JP2013204165A - ゴム補強用繊維コード及びそれを用いてなるゴム・繊維複合体 - Google Patents

ゴム補強用繊維コード及びそれを用いてなるゴム・繊維複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムとの接着性に優れ、かつ特に動的疲労後の耐久性に極めて優れたゴム補強用繊維およびそれを用いてなるゴム・繊維複合材料を提供すること。
【解決手段】ポリエステル繊維を含有し、該ポリエステル繊維がエチレン−2,6−ナフタレートを主たる繰り返し単位とし、繊維を構成する分子の末端カルボキシル基量が15当量/ton以上であり、繊維表面ににおける末端カルボキシル基量が10当量/ton以下であるゴム補強用繊維コード。さらには、ポリエステル繊維の表面に、エポキシ基を有する表面処理剤が付着していることや、繊維の融点が275〜310℃であること、繊維の強度が7.0〜9.8cN/dtexであることが好ましい。また、繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が100〜1200nmであり結晶化度が30〜60%であることや、繊維のX線広角回折の最大ピーク回折角が14〜28度であること、繊維表面のエポキシ指数が1.0×10−3当量/kg以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレンナフタレート繊維を含有するゴム補強用繊維コードに関し、さらに詳しくは高温動的疲労後においても高い耐久性を維持するゴム補強用繊維コード及びそれを用いてなるゴム・繊維複合体に関する。
タイヤコード、ベルト、ホースなどのゴム・繊維複合体用の補強繊維コードとしては、ポリエチレンテレフタレート繊維が広く汎用されている。しかし、このポリエチレンテレフタレート繊維はゴム中に封入され高温に曝された場合、ゴム中の水分により加水分解を受け、強度低下が起こるために、ゴム中の耐久性の面からは十分とはいえない。
そのため耐加水分解性に優れるポリエチレンナフタレート繊維をゴム補強用繊維コードに用いることが行われている。しかし単純にポリエチレンナフタレート繊維に置き換えた場合、確かにポリエチレンナフタレート繊維よりは耐加水分解性は向上するが、まだその性能は十分ではなかった。
例えば特許文献1では、末端カルボキシル基量の高いとするポリエチレンナフタレート繊維が開示されているが、ポリエステル成分にモノカルボジイミドを共重合しており、物性面において劣るものであった。
また、ポリエチレンナフタレート繊維は、極性が低い分子構造からなるために、汎用のポリエステル繊維と同様に、ゴムとの接着性について基本的に問題を有している。ポリエステル繊維とゴムとの接着剤としては、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)系接着剤を汎用的に用い、さらにその改良が検討されているものの、いずれの方法によっても、特にベルト等に要求されるゴム中での高温動的疲労後の接着性において、いまだ不満足な性能であるという問題が有った。
特開平5−163612号公報
本発明はゴムとの接着性に優れ、かつ特に動的疲労後の耐久性に極めて優れたゴム補強用繊維およびそれを用いてなるゴム・繊維複合材料を提供することにある。
本発明のゴム補強用繊維コードは、ポリエステル繊維を含有するゴム補強用繊維コードであって、該ポリエステル繊維がエチレン−2,6−ナフタレートを主たる繰り返し単位とし、繊維を構成する分子の末端カルボキシル基量が15当量/ton以上であり、繊維表面ににおける末端カルボキシル基量が10当量/ton以下であることを特徴とする。
さらには、該ポリエステル繊維の表面に、エポキシ基を有する表面処理剤が付着していることや、繊維の融点が275〜310℃であること、繊維の強度が7.0〜9.8cN/dtexであることが好ましい。また、繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が100〜1200nmであり結晶化度が30〜60%であることや、繊維のX線広角回折の最大ピーク回折角が14〜28度であること、繊維表面のエポキシ指数が1.0×10−3当量/kg以下であることが好ましい。
また別の本発明は、上記の本発明のゴム補強用繊維コードを用いたゴム・繊維複合体や、ゴムホース、ゴムベルトである。
本発明によれば、ゴムとの接着性に優れ、かつ特に動的疲労後の耐久性に極めて優れたゴム補強用繊維およびそれを用いてなるゴム・繊維複合材料が提供される。
本発明のコードを心線として用いたベルトの一実施態様を示す断面図。 本発明のコードを心線として用いたベルトの他の例を示す断面図。 ベルト張力維持率の測定方法を示す模式図。
本発明のゴム補強用繊維コードは、ポリエステル繊維を含有するものであり、該ポリエステル繊維が、エチレンナフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる繊維である。このポリエチレンナフタレートとしては、エチレン−2,6−ナフタレートであることが好ましい。そしてこのポリエステルの主たる繰返し単位の含有量としては、ポリエチレンナフタレートを構成する全ジカルボン酸成分に対して、その繰り返し単位が80モル%以上含有されていることが好ましい。特には90モル%以上含むポリエステルであることが好ましく、強力維持率の点からは共重合成分を含まないホモポリマーであることがもっとも好ましい。
また本発明のゴム補強用繊維コードとしては、その繊維を構成する分子の末端カルボキシル基量が15当量/ton以上であり、繊維表面における末端カルボキシル基量が10当量/ton以下であることが必須である。さらには、その繊維を構成する分子の末端カルボキシル基量(内部)は16〜25当量/tonの範囲であることが好ましい。また繊維表面における末端カルボキシル基量は3〜9当量/tonの範囲であることが好ましい。またこれらの繊維中の末端カルボキシル基量と繊維表面の末端カルボキシル基量の差は5〜15当量/tonであることが好ましく、特には7〜13当量/tonであることが好ましい。
