベース12には、取り外しボタン13が備えられている。後述するように、取り外しボタン13が押されると、ベース12と掃除機本体2との嵌合が解除されて、ベース12は、掃除機本体2から分離される。
ベース12の、排気口8側の端部には第1の保持部14が配置され、吸込口7側の端部には第2の保持部15が配置されている。2つの保持部14、15それぞれは、細長い円柱の両端側の一部を折り曲げた形状の部材であり、例えば金属により形成されている。2つの保持部14、15のそれぞれは、円柱形状の中心軸が長手方向に対し概ね垂直となるようにして、ベース12の長手方向の両端部付近に配置され、折り曲げられた両端部が、それぞれベース12に固定されている。これによりベース12の、2つの保持部14、15が設置された面(以下、「保持面」とも称する)と、2つの保持部14、15それぞれとの間には、長手方向に貫通する隙間が形成されている。
ベルト3は、掃除機本体2の長さの少なくとも2倍以上の長さの樹脂繊維の部材である。ベルト3の厚さは、掃除機本体2の保持に必要な強度が確保できる程度の厚さであり、具体的に例えば、0.2cmである。また、ベルト3の幅は、2つの保持部14、15それぞれと、ベース12の保持面との間の隙間の幅より僅かに小さい。具体的に、上述したベース12の幅が6cmの例では、ベルト3の幅は、例えば5cm程度である。ベルト3は、長手方向(即ち周方向)が、ベース12の保持面の長手方向に沿うように配置された状態で、2つの保持部14、15それぞれとベース12との間に形成された隙間に貫通するように配置されることで、ベース12に取り付けられている。ベルト3は、2つの保持部14,15に摺動可能な状態で保持されるため、ベルト3の保持位置を任意に変更することができる。
ベルト3には、バックル18が備えられている。図1及び図2にはバックル18が嵌合された状態、図3にはバックル18の嵌合が外された状態が示されている。図3に示されるように、バックル18は、連結及び分離可能な一対の部品で構成される。一対の部品の一方は、嵌合爪182を有し、他方は、嵌合爪182と嵌合する嵌合部を有している。嵌合爪182を押しながら引き離すことによって、バックル18は分離された状態となる。嵌合爪182が嵌合部に押し込まれることで、一対の部品が嵌合し、バックル18が連結された状態となる。
バックル18には、ベルト3の両端がそれぞれ接続されている。バックル18が連結されると、ベルト3は環状となる。図3に示されるように、ベルト3の両端部はそれぞれ、バックル18の孔181で折り返されてバックル18に固定されている。ベルト3の端部の折り返し部31の内側となる面(即ち、ベルト3と当接する面)には、面状ファスナーが配置され、ベルト3の表面の、折り返し部31と当接する範囲には、受け側となる面状ファスナーが配置されている。折り返し部31は、折り返された状態で対向するベルト3の表面の面状ファスナーに固定される。折り返し部31の長さを調節することにより、ベルト3の環状となる部分の長さ、即ち、掃除機本体2を保持する部分の長さである周長を調節することができる。
ベルト3の長さは、標準とするベルト3の周長と、標準とする周長にした場合の折り返し部31の標準の長さと、バックル18の長さから、次式により決定される。
ベルトの長さ=標準とする周長+折り返し部分の長さ×2-バックルの長さ
例えば、ベルト3の両端の折り返し部31の長さを、それぞれ8cmとし、バックル18の長さを10cmとし、標準とする周長を84cmとする場合、ベルト3の長さは、84+8×2-10=90cmとされる。また、この例で、両端の折り返し部31の長さを、例えば、4cmとすると、バックル18を含む環状部の周長は92cmとなる。また、両端の折り返し部31の長さを例えば12cmとすると、バックル18を含む環状部の周長は76cmとなる。このように折り返し部31の長さの調節で環状のベルト3の周長を調節することができる。
ベルト3には、滑り止め45が取り付けられている。滑り止め45は、ゴム等の弾性部材で構成されている。滑り止め45は、中空の筒状に形成されており、内部にベルト3が通されている。これにより滑り止め45は、第1の保持部14と第2の保持部15との間で、ベルト3を摺動して移動することでき、これによって、使用者は滑り止め45の位置を変更することができる。
電気掃除機1が腰巻き形態又は肩掛け形態で使用される場合、ホース21が接続管6に連結され、ホース21の先にハンドルノズル22が連結される。ハンドルノズル22は、内部に風路が形成されたくの字状のノズルである。ハンドルノズル22は風路の一部として機能するとともに、使用者が保持するハンドルとしても機能する。
ハンドルノズル22には、操作部23が形成され、操作部23には電気配線221(図13参照)が接続されている。また、図1に示されるように、ホース21には内部に電気配線211が備えられている。ハンドルノズル22とホース21と接続管6とが連結された状態において、ハンドルノズル22の電気配線221(図13参照)は、ホース21の電気配線211を介して、電気配線11に接続されている。
