JP5927142B2 - スイッチング電源装置及びその制御方法 - Google Patents

スイッチング電源装置及びその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5927142B2
JP5927142B2 JP2013096252A JP2013096252A JP5927142B2 JP 5927142 B2 JP5927142 B2 JP 5927142B2 JP 2013096252 A JP2013096252 A JP 2013096252A JP 2013096252 A JP2013096252 A JP 2013096252A JP 5927142 B2 JP5927142 B2 JP 5927142B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
voltage
reference value
switching
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013096252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014220862A (ja
Inventor
一宏 堀井
一宏 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosel Co Ltd
Original Assignee
Cosel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosel Co Ltd filed Critical Cosel Co Ltd
Priority to JP2013096252A priority Critical patent/JP5927142B2/ja
Publication of JP2014220862A publication Critical patent/JP2014220862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5927142B2 publication Critical patent/JP5927142B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)

Description

本発明は、安定型コンバータと非安定型コンバータを組み合わせて構成されたスイッチング電源とその制御方法に関する。
従来から、安定型コンバータと非安定型コンバータとを組み合わせて1つの安定型絶縁コンバータを構成するスイッチング電源装置が知られている。一般的には、前段に安定型非絶縁コンバータを配してスイッチング電源装置の出力電圧Vo2の安定化を受け持ち、後段に非安定型絶縁コンバータを配して入出力間の絶縁及び電圧変換を受け持つ構成が好適とされている。2つのコンバータで役割を分担させることによって、各コンバータの電力損失を最小限に抑える設計が可能になり、電源装置全体として高い効率を実現することができる。なお、非安定型絶縁コンバータは、主スイッチング素子のオン時比率が一定に保持されており、入力電圧(安定型非絶縁コンバータの出力電圧)の変化に対応して出力電圧Vo2も変化することから、非安定型と呼ばれる。
安定型非絶縁コンバータの回路方式としては、昇圧チョッパ型、降圧チョッパ型、昇降圧チョッパ型等が考えられる。例えば、スイッチング電源装置が公知の力率改善モジュールの後段に接続され、300〜400Vの電圧Viが入力される場合、安定型非絶縁コンバータとして昇圧チョッパ型を選択すると、スイッチング損失等が比較的小さく抑えられて効率を高くすることができる。また、昇圧チョッパ型の場合、出力電圧Vo1が入力電圧Viより高い電圧となり、後段の非安定型絶縁コンバータに流れ込む電流(安定型非絶縁コンバータの出力電流Io1)が相対的に小さくなるので、配線抵抗の損失を小さくできるという利点もある。さらに、主スイッチング素子がローサイドなので、シンプルに駆動することができる。
従来、この種のスイッチング電源装置として、特許文献1に開示されているように、前段に昇圧チョッパ型の安定型非絶縁コンバータが設けられ、後段にハーフブリッジ型の非安定型絶縁コンバータを設けられた電源装置があった。非安定型絶縁コンバータが有する2つの主スイッチング素子は、通常状態におけるオン時比率が約50%に保持され、互いに相補的にオンオフする。したがって、電源装置の出力となる非安定型絶縁コンバータの出力電圧Vo2は、安定型非絶縁コンバータの出力電圧Vo1に略比例した電圧となる。一方、安定型非絶縁コンバータは、出力電圧Vo1を安定化するパルス幅制御により、主スイッチング素子のオン時比率が所定の値に調節される。したがって、出力電圧Vo1が安定化されることによって、出力電圧Vo2が所定の電圧に安定化されることとなる。さらに、ここでは、出力電圧Vo2の安定度を向上させるため、安定型非絶縁コンバータが出力電圧Vo1を安定化する制御系に非安定型絶縁コンバータの電流信号を注入する構成が付加されている。
また、特許文献2には、過電流保護機能を備えた非安定絶縁型DC-DCコンバータが開示されている。このDC-DCコンバータは、主スイッチング素子と主トランスを有するハーフブリッジ方式のインバータ回路と、主トランスの出力を整流する整流回路と、整流回路の出力を平滑して出力電圧を生成する出力平滑回路と、主スイッチング素子をオンオフさせるための駆動パルスを出力する制御回路と、主スイッチング素子に流れるスイッチング電流を検出する電流検出回路と、駆動パルスを積分する積分回路とを備えている。出力平滑回路は、平滑インダクタと平滑コンデンサで構成されたLCフィルタ(低域遮断フィルタ)である。
このDC-DCコンバータの制御回路は、通常状態において、各主スイッチング素子のオン時比率が約50%で、スイッチング周波数が一定の値となるように駆動パルスを生成する。出力電流Io2が一定以上に増加すると、制御回路は、電流検出回路の出力が閾値を超えたことを検知して過電流状態であると判断し、過電流保護の動作を行う。具体的には、主スイッチング素子のオンの時比率を大きく低下させ、出力電流Io2の増加を抑制すると共に、出力電圧Vo2を低下させる。さらに、この制御回路は、積分回路の出力が閾値以下に低下している時間が所定時間を超えると、過電流状態が長く続いているので危険であると判断し、スイッチング動作を継続的に停止させる制御を行う。
特開平7−337001号公報 特開2008−54475号公報
特許文献1の電源装置のように、前段に昇圧チョッパ型の安定型非絶縁コンバータが設けられ、後段に非安定型絶縁コンバータが設けられた構成の場合、過電流保護動作を確実に行って負荷等を保護するという課題と、装置全体の小型化、高効率化を実現するという課題を両立させるのが容易ではないという問題があった。
出力電流Io2の過電流時、例えば、安定型非絶縁コンバータの主スイッチング素子のオン時比率を短くする方法が考えられるが、昇圧チョッパの場合、オン時比率を略ゼロにしても出力電圧Vo1を入力電圧Vi以下に低下させることができず、自己の出力電流Io1を一定以下に制限することができないので、昇圧チョッパだけでは後段の出力電流Io2の過電流保護を十分に行うことはできない。したがって、後段の非安定型絶縁コンバータにも何らかの過電流保護回路を設ける必要がある。また、過電流保護動作とは異なるが、入力電圧Viが投入され出力電圧Vo2が立ち上がる起動時の動作を制御するソフトスタート動作についても同様に、昇圧チョッパだけでは不十分である。
特許文献2の非安定絶縁型DC-DCコンバータは、所定の過電流保護機能を備えているものの、出力平滑回路の小型化が難しいという問題がある。例えば、ハーフブリッジ方式のインバータ回路の場合、通常状態だけを考えると、各主スイッチング素子のオンの時比率が約50%なので、整流回路が出力する整流電圧がほぼ直流電圧となり、インダクタンスの小さい平滑インダクタでも、低リップルの出力電圧Vo2を得ることができる。しかし、過電流保護動作が行われると、オン時比率が低下するので(例えば、10〜30%以下)、整流電圧がパルス状になり、インダクタンスの大きい平滑インダクタでないと低リップルの出力電圧Vo2を得ることができない。したがって、通常動作時だけでなく過電流保護動作時も出力リップルを小さく抑えるためには、平滑インダクタのインダクタンスを大きくしなければならない。その結果、平滑インダクタの外形が大型化し、コイルの巻数を増やすことで通常状態における損失(銅損)も増加するという問題が生じる。
また、特許文献2では述べられていないが、入力電圧が投入されて起動する時、投入直後は主スイッチング素子のオンの時比率を低くしておき、徐々に高くして約50%に到達させるソフトスタート動作を行うことが考えられる。しかし、ソフトスタート動作時の出力リップルを小さく抑えるためには、過電流保護動作の場合と同様に、平滑インダクタのインダクタンスを大きくしなければならなかった。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、安全な過電流保護動作を実現でき、小型化、高効率化が容易なスイッチング電源装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、第一主スイッチング素子のスイッチング動作によって、入力電圧を安定な第一出力電圧に変換して出力する第一電力変換部と、第二主スイッチング素子のスイッチング動作によって、前記第一出力電圧を当該電圧に略比例した第二出力電圧に変換して出力する第二電力変換部と、前記第一主スイッチング素子をオンオフさせるパルス電圧であって、前記第一出力電圧を安定化制御するための第一駆動パルスを出力する第一制御回路と、前記第二主スイッチング素子をオンオフさせる第二駆動パルスを出力する第二制御回路とを備えたスイッチング電源装置であって、
