以下、一実施形態の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
図1および図2において、10は電気掃除装置を示し、この電気掃除装置10は、電気掃除機11と、この電気掃除機11を非使用時(収納時)に支持する支持装置12とを備えている。
図3に示すように、電気掃除機11は、長手状の掃除機本体13と、この掃除機本体13に直接接続されたごみ取り部としての吸込口体である布団ブラシ14とを備え、軟質の被掃除部としての布団(図示せず)を掃除する布団掃除用のハンディ型電気掃除機である。一般に、布団は、例えば羽毛、羊毛、綿あるいは化学繊維などにより構成されるクッション性を有する内容物である中綿と、この中綿を覆う、側地とも呼ばれる通気性を有する薄膜状の被掃除面としての被覆部である布団生地とにより構成されており、電気掃除機11は、布団生地に付着した塵埃、および、この布団生地の背面側、すなわち中綿側に入り込んだ塵埃などを吸い込んで掃除するようになっている。
掃除機本体13は、例えば筒状(円筒状)の本体部21と、この本体部21に対して着脱可能な集塵部である集塵装置22とを備えている。本体部21の内部には、電動送風機25、例えばマイコンなどのコントローラである制御手段(制御部)27、電源である電池28などが収容されている。すなわち、掃除機本体13には、電動送風機25、制御手段27、および電池28などが備えられている。また、本体部21は、長手状に形成されており、長手方向の一端部に、布団ブラシ14を被掃除面上で移動させて操作する把持操作用の把持部31が突設され、長手方向の他端部に、布団ブラシ14が挿入接続される塵埃吸込部としての接続部32、および、電気掃除機11と支持装置12(図1)との接続用で、かつ、本実施形態では電池28の充電用である支持接続部としての充電接続部33がそれぞれ突設されている。さらに、本体部21には、電動送風機25の排気を排出する排気口34が開口されている(図1)。そして、この本体部21は、把持部31を上端側として把持した電気掃除機11の使用状態で、鉛直上下方向に対して傾斜した状態となる。
電動送風機25は、掃除機本体13(本体部21)に備えられた重量物である。この電動送風機25には、例えばDCブラシレスモータなどが用いられる。
制御手段27は、電池28から給電されており、この電池28から電動送風機25への通電時間を制御(例えばPWM制御)することで、電動送風機25の動作を制御している。
電池28は、電動送風機25よりも重量が大きく設定された、電気掃除機11中で最も重い重量物である。この電池28は、電動送風機25および制御手段27などに給電するもので、本実施形態では、例えば充電可能な二次電池が用いられる。すなわち、本実施形態の電気掃除機11は、充電式のコードレスクリーナである。また、この電池28は、電動送風機25および制御手段27に対して、集塵装置22と反対側に配置されている。そして、この電池28は、制御手段27により充放電が制御されている。
把持部31は、手許操作部、あるいはハンドルなどとも呼ばれるもので、この把持部31には、電動送風機25の動作などを設定する設定手段(設定部)としての設定ボタン36が上部に沿って配置されている。この把持部31は、掃除機本体13の長手方向において、布団ブラシ14と反対側に位置している。そして、この設定ボタン36は、制御手段27と電気的に接続されている。
接続部32は、筒状に形成されており、先端側に本体接続口38が開口されている。また、この接続部32の上部には、布団ブラシ14を掃除機本体13(本体接続口38)に対して着脱可能に保持するクランプ39が設けられている。
本体接続口38は、図示しない風路を介して集塵装置22と連通している。この本体接続口38の内部には、布団ブラシ14と電池28および制御手段27などとを電気的に接続するための図示しない対をなす(一対の)端子部が露出している。
充電接続部33は、支持装置12側と機械的および電気的に接続されるもので、筒状に形成されており、先端側に支持接続口である充電接続口41が開口されている。この充電接続部33は、接続部32と並んでこの接続部32の下側(後側)に配置されている。また、この充電接続部33の内部には、電池28と電気的に接続された充電端子(図示せず)が配置されている。すなわち、この充電端子は、充電接続口41内に位置している。