本発明者らは、ゴム補強用のポリエチレンナフタレートにおいてはその繊維の表面に存在する分子末端のカルボキシ基量の存在がその耐久性に大きな影響を与えるのに対し、繊維内部に存在する分子の末端カルボキシル基量は従来の通説とは異なり、その補強繊維のゴム中耐久性への悪影響は少なく、逆にゴムのような伸縮の大きな材料中の補強繊維としては、末端カルボキシ基量が一定量以上必要であることを見出したのである。このようにカルボキシ基量を多くすることにより繊維と表面処理剤との接着強度を高め、最終的にはゴム補強用繊維として最適な物性となることを見出したのである。
さらには本発明のゴム補強用繊維コードとしては、そのポリエステル繊維の表面に、エポキシ基を有する表面処理剤が付着していることが好ましい。特にはポリエステル繊維を構成する分子の内部末端カルボキシル基量が元々15当量/ton以上あり、その繊維表面にエポキシ基を有する表面処理剤が付着することにより、繊維表面の末端カルボキシル基量が10当量/ton以下となっていることが好ましい。このようにポリマー中のカルボキシル基が繊維表面においてエポキシ基と反応することにより、本発明のゴム補強用ポリエステル繊維コードは極めて優れた接着性能を有することができる。このとき繊維表面の末端カルボキシル基量が多く残存し過ぎる場合には、耐熱性や接着性が低下する傾向にある。
本発明のゴム補強用繊維コードの表面にエポキシ基を有する表面処理剤が付着している場合、表面処理剤としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物の一種又は二種以上の混合物であるエポキシ化合物を含有することが好ましい。より具体的にはハロゲン含有のエポキシ類が好ましく、例えばエピクロルヒドリン多価アルコール又は多価フェノールとの合成によって得られるものを挙げることができ、グリセロールポリグリシジルエーテルやポリグリセロールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどの化合物が好ましい。このようなエポキシ化合物を含む表面処理剤の繊維表面への付着量としては、0.05〜1.5重量%であることが好ましく、さらには0.10〜1.0重量%であることが好ましい。また表面処理剤には平滑剤、乳化剤、帯電防止剤やその他添加剤等を必要に応じて混合しても良い。
エポキシ基を有する表面処理剤が本発明のゴム補強用コードに付着している場合、その繊維表面におけるエポキシ指数としては、1.0×10−3当量/kg以下であることが好ましい。さらには表面処理ポリエステル繊維1kgあたりのエポキシ指数が0.01×10−3〜0.5×10−3当量/kgであることが好ましい。繊維表面のエポキシ指数が高すぎる場合には、未反応のエポキシ化合物が多くなる傾向にあり、たとえば撚糸工程で粘性を帯びたスカムがガイド類に大量に発生するなど、繊維の工程通過性が低下するとともに、撚糸斑等の製品品位の低下を招く問題が発生する傾向にある。
さらには、エポキシ基を有する表面処理剤が付着した本発明のゴム補強用繊維コードには、さらにアルカリ性硬化触媒がその繊維表面に付着していることが好ましい。ここでアルカリ性硬化触媒としては、先に述べたエポキシ化合物を硬化させるエポキシ硬化剤であることが好ましい。このようなアルカリ性硬化触媒としては、アミン化合物を挙げることができ、中でも脂肪族アミン化合物であることが好ましい。さらに好ましくは炭素数4〜22の脂肪族アミンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが2〜20モル付加したアミン化合物であることが好ましい。
さて本発明のゴム補強用繊維コードはポリエステル繊維を含有するものであるが、ここでポリエステル繊維の固有粘度としては0.50〜1.10の範囲であることが好ましい。さらには0.6〜1.05の範囲が、特には0.65〜0.95の範囲であることが好ましい。本発明に用いるポリエチレンナフタレート繊維においては、固有粘度が低すぎると繊維強度が低下する傾向に有り、特にゴム・繊維複合体では必須のゴム加硫工程における強力低下が大きくなる傾向にある。
さらに本発明で用いられるポリエステル繊維としては、融点が275〜310℃であることが好ましい。融点が低すぎる場合には、ゴム加硫工程等における強力低下や、繊維コードの機械特性が温度上昇により劣化する傾向にある。
また、本発明にて用いられるポリエステル繊維の強度が7.0〜9.8cN/dtexであることが好ましい。繊維強度が低い場合には、ゴム補強として十分な補強効果を得られない傾向にある。
本発明に用いられるポリエステル繊維はポリエチレンナフタレート繊維であって、X線広角回折より得られる結晶体積が100〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であることが好ましい。さらには結晶体積が250nm以上、特には550nm以上の範囲であることが好ましい。結晶体積が大きい場合には融点が高く耐熱性に優れ、耐疲労性も良好な繊維となる。また結晶化度としては35〜55%であることが好ましい。
ここで本願の結晶体積とは、繊維の広角X線回折において、回折角が15〜16度、23〜25度、25.5〜27度の回折ピークから得られる結晶サイズの積である。ちなみにこのそれぞれの回折角はポリエチレンナフタレート繊維の結晶面(010)、(100)、(1−10)における面反射によるものであり、理論的には各ブラッグ反射角2θに対応するものであるが、全体の結晶構造の変化により若干シフトしたピークを有するものである。また、このような結晶構造はポリエチレンナフタレート繊維に特有のものである。例えば同じポリエステル繊維ではあっても、ポリエチレンテレフタレート繊維には存在しない。
このような本発明にて用いられるポリエチレンナフタレート繊維はX線広角回折の最大ピークが14〜28度の範囲にあるものであるが、さらには、耐熱性が高い繊維とするためには最大ピークが25.5〜27.0度の(1−10)面の結晶が大きく成長したものであることが好ましく、寸法安定性と高強力を高いバランスで両立させるためには23.0〜25.0度の(100)面の結晶が大きく成長したものであることが好ましい。