ハンドルノズル22とホース21と接続管6とが連結されると、使用者は、操作部23から電気掃除機1の運転、停止の操作を行うことができる。ハンドルノズル22の先端には手元ブラシ24が備えられている。手元ブラシ24はハンドルノズル22の先端で回動可能に設けられている。例えば、机上や高所の清掃を行う場合には、ハンドルノズル22の手元ブラシ24を植毛が前方に向くように手元ブラシ24をセットする。
図4に示されるように掃除機本体2を腰に装着する場合、使用者は、まず、バックル18の嵌合爪182を押しながら嵌合部から引き離すことによって、図3に示されるようにバックル18を分離する。次に、ベルト3の両端を持って掃除機本体2を腰に当てる。この状態で、バックル18の嵌合爪182を嵌合部に押し込んでバックル18連結してベルト3を環状にする。
腰巻き形態で電気掃除機1を使用する場合、掃除機本体2が腰に装着されたときに、滑り止め45が腰と当接しベース12に密着される。これにより、ベルト3が、ベース12に対して滑りにくくなり、掃除機本体2を安定させることができる。また、腰巻き形態での電気掃除機1の使用時には、排気口8から送出される排気風は、使用者の後方に向けて送出されるため、使用者に排気風が直接当たるのを抑制することができる。
電気掃除機1を腰巻き形態で使用することで、手元にかかる電気掃除機1の本体重量の負荷がより小さく抑えられる。従って、清掃作業時の手や腕の疲労を軽減することができる。また掃除機本体2を腰に装着した状態での使用者の場所移動負荷は、掃除機本体2を手で持った状態あるいは肩に掛けた状態での場所移動負荷よりも小さい。したがって、清掃作業を、より容易にすることができる。
また、使用者は、電気掃除機1を図1の腰巻き形態から肩掛け形態に切り替えて使用することができる。図5及び図6は、腰巻き形態から肩掛け形態に切り替える過程の電気掃除機1の側面図であり、図7~図9は、肩掛け形態での電気掃除機1の使用状態を示す図であり、図7は斜視図、図8及び図9は側面図である。
電気掃除機1を、腰巻き形態から肩掛け形態に切り替える場合、使用者は、図5に示されるように、バックル18が第1の保持部14に近づく方向に、ベルト3を移動させる。次に、ベース12に対向する側のベルト3を、滑り止め45とともに引き上げ、図6に示されるように、ベルト3を、2重となるようにまとめて、掃除機本体2を吊り上げる。この状態で、図7に示されるように、接続管6側が上方前側、排気口8側が下側に向くように掃除機本体2を傾斜させて吊り下げる。そして、図8及び図9に示されるように、滑り止め45をベルト3の最上位置となるように移動させて、ベルト3を肩に掛ける。
この肩掛け形態によれば、滑り止め45が肩に当接するとともに、2重になっている上側のベルト3にも当接する。従って、ベルト3の移動が抑制され、第1の保持部14及び第2の保持部15に対してずれにくくなる。また、ベルト3の肩からの滑り落ちが防止される。従って、安定した状態で掃除機本体2を保持することができる。
肩掛け形態とした場合の、肩を通す部分の周長は、以下のように算出される。
肩を通す部分の周長=(バックルを含む環状部分の周長/2)+ベース長辺の長さ
例えば、バックル18を含む環状部分の周長が84cm、ベース12の長辺の長さが28cmの場合、肩を通す部分の周長は、84/2+28=70cmとなる。
肩掛け形態で使用される場合にも、図8~図9に示されるように、ホース21の先にハンドルノズル22が連結されて用いられる。排気口8から送出される排気風は、下方に向けて送出されるため、使用者に排気風が直接当たるのを抑制することができる。
図8~図9に示されるように、掃除機本体2を第2の保持部15側が上がる方向に傾斜させた肩掛け形態で使用する場合、掃除機本体2の重心Gが使用者の肩の下に位置する。従って、掃除機本体2を安定した状態で使用することができる。また、掃除機本体2が上前方方向に傾斜するとともに、掃除機本体2の位置が使用者の脇に近くなる。従って、使用者は、掃除機本体2を、胴と上腕の間に挟んだ状態で使用することができ、清掃作業中の掃除機本体2の移動を抑止することができる。したがって、使用者が、清掃作業中に姿勢を変更した場合にも掃除機本体2の移動が抑制される。これにより肩掛け形態での清掃作業においても、掃除機本体2の揺動による掃除効率の低下を抑制することができる。
また、肩掛け形態での掃除作業は、手元に掃除機本体2の重量の負荷がかからない。従って、清掃作業時の手や腕の疲労を軽減することができる。また掃除機本体2を肩に掛けた状態での使用者の場所移動負荷は、掃除機本体2を手で持った状態での場所移動負荷よりも小さい。したがって、清掃作業の負担が軽減される。
ただし、肩掛け形態での掃除作業は、腰巻き形態での掃除作業に比べると、使用者の肩周辺に掃除機本体2が位置するため、腕の動きは制限される。しかしながら、電気掃除機1を肩掛け形態で使用する際のベルト3を肩に掛ける作業は、ベルト3を腰に巻く作業に比べて容易である。また電気掃除機1を使用後に体から離す際の作業も、肩掛け形態の方が腰巻き形態よりも容易である。本実施の形態1の電気掃除機1によれば、腰巻き形態と肩掛け形態とは容易に切り替えることができる。従って、清掃作業の内容や作業時間などの状況に応じて、使用者は適した形態を選択して電気掃除機を使用することができる。