前記第一電力変換が出力する第一出力電流又はこれに相当する電流を検出して第一電流検出信号を出力する第一電流検出回路が設けられ、前記第二電力変換が出力する第二出力電流又はこれに相当する電流を検出して第二電流検出信号を出力する第二電流検出回路が設けられ、
前記第一電力変換部は、昇圧チョッパ型のコンバータであり、前記第二電力変換部は、前記第二主スイッチング素子、及びそのスイッチング動作によって発生した断続電圧を一次巻線に受け、二次巻線から出力する主トランスで構成されたインバータ回路と、前記二次巻線の電圧を整流する整流回路とを有するものであり、
前記第一制御回路には、前記第一電流検出信号と比較される第一電流基準値が設定され、前記第一制御回路は、前記第一電流検出信号が第一電流基準値を超えると、前記第一主スイッチング素子のオン時比率を小さくするように前記第一駆動パルスを生成し、前記第一出力電流の増加を抑制する第一過電流保護動作を行い、
前記第二制御回路には、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数を規定する第二周波数基準値と、前記第二電流検出信号と比較される第二電流基準値とが設定され、前記第二制御回路は、前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値以下のときは、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数が前記第二周波数基準値となるように前記第二駆動パルスを生成し、前記第一過電流保護動作が行われている状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数が前記第二周波数基準値よりも高くなるように前記第二駆動パルスを生成し、前記第二主スイッチング素子に流れるスイッチング電流の立ち上がりの傾きにより前記第二出力電流の増加を抑制する第二過電流保護動作を行うスイッチング電源装置である。
前記第二制御回路は、前記第二主スイッチング素子のスイッチング動作開始時に、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数が前記第二周波数基準値よりも高くなるように前記第二駆動パルスを生成し、前記第二主スイッチング素子に流れるスイッチング電流の立ち上がりの傾きにより前記第二出力電圧の立ち上がる傾きを制限し、その後、前記第二駆動パルスを変化させ、スイッチング周波数を前記第二周波数基準値に近づける動作を行う。
前記第二電力変換の前記インバータ回路は、例えば、ハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式、又はプッシュプル方式である。また、前記スイッチング電流が立ち上がる傾きは、前記主トランスのリケージインダクタによって制限される。また、前記第一電流検出回路は前記第二電流検出回路と兼用され、前記第一制御回路は、前記第二電流検出信号を前記第一電流検出信号とみなして動作するものでもよい。
また、前記第一出力電圧又はこれに相当する電圧を検出して第一電圧検出信号を出力する第一電圧検出回路が設けられ、前記第二制御回路には、前記第一電圧検出信号と比較される第一電圧基準値が設定され、前記第二制御回路は、前記第一電圧検出信号が前記第一電圧基準値以下になると、前記第一過電流保護動作が行われていると判断する構成が好ましい。
あるいは、前記第一駆動パルスを観測し、前記第一主スイッチング素子のオン時比率が略ゼロになると、その旨を示す時比率ゼロ信号を出力する時比率検出回路が設けられ、前記第二制御回路は、前記時比率ゼロ信号を受けると、前記第一過電流保護動作が行われていると判断する構成が好ましい。
また、本発明は、第一主スイッチング素子のスイッチング動作によって、入力電圧を安定化された第一出力電圧に変換して出力する昇圧チョッパ型の第一電力変換部と、第二主スイッチング素子のスイッチング動作によって、前記第一出力電圧を当該電圧に略比例した第二出力電圧に変換して出力する第二電力変換部とを有し、前記第二電力変換部が、前記第二主スイッチング素子及び主トランスで構成されたインバータ回路と、前記主トランスの二次巻線の電圧を整流する整流回路とを有するスイッチング電源装置の制御方法であって、
あらかじめ、前記第一電力変換が出力する第一出力電流又はこれに相当する電流の検出信号である第一電流検出信号と比較される第一電流基準値と、前記第二電力変換が出力する第二出力電流又はこれに相当する電流の検出信号である第二電流検出信号と比較される第二電流基準値と、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数を規定する第二周波数基準値とを設定し、
前記第一電流検出信号が第一電流基準値を超えると、前記第一主スイッチング素子のオン時比率を小さくし、前記第一出力電流の増加を抑制する第一過電流保護動作を行い、前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値以下のときは、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数前記第二周波数基準値とし、前記第一過電流保護動作が行われている状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数を前記第二周波数基準値よりも高くし、前記第二主スイッチング素子に流れるスイッチング電流の立ち上がりの傾きにより前記第二出力電流の増加を抑制する第二過電流保護動作を行うスイッチング電源装置の制御方法である。
前記第二主スイッチング素子のスイッチング動作開始時は、前記第二出力電圧の立ち上がる傾きを制限するように、前記第二周波数基準値よりも高いスイッチング周波数で前記第二主スイッチング素子をオンオフさせ、その後、スイッチング周波数を変化させ、前記第二周波数基準値に近づける動作を行う。
また、前記第一過電流保護動作により前記第一出力電圧が第一基準電圧以下になった状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二過電流保護動作を行う構成が好ましい。
あるいは、前記第一過電流保護動作により前記第一主スイッチング素子のオン時比率が略ゼロになった状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二過電流保護動作を行う構成が好ましい。
本発明のスイッチング電源装置及びその制御方法によれば、負荷電流(第二出力電流)が過電流の状態になったときに、負荷電流の増加を抑制して負荷電圧(第二出力電圧)を低下させる過電流保護動作が確実に行われ、負荷を焼損させる事故や電源装置の内部素子の故障を防止できる。したがって、従来と同等以上の高い安全性を確保しつつ、昇圧チョッパ型の第一電力変換を使用することで、高効率化を図ることができる。
また、第二電力変換部の第二主スイッチング素子は、第二過電流保護動作時のオン時比率が通常状態とほぼ同じなので、特許文献2の非安定絶縁型DC-DCコンバータのように過電流時の出力リップルを低減するために平滑インダクタのインダクタンスを大きくする必要がない。しかも、条件が合えば平滑インダクタを省略することも可能である。また、従来の構成に対して特別な回路素子を追加する必要もない。したがって、第二電力変換部の小型化、コストの低減、高インダクタンスの平滑インダクタを設けた場合に生じる損失(銅損など)の低減、などの優れた効果を得ることができる。
本発明のスイッチング電源装置の第一実施形態を示す回路図である。 第一実施形態のスイッチング電源装置の第二過電流保護動作に関連する部分の動作を説明するグラフである。 図2のA1点における各部の動作波形を示すタイムチャートである。 図2のA1点における各部の動作を説明する等価回路であって、期間T1の等価回路(a)、期間T2の等価回路(b)である。 図2のA2点における各部の動作波形を示すタイムチャートである。 図2のA3点における各部の動作波形を示すタイムチャートである。 第一実施形態のスイッチング電源装置の過電流保護動作を説明するグラフである。 本発明のスイッチング電源装置の第二実施形態を示す回路図である。 第二実施形態のスイッチング電源装置の過電流保護動作を説明するグラフである。 本発明のスイッチング電源装置の第三実施形態を示す回路図である。 第二制御回路変形例の動作を説明するグラフである。 インバータ回路の変形例を示す回路図(a),(b)、整流回路の変形例を示す回路図(c)である。 インバータ回路及び整流回路の他の変形例を示す回路図である。
以下、本発明のスイッチング電源装置及びその制御方法の第一実施形態について、図1〜図7に基づいて説明する。第一実施形態のスイッチング電源装置10は、図1に示すように、第一電力変換部12、第二電力変換部14、第二電流検出回路16、第一電圧検出回路18、第一制御回路20、第二制御回路22を備え、入力電圧Viを出力電圧Vo2に変換して負荷23に供給する安定型絶縁コンバータである。
第一電力変換部12は、公知の昇圧チョッパ型の安定型非絶縁コンバータであり、入力電源24に対して、昇圧インダクタ26、整流ダイオード28、第一平滑コンデンサ30の直列回路が並列に接続され、昇圧インダクタ26と整流ダイオード28の中点をグランドに対して短絡開放する第一主スイッチング素子32が設けられている。第一主スイッチング素子32は、例えばNチャネルのMOS型FETであり、後述する第一制御回路20が出力する第一駆動パルスVg1を受けてオンオフする。第一電力変換部12は、入力電圧Viを第一主スイッチング素子32で断続することによって安定化された第一出力電圧Vo1に変換し、出力端である第一平滑コンデンサ30の両端に発生させる。