また、繊維が高い結晶化度であることにより、高い引張強度や高モジュラスを実現することが容易になる。本願の結晶化度(Xc)とは、比重(ρ)とポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度(ρa)と完全結晶密度(ρc)とから下記の数式(1)により求めた値である。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 数式(1)
式中
ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)
結晶化度を高めるためには、結晶体積を大きくするのと同じく、紡糸ドラフト比や延伸倍率等を高め、繊維を高倍率に引き伸ばすことによって得ることができる。
また紡糸前のポリマーの段階で、均一な結晶構造を形成させることが重要であり、たとえば特有のリン化合物をポリマーに含有させることによってそのような均一な結晶構造を実現させることが可能となる。このようなリン化合物としてはフェニルホスホン酸およびその誘導体であることが好ましく、特にフェニルホスホン酸は水酸基を有するため、そうでは無いフェニルホスホン酸ジメチルなどのアルキルエステルに比べて沸点が高く、真空下で飛散しにくいというメリットもある。
これら特有のリン化合物を溶融ポリマー中に直接添加することにより、ポリエチレンナフタレートの結晶性が向上し、その後の製造条件の下で結晶化度と、結晶体積のバランスの取れたポリエチレンナフタレート繊維を得ることができる。これはこの特有のリン化合物が、紡糸及び延伸工程で生じる粗大な結晶成長を抑制し結晶を微分散化させる効果であると考えられる。また従来ポリエチレンナフタレート繊維を高速紡糸することは非常に困難であったが、これらのリン化合物が添加されることにより、紡糸安定性が飛躍的に向上し、かつ断糸が起きない点から実用的な延伸倍率を高めることによって繊維を高強度化することができるようになった。
またこのようなリン化合物は、金属と共に用いることが好ましく、例えば二価金属とともに用いることが好ましい。さらにはリン化合物と共に、周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素が溶融ポリマー中に添加されていることが好ましい。特には繊維に含まれる金属元素が、Zn、Mn、Co、Mgの群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。中でも2価金属であることが好ましい。このような金属成分とリン化合物をポリマー中に含有することにより、均一なポリマー構造を実現させることが可能となるのである。
本発明に用いられるポリエステル繊維の単糸繊度には特に限定は無いが、製糸性の観点から0.1〜100dtex/フィラメントであることが好ましい。特にホース、ベルト等のゴム補強用繊維や、産業資材用繊維としては、強力、耐熱性や接着性の観点から、1〜20dtex/フィラメントであることが好ましい。
本発明のゴム補強用繊維コードの総繊度に関しては特に制限は無いが、10〜10,000dtexが好ましく、特にホース、ベルト等のゴム補強用繊維や、産業資材用繊維としては、250〜6,000dtexであることが好ましい。また総繊度としては例えば1,000dtexの繊維を2本合糸して総繊度2,000dtexとするように、紡糸、延伸の途中、あるいはそれぞれの終了後に2〜10本の合糸を行うことも好ましい。
このような本発明のゴム補強用繊維コードは、例えば以下の製造方法にて得ることが出来る。
本発明のゴム補強用繊維コードに用いられるポリエステル繊維は、エチレンナフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルポリマーを溶融紡糸することにより得ることが出来る。このポリエステルの主たる繰返し単位の含有量としては、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分に対して、その繰り返し単位が80モル%以上含有されていることが好ましい。特には90モル%以上含むポリエステルであることが好ましい。またポリエステルポリマー中に少量であれば、適当な第3成分を含む共重合体であっても差し支えない。
繊維の固有粘度としては0.60以上であることが好ましいが、そのためには、ポリマー段階での固有粘度は、生チップを固相重合するなどの手法により高め、紡糸前には0.65以上とすることが好ましく、さらには0.67〜1.0の範囲にすることが、特には0.70〜0.80の範囲にすることが好ましい。原糸中の末端カルボキシル基量を15当量/ton以上とするためには、ポリマー段階でも15〜30当量/ton、さらには16〜25当量/トン、特には18〜23当量/トンの範囲のポリエステルポリマーを用いることが好ましい。このように原糸中の末端カルボキシル基量を増加させるためには、生チップでの固有粘度を必要最小限に抑えたり、固相重合時の重合時間を短くするなどの方法や、紡糸時の溶融温度を高めるなどの方法を採用することが好ましい。
本発明に用いられるポリエステル繊維を得るための延伸方法としては、引取りローラーから一旦巻取って、いわゆる別延伸法で延伸してもよいが、引取りローラーから連続的に延伸工程に未延伸糸を供給する、いわゆる直接延伸法で延伸することが生産性の面からも好ましい。また延伸条件としては1段でも良いが多段延伸であることが好ましく、延伸負荷率としては60〜95%であることが好ましい。延伸負荷率とは繊維が実際に断糸する張力に対する、延伸を行う際の張力の比である。
このように高速にて紡糸する場合、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度以上の加熱紡糸筒を通過することが好ましい。加熱紡糸筒の長さとしては10〜500mmであることが好ましい。紡糸口金から吐出された直後のポリマーはすぐに配向しやすく、単糸切れを発生しやすいため、このように加熱紡糸筒をもちいて遅延冷却させることが好ましい。加熱紡糸筒を通過した紡出糸条は、次いで30℃以下の冷風を吹き付けて冷却することが好ましい。さらには25℃以下の冷風であることが好ましい。