図10は実施の形態1の電気掃除機1の他の肩掛け形態を示す図である。図8及び図9では、接続管6が上方前側に向くように掃除機本体2を保持する肩掛け形態について説明した。しかし、肩掛け形態で電気掃除機1を使用する場合の装着方法はこれに限られない。例えば、図10に示されるように、掃除機本体2を、接続管6が使用者の上後方に向くように装着することもできる。このように装着すると、掃除機本体2は使用者の上腕の後側に当接する。掃除機本体2の重心Gが肩より後方に位置するため、掃除機本体2が上腕の後側に押し当てられ、安定して掃除機本体2を保持することができる。更に、ベルト3が使用者の脇に挟み込まれるため、滑り止め45が肩から外側に滑りにくくなる。これにより、ベルト3が肩から外れにくくなり、掃除機本体2の落下が防止される。
図10に示される装着方法によれば、掃除機本体2と上腕との当接面積が広くなり、また、掃除機本体2と肩との距離が短くなる。従って、掃除機本体2は、上腕の動きに伴って一体的に動く。このため、清掃作業において、使用者の腕には、掃除機本体2を動かす分の若干の負荷が増える。しかしながら、掃除機本体2を脇に挟み込まずに作業できるため、上腕を前方へ移動し易く、清掃作業は容易になる。
使用者は、バックル18が第1の保持部14に近づくようにベルト3を移動させることで、図8及び図9に示す掃除機本体2の装着位置とすることができ、バックルが第2の保持部15側に近づくようにベルト3を移動させることで、図10に示す装着位置とすることができる。このように、掃除機本体2の装着位置は、図8及び図9に示す位置と図10に示す位置との間で簡単に変更することができる。従って、使用者は、清掃作業の内容や作業時間などの状況に応じて、適した装着位置を選択し、電気掃除機1を使用することができる。
本実施の形態1に係る電気掃除機1は、肩掛け形態の掃除機本体2から、ベース12をベルト3と共に取り外し、スティック形態用のアタッチメントに付け替えることで、スティック形態に切り替えることができる。これに関し、まず以下に、ベース12と掃除機本体2との着脱手順について説明する。図11及び図12は、ベース12を、掃除機本体2から取り外した状態の電気掃除機1を示す図であり、図11は側面図、図12は斜視図である。
図11及び図12に示されるように、掃除機本体2のベース12に対向する面である嵌合面には、距離を隔てて2つのフック121が配置されている。ベース12の掃除機本体2に対向する面である嵌合面(即ち、ベース12の保持面とは反対側の面)のフック121に対応する位置には、2つの嵌合穴122が形成されている。ベース12の2つの嵌合穴122のそれぞれに隣接して、ラッチ123が配置されている。ラッチ123はベース12内でバネ等の弾性体によって、嵌合穴122を狭める方向に付勢されている。ラッチ123は、ベース12の内部で取り外しボタン13に連結され、取り外しボタン13が押されると、それに連動して、嵌合穴122を広める方向にスライドするように構成されている。
使用者は、取り外しボタン13を押して掃除機本体2とベース12とを分離できる。より具体的に、取り外しボタン13を押すと、2つのラッチ123がスライドして、嵌合穴122の開口を広くする。これにより、嵌合穴122とフック121との係合が解除される。この状態で、ベース12を掃除機本体2から離すことで、ベース12と掃除機本体2とを分離することができる。
一方、ベース12を掃除機本体2に取り付ける場合、使用者は、嵌合穴122をフック121の位置に合わせてベース12を掃除機本体2に押し付ける。これにより、ラッチ123は、フック121に押し付けられ、フック121の傾斜面によってバネ等の付勢力に抗して嵌合穴122を広くする方向にスライドする。フック121が嵌合穴122に嵌合すると、ラッチ123は嵌合穴122を狭める方向にスライドする。これにより嵌合穴122にフック121が固定され、ベース12を掃除機本体2に取り付けることができる。
次に、電気掃除機1のスティック状態又は肩掛け形態で使用されるアタッチメント部品について説明する。図13は、掃除機本体2と、掃除機本体2に接続可能なアタッチメント部品とを分離した状態の側面図である。第1のパイプ25は円筒状の風路を形成するアタッチメント部品である。第1のパイプ25は、掃除機本体25を着脱するための嵌合部250を有する。嵌合部250が有する掃除機本体2との着脱のための部品の構成は、ベース12と掃除機本体2との着脱のための部品の構成と概ね同一である。
具体的に、嵌合部250の掃除機本体2と対向する面側の、掃除機本体2の2つのフック121に対応する位置には、2つの嵌合穴251が備えられている。2つの嵌合穴122のそれぞれに隣接する位置には、ラッチ253が備えられている。ラッチ253は、嵌合部250内で、バネ等の弾性体によって嵌合穴122を狭める方向に付勢されている。嵌合部250の長手方向の一端面側には、取り外しボタン252が配置されている。ラッチ253は、嵌合部250内で取り外しボタン252に連結され、取り外しボタン252が押されると、それに連動して、嵌合穴251を広める方向にスライドする。
