JP5939723B2 - ポリカルボシラン、およびポリカルボシランを含んでなるled向け封入剤用硬化性組成物 - Google Patents

ポリカルボシラン、およびポリカルボシランを含んでなるled向け封入剤用硬化性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、新規なケイ素含有ポリマー、そのようなポリマーを含んでなる硬化性組成物、そのような組成物を硬化することにより製造された生成物で封入された発光素子に関する。より具体的には、本発明は、ポリカルボシランと、硬化して、光学的透明度、耐高温性並びに非常に良好な湿気および気体遮断性を有するポリカルボシラン生成物を生じるヒドロシリル化硬化性組成物とに関する。本発明は更に、そのようなポリカルボシラン組成物で封入された信頼性の高い発光素子に関する。
発光ダイオード(LED)は、長寿命、高輝度、低電圧、小さい寸法、使用時にほとんど生じない赤外線、および低温であっても良好な発光効率の保持を含む様々な有利な特性を有する。
発光ダイオード(LED)のような発光素子では、発光素子をシールするための組成物は、外的影響から発光素子を保護するだけでなく、発光素子を支持するためのポリフタルアミド、セラミックなどの支持基材への発光素子の十分かつ安定な接着をもたらすことも求められる。組成物はまた、発光素子の輝度を低下しないように、高い透明性を有することも求められる。
そのようなシーリング組成物として、例えば、エポキシ樹脂などが一般的に使用されてきた。しかしながら近年、LEDの効率はますます向上しており、これは、上昇した輝度、使用中の増大した発熱、およびより短波長の光の放出をもたらす。従って、エポキシ樹脂の使用は、亀裂および黄変の原因となっている。
従って、オルガノポリシロキサン組成物(シリコーン組成物)が、その優れた耐熱性および耐紫外線性の故に使用されてきている。特に、ヒドロシリル化反応により硬化する付加反応型シリコーン組成物は、加熱により迅速に硬化し、硬化時に副生物を生成しないことから生産性に優れているため、広く使用されてきている。
そのようなシリコーン組成物、およびLEDを製造するためのその使用は、多くの文献に記載されている。
WO 2008/023537 A1は、下記成分を少なくとも含んでなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物を記載している:(A)少なくとも3,000の重量平均分子量を有する直鎖ジオルガノポリシロキサン、(B)分岐オルガノポリシロキサン、(C)一分子中に平均して少なくとも2個のケイ素結合アリール基と平均して少なくとも2個のケイ素結合水素原子とを有するオルガノポリシロキサン、および(D)ヒドロシリル化反応触媒。この組成物は優れた硬化性を有しており、硬化すると、高い屈折率、光学透過率、様々な基材との優れた接着性、高い硬度および僅かな表面タックを有する可撓性硬化生成物を生じる。
EP 2 032 653 B1は、下記成分(A)〜(D)を少なくとも含んでなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物を記載している:
(A)下記一般式:
Figure 0005939723
[式中、Rは一価炭化水素基であり、mは0〜100の整数である]
で示されるオルガノポリシロキサン;
(B)下記平均単位式:
Figure 0005939723
[式中、Rは一価炭化水素基であり、a、bおよびcは特定の数である]
で示されるオルガノポリシロキサン;
(C)一分子中に平均して少なくとも2個のケイ素結合アリール基と平均して少なくとも2個のケイ素結合水素原子とを有するオルガノポリシロキサン;および
(D)ヒドロシリル化反応触媒。この組成物は良好な充填性および硬化性を特徴としており、硬化すると、高い屈折率、高い光透過率、および様々な基材との強い接着性を有する硬化体を生じる。
US 2007/0249790 A1は、(A)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位およびR3 aR4 bSiO(4-a-b)/2単位[ここで、R、RおよびRは独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基またはフェニル基であり、Rはビニル基またはアリル基であり、aは0、1または2であり、bは1または2であり、a+bは2または3であり、R2 2SiO単位の反復数は5〜300である]を含んでなる樹脂構造を有するオルガノポリシロキサン、(B)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位およびR3 cHdSiO(4-c-d)/2単位[ここで、cは0、1または2であり、dは1または2であり、c+dは2または3であり、R2 2SiO単位の反復数は5〜300である]を含んでなる樹脂構造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、および(C)白金族触媒を含んでなるシリコーン樹脂組成物を熱硬化させることにより製造された無色透明シリコーンレンズを記載している。この組成物は、優れた可撓性、透明性および成形性を示すと同時に、低減された表面粘着性をもたらす。
