JP5937361B2 - 太陽電池パネルの取付構造 - Google Patents

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本発明は、ハゼ式折板屋根に太陽電池パネルを取り付けるための構造に関する。
ハゼ式折板屋根に太陽電池パネルを取り付ける取付構造としては、例えば、特許文献1乃至3に開示された取付構造が提案されている。これらの取付構造は、フレーム付き太陽電池パネルに関し、ハゼを把持する金物と、太陽電池パネルのフレームを挟持する金物等から構成されている。
一方、いわゆるフレームレスの太陽電池パネルの取付構造としては、太陽電池パネルの裏面にL字状の爪を有する金物を固定し、この爪との係合を利用したものが実用化されている。より具体的には、ハゼを把持する把持金物と、爪と係合する係合溝を有する胴縁金物と、把持金物と胴縁金物との間に設けられたC型鋼と、を備えた取付構造が実用化されている。C型鋼はハゼの長手方向に沿って延び、複数の把持金物上に架設される。胴縁金物はC型鋼間に架設される。
特開2005−264618号公報 特開2003−96986号公報 特開2011−106093号公報
フレームレスの太陽電池パネルの取付構造では、爪と係合溝との係合によって太陽電池パネルを取り付けるので、その作業が比較的簡易である。しかし、C型鋼を利用していたことにより、極めて強度の地震が生じた場合にその変形によって太陽電池パネルが揺れる可能性があり、この揺れによって隣接する太陽電池パネル間で衝突が生じてひび割れ等を生じさせる場合がある。また、C型鋼の利用は工数の増加やコストアップを招いていた。
本発明の目的は、フレームレスの太陽電池パネルの取り付けに際し、支持剛性を向上し、かつ、比較的簡易かつ安価な取付構造を提供することにある。
本発明によれば、ハゼ式折板屋根への太陽電池パネルの取付構造であって、ハゼを把持する一対の着部を備えた複数のハゼ把持金物と、前記ハゼ把持金物毎に設けられ、前記ハゼ把持金物に固定される台座金物と、前記ハゼの延設方向と直交する方向に延設され、前記台座金物間に架設される胴縁金物と、を備え、前記ハゼ把持金物の前記着部が、前記台座金物が着座する上板部と、前記上板部の両側端部から下方に延び、ハゼを挟む凹部が形成された一対の側板部と、前記一対の側板部の下端部に接続された底板部と、を有し、前記胴縁金物が、閉断面を形成する上部、底部及び一対の側部を有すると共に、前記胴縁金物の内部において前記上部と前記底部とを接続する壁部を備え、前記上部には、前記胴縁金物の長手方向に延設され、前記太陽電池パネルの裏面に設けられた爪部と係合する係合溝が形成され、前記台座金物は、底板部と一対の側板部とを有して上方が開放されており、前記胴縁金物の前記底部と、前記台座金物の前記底板部と前記一対の側板部とにより閉断面が形成され、前記ハゼ把持金物と前記台座金物とは、前記上板部から上方に延びるボルトを前記台座金物の前記底板部に設けた挿通孔に通した状態でナットを締結することにより固定され、前記台座金物と前記胴縁金物とは、前記台座金物の前記一対の側板部の上端部から側方に延びる一対のフランジ部と、前記胴縁金物の前記底部の両側部から側方に延びる一対のフランジ部とを重ねた状態でこれらに形成した挿通孔に挿通されるボルトとナットとを締結することにより固定される太陽電池パネルの取付構造が提供される。
本発明によれば、フレームレスの太陽電池パネルの取り付けに際し、支持剛性を向上し、かつ、比較的簡易かつ安価な取付構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの取付構造の平面図。 図1の線I−Iに沿う上記取付構造の正面図。 図1の上記取付構造の左側面図。 (A)はハゼ把持金物の平面図、(B)は図4(A)の線II−IIに沿う断面図。
図1は本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの取付構造1の平面図、図2は図1の線I−Iに沿う取付構造1の正面図、図3は図1の取付構造1の左側面図である。図中、矢印Zはハゼ式折板屋根110の法線方向を示す。図1はこのZ方向から取付構造1を見た図であり、太陽電池パネルPを透過して見える取付構造1を示している。矢印X、YはZ方向に直交し、かつ、互いに直交する2方向を示す。ハゼ式折板屋根110は、互いに平行に複数のハゼ111が延設されており、ハゼ111の延設方向はY方向と同じ方向である。
