JP5917279B2 - 医療用シャフトおよび医療用器具 - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテルなどといった生体内に挿入して用いられる医療用器具の一部を構成する医療用シャフトおよび当該医療用シャフトを備えた医療用器具に関するものである。
カテーテルなどといった生体内に挿入して用いられる医療用器具の一部を構成する医療用シャフトとして、特許文献1には螺旋状のスリットが形成された先端部と、先端部よりも先端側に設けられ、線状のコアワイヤの基端部を固定するための固定領域とを有する医療用シャフトが開示されている。また当該固定領域を、先端部から突出する舌形状、軸線周りに連続する又は断続する環状とすることが開示されている。特許文献1に記載の医療用シャフトによれば、当該固定領域にコアワイヤを固定することで、当該固定による剛性の増加の剛性低下領域に対する影響を低減することができる。また副次的な効果としてコアワイヤを医療用シャフトに固定する固定作業において、コアワイヤの固定箇所の目視確認を良好に行うことができ、医療用シャフトに対するコアワイヤの固定を確実なものとすることが可能となる。
特開2010−201027号公報
上記特許文献1に記載の医療用シャフトは、剛性低下領域の先端側にさらに当該剛性低下領域よりも剛性が低下するようにコアワイヤの固定領域を設ける必要があり、製造コストが増大するという問題がある。したがって簡易な構造で実現でき、製造コストを抑制するという点については未だ改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、シャフト部分を有する医療用器具の操作性を良好に高め、コアワイヤを確実に固定可能な医療用シャフトにおいて簡易な構造で実現でき、製造コストを抑制できる医療用シャフト及び当該医療用シャフトを備えた医療用器具を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明の医療用シャフトは、線状のコアワイヤが固定されて用いられる管状の医療用シャフトであって、先端縁から基端側に向かって螺旋状のスリットが形成された先端部と、前記先端縁の一部において前記スリットを避けて、医療用シャフトの全周のうちの50%以下の部分を占めるように形成されたノッチと、前記ノッチと向かい合う内壁に前記コアワイヤを固定するために用いられる固定領域とを有することを特徴とする。
本発明によれば、前記コアワイヤを固定するために用いられる固定領域が、ノッチと向かい合う内壁に形成されているので、コアワイヤの固定箇所の目視確認を良好に行うことができ、医療用シャフトに対するコアワイヤの固定を確実なものとすることが可能となる。また前記ノッチが前記螺旋状のスリットを避けて形成されているので、螺旋状スリットによる剛性調整機能を良好に維持することができる。さらに本発明の医療用シャフトは、先端縁のうち一部にノッチを形成するという簡易な構成なので、螺旋状のスリットが形成された領域の先端側にさらに別途スリット形成領域よりも剛性が低い剛性低下領域を形成する場合と比較して、医療用シャフト自体の製造コストを抑制することができる。
第2の発明の医療用シャフトは、第1の発明において前記ノッチは、先端側のスリット端から前記螺旋状のスリットの巻き方向に90度離れた位置を含むように形成され、前記固定領域は、前記先端側のスリット端からスリットが軸周りに一回りする第1スリット位置よりも先端側に形成されることを特徴とする。
本発明によれば、前記ノッチが先端側のスリット端からスリットの巻き方向に90度離れた位置を含むように形成されているので、前記ノッチと向かい合う内壁が先端側のスリット端からスリットの巻き方向に270度離れた位置を含む。また前記先端側のスリット端からスリットが軸周りに一回りする第1スリット位置よりも先端側に形成される。これらによって前記固定領域がスリットを軸方向に跨ぐことを避けた状態で、比較的軸方向に長い距離を有するように形成することができる。したがってコアワイヤの固定を確実に行うことができるとともに、コアワイヤの固定による剛性調整機能の低下を抑制することができる。
第3の発明の医療用シャフトは、第1または第2の発明において、前記ノッチの少なくとも先端側の幅寸法は、固定対象となる前記コアワイヤの幅寸法と同一または略同一であることを特徴とする。