US 2008/0160322 A1は、(A)平均単位式:
Figure 0005939723
[式中、Viはビニル基を示し、R類はアルケニル基以外の同じまたは異なった置換または非置換の一価炭化水素基であり、a、bおよびcは、a/(a+b+c)が0.2〜0.6でありb/(a+b+c)が0.001〜0.2であることを満たす正数である]で示され、三次元網目構造を有するビニル基含有オルガノポリシロキサン;(B)一分子あたり少なくとも2個の水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、各水素原子はケイ素原子に結合しているオルガノハイドロジェンポリシロキサン[オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子結合水素原子の量が成分(A)中のケイ素原子結合ビニル基1molあたり0.3〜3.0molとなるような量で含まれている];および(C)触媒量のヒドロシリル化触媒を含んでなる発光素子シール用シリコーン組成物であって、硬化後の組成物の線膨張率が10×10−6〜290×10−6/℃である組成物を記載している。支持基材による残留応力が低減され、長期の十分かつ安定な接着性を有する硬化生成物が得られる。
EP 1 767 580 A1は、ケイ素原子の一部が2〜10個の炭素原子を有する二価炭化水素基により結合していてよいオルガノポリシロキサンを含んでなる付加反応硬化性シリコーン組成物を記載している。しかしながら、2個のケイ素原子を架橋している全ての基の少なくとも80mol%は酸素原子でなければならない。即ち、ポリマー主鎖は主にシロキサン単位からなっており、シルアルキレンまたはシルアリーレン単位は僅かしか存在してはならない。この組成物は、LEDのようなフォトデバイスのためのシーリング材料として、或いはレンズ材料またはハードコート剤などとして、特に有用であることが記載されている。
KR 2010−0030959 Aは、LEDのレンズまたはシーリング材料のためのポリシロキサンを教示している。このポリシロキサンは、反復単位[-Si(R1)(R2)-X1-C6H4-Y1-]m[ここで、R1およびR2は独立してH、メチル、エチル、フェニルまたはC2〜C6アルケニルであり;X1およびY1は独立してC0〜C6アルキレン、C2〜C6アルケニレン、C2〜C6アルキニレン、NHまたはOであり;mは1以上である]を含む。シロキサン単位の存在は除外されていない。
WO 2009/131023 A1からは、隣接したケイ素原子を架橋する-R2-C6H4-R2-単位[ここで、R2は同じまたは異なった置換または非置換のアルキレン基である]を含んでなるケイ素含有ポリマーが知られている。このケイ素含有ポリマーは更にシロキサン単位を含んでなる。ケイ素含有ポリマーにおける-R2-C6H4-R2-架橋含有単位のモル量は10%未満である。ポリマーは、高い屈折率を特徴とする硬化生成物を得るのに適した硬化性ポリマー組成物において使用され得る。そのような組成物は、LEDのような光学素子のためのシーラントとして、光学機器における使用のために有用である。
上記した文献から、シリコーン組成物がLED封入材料として広く使用されていることが分かる。しかしながら、シリコーン組成物は、固有の性質として大きい自由体積を有しているので、エポキシ系材料よりかなり低い気体および湿気遮断性を示す。従って、湿気が封入材料により容易に侵入してLEDチップを腐食し、これは、LEDの耐久性に大きな影響を及ぼす。
WO 2008/023537 A1 EP 2 032 653 B1 US 2007/0249790 A1 US 2008/0160322 A1 EP 1 767 580 A1 KR 2010−0030959 A WO 2009/131023 A1
従って、非常に良好な気体遮断性および湿気遮断性の両方と同時にシリコーン組成物と同等の熱安定性も有するLED封入剤を開発することは、大きな課題である。
本発明の課題は、ヒドロシリル化により硬化でき、硬化後に高い透明性、熱安定性、非常に良好な気体および湿気遮断性を示す組成物を提供することである。別の課題は、そのような組成物に有用なポリマーを提供することである。
発明者らは、Si-[二価炭化水素基]-Si結合、特にSi-C2H4-Si結合およびSi-C6H4-Si結合が高温であっても非常に安定であることを見出したので、本発明のポリマーの主鎖を構成するためにそのような結合を採用した。そのような新規なポリマーは、主鎖に、前記二価炭化水素基により結合したケイ素原子しか含まないので、以下、ポリカルボシランと称する。本発明の課題は、以下において説明するポリマーおよび組成物の提供によって達成される。
1つの態様では、本発明は、下記式(1):
Figure 0005939723
[式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立してメチル基、エチル基、ビニル基またはフェニル基を示し、各分子は少なくとも2個のビニル基を有し;各Xは独立して二価C炭化水素基またはフェニレンを示し;M、D、TおよびQはそれぞれ0〜1未満の範囲の数を示し、M+D+T+Qは1である]