掃除機本体2を第1のパイプ25に取り付ける場合、使用者は、フック121を嵌合穴251の位置に合わせて掃除機本体2を第1のパイプ25に押し付ける。ラッチ253はフック121の傾斜面によってバネ等の付勢力に抗して嵌合穴251を広くする方向にスライドする。フック121が嵌合穴251に嵌合すると、ラッチ253は嵌合穴251を狭める方向にスライドし、フック121を固定する。これにより、掃除機本体2を第1のパイプ25に取り付けることができる。
また、取り外しボタン252が押されると、ラッチ253はスライドして嵌合穴251の開口を広くする。これにより嵌合穴251とフック121との係合が解除される。この状態で、掃除機本体2を第1のパイプ25から離すことで、掃除機本体2と第1のパイプ25とを分離することができる。
第1のパイプ25の上端側には、ハンドルノズル22、第2のパイプ26、又は、中継ダクト27を連結することができる。第1のパイプ25の下端側には、吸込口体28又は第2のパイプ26を連結することができる。
中継ダクト27は、第1のパイプ25を、掃除機本体2の接続管6に連結し、第1のパイプ25内の風路と吸込口7とを連通させるアタッチメント部品である。中継ダクト27の上端側は、ハンドルノズル22又は第2のパイプ26に連結することができる。但し、連結された状態においても、ハンドルノズル22又は第2のパイプ26の内部と、中継ダクト27内の風路とは連通しない。なお、このハンドルノズル22は、上述の肩掛け形態でホース21に連結されるハンドルノズル22と同じものである。但し、ハンドルノズル22に、中継ダクト27、第1のパイプ25、又は、第2のパイプ26が連結されて用いられる場合、ハンドルノズル22の手元ブラシ24は、植毛が後方(即ち、ハンドルノズル22側)に向くようにセットされる。
吸込口体28は、底面に開口を備え、開口から床面のゴミを吸引するアタッチメント部品である。吸込口体28は、ブラシヘッド281と延長管282とヒンジ部283とを備える。ブラシヘッド281は、略直方体に形成され、外周に植毛を有する回転ブラシ284が備えられている。回転ブラシ284は、ブラシヘッド281の底面の開口から突出し、図示しない回転ブラシ駆動モーターによって駆動される。ヒンジ部283は、延長管282をブラシヘッド281に対して回動自在に軸支する。
第2のパイプ26は、円筒状の風路を形成するアタッチメント部品である。第2のパイプ26の上端側は、ハンドルノズル22又は第1のパイプ25の下端側に連結することができる。また、第2のパイプ26の下端側は、第1のパイプ25の上端側、中継ダクト27の上端側、又は、吸込口体28に連結することができる。
図13に示されるように、第1のパイプ25及び第2のパイプ26のそれぞれには、電気配線254及び電気配線261のそれぞれが、上端から下端に渡って配置されている。また、中継ダクト27には、電気配線271が配置されている。電気配線271は、上端から下端に渡って配置されるとともに、掃除機本体2側への風路に沿うように途中で分岐して、掃除機本体2側の電気配線11に接続できるようになっている。ハンドルノズル22の内部には、電気配線221が配置されている。吸込口体28の内部には電気配線285が配置されている。電気配線285は延長管282の上端からヒンジ部283を経由してブラシヘッド281に渡って配置されている。電気配線285は回転ブラシ駆動モーターに接続されている。電気配線254、261、271、221、及び、285は、それぞれ、電力線と信号線と備えている。
上述のように、電気掃除機1は、着脱可能な複数のアタッチメント部品を備えている。これらアタッチメント部品の連結方法によって、使用形態を複数の状態に変更することができる。図14~図16は、電気掃除機の使用形態の変形例を示す側面図である。
図14に示される例では、ハンドルノズル22、第1のパイプ25、第2のパイプ26、及び、吸込口体28が、順に連結されている。このように連結されたアタッチメント部品は、肩掛け形態で電気掃除機1を使用する際、ホース21の先端に取り付けて使用することができる。即ち、図14のように連結されたアタッチメント部品のハンドルノズル22の端部をホース21に連結する。これにより、肩掛け形態で、吸込口体28の底面の開口から、掃除機本体2の吸込口7までの風路が連通される。
また、ハンドルノズル22、第1のパイプ25、第2のパイプ26、及び、吸込口体28が連結されると、それぞれに備えられた電気配線221、254、261、及び、285が接続される。電気配線221は、ホース21の電気配線211を介して掃除機本体2の電気配線11に接続される。これにより吸込口体28の回転ブラシ駆動モーターに電力が供給される。そして、操作部23から電気掃除機1の運転、停止に合わせて回転ブラシの駆動、停止が行われる。
