JP2011058113A - ベルト補強用繊維材料及びそれを用いてなるベルト - Google Patents

ベルト補強用繊維材料及びそれを用いてなるベルト Download PDF

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Abstract

【課題】耐疲労性及び使用時の静粛性に優れたポリエチレンナフタレート繊維を含有するベルト補強用繊維材料及びそれを用いてなるベルトを提供すること。
【解決手段】ポリエチレンナフタレート繊維を含む繊維から構成されたベルト補強用繊維材料であって、該ポリエチレンナフタレート繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、かつ結晶化度が30〜60%であることを特徴とするベルト補強用繊維材料。さらには、該ポリエチレンナフタレート繊維におけるX線広角回折における最大ピーク回折角が25.5〜27.0であることや、該ポリエチレンナフタレート繊維における窒素気流下10℃/分の降温条件下での発熱ピークのエネルギーΔHcdが15〜50J/gであることが好ましい。また、ベルト補強用繊維材料が、撚糸された繊維コードであることや、ベルト補強用繊維材料が織物であって、経糸がポリエチレンナフタレート繊維からなる糸条であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明はポリエチレンナフタレート繊維を含有するベルト補強用繊維材料に関し、さらに詳しくは耐疲労性及び使用時の静粛性に優れたベルト補強用繊維材料及びそれを用いてなるベルトに関する。
産業資材用のベルトは、一般に弾性体であるゴム又は樹脂と、強度を保持するための補強層から形成されている。そしてこの補強層としては、繊維材料が広く使用されており、中でも物性等の面からポリエステル繊維からなる繊維材料が汎用されてきた。しかし近年、より高強度、高モジュラスの物性を確保するために、汎用のポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維に変えて、より高性能なポリエチレンナフタレート繊維が使用されるようになってきている。
しかし汎用的なポリエチレンテレフタレート繊維と比較する場合、このポリエチレンナフタレート繊維では、高モジュラスというある一面ではベルト補強に適した物性を有するがゆえに、逆に屈曲に弱く耐疲労性に劣り、またベルト走行時の騒音が高くなり勝ちであるという問題があった。
そこで例えばポリエチレンナフタレート繊維にポリエチレンテレフタレート繊維を混撚して心線として用いる補強用繊維コードが開示されている(特許文献1など)。しかし、心線が混繊であるためにモジュラスが高いポリエチレンナフタレート側に応力が集中してしまい、長期運転時の耐久性に課題があった。また、ポリエチレンナフタレート繊維のみからなる補強層に比べ、どうしても長期間運転における張力低下が大きいものであった。
また、ベルト補強層としては繊維を心線として用いる以外にも基布としてベルト補強用繊維材料とする方法が知られている。例えば特許文献2では、経糸にポリエチレンナフタレート繊維を配するベルト補強用基布が開示されている。しかし寸法安定性こそ向上するものの、まだ耐疲労性に課題があり、さらなる寸法安定性と耐疲労性の向上が強く求められていた。
一方このようなベルト補強用繊維材料の物性を向上させる手段の一つとして、補強層に用いられるポリエチレンナフタレート繊維自体の物性を向上させる方法がある。例えばポリマー自体の耐熱性や融点を高めることにより繊維の寸法安定性を高める方法や、高強力化により繊維の高モジュラス化を図る方法である。
しかし融点が高い場合には強度が低く、強度を高くした場合には融点が低くなるという問題があった。強度と耐熱性とを高いレベルで満足させることができなかったのである。例えば特許文献3には、溶融紡糸の口金直下に390℃に加熱した加熱紡糸筒を設置し、300倍前後のドラフトの高速紡糸と熱延伸を行うことによって、強力の優れたポリエチレンナフタレート繊維が開示されている。しかし得られた繊維の融点は288℃とまだ低く、強度も8.0g/de(約6.8N/dtex)と不十分なものであり、耐熱性についてもまだ満足のいくものではなかった。
つまり従来公知のポリエチレンナフタレート繊維を用いた場合には、いまだ充分にベルト補強層として満足できるベルト補強用繊維材料は得られていなかったのである。
特開2005−226181号公報 特開2005−336641号公報 特開平06−184815号公報
本発明は、耐疲労性及び使用時の静粛性に優れたポリエチレンナフタレート繊維を含有するベルト補強用繊維材料及びそれを用いてなるベルトを提供することにある。
本発明のベルト補強用繊維材料は、ポリエチレンナフタレート繊維を含む繊維から構成されたベルト補強用繊維材料であって、該ポリエチレンナフタレート繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、かつ結晶化度が30〜60%であることを特徴とする。
さらには、該ポリエチレンナフタレート繊維におけるX線広角回折における最大ピーク回折角が25.5〜27.0であることや、該ポリエチレンナフタレート繊維における窒素気流下10℃/分の降温条件下での発熱ピークのエネルギーΔHcdが15〜50J/gであることが好ましい。また、ベルト補強用繊維材料が、撚糸された繊維コードであることや、ベルト補強用繊維材料が織物であって、経糸がポリエチレンナフタレート繊維からなる糸条であることが好ましい。
またもう一つの本発明のベルトは、本発明のベルト補強用繊維材料と、ゴムまたは樹脂から構成されるものである。
本発明によれば、耐疲労性及び使用時の静粛性に優れたポリエチレンナフタレート繊維を含有するベルト補強用繊維材料及びそれを用いてなるベルトが提供される。
本発明のコードを心線として用いたベルトの一実施態様を示す断面図。 本発明のコードを心線として用いたベルトの他の例を示す断面図。 ベルト張力維持率の測定方法を示す模式図。
本発明のベルト補強用繊維材料は、ポリエチレンナフタレート繊維を含む繊維から構成されたベルト補強用繊維材料であるが、使用されるポリエチレンナフタレート繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、かつ結晶化度が30〜60%であることを必須とするものである。
ここで本発明に用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、主たる繰返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーであり、好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80%以上、特には90%以上含むポリエチレンナフタレートであることが好ましい。他に少量であれば、適当な第3成分を含む共重合体であっても差し支えない。
また、前記ポリエチレンナフタレート中には、各種の添加剤、たとえば二酸化チタンなどの艶消剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、可塑剤、耐衝撃剤の添加剤、または補強剤としてモンモリナイト、ベントナイト、ヘクトライト、板状酸化鉄、板状炭酸カルシウム、板状ベーマイト、あるいはカーボンナノチューブなどの添加剤が含まれていてもよい。