で示されるポリカルボシランに関する。
本発明は更に、
(A)ポリカルボシランAとしての、上記式(1)で示される少なくとも1つのポリカルボシラン、
(B)下記式(2):
Figure 0005939723
[式中、R、R、R、R10、R11およびR12は、それぞれ独立してメチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基または水素を示し、各分子はケイ素に直接結合した少なくとも2個の水素原子を有し;各Xは独立して二価C炭化水素基またはフェニレンを示し;M’、D’、T’およびQ’はそれぞれ0〜1未満の範囲の数を示し、M’+D’+T’+Q’は1である]
で示される少なくとも1つのポリカルボシランB、および
(C)少なくとも1つの触媒
を含んでなる硬化性組成物、特にLED封入剤用透明組成物を提供する。
また、本発明は、本発明のポリカルボシラン組成物を加熱することにより得られる硬化ポリカルボシラン組成物、並びに半導体封入材料および/または電子素子包装材料としての本発明のポリカルボシラン組成物の使用に関する。
本発明のポリカルボシラン(以下、ポリカルボシランAとも称する)は式(1)によって表され、ポリカルボシラン(B)は式(2)によって表される。いずれの場合も、ポリマーは様々な「単位」を含んでなる。ここで、単位とは、1個のケイ素原子および(ケイ素原子の価数に応じて)4個の架橋基Xおよび残余基R(それぞれがケイ素原子に直接結合している)で形成されている構造モチーフであると理解される。1個の架橋基Xしか有していない単位は、一官能性またはM単位とも称される。2個の架橋基を有する単位は二官能性またはD単位とも称され、3個の架橋基を有する単位は三官能性またはT単位と称され、4個の架橋基を有する単位は四官能性またはQ単位と称される。特定のポリマー中に存在している特定の単位の数は、添え字MおよびM’、DおよびD’、TおよびT’並びにQおよびQ’によって表される。
架橋単位Xは、様々なタイプの特定のポリカルボシラン単位内でのみ異なり得るのではなく、1つおよび同じタイプの様々な単位内並びに1つの単独の単位内であっても異なり得ると理解される。従って、例えば、式(1)における[R4R5SiX2/2]単位のような、2個の架橋基を含んでなるD単位は、2個の同じ架橋基、即ち2/2個の二価C基または2/2個のフェニレン基を含み得る。しかしながら、そのような単位はまた、1/2個の二価C基および1/2個のフェニレン基も含み得る。T単位およびQ単位における架橋基にも、同様のことが当てはまる。
ポリカルボシランAは、実質的には、上記した平均組成式(1)で示され、直鎖または分岐構造を有する液体または固体ポリカルボシランである。
ポリカルボシランAは、好ましくは分岐構造を有する。即ち、T+Qが0より大きい式(1)で示される化合物に相当する。
本発明のポリカルボシランの重量平均分子量は、好ましくは100〜300,000g/mol、より好ましくは1,000〜50,000g/mol(GPC、標準:ポリスチレン)である。本発明のポリカルボシランの粘度は、25℃で、好ましくは0.1〜100Pa・s、より好ましくは0.5〜50Pa・sである(ブルックフィールドDV-+デジタル粘度計/LV、スピンドルS64、回転速度50rpm)。
本発明のポリカルボシランでは、Xは、好ましくは二価C炭化水素基を示す。
本発明の硬化性組成物は、ポリカルボシランAとして、先に記載した本発明のポリカルボシランを含んでなる。好ましいおよび特に好ましいポリカルボシランAは、好ましいおよび特に好ましいものとして既に記載したポリカルボシランに相当する。
「硬化性組成物」とは、物理作用または化学作用により軟質状態から硬質状態に転化される、2つ以上の物質の混合物であると理解される。この物理作用または化学作用は、例えば、熱、光または他の電磁放射線としてのエネルギーの供給から、また、単に、大気中水分、水または反応性成分との接触からなり得る。本発明の組成物は、好ましくは熱硬化性である。
本発明の硬化性組成物は更に、式(2)で示される少なくとも1つのポリカルボシランBを含んでなる。ポリカルボシランBは、一分子あたり少なくとも2個の、ケイ素に直接結合した水素原子を有する。
ポリカルボシランBは、実質的には、直鎖または分岐構造を有する液体または固体ポリカルボシランである。ポリカルボシランBは好ましくは分岐構造を有する。即ち、T+Qが0より大きい式(2)で示される化合物に相当する。
ポリカルボシランB(水素化ポリカルボシランまたは水素ポリカルボシラン)の重量平均分子量は、好ましくは100〜300,000g/mol、より好ましくは1,000〜50,000g/mol(GPC、標準:ポリスチレン)である。ポリカルボシランBの粘度は、25℃で、好ましくは0.1〜100Pa・s、より好ましくは0.5〜50Pa・s(ブルックフィールドDV-+デジタル粘度計/LV、スピンドルS64、回転速度50rpm)である。
硬化性組成物は、好ましくは、Xが二価C炭化水素基を示す、式(2)で示されるポリカルボシランBを含んでなる。
