JP5934005B2 - ゴム補強用繊維コード及びそれを用いてなるゴム・繊維複合体 - Google Patents
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Description
そのため耐加水分解性に優れるポリエチレンナフタレート繊維をゴム補強用繊維コードに用いることが行われている。しかし単純にポリエチレンナフタレート繊維に置き換えた場合、確かにポリエチレンナフタレート繊維よりは耐加水分解性は向上するが、まだその性能は十分ではなかった。
また、ポリエチレンナフタレート繊維は、極性が低い分子構造からなるために、汎用のポリエステル繊維と同様に、ゴムとの接着性について基本的に問題を有している。ポリエステル繊維とゴムとの接着剤としては、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)系接着剤を汎用的に用い、さらにその改良が検討されているものの、いずれの方法によっても、特にベルト等に要求されるゴム中での高温動的疲労後の接着性において、いまだ不満足な性能であるという問題が有った。
また別の本発明は、上記の本発明のゴム補強用繊維コードを用いたゴム・繊維複合体や、ゴムホース、ゴムベルトである。
また、本発明にて用いられるポリエステル繊維の強度が7.0〜9.8cN/dtexであることが好ましい。繊維強度が低い場合には、ゴム補強として十分な補強効果を得られない傾向にある。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 数式(1)
式中
ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)
また紡糸前のポリマーの段階で、均一な結晶構造を形成させることが重要であり、たとえば特有のリン化合物をポリマーに含有させることによってそのような均一な結晶構造を実現させることが可能となる。このようなリン化合物としてはフェニルホスホン酸およびその誘導体であることが好ましく、特にフェニルホスホン酸は水酸基を有するため、そうでは無いフェニルホスホン酸ジメチルなどのアルキルエステルに比べて沸点が高く、真空下で飛散しにくいというメリットもある。
本発明のゴム補強用繊維コードに用いられるポリエステル繊維は、エチレンナフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルポリマーを溶融紡糸することにより得ることが出来る。このポリエステルの主たる繰返し単位の含有量としては、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分に対して、その繰り返し単位が80モル%以上含有されていることが好ましい。特には90モル%以上含むポリエステルであることが好ましい。またポリエステルポリマー中に少量であれば、適当な第3成分を含む共重合体であっても差し支えない。
本発明のゴム補強用繊維コードは、ベルトとしても最適であり、本発明のゴム補強用繊維コードを用いたベルトは物性的にも優れたものとなる。より具体的には、上記のゴム補強用繊維コードと、ゴムまたは樹脂から構成されるベルトである。
本発明のゴム補強用繊維コードを織物として用いる場合には、上記のようなポリエステル繊維に撚糸を施し、これを経糸として1000〜1500本並べ、これらにポリアミド繊維やポリビニルアルコール繊維などの合成繊維の無撚糸、又は撚係数5000以下の撚糸を緯糸として配しつつ、製織したベルト補強用繊維材料とすることも好ましい。
そして本発明のゴム補強用繊維コードと、ゴムまたは樹脂等のマトリックスから構成される成形体は、ベルトとして最適なものとなる。
得られた本発明のホースは、その補強用繊維の物性により、強度と寸法安定性に優れ、高温動的疲労性に優れたホースとなる。
チップまたは繊維をフェノールとオルトジクロロベンゼンとの混合溶媒(容量比6:4)に溶解し、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定して求めた。IVと表記した。
粉砕機を用いて粉末状にしたポリエチレンナフタレートサンプル40.00グラムおよびベンジルアルコール100mlをフラスコに加え、窒素気流下で215±1℃の条件下、4分間にてポリエチレンナフタレートサンプルをベンジルアルコールに溶解させた。溶解後、室温にまでサンプル溶液を冷却させた後、フェノールレッドのベンジルアルコール0.1質量%溶液を適量添加し、N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液によって、速やかに滴定し、変色が起こるまでの滴下量をAmlとした。ブランクとして100mlのベンジルアルコールにフェノールレッドのベンジルアルコール0.1質量%を同量添加し、N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液によって、速やかに滴定し、変色が起こるまでの滴下量をBmlとした。それらの値から下記式によってポリエチレンナフタレートサンプル中の末端COOH基含有量(末端カルボキシル基量)を計算した。
末端COOH基含有量(当量/ton)=(A−B)×103×N×106/40
数式(2)
なお、ここで使用したベンジルアルコールは試薬特級グレードの物を蒸留し、遮光瓶に保管したものを利用した。N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液は、定法により事前に濃度既知の硫酸溶液によって滴定し、規定度Nを正確に求めたものを使用した。