本発明のゴム補強用繊維コードに用いられるポリエステル繊維は、好ましくはその繊維表面にエポキシ基を有する表面処理剤が付着している。ここでエポキシ基を有する表面処理剤とは、エポキシ化合物を含有するものであり、そのエポキシ化合物としては、例えば1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物の一種又は二種以上の混合物であることが好ましい。より具体的にはハロゲン含有のエポキシ類が好ましく、例えばエピクロルヒドリン多価アルコール又は多価フェノールとの合成によって得られるものを挙げることができ、グリセロールポリグリシジルエーテルやポリグリセロールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどの化合物が好ましい。このようなエポキシ基を有する表面処理剤の繊維表面への付着量としては、0.05〜1.5重量%、好ましくは0.10〜1.0重量%であることが好ましい。この表面処理剤には平滑剤、乳化剤、帯電防止剤やその他添加剤等を必要に応じて混合したものであることも好ましい。
また、表面処理剤中のエポキシは先に表面にて硬化させることが好ましく、そのためには表面処理剤を塗布する前の紡糸段階等にて、アルカリ性硬化触媒などをあらかじめ繊維表面に塗布し、その後エポキシ基を有する表面処理剤を塗布した後に熟成処理することが好ましい。
ここで用いるアルカリ性硬化触媒としては、特にはアミン化合物であることが好ましい。より具体的には、例えば脂肪族アミン化合物等の、さらに好ましくは炭素数4〜22の脂肪族アミンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが2〜20モル付加したアミン化合物が最適である。硬化触媒の付与量としては、0.10〜2.0重量%が好ましく、さらには0.30〜1.0重量%であることが好ましい。
本発明のゴム補強用繊維コード用のポリエステル繊維は、上記のような製造方法にて得られたものであるが、さらにはゴム補強用繊維コードとするためには、このポリエステル繊維をマルチフィラメントとし、撚りを掛けてコードの形態とすることが好ましい。このようなゴム補強用繊維コードは、マルチフィラメント繊維に撚りを掛けることにより、強力利用率が平均化し、そのゴム中疲労性が向上する。撚り数としては50〜1000回/mの範囲であることが好ましく、下撚りと上撚りを行い合糸したコードであることも好ましい。合糸する前の糸条を構成するフィラメント数は50〜3000本であることが好ましい。このようなマルチフィラメントとすることにより耐疲労性や柔軟性がより向上する。繊度が小さすぎる場合には強度が不足する傾向にある。逆に繊度が大きすぎる場合には太くなりすぎて柔軟性が得られない問題や、紡糸時に単糸間の膠着が起こりやすく安定した繊維の製造が困難となる傾向にある。
さらに、本発明のゴム補強用繊維コードは、その表面に繊維・ゴム用のRFL(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)系接着剤を付与したものであることが好ましい。接着処理した本発明のゴム補強用ポリエステル繊維は、未加硫ゴムに埋め込み加硫することによって、繊維・ゴム複合体とすることができ、ゴム資材に最適に使用することができる。
本発明のゴム補強用コードの効果的な用途としては、ゴム資材、中でもホースやベルトに最適である。
本発明のゴム補強用繊維コードは、ベルトとしても最適であり、本発明のゴム補強用繊維コードを用いたベルトは物性的にも優れたものとなる。より具体的には、上記のゴム補強用繊維コードと、ゴムまたは樹脂から構成されるベルトである。
例えば本発明のゴム補強繊維コードをゴムベルトに用いる場合には、総繊度としては、10〜10,000dtexが好ましく、特に特にVベルトやコンベアベルト等の補強用繊維としては、250〜6,000dtexであることが好ましい。また総繊度としては例えば1,000dtexの繊維を2本合糸して総繊度2,000dtexとするように、紡糸、延伸の途中、あるいはそれぞれの終了後に2〜10本の合糸を行うことも好ましい。
さらに、撚りを掛けてコードの形態として利用する場合、撚り数としては50〜1000回/mの範囲であることが好ましく、撚係数としては、K=T・D1/2(Tは10cm当たりの撚数、Dは撚糸コードの繊度)が990〜2,500で有ることが好ましい。
また、下撚りと上撚りを行い合糸したコードであることも好ましく、合糸する前の糸条を構成するフィラメント数は50〜3000本であることが好ましい。このようなマルチフィラメントとすることにより耐疲労性や柔軟性がより向上する。ただし繊度が小さすぎる場合には強度が不足する傾向にある。逆に繊度が大きすぎる場合には太くなりすぎて柔軟性が得られない問題や、紡糸時に単糸間の膠着が起こりやすく安定した繊維の製造が困難となる傾向にある。
また、本発明のゴム補強用繊維コードを経糸として用いて織物のベルト補強用繊維材料とすることも好ましい態様である。
本発明のゴム補強用繊維コードを織物として用いる場合には、上記のようなポリエステル繊維に撚糸を施し、これを経糸として1000〜1500本並べ、これらにポリアミド繊維やポリビニルアルコール繊維などの合成繊維の無撚糸、又は撚係数5000以下の撚糸を緯糸として配しつつ、製織したベルト補強用繊維材料とすることも好ましい。
上記織物をベルト補強用繊維材料としたときの織組織は特に限定するものではない。しかし、綾組織または朱子組織であることが、一定伸長時の強力が高められ、ベルトの基布として使用する際に少ないストレッチで高い張力を発生することができる上、ベルト走行時の騒音の発生を軽減させることができるため特に好ましく、コンベアベルト等のベルトに好適に用いられる。
さらにはこれらのベルト補強用繊維材料となる繊維コードや織物は、その表面に接着剤を付与したものであることが好ましい。例えばゴム補強用途にはRFL系接着処理剤を処理することが最適である。
そして本発明のゴム補強用繊維コードと、ゴムまたは樹脂等のマトリックスから構成される成形体は、ベルトとして最適なものとなる。