硬化性組成物は、ポリカルボシランBの存在に由来するケイ素結合水素原子(即ちSiH基)と、ポリカルボシランAの存在に由来するケイ素結合ビニル基とのモル比が好ましくは0.5〜10、より好ましくは0.8〜4、最も好ましくは1〜3となるような量で、ポリカルボシランAおよびポリカルボシランBを含有する。換言すれば、Si−H/Si−ビニル比が、好ましくは0.5〜10、より好ましくは0.8〜4.0、最も好ましくは1.0〜3.0である。
硬化性組成物は更に、少なくとも1つの触媒を含んでなる。触媒として、成分(A)中のビニルおよび/またはアリル基と成分(B)中のSi−H基とのヒドロシリル化付加反応を促進できる任意の化合物を使用することができる。典型的な付加反応触媒は、白金触媒を包含する白金族金属触媒、例えば、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、オレフィンによる塩化白金酸の錯体、および白金ビスアセトアセテート、並びにパラジウム触媒およびロジウム触媒である。
好ましくは、触媒は、白金族金属触媒からなる群から選択される1つ以上の化合物である。
使用される触媒の量は、所望のヒドロシリル化反応を促進するのに十分な触媒量である限りは、特に限定されない。付加反応触媒は、硬化性組成物の総重量に基づいて好ましくは約1〜500ppm、特に約2〜100ppmの金属、特に白金族金属がもたらされるような量で使用される。用語「金属」または「白金族金属」についてはそれぞれ、硬化性組成物において金属が錯化合物として存在している場合であっても、金属自体の含量をもっぱら意味する。
本発明の硬化性組成物は、全成分を単に混合することにより製造することができる。そのように製造された混合物は、即用性であり、例えば加熱により硬化される。
しかしながら、本発明の1つの態様では、組成物は、成分1および成分2からなる二成分組成物である。ここで、成分1は、ポリカルボシランAおよび存在する触媒の全量を含んでなり、成分2は、存在するポリカルボシランBの全量および場合により更なるポリカルボシランAを含んでなる。それぞれの成分は、別個の容器(例えばチューブまたはジャー)或いは二区画容器(例えば二室管)の別個の区画に導入されてよい。これにより、尚早な硬化は起こらずに、組成物を問題なく貯蔵することが可能になる。成分1および成分2は、適用まで別個に保持される。組成物を適用するためには、成分1および成分2を混合し、混合物を所望の場所に適用する。
先に記載した成分(A)〜(C)に加えて、本発明の組成物は更に、本発明の対象に問題を生じさせない限りにおいて、任意成分を含有してよい。
可能な任意成分は、硬化時間を調整してポットライフを付与するための付加反応阻害剤、並びに組成物の接着性を改善するための接着促進剤を包含する。
適当な反応阻害剤は、エチニルシクロヘキサノール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オールまたは類似のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキシン−1−イン、または類似のエニン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾールなどを包含する。これらの阻害剤の添加量は特には限定されないが、これらの阻害剤を、重量単位で組成物の重量あたり10〜1,000ppmの量で添加することが推奨され得る。
接着促進剤とは、表面への組成物の接着性を改善する物質を意味すると理解される。当業者に知られている一般的な接着促進剤(粘着付与剤)は、単独で、または複数の化合物の組み合わせとして使用することができる。適当な例は、樹脂、テルペンオリゴマー、クマロン/インデン樹脂、脂肪族石油化学樹脂および変性フェノール樹脂を包含する。本発明の態様において適しているものは、例えば、テルペン、主にα−またはβ−ピネン、ジペンテンまたはリモネンの重合により得られるような、炭化水素樹脂である。これらのモノマーの重合は、通常は、フリーデル−クラフツ触媒を用いて開始されるカチオン重合である。テルペン樹脂は、テルペンおよび他のモノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、イソプレンなどのコポリマーも包含する。前記樹脂は、例えば、感圧接着剤および塗料のための接着促進剤として使用されている。テルペンまたはロジンへのフェノールの酸触媒付加により調製されるテルペンフェノール樹脂もまた適している。テルペンフェノール樹脂は、ほとんどの有機溶媒および油に可溶性であり、他の樹脂、ワックスおよびゴムと混和性である。上記した意味において、本発明の態様で接着促進剤として適しているものはまた、ロジンおよびその誘導体、例えば、そのエステルまたはアルコールである。シラン接着促進剤、特にアミノシランおよびエポキシシラン、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランが特に適している。
本発明の硬化性組成物の特定の態様では、組成物は、接着促進剤として、一般式(3):
Figure 0005939723
[式中、R’およびR”は互いに独立して、水素またはC〜Cアルキル基であり、Rは場合によりヘテロ原子を有してよいC1〜12二価炭化水素基であり、X’、Y’およびZ’は互いに独立して、C〜Cアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cアシルオキシ基であり、これらの基の少なくとも1つはC〜CアルコキシまたはC〜Cアシルオキシ基である]