JIS K0070−3.1項 中和滴定法に準じて繊維表面のカルボキシル基量(酸価)を求めた。すなわち、繊維試料約5gにジエチルエーテル/エタノール=1/1溶液50mlを加え、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴添加し、室温で15分間超音波振とうした。この溶液に0.1ml水酸化カリウムエタノール溶液(ファクター値f=1.030)で滴定し、指示薬のうすい紅色が30秒間続いたときを終点として指示薬滴下量を測定し、以下の式から酸価を算出した。
酸価A(当量/ton)=(B×1.030×100)/S 数式(3)
[ここで、Bは0.1ml水酸化カリウムエタノール溶液滴定量(ml)、Sは試料量(g)を表す。]
比重は四塩化炭素/n−ヘプタン密度勾配管を用い、25℃で測定した。得られた比重から下記の数式(4)より結晶化度を求めた。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 数式(4)
式中 ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)
繊維の結晶体積、最大ピーク回折角はBruker社製D8 DISCOVER with GADDS Super Speedを用いて広角X線回折法により求めた。
結晶体積は、繊維の広角X線回折において2Θがそれぞれ15〜16°、23〜25°、25.5〜27°に現れる回折ピーク強度の半価幅より、それぞれの結晶サイズをフェラーの式、
(ここで、Dは結晶サイズ、Bは回折ピーク強度の半価幅、Θは回折角、λはX線の波長(0.154178nm=1.54178オングストローム)を表す。)
結晶体積(nm3)=結晶サイズ(2Θ=15〜16°)×結晶サイズ(2Θ=23〜25°)×結晶サイズ(2Θ=25.5〜27°) 数式(6)
最大ピーク回折角は、広角X線回折において強度が最も大きいピークの回折角を求めた。
TAインスツルメンツ社製Q10型示差走査熱量計を用い、試料量10mgの繊維を窒素気流下、20℃/分の昇温条件で320℃まで加熱して現れた吸熱ピークの温度を融点Tmとした。
加温処理後の該ポリエチレンナフタレート繊維をJIS K−7236に従ってエポキシ指数(EI:繊維1kgあたりのエポキシ当量数)を測定した。
引張荷重測定器((株)島津製作所製オートグラフ)を用い、JIS L−1013に従って測定した。尚、中間荷重伸度伸は繊維の場合、強度4cN/dtex時の伸度を、コードの場合には44N時の伸度である。
JIS−L1013に従い、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置後、無荷重状態で、乾燥機内で180℃×30min熱処理し、熱処理前後の試長差より算出した。
繊維に490回/mのZ撚を与えた後、これを2本合わせて490回/mのS撚を与えて、1100dtex×2本の生コードとした。この生コードを接着剤(RFL)液に浸漬し、240℃で2分間緊張熱処理した。
ポリエチレンナフタレート繊維2本を、上撚490回/m、下撚490回/mを掛けたものを生コードとして、その生コードをRFL接着剤に付漬し、張力下で240℃で2分間処理した処理コードの強力を測定したものを強力Aとする。その後、処理コードを加硫モールド中に埋め込み、80℃で120分、促進加硫した処理コードを抜き出し、強力を測定したものを強力Bとし、強力維持率をB/A(%)の式でもとめた。
処理コードとゴムとの接着力を示すものである。コードを36本/2.54cm(inch)で引きそろえ、0.5mm厚の天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫ゴムシートで挟みつける。これらのシートを、直行するように重ねあわせ、150℃の温度で、30分間、50kg/cm2のプレス圧力で加硫し、次いで、コード方向に沿って短冊状に切り出す。作成したサンプルの短冊に沿った方のシートをゴムシート面に対し90度の方向へ200mm/分の速度で剥離するのに要した力をN/2.54cm(inch)で示したものである。なおこの初期剥離接着力は室温にて測定したものである。
2.5mm厚のSBR/NR系ゴムを挟んで、得られたコードを26本/2.54cm(inch)の密度で互いに平行に並べた2層のプライを作成し、さらに各プライ層の外側を1.5mm厚のSBR/NR系ゴムでカバーしたのち、温度150℃で30分間、90kg/cm2の条件で加硫して、長さ500mm、幅5mm、厚み5.5mmのベルトを作成した。
次いで、このベルトを50kg/2.54cm(inch)の荷重を印加して直径50mmのプーリーに取付け、温度100℃にて5時間にわたり30,000サイクルの繰返し伸張圧縮疲労を加えた。伸張圧縮疲労後のベルトのプライ間を300mm/分の速度で剥離し、得られる平均剥離接着力(N/2.54cm(inch))を高温動的疲労後の接着力として求めた。
また上記のベルトに代えて、ポリエステル繊維を心線としたVベルト及び基布補強ベルトを用いて上記と同じ評価をしたものをシューシャイン測定(2)とした。
この評価方法は、動的たわみ試験であり、いわゆるシューシャイン試験と呼ばれている評価方法である。
図3に示すように、直径100mmのプーリー9、10間にVベルトを架設し、初期の取り付け張力を900Nとし、走行中のプーリー回転数を3600r.p.m.として室温にて走行試験を行った。そして、4時間走行後ストップさせ、更に24時間放冷させた後のベルト張力を測定して、初期の取り付け張力に対する張力維持率を測定した。
加硫直後のベルト外周長と、30日経時後のVベルト外周長との差を、加硫直後のベルト外周長で除してベルトの寸法変化率を算出した。