本発明によれば、ノッチの少なくとも先端側の幅寸法が固定対象となる前記コアワイヤの幅寸法と同一または略同一であるので、ノッチを形成することによる剛性調整機能を極力抑制することが可能となる。またコアワイヤを固定する固定作業において幅寸法を同一とすることによってコアワイヤの固定領域への位置決めを容易に行うことができる。
第4の発明の医療用器具は、第1乃至第3のいずれかの発明の医療用シャフトと、前記固定領域に基端部が固定された線状のコアワイヤと、前記医療用シャフトの先端部が基端部に挿入された状態で医療用シャフトと連結させて設けられ、当該医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトと、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、使用に際して生体内に挿入される医療用器具のシャフト部分として、上記いずれかの構成を有する医療用シャフトと、基端部に対して前記医療用シャフトの先端部が挿入された状態で当該医療用シャフトと連結させて設けられ、当該医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトと、を備えた構成とすることで、既に説明したような作用効果を奏する医療用器具を提供することができる。
第5の発明の医療用シャフトの製造方法は、線状のコアワイヤが固定されて用いられ、先端縁から基端側に向かって螺旋状のスリットが形成された先端部を有する管状の医療用シャフトの製造方法であって、前記先端縁の一部を前記スリットを避けて除去することによって、医療用シャフトの全周のうちの50%以下の部分を占めるようにノッチを形成する工程、を備え、前記医療用シャフトは、前記ノッチと向かい合う内壁に前記コアワイヤを固定するために用いられる固定領域とを有することを特徴とする。
第6の発明の医療用シャフトの製造方法は、第5の発明において、前記ノッチを形成する工程では、前記ノッチは、先端側のスリット端から前記螺旋状のスリットの巻き方向に90度離れた位置を含むように先端縁を除去することによって形成され、前記固定領域は、前記先端側のスリット端からスリットが軸周りに一回りする第1スリット位置よりも先端側に形成されることを特徴とする。
第7の発明の医療用シャフトの製造方法は、第5または6の発明において、前記ノッチの少なくとも先端側の幅寸法は、固定対象となる前記コアワイヤの幅寸法と同一または略同一であることを特徴とする。
第8の発明の医療用器具の製造方法は、第5乃至7の発明の医療用シャフトの製造方法により医療用シャフトを製造する工程と、前記固定領域に線状のコアワイヤの基端部を固定する工程と、前記医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトを、前記医療用シャフトの先端部が基端部に挿入された状態で医療用シャフトと連結する工程と、を備えていることを特徴とする。
バルーンカテーテルの構成を示す一部破断図。 (a)は、コアワイヤが固定された基端側シャフトを拡大して示す側面図であり、(b)は、コアワイヤの固定領域を拡大して示す基端側シャフトの正面図であり、(c)は、コアワイヤを示す側面図である。 (a)は、基端側シャフトにおけるコアワイヤの固定領域を拡大して示す側面図であり、(b)は、基端側シャフトにおけるノッチと固定領域との位置関係を示す斜視図であり、(c)は基端側シャフトを先端側から見た場合のノッチと固定領域との位置関係を示す端面図であり、(d)は、基端側シャフトの先端縁の展開図である。 (a)〜(c)は、コアワイヤ16を基端側シャフト11に固定する手順を説明するための図である。 (a)、(b)は、それぞれ別の実施形態における基端側シャフトの先端縁の展開図である。
以下、本発明の医療用シャフトをバルーンカテーテルに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、バルーンカテーテル10の構成を示す一部破断図である。バルーンカテーテル10は、本発明の医療用シャフトとしての基端側シャフト11と、ハブ12と、先端側シャフト13と、バルーン14と、ガイドワイヤ用シャフト15と、コアワイヤ16とを備える。基端側シャフト11と先端側シャフト13とにより、外側シャフト19が構成されており、外側シャフト19には内腔19aが形成されている。