で示されるアミノシランを含んでなる。そのような化合物は、本発明の硬化性組成物の結合性ポリマー成分に対してだけでなく広い範囲の極性および非極性表面に対して高い親和性を本質的に示し、従って、それぞれの場合に、結合または封入される基材と硬化組成物との特に安定な接着の形成に寄与する。
連結基Rは、例えば、直鎖または分岐または環式、置換または非置換のアルキレン基であってよい。その中には場合により、ヘテロ原子として、窒素(N)または酸素(O)が含まれてよい。X’、Y’および/またはZ’がアシルオキシ基である場合は、連結基Rは、例えばアセトキシ基−OCO−CHであってよい。
透明性が損なわれない限りにおいて、組成物の強度を高めるために無機充填材を混合してよい。
本発明の組成物に適した充填材は、例えば、チョーク、石灰粉、沈降および/または焼成シリカ、ゼオライト、ベントナイト、炭酸マグネシウム、珪藻土、アルミナ、クレー、タルク、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、砂、石英、フリント、雲母、ガラス粉および他の粉砕鉱物である。加えて、有機充填材、特に、カーボンブラック、グラファイト、木繊維、木粉、おがくず、木材パルプ、綿、パルプ、木材チップ、細断藁、籾殻、粉砕クルミ殻および他の細断繊維を使用することもできる。更に、短繊維、例えば、ガラス繊維、ガラスフィラメント、ポリアクリロニトリル、炭素繊維、ケブラー繊維またはポリエチレン繊維を添加することもできる。アルミニウム粉も充填材として適している。また、無機物殻またはプラスチック殻を有する中空球も、充填材として適している。これらは例えば、例えば中空ガラス球であってよく、Glass Bubbles(登録商標)の商品名で市販されている。プラスチックに基づく中空球は、例えばExpancel(登録商標)またはDualite(登録商標)の商品名で市販されている。これらは無機または有機物質からなり、それぞれ1mm以下、好ましくは500μm以下の直径を有する。一部の用途では、組成物にチキソトロピーを付与する充填材が好ましい。そのような充填材は、レオロジー助剤、例えば、水添ヒマシ油、脂肪酸アミド、またはPVCのような膨潤性プラスチックとしても記載される。そのような組成物は、適当な計量添加デバイス(例えばチューブ)から容易に押し出されるように、3,000〜15,000mPas、好ましくは4,000〜8,000mPasまたは5,000〜6,000mPasの粘度を有する。
充填材は、組成物の総重量に基づいて1〜80重量%の量で使用される。単独の充填材または複数の充填材の組み合わせを使用することができる。
本発明の組成物の好ましい態様では、充填材は、10〜90m/g、特に35〜65m/gのBET表面積を有する高分散シリカである。このタイプのシリカを使用すると、本発明の組成物の粘度は実質的には上昇しないが、シリカは硬化組成物の補強に寄与する。この補強により、例えば、本発明の組成物が使用されている接着剤、シーラントまたは塗料の初期強度、剪断強度および接着性が改善される。
45〜55m/gのBET表面積、特に約50m/gのBET表面積を有する高分散シリカを使用することが特に好ましい。そのようなシリカは、より高いBET表面積を有するシリカと比べて混和時間が30〜50%短いという更なる利点を有する。別の利点は、組成物の透明性および流動性を損なわずに、かなり高い濃度で前記高分散シリカを配合できることである。充填材が25μm未満、好ましくは5〜20μmの、レーザー回折により測定された平均粒径d50を有する高分散シリカである本発明の組成物の態様もまた、特に好ましい。このタイプの充填材は、特定の厳しい用途のために透明性が高く澄明な組成物が必要とされている場合に特に適している。充填材として、比較的高いBET表面積、有利には100〜250m/g、特に110〜170m/gのBET表面積を有する焼成および/または沈降シリカを使用することも考えられる。しかしながら、そのようなシリカの混和には比較的長い時間を要し、従って、よりコストがかかる。また、相当量の空気が生成物に導入されてしまい、この空気は、時間のかかる複雑な方法で再び除去しなければならない。その一方で、より高いBET表面積の故に硬化組成物の補強の効果は、より少ない重量割合のシリカにより達成される。このようにして、他の要求に関して本発明の組成物を改良するために、更なる物質を配合することができる。
酸性充填材に代えて塩基性充填材を使用する場合、例えば炭酸カルシウム(チョーク)が適しており、その場合は、立方晶系、非立方晶系、非晶質および他の変態を使用することができる。好ましくは、使用されるチョークは、表面処理または表面被覆されているものである。被覆剤として、好ましくは、脂肪酸、脂肪酸石鹸および脂肪酸エステルが使用され、その例は、ラウリン酸、パルミチン酸またはステアリン酸、そのような酸のナトリウム塩またはカリウム塩、或いはそれらのアルキルエステルである。しかしながら、加えて、他の界面活性物質、例えば、長鎖アルコールの硫酸エステル、またはアルキルベンゼンスルホン酸、或いはそれらのナトリウム塩またはカリウム塩、或いはシランまたはチタネートに基づくカップリング剤も適している。チョークの表面処理はしばしば、組成物の加工性、接着強度および耐候性の改善に関する。被覆組成物は、粗チョークの総重量に基づいて、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%の割合で使用される。