本発明のゴム補強用繊維コードを構成するポリエステル繊維は、高モジュラス、低収縮率の物性を保ちながら、ポリマー中のカルボキシル基末端と表面処理剤中のエポキシ基が反応し、高い接着性を有している。また固有粘度が高く、耐久性に優れた繊維であり、その繊維表面におけるエポキシ基とカルボキシル基末端による表面保護効果との相乗効果により、マトリックス中での接着耐久性にも極めて優れる。そのためこのようなポリエステル繊維を含有する本発明のゴム補強用繊維コードは、マトリックス中にて屈曲疲労をさせた後にもそのマトリックスとの接着性や耐疲労性を高いレベルを保つことができ、高温動的疲労後の接着性に極めて優れたベルト補強用繊維材料に適したゴム補強用繊維コードである。特にVベルト等の屈曲や高速回転等の運動を伴う繊維・マトリックス複合体として、高負荷の動的歪がかけられた状態であっても高い耐疲労性を確保しながら、高モジュラス・低収縮率であるためのメンテナンスフリー性なども併せ持ち、高いレベルにて各種要求特性を満たすことが出来たのである。
このような本発明の繊維コードは、Vベルトなどの動力伝達ベルトの心線として最適に用いられる。図1及び図2はその代表的な使用例を例示したものである。図1は得られたVベルト1の縦断面図を示す。該Vベルトとしては天然繊維または合成繊維糸で製織されたゴム付布2がベルトの上表面または下表面のみに存在するタイプのベルトであっても良い。本発明の繊維コードからなる心線3は、圧縮ゴム層5に隣接する接着ゴム層4に埋設されている。圧縮ゴム層5にはベルト幅方向に短繊維6が混入されている。
また本発明の繊維コードの使用例は、図1のようなタイプのVベルトに限定されることはなく、ゴム付布2がベルトの全周を被覆したラップドタイプのVベルトの心線として使用されても良く、また、図2に示されるように上記圧縮ゴム層5にあってベルト長手方向に複数のリブ7を有するVリブドベルト8の心線として使用されても良い。
本発明のゴム補強用繊維コードは、ホースとしても最適であり、本発明のゴム補強用繊維コードを用いたホースは物性的にも優れたものとなる。より具体的には、上記のゴム補強用繊維コードと、ゴムまたは樹脂から構成されるホースである。
このようなホースは、上記のようにして得られた本発明のゴム補強用繊維コードを、例えばゴムホースであれば、次のように用いることにより製造することができる。まず、チューブゴムよりなる内層の上にブレーダーにより所定密度になるよう、得られた繊維コードを所定の角度を付けて配設する。次いで、この上に層間ゴムシートを配した後、再度繊維コードをブレーダーにより配設し、これを所定回数行う。最後に外側補強繊維を保護するためのカバーゴムからなる外層を配設した後、これを例えば蒸気加硫釜中で蒸気加硫してゴムホースとなす。さらには、上記繊維コードの配設はスパイラル構造とすることが好ましい。
得られた本発明のホースは、その補強用繊維の物性により、強度と寸法安定性に優れ、高温動的疲労性に優れたホースとなる。
本発明のゴム補強用繊維コードは、高モジュラス、低収縮率の物性を保ちながら、ポリマー中のカルボキシル基末端と表面処理剤中のエポキシ基が反応し、高い接着性を有している。また耐久性に優れた繊維であり、その繊維表面におけるエポキシ基とカルボキシル基末端による表面保護効果との相乗効果により、ゴム中での接着耐久性に極めて優れた繊維となった。そのため特に本発明のゴム補強用繊維コードは、ゴム中にて屈曲疲労をさせた後にもそのゴムとの接着性や耐疲労性を高いレベルを保つことができ、高温動的疲労後の接着性に極めて優れたゴム補強用に最適なポリエステル繊維コードとなった。特にVベルト等の屈曲や高速回転等の運動を伴う繊維・ゴム複合体として、高負荷の動的歪がかけられた状態であっても高い耐疲労性を確保しながら、高モジュラス・低収縮率であるためのメンテナンスフリー性なども併せ持ち、高いレベルにて各種要求特性を満たすことが出来たのである。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
(1)固有粘度:
チップまたは繊維をフェノールとオルトジクロロベンゼンとの混合溶媒(容量比6:4)に溶解し、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定して求めた。IVと表記した。
(2)末端カルボキシル基量(分子)
粉砕機を用いて粉末状にしたポリエチレンナフタレートサンプル40.00グラムおよびベンジルアルコール100mlをフラスコに加え、窒素気流下で215±1℃の条件下、4分間にてポリエチレンナフタレートサンプルをベンジルアルコールに溶解させた。溶解後、室温にまでサンプル溶液を冷却させた後、フェノールレッドのベンジルアルコール0.1質量%溶液を適量添加し、N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液によって、速やかに滴定し、変色が起こるまでの滴下量をAmlとした。ブランクとして100mlのベンジルアルコールにフェノールレッドのベンジルアルコール0.1質量%を同量添加し、N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液によって、速やかに滴定し、変色が起こるまでの滴下量をBmlとした。それらの値から下記式によってポリエチレンナフタレートサンプル中の末端COOH基含有量(末端カルボキシル基量)を計算した。
末端COOH基含有量(当量/ton)=(A−B)×10×N×10/40
数式(2)
なお、ここで使用したベンジルアルコールは試薬特級グレードの物を蒸留し、遮光瓶に保管したものを利用した。N規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液は、定法により事前に濃度既知の硫酸溶液によって滴定し、規定度Nを正確に求めたものを使用した。
(3)繊維表面末端カルボキシル基量