太陽電池パネルPはフレームレスの太陽電池パネルであり、その裏面には取付金具100が複数個所(本実施形態の場合、4か所)に固定されている。取付金具100はL字型の爪部101を備えている。
取付構造1は、複数のハゼ把持金物10と、ハゼ把持金物10毎に設けた台座金物20と、台座金物20間に架設された胴縁金物30と、を備える。まず、図2乃至図4を参照してハゼ把持金物10の構成について説明する。図4(A)はハゼ把持金物10の平面図、図4(B)は図4(A)の線II−IIに沿うハゼ把持金物10の断面図である。
ハゼ把持金物10はハゼ111を把持する一対の着部10A、10Bを備える。着部10A、10Bは、それぞれ、台座金物20が着座する上板部11と、上板部11の両側端部から下方に延び、ハゼ111を挟む凹部12aが形成された一対の側板部12と、一対の側板部12の下端部に接続された底板部13と、を備えた箱型をなし、例えば、金属板をプレス加工で曲折して形成することができる。凹部12aは把持するハゼ111の断面形状に応じた形状に形成され、本実施形態の場合、半長円形状に形成されている。
着部10A、10Bは、また、ボルト15の挿通孔14aを形成する内側支持部14を有している。着部10A、10Bは互いに離間した状態で、ハゼ111を挟むように配置されたのち、ボルト15とナット16との締結により互いに密着した状態となり、ハゼ111を挟持してハゼ式折板屋根110に固定される。
ハゼ把持金物10はボルト17を有している。ボルト17の頭部はアダプタ18を介して、着部10A、10Bの内側支持部14間に収容され、ボルト17のネジ部は内側支持部14間を通過して上方に延びている。上板部11の中央部はボルト17のネジ部が通過する開口部を有しており、ボルト17のネジ部は上板部11の上方に延設されている。このボルト17は、ハゼ把持金物10に対する台座金物20の固定に用いる。
次に、図1乃至図3を参照して台座金物20及び胴縁金物30について説明する。台座金物20は、底板部21とその両側端部から上方に延びる一対の側板部22とを有し、これらは上方が開放したコの字型をなしている。底板部21にはボルト17が挿通する挿通孔(不図示)が設けられており、ここをボルト17が挿通してナット50を締結することで、台座金物20はその底板部21が上板部11に密接してハゼ把持金物10に着座した状態で固定される。台座金物20は、また、側板部22の上端部から側方に延びるフランジ部23を有する。このフランジ部23は胴縁金物30の固定に用いられる。
胴縁金物30はハゼ111の延設方向と直交するX方向に延設されている。胴縁金物30は、上部31、底部32及び一対の側部33を有し、これらが閉断面S2A、S2Bを形成している。さらに、胴縁金物30の内部には上部31と底部32とを接続する力骨状の壁部34が設けられ、胴縁金物30の内部空間が、閉断面S2A、S2Bに略二分されている。
胴縁金物30は、また、底部32の両側部から側方に延びるフランジ部35を備える。フランジ部35は台座金物20のフランジ部23と重ねられ、これらにそれぞれ形成した挿通孔(不図示)にボルト51を挿通させ、ナット52と締結することで、胴縁金物30が台座金物20に固定される。胴縁金物30と台座金物20とが固定された状態においては、胴縁金物30の底部32と、台座金物20の底板部21と一対の側板部22とにより閉断面S1が形成される。
胴縁金物30の上部31には、胴縁金物30の長手方向(X方向)に延設された係合溝31aが形成されている。係合溝31aの一部上方に係合部31bが突出している。太陽電池パネルPの取付金具100の爪部101は、図3において矢印で示すように、係合溝31aへ落とし込まれた後、係合部31b側へスライドさせることで、爪部101と係合部31bとが係合状態となって、太陽電池パネルPのZ方向及びY方向一方への移動が規制されることになる。