所望の特性プロフィルに応じて、沈降または粉砕チョークを使用することができる。粉砕チョークは、例えば、乾燥または湿潤法のいずれかを用いて物理的に粉砕することにより天然の石灰、石灰石または大理石から調製することができる。粉砕工程に応じて、異なった平均粒径を有する画分を得ることができる。有利な比表面積(BET)は、1.5m/g〜50m/gである。
所望により、燐光物質および劣化防止剤を添加してもよい。
更なる助剤および添加剤は、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、反応性希釈剤、乾燥剤、UV安定剤、老化防止剤、レオロジー助剤、殺菌剤および/または難燃剤を包含する。
本発明の組成物の硬化は、典型的には、50〜200℃、特に70〜160℃で1〜60分間、特に2〜30分間加熱することを含む。更に、50〜200℃、特に70〜160℃で0.1〜10時間、特に1〜4時間、後硬化を行ってもよい。
また、本発明は、本発明の硬化性組成物を加熱することにより得られる硬化生成物に関する。
本発明の別の対象は、特に半導体封入材料および/または電子素子包装材料としての、封入材料、シーリング材料、保護材料、結合材料および/またはレンズ形成材料における、本発明の硬化性ポリカルボシラン組成物の使用である。本発明のポリカルボシラン組成物は、湿気および気体に対する増大した遮断性をもたらすことができる。特に、本発明のポリカルボシラン組成物は、有利なことに、半導体素子、特に発光素子(LED)を封入するための封入材料において使用される。
以下において、実施例を用いて本発明の特定の態様を説明する。しかしながら本発明は、以下の実施例に限定されない。
試験方法:
以下のように評価を行った。
下記実施例では、重量平均分子量値は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるポリスチレン換算値である。
ビニル含量は、Chinese Chemical Industry Standard HG/T 3312-2000に従って滴定した。
水素含量は、Feng S. Y.; Zhang, J.; Li, M. J.; Zhu, Q. Z.; Organosilicon Polymer and Application Thereof, 第400〜401頁;Chemical Industry Pressに記載されているように滴定した。
硬度は、LX-A Shoreデュロメーターを用いて測定した。
透過率は、紫外可視分光分析装置Lambda 650S(PerkinElmer Corporation製)によって測定した。透過率は、300nm〜800nmの範囲について測定し、450nmでの値を透過率として記録した。
透過性は、50℃/100%RH(RH=相対湿度)で、Mocon Permatran-W(登録商標)モデル3/33によって測定した。
原料:
ジビニルジメチルシラン(CAS:10519-87-6)をRuilijie Chemical Companyから購入した。ジフェニルシラン(CAS:775-12-2)、ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(CAS:2488-01-9)およびトリビニルメチルシラン(CAS:18244-95-6)をGelestから購入した。白金触媒SIP6832.2(環式メチルビニルシロキサン中白金濃度2.0〜2.3%、CAS:68585-32-0)をGelestから購入した。酸化白金(CAS:1314-15-4)をJ&Kから購入した。白金触媒VM-23(ジビニルテトラメチルジシロキサン中白金)をZheJiang Jiancheng Silicone Co. Ltd.から購入した。
合成例1(ビニルポリカルボシラン(VPCS)、n=5、直鎖)
57.79gのジフェニルシラン、42.21gのジビニルジメチルシランおよび0.0183gの白金触媒SIP6832.2を、100mL容スチール製バイアルに添加した。窒素ガスでパージした後、反応系を175℃の炉に48時間投入した。110℃および5mbarで1時間回転蒸発することにより、未反応モノマーを除去した。得られた液体は1592の重量平均分子量を有しており、そのビニル含量は1.25mmol/gであった。得られたポリマーは、下記平均式を有していた。
Figure 0005939723
合成例2(VPCS、n=10、直鎖)
59.90gのジフェニルシラン、40.10gのジビニルジメチルシランおよび0.0183gの白金触媒SIP6832.2を、100mL容スチール製バイアルに添加した。窒素ガスでパージした後、反応系を175℃の炉に48時間投入した。110℃および5mbarで1時間回転蒸発することにより、未反応モノマーを除去した。得られた液体は3072の重量平均分子量を有しており、そのビニル含量は0.65mmol/gであった。得られたポリマーは、下記平均式を有していた。