第二電力変換部14は、公知のハーフブリッジ方式のインバータ回路34を備えている。インバータ回路34は、第一平滑コンデンサ30と並列の位置に、互いに直列接続された2つの第二主スイッチング素子36(1),36(2)が設けられている。ハイサイド側の第二主スイッチング素子36(1)は、後述する第二制御回路22が出力する駆動パルスVg2(1)を受けてオンオフし、ローサイド側の第二主スイッチング素子36(2)は、駆動パルスVg2(2)を受けてオンオフする。第二主スイッチング素子36(1)は、例えばNチャネルのMOS型FETであり、駆動パルスVg2(1)がハイレベルのときにオンし、ローレベルのときにオフする。第二主スイッチング素子36(2)も同様である。駆動パルスVg2(1),Vg2(2)の周波数は互いに等しく、それぞれ第二主スイッチング素子36(1),36(2)のスイッチング周波数となる。以下、駆動パルスVg2(1),Vg2(2)の周波数をスイッチング周波数F2と称す。
第二主スイッチング素子36(1),36(2)と並列の位置には、互いに直列接続された2つの入力コンデンサ38(1),38(2)が設けられている。入力コンデンサ38(1),38(2)の静電容量は互いに等しく、各々の両端に第一出力電圧Vo1の約半分の電圧(1/2Vo1)が発生する。そして、第二主スイッチング素子36(1),36(2)の中点と入力コンデンサ38(1),38(2)の中点との間に、主トランス40の一次巻線40aが接続されている。一次巻線40aには、第二主スイッチング素子36(1),36(2)のスイッチング動作により発生する断続電圧が印加され、二次巻線40bから変圧された断続電圧を出力する。また、主トランス40は、図示しないリケージインダクタ40cを有し、そのインダクタンスは、一次巻線40aと二次巻線40bとの磁気結合の度合いによって定まる。
さらに、第二電力変換部14は、二次巻線40bの両端電圧を整流する整流回路42と、整流回路42が出力する整流電圧Vsを平滑して直流の出力電圧Vo2を生成する出力平滑回路44aとを備えている。整流回路42は、二次巻線40bに発生する断続電圧の正方向及び負方向の成分を全波整流して整流電圧Vsを出力する。ここでは、4つのダイオード素子をブリッジ接続した回路であるが、4つのMOS型FET等をブリッジ接続した同期整流回路でもよい。
出力平滑回路44aは、第二平滑コンデンサ46で構成され、その両端に直流の出力電圧Vo2が発生する。詳しくは後述するが、この実施形態では、時比率基準値D2(R)=約50%に設定され、主スイッチング素子36(1),36(2)が時比率基準値D2(R)に従ってオンオフするため、LCフィルタの構成にしなくても、第二平滑コンデンサ46だけで十分に整流電圧Vsを平滑できる。なお、時比率基準値D2(R)が低い値(例えば、40%以下)に設定される場合は、図1の右下部分の破線で囲んだ回路で示すように、平滑インダクタ48を設けたLCフィルタの出力平滑回路44にするとよい。
このように第二電力変換部14は、第一電力変換部12の出力電圧Vo1が入力され、第二主スイッチング素子36(1),36(2)で断続することによって所定の第二出力電圧Vo2に変換し、スイッチング電源装置10の出力電圧として負荷23に供給する。第二出力電圧Vo2は、第一出力電圧Vo1に略比例した電圧となる。
第二電流検出回路16は、第二電力変換部14が出力する第二出力電流Io2又はこれに相当する電流を検出し、第二電流検出信号Ik2を出力する。第二出力電流Io2に相当する電流とは、第二出力電流Io2と略比例した電流のことであり、例えば、第二電力変換部14のインバータ回路34に流れ込む入力電流(第一電力変換部12の出力電流Io1)、第二主スイッチング素子36(1),36(2)に流れるスイッチング電流Id2(1),Id2(2)、整流回路42の出力電流などが考えられる。第二電流検出回路16の場合は入力電流I2(=Io1)を検出しており、例えば、入力電流I2の流れる経路に電流検出用の抵抗を挿入し、この抵抗の両端に発生する電圧を第二電流検出信号Ik2として出力する。
なお、第二電流検出回路16は第一電流検出回路としても働く。第一電流検出回路とは、第一電力変換12が出力する第一出力電流Io1又はこれに相当する電流を検出して第一電流検出信号Ik1を出力する回路のことである。上記のように、第二電流検出回路16が検出する電流I2は、第一電力変換部12が出力する第一出力電流Io1でもあるので、第二電流検出信号Ik2を第一電流検出信号Ik1とみなすことができる。したがって、この実施形態では、第二電流検出信号Ik2が、第一電流検出信号Ik1としても使用されている。
第一電圧検出回路18は、第一出力電圧Vo1又はこれに相当する電圧を検出して第一電圧検出信号Vk1を出力する。第一出力電圧Vo1に相当する電圧とは、第一出力電圧Vo1と略比例した電圧のことである。例えば、第一平滑コンデンサ30の両端に分圧抵抗を接続し、分圧抵抗の中点から第一電圧検出信号Vk1を出力する。
第一制御回路20は、第一主スイッチング素子32をオンオフさせるための第一駆動パルスVg1を生成し、主スイッチング素子32のゲートソース端子間に向けて出力する。通常状態において、第一駆動パルスVg1は、第一出力電圧Vo1又は第二出力電圧Vo2に応じてハイレベルの時比率D1が変化し、第一主スイッチング素子32のオン時比率D1が可変調整されるパルス幅制御により、第一出力電圧Vo1が目標値Vo1(R)に保持される。
また、第一制御回路20には、あらかじめ、第一電流検出信号Ik1(=Ik2)と比較される第一電流基準値Ik1(R)が設定されている。第一制御回路20は、第一電流検出信号Ik1(=Ik2)が第一電流基準値Ik1(R)を超えると、第一主スイッチング素子32のオン時比率D1を小さくするように第一駆動パルスVg1を生成する。以下、この動作を第一過電流保護動作と称する。
第二制御回路22は、第二主スイッチング素子36(1),36(2)をオンオフさせるための第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)を生成し、第二主スイッチング素子36(1),36(2)のゲートソース端子間に向けて出力する。第二制御回路16には、あらかじめ、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のハイレベルの時比率D2(主スイッチング素子36(1),36(2)のオン時比率D2)を規定する時比率基準値D2(R)と、スイッチング周波数F2を規定する周波数基準値F2(R)とが設定されており、通常状態の第二駆動パルスVg2(1)は、オン時比率D2=D2(R)、スイッチング周波数F2=F2(R)の繰り返しパルスとなる。一方、通常状態の第二駆動パルスVg2(2)は、第二駆動パルスVg2(1)と位相が180度ずれたパルスとなる。
時比率基準値D2(R)は、50%に設定するのが理想的である。一次及び二次巻線40a,40bに流れるスイッチング電流の実効値が低く抑えられインバータ回路34を低損失化することができ、また、整流回路42の整流電圧Vsを直流電圧に近づけることによって出力平滑回路44の小型化、低損失化がすることができるからである。しかし、ここでは、2つの主スイッチング素子36(1),36(2)が同時にオンして貫通電流が流れる不具合を回避するため、デッドタイム(2つともオフさせる短い時間)を設けてある。
さらに第二制御回路22には、あらかじめ、第二電流検出回路16が出力した第二電流検出信号Ik2と比較される第二電流基準値Ik2(R)(ここでは、Ik1(R)<Ik2(R))と、第一電圧検出回路18が出力した第一電圧検出信号Vk1と比較される第一電圧基準値Vk1(R)が設定されている。第一電圧基準値Vk1(R)は、通常状態の第一出力電圧Vo1(R)よりも低い電圧である。第二制御回路22は、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)以下のときは通常状態であると認識し、第一電圧検出信号Vk1が第一電圧基準値Vk1(R)以下の状態(第一過電流保護動作の状態)で、かつ、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)を超えると、過電流状態であると判断する。
第二制御回路22は、通常状態(Ik2≦Ik2(R))のとき、上記のように、オン時比率D2=D2(R)、スイッチング周波数F2=F2(R)の第二駆動パルス駆動パルスVg2(1),Vg2(2)を生成する。一方、過電流状態(Vk1<Vk1(R),Ik2>Ik2(R))になると、オン時比率D2を時比率基準値D2(R)に保持した状態で、周波数基準値F2(R)よりも高いスイッチング周波数F2に変化させる。以下、この過電流状態の動作を第二過電流保護動作と称する。その他の状態(Vk1<Vk1(R),Ik2>Ik2(R))のときは、通常状態と同様である。
次に、スイッチング電源装置10の動作について説明する。まず、第二過電流保護動作に関連する部分の動作を図2〜図6に基づいて説明し、その後、第一過電流保護動作と第二過電流保護動作が複合的に行われる装置全体の動作を説明する。
第二過電流保護動作に関連するのは、第二電力変換部14、第二電流検出回路16、第一電圧検出回路18及び第二整流回路22で構成される部分である。