加硫直後のベルト外周長と、30日経時後のベルト外周長との差を、加硫直後のベルト外周長で除してベルトの寸法変化率を算出した。
ホース内の圧力が3.5kg/cm2なるよう圧力を加え、85°に屈曲させた状態で、850rpmの回転数で29分毎に回転方向を変え、ホースが破裂するまでの時間を計測した。
(繊維コード)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール50重量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.0056重量部を攪拌機、蒸留搭及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行い、引き続いてエステル交換反応が終わる前にフェニルホスホン酸(PPA)を0.03重量部(50ミリモル%)を添加した。その後、反応生成物に三酸化二アンチモン0.024重量部を添加して、攪拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、305℃まで昇温させ、30Pa以下の高真空下で縮合重合反応を行い、常法に従ってチップ化して極限粘度0.62のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。このチップを65Paの真空度下、120℃で2時間予備乾燥した後、同真空下240℃で10〜13時間固相重合を行い、極限粘度0.71のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。
この高カルボキシル基末端を有するポリエチレンナフタレートチップを用い、溶融紡糸法により高速紡糸、多段延伸し、表面にエポキシ処理することにより、ポリエステル繊維を準備した。
このとき紡糸油剤としては、グリセリントリオレート65部、POE(10)ラウリルアミノエーテル12部、POE(20)硬化ヒマシ油エーテル8部、POE(20)硬化ヒマシ油トリオレート12部、POE(8)オレイルホスフェートNa2部、酸化防止剤1部からなる油剤組成分10部を50℃に加温したものを用意した。
そして上記ポリエチレンナフタレートチップを305℃の溶融温度で紡糸することにより、紡糸口金より紡出され、475m/分で引き取られた未延伸糸には、上記の紡糸油剤を繊維100部に対して油剤付着分0.4部となるように付与した後、ローラーを用い、合計延伸倍率が5.90倍になるように2段延伸し、引き続きローラー間で延伸倍率1.0倍の処理したのち、上記の仕上油剤を繊維100部に対して油剤付着分が0.2重量部(エポキシ化合物成分付着量0.12重量%)となるようにローラー式油剤付与法で付与し、インターレース(IL)ノズルで交絡を付与したのちに2800m/分の速度で各10kgを捲取った。そうして得られた繊維を、30℃の温度下で360時間の熟成処理した。
さらに得られたポリエステル繊維は、490回/mの下撚を掛けた後、これを2本合わせて490回/mの上撚をかけて得られてコードをレゾルシン・ホルマリン・ラテックス接着液(RFL液)を用いて接着処理し、240℃で2分間緊張熱処理して処理コードとした。
得られた、ポリエステル繊維コードの物性は、強力が144N、伸度が10%、44N時の荷伸が2.2%、180℃乾収が4.8%であった。
そのコードを用いて、動的疲労後の接着性(シューシャシンテスト)を実施した結果、動的疲労後のコードの剥離接着力は520N/inchであり、非常に高い接着力を持つものであった。
さらに、上記コードを未加硫ゴムを用いてホース成形し、ついで153℃下で35分間蒸気加硫してゴムホースを得た。得られたポリエステル繊維及び繊維コードの物性と、接着評価、ホース疲労性評価の結果を表1に示す。
また得られたポリエステル繊維を用い、下撚数200T/m、上撚数120T/mで撚糸して、1100dtex/2/3のコード(ベルト補強用繊維材料)を得た。該コードに、接着処理剤としてエポキシ/イソシアネートを付着せしめた後、160℃にて60秒間、245℃にて80秒間熱処理を実施し、さらにRFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)を付着せしめて、160℃にて60秒間、235℃にて60秒間熱処理を実施した。得られたコードを心線として用いて、図3に示すVベルト1を作成した。得られたベルト用ポリエステル繊維コード物性およびVベルトのベルト張力維持率、ベルト寸法変化率、シューシャイン測定の結果を表2にまとめて示す。
固有粘度が0.74のポリエチレンナフタレートチップを用い、295℃で溶融紡糸を行い、物性を揃えるために延伸条件を微調整した以外は、実施例1と同様のポリエステル繊維を準備した。
このものの最終繊度は実施例1と同じ1112dtex、固有粘度が0.71のポリエステル繊維であり、それを撚糸した処理コードを得た。実施例1と比較し、繊維の末端カルボキシル基量(内部)が10当量/tonと少ないものの通常の剥離接着力は得られており、耐熱強力維持率も十分なものであった。しかし、動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)においては劣るものであった。
実施例1と同様にホース及びベルトを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に、ベルト用コード及びベルトの評価結果を表2に併せて示す。
比較例1と異なりエポキシ化合物を付与せず、紡糸油剤からもアミン成分を抜いた非アミン系の紡糸油剤を用いた以外は、比較例1と同様に行った。比較例1と比べ、耐熱強力維持率が低く、動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)はさらに劣るものであった。