Figure 0005939723
合成例3(VPCS、分岐)
60.15gのジフェニルシラン、31.73gのジビニルジメチルシラン、8.12gのトリビニルメチルシランおよび0.0183gの白金触媒SIP6832.2を、100mL容スチール製バイアルに添加した。窒素ガスでパージした後、反応系を175℃の炉に48時間投入した。110℃および5mbarで1時間回転蒸発することにより、未反応モノマーを除去した。得られた液体ポリマーは分岐構造であって、1690の重量平均分子量を有しており、そのビニル含量は1.8mmol/gであった。
合成例4(VPCS、分岐)
60.10gのジフェニルシラン、26.41gのジビニルジメチルシラン、13.49gのトリビニルメチルシランおよび0.0183gの白金触媒SIP6832.2を、100mL容スチール製バイアルに添加した。窒素ガスでパージした後、反応系を175℃の炉に48時間投入した。110℃および5mbarで1時間回転蒸発することにより、未反応モノマーを除去した。得られた液体ポリマーは分岐構造であって、2000の重量平均分子量を有しており、そのビニル含量は2mmol/gであった。
合成例5(水素ポリカルボシラン(HPCS)、Si3H4、フェニル含有)
ジクロロフェニルシラン(25.00g)、ジビニルジメチルシラン(7.52g)、および3滴の白金触媒VM-23を、撹拌子を備えたフラスコ(100mL)に添加した。フラスコを70℃の油浴に投入した。1時間撹拌した後、油浴を150℃に加熱し、反応混合物を更に3時間撹拌した。次いで、フラスコを室温に冷却した後、50mLのTHFを添加した。この溶液を、水素化のために滴下漏斗に移した。
三ツ口フラスコは、冷却器および滴下漏斗を備えていた。LiAlH4(10.73g)を三ツ口フラスコに導入し、次いで、乾燥THF(400mL)をゆっくりと添加した。窒素ガスによって系を保護した。滴下漏斗中の溶液を一時間以内に滴加した後、フラスコを70℃の油浴に投入し、4時間撹拌した。この灰色溶液を、冷HCl水溶液(1L、2mol/L)に添加した。続いて、溶液をトルエン(それぞれ200mL)で2回抽出した。トルエン溶液を、中性になるまで蒸留水で洗浄し、その後、回転蒸発によってトルエンを除去した。無色液体(20g)を回収した。得られた液体は下記平均式を有していた。
Figure 0005939723
合成例6(HPCS、Si4H3、フェニル不含有)
ジメチルクロロシラン(38mL)および2滴の白金触媒VM-23を、冷却器、滴下漏斗および止め具を備えた三ツ口フラスコに導入した。フラスコを50℃に加熱した後、メチルトリビニルシラン(12.40g)を滴加した。反応混合物を60℃で20分間維持した。白色固体を得た。50mLのTHFを添加して固体を溶解させ、この溶液を、水素化のために滴下漏斗に移した。
三ツ口フラスコは、冷却器および滴下漏斗を備えていた。LiAlH4(12.12g)を三ツ口フラスコに導入し、次いで、乾燥THF(400mL)をゆっくりと添加した。窒素ガスによって系を保護した。滴下漏斗中の溶液を一時間以内に滴加した後、フラスコを70℃の油浴に投入し、4時間撹拌した。この灰色溶液を、冷HCl水溶液(1L、2mol/L)に添加した。続いて、溶液をトルエン(それぞれ200mL)で2回抽出した。トルエン溶液を、中性になるまで蒸留水で洗浄し、その後、回転蒸発によってトルエンを除去した。無色液体(26.16g)を回収した。得られた液体は下記平均式を有していた。
Figure 0005939723
合成例7(HPCS、Si3H2、フェニル不含有)
メチルトリビニルシランを同モル量のジメチルジビニルシランに置き換えた以外は合成例6におけるSi4H3と同様に、Si3H2を調製した。得られた液体は下記平均式を有していた。
Figure 0005939723
合成例8(VPCS、フェニル不含有)
トリビニルメチルシラン(6.2g)、白金触媒VM-23(2滴)およびTHF(10mL)をフラスコに導入し、室温で合成例7のSi3H2(8.7g)を20滴/分の速度で滴加した。次いで、IRスペクトルで2116cm−1のSiH信号が見られなくなるまで、50℃で溶液を撹拌した。70℃での回転蒸発によりTHFを除去し、無色液体を得た。得られた液体ポリマーは、分岐構造であって、83811の重量平均分子量を有しており、そのビニル含量は2.51mmol/gであった。
合成例9(HPCS)
乾いた清浄な100mL容丸底フラスコ(二ツ口または三ツ口)に、0.008gのPtO2、1.5gのジビニルジメチルシラン、5.2gのビス(ジメチルシリル)ベンゼンおよび2.0gのトルエンを添加した。マグネチックスターラーを入れ、フラスコに止め具および冷却器をかぶせた。反応混合物を75℃で3時間撹拌した。次いで、PtO2を除去するために、溶液を濾過した。その後、溶液全体を90℃および20mbarで1時間、次いで90℃および5mbarで更に1時間回転蒸発することによって蒸留した。得られた液体は下記平均式を有していた。
Figure 0005939723
適用例1