そして本発明に用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、上記のようなポリエチレンナフタレートからなる繊維であって、さらにX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であることを必須とするが、さらには結晶体積が600〜1000nmであることが好ましい。また結晶化度としては35〜55%であることが好ましい。
ここで繊維の結晶体積とは、繊維の広角X線回折において、回折角が15〜16度、23〜25度、25.5〜27度の回折ピークから得られる結晶サイズの積である。ちなみにこのそれぞれの回折角はポリエチレンナフタレート繊維の結晶面(010)、(100)、(1−10)における面反射によるものであり、理論的には各ブラッグ反射角2θに対応するものであるが、全体の結晶構造の変化により若干シフトしたピークを有するものである。また、このような結晶構造はポリエチレンナフタレート繊維に特有のものであり、例えば同じポリエステル繊維ではあってもポリエチレンテレフタレート繊維などには存在しない。
また、繊維の結晶化度(Xc)とは、比重(ρ)とポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度(ρa)と完全結晶密度(ρc)とから下記の(数式1)により求めた値である。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 (数式1)
式中
ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)。
本発明で用いられるこのポリエチレンナフタレート繊維は、従来の高強力繊維と同様の高い結晶化度を維持しながら、さらに従来に無い高い結晶体積を実現することにより、高い熱安定性と高い融点を得ることができたことにその特徴がある。結晶体積が550nm未満では、このような高い融点を得ることができないのである。結晶体積は高くするほど熱安定性に優れ好ましいが、一般にその場合には結晶化度が低下し強度が低下する傾向にあるため、本発明においては1200nmが上限となる。また結晶化度が30%未満では非晶部位が熱劣化を起こしやすく充分な耐熱性を確保できず、また高い引張強度やモジュラスを実現することが困難である。
このように繊維の結晶体積を大きくするためには、紡糸時の口金下温度を低く保ちながら、紡糸する方法が有効である。また、紡糸ドラフト比や延伸倍率等を高め、繊維を引き伸ばすことによっても大きい結晶体積を得ることができる。ただし、紡糸ドラフト比を高くすると剛直な繊維であるポリエチレンナフタレート繊維は断糸しやすくなるため、紡糸ドラフト比は100〜5000程度に留め、延伸倍率を高めることが特に有効である。通常は紡糸時の口金下温度を低く保った状態で結晶体積を大きくするようなドラフトを行った場合には、紡糸時に断糸が発生し、繊維を製造することが困難であった。本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、後に述べる特定のリン化合物を用いることによって、このような結晶体積を実現できるようになったものである。
繊維の結晶化度を高めるためには、結晶体積を大きくするのと同じく、紡糸ドラフト比や延伸倍率等を高め、繊維を高倍率に引き伸ばすことによって得ることができる。しかし結晶体積が大きくなるとともに結晶化度が高くなると、剛直な繊維であるポリエチレンナフタレート繊維はますます断糸しやすくなる。そこで本発明に用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、相反する性質である結晶体積を550〜1200nmの範囲内としながら、結晶化度を30〜60%とするために、紡糸前のポリマーの段階で、均一な結晶構造を形成させることが重要となる。例えば後述する特有のリン化合物をポリマーに含有させることによってそのような均一な結晶構造を実現させることが可能となる。
さらに本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維としては、X線広角回折の最大ピーク回折角が25.5〜27.0度の範囲にあることが好ましい。理由は定かではないが、結晶面である(010)、(100)、(1−10)のうち、繊維軸上にこの(1−10)面の結晶が大きく成長することにより耐熱性が大幅に向上される。このような繊維軸と平行な結晶の大きさは、特に繊維を一定方向に高倍率で引き伸ばすことによって高めることができ、たとえば紡糸ドラフト比や延伸倍率等を高めることによって得ることができる。
また本発明のポリエチレンナフタレート繊維としては、降温条件下での発熱ピークのエネルギーΔHcdが15〜50J/gであることが好ましい。さらには20〜50J/g、特には30J/g以上であることが好ましい。ここで降温条件下での発熱ピークのエネルギーΔHcdとは、ポリエチレンナフタレート繊維を窒素気流下20℃/分の昇温条件にて320℃まで加熱し5分溶融保持させた後、窒素気流下10℃/分の降温条件にて示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したものである。この降温条件下での発熱ピークのエネルギーΔHcdは、降温条件での降温結晶化を示しているものと考えられる。
このエネルギーΔHcdが低い場合には結晶性が低くなる傾向にあり好ましくない。またエネルギーΔHcdが高すぎる場合には、ポリエチレンナフタレート繊維の紡糸、延伸熱セット時に結晶化が進みすぎる傾向にあり、結晶成長が繊維材料の疲労性などの物性低下に繋がりやすい傾向にある。
また本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものであることが好ましい。リン化合物により結晶性をコントロールすることが容易になるからである。逆に多すぎる場合には紡糸時の異物欠点が発生するために製糸性が低下し、併せて物性が低下する傾向にある。さらにはリン化合物の含有量はポリエステルを構成するジカルボン酸成分のモル数に対して1〜100ミリモル%の範囲がより好ましく、10〜80ミリモル%の範囲がさらに好ましい。
また、通常ポリエチレンナフタレート繊維は触媒としての金属元素を含むものであるが本発明においても金属元素を含むことが好ましく、さらには二価金属を含むことが好ましい。また、この繊維に含まれる金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。特には繊維に含まれる金属元素が、Zn、Mn、Co、Mgの群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。理由は定かではないが、これらの金属元素をリン化合物と併用した場合に特に結晶体積のばらつきが少ない均一な結晶が得られやすくなる。
このような金属元素の含有量としては、エチレンナフタレート単位に対して10〜1000mmol%含有するものであることが好ましい。そして前述のリン元素Pと金属元素Mの存在比であるP/M比としては0.8〜2.0の範囲であることが好ましい。P/M比が小さすぎる場合には、金属濃度が過剰となり、過剰金属成分がポリマーの熱分解を促進し、熱安定性を損なう傾向にある。逆にP/M比が大きすぎる場合には、リン化合物が過剰のため、ポリエチレンナフタレートポリマーの重合反応を阻害し、繊維物性が低下する傾向にある。さらに好ましいP/M比としては0.9〜1.8であることが好ましい。