基端側シャフト11は、管状とされ、その中心を通り長手方向に延びる軸AXを有し、比較的剛性が高くされている。この軸AXは、先端側シャフト13、外側シャフト19、およびバルーンカテーテル10の軸でもある。基端側シャフト11の基端部には、インデフレーター等の圧力印可装置が取り付けられるハブ12が気密状に接続されて、連通している。基端側シャフト11の先端部21には、先端縁22から基端側に向かって基端側シャフト11の軸AX周りに回転するように螺旋状のスリット23が形成されている。スリット23のピッチは軸AX方向に関して一定とされる場合と、基端側シャフト11の先端に向かうに従って小となるようにされる場合とがある。基端側シャフト11の外径は0.3〜3mm、好ましくは0.5〜1.5mmとされ、その肉厚は10〜150μm、好ましくは20〜100μmとされ、その長さは300〜2000mm、好ましくは700〜1500mmとされ、そのスリット23の幅は1〜100μm、好ましくは10〜50μmとされている。基端側シャフト11を構成する材料としては、剛性の高いステンレス、ニッケル−チタン合金、アルミニウム等の金属材料、又は、これら金属材料に匹敵する剛性を有する高分子材料が使用される。
先端側シャフト13は管状とされ、本発明の他のシャフトとしての基端側の第1シャフト17と、これと連通する先端側の第2シャフト18を一体形成して成る。先端側シャフト13は、柔軟性を有し、基端側シャフト11よりも剛性が低くされている。すなわち、第1シャフト17および第2シャフト18の各々は、基端側シャフト11よりも剛性が低くなるように形成されている。第1シャフト17は、基端側シャフト11の先端部21が第1シャフト17の基端部17aに挿入された状態で基端側シャフト11と気密状に連結されて、連通している。具体的には第1シャフト17の基端が基端側シャフト11のスリット23が形成されたスリット形成領域を基端側に越えるように第1シャフト17の基端部17aに基端側シャフト11の先端部21が挿入される。第1・第2シャフト17,18を別個に形成して、接続、一体化することもある。第1シャフト17の先端部の側面であり、かつ、第2シャフト18の基端部である位置にガイドワイヤ用開口部24が形成されている。
先端側シャフト13の外径は0.5〜1.5mm、好ましくは0.7〜1.1mm、その肉厚は25〜200μm、好ましくは50〜100μm、その長さは200〜2000mm、好ましくは200〜1000mmとされている。先端側シャフト13を構成する材料には、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプテン、エチレン−プロピレン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等)、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、フッ素樹脂等の高分子材料、又は、これらの混合物が使用される。
バルーン14は、その基端部14aが先端側シャフト13の先端部に気密状に接続(連結、結合)固定されて、連通し、その先端部14bがガイドワイヤ用シャフト15の先端部に気密状に接続(連結、結合)固定される。バルーン14は、ハブ12を介して圧力印可装置からの圧力媒体(気体(例えば、空気)、液体)の供給・排出により、任意径に拡張(膨張)収縮自在とされて、血管等の狭窄部の拡張を行う。バルーン14の拡張されたときの円筒部分の外径は1.0〜15mm、好ましくは1.0〜5.0mmとされ、その長さは5〜50mm、好ましくは10〜40mmとされ、その全体の長さは10〜70mm、好ましくは15〜60mmとされている。バルーン14を構成する材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプテン、エチレン−プロピレン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等)、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、フッ素樹脂等の高分子材料が使用される。