2.0gの合成例2のビニルポリカルボシラン、0.3gの合成例5の水素ポリカルボシラン、0.001gの白金触媒SIP6832.2および0.001gの3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールを混合した。得られた混合物を150℃で2時間加熱し、硬化生成物を得た。ショアA硬度、透過性、450nmでの初期透明性(450nmでのT(初期))、および150℃で100時間生成物を熱処理した後の450nmでの透明性(450nmでのT(150℃、100時間))について、生成物を評価した。結果を表1に示す。
適用例2
2.0gの合成例8のビニルポリカルボシラン、0.8gの合成例6の水素ポリカルボシラン、0.001gの白金触媒SIP6832.2および0.001gの3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールを混合した。得られた混合物を150℃で2時間加熱し、硬化生成物を得た。ショアA硬度、透過性、450nmでの初期透明性、および150℃で100時間生成物を熱処理した後の450nmでの透明性について、生成物を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
Dow CorningからOE6636(フェニル型)の商品名で市販されている高RI(屈折率)封入材料の2つの成分AおよびBを、A:B=1:2の重量比で混合し、70℃で1時間、120℃で1時間、および150℃で1時間加熱した。ショアA硬度、透過性、450nmでの初期透明性、および150℃で100時間生成物を熱処理した後の450nmでの透明性について、得られた硬化生成物を評価した。結果を表1に示す。
比較例2
信越化学工業株式会社からKER2500(メチル型)の商品名で市販されている通常RI封入材料の2つの成分AおよびBを、A:B=1:1の重量比で混合し、70℃で1時間、120℃で1時間、および150℃で1時間加熱した。ショアA硬度、透過性、450nmでの初期透明性、および150℃で100時間生成物を熱処理した後の450nmでの透明性について、得られた硬化生成物を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005939723
表1の結果から分かるように、本発明の硬化生成物は、オルガノポリシロキサンに基づく市販封入材料から得られる硬化生成物より向上した硬度および透過性挙動を示した。熱安定性は同等であった。

Claims (10)

  1. (A)ポリカルボシランAとしての、下記式(1):
    Figure 0005939723
    [式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立してメチル基、エチル基、ビニル基またはフェニル基を示し、各分子は少なくとも2個のビニル基を有し;各Xは独立して二価C炭化水素基またはフェニレンを示し;M、D、TおよびQはそれぞれ0〜1未満の範囲の数を示し、M+D+T+Qは1である]
    で示されるポリカルボシラン
    (B)下記式(2):
    Figure 0005939723
    [式中、R 、R 、R 、R 10 、R 11 およびR 12 は、それぞれ独立してメチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基または水素を示し、各分子はケイ素に直接結合した少なくとも2個の水素原子を有し;各Xは独立して二価C 炭化水素基またはフェニレンを示し;M’、D’、T’およびQ’はそれぞれ0〜1未満の範囲の数を示し、M’+D’+T’+Q’は1である]
    で示される少なくとも1つのポリカルボシランB、および
    (C)少なくとも1つの触媒
    を含んでなる硬化性組成物。
  2. T+Qが0より大きい、請求項1に記載の硬化性組成物
  3. ポリカルボシランの重量平均分子量が100〜300,000g/molである、請求項1に記載の硬化性組成物
  4. ポリカルボシランAおよびポリカルボシランBは、0.5〜10のSi−H/Si−ビニルモル比をもたらす各々の量で存在する、請求項に記載の組成物。
  5. ポリカルボシランBの重量平均分子量が、100〜300,000g/molである、請求項に記載の組成物。
  6. 触媒は白金族金属触媒からなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載の組成物。
  7. 触媒金属の含量が硬化性組成物の総重量に基づいて1〜500ppmの範囲になるような量で触媒は存在する、請求項に記載の組成物。
  8. 組成物は、成分1および成分2からなる二成分組成物であり、成分1は、ポリカルボシランAおよび存在する触媒の全量を含んでなり、成分2は、存在するポリカルボシランBの全量および場合により更なるポリカルボシランAを含んでなる、請求項に記載の組成物。
  9. 請求項のいずれかに記載の硬化性組成物を加熱することにより得られる硬化生成物。
  10. 半導体封入材料および/または電子素子包装材料としての、請求項のいずれかに記載の組成物の使用。
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