そして本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維の強度としては4.0〜10.0cN/dtexであることが好ましい。さらには5.0〜9.0cN/dtex、より好ましくは6.0〜8.0cN/dtexであることが好ましい。強度が低すぎる場合にはもちろん、高すぎる場合にも耐久性に劣る傾向にある。また、ぎりぎりの高強度で生産を行うと製糸工程での断糸が発生し易い傾向にあり工業繊維としての品質安定性に問題がある傾向にある。
繊維の融点としては285〜315℃であることが好ましい。さらには290〜310℃であることが最適である。この融点は、ベルトに用いた場合の熱安定性を示す指標でも有る。融点が低すぎる場合には耐熱性、寸法安定性が劣る傾向にある。一方高すぎても溶融紡糸が困難になる傾向にある。紡糸糸条の冷却不足やバラツキが発生し製造工程での糸切れが発生しやすくなるためである。繊維が高い融点を有する場合には、繊維の耐熱強力維持率を高く保つことができ、高温雰囲気下で用いられるベルト補強用の繊維材料として最適である。
また180℃の乾熱収縮率は、0.5〜4.0%未満であることが好ましい。さらには1.0〜3.5%であることが好ましい。乾熱収縮率が高すぎる場合、加工時の寸法変化が大きくなる傾向にあり、繊維を用いた成形品の寸法安定性が劣るものとなりやすい。このような高融点、低乾熱収縮率は本発明の繊維を構成するポリマーの結晶体積を大きくすることにより達成されたものである。
また本発明に用いられるポリエチレンナフタレート繊維の複屈折率(ΔnDY)としては、0.15〜0.35の範囲であることが好ましい。そして密度(ρDY)としては、1.350〜1.370であることが好ましい。複屈折率(ΔnDY)や密度(ρDY)が小さい場合には、十分発達した繊維構造が形成されておらず、本発明の目的である耐熱性、寸法安定性が得にくい傾向にある。一方、複屈折率(ΔnDY)や密度(ρDY)を上げ過ぎた場合、製造工程において延伸倍率を破断延伸倍率付近にまで高くするなどの条件を採用する必要があり、断糸が起こりやすく安定した繊維を得ることが困難な傾向にある。本発明におけるポリエチレンナフタレート繊維の複屈折率(ΔnDY)としては0.18〜0.32、密度(ρDY)としては1.355〜1.365の各範囲であることが、さらに好ましい。
また本発明のベルト補強用繊維材料は、上記のようなポリエチレンナフタレート繊維以外の繊維を含む繊維構造体であってもよいが、好ましくは少なくともベルト回転方向と同じ方向に存在する繊維が、さらには繊維全てがポリエチレンナフタレート繊維により構成されているものである。
本発明のベルト補強用繊維材料に用いられる繊維の単糸繊度には特に限定は無いが、ベルト補強用繊維材料としての安定生産性の面からは0.1〜100dtex/フィラメントであることが好ましい。さらにVベルトやコンベアベルト等のゴム補強用繊維としては、強力、耐熱性や接着性が要求されるため、1〜20dtex/フィラメントであることが特に好ましい。
総繊度に関しても特に制限は無いが、ベルト補強用繊維材料としては10〜10,000dtexが好ましく、特に特にVベルトやコンベアベルト等のゴム補強用繊維としては、250〜6,000dtexであることが好ましい。また総繊度としては例えば1,000dtexの繊維を2本合糸して総繊度2,000dtexとするように、紡糸、延伸の途中、あるいはそれぞれの終了後に2〜10本の合糸を行うことも好ましい。
さらに本発明のベルト補強用繊維材料は、撚糸された繊維コードであることが好ましい。例えば上記のようなポリエチレンナフタレート繊維をマルチフィラメントとし、撚りを掛けてコードの形態として利用するものであることが好ましい。マルチフィラメント繊維に撚りを掛けることにより、強力利用率が平均化し、その疲労性が向上するからである。撚り数としては50〜1000回/mの範囲であることが好ましく、撚係数としては、K=T・D1/2(Tは10cm当たりの撚数、Dは撚糸コードの繊度)が990〜2,500で有ることが好ましい。
また、下撚りと上撚りを行い合糸したコードであることも好ましく、合糸する前の糸条を構成するフィラメント数は50〜3000本であることが好ましい。このようなマルチフィラメントとすることにより耐疲労性や柔軟性がより向上する。ただし繊度が小さすぎる場合には強度が不足する傾向にある。逆に繊度が大きすぎる場合には太くなりすぎて柔軟性が得られない問題や、紡糸時に単糸間の膠着が起こりやすく安定した繊維の製造が困難となる傾向にある。
また、本発明のベルト補強用繊維材料としては、織物であって、その織物を構成する経糸がポリエチレンナフタレート繊維からなる糸条であることが好ましい。糸条としては上記の繊維コード形態のものを使用することができる。
また、織物として用いる場合には、上記のようなポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施し、これを経糸として1000〜1500本並べ、これらにポリアミド繊維、ポリエステル繊維、又は、ポリビニルアルコール繊維などの合成繊維の無撚糸、又は撚係数5000以下の撚糸を緯糸として配しつつ、製織したベルト補強用繊維材料であることも好ましい。
上記織物をベルト補強用繊維材料としたときの織組織は特に限定するものではない。しかし、綾組織または朱子組織であることが、一定伸長時の強力が高められ、ベルトの基布として使用する際に少ないストレッチで高い張力を発生することができる上、ベルト走行時の騒音の発生を軽減させることができるため特に好ましく、コンベアベルト等のベルトに好適に用いられる。
さらにはこれらのベルト補強用繊維材料となる繊維コードや織物は、その表面に接着剤を付与したものであることが好ましい。例えばゴム補強用途にはRFL系接着処理剤を処理することが最適である。
そして上記のような本発明のベルト補強用繊維材料は、従来のポリエチレンナフタレート繊維を用いた場合に比べ融点が高く、高温条件下での使用の際にも充分に性能を発揮しうるベルト補強用繊維材料となる。この本発明品は、特に高温での高い耐久性が要求されるゴム補強用の繊維材料として最適である。
このような本発明のゴム補強用繊維材料に用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、例えば以下の製造方法により得ることが可能である。すなわち、主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーを溶融し、紡糸口金から吐出するポリエチレンナフタレート繊維の製造方法であって、溶融時のポリマー中に下記一般式(1)であらわされる少なくとも1種類のリン化合物添加した後に紡糸口金から吐出し、紡糸口金から吐出後の紡糸ドラフト比が100〜5000であり、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の温度の保温紡糸筒を通過し、かつ延伸する製造方法により得ることできる。
Figure 2011058113