集塵装置22は、例えば電動送風機25の動作により空気とともに吸い込んだ塵埃を空気から分離して溜めるものである。この集塵装置22は、例えばフィルタを用いるものや、直進分離をするものなど、任意のものを用いることができるが、本実施形態では、例えば塵埃を遠心分離(サイクロン分離)する、円筒状の集塵カップとする。この集塵装置22は、本体部21の下端側の上部、すなわち接続部32および充電接続部33の上部にて、把持部31の下方(前方)の位置に着脱可能となっている。この集塵装置22は、本体部21に取り付けた状態で、この本体部21の軸方向(掃除機本体13の長手方向)に対して軸方向が沿う(略平行となる)ように本体部21に保持される。そして、この集塵装置22の吸込側(上流側)は本体接続口38を介して布団ブラシ14と連通し、集塵装置22の排気側(下流側)は、電動送風機25と連通している。また、この集塵装置22は、電動送風機25および電池28と同様の重量物である。このため、この集塵装置22を本体部21に取り付けた状態で、電気掃除機11(掃除機本体13)の重心G(図1)は、集塵装置22と電動送風機25との間の位置となっている。図1に示すように、電気掃除機11を支持装置12に装着した状態で、重心Gは、把持部31よりも前側、または、把持部31の下方(直下)の範囲にあることが好ましい。本実施形態では、重心Gを通る鉛直上下方向の仮想線Aが把持部31と交差する位置で、かつ、接続部32(本体接続口38)と略同軸となっている。なお、この集塵装置22は、本体部21に対して着脱できない構成としてもよいし、一部のみが本体部21に対して着脱できる構成としてもよい。
また、布団ブラシ14は、被掃除面(布団(布団生地))上を前後方向に走行可能で、かつ、掃除機本体13に対して接続部32(本体接続口38)に着脱可能となっている。すなわち、この布団ブラシ14は、本体接続口38を介して集塵装置22と連通し、この集塵装置22を介して電動送風機25の吸込側と連通している。このため、この布団ブラシ14は、電動送風機25の駆動により塵埃を吸い込むようになっている。
そして、この布団ブラシ14は、図4に示すように、ケース体45と、このケース体45に対して突設された回転管46と、(第1の)前部押さえ部としての前車輪47と、後部押さえ部材としての後車輪48と、(第2の)前部押さえ部としての振動部材(叩打部材)であるビータ49とが一体的に組み付けられている。なお、以下、上下方向、左右方向および前後方向については、電気掃除機11の使用状態を基準とし、図3の矢印Uが上方向、矢印Dが下方向、矢印Lが左方向、矢印Rが右方向、矢印FR1が前方向、矢印RR1が後方向を示すものとする。
図4に示すように、ケース体45は、例えば合成樹脂などにより、布団ブラシ14(ケース体45)の走行方向(前後方向)と交差(直交)する方向である左右方向に長手状、すなわち横長に形成されている。このケース体45の布団(布団生地)に対向する下部には、集塵口である吸込口51が左右方向に長手状に開口されている。
回転管46は、ケース体45に対して上下方向に所定の角度範囲、例えば30°の範囲を可動域として回動可能に軸支され、このケース体45から直線状に後方に突出している。この回転管46は、ケース体45の後部にて左右両側の中央部の上方に位置している。したがって、布団ブラシ14は、外形がT字状となっている。また、この回転管46は、吸込口51と連通しており、図3に示すように掃除機本体13に対して接続部32(本体接続口38)に接続され、クランプ39によって着脱可能に保持されるようになっている。このため、布団ブラシ14(ケース体45)は、回転管46を掃除機本体13(本体接続口38)に接続した状態で掃除機本体13の長手方向に対して交差(直交)する左右方向に沿って延び、図1に示すように電気掃除機11を支持装置12に装着した状態でケース体45の後部などが仮想線Aに対して後側に位置している。
図4に示す前車輪47は、ケース体45(布団ブラシ14)を前後方向に走行可能とするとともに、吸込口51の前方かつ側方で布団(布団生地)を押さえるもので、ケース体45の長手方向の両端部、すなわち左右両側部にそれぞれ回転自在に軸支されている。すなわち、これら前車輪47は、ケース体45の長手方向(左右方向)に互いに離間されて略左右対称に一対配置され、このケース体45の長手方向に沿って軸方向を有し、前後方向に回転自在となっている。換言すれば、これら前車輪47は、ケース体45にて、吸込口51の長手方向の両端部に対向して位置している。