ガイドワイヤ用シャフト15は管状とされ、先端側シャフト13及びバルーン14に挿入されて、基端部が先端側シャフト13の第1シャフト17の先端部側面に位置するガイドワイヤ用開口部24に接続(結合)されると共に、先端部がバルーン14から前方に突出しており、ガイドワイヤ(図示省略)が挿脱自在に挿通される。ガイドワイヤ用シャフト15の外径は0.1〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.7mmとされ、その肉厚が10〜150μm、好ましくは20〜100μmとされ、その長さは100〜2000mm、好ましくは200〜1500mmとされている。ガイドワイヤ用シャフト15を構成する材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等)、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、フッ素樹脂等の高分子材料、又は、これらの混合物が使用される。ガイドワイヤ用シャフト15は、上記のいずれかの材料から形成された複数の層を備える多層構造であってもよい。
線状のコアワイヤ16は、基端側シャフト11のスリット23が形成された先端部21と、先端側シャフト13、即ち、第1シャフト17及び第2シャフト18の内部に配設(配置固定)されて、コアワイヤ16の先端部はガイドワイヤ用開口部24よりも先端側に配置されている。
ガイドワイヤ用シャフト15やコアワイヤ16などの各部材が軸AX方向(長手方向)において重なり合っている部分の長さは、次のような関係になっている。基端側シャフト11が第1シャフト17に挿入される長さL1(すなわち、第1シャフト17の基端から基端側シャフト11の先端までの長さL1)は、基端側シャフト11の先端からガイドワイヤ用開口部24までの長さL2(すなわち、先端側シャフト13の先端から、第2シャフト18の基端までの長さL2)よりも長い。ガイドワイヤ用開口部24からコアワイヤ16の先端までの長さL3は、基端側シャフト11の先端からガイドワイヤ用開口部24までの長さL2よりも長い。基端側シャフト11が第1シャフト17に挿入される長さL1は、ガイドワイヤ用開口部24からコアワイヤ16の先端までの長さL3よりも長い。
基端側シャフト11が第1シャフト17に挿入される長さL1は、80〜150mmとされている。基端側シャフト11の先端からガイドワイヤ用開口部24までの長さL2は、1〜50mmとされている。ガイドワイヤ用開口部24からコアワイヤ16の先端までの長さL3は、10〜100mmとされている。
コアワイヤ16の基端部は、先端部21の内壁に、詳細には、基端側シャフト11の固定領域(後述する)に、接続(連結、結合)固定されている。コアワイヤ16の外径は0.01〜1mm、好ましくは0.05〜0.5mmとされ、その長さは50〜500mm、好ましくは100〜300mmとされている。コアワイヤ16は、軸方向に関して、一定径とされる場合と、前方に向かってテーパー状とされる場合とがある。コアワイヤ16を構成する材料としては、ステンレス、ニッケル−チタン合金等の金属材料、又は、これら金属材料に匹敵する剛性を有する高分子材料が使用される。
図2(a)は、コアワイヤ16が固定された基端側シャフト11を拡大して示す側面図であり、図2(b)は、コアワイヤ16の固定領域を拡大して示す基端側シャフト11の正面図であり、図2(c)は、コアワイヤ16を示す側面図である。
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態の基端側シャフト11は、基端側シャフト11の先端縁22の一部を前記スリット23を避けて除去することによって形成されたノッチ25(切欠き)と、基端側シャフト11を先端側から見てノッチ25と向かい合う内壁にコアワイヤ16を固定するために用いられる固定領域26とを有する。
スリット23が形成されたスリット形成領域は、第1シャフト17の固定には用いられず、スリット形成領域の基端側に形成された第1シャフト固定領域において第1シャフト17が固定されている。具体的にはスリット形成領域の基端側には基端側シャフト11の外表面が粗化された第1シャフト固定領域が形成され、第1シャフト固定領域に第1シャフト17の内壁が固定される。このように外表面を粗化することによって、溶着する場合の固定強度を大きくすることができる。