[上の式中、Arは炭素数6〜20個の炭化水素基であるアリール基であり、Rは水素原子又は炭素数の1〜20個の炭化水素基であるアルキル基、アリール基又はベンジル基、Xは、水素原子または−OH基である。]
製造に用いられる主たる繰返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーは、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造することができる。すなわち、酸成分として、ナフタレン−2,6―ジメチルカルボキシレート(NDC)に代表される2,6−ナフタレンジカルボン酸のジアルキルエステルとグリコール成分であるエチレングリコールとでエステル交換反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造することができる。あるいは、酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸とジオール成分であるエチレングリコールとでエステル化させることにより、従来公知の直接重合法により製造することもできる。
エステル交換反応を利用した方法の場合に用いるエステル交換触媒としては、特に限定されるものではないが、ポリエステルの溶融安定性、色相、ポリマー不溶異物の少なさ、紡糸の安定性の観点から、マンガン、マグネシウム、亜鉛化合物が好ましい。また重合触媒も、特に限定されるものではないが、ポリエステルの重合活性、固相重合活性、溶融安定性、色相に優れ、かつ得られる繊維が高強度で、優れた製糸性、延伸性を有する点で、アンチモン化合物が特に好ましい。
溶融時のポリマー中に含まれるリン化合物である一般式(1)の好ましい化合物としては、例えばフェニルホスホン酸やフェニルホスフィン酸を挙げることができる。
さらに一般式(1)中で用いられているRの炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、ベンジル基であるが、それらは未置換のもしくは置換されたものであっても良い。このときRの置換基としては立体構造を阻害しないのであることが好ましく、例えば、ヒドロキシル基、エステル基、アルコキシ基等で置換されているものが好ましい。また上記(1)のArで示されるアリール基は、例えば、アルキル基、アリール基、ベンジル基、アルキレン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていても良い。
中でも結晶性を向上させるためにはこのリン化合物としては、下記一般式(2)で表されたフェニルホスホン酸およびその誘導体あることが好ましい。
Figure 2011058113
[上の式中、Arは炭素数6〜20個の炭化水素基であるアリール基であり、Rは水素原子又は未置換もしくは置換された1〜20個の炭素元素を有する炭化水素基である。]
本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、これら特有のリン化合物を溶融ポリマー中に直接添加することにより、ポリエチレンナフタレートの結晶性が向上し、その後の製造条件の下で結晶化度を高く保ちながら、結晶体積の大きいポリエチレンナフタレート繊維を得ることができたのである。これはこの特有のリン化合物が、紡糸及び延伸工程で生じる粗大な結晶成長を抑制し結晶を微分散化させる効果であると考えられる。また従来ポリエチレンナフタレート繊維を高速紡糸することは非常に困難であったが、これらのリン化合物が添加されることにより、紡糸安定性が飛躍的に向上し、かつ断糸が起きない点から実用的な延伸倍率を高めることによって繊維を高強度化することができるようになった。
また安定生産のためには、式(1)を例に説明すると、Xが水素原子または水酸基であるため、工程中の真空下では飛散しにくい効果がある。また、高い結晶性向上の効果を示すためには、Arのアリール基が、さらにはベンジル基やフェニル基であることが好ましく、本発明の製造方法では、リン化合物がフェニルホスフィン酸またはフェニルホスホン酸であることが特に好ましい。中でもフェニルホスホン酸およびその誘導体であることが最適であり、作業性の面からもフェニルホスホン酸が最も好ましい。フェニルホスホン酸は水酸基を有するため、そうでは無いフェニルホスホン酸ジメチルなどのアルキルエステルに比べて沸点が高く、真空下で飛散しにくいというメリットもある。つまり、添加したリン化合物のうちポリエステル中に残存する量が増え、添加量対比の効果が高くなる。また真空系の閉塞が発生しにくい点からも有利である。
このような製造方法にて本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は得られるが、ポリエチレンナフタレート繊維に対するリン化合物の添加量としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分のモル数に対して0.1〜300ミリモル%であることが好適である。リン化合物の量が不十分であると結晶性向上効果が不十分になる傾向にあり、多すぎる場合には紡糸時の異物欠点が発生するために製糸性が低下する傾向にある。リン化合物の含有量はポリエステルを構成するジカルボン酸成分のモル数に対して1〜100ミリモル%の範囲がより好ましく、10〜80ミリモル%の範囲がさらに好ましい。
また、このようなリン化合物と共に金属元素を添加することが好ましく、さらには二価金属を添加することが好ましい。また、周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素が溶融ポリマー中に添加されていることが好ましい。特には繊維に添加される金属元素が、Zn、Mn、Co、Mgの群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。理由は定かではないが、これらの金属元素を上記リン化合物と併用した場合に特に結晶体積のばらつきが少ない均一な結晶が得られやすくなる。これらの金属元素は、エステル交換触媒や重合触媒として添加しても良いし、別途添加することも可能である。
このような金属元素の含有量としては、エチレンナフタレート単位に対して10〜1000mmol%含有するものであることが好ましい。そして前述のリン元素Pと金属元素Mの存在比であるP/M比としては0.8〜2.0の範囲であることが好ましい。P/M比が小さすぎる場合には、金属濃度が過剰となり、過剰金属成分がポリマーの熱分解を促進し、熱安定性を損なう傾向にある。逆にP/M比が大きすぎる場合には、リン化合物が過剰のため、ポリエチレンナフタレートポリマーの重合反応を阻害し、繊維物性が低下する傾向にある。さらに好ましいP/M比としては0.9〜1.8であることが好ましい。
リン化合物の添加時期は、特に限定される物ではなく、ポリエステル製造の任意の工程において添加することができる。好ましくは、エステル交換反応又はエステル化反応の開始当初から重合終了する間である。さらに均一な結晶を形成させるためにはエステル交換反応又はエステル化反応の終了した時点から重合反応の終了時点の間であることがより好ましい。
また、ポリエチレンナフタレートの重合後に、混練機を用いて、リン化合物を練り込む方法を採用することもできる。混練する方法は特に限定されるものではないが、通常の一軸、二軸混練機を使用することが好ましい。さらに好ましくは、得られるポリエチレンナフタレート組成物の重合度の低下を抑制するために、ベント式の一軸、二軸混練機を使用する方法を例示できる。
