JP5076997B2 - 絶縁型dc−dcコンバータ - Google Patents
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Description
〈第1の問題点〉
図1において同期整流素子駆動回路3は、例えばトランスT1に発生する電圧で駆動するいわゆる自己駆動型の回路であれば、回路構成が簡易であるものの、整流側同期整流素子Q2の駆動電圧の振幅が入力電圧にほぼ比例して変動してしまう。また、絶縁型DC−DCコンバータの出力電流が大きいと、トランスT1のリーケージインダクタンスに起因するスパイク電圧が大きくなり、そのスパイク電圧が整流側同期整流素子Q2のゲート・ソース間に印加されてしまう。
また、図1では図示を省略したが、オン期間制御回路6を動作させるための直流電源が必要である。また、その他に絶縁型DC−DCコンバータの2次側に過熱保護を行う保護回路や出力電圧等を監視する出力インターフェース回路を設ける場合には、それらを動作させるためにも直流電源が必要となる。この直流電源の電圧としては2V〜15V程度が想定されるが、2次側回路が入力電圧変動範囲および出力電流変動範囲の全範囲で安定な動作を行い、且つ2次側回路への過電圧の印加を避けるためには、ある程度安定化された直流電圧を供給する事が望ましい。そのために例えば、トランスT1に設けた補助コイルの出力を整流平滑し、シリーズレギュレータで安定化すれば安定した直流電圧が得られるが、その分、回路構成が複雑化する。
図1において、2次側のANDゲートIC5の出力電圧が“L”レベルから“H”レベルに切り替わる瞬間にパルストランスT2を経由してコンデンサC7を充電することによってオフタイミング信号を発生する。ここでコンデンサC7の容量をC7、充電電圧をVcs、スイッチング周波数をfswとすると、パルス信号を発生するために、次の式で表される損失Psgが2次側のパルス信号発生回路で発生する。
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消して、同期整流素子の絶縁破壊を防止し、簡素な回路構成で2次側の回路へ安定した電源電圧を供給でき、2次側のパルス信号発生回路による電力損失を低減した、絶縁型DC−DCコンバータを提供することにある。
[1]直流電力をスイッチングする主スイッチ素子(Q1)と、該主スイッチ素子でスイッチングされることにより変換される交流電力を1次コイルから2次コイルへ伝送する主トランスと、該主トランスの2次コイルから出力される交流電力を整流する、少なくとも1つの電界効果型トランジスタを含む整流回路と、該整流回路の出力を平滑して出力部に直流電力を出力する出力平滑回路(L1,C2)とを備える絶縁型DC−DCコンバータにおいて、
前記電界効果型トランジスタのゲート電圧を一定値以下に制限するゲート電圧制限回路(7)と、
前記2次コイルに生じる電圧から前記ゲート電圧制限回路で降圧される電圧を差し引いた電圧を整流平滑し、2次側回路の電力源となる直流電圧を生成する2次側回路用整流平滑回路と、
を備える。
前記パルス信号発生回路が発生するパルス信号を1次側へ絶縁状態で伝送するパルス信号伝送回路と、
前記パルス信号を受信して前記主スイッチ素子をタ−ンオフまたはタ−ンオンするパルス信号受信回路と、
を備える。
前記パルス信号発生回路(4)は、前記電圧比較回路の出力電圧と前記ゲート電圧制限回路(7)の出力電圧とのアンド条件でパルス信号を発生する回路とする。
図2は第1の実施形態に係る絶縁型DC−DCコンバータ101の回路図、図3はその各部の波形図である。図3を参照しながら図2各部の構成と作用について順に説明する。
図4は第2の実施形態に係る絶縁型DC−DCコンバータ102の回路図、図5はその各部の波形図である。
図4に示すように、この絶縁型DC−DCコンバータ102は、入力電源の入力端子+Vin,−Vin、出力端子+Vout,−Vout、主スイッチ素子Q1、整流側同期整流素子としての電界効果型トランジスタQ2、転流側同期整流素子としての電界効果型トランジスタQ3、出力平滑コンデンサC2、チョークコイルL1、主トランスT1およびパルストランスT2を備えている。