図2の上側のグラフは、第二制御回路22の動作を表わしたもので、横軸が第二電流検出信号Ik2、縦軸がスイッチング周波数F2である。下側のグラフは、横軸が第二出力電流Io2、縦軸が第二出力電圧Vo2である。グラフの下方に記載したように、通常状態は、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)以下の領域である。また、第二過電流保護動作が行われるのは、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)を超えた領域である。なお、第一出力電圧信号Vk1が第一電圧基準値Vk1(R)まで低下しないと第二過電流保護動作が行われないので、ここでは説明の便宜のため、第一出力電圧Vo1が、第一電圧基準値Vk1(R)に対応するVo1(L)という低い電圧に保持されていると仮定し、これに伴って、第二電力変換14の通常状態の第二出力電圧Vo2が、電圧Vo1(L)に対応するVo2(L)という低い電圧になっているものとする。また、説明を容易にするため、時比率基準値D2(R)が50%であると仮定し、上記デッドタイムの影響を無視する。
以下、グラフに示す動作点A1,A2,A3における動作を順番に説明する。通常状態の動作点A1では、第二出力電流Io2が比較的小さく、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)の約1/2であり、各部の動作波形は図3のように表わされる。第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)は、オン時比率D2が時比率基準値D2(R)≒50%、スイッチング周波数F2が第二周波数基準値F2(R)である。
第二駆動パルスVg2(1)がハイレベルの期間T1の動作は、図4(a)に示す等価回路で説明することができる。この等価回路は、主トランス40をリケージインダクタ40cを含むT型等価回路で表わし、第二主スイッチング素子36(1),36(2)、整流回路42の4つのダイオードを開閉スイッチで表わしてある。期間T1は、第二主スイッチング素子36(1)がオンし、第二主スイッチング素子36(2)がオフし、一次巻線40aに入力コンデンサ38(1)が並列接続される形になる。そして、一次巻線40aの両端に、ドットを付した側が高電位となる電圧(1/2・Vo1(L),Vo1(R)>Vo1(L))が印加され、スイッチング電流Id2(1)が矢印の経路に流れる。
第二駆動パルスVg2(2)がハイレベルの期間T2の動作は、図4(b)に示す等価回路で説明することができる。期間T2は、第二主スイッチング素子36(2)がオンし、第二主スイッチング素子36(1)がオフし、一次巻線40aに入力コンデンサ38(2)が並列接続される形になる。そして、一次巻線40aの両端に、ドットを付した側が低電位となる電圧(1/2・Vo1(L),Vo1(R)>Vo1(L))が印加され、スイッチング電流Id2(2)が矢印の経路に流れる。
スイッチング電流Id2(1)は、期間T1が開始した直後の期間t1の間、リケージインダクタ40cの存在により、立ち上がる傾きが、理想的な立ち上がりよりも傾斜した傾きに制限される。リケージインダクタ40cの電流は、期間T2が終了する時点で整流回路42から第二主スイッチング素子36(2)に向かって流れており、期間T1に移行すると、電流の向きが反転する。しかし、リケージインダクタ40cは誘導性素子であり、自己の電流の向きを反転させるのに所定の時間を要するので、その間、スイッチング電流Id2(1)の立ち上がる傾きが、所定の傾きを持ったものに制限されることになる(期間t1)。スイッチング電流Id2(1)が立ち上がる傾きは、リケージインダクタ40cのインダクタンスが大きいほど緩くなり、その分、期間t1が長くなる。
スイッチング電流Id2(2)についても同様に、期間T2が開始した直後の期間t2の間、リケージインダクタ40cの存在により、立ち上がる傾きが、理想的な立ち上がりよりも傾斜した傾きに制限される。リケージインダクタ40cの電流は、期間T1が終了する時点で第二主スイッチング素子36(1)から整流回路42に向かって流れており、期間T1に移行すると、電流の向きが反転する。しかし、上記のように、リケージインダクタ40cは、自己の電流の向きを反転させるのに所定の時間を要するので、その間、スイッチング電流Id2(2)の立ち上がる傾きが、所定の傾きを持ったものに制限されることになる(期間t2)。スイッチング電流Id2(2)が立ち上がる傾きも、リケージインダクタ40cのインダクタンスが大きいほど緩くなり、その分、期間t2が長くなる。
図2の動作点A2は、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)に達した状態であり、各部の動作波形は図5のように表わされる。第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)は、オン時比率D2が時比率基準値D2(R)を維持しているが、スイッチング周波数F2がF2(b)(>F2(R))に変化している。第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のロジックとスイッチング電流Id2(1),Id2(2)が流れるタイミングの関係は動作点A1と同様であり、各素子の動作も、図4(a),(b)の等価回路のように表わすことができる。
図5の期間t1,t2の動作についても、動作点A1の場合と同様である。動作点A2の波形で特徴的なのは、スイッチング動作の1周期(1/F2)に占める期間t1,t2の割合が、動作点A1のときに比べて高くなっている点である。期間t1,t2は、図4から分かるように、主トランス40の一次巻線40aから二次巻線40bへの電力伝送が実質的に制限される期間であり、期間t1,t2の長さは、スイッチング周波数F2が変化しても、ほとんど変化しない。したがって、この期間t1,t2の割合が一定以上に高くなると、第二出力電圧Vo2に対する影響が大きくなる。しかし、動作点A1からA2までの範囲であれば第二出力電圧Vo2に与える影響は小さく、第二出力電圧Vo2は、ほぼ通常状態の電圧Vo2(L)に保持される。
図2に示す過電流状態の動作点A3は、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)を超えている状態であり、各部の動作波形は図6のように表わされる。駆動パルスVg2(1),Vg2(2)は、オン時比率D2が時比率基準値D2(R)を維持しているが、スイッチング周波数F2がF2(c)(>F2(b)>F2(R))に変化している。駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のロジックとスイッチング電流Id2(1),Id2(2)が流れるタイミングの関係は動作点A1,A2と同様であり、各素子の動作も、図4(a),(b)の等価回路のように表わすことができる。
図6の期間t1,t2の動作についても、動作点A1,A2と同様である。動作点A3の波形で特徴的なのは、スイッチング動作の1周期(1/F2(c))に占める期間t1,t2の割合が動作点A2のときよりも一層高くなっている点である。上記のように、期間t1,t2は、主トランス40の一次巻線40aから二次巻線40bへの電力伝送が実質的に制限される期間である。したがって、動作点A3では、スイッチング電流Id2(1),Id2(2)の立ち上がる傾きが制限される動作により、第二出力電圧Vo2が通常状態の電圧Vo2(L)から大幅に低下し、第二出力電流Io2(又は第二電流検出信号Ik2)の増加が抑制される。
第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)は、動作点が変化するとスイッチング周波数F2が変化するが、オン時比率D2は時比率基準値D2(R)≒50%のまま変化しない。したがって、整流回路42が出力する整流電圧Vsは、どの動作点においても、一定の電圧(ほぼ直流の電圧)となるので、平滑インダクタ48を有さない出力平滑回路44aでも、常に低リップルの第二出力電圧Vo2を生成することができる。以上が、第二過電流保護動作に関連した第二電力変換部14、第二電流検出回路16、第一電圧検出回路18及び第二整流回路22の部分の動作である。
次に、スイッチング電源装置10の動作について、図7に基づいて説明する。スイッチング電源装置10は、過電流状態になると、図2〜図6に基づいて説明した第二過電流保護動作と、第一電力変換12及び第一制御回路20によって行われる第一過電流保護動作とが複合的に行われる。以下、第二制御回路22に設定された第二電流基準値Ik2(R)が、第一制御回路20に設定された第一電流基準値Ik1(R)よりも大きいとして説明する。
図7の上側のグラフは、第一制御回路20の動作を表わしたもので、横軸が第一電流検出信号Ik1とみなされた第二電流検出信号Ik2、縦軸が第一駆動パルスVg1のハイレベルの時比率D1(第一主スイッチング素子32のオン時比率D1)である。中央のグラフは、横軸が第二電流検出信号Ik2、縦軸が第一出力電圧Vo1である。下側のグラフは、横軸が第二出力電流Io2、縦軸が第二出力電圧Vo2である。グラフの下方に記載したように、スイッチング電源装置10としての通常状態は、第一過電流保護動作と第二過電流保護動作にいずれも行われていない状態であり、第二電流検出信号Ik2が第一電流基準値Ik1(R)以下の領域である。また、過電流状態は、第二電流検出信号Ik2が第一電流基準値Ik1(R)を超えた領域である。以下、グラフに示す動作点B1,B2,B3,B4における動作を順番に説明する。
通常状態の動作点B1は、第二出力電流Io2が比較的小さく、第二電流検出信号Ik2が第一及び第二電流基準値Ik1(R),Ik2(R)の約1/2である。したがって、第一駆動パルスVg1のオン時比率D1は、第一出力電圧Vo1を電圧Vo1(R)に安定化するパルス幅制御により、D1(R)に保持されている。第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のオン時比率D2及びスイッチング周波数F2については、図2の動作点A1と同様である。