この混練時の条件は特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンナフタレートの融点以上、滞留時間は1時間以内、好ましくは1分〜30分である。また、混練機へのリン化合物、ポリエチレンナフタレートの供給方法は特に限定されるものではない。例えばリン化合物、ポリエチレンナフタレートを別々に混練機に供給する方法、高濃度のリン化合物を含有するマスターチップとポリエチレンナフタレートを適宜混合して供給する方法などを挙げることができる。ただし溶融ポリマー中に本発明で用いられる特有のリン化合物を添加する際には、他の化合物とあらかじめ反応させることなく、直接ポリエチレンナフタレートポリマーに添加することが好ましい。リン化合物を他の化合物、例えばチタン化合物とあらかじめ反応させてできた反応生成物が粗大粒子となり、ポリエチレンナフタレートポリマー中で構造欠陥や結晶の乱れを誘起することを防ぐためである。
繊維の製造に用いられるポリエチレンナフタレートのポリマーは、樹脂チップの極限粘度として、公知の溶融重合や固相重合を行うことにより0.65〜1.2の範囲にすることが好ましい。樹脂チップの極限粘度が低すぎる場合には溶融紡糸後の繊維を高強度化させることが困難となる。また極限粘度が高すぎると固相重合時間が大幅に増加し、生産効率が低下するため工業的観点から好ましくない。極限粘度としては、さらには0.7〜1.0の範囲であることが好ましい。
本発明で用いられる結晶体積が550〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であるポリエチレンナフタレート繊維は、上記のようなポリエチレンナフタレートポリマーを溶融し、紡糸口金から吐出後の紡糸ドラフト比が100〜5000であり、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の範囲内に設定された保温紡糸筒を通過し、かつ延伸することなどによって得ることができる。
さらには溶融時のポリエチレンナフタレートポリマーの温度としては285〜335℃であることが好ましい。特には290〜330℃の範囲であることが好ましい。ここで紡糸口金としてはキャピラリーを具備したものを用いることが一般的である。そして紡糸ドラフトとしては100〜5000で行うことが、さらには500〜3000のドラフト条件であることが好ましい。
ここで紡糸ドラフトとは、紡糸巻取速度(紡糸速度)と紡糸吐出線速度の比として定義され、下記の(数式2)で表されるものである。
紡糸ドラフト=πDV/4W (数式2)
(式中、Dは口金の孔径、Vは紡糸引取速度、Wは単孔あたりの体積吐出量を示す)
紡糸ドラフト比を大きくすることによって、ポリマー中の結晶体積や結晶化度を上げることができる。このような高紡糸ドラフトとするためには、紡糸速度が高いことが好ましく、1500〜6000m/分、さらには2000〜5000m/分であることが好ましい。
さらにこのようなポリエチレンナフタレート繊維を得るためには、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の範囲内に設定された保温紡糸筒を通過することが好ましい。さらには保温紡糸筒の設定温度は溶融ポリマー温度以下であることが好ましい。また、保温紡糸筒の長さとしては10〜300mmであることが好ましく、さらには30〜150mmであることが好ましい。保温紡糸筒の通過時間としては、0.2秒以上であることが好ましい。
通常ポリエチレンナフタレート繊維の製造方法においては、上記のように高ドラフト条件を採用した場合、溶融ポリマー温度よりも数十度高い加熱紡糸筒を使用している。剛直なポリマーであるポリエチレンナフタレートポリマーは、紡糸口金から吐出された直後にすぐに配向しやすく、単糸切れを発生しやすいため、加熱紡糸筒をもちいて遅延冷却させる必要があったからである。そして紡糸筒温度が溶融ポリマー温度付近の場合には、吐出するポリマーの速度が速いために、遅延冷却状態とならないからである。
しかし本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、上記のような特定のリン化合物を用いて微小結晶を形成させることにより、同じ配向度であっても均一な構造とすることが可能となった。そして均一構造であるがゆえに加熱紡糸筒を用いなくても単糸切れが発生せず、高い製糸性を確保することが可能となったのである。そして、このような低温の保温紡糸筒を用いることによりポリエチレンナフタレート繊維の結晶体積をより有効に大きくすることができるようになった。高温の紡糸筒ではポリマー中の分子運動が激しく、大きな結晶の生成が阻害されるためである。そして大きな結晶体積を有することにより、得られる繊維の融点や耐熱疲労性を有効に高めることができるようになったのである。
保温紡糸筒を通過した紡出糸条は、次いで30℃以下の冷風を吹き付けて冷却することが好ましい。さらには25℃以下の冷風であることが好ましい。冷却風の吹出量としては2〜10Nm/分、吹出長さとしては100〜500mm程度であることが好ましい。次いで、冷却された糸状については、油剤を付与することが好ましい。
このようにして紡糸された未延伸糸は、複屈折率(ΔnUD)としては0.10〜0.28、密度(ρUD)としては1.345〜1.365の範囲であることが好ましい。複屈折率(ΔnUD)や密度(ρUD)が小さい場合には、紡糸過程での繊維の配向結晶化が不充分となり、耐熱性及び優れた寸法安定性が得られない傾向にある。一方、複屈折率(ΔnUD)や密度(ρUD)が大きすぎる場合、紡糸過程で粗大な結晶成長が発生していることが推測され、紡糸性を阻害し断糸が多発する傾向にあり、実質的に製造が困難となる傾向にある。また、その後の延伸性も阻害されるため高物性の繊維の製造が困難となる傾向にある。さらには紡糸された未延伸糸の複屈折率(ΔnUD)としては0.11〜0.26、密度(ρUD)としては1.350〜1.360の範囲であることがより好ましい。
本発明の繊維を得るためには上記のように高紡糸ドラフトを行うことが好ましい。通常程度のドラフトを行った場合には、結晶体積が小さくなり融点も低く、本発明のように高い寸法安定性を得ることができない。一方、高紡糸ドラフトであっても加熱紡糸筒を用いて遅延冷却を行った場合には、同じく結晶体積が小さくなり融点も低く、上記の保温紡糸筒を用いた場合と違い高い寸法安定性を得ることができないからである。
その後延伸を行うが、このような条件にて製造を行った場合、均一な結晶を有する繊維に対し高紡糸ドラフトを行っているために、断糸が有効に防止される。そして結晶化度が高いにもかかわらず、大きい結晶体積の繊維を得ることができるのである。延伸は、引取りローラーから一旦巻取って、いわゆる別延伸法で延伸してもよく、あるいは引取りローラーから連続的に延伸工程に未延伸糸を供給する、いわゆる直接延伸法で延伸しても構わない。また延伸条件としては1段ないし多段延伸であり、延伸負荷率としては60〜95%であることが好ましい。延伸負荷率とは繊維が実際に断糸する張力に対する、延伸を行う際の張力の比である。延伸倍率や延伸負荷率を上げることによって、結晶体積や結晶化度を有効に大きくすることができる。