図14に示されるアタッチメントを用いることで、肩掛け形態又は腰巻き形態での電気掃除機1の使用時にも、使用者から比較的離れた位置の床面等のフラットな部分を、吸込口体28によって清掃することができる。肩掛け形態及び腰巻き形態では、手元にかかる電気掃除機1の本体重量の負荷を小さく抑えることができる。従って、吸込口体28の移動は容易となり、スムーズに清掃作業を行うことができる。
なお、図14の例の第1のパイプ25又は第2のパイプ26を取り外した形態でアタッチメント部品を使用することもできる。つまり、ハンドルノズル22、第1のパイプ25又は第2のパイプ26、及び、吸込口体28を連結して、ハンドルノズル22を、ホース21の先端部に連結することで、同様に肩掛け形態又は腰巻き形態で、電気掃除機1を床面等の清掃に用いることができる。
更に、図14の例の第1のパイプ25と第2のパイプ26との両方を取り外した形態でアタッチメント部品を使用することもできる。つまり、ハンドルノズル22に直接吸込口体28を連結して使用することができる。これにより使用者は、ハンドルノズル22を持って、階段やソファーなどを容易に清掃することができる。
図15に示される例は、上重心のスティック形態での電気掃除機1の使用例である。電気掃除機1をスティック形態で使用する場合、図15に示されるように、掃除機本体2は第1のパイプ25に取り付けられ、中継ダクト27によって、第1のパイプ25の上端と掃除機本体2の接続管6とが連結される。そして、上重心のスティック形態とする場合には、中継ダクト27の上端には、ハンドルノズル22が連結される。第1のパイプ25の下端には第2のパイプ26が連結され、第2のパイプ26の下端には吸込口体28が連結される。これにより、吸込口体28底面の開口から、掃除機本体2の吸込口7までの風路が連通する。
また、この連結により、掃除機本体2の電気配線11に、電気配線271、電気配線254、電気配線261、及び、電気配線285が接続され、電気配線271と電気配線221とが接続される。これにより、操作部23から電気掃除機1の運転及び停止と、回転ブラシの駆動及び停止とを操作することができる。
これにより重心位置の高いスティック形態で清掃作業を行うことができる。スティック形態では、肩掛け形態の場合に比べて、掃除機本体2を体から遠くに離した状態で清掃作業を行うことができる。また上重心のスティック形態では、吸込口体28の移動が容易となる。
また、図16に示される例は、下重心のスティック形態での電気掃除機1の使用例である。電気掃除機1を重心位置の低いスティック形態とする場合、掃除機本体2と第1のパイプ25と中継ダクト27とを取り付けた状態で、中継ダクト27の上端には、第2のパイプ26が連結され、第2のパイプ26の上端には、ハンドルノズル22が連結される。第1のパイプ25の下端には、吸込口体28が連結される。これにより、吸込口体28底面の開口から、掃除機本体2の吸込口7までの風路が連通する。
また、この連結により、掃除機本体2の電気配線11に、電気配線271、電気配線254、及び、電気配線285が接続され、電気配線271、電気配線261、及び、電気配線221が接続される。これにより、操作部23から、電気掃除機1の運転及び停止と、回転ブラシの駆動及び停止とを操作することができる。
これにより電気掃除機1の重心位置の低いスティック形態で清掃作業を行うことができる。下重心のスティック形態では、ハンドルノズル22の操作負荷を小さくすることができる。
なお、電気掃除機1は、図15の形態から、第2のパイプ26を取り外した形態で使用することもできる。
吸込口体28による床面の清掃を行う場合、腰巻き形態又は肩掛け形態で行う方が、スティック形態の場合よりも、手元に電気掃除機1の本体重量の負荷がかからないため、吸込口体28の移動は容易である。しかし、腰巻き形態又は肩掛け形態は、掃除機本体2が使用者の体に装着する使用形態である。そこで、本実施の形態に係る電気掃除機1では、掃除機本体2と脱着可能な複数のアタッチメントを備えることで、状況に応じて使用者が使用形態を選択することができるようになっている。
なお本実施の形態では、掃除機本体2とベース12の嵌合を解除する取り外しボタン13がベース12に備えられ、掃除機本体2と第1のパイプ25の嵌合を解除する取り外しボタン252が第1のパイプ25に備えられている場合について説明した。しかしながら、取り外しボタン13及び取り外しボタン252は、掃除機本体2側に備える構成であってもよい。
また、本実施の形態1では、ベルト3のベース12に対向する側に、滑り止め45を備える場合について説明した。しかしながら、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、これに限られず、例えば、滑り止め45に替えて、ベース12に対向する面に滑り止め処理が施されたベルト3を有する構成としてもよい。これにより、滑り止め45と同様に肩掛け形態での使用時に、ベルト3が肩から滑り落ちにくくなる効果を得ることができる。また、ベルト3のベース12に対向する側の両面に滑り止め処理を施してもよい。これにより、ベルト3が2重とされた場合に、ベルト3同士がずれにくくなる効果を得ることができる。
実施の形態2.