動作点B2は、第二電流検出信号Ik2が第一電流基準値Ik1(R)(<Ik2(R))に達した状態である。動作点B1からB2の範囲は、上述した動作点B1と動作は同じである。動作点B2から動作点B3の範囲は、第一過電流保護動作が行われる。動作点B3は、第一出力電圧Vo1が電圧Vo1(L)まで低下し、第一電圧検出信号Vk1が第一電圧基準値Vk1(R)まで低下した状態である。
動作点B2を過ぎると第二電流検出信号Ik2が第一電流基準値Ik1(R)を超えるので、第一制御回路20が第一駆動パルスVg1のオン時比率D1を小さくし、第一主スイッチング素子32のオン時比率D1が小さくなる。その結果、第一出力電圧Vo1が電圧Vo1(R)から徐々に低下し、図示しない第一出力電流Io1の増加が抑制され、第二出力電流Io2の増加も抑制される。動作点B2から動作点B3までの途中で第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)に達しているが、第一電圧検出信号Vk1が第一電圧基準値Vk1(R)を超えているので、第二制御回路22は第二過電流保護動作を開始しない。したがって、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のオン時比率D2及びスイッチング周波数F2については、図2の動作点A1と同様である。
動作点B3から動作点B4の範囲は、第一過電流保護動作と第二過電流保護動作の両方が行われる。動作点B4は、第一駆動パルスVg1のオン時比率D1が略ゼロに達し、第一出力電圧Vo1が入力電圧Viまで低下した状態である。
第一制御回路20は、動作点B3を過ぎても第二電流検出信号Ik2が第一電流基準値Ik1(R)を超えているので、第一駆動パルスVg1のオン時比率D1を継続的に小さくし、その結果、第一出力電圧Vo1がさらに低下し、図示しない第一出力電流Io1の増加が抑制され、第二出力電流Io2の増加も抑制される(第一過電流保護動作)。また、動作点B3を過ぎると、第一電圧検出信号Vk1が第一電圧基準値Vk1(R)以下になるので、第二制御回路22は、第一過電流保護動作が行われていると判断し、かつ第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)を超えているので、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のスイッチング周波数F2を高くする。第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のオン時比率D2及びスイッチング周波数F2については、図2の動作点A3と同様である。すなわち、スイッチング電流Id2(1),Id2(2)の立ち上がる傾きが制限される動作により、第二出力電圧Vo2が通常状態の電圧Vo2(L)から低下し、第二出力電流Io2の増加が抑制される。
このように、動作点B3から動作点B4の範囲は、第一過電流保護動作と第二過電流保護動作の相乗効果により、第二出力電圧Vo2が通常状態の電圧Vo2(L)から大幅に低下し、第二出力電流Io2の増加も十分に抑制される。
動作点B4を過ぎると、第一駆動パルスVg1のオン時比率D1が略ゼロになって第一出力電圧Vo1が入力電圧Viに保持され、第一過電流保護動作によって第二出力電流Io2の増加が抑制されることはない。したがって、動作点B4を過ぎると、第一過電流保護動作は実質的に行われなくなり、第二過電流保護動作によって第二出力電圧Vo2がさらに低下し、第二出力電流Io2の増加も抑制される。
なお、図7を基にした上記説明では、2つの電流基準値の大小関係がIk2(R)>Ik1(R)の場合の動作を説明したが、Ik2(R)≦Ik1(R)とした場合は、動作点B2からB3の範囲(第一過電流保護動作だけが行われる範囲)がなくなり、動作点B2のポイントから動作点B3の動作が開始することになる。また、第二電流基準値Ik2(R)を、動作点B4における第二電流検出信号Ik2の値と同じに設定すると、動作点B3からB4の範囲(第一過電流保護動作と第二過電流保護動作の両方が行われる範囲)がなくなり、動作点B3のポイントから動作点B4の動作が開始することになる。
以上説明したように、第一実施形態のスイッチング電源装置10及びその制御方法によれば、負荷電流(第二出力電流Io2)が過電流の状態になったときに、負荷電流の増加を抑制して負荷電圧(第二出力電圧Vo2)を低下させる過電流保護動作が確実に行われ、負荷23を焼損させる事故や、電源装置の内部素子の故障を防止できる。したがって、従来と同等以上の高い安全性を確保しつつ、昇圧チョッパ型の第一電力変換12を使用することで、高効率化を実現することができる。
また、第二電力変換部14の第二主スイッチング素子36(1),36(2)は、第二過電流保護動作時のオン時比率D2が通常状態とほぼ同じなので、特許文献2の非安定絶縁型DC-DCコンバータのように過電流時の出力リップルを低減するため平滑インダクタ48のインダクタンスを大きくする必要がない。しかも、条件が合えば平滑インダクタ48を省略することも可能である。また、従来の構成に対して特別な回路素子を追加する必要もない。したがって、第二電力変換部14の小型化、コストの低減、高インダクタンスの平滑インダクタを設けた場合に生じる損失(銅損など)の低減、などの優れた効果を得ることができる。また、第一電力変換部12の出力電流Io1に相当する電流を検出する第一電流検出回路が第二電流検出回路16と兼用されているので、部品点数削減の効果も大きい。
次に、本発明のスイッチング電源装置及びその制御方法の第二実施形態について、図8、図9に基づいて説明する。ここで、第一実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第二実施形態のスイッチング電源装置50は、図8に示すように、第一電力変換部12、第二電力変換部14、第二電流検出回路16、時比率検出回路52、第一制御回路20、第二制御回路54を備え、入力電圧Viを出力電圧Vo2に変換して負荷23に供給する安定型絶縁コンバータである。図1のスイッチング電源装置10と構成が異なるのは、第一電圧検出回路18に代えて時比率検出回路52が設けられ、第二制御回路22に代えて第二制御回路54が設けられている点であり、その他の構成は同様である。
時比率検出回路52は、第一制御回路20が出力する第一駆動パルスVg1を観測し、オン時比率D1が略ゼロ(ゼロ又はゼロに近い値)になると、時比率ゼロ信号Dk1(0)を出力する働きをする。例えば、第一駆動パルスVg1を積分し、積分電圧が所定値以下になると時比率ゼロ信号Dk1(0)を出力する回路である。
第二制御回路54は、上記の第二制御回路22と多くの機能が共通するが、異なるのは、時比率ゼロ信号Dk1(0)が出力されたときに、第一過電流保護動作の状態であると判断する点である。したがって、第二制御回路54は、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)以下のときは通常状態であると認識し、時比率ゼロ信号Dk1(0)が出力された状態(第一過電流保護動作の状態)で、かつ、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)を超えると、過電流状態であると判断する。
第二制御回路54は、通常状態(Ik2≦Ik2(R))のときは、上記と同様に、オン時比率D2=D2(R)≒50%、スイッチング周波数F2=F2(R)の第二駆動パルス駆動パルスVg2(1),Vg2(2)を生成する。一方、過電流状態になると(Dk1(0)を受け、Ik2>Ik2(R)になると)、オン時比率D2を時比率基準値D2(R)に保持し、周波数基準値F2(R)よりも高いスイッチング周波数F2に変化させ、この動作が第二過電流保護動作となる。その他の状態のときは、通常状態と同様である。
スイッチング電源装置50の動作について、図9に基づいて説明する。上記のスイッチング電源10の場合、図7に示すように、第一過電流保護動作と第二過電流保護動作の両方が行われる範囲(動作点B3からB4の範囲)があるが、スイッチング電源装置50の場合は、両方が行われる範囲が存在しない。スイッチング電源装置50は、図9に示すように、動作点B2を超えると第一過電流保護動作を開始し、第一出力電圧Vo1が低下し、オン時比率D1が略ゼロになる動作点B4になった時点で第二過電流保護動作を開始する。また、オン時比率D1が略ゼロになった動作点B4以降は、上記のように、実質的に第一過電流保護動作が行われないからである。図9では、第一及び第二電流基準値に関してはIk2(R)>Ik1(R)と仮定しているが、Ik2(R)≦Ik1(R)の場合も、各グラフの軌跡は同じである。
以上説明したように、この実施形態のスイッチング電源装置50及びその制御方法によれば、上記のスイッチング電源装置10と同様の作用効果を得ることができる。さらに、第一電圧検出回路52に代えて時比率検出回路52が設けられるので、回路をコンパクトに構成できるという利点がある。上記の第一電圧検出回路18の場合、第一出力電圧Vo1を高い電圧(例えば、350〜450V程度)に設定すると、やや部品点数が多くなり、しかも周囲の部品との間に一定以上の絶縁距離も確保しなければならない。これに対して、時比率検出回路52の場合は、第一駆動パルスVg1という低い電圧(例えば、4〜15V程度)を観測するので、部品点数や絶縁距離について、ほとんど問題にならない。