上記ゲート電圧制限回路7の出力には、ダイオードD7およびコンデンサC8によるピ−ク整流回路(本発明に係る「2次側回路用整流平滑回路」に相当。)を設けている。このピーク整流回路によって、ゲート電圧制限回路の出力電圧が整流・平滑されて直流電圧が生成され、これが2次側回路の電源電圧(電力源)として供給される。
図6は第3の実施形態に係る絶縁型DC−DCコンバータ103の回路図である。
第1の実施形態として図2に示した絶縁型DC−DCコンバータでは、整流側同期整流素子としての電界効果型トランジスタの駆動電圧を、トランスT1の2次コイルn2から直接とるようにしたが、図6に示す例では、トランスT1の2次コイルn2に直列に接続されたチョークコイルトランスL1の2次コイルからとっている。これに伴い、ゲート電圧制限回路7はトランジスタQ5、抵抗R10、ツェナー電圧をZD1、コンデンサC6で構成している。その他の構成は図2に示したものと同様である。
図7は第4の実施形態に係る絶縁型DC−DCコンバータ104の回路図である。
第1〜第3の各実施形態では何れもフォワード形式のコンバータを例に挙げたが、図7に示す絶縁型DC−DCコンバータはフライバック型のコンバータである。
例えば電力変換部の回路構成は第1〜第3の実施形態で示したフォワード形式のコンバータや、第4の実施形態で示したフライバック型のコンバータだけでなく、様々な絶縁型スイッチング電力変換回路のトポロジーが適用可能であり、同期整流素子として電界効果型トランジスタを用いる回路であれば、シングルエンドタイプだけでなく、ダブルエンドのプッシュプル、ハーフブリッジ、フルブリッジのコンバータにも適用できる。
2…信号受信/電力スイッチ駆動回路
3…同期整流素子駆動回路
4…パルス信号発生回路
5…ランプ波発生回路
6…オン期間制御回路
7…ゲート電圧制限回路
8…オフ期間制御回路
9…2次側制御回路
101〜103…フォワード形式の絶縁型DC−DCコンバータ
104…フライバック形式の絶縁型DC−DCコンバータ
T1…主トランス
T2…パルストランス
T3…パルストランス
L1…チョークコイル,チョークコイルトランス
IC1…コンパレータ
IC6…シャントレギュレータ
IC5…ANDゲート
PC1…フォトカプラ
Vref…基準電圧発生回路
Q1…主スイッチ素子
Q2…整流側同期整流素子としての電界効果型トランジスタ
Q3…転流側同期整流素子としての電界効果型トランジスタ
ZD1…ツェナーダイオード
C1…入力平滑コンデンサ
C2…出力平滑コンデンサ
D1〜D12…ダイオード
Claims (3)
- 直流電力をスイッチングする主スイッチ素子と、該主スイッチ素子でスイッチングされることにより変換される交流電力を1次コイルから2次コイルへ伝送する主トランスと、該主トランスの2次コイルから出力される交流電力を整流する、少なくとも1つの電界効果型トランジスタを含む整流回路と、該整流回路の出力を平滑して出力部に直流電力を出力する出力平滑回路とを備える絶縁型DC−DCコンバータにおいて、
前記電界効果型トランジスタのゲート電圧を一定値以下に制限するゲート電圧制限回路と、
前記2次コイル、もしくは前記2次コイルに直列に接続されたインダクタに生じる電圧から前記ゲート電圧制限回路で降圧される電圧を差し引いた電圧を整流平滑し、2次側回路の電力源となる直流電圧を生成する2次側回路用整流平滑回路と、
を備えたことを特徴とする絶縁型DC−DCコンバータ。 - 前記2次側回路は、出力電圧または出力電流の検出信号と基準信号とを比較する比較回路と、当該比較回路の比較結果に応じて、前記電界効果型トランジスタのゲート蓄積電荷の放電経路を形成して、出力電圧または出力電流が安定するように前記主スイッチ素子のオンデューティ比を定めるパルス信号を発生するパルス信号発生回路を含み、
前記パルス信号発生回路が発生するパルス信号を1次側へ絶縁状態で伝送するパルス信号伝送回路と、
前記パルス信号を受信して前記主スイッチ素子をタ−ンオフまたはタ−ンオンするパルス信号受信回路と、
を備えた、請求項1に記載の絶縁型DC−DCコンバータ。 - 前記比較回路は2つの入力電圧を比較する電圧比較回路から成り、
前記パルス信号発生回路は、前記電圧比較回路の出力電圧と前記ゲート電圧制限回路の出力電圧とのAND条件でパルス信号を発生する回路である、請求項2に記載の絶縁型DC−DCコンバータ。
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