後車輪48は、ケース体45(布団ブラシ14)を前後方向に走行可能とするとともに、吸込口51の後方で布団(布団生地)を押さえるもので、ケース体45の下部の吸込口51よりも後方、かつ、この吸込口51の長手方向の両端部である左右両側に位置して、ケース体45に回転自在に軸支されている。すなわち、これら後車輪48は、ケース体45の長手方向(左右方向)に互いに離間されて略左右対称に一対配置され、このケース体45の長手方向に沿って軸方向を有し、前後方向に回転自在となっている。そして、これら後車輪48は、本実施形態では、一端部が回転管46の両側部にてケース体45に軸支され、他端部がケース体45の下部に突設された軸支受部54に軸支されている。これら後車輪48は、軸方向の寸法(幅寸法)が径寸法、および、前車輪47の軸方向の寸法(幅寸法)に対して大きい、長尺状となっている。すなわち、これら後車輪48は、吸込口51の長手方向に沿って長手状に形成されている。また、これら後車輪48は、回転管46の両側に位置しており、後部がこの回転管46の両側方にてケース体45の後部に露出している。そして、後車輪48は、図1に示すように電気掃除機11を支持装置12に装着した状態で仮想線Aに対して後側に位置している。
図4に示すビータ49は、ケース体45に対して上下方向に可動的に設けられ、上下動を繰り返すことにより布団(布団生地)を叩打して塵埃を叩き出すものである。また、このビータ49は、吸込口51に沿って長手状に形成されており、図示しない駆動手段(駆動部)により上下に駆動されるようになっている。なお、このビータ49は、左右方向に振動したり、微振動したりする構成としてもよい。また、このビータ49は、必須の構成ではない。
一方、図1、図2および図5に示す支持装置12は、電気掃除機11を支持して収納するとともに、電池28を充電する、充電台(充電装置)の機能を有するものである。この支持装置12は、載置面上に載置される台座部61と、この台座部61から上方に突出する支持部本体62と、この支持部本体62の上端部に設けられた接続受部63と、この支持部本体62の上端部に設けられた本体支持部64と、この支持部本体62に設けられたガイド部65とを備えている。なお、この支持装置12については、電気掃除機11(掃除機本体13)を支持した状態での集塵装置22が位置する側を前側、その反対側を後側とし、載置面上に載置した状態での上下方向を上下方向とするとともに、後側から前側に向かって左右方向を定義する。すなわち、図5などに示す矢印Uおよび矢印D方向を上下方向、矢印FR2方向および矢印RR2方向を前後方向、および、矢印L方向および矢印R方向を左右方向と定義する。
図2に示す台座部61は、上方から見て四角形状に形成されている。例えば、この台座部61は、左右方向に長手状の長方形状に形成されている。すなわち、この台座部61は、支持装置12に装着された電気掃除機11の掃除機本体13の長手方向に対して交差(直交)する左右方向に沿って長手方向を有している。この台座部61の上部には、支持部本体62の前方の位置に、長手方向すなわち左右方向に沿って、支持装置12に装着された電気掃除機11の布団ブラシ14の下部が嵌合する凹部67が設けられている。この凹部67は、左右方向に沿って直線状に形成されており、断面が半円状に窪んでいる。また、この凹部67は、支持装置12に装着された電気掃除機11の布団ブラシ14の下部に対して、僅かに隙間を空けた状態で対向する(図1)ことで、布団ブラシ14との接触によるケース体45などの傷付きや汚れの付着などを防止している。
支持部本体62は、台座部61に対して左右方向の略中央部で、かつ、前後方向では後側に偏った位置に配置されている。すなわち、この支持部本体62は、凹部67の後方に位置している。また、この支持部本体62は、鉛直上下方向に沿って直線状に形成されている。さらに、この支持部本体62の台座部61の上方に対向する前部は、上下方向に沿う平面状に形成され、後部は半円筒面状に形成されている。すなわち、この支持部本体62は、水平方向に沿う横断面で見て半円形状に形成されている。さらに、この支持部本体62の内部には、図示しないAC−DCコンバータ(AC−DCアダプタ)が収納されている。そして、図5に示すように、この支持部本体62の前部は、左右方向の中央部が、支持装置12に装着された電気掃除機11の接続部32および回転管46が位置する接続部収納部69となっており、この接続部収納部69の両側方にガイド部65が設けられている。また、接続部収納部69には、接続部32の充電接続部33側が嵌合する嵌合凹部69aが設けられている。