次に、本発明のスイッチング電源装置及びその制御方法の第三実施形態について、図10に基づいて説明する。ここで、第一実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第三実施形態のスイッチング電源装置56は、第一電力変換部12、第二電力変換部14、第一電流検出回路58、第二電流検出回路60、第一電圧検出回路18、第一制御回路20、第二制御回路22を備え、入力電圧Viを出力電圧Vo2に変換して負荷23に供給する安定型絶縁コンバータである。図1のスイッチング電源装置10と構成が異なるのは、新たに第一電流検出回路58が設けられ、第二電流検出回路16に代えて第二電流検出回路60が設けられている点であり、その他の構成は同様である。
第一電流検出回路58は、第一電力変換部12が出力する第一出力電流Io1又はこれに相当する電流を検出し、第一制御回路20に向けて電流検出信号Ik1を出力する。第一出力電流Io1に相当する電流とは、例えば、第一電力変換部12に流れ込む入力電流、第一主スイッチング素子32に流れるスイッチング電流、整流ダイオード28に流れる電流などが考えられる。第一電流検出回路58の場合は、第一主スイッチング素子32に流れるスイッチング電流I1を検出しており、例えば、スイッチング電流I1の流れる経路に電流検出用の抵抗を挿入し、この抵抗の両端に発生する電圧を電流検出信号Ik1として出力する。
第二電流検出回路60は、上記の第二電流検出回路16とは異なり、第二電力変換部14が出力する第二出力電流Io2に相当する電流として、主トランス40の一次巻線40aに流れるスイッチング電流I2を検出し、第二制御回路22に向けて電流検出信号Ik2を出力する。例えば、スイッチング電流I2の流れる経路に電流検出用トランスを挿入し、その出力巻線側から電流検出信号Ik2を出力する。
スイッチング電源装置56の動作は、図7に示すスイッチング電源装置10と同様である。この実施形態のスイッチング電源装置56及びその制御方法によれば、上記のスイッチング電源装置10と同様の作用効果を得ることができる。さらに、第一電流検出回路58が第一主スイッチング素子32のスイッチング電流I1を、第二電流検出回路60が第二主スイッチング素子36(1),36(2)のスイッチング電流I2を別々に検出する構成なので、例えば、第一電力変換12又は第二電力変換14に内部素子の異常(故障や動作不良など)が発生した場合に、その内部素子に近い箇所で検出し、即座に第一、第二過電流保護動作が行われるので、さらに装置の安全性を向上させることができるという効果が得られる。
次に、第一実施形態が有する第二制御回路22の変形例について、図11に基づいて説明する。この変形例は、上記の第二制御回路22と同様の機能を備え、さらに新規な機能が追加されている。以下、変形例の第二制御回路22は、末尾に(sf)の符号を付して区別し、主に追加された機能について説明する。
第二制御回路22(sf)は、第二主スイッチング素子36(1),36(2)のスイッチング動作の開始時、スイッチング周波数F2が周波数基準値F2(R)よりも高くなるように駆動パルスVg2(1),Vg2(2)を生成し、時間の経過と共に駆動パルスVg2(1),Vg2(2)を変化させ、スイッチング周波数F2を周波数基準値F2(R)に近づける機能が付加されている。ここで、スイッチング動作の開始時とは、例えばスイッチング電源装置10に入力電圧Viが投入されてしばらくの時間のことである。
第二制御回路22(sf)を備えたスイッチング電源装置10の動作は、図11のグラフで表わされる。上側のグラフは、横軸が時間(起点はスイッチング動作の開始時)であり、縦軸は、第二主スイッチング素子36(1),36(2)のスイッチング周波数F2である。下側のグラフは、横軸が同様に時間(起点はスイッチング動作の開始時)であり、縦軸が第二出力電圧Vo2である。以下、起動期間1、起動期間2、通常状態について順番に説明する。なお、これらの期間中、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)を超えず、第二過電流保護動作が行われない設定になっていると仮定する。
まず、起動期間1は、図示しない第一出力電圧Vo1が所定電圧まで早々に上昇した後、第二主スイッチング素子36(1),36(2)のスイッチング動作によって平滑コンデンサ46が徐々に充電され、第二出力電圧Vo2が本来の電圧Vo2(R)に向かって上昇している期間である。起動期間1の中の動作点C3は、駆動パルスVg2(1),Vg2(2)の時比率D2が基準時比率D2(R)≒50%で、スイッチング周波数F2がF2(c)(>F2(R))である。動作点C3における各部の動作波形は、図6の動作点A3の動作波形(Ik2波形を除く)と同様である。
図6の波形で特徴的なのは、スイッチング動作の1周期に占める期間t1,t2の割合が非常に高くなっている点であり、上記のように、期間t1,t2は、主トランス40の一次巻線40aから二次巻線40bへの電力伝送が実質的に制限される期間である。したがって、動作点C3では、スイッチング電流Id2(1),Id2(2)が立ち上がる傾きが制限される動作により、第二出力電流Io2に相当する平滑コンデンサ46の充電電流が抑制され、その結果、第二出力電圧Vo2は、立ち上がる傾きが制限されて緩やかに上昇する。
起動期間2は、スイッチング周波数F2が周波数基準値F2(R)に向かって徐々に低下している途中であって、第二出力電圧Vo2が本来の電圧Vo2(R)に達して一定になっている期間である。起動期間2の開始点である動作点C2は、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)の時比率D2が基準時比率D2(R)で、スイッチング周波数F2がF2(b)(F2(c)>F2(b)>F2(R))である。動作点C2における各部の動作波形は、図5の動作点A2の波形(Ik2波形を除く)と同様である。動作点C2では、スイッチング動作の1周期が1/F2(b)であり、期間t1,t2の割合がやや高いが、第二出力電圧Vo2に与える影響は小さく、第二出力電圧Vo2は、ほぼ通常状態の電圧Vo2(R)になっている。
通常状態の中の動作点C1は、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)の時比率D2が基準時比率D2(R)で、スイッチング周波数F2が基準周波数F2(R)である。動作点C1における各部の動作波形は、図3の動作点A1の動作波形と同様である。
スイッチング電源装置10は、第二制御回路22(sf)を使用することによって、上述した作用効果に加え、さらに、スイッチング動作の開始時にソフトスタート動作を実現することができる。
上記のように、起動期間1において、スイッチング電流Id2(1),Id2(2)の立ち上がる傾きが制限される動作により、第二出力電流Io2に相当する平滑コンデンサ46の充電電流が抑制され、その結果、第二出力電圧Vo2は、立ち上がる傾きが制限されながら緩やかに上昇する。この動作により、第二変換回部14の内部素子に過大な電気ストレスが加わるのを防止することができ、また負荷23の特性に合わせて第二出力電圧Vo2の立ち上がるスピードを自在に調節することができる等の効果が得られる。これらの効果は、背景技術で説明した「オンの時比率を変化させる従来のソフトスタート動作」によって得られる効果と共通する点が多い。
ここまでの説明では、起動期間1と起動期間2を経て通常状態に至るまでの間、第二過電流保護動作が行われない設定になっていると仮定したが、ソフトスタート動作と第二過電流保護動作に近い動作とを併用して第二出力電圧Vo2の立ち上がり特性の調節を行っても構わない。特に、平滑コンデンサ46として大容量のコンデンサを使用した場合や、負荷23が内部に大容量のコンデンサを有している場合には、例えば次に説明するように、ソフトスタート動作と第二過電流保護動作に近い動作とを併用するとよい。
スイッチング電源装置10の出力端に大容量のコンデンサが付加された場合、上記のソフトスタート動作(スイッチング周波数F2が周波数基準値F2(R)に向かって徐々に低下して行く動作)の途中、スイッチング電源装置10は、大容量コンデンサに対して大きな充電電流を流すため、第二電流検出回路16が出力する第二電流検出信号Ik2が電流基準値Ik2(R)に達する可能性がある。この場合、スイッチング電源装置10は、第二電流検出信号Ik2が電流基準値Ik2(R)に達すると、第二制御回路22(sf)がソフトスタート動作を中断し、スイッチング周波数F2を直前の値に保持することで、大容量のコンデンサの充電電流の増加が抑制される。この抑制された状態でも大容量コンデンサの充電は継続され、第二出力電圧Vo2がさらに上昇することによって、大容量コンデンサの充電電流が減少する。そして、第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)以下になると、第二制御回路22(sf)は、スイッチング周波数F2が周波数基準値F2(R)に向かって徐々に低下させるソフトスタート動作を再開させる。
このように、ソフトスタート動作の途中で第二電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)に達した場合に、電流検出信号Ik2が第二電流基準値Ik2(R)以下に低下するまでの間、ソフトスタート動作を中断させるように設定することで、ソフトスタート動作と充電電流の抑制動作の両方を良好に機能させることができる。このとき、ソフトスタート動作が行われているときの第二電流基準値Ik2(R)は、通常状態における第二電流基準値Ik2(R)と同じである必要はなく、適宜の値に設定することで、第二出力電圧Vo2の立ち上がり特性を調節する自由度をさらに高くすることができる。