本実施の形態に係る電気掃除機1は、実施の形態1に係る電気掃除機1と同一の構成を有している。また、本実施の形態に係る電気掃除機1には、腰巻き形態又は肩掛け形態でベルト3に装着して用いられる複数のアタッチメント部品が備えられている。これらアタッチメント部品には、第2のバッテリーとしての補助バッテリー29と、アタッチメントノズル30と、環状部材33とが含まれる。
図17は、電気掃除機1のベルト3に補助バッテリーを装着した状態を示す斜視図である。補助バッテリー29は、ケーブル291によって、制御部10に接続することができる。補助バッテリー29は、バッテリー9と並列に接続され、電気掃除機1の運転電力を増加させることができる。補助バッテリー29には、外殻に係止部材292が取り付けられている。補助バッテリー29は、係止部材292によって、ベルト3との脱着が可能となっている。係止部材292によって補助バッテリー29をベルト3に装着した状態で、腰巻き形態又は肩掛け形態で電気掃除機1を使用することができる。従って、補助バッテリー29の重量により、手元にかかる負荷を増加させることなく、電気掃除機1の運転時間を長くすることができる。
図18は、電気掃除機1のベルト3にアタッチメントノズル30と環状部材33とを装着した状態を示す斜視図である。アタッチメントノズル30は、根元部分が円筒に形成され、先端に向かって開口が広くなる形状のノズルであり、根元の円筒部分を、ハンドルノズル22の先端に取り付けて使用することができる。アタッチメントノズル30は、根元部分を収納ケース301に収容することができる。
収納ケース301の外殻には、係止部材302が備えられている。収納ケース301は、係止部材302により、ベルト3との脱着が可能となっている。収納ケース301をベルト3に装着して、アタッチメントノズル30を収納することで、腰巻き形態又は肩掛け形態での清掃作業中、常に、アタッチメントノズル30を掃除機本体2と共に持ち運ぶことができる。従って、ハンドルノズル22の先端に取り付けるノズルを、その場で容易に変更することができるため、被清掃面に適した清掃を容易に行うことができる。
環状部材33は、樹脂で構成され、ベルト3の持ち手として機能する環状の部材である。環状部材33は、ベルト3の端部の折り返し部31と、折り返し部31に当接する受け部との間に取り付けることができる。電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合、ベルト3をバックル18で分離した後、掃除機本体2を結合する。この作業を行う際に、使用者がバックル18を掴み損ねると、掃除機本体2が落下してしまう。これに対し、本実施の形態では、環状部材33をベルト3に取り付けることで、使用者は、環状部材33に指を掛けた状態で、バックル18の分離又は結合を行うことができる。これにより、バックル18を掴み損ねることによる掃除機本体2の落下を防止することができる。
なお、本実施の形態に係る電気掃除機1は、環状部材33を複数備えるものとしてもよい。また、環状部材33の材質は、樹脂に限られず、例えば、繊維又は金属等により形成されたものであってもよい。また、環状部材33の取り付け位置は、バックル18の周辺であれば、他の位置であってもよい。更に、環状部材33は、脱着可能なアタッチメント部材とせず、予め、バックル18又はベルト3の一部に取り付けられた部材としてもよい。
実施の形態3.