爪部101と係合部31bとが係合状態にある場合、係合溝31aの係合部31bと反対側の部分には、爪部101が存在しない隙間が生じる。本実施形態の場合、隙間埋め部材40を係合溝31aに挿入してこの隙間を埋める。図1に示すように、隙間埋め部材40は、その先端部に切り欠き40aが形成された帯状をなしている。この切り欠き40aは爪部101に当接してそのX方向の移動を規制し、また、切り欠き40aによって形成された凸部40bは、爪部101と係合溝31aの側壁との間の隙間に挿入されてこれを埋める。隙間埋め部材40は、係合溝31aとの嵌合により、或いは、接着若しくはボルト締結によって胴縁金物30に固定することができる。
こうして本実施形態では、太陽電池パネルPのX、Y及びZ方向の移動を爪部101と係合部31bとの係合及び隙間埋め部材40の装着によって規制することができる。
なお、本実施形態では、2本の胴縁金物30で一枚の太陽電池パネルPを支持する構成としたが、胴縁金物30を長くすることによって、2本の胴縁金物30で複数枚の太陽電池パネルPを支持することも可能である。
係る構成からなる取付構造1では、従来のC型鋼を排して台座金物20を採用した。この台座金物20は、胴縁金物30の底部32と共に閉断面S1を形成するので、太陽電池パネルPの支持剛性を向上できる。この閉断面S1は台座金物20と胴縁金物30との固定により形成され、固定前は台座金物20の上方は開放しているので、ボルト52の締結作業にも支障はない。しかも、台座金物20はハゼ把持金物10毎にスポット的に配設されるので、C型鋼に比べてコストを低減でき、かつ、施工も比較的簡易である。
胴縁金物30は、その内部に壁部34を設けたことにより剛性が向上し、したがって太陽電池パネルPの支持剛性を向上できる。また、太陽電池パネルPの取り付けは、取付金具100の爪部101を係合溝31aへ落とし込み、係合部31b側へスライドさせればよいので、施工が比較的簡易である。
ハゼ把持金物10は、箱型をなしているので、雪止め金物としても利用されているI字型のものよりも剛性を向上でき、したがって太陽電池パネルPの支持剛性を向上することができる。
こうして本実施形態では、フレームレスの太陽電池パネルPの取り付けに際し、略全方位について支持剛性を向上できる。しかも、比較的簡易かつ安価に提供することができる。

Claims (2)

  1. ハゼ式折板屋根への太陽電池パネルの取付構造であって、
    ハゼを把持する一対の着部を備えた複数のハゼ把持金物と、
    前記ハゼ把持金物毎に設けられ、前記ハゼ把持金物に固定される台座金物と、
    前記ハゼの延設方向と直交する方向に延設され、前記台座金物間に架設される胴縁金物と、を備え、
    前記ハゼ把持金物の前記着部が、
    前記台座金物が着座する上板部と、
    前記上板部の両側端部から下方に延び、ハゼを挟む凹部が形成された一対の側板部と、
    前記一対の側板部の下端部に接続された底板部と、を有し、
    前記胴縁金物が、
    閉断面を形成する上部、底部及び一対の側部を有すると共に、前記胴縁金物の内部において前記上部と前記底部とを接続する壁部を備え、
    前記上部には、前記胴縁金物の長手方向に延設され、前記太陽電池パネルの裏面に設けられた爪部と係合する係合溝が形成され、
    前記台座金物は、
    底板部と一対の側板部とを有して上方が開放されており、
    前記胴縁金物の前記底部と、前記台座金物の前記底板部と前記一対の側板部とにより閉断面が形成され
    前記ハゼ把持金物と前記台座金物とは、前記上板部から上方に延びるボルトを前記台座金物の前記底板部に設けた挿通孔に通した状態でナットを締結することにより固定され、
    前記台座金物と前記胴縁金物とは、前記台座金物の前記一対の側板部の上端部から側方に延びる一対のフランジ部と、前記胴縁金物の前記底部の両側部から側方に延びる一対のフランジ部とを重ねた状態でこれらに形成した挿通孔に挿通されるボルトとナットとを締結することにより固定される太陽電池パネルの取付構造。
  2. 前記係合溝に挿入され、前記爪部の係合後の前記係合溝の側壁と前記爪部との隙間を埋める部分を有する隙間埋め部材を備えた請求項1に記載の太陽電池パネルの取付構造。
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