延伸時の予熱温度としては、ポリエチレンナフタレート未延伸糸のガラス転移点以上、結晶化開始温度の20℃以上低い温度以下で行うことが好ましく、120〜160℃が好適である。延伸倍率は紡糸速度に依存するが、破断延伸倍率に対し延伸負荷率60〜95%となる延伸倍率で延伸を行うことが好ましい。また、繊維の強度を維持し寸法安定性を向上させるためにも、延伸工程で170℃から繊維の融点以下の温度で熱セットを行うことが好ましい。さらには延神時の熱セット温度が170〜270℃の範囲であることが好ましい。このような高温での熱セットにより、有効に延伸倍率を上げることができ結晶体積を大きくすることができるようになる。
上記の製造方法では、特定のリン化合物を用いることによって、高ドラフト率かつ保温紡糸筒による冷却条件を採用することができ、高い製糸性の製造方法でありながら、高い寸法安定性と耐疲労性を有する本発明に最適な繊維を得ることができたのである。ちなみに上記の特定のリン化合物を用いない場合には、紡糸するためにドラフト率を下げるか、加熱紡糸筒を用いて遅延冷却させる必要があり、本発明で必要とされる高物性、高融点の繊維を得ることはできないのである。
このような製造方法にて得られたポリエチレンナフタレート繊維は、結晶体積が大きいと共に高い結晶化率を実現しており、高強度とともに高い融点と高い寸法安定性を有し、さらには優れた耐疲労性をも満たす繊維となり、本発明のベルト補強用繊維材料に有効に用いることができる。
また本発明のベルト補強用繊維材料としては、例えばこのようなポリエチレンナフタレート繊維を撚糸したり、合糸することにより、所望の繊維コードとして用いたものである。例えばこのような繊維コードを経糸に用いて基布とし、補強用の繊維構造体とすることができる。さらには繊維構造体の表面に接着処理剤を付与することも好ましい。接着処理剤としては、たとえばゴム補強用途にはRFL系接着処理剤を処理することが最適である。
より具体的には、このような繊維コードは、上記のポリエチレンナフタレート繊維に、常法に従って撚糸を加え、あるいは無撚の状態でRFL処理剤を付着させ、熱処理を施すことにより得ることができ、このような繊維はゴム補強用に好適に使用できる処理コードとなる。すなわち、該ポリエチレンナフタレート繊維を撚係数K=T・D1/2(Tは10cm当たりの撚数、Dは撚糸コードの繊度)が990〜2,500で合撚して撚糸コードとなし、該コードを接着処剤処理に引き続き230〜270℃で処理する。
このような本発明のベルト補強用繊維材料となる繊維コードは、Vベルトなどの動力伝達ベルトの心線として最適に用いられる。図1及び図2はその代表的な使用例を例示したものである。図1は得られたVベルト1の縦断面図を示す。該Vベルトとしては天然繊維または合成繊維糸で製織されたゴム付布2がベルトの上表面または下表面のみに存在するタイプのベルトであっても良い。本発明の繊維コードからなる心線3は、圧縮ゴム層5に隣接する接着ゴム層4に埋設されている。圧縮ゴム層5にはベルト幅方向に短繊維6が混入されている。
また本発明の繊維コードの使用例は、図1のようなタイプのVベルトに限定されることはなく、ゴム付布2がベルトの全周を被覆したラップドタイプのVベルトの心線として使用されても良く、また、図2に示されるように上記圧縮ゴム層5にあってベルト長手方向に複数のリブ7を有するVリブドベルト8の心線として使用されても良い。
また、本発明のベルト補強用繊維材料は織物であっても良い。その場合には例えば、上記のポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施し、これを経糸として1000〜1500本並べ、これらにポリアミド繊維、ポリエステル繊維、又は、ポリビニルアルコール繊維などの合成繊維の無撚糸、又は撚係数5000以下の撚糸を緯糸として配しつつ、製織することにより所望のベルト補強用繊維材料となる補強用基布とすることができる。織組織としては、綾組織または朱子組織であることが好ましい。綾組織又は朱子組織とすることにより一定伸長時の強力が高められ、ベルトの基布として使用する際に、少ないストレッチで高い張力を発生することができる上、ベルト走行時の騒音の発生を軽減させることができる。特にコンベアベルト等のベルトとして好適に用いられる。
このようにして得られる本発明のベルト補強用繊維材料は、高分子をともに用いて、繊維・高分子複合体であるベルトとすることができる。この時、高分子がゴム弾性体であることが好ましい。この複合体は、補強に用いられた上記のポリエチレンナフタレート繊維が、耐熱性や寸法安定性に優れているため、複合体としたときの成形性に非常に優れたものとなる。特にゴム補強用として最適であり、例えばVベルトやコンベアベルトなどに好適に用いられる。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
(1)極限粘度IVf
チップまたは繊維をフェノールとオルトジクロロベンゼンとの混合溶媒(容量比6:4)に溶解し、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定して求めた。
(2)強度、伸度、中間荷伸
JIS L1013に準拠して測定した。繊維の中間荷伸は4cN/dtex応力時の伸度から求めた。繊維コードの中間荷伸は44N応力時の伸度から求めた。
(3)繊維の乾熱収縮率
JIS L1013 B法(フィラメント収縮率)に準拠し、180℃で30分間の収縮率とした。
(4)繊維の比重、結晶化度
まず繊維の比重を四塩化炭素/n−ヘプタン密度勾配管を用い、25℃で測定した。この得られた比重から下記の(数式1)より結晶化度を求めた。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 (数式1)
式中 ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)
(5)複屈折(Δn)
浸漬液としてブロムナフタリンを使用し、ベレックコンペンセーターを用いてレターデーション法により求めた(共立出版社発行:高分子実験化学講座高分子物性11参照)。
(6)結晶体積、最大ピーク回折角
繊維の結晶体積、最大ピーク回折角はBruker社製D8 DISCOVER with GADDS SuperSpeedを用いて広角X線回折法により求めた。
結晶体積は、繊維の広角X線回折において2Θがそれぞれ15〜16°、23〜25°、25.5〜27°に現れる回折ピーク強度の半価幅より、それぞれの結晶サイズをフェラーの式(数式3)、
Figure 2011058113
(ここで、Dは結晶サイズ、Bは回折ピーク強度の半価幅、Θは回折角、λはX線の波長(0.154178nm=1.54178オングストローム)を表す。)
より算出し、下式により結晶1ユニットあたりの結晶体積とした。
結晶体積(nm)=結晶サイズ(2Θ=15〜16°)×結晶サイズ(2Θ=23〜25°)×結晶サイズ(2Θ=25.5〜27°)
最大ピーク回折角は、広角X線回折において強度が最も大きいピークの回折角を求めた。
(7)融点Tm、発熱ピークエネルギーΔHcd
TAインスツルメンツ社製Q10型示差走査熱量計を用い、試料量10mgの繊維を窒素気流下、20℃/分の昇温条件で320℃まで加熱して現れた吸熱ピークの温度を融点Tmとした。