また、第二制御回路22(sf)に付加されたソフトスタート動作の機能は、第二実施形態のスイッチング電源装置50が有する第二制御回路54、第三実施形態のスイッチング電源装置56が有する第二制御回路22にも付加することができ、同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明のスイッチング電源装置及びその制御方法は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。上記実施形態では、第二主スイッチング素子32のスイッチング電流Id2(1),Id2(2)が立ち上がる傾きが主トランス40のリケージインダクタ40cよって制限され、その結果、期間t1,t2が発生する動作を説明したが、他の方法で期間t1,t2の長さを調節することも可能である。例えば、一次巻線40aと直列に独立したインダクタ素子を挿入したり、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)がローレベルからハイレベルに上昇する傾きを緩くして、第二主スイッチング素子36(1),36(2)のオンスピード(ドレインソース間の抵抗値が低下するスピード)を遅くしたりする等の方法が考えられる。
上記実施形態では、平滑コンデンサ46だけの出力平滑回路44aについて説明したが、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)のオン時比率D2が50%(時比率基準値Dr=50%)に設定できれば、原理的には、平滑コンデンサ46も省略することができる。整流回路42が出力する整流電圧Vsが理想的な直流電圧となり、平滑する必要がないからである。しかし、平滑コンデンサ46を設けると、負荷23の急変に対する第二出力電圧Vo2の変動を小さくしたり、リップルノイズを除去したりする効果が得られる点に留意する。また、第二駆動パルスVg2(1),Vg2(2)の時比率D2を小さくして、第二主スイッチング素子36(1),36(2)のデッドタイム(共にオフする時間)を長くする場合は、LCフィルタの構成の出力平滑回路44(平滑インダクタ48、平滑コンデンサ46)を設けるとよい。平滑インダクタ48は、オン時比率D2が50%に近ければ、小さいインダクタンスでも十分であり、例えば、配線パターンに寄生するインダクタンで代用することも可能である。
上記実施形態では、第二電力変換部14のインバータ回路34がハーフブリッジ方式であるが、フルブリッジ方式に変更しても同様の作用効果を得ることができる。ただし、フルブリッジ方式の場合は、図12(a)に示すインバータ回路62のように、第二主スイッチング素子が4つあるので、36(1)の符号を付した2つの第二主スイッチング素子を上記の第二駆動パルスVg2(1)で駆動し、36(2)の符号を付した2つの第二主スイッチング素子を上記の第二駆動パルスVg2(2)で駆動するとよい。また、図12(b)に示すように、プッシュプル方式のインバータ回路64に変更しても、同様の作用効果を得ることができる。この場合は、36(1)の符号を付した第二主スイッチング素子を上記の駆動パルスVg2(1)で駆動し、36(2)の符号を付した第二主スイッチング素子を上記の駆動パルスVg2(2)でオンオフさせるとよい。
また、上記実施形態では、ハーフブリッジ方式のインバータ回路20に対して全波整流方式の整流回路42が設けられているが、図12(c)に示すセンタタップ方式の整流回路66に変更しても、同様の作用効果を得ることができる。これは、フルブリッジ方式のインバータ回路62、プッシュプル方式のインバータ回路64についても同様である。
さらに、インバータ回路及び整流回路を、図13に示すインバータ回路68及び整流回路70のように、シングルエンディッドフォワード方式の2つの回路を並列接続してインターリーブ動作を行う構成にしてもよく、上記と同様の作用効果を得ることができる。この場合、36(1)の符号を付した第二主スイッチング素子を上記の第二駆動パルスVg2(1)で駆動し、36(2)の符号を付した第二主スイッチング素子を上記の第二駆動パルスVg2(2)で駆動するとよい。
また、図12(a),(b),(c)、図13で説明した各変形例には、LCフィルタの構成の出力平滑回路44が設けられているが、図1のスイッチング電源装置10の場合と同様に、デッドタイム等の条件が合えば、平滑インダクタ48を省略したり、出力平滑回路44自体を省略したりすることも可能である。
10,50,56 スイッチング電源装置
12 第一電力変換部
14 第二電力変換部
16,60 第二電流検出回路
18 第一電圧検出回路
20 第一制御回路
22,22(sf),54 第二制御回路
32 第一主スイッチング素子
34,62,64,68 インバータ回路
36,36(1),36(2) 第二主スイッチング素子
40 主トランス
40a 一次巻線
40b 二次巻線
40c リケージインダクタ
42,66,70 整流回路
44 出力平滑回路
46 平滑コンデンサ
48 平滑インダクタ
52 時比率検出回路
58 第一電流検出回路
D2 第二主スイッチング素子のオン時比率(第二駆動パルスのハイレベルの時比率)
D2(R) 時比率基準値
Dk1(0) 時比率ゼロ信号
F2 第二主スイッチング素子のスイッチング周波数(第二駆動パルスの周波数)
F2(R) 周波数基準値
Ik1 第一電流検出信号
Ik1(R) 第一電流基準値
Ik2 第二電流検出信号
Ik2(R) 第二電流基準値
Io1 第一出力電流(第一電力変換部の出力電流)
Io2 第二出力電流(第二電力変換部の出力電流)
Vg1 第一駆動パルス
Vg2(1),Vg2(2) 第二駆動パルス
Vi 入力電圧
Vk1 第一電圧検出信号
Vk1(R) 第一電圧基準値
Vo1 第一出力電圧(第一電力変換部の出力電圧)
Vo2 第二出力電圧(第二電力変換部の出力電圧)
Vs 整流電圧

Claims (11)

  1. 第一主スイッチング素子のスイッチング動作によって、入力電圧を安定な第一出力電圧に変換して出力する第一電力変換部と、第二主スイッチング素子のスイッチング動作によって、前記第一出力電圧を当該電圧に略比例した第二出力電圧に変換して出力する第二電力変換部と、前記第一主スイッチング素子をオンオフさせるパルス電圧であって、前記第一出力電圧を安定化制御するための第一駆動パルスを出力する第一制御回路と、前記第二主スイッチング素子をオンオフさせる第二駆動パルスを出力する第二制御回路とを備えたスイッチング電源装置において、
    前記第一電力変換が出力する第一出力電流又はこれに相当する電流を検出して第一電流検出信号を出力する第一電流検出回路が設けられ、前記第二電力変換が出力する第二出力電流又はこれに相当する電流を検出して第二電流検出信号を出力する第二電流検出回路が設けられ、
    前記第一電力変換部は、昇圧チョッパ型のコンバータであり、前記第二電力変換部は、前記第二主スイッチング素子、及びそのスイッチング動作によって発生した断続電圧を一次巻線に受け、二次巻線から出力する主トランスで構成されたインバータ回路と、前記二次巻線の電圧を整流する整流回路とを有するものであり、
    前記第一制御回路には、前記第一電流検出信号と比較される第一電流基準値が設定され、前記第一制御回路は、前記第一電流検出信号が第一電流基準値を超えると、前記第一主スイッチング素子のオン時比率を小さくするように前記第一駆動パルスを生成し、前記第一出力電流の増加を抑制する第一過電流保護動作を行い、
    前記第二制御回路には、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数を規定する第二周波数基準値と、前記第二電流検出信号と比較される第二電流基準値とが設定され、前記第二制御回路は、前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値以下のときは、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数が前記第二周波数基準値となるように前記第二駆動パルスを生成し、前記第一過電流保護動作が行われている状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数が前記第二周波数基準値よりも高くなるように前記第二駆動パルスを生成し、前記第二主スイッチング素子に流れるスイッチング電流の立ち上がりの傾きにより前記第二出力電流の増加を抑制する第二過電流保護動作を行うことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記第二制御回路は、前記第二主スイッチング素子のスイッチング動作開始時に、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数が前記第二周波数基準値よりも高くなるように前記第二駆動パルスを生成し、前記第二主スイッチング素子に流れるスイッチング電流の立ち上がりの傾きにより前記第二出力電圧の立ち上がる傾きを制限し、その後、前記第二駆動パルスを変化させ、スイッチング周波数を前記第二周波数基準値に近づける請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記第二電力変換の前記インバータ回路は、ハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式、又はプッシュプル方式である請求項1又は2記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記スイッチング電流が立ち上がる傾きは、前記主トランスのリケージインダクタによって制限される請求項1又は2記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記第一電流検出回路は前記第二電流検出回路と兼用され、前記第一制御回路は、前記第二電流検出信号を前記第一電流検出信号とみなして動作する請求項1乃至4の何れか記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記第一出力電圧又はこれに相当する電圧を検出して第一電圧検出信号を出力する第一電圧検出回路が設けられ、前記第二制御回路には、前記第一電圧検出信号と比較される第一電圧基準値が設定され、前記第二制御回路は、前記第一電圧検出信号が前記第一電圧基準値以下になると、前記第一過電流保護動作が行われていると判断する請求項1乃至4の何れか記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記第一駆動パルスを観測し、前記第一主スイッチング素子のオン時比率が略ゼロになると、その旨を示す時比率ゼロ信号を出力する時比率検出回路が設けられ、前記第二制御回路は、前記時比率ゼロ信号を受けると、前記第一過電流保護動作が行われていると判断する請求項1乃至4のいずれか記載のスイッチング電源装置。