実施例1と同様にホース及びベルトを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に、ベルト用コード及びベルトの評価結果を表2に併せて示す。
実施例1の紡糸速度を475m/分から4000m/分とし、延伸速度を2800から4200m/分とし、延伸倍率を調整した以外は、実施例1と同様に行い、固有粘度が0.65、繊度が1110dtex、強度が7.2cN/dtex、伸度が8%の力学特性を有したポリエステル繊維を得た。このものの末端カルボキシル基量(内部)は17当量/tonであり、融点が296℃で、表面エポキシ基量は0.1×10−3当量/kgであった。
さらに実施例1と同様に撚糸・接着処理し、強力が118N、伸度が7%、44N時の荷伸が2.0%、180℃乾収が2.1%のポリエステル繊維コードを得た。得られたコードは耐熱強力維持率・動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に優れたものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
比較例1と同様のポリエチレンナフタレートチップを用い、物性を揃えるために延伸条件を微調整し、エポキシ化合物を付与せず、紡糸油剤からもアミン成分を抜いた非アミン系の紡糸油剤を用いた以外は、実施例2同様のポリエステル繊維およびコードを準備した。実施例2に比べ、耐熱強力維持率や動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に劣るものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
実施例2の紡糸速度を4200m/分から5500m/分とし、延伸倍率を調整した以外は、実施例1と同様に行い、固有粘度が0.65、繊度が1110dtex、強度が8.8cN/dtex、伸度が8%の力学特性を有したポリエステル繊維を得た。このものの末端カルボキシル基量(内部)は17当量/tonであり、融点が278℃で、表面エポキシ基量は0.1×10−3当量/kgであった。
さらに実施例1と同様に撚糸・接着処理し、強力が145N、伸度が10%、44N時の荷伸が2.2%、180℃乾収が3.4%のポリエステル繊維コードを得た。得られたコードは耐熱強力維持率・動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に優れたものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
比較例1と同様の低カルボキシル基末端を有するポリエチレンナフタレートチップを用い、物性を揃えるために延伸条件を微調整し、エポキシ化合物を付与せず、紡糸油剤からもアミン成分を抜いた非アミン系の紡糸油剤を用いた以外は、実施例3同様のポリエステル繊維を準備した。実施例3に比べ、耐熱強力維持率や動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に劣るものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
2 ゴム付布
3 心線
4 接着ゴム層
5 圧縮ゴム層
6 短繊維
7 リブ
8 Vリブドベルト
9、10 プーリー
Claims (10)
- ポリエステル繊維を含有するゴム補強用繊維コードであって、該ポリエステル繊維がエチレン−2,6−ナフタレートを主たる繰り返し単位とし、繊維を構成する分子の末端カルボキシル基量が16〜25当量/tonであり、繊維表面における末端カルボキシル基量が10当量/ton以下であることを特徴とするゴム補強用繊維コード。
- 該ポリエステル繊維の表面に、エポキシ基を有する表面処理剤とアルカリ性硬化触媒が付着している請求項1記載のゴム補強用繊維コード。
- 繊維の融点が275〜310℃である請求項1または2記載のゴム補強用繊維コード。
- 繊維の強度が7.0〜9.8cN/dtexである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
- 繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が100〜1200nm3であり、結晶化度が30〜60%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
- 繊維のX線広角回折の最大ピーク回折角が14〜28度である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
- 繊維表面のエポキシ指数が1.0×10−3当量/kg以下である請求項1〜6のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
- 請求項1から7のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コードを用いたゴム・繊維複合体。
- 請求項1から7のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コードを用いたゴムホース。
- 請求項1から7のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コードを用いたゴムベルト。
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