図19~図21は、実施の形態3に係る電気掃除機を肩掛け形態とした図であり、図19及び図20は斜視図、図21は側面図である。実施の形態3に係る電気掃除機は、揺動抑制部材34を有する点を除き、実施の形態1又は実施の形態2に係る電気掃除機1と同一の構成を有している。実施の形態1又は実施の形態2と同一または相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化および省略する。
本実施の形態3の電気掃除機1は、ベース12の保持面に、揺動抑制部材34を有している。揺動抑制部材34は、掃除機本体2を肩掛け形態で用いる場合の、掃除機本体2の揺動を抑制する部材である。揺動抑制部材34は、受け部341と支持部342とを備えている。
受け部341は、例えば、樹脂により形成された板状の部材である。受け部341の長手方向の長さは、少なくとも掃除機本体2の半径より長い。支持部342は、受け部341の一端側を回転可能な状態でベース12に支持する。受け部341は、支持部342を軸として時計回りと反時計回りとの両方向に約90度回転可能となっている。但し、受け部341は、約90度等の最大回転角の位置で係止され、それ以上は回転しないように構成されている。
図19には、受け部341が収納された状態が示されている。受け部341は、図19に示されるように、長手方向が、ベース12の長手方向に向く状態で、ベース12とベルト3との間に収納される。電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合、受け部341を収納した状態とする。これにより腰巻き形態での使用時に、受け部341が清掃作業の邪魔になることはない。
一方、図20には、受け部341を使用する際の状態が示されている。受け部341は、電気掃除機1を肩掛け形態で使用する際に、約90度回動した状態で使用できる。受け部341を例えば時計回りに90度回転させると、図20に示されるように、受け部341の先端側の一部が、ベルト3の幅方向に向けて、掃除機本体2よりも外側に突出する。この状態で、電気掃除機1を肩にかけると、図21に示されるように、受け部341は使用者の上腕の後方に当接する。これにより、電気掃除機1が肩掛け形態で使用されている場合の、電気掃除機1の前方向への移動が抑制される。
以上説明したように、本実施の形態3に係る電気掃除機1によれば、肩掛け形態で電気掃除機1を使用している場合に、使用者が、例えば前にかがんだ姿勢をとるなどして掃除機本体2に前方に移動する力がかかった場合、受け部341が使用者の上腕の後方に当接して、掃除機本体2が前方に移動することを抑制することができる。また、肩掛け形態では、ベルト3に配置された滑り止め45を肩に当接させることができる。従って、使用者の姿勢変更により、ベルト3に肩から外れる方向の力がかかる場合にも、滑り止め20が肩との摩擦抵抗によって滑らずに肩に掛かった状態を維持することができる。
なお、受け部341は、回動方向を変えることができるため、左右の肩のいずれにベルト3を掛けても、受け部341を上腕後方に当接させることができる。揺動抑制部材34は、受け部341の、上腕と当接する長手方向に平行な2つの外周面に、受け部341よりも軟質な材料で形成された軟質部材が取り付けられた構成としてもよい。また、この軟質部材は、着脱可能に形成されていてもよい。この場合、使用者は、左右の肩のどちらに掃除機本体2をかけるかによって、上腕後方に当接する側の側面に、軟質部材を取り付けることができる。
なお、本実施の形態2の電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合、滑り止め45は、ベース12に収納した揺動抑制部材34上に重なり、この重なった部分が腰に当接する。このため、腰に違和感を与える可能性がある。そこで、滑り止め45には、十分な柔軟性を持たせるか、両部材の重なりを薄くするような形状とすることが望ましい。
実施の形態4.
図22~24は、実施の形態4に係る電気掃除機を、肩掛け形態で使用した状態を示す図であり、図22及び図23は斜視図、図24は断面図である。実施の形態4に係る電気掃除機1は、揺動抑制部材34に替えて揺動抑制部材46を有する点、集塵部4に替えて集塵部47を有する点を除き、実施の形態3に係る電気掃除機1と同一の構成を有している。実施の形態1~3と同一または相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化又は省略する。
実施の形態4に係る電気掃除機1は、ベース12の保持面に、揺動抑制部材46を有している。揺動抑制部材46は、受け部461と支持部462によって構成されている。支持部462は、受け部461の長手方向の吸引口に近い側の端部を、回転可能な状態でベース12に支持する。受け部461は例えば樹脂により形成された部材であり、ベース12側に膨らむように湾曲した板状の部材である。
図22には、受け部461が収納された状態が表されている。図22に示されるように、受け部461は、収納時には、長手方向がベース12の長手方向に沿った状態となる。受け部461は支持部462を中心に時計回りと反時計回りの両方向に約90°回動可能に構成されている。図23には、受け部461を反時計回りに約90°回動させた状態が表されている。電気掃除機1の肩掛け形態での使用に際し、受け部461を使用する場合、図23に示されるように、受け部461は、長手方向に対し垂直な方向に配置され、先端部が掃除機本体2の側面よりも突き出た状態にされて使用される。
図24は、掃除機本体2の接続管6が使用者の下前方に向くようにして、電気掃除機1を肩掛け形態で装着した状態を表している。このように装着すると、掃除機本体2は使用者の上腕の後側に当接する。また、掃除機本体2の重心Gが肩より後方に位置するため、掃除機本体2は上腕の後側に押し当てられて安定的に使用することができる。また、このとき、受け部461をベース12より外側に張り出した使用時の状態とすることで、受け部461を上腕の後側に当接することができる。これにより掃除機本体2を上腕から外れにくい状態とすることができる。これにより、使用者は、清掃作業中の動作が大きくなる場合にも、良好な使い勝手で電気掃除機1を使用することができる。