接続受部63は、支持装置12に装着された電気掃除機11の充電接続部33(図3)を下方から支持する部分である。この接続受部63は、支持部本体62の上端部の左右方向の略中央部に凹設されている。また、この接続受部63には、掃除機本体13の充電接続部33の充電接続口41(図3)に挿入される挿入凸部71が上方に向けて突設されており、この挿入凸部71には、充電端子と電気的に接続される充電端子部72が配置されている。この充電端子部72は、AC−DCコンバータと電気的に接続されている。
本体支持部64は、図1に示すように、電気掃除機11の掃除機本体13を下方から支持するものである。また、この本体支持部64は、電気掃除機11の充電接続部33(図3)を接続受部63にガイドするものである。この本体支持部64は、図5に示すように、支持部本体62の外周に沿って略水平面状に形成された支持面部74と、この支持面部74の上方に位置し、上方に向けて拡開状に傾斜したガイド面部75とを備えている。そして、この本体支持部64は、支持部本体62の外周に沿ってU字状に形成されている。すなわち、この本体支持部64は、支持部本体62の外周よりも外方(径方向)に突出している。また、この本体支持部64は、支持部本体62の上端部の両側部から後部に亘る位置に連続して形成されている。さらに、この本体支持部64の両側部(両端部)は、支持部本体62よりも前方に突出しており、接続部収納部69の両側上方に位置している。また、この本体支持部64は、支持装置12に装着された電気掃除機11の重心G(図1)に対して後側に位置している。また、図5に示すように、この本体支持部64の両側部(前端部)の下部は、円弧状に形成された逃げ部77となっている。そして、この本体支持部64により囲まれる支持部本体62の上端部は、図1に示す掃除機本体13(本体部21)を挿入する挿入開口79となっている。
図5に戻って、支持面部74は、支持装置12に装着された電気掃除機11の掃除機本体13の本体部21の下端部、すなわち接続部32の周囲の位置を当接支持する部分である(図1)。この支持面部74は、本体支持部64の内方の左右両側にて中心側に向けて径方向に突設されている。このため、支持面部74は、上方、すなわち掃除機本体13(図1)の本体支持部64への取り付け方向(挿入開口79への挿入方向)から見てそれぞれ円弧状となっている。また、支持面部74,74間には、接続受部63の上端部が連通して位置している。したがって、各支持面部74は、接続受部63の上方に位置している。
図2に示すように、ガイド面部75は、支持装置12への電気掃除機11の装着時に掃除機本体13の本体部21の下端部、すなわち接続部32の周囲の位置と当接することで、支持装置12(本体支持部64)に対する掃除機本体13の位置を前後左右に規制する部分、換言すれば掃除機本体13の充電接続部33(図3)と接続受部63(図5)との位置合わせをする部分である。このガイド面部75は、図5に示すように、本体支持部64の上方に位置している。また、このガイド面部75は、挿入開口79の内縁部を構成している。
逃げ部77は、支持装置12(本体支持部64)に対する電気掃除機11の取り外し時に布団ブラシ14が本体支持部64に引っ掛からないようにガイドする部分である(図1の想像線)。この逃げ部77は、前側へと上方に湾曲する円弧状に形成されている。
挿入開口79は、上側および前側が開口している。
AC−DCコンバータは、電池28(図1)の充電用の電源を供給するもので、電源コード81を介して、壁面などに設けられた図示しないコンセントから外部電源(商用交流電源)と接続される。この電源コード81の先端側は、台座部61から導出されている。