JIS K0070−3.1項 中和滴定法に準じて繊維表面のカルボキシル基量(酸価)を求めた。すなわち、繊維試料約5gにジエチルエーテル/エタノール=1/1溶液50mlを加え、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴添加し、室温で15分間超音波振とうした。この溶液に0.1ml水酸化カリウムエタノール溶液(ファクター値f=1.030)で滴定し、指示薬のうすい紅色が30秒間続いたときを終点として指示薬滴下量を測定し、以下の式から酸価を算出した。
酸価A(当量/ton)=(B×1.030×100)/S 数式(3)
[ここで、Bは0.1ml水酸化カリウムエタノール溶液滴定量(ml)、Sは試料量(g)を表す。]
(4)比重、結晶化度
比重は四塩化炭素/n−ヘプタン密度勾配管を用い、25℃で測定した。得られた比重から下記の数式(4)より結晶化度を求めた。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 数式(4)
式中 ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)
(5)結晶体積、最大ピーク回折角
繊維の結晶体積、最大ピーク回折角はBruker社製D8 DISCOVER with GADDS Super Speedを用いて広角X線回折法により求めた。
結晶体積は、繊維の広角X線回折において2Θがそれぞれ15〜16°、23〜25°、25.5〜27°に現れる回折ピーク強度の半価幅より、それぞれの結晶サイズをフェラーの式、
D=(0.94×λ×180)/(π×(B−1)×cosΘ) 数式(5)
(ここで、Dは結晶サイズ、Bは回折ピーク強度の半価幅、Θは回折角、λはX線の波長(0.154178nm=1.54178オングストローム)を表す。)
より算出し、下式により結晶1ユニットあたりの結晶体積とした。
結晶体積(nm)=結晶サイズ(2Θ=15〜16°)×結晶サイズ(2Θ=23〜25°)×結晶サイズ(2Θ=25.5〜27°) 数式(6)
最大ピーク回折角は、広角X線回折において強度が最も大きいピークの回折角を求めた。
(6)融点Tm
TAインスツルメンツ社製Q10型示差走査熱量計を用い、試料量10mgの繊維を窒素気流下、20℃/分の昇温条件で320℃まで加熱して現れた吸熱ピークの温度を融点Tmとした。
(7)エポキシ指数(EI)
加温処理後の該ポリエチレンナフタレート繊維をJIS K−7236に従ってエポキシ指数(EI:繊維1kgあたりのエポキシ当量数)を測定した。
(8)繊維の強伸度及び中間荷伸
引張荷重測定器((株)島津製作所製オートグラフ)を用い、JIS L−1013に従って測定した。尚、中間荷重伸度伸は繊維の場合、強度4cN/dtex時の伸度を、コードの場合には44N時の伸度である。
(9)乾熱収縮率
JIS−L1013に従い、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置後、無荷重状態で、乾燥機内で180℃×30min熱処理し、熱処理前後の試長差より算出した。
(10)処理コードの作成
繊維に490回/mのZ撚を与えた後、これを2本合わせて490回/mのS撚を与えて、1100dtex×2本の生コードとした。この生コードを接着剤(RFL)液に浸漬し、240℃で2分間緊張熱処理した。
(11)耐熱強力維持率
ポリエチレンナフタレート繊維2本を、上撚490回/m、下撚490回/mを掛けたものを生コードとして、その生コードをRFL接着剤に付漬し、張力下で240℃で2分間処理した処理コードの強力を測定したものを強力Aとする。その後、処理コードを加硫モールド中に埋め込み、80℃で120分、促進加硫した処理コードを抜き出し、強力を測定したものを強力Bとし、強力維持率をB/A(%)の式でもとめた。
(12)初期剥離接着力
処理コードとゴムとの接着力を示すものである。コードを36本/2.54cm(inch)で引きそろえ、0.5mm厚の天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫ゴムシートで挟みつける。これらのシートを、直行するように重ねあわせ、150℃の温度で、30分間、50kg/cmのプレス圧力で加硫し、次いで、コード方向に沿って短冊状に切り出す。作成したサンプルの短冊に沿った方のシートをゴムシート面に対し90度の方向へ200mm/分の速度で剥離するのに要した力をN/2.54cm(inch)で示したものである。なおこの初期剥離接着力は室温にて測定したものである。
(13)動的疲労後のゴムとの接着性能評価(シューシャイン測定(1)(2))
2.5mm厚のSBR/NR系ゴムを挟んで、得られたコードを26本/2.54cm(inch)の密度で互いに平行に並べた2層のプライを作成し、さらに各プライ層の外側を1.5mm厚のSBR/NR系ゴムでカバーしたのち、温度150℃で30分間、90kg/cmの条件で加硫して、長さ500mm、幅5mm、厚み5.5mmのベルトを作成した。
次いで、このベルトを50kg/2.54cm(inch)の荷重を印加して直径50mmのプーリーに取付け、温度100℃にて5時間にわたり30,000サイクルの繰返し伸張圧縮疲労を加えた。伸張圧縮疲労後のベルトのプライ間を300mm/分の速度で剥離し、得られる平均剥離接着力(N/2.54cm(inch))を高温動的疲労後の接着力として求めた。
また上記のベルトに代えて、ポリエステル繊維を心線としたVベルト及び基布補強ベルトを用いて上記と同じ評価をしたものをシューシャイン測定(2)とした。
この評価方法は、動的たわみ試験であり、いわゆるシューシャイン試験と呼ばれている評価方法である。
(14)Vベルト張力維持率
図3に示すように、直径100mmのプーリー9、10間にVベルトを架設し、初期の取り付け張力を900Nとし、走行中のプーリー回転数を3600r.p.m.として室温にて走行試験を行った。そして、4時間走行後ストップさせ、更に24時間放冷させた後のベルト張力を測定して、初期の取り付け張力に対する張力維持率を測定した。
(15)Vベルト寸法変化率
加硫直後のベルト外周長と、30日経時後のVベルト外周長との差を、加硫直後のベルト外周長で除してベルトの寸法変化率を算出した。
(16)基布補強ベルトの寸法変化率