また引き続いて、320℃で2分間保持し溶融させた繊維試料を、10℃/分の降温条件で測定し、現れる発熱ピークを観測し、発熱ピークの頂点の温度をTcdとした。またピーク面積からエネルギーを計算し、ΔHcd(窒素気流下10℃/分の降温条件下での発熱ピークエネルギー)とした。
(8)Vベルト張力維持率
図3に示すように、直径100mmのプーリ9、10にVベルトを架設し、初期の取り付け張力を900Nとし、走行中のプーリ回転数を3600r.p.m.として室温にて走行試験を行った。そして、4時間走行後ストップさせ、更に24時間放冷させた後のベルト張力を測定して、初期の取り付け張力に対する張力維持率を測定した。
(9)Vベルト寸法変化率
加硫直後のベルト外周長と、30日経時後のVベルト外周長との差を、加硫直後のベルト外周長で除してベルトの寸法変化率を算出した。
(10)Vベルトの耐疲労性
上記(8)のVベルト走行試験後のベルトから心線を取り出し、その強力を測定して、ベルト走行試験前のベルトから取り出した心線の強力に対する強力維持率を算出した。
(11)Vベルト走行時の騒音指数
上記(8)のVベルト走行試験時に、ベルト走行4時間経過時の騒音を測定し、比較例1のベルトを100とした場合の指数で表した。数値が小さいほど騒音軽減に優れていると言える。
(12)織物の切断強力
織物の経糸方向の切断強力をJIS L 1096に準じて測定した。なお、織物の切断強力測定における1%及び3%伸張時の強力を、1%及び3%伸張時強力とした。
(13)基布補強ベルトの走行時の騒音指数
30mm径の駆動プーリと30mm径の従動プーリにベルトを6N/mmの張力で掛けて取り付けて、470m/分の速度で4時間走行させたときの騒音を測定し、比較例1のベルトを100とした場合の指数で表した。数値が小さいほど騒音軽減に優れていると言える。
(14)基布補強ベルトの寸法変化率
加硫直後のベルト外周長と、30日経時後のベルト外周長との差を、加硫直後のベルト外周長で除してベルトの寸法変化率を算出した。
(15)補強基布の耐疲労性
上記(13)のベルト走行試験後のベルトから補強用基布を取り出し、その強力を測定して、ベルト走行試験前のベルトから取り出した補強用基布の強力に対する強力維持率を算出した。
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール50重量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.0056重量部を攪拌機、蒸留搭及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行い、引き続いてエステル交換反応が終わる前にフェニルホスホン酸(PPA)を0.03重量部(50ミリモル%)を添加した。その後、反応生成物に三酸化二アンチモン0.024重量部を添加して、攪拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、305℃まで昇温させ、30Pa以下の高真空下で縮合重合反応を行い、常法に従ってチップ化して極限粘度0.62のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。このチップを65Paの真空度下、120℃で2時間予備乾燥した後、同真空下240℃で10〜13時間固相重合を行い、極限粘度0.74のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。
このチップを、孔数249ホール、孔径0.7mm、ランド長3.5mmの円形紡糸孔を有する紡糸口金からポリマー温度310℃で吐出し、紡糸速度2,500m/分、紡糸ドラフト962の条件で紡糸を行った。紡出した糸状は口金直下に設置した長さ50mm、雰囲気温度330℃の保温紡糸筒を通じ、さらに、保温紡糸筒の直下から長さ450mmにわたって、25℃の冷却風を6.5Nm/分の流速で吹き付けて、糸状の冷却を行った。その後、油剤付与装置にて一定量計量供給した油剤を付与した後、引取りローラーに導き、巻取機で巻取った。その未延伸糸の極限粘度IVは0.70、複屈折率(ΔnUD)0.179、密度(ρUD)1.357であった。
次いでこの未延伸糸を用い、以下の通り延伸を行った。なお延伸倍率は破断延伸倍率に対し延伸負荷率92%となるように設定した。すなわち、未延伸糸に1%のプリストレッチをかけた後、130m/分の周速で回転する150℃の加熱供給ローラーと第一段延伸ローラーとの間で第一段延伸を行い、次いで180℃に加熱した第一段延伸ローラーと180℃に加熱した第二段延伸ローラーとの間で230℃に加熱した非接触式セットバス(長さ70cm)を通し定長熱セットを行った後、巻取機に巻き取った。このときの全延伸倍率(TDR)は1.08であった。
得られた延伸糸は繊度1,080dtex、結晶体積952nm(952000オングストローム)、結晶化度47%であった。X線広角回折における最大ピーク回折角は26.5度であった。この延伸糸のΔHcdはそれぞれ35J/gであり高い結晶性を示した。得られたポリエチレンナフタレート繊維の強度は7.4cN/dtex、180℃乾収2.6%、融点297℃であった。
この繊維を用いて、下撚数200T/m、上撚数120T/mで撚糸して、ベルト補強用繊維材料である1100デシテックス/2/3の繊維コードを得た。該繊維コードに、接着処理剤としてエポキシ/イソシアネートを付着せしめた後、160℃にて60秒間、245℃にて80秒間熱処理を実施し、さらにRFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)を付着せしめて、160℃にて60秒間、235℃にて60秒間熱処理を実施した。得られたコードを心線として用いて、図1に示すVベルト1を作成した。得られたVベルトのベルト張力維持率、ベルト寸法変化率、耐疲労性、および騒音指数の結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の紡糸速度を2500m/分から4750m/分に、紡糸ドラフト比でいうと962から1251に変更するとともに、その他の条件を変更した。すなわち得られる繊維の繊度をあわせるためにキャップ口金口径を0.7mmから0.8mmに変更し、口金直下の保温紡糸筒の温度を溶融ポリマーの融点よりも低い260度に、長さを100mmに変更して、未延伸糸を得た。その未延伸糸の極限粘度IVは0.68、複屈折率(ΔnUD)0.206、密度(ρUD)1.358であった。またその後の延伸倍率を実施例1の1.08倍から1.05倍に変更し延伸糸を得た。得られた延伸糸は結晶体積781nm(781000オングストローム)、結晶化度47%であった。X線広角回折における最大ピーク回折角は26.4度であった。得られたポリエチレンナフタレート繊維の強度は7.2cN/dtex、180℃乾収2.7%、融点298℃であった。
これを用いて、実施例1と同様にして1100デシテックス/2/3のコードおよびそれを用いたVベルトを得た。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例1]