  8. 第一主スイッチング素子のスイッチング動作によって、入力電圧を安定化された第一出力電圧に変換して出力する昇圧チョッパ型の第一電力変換部と、第二主スイッチング素子のスイッチング動作によって、前記第一出力電圧を当該電圧に略比例した第二出力電圧に変換して出力する第二電力変換部とを有し、前記第二電力変換部が、前記第二主スイッチング素子及び主トランスで構成されたインバータ回路と、前記主トランスの二次巻線の電圧を整流する整流回路とを有するスイッチング電源装置の制御方法であって、
    あらかじめ、前記第一電力変換が出力する第一出力電流又はこれに相当する電流の検出信号である第一電流検出信号と比較される第一電流基準値と、前記第二電力変換が出力する第二出力電流又はこれに相当する電流の検出信号である第二電流検出信号と比較される第二電流基準値と、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数を規定する第二周波数基準値とを設定し、
    前記第一電流検出信号が第一電流基準値を超えると、前記第一主スイッチング素子のオン時比率を小さくし、前記第一出力電流の増加を抑制する第一過電流保護動作を行い、
    前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値以下のときは、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数前記第二周波数基準値とし
    前記第一過電流保護動作が行われている状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二主スイッチング素子のスイッチング周波数を前記第二周波数基準値よりも高くし、前記第二主スイッチング素子に流れるスイッチング電流の立ち上がりの傾きにより前記第二出力電流の増加を抑制する第二過電流保護動作を行うことを特徴とするスイッチング電源装置の制御方法。
  9. 前記第二主スイッチング素子のスイッチング動作開始時は、前記第二出力電圧の立ち上がる傾きを制限するように、前記第二周波数基準値よりも高いスイッチング周波数で前記第二主スイッチング素子をオンオフさせ、その後、スイッチング周波数を変化させ、前記第二周波数基準値に近づける請求項8記載のスイッチング電源装置の制御方法。
  10. 前記第一過電流保護動作により前記第一出力電圧が第一基準電圧以下になった状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二過電流保護動作を行う請求項8又は9記載のスイッチング電源装置の制御方法。
  11. 前記第一過電流保護動作により前記第一主スイッチング素子のオン時比率が略ゼロになった状態で前記第二電流検出信号が前記第二電流基準値を超えると、前記第二過電流保護動作を行う請求項8又は9記載のスイッチング電源装置の制御方法。
JP2013096252A 2013-05-01 2013-05-01 スイッチング電源装置及びその制御方法 Active JP5927142B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013096252A JP5927142B2 (ja) 2013-05-01 2013-05-01 スイッチング電源装置及びその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013096252A JP5927142B2 (ja) 2013-05-01 2013-05-01 スイッチング電源装置及びその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014220862A JP2014220862A (ja) 2014-11-20
JP5927142B2 true JP5927142B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=51938860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013096252A Active JP5927142B2 (ja) 2013-05-01 2013-05-01 スイッチング電源装置及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5927142B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107408889B (zh) * 2015-03-03 2020-05-19 三菱电机株式会社 功率转换器
JP6632067B2 (ja) * 2016-04-18 2020-01-15 コーセル株式会社 スイッチング電源装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5333834U (ja) * 1976-08-30 1978-03-24
JP2894954B2 (ja) * 1994-06-22 1999-05-24 福島日本電気株式会社 多出力電源装置
JPH10229674A (ja) * 1997-02-14 1998-08-25 Sanken Electric Co Ltd Dc−dcコンバ−タ
JP3782019B2 (ja) * 2002-02-14 2006-06-07 株式会社デンソー 同期整流型dc−dcコンバータの電流検出方法
JP4309125B2 (ja) * 2002-12-27 2009-08-05 パナソニック株式会社 スイッチング電源装置
JP2006311689A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Toyota Industries Corp Dc/dcコンバータ
JP2008022658A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Sony Corp スイッチング電源回路
JP4853182B2 (ja) * 2006-08-28 2012-01-11 株式会社村田製作所 非安定絶縁型dc−dcコンバータおよび電源装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014220862A (ja) 2014-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6528561B2 (ja) 高効率力率改善回路およびスイッチング電源装置
JP4623092B2 (ja) 絶縁型スイッチング電源装置
JP5704124B2 (ja) スイッチング電源装置
US10581318B2 (en) Resonant converter including capacitance addition circuits
WO2016139745A1 (ja) 電力変換器
JP2008283818A (ja) スイッチング電源装置
JP6012822B1 (ja) 電力変換装置
JP4853182B2 (ja) 非安定絶縁型dc−dcコンバータおよび電源装置
JP2008113548A (ja) 2トランス型dc−dcコンバータ
JP2012090476A (ja) 電源装置
JP6794250B2 (ja) 位相補償回路及びこれを用いたdc/dcコンバータ
JP2008067454A (ja) Dc/dcコンバータ
JP2010124567A (ja) スイッチング電源装置
JP2010063299A (ja) 昇圧形コンバータ
JP5927142B2 (ja) スイッチング電源装置及びその制御方法
JP4764980B2 (ja) 直流−直流変換装置
JP2009050080A (ja) スナバ回路
JP2007274852A (ja) Dc/dcコンバータ
US8324878B2 (en) Voltage regulator with gate resistor for improved efficiency
JP5554591B2 (ja) 電源装置
JP2010074895A (ja) 電源装置
JP2014011907A (ja) スイッチング電源装置
JP6794249B2 (ja) 位相補償回路及びこれを用いたdc/dcコンバータ
JP5076997B2 (ja) 絶縁型dc−dcコンバータ
WO2017203687A1 (ja) スイッチング電源制御回路及びスイッチング電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5927142

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250