加硫直後のベルト外周長と、30日経時後のベルト外周長との差を、加硫直後のベルト外周長で除してベルトの寸法変化率を算出した。
(17)ホース疲労性
ホース内の圧力が3.5kg/cmなるよう圧力を加え、85°に屈曲させた状態で、850rpmの回転数で29分毎に回転方向を変え、ホースが破裂するまでの時間を計測した。
[実施例1]
(繊維コード)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール50重量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.0056重量部を攪拌機、蒸留搭及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行い、引き続いてエステル交換反応が終わる前にフェニルホスホン酸(PPA)を0.03重量部(50ミリモル%)を添加した。その後、反応生成物に三酸化二アンチモン0.024重量部を添加して、攪拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、305℃まで昇温させ、30Pa以下の高真空下で縮合重合反応を行い、常法に従ってチップ化して極限粘度0.62のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。このチップを65Paの真空度下、120℃で2時間予備乾燥した後、同真空下240℃で10〜13時間固相重合を行い、極限粘度0.71のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。
この高カルボキシル基末端を有するポリエチレンナフタレートチップを用い、溶融紡糸法により高速紡糸、多段延伸し、表面にエポキシ処理することにより、ポリエステル繊維を準備した。
このとき紡糸油剤としては、グリセリントリオレート65部、POE(10)ラウリルアミノエーテル12部、POE(20)硬化ヒマシ油エーテル8部、POE(20)硬化ヒマシ油トリオレート12部、POE(8)オレイルホスフェートNa2部、酸化防止剤1部からなる油剤組成分10部を50℃に加温したものを用意した。
また、仕上油剤としては、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製「デナコールEX−512」)60部、ジイソオクチルアゼレート30部、POE(8)硬化ヒマシ油エーテル8部、ジイソオクチルスルホサクシネートNa2部からなる油剤組成分45部を40℃に加温した後、40℃に加温した軟化水55部にゆっくり添加しながら攪拌したのち、18℃に冷却したものを用意した。
そして上記ポリエチレンナフタレートチップを305℃の溶融温度で紡糸することにより、紡糸口金より紡出され、475m/分で引き取られた未延伸糸には、上記の紡糸油剤を繊維100部に対して油剤付着分0.4部となるように付与した後、ローラーを用い、合計延伸倍率が5.90倍になるように2段延伸し、引き続きローラー間で延伸倍率1.0倍の処理したのち、上記の仕上油剤を繊維100部に対して油剤付着分が0.2重量部(エポキシ化合物成分付着量0.12重量%)となるようにローラー式油剤付与法で付与し、インターレース(IL)ノズルで交絡を付与したのちに2800m/分の速度で各10kgを捲取った。そうして得られた繊維を、30℃の温度下で360時間の熟成処理した。
得られた繊維は、固有粘度が0.65、繊度が1112dtex、強度が8.4cN/dtex、伸度が12%の力学特性を有し、末端カルボキシル基量(内部)は17当量/tonであり、融点が280℃で、表面エポキシ基量は0.1×10−3当量/kgであった。
さらに得られたポリエステル繊維は、490回/mの下撚を掛けた後、これを2本合わせて490回/mの上撚をかけて得られてコードをレゾルシン・ホルマリン・ラテックス接着液(RFL液)を用いて接着処理し、240℃で2分間緊張熱処理して処理コードとした。
得られた、ポリエステル繊維コードの物性は、強力が144N、伸度が10%、44N時の荷伸が2.2%、180℃乾収が4.8%であった。
そのコードを用いて、動的疲労後の接着性(シューシャシンテスト)を実施した結果、動的疲労後のコードの剥離接着力は520N/inchであり、非常に高い接着力を持つものであった。
(ホース)
さらに、上記コードを未加硫ゴムを用いてホース成形し、ついで153℃下で35分間蒸気加硫してゴムホースを得た。得られたポリエステル繊維及び繊維コードの物性と、接着評価、ホース疲労性評価の結果を表1に示す。
(ベルト)
また得られたポリエステル繊維を用い、下撚数200T/m、上撚数120T/mで撚糸して、1100dtex/2/3のコード(ベルト補強用繊維材料)を得た。該コードに、接着処理剤としてエポキシ/イソシアネートを付着せしめた後、160℃にて60秒間、245℃にて80秒間熱処理を実施し、さらにRFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)を付着せしめて、160℃にて60秒間、235℃にて60秒間熱処理を実施した。得られたコードを心線として用いて、図3に示すVベルト1を作成した。得られたベルト用ポリエステル繊維コード物性およびVベルトのベルト張力維持率、ベルト寸法変化率、シューシャイン測定の結果を表2にまとめて示す。
[比較例1]
固有粘度が0.74のポリエチレンナフタレートチップを用い、295℃で溶融紡糸を行い、物性を揃えるために延伸条件を微調整した以外は、実施例1と同様のポリエステル繊維を準備した。
このものの最終繊度は実施例1と同じ1112dtex、固有粘度が0.71のポリエステル繊維であり、それを撚糸した処理コードを得た。実施例1と比較し、繊維の末端カルボキシル基量(内部)が10当量/tonと少ないものの通常の剥離接着力は得られており、耐熱強力維持率も十分なものであった。しかし、動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)においては劣るものであった。