ポリエチレンー2,6−ナフタレートの重合において、エステル交換反応が終わる前にリン化合物であるフェニルホスホン酸(PPA)の代わりに正リン酸を40mmol%添加したこと以外は、実施例1と同様に実施してポリエチレンナフタレート樹脂チップ(極限粘度0.75)を得た。この該樹脂チップを用い実施例1の保温紡糸筒の長さを250mmに、温度を360℃に変更し、未延伸糸を得た。その未延伸糸の極限粘度IVは0.69、複屈折率(ΔnUD)0.250、密度(ρUD)1.346であった。またその後の延伸倍率は1.19倍にし延伸糸を得た。得られた延伸糸は結晶体積474nm(474000オングストローム)、結晶化度44%であった。X線広角回折における最大ピーク回折角は15.5度であった。得られたポリエチレンナフタレート繊維の強度は5.9cN/dtex、180℃乾収4.2%、融点279℃であった。
さらにその延伸糸を実施例1と同様にして処理コード、Vベルトとした。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
上記比較例1のポリエチレンナフタレート繊維4本と、市販のポリエステル繊維(1100デシテックス/249フィラメント;帝人ファイバー(株)製P952AL)2本とを混繊した後、下撚数200T/m、上撚数120T/mで撚糸して、1100デシテックス/2/3のコードを得た。該コードに、接着処理剤としてエポキシ/イソシアネートを付着せしめた後、160℃にて60秒間、245℃にて80秒間熱処理を実施し、さらにRFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)を付着せしめて、160℃にて60秒間、235℃にて60秒間熱処理を実施した。得られたコードを心線として用いて、図1に示すVベルト1を作成した。得られたVベルトのベルト張力維持率、ベルト寸法変化率、耐疲労性、および騒音指数の結果を表1に示す。
Figure 2011058113
実施例1および実施例2は本発明におけるポリエチレンナフタレート繊維からなるVベルトの特性を示すものであるが、それぞれ比較例に比べてベルト張力維持率が向上するとともに、ベルトの静粛性、寸法安定性及び耐疲労性が著しく向上した。一方、比較例3は耐疲労性を向上させるべく、ポリエチレンナフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維を混合して用いたものであるが、本発明のベルトに比して寸法安定性、疲労性および静粛性に劣るものであった。
[実施例3]
実施例1で得られたポリエチレンナフタレート繊維1100デシテックス/250フィラメントのマルチフィラメントを用い、これを2本、50回/10cmの撚数で撚糸して経糸とし、常法で得られた1100デシテックス/249フィラメントのポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントの無撚糸を緯糸として配し、経糸密度49本/5cmの綾織基布に製織し、ベルト補強用繊維材料である織物とした。
得られた織物を補強材として用いて、常法によりベルトを製造した。得られた織物、ベルトの特性をまとめて表2に示す。
[実施例4]
実施例1で得られたポリエチレンナフタレート繊維に代えて、実施例2で得られたポリエチレンナフタレート繊維を用い、それ以外は実施例3と同様にしてベルト補強用繊維材料である織物とした。
得られた織物を補強材として用いて、常法によりベルトを製造した。得られた織物、ベルトの特性をまとめて表2に示す。
[比較例3]
実施例1で得られたポリエチレンナフタレート繊維に代えて、比較例1で得られたポリエチレンナフタレート繊維を用い、それ以外は実施例3と同様にしてベルト補強用繊維材料である織物とした。
得られた織物を補強材として用いて、常法によりベルトを製造した。得られた織物、ベルトの特性をまとめて表2に示す。
[比較例4]
実施例1の紡糸速度を2500m/分から5500m/分に、紡糸ドラフト比でいうと962から2700に変更するとともにその他の条件を変更した。すなわち得られる繊維の繊度をあわせるためにキャップ口金口径を0.7mmから1.2mmに変更し、そのままでは製糸が困難なために実施例1の口金直下の紡糸筒の温度を330度から400度の溶融ポリマー温度よりも90℃高い温度に、長さを50mmから350mmに変更した加熱紡糸筒を用い、未延伸糸を得た。その未延伸糸の極限粘度IVは0.70、複屈折率(ΔnUD)0.290、密度(ρUD)1.358であった。またその後の延伸倍率を1.22倍に変更し強度の優れた延伸糸1100デシテックス/250フィラメントのマルチフィラメントを得た。得られた延伸糸は結晶体積163nm(163000オングストローム)、結晶化度48%であった。X線広角回折における最大ピーク回折角は23.5度であった。得られたポリエチレンナフタレート繊維の強度は8.5cN/dtex、180℃乾収6.3%、融点280℃であった。この繊維を用い、これを2本、50回/10cmの撚数で撚糸して経糸とし、常法で得られた1100デシテックス/249フィラメントのポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントの無撚糸を緯糸として配し、経糸密度49本/5cmの綾織基布に製織し、ベルト補強用繊維材料である織物とした。
得られた織物を補強材として用いて、常法によりベルトを製造した。得られた織物、ベルトの特性をまとめて表2に示す。
Figure 2011058113
実施例3および実施例4は本発明におけるポリエチレンナフタレート繊維からなる基布およびベルトの特性を示すものであるが、それぞれ比較例に比べて基布の切断強力、1%及び3%伸長時の強力が向上するとともに、ベルトの静粛性、寸法安定性及び耐疲労性が向上した。
本発明のベルト補強用繊維材料は、寸法安定性、疲労性が飛躍的に向上し、かつ高強力、高モジュラスであり、この本発明の繊維材料を用いたベルトは、ベルト使用時の静粛性、動力伝達効率および耐久性に優れたものとなる。さらに強力対比軽量であるために、省エネルギーや軽量化などの環境負荷低減といった実用上の効果ももたらし、非常に有用である。
1 Vベルト
2 ゴム付布
3 心線
4 接着ゴム層
5 圧縮ゴム層
6 短繊維
7 リブ
8 Vリブドベルト
9、10 プーリー

Claims (6)

  1. ポリエチレンナフタレート繊維を含む繊維から構成されたベルト補強用繊維材料であって、該ポリエチレンナフタレート繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、かつ結晶化度が30〜60%であることを特徴とするベルト補強用繊維材料。
  2. 該ポリエチレンナフタレート繊維におけるX線広角回折における最大ピーク回折角が25.5〜27.0である請求項1記載のベルト補強用繊維材料。
  3. 該ポリエチレンナフタレート繊維における窒素気流下10℃/分の降温条件下での発熱ピークのエネルギーΔHcdが15〜50J/gである請求項1または2記載のベルト補強用繊維材料。
  4. ベルト補強用繊維材料が、撚糸された繊維コードである請求項1〜3のいずれか1項記載のベルト補強用繊維材料。
  5. ベルト補強用繊維材料が織物であって、経糸がポリエチレンナフタレート繊維からなる糸条である請求項1〜3のいずれか1項記載のベルト補強用繊維材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のベルト補強用繊維材料と、ゴムまたは樹脂から構成されるベルト。
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