図1および図5に示すガイド部65は、支持装置12(本体支持部64)に対する掃除機本体13の取り外しにより布団ブラシ14を本体支持部64に対して逃げる前側(支持部本体62に対して離間される側)に傾斜するようにガイドするものである。具体的に、このガイド部65は、本体支持部64に対する掃除機本体13の取り外しにより後車輪48の後部と接触し、これら後車輪48を前方向上側にガイドすることで、布団ブラシ14を本体支持部64に対して前方に逃がすものである(図1の想像線)。このガイド部65は、支持部本体62の前部にて接続部収納部69の両側に一体、あるいは別体に設けられている。このガイド部65は、左右方向に厚みを有するリブ状に形成されている。また、このガイド部65の上端部は、逃げ部77の下部に連続している。具体的に、このガイド部65は、上方に向けて前側へと傾斜する第1ガイド部である傾斜部65aと、この傾斜部65aに連続し鉛直上下方向に沿う第2ガイド部である垂直部65bとを備えている。傾斜部65aは、ガイド部65の下部を構成している。この傾斜部65aの前端部は、本体支持部64の前端部と略等しい位置となっている。垂直部65bは、傾斜部65aの上端部に連続している。この垂直部65bの上端部は、本体支持部64(逃げ部77)の下部に連続している。
次に、上記一実施形態の作用を、図1ないし図5を参照しながら説明する。
掃除の際には、掃除機本体13(接続部32(本体接続口38))に対して、布団ブラシ14の回転管46を挿入接続してクランプ39により着脱可能に係止保持する。この状態で、布団ブラシ14が(本体接続口38、集塵装置22を介して)電動送風機25の吸込側と連通する。
そして、電気掃除機11では、把持部31を把持した使用者が布団ブラシ14を布団の布団生地上に載置し、把持部31に設けた設定ボタン36を操作することで設定した動作で制御手段27が電動送風機25を駆動させるとともに駆動手段を駆動させてビータ49を上下動させ、布団ブラシ14を被掃除面上で前後方向などに交互に走行させながら、ビータ49の上下動によって布団の内部に入り込んだ塵埃を叩き出しつつ、電動送風機25の駆動により生じた負圧を利用して吸込口51から塵埃を空気とともに吸い込む。
そして、布団ブラシ14は、前進時および後進時のそれぞれにおいて、両側の前車輪47および突出状態のビータ49などにより吸込口51の前方で布団(布団生地)を押さえつけ、後車輪48によって吸込口51の後方で布団(布団生地)を押さえつけていることで、吸込口51の前後でこの吸込口51に沿って布団(布団生地)が下方へと押さえつけられ、吸込口51の周辺での真空度が向上する。この状態で、前車輪47、突出状態のビータ49、後車輪48のそれぞれの下端部よりも僅かに上方に位置する吸込口51に負圧が作用することで、このスリット状の前後方向に狭い吸込口51に対応する位置のみの狭い範囲で布団生地を吸い付けて中綿に対して上方に僅かに持ち上げ、布団生地を中綿に対して上方に離間させて間隙を生じさせる。そこで、布団生地越しに吸込口51から作用する負圧によって間隙に吸込口51の長手方向である左右方向に沿って吸込口51の左右方向の中心部へと流れる吸込風を生じさせ、布団生地の表面に付着した塵埃とともに、中綿に入り込んだ微細な塵埃、例えば微細に崩れたダニの死骸や糞、あるいは花粉など、アレルギー症状を発生させるとされている微細塵などを、通気性を有する布団生地を介して吸い込む。
吸込口51から吸い込まれた含塵空気は、回転管46を経由して本体接続口38を介して集塵装置22へと運ばれて空気から分離されて捕集される。塵埃が分離された空気は、電動送風機25に吸い込まれて電動送風機25を冷却した後、排気口34から掃除機本体13の外部へと排気される。
掃除が終了した電気掃除機11は、予め設置した支持装置12に支持して収納保持する。このとき、掃除機本体13は、把持部31を把持して接続部32および充電接続部33側を下側とし、支持部本体62の挿入開口79に対して上方から挿入する。充電接続部33は、本体支持部64のガイド面部75との当接により接続受部63へとガイドされてこの接続受部63に上方から挿入されて嵌合する。この結果、充電接続口41に挿入凸部71が挿入され、充電端子が充電端子部72と機械的および電気的に接続され、掃除機本体13の本体部21は、本体支持部64の支持面部74により下方から支持される。さらに、布団ブラシ14は、各後車輪48が各ガイド部65の前部(垂直部65b)に当接すると、これらガイド部65(垂直部65bおよび傾斜部65a)に沿って後方下側へとガイドされる。この状態で、電気掃除機11は、接続部32が本体支持部64よりも下方に延びて支持部本体62の前方、すなわち接続部収納部69に位置し、一部が嵌合凹部69aに嵌合するとともに、布団ブラシ14は、回転管46が接続部収納部69に位置し、ケース体45の下部、すなわち吸込口51、ビータ49、および、前車輪47の下部が、それぞれ台座部61の凹部67に対して上方に離間された位置で嵌合する。したがって、電気掃除機11の重心Gに対して、前側に集塵装置22が位置し、後側に電動送風機25および電池28などが位置し、かつ、この重心Gの下方(側方から見て直下)近傍に布団ブラシ14が位置する。