実施例1と同様にホース及びベルトを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に、ベルト用コード及びベルトの評価結果を表2に併せて示す。
[比較例2]
比較例1と異なりエポキシ化合物を付与せず、紡糸油剤からもアミン成分を抜いた非アミン系の紡糸油剤を用いた以外は、比較例1と同様に行った。比較例1と比べ、耐熱強力維持率が低く、動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)はさらに劣るものであった。
実施例1と同様にホース及びベルトを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に、ベルト用コード及びベルトの評価結果を表2に併せて示す。
[実施例2]
実施例1の紡糸速度を475m/分から4000m/分とし、延伸速度を2800から4200m/分とし、延伸倍率を調整した以外は、実施例1と同様に行い、固有粘度が0.65、繊度が1110dtex、強度が7.2cN/dtex、伸度が8%の力学特性を有したポリエステル繊維を得た。このものの末端カルボキシル基量(内部)は17当量/tonであり、融点が296℃で、表面エポキシ基量は0.1×10−3当量/kgであった。
さらに実施例1と同様に撚糸・接着処理し、強力が118N、伸度が7%、44N時の荷伸が2.0%、180℃乾収が2.1%のポリエステル繊維コードを得た。得られたコードは耐熱強力維持率・動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に優れたものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
[比較例3]
比較例1と同様のポリエチレンナフタレートチップを用い、物性を揃えるために延伸条件を微調整し、エポキシ化合物を付与せず、紡糸油剤からもアミン成分を抜いた非アミン系の紡糸油剤を用いた以外は、実施例2同様のポリエステル繊維およびコードを準備した。実施例2に比べ、耐熱強力維持率や動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に劣るものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
[実施例3]
実施例2の紡糸速度を4200m/分から5500m/分とし、延伸倍率を調整した以外は、実施例1と同様に行い、固有粘度が0.65、繊度が1110dtex、強度が8.8cN/dtex、伸度が8%の力学特性を有したポリエステル繊維を得た。このものの末端カルボキシル基量(内部)は17当量/tonであり、融点が278℃で、表面エポキシ基量は0.1×10−3当量/kgであった。
さらに実施例1と同様に撚糸・接着処理し、強力が145N、伸度が10%、44N時の荷伸が2.2%、180℃乾収が3.4%のポリエステル繊維コードを得た。得られたコードは耐熱強力維持率・動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に優れたものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
[比較例4]
比較例1と同様の低カルボキシル基末端を有するポリエチレンナフタレートチップを用い、物性を揃えるために延伸条件を微調整し、エポキシ化合物を付与せず、紡糸油剤からもアミン成分を抜いた非アミン系の紡糸油剤を用いた以外は、実施例3同様のポリエステル繊維を準備した。実施例3に比べ、耐熱強力維持率や動的疲労後の接着性(シューシャイン測定)に劣るものであった。
実施例1と同様にホースを作成し、ポリエステル繊維、コードの物性、及びホース疲労性の評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2013204165
Figure 2013204165
1 Vベルト
2 ゴム付布
3 心線
4 接着ゴム層
5 圧縮ゴム層
6 短繊維
7 リブ
8 Vリブドベルト
9、10 プーリー

Claims (10)

  1. ポリエステル繊維を含有するゴム補強用繊維コードであって、該ポリエステル繊維がエチレン−2,6−ナフタレートを主たる繰り返し単位とし、繊維を構成する分子の末端カルボキシル基量が15当量/ton以上であり、繊維表面ににおける末端カルボキシル基量が10当量/ton以下であることを特徴とするゴム補強用繊維コード。
  2. 該ポリエステル繊維の表面に、エポキシ基を有する表面処理剤が付着している請求項1記載のゴム補強用繊維コード。
  3. 繊維の融点が275〜310℃である請求項1または2記載のゴム補強用繊維コード。
  4. 繊維の強度が7.0〜9.8cN/dtexである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
  5. 繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が100〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
  6. 繊維のX線広角回折の最大ピーク回折角が14〜28度である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
  7. 繊維表面のエポキシ指数が1.0×10−3当量/kg以下である請求項1〜6のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コード。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コードを用いたゴム・繊維複合体。
  9. 請求項1から7のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コードを用いたゴムホース。
  10. 請求項1から7のいずれか1項記載のゴム補強用繊維コードを用いたゴムベルト。
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