ところで、本実施の形態に係る電気掃除機1の集塵部47は、サイクロン集塵器である。集塵部47は、集塵ケース471とフィルター部472とを備えている。集塵ケース471は、フィルター部472の端部に設けられた隔壁473によって、分離旋回部474と塵埃捕集部475とに分割されている。分離旋回部474の側面には開口476が備えられている。開口476は風路477を介して吸込口7に連通している。分離旋回部474には側面に細孔を備えた円筒フィルター478が備えられている。円筒フィルター478の下流には、HEPAフィルター479が備えられている。フィルター部472は、隔壁473、円筒フィルター478、及び、HEPAフィルター479が一体となって形成されたものである。集塵ケース471とフィルター部472とは、掃除機本体2から取り外すことができ、それぞれ個別に清掃することが可能となっている。
電動送風機5が駆動されると、吸込口7から、風路477を経由して開口476に含塵空気が吸引され、分離旋回部474で旋回される。その結果、含塵空気中の塵埃は遠心力により分離旋回部474の壁面側に分離され、塵埃捕集部475に移動して滞留する。分離旋回部474で分離しきれずに円筒フィルター478を通過した微細塵はHEPAフィルター479で捕集される。HEPAフィルター479を通過する清浄空気は電動送風機5を通過して排気口8から送出される。
本実施の形態に係る電気掃除機1のように集塵部47をサイクロン集塵器である場合、塵埃捕集部475に捕集された塵埃が吸込口7から下方に落下することはない。また、図24に示されるように、接続管6が下前方に向く状態で保持することで、塵埃捕集部475が、分離旋回部474より下方側に位置する。これにより捕集された塵埃の塵埃捕集部475外への移動が抑制され、衛生的に電気掃除機1を保持して使用することができる。
また、接続管6が下前方に向く構成では、ホース21の掃除機本体2との連結位置が低くなるため、掃除作業においてホース21先端のハンドルノズル22の操作負荷が小さくなり、使い勝手が向上する。
なお本実施の形態に係る電気掃除機1を腰巻き形態で使用した場合、集塵部47の円筒の軸方向が水平方向となる。従って、捕集された塵埃が塵埃捕集部475から隔壁473の方向に移動することはない。したがって、集塵部47の清掃の際に、塵埃が集塵ケース471からこぼれ落ちることはなく、腰巻き形態でも、衛生的に電気掃除機1を使用することができる。
実施の形態5.
図25~図27は実施の形態5に係る電気掃除機1の肩掛け形態での使用状態を示す図であり、図25及び図26は斜視図、図27は肩掛け形態での使用時における左右方向に垂直な断面を模式的に示す図である。実施の形態5に係る電気掃除機1は、揺動抑制部材46に替えて、揺動抑制部材48を有する点を除き、実施の形態4と同一の構成を有している。実施の形態1~4と同一または相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化又は省略する。
本実施の形態に係る電気掃除機1は、ベース12に揺動抑制部材48を備えている。図25~図27に示されるように、揺動抑制部材48は、受け部481とヒンジ482とを備える。受け部481は樹脂等の材料で形成された部材である。受け部481は、湾曲した板状の部材であり、受け部481が収納された状態において、受け部481の長手方向に垂直な断面の中央部がベース12とは反対側に膨らんだ形状となっている。ヒンジ482は、ベース12に固定され、受け部481を回動可能に支持する支持部である。ヒンジ482は、長手方向の一辺側が、ベース12の長手方向の一辺側に沿うように固定されている。
図25に示されるように、受け部481は、ベース12の保持面に対向するように折り畳んで収納することができる。電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合には、受け部481を収納した状態で使用する。これにより、受け部481が使用者に当たることはなく、受け部481が清掃作業の邪魔になることはない。
一方、電気掃除機1を肩掛け形態で使用する場合、図26及び図27に示されるように、受け部481を、ヒンジ482を軸として、ベース12の外側に180°回転させた位置に係止する。受け部481は、この状態でベルト3側の面が凹むように形成されている。
電気掃除機1を、掃除機本体2の接続管6が下前方に向くように装着して肩掛け形態で使用する場合、掃除機本体2は使用者の上腕の後側に当接する。このとき掃除機本体2の重心Gは、肩より後方に位置する。従って、掃除機本体2は、使用者の上腕の後側に押し当てられて安定する。また、受け部481は、ベース12より外側に張り出され、上腕の後側に当接する。従って、掃除機本体2が上腕から外れにくくなる。受け部481は湾曲して形成されている。従って、受け部481の上腕への当接面積を広くとることができ、上腕にかかる圧力を分散することができると共に、受け部481が、上腕から外れにくくなり、清掃作業中の動作が大きく変化する場合にも、良好な使い勝手で電気掃除機1を使用することができる。
なお、揺動抑制部材48は、受け部481の上腕と当接する部分に、受け部481よりも軟質な材料で形成された部材を配置した構成としてもよい。また、揺動抑制部材48はベース12の片側にのみ備えられているが、両側に備えられた構成であってもよい。また、揺動抑制部材48を、ボルト等により、左右に着脱可能な構成とし、使用者が左右何れかを選択して取り付けられる構成としてもよい。
以上の実施の形態1~6において説明した構成は、互いに組み合わせて用いることができる。例えば、実施の形態1及び2の複数のアタッチメント部材は、実施の形態3~5の電気掃除機1に追加することができる。