そして、電源コード81を壁面などのコンセントに接続することで、充電端子部72および充電端子を介して掃除機本体13内の制御手段27に充電用の電力が供給され、電池28を充電する。
充電が終了して電気掃除機11を使用する際には、把持部31を把持して電気掃除機11を上方に持ち上げると、掃除機本体13の本体部21が支持面部74から上方に離間されるとともに充電接続部33が接続受部63に対して上方に移動する。このとき、布団ブラシ14は、各後車輪48が各ガイド部65(傾斜部65a)に当接し、傾斜部65aに沿って前方上側へとガイドされた、直上に位置する本体支持部64側に直接向かわず、この本体支持部64から前方に離間される方向へと徐々に移動した後、垂直部65bに沿って上方へとガイドされる。
すなわち、以上説明した一実施形態によれば、支持装置12に設けたガイド部65が、本体支持部64に対する掃除機本体13の取り外しにより布団ブラシ14を本体支持部64に向かう上方向から前方へと逃がすようにガイドするので、電気掃除機11を支持装置12から取り外す際に、電気掃除機11を単に持ち上げて掃除機本体13を本体支持部64から取り外すだけで、布団ブラシ14を本体支持部64に接触させることなく電気掃除機11を支持装置12から容易に取り外すことができるとともに、布団ブラシ14が本体支持部64に引っ掛かって支持装置12を誤って倒したりすることもない。
本実施形態のようなハンディ型の電気掃除機11の場合、電気掃除機11を立たせた状態で支持装置12に支持することで、収納スペースを抑制できる。また、電気掃除機11を立たせて支持装置12により支持する場合、布団ブラシ14を支持するよりも、相対的に重量が大きい掃除機本体13を支持することで、支持バランスが良好になる。このとき、ハンディ型の電気掃除機11では、電気掃除機11を支持装置12に装着した収納状態で、布団ブラシ14(ケース体45)の上部と本体支持部64の下部(逃げ部77)との間の距離D1と、電気掃除機11(掃除機本体13)を支持装置12から取り外すための上方へのストローク(挿入凸部71が充電接続部33から離れるための移動距離、あるいは充電接続部33が接続受部63から離れるための移動距離)D2との差が相対的に小さい。そのため、電気掃除機11を支持装置12から取り外すように上方へ持ち上げる動作により布団ブラシ14が本体支持部64の下部に接近し、本体支持部64にケース体41の後部や後車輪48などが引っ掛かることで電気掃除機11が取り外しにくく、かつ、支持装置12を倒すことが懸念される。そこで、上記のようなガイド部65を設けることで、布団ブラシ14を本体支持部64から逃げる側である前側へと傾斜する前方上側へとガイドして本体支持部64への引っ掛かりを抑制でき、電気掃除機11の取り外しを容易にしつつ、支持装置12を誤って倒さないようにすることができる。
具体的に、ガイド部65は、布団ブラシ14のケース体45の後部に露出する後車輪48をガイドするので、後車輪48の回転を利用して布団ブラシ14を円滑にガイドできる。
また、電気掃除機11(掃除機本体13)を支持装置12に装着する場合にも、後車輪48をガイド部65がガイドするので、後車輪48をガイド部65に接触させた状態から電気掃除機11(掃除機本体13)を下方へとスライドさせるだけで電気掃除機11を支持装置12に容易に装着できる。
この結果、支持装置12に対する電気掃除機11の着脱性を向上できる。
なお、上記一実施形態において、布団ブラシ14は、布団以外でも、例えば座布団なども同様に掃除することもできる。
また、電気掃除機11の電源としては、電池28以外にも、例えば商用交流電源などの外部電源を用いることもできる。この場合、支持装置12は、電気掃除機11の電池28を充電する機能を備えていなくてもよい。
そして、布団ブラシ14は、布団ブラシ14と別体の掃除機本体13と回転管46を介して接続して電気掃除機11を構成するようにしたが、ケース体45に電動送風機25を組み込むとともに、把持部31をケース体45に設けて、電気掃除機11を構成することもできる。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。