コアワイヤ16は、図2(c) に示すように、軸線方向の両端を除いて先端側に向けて除々に先細りするように、すなわち先端側に向けて連続して直径が小さくなるように形成されている。つまり、コアワイヤ16は、基端から先端側に向けた所定範囲を占めるとともに直径が一定となった最大幅領域16aと、最大幅領域16aに対して先端側において連続するとともに先端側に向けて連続的に直径が小さくなった先細り領域16bと、先細り領域16bに対して先端側において連続するとともに先端まで続き且つ直径が一定となった最小幅領域16cと、を備えている。コアワイヤ16は、基端側シャフト11の固定領域26に固定される被固定領域16dを有している。被固定領域16dは、最大幅領域16aに設けられている。なお、上記最小幅領域16cを不具備としてもよい。
コアワイヤ16は、外側シャフト19の内腔19a内に挿通されて、配置されている。この場合、外側シャフト19の内腔19aにおける圧縮流体の流通を妨げないように、コアワイヤ16における最大幅領域16aの直径は外側シャフト19の内腔19aの直径よりも小さく設定されている。また、既に説明したように、コアワイヤ16が先細り領域16bを有していることにより、コアワイヤ16は遠位端側に向けて剛性が連続して低くなっている。これにより、両シャフト11、13の境界部分から遠位端側に向けた連続的な剛性の低下にコアワイヤ16が寄与している。
図3(a)は、基端側シャフト11におけるコアワイヤ16の固定領域26を拡大して示す側面図であり、図3(b)は、基端側シャフト11におけるノッチ25と固定領域26との位置関係を示す斜視図であり、図3(c)は基端側シャフト11を先端側から見た場合のノッチ25と固定領域26との位置関係を示す端面図であり、図3(d)は、基端側シャフト11の先端縁22の展開図である。
図3(a)、(b)、(d)に示すように、ノッチ25は先端縁22の一部を除去することにより形成され、略凹字状を有している。ノッチ25は、基端側シャフト11の全周のうちの50%以下の部分を占めるように形成されており、すなわち、ノッチ25が軸AX周りに形成する角度は180度以下となるように形成されている。詳細には、ノッチ25は、基端側シャフト11の軸AXに略平行な第1縁25aと第2縁25bと基端側シャフト11の周方向(軸AX周りの方向)に延びる第3縁25cとを有する。第1縁25aが、基端側シャフト11の周方向におけるスリット端23a側のノッチ25の縁である。第2縁25bが、基端側シャフト11の周方向におけるスリット端23aから離間した側のノッチ25の縁である。第3縁25cが、ノッチ25の基端側の縁である。図3(d)に示すように、第1縁25aと第3縁25cとの連結部分および第2縁25bと第3縁25cとの連結部分は、所定の曲率半径を有する円弧状になっている。ノッチ25の第1〜第3縁25a〜25cおよび、基端側シャフト11の先端側の端面は面取りされている。
図3(c)を参照して、ノッチ25の先端側の幅Wa(幅寸法)、すなわちノッチ25の第1縁25aの先端側と第2縁25bの先端側との間の距離Wa(以下ノッチ幅Waという)は、基端側シャフト11の径およびコアワイヤ16の径に応じて適宜設定可能であり、例えば0.2〜1.0mmとすることができる。ノッチ25の長さLn、すなわち、ノッチ25の第3縁25cから基端側シャフト11の先端までの距離Ln(以下、ノッチ長Lnという)は、0.3〜1.5mmとすることができる。ノッチ幅Waは、ノッチ長Lnよりも小さくなっている。
図3(d)を参照して、基端側シャフト11を展開したときの、ノッチ25の先端側の幅Wbは、ノッチ長Lnと同一または略同一とすることができる。本実施形態においては、ノッチ25のノッチ幅Waは、コアワイヤ16の被固定領域16dの部分、すなわち最大幅領域16aの幅寸法以上となっている。詳細には、ノッチ幅Waは、最大幅領域16aの幅寸法の2〜3倍となっている。
ノッチ25の少なくとも先端側の幅寸法であるノッチ幅Waが、固定対象となるコアワイヤ16の幅寸法であるコアワイヤ16の被固定領域16dの部分の幅寸法と同一または略同一となっていることが好ましい。ここで、ノッチ25の先端側の幅寸法とは、ノッチ25の第1縁25aの先端部分と、第2縁25bの先端部分との間の距離であるノッチ幅Waである。コアワイヤ16の被固定領域16dの部分の幅寸法とは最大幅領域16aの幅寸法、すなわち直径である。
コアワイヤ16を固定するための固定領域26が、スリット端23aからスリット23が軸AX周りに一回りする第1スリット位置23bよりも先端側に形成される。固定領域26の長さ(軸AX方向の長さ)は、固定領域26の幅(軸AX周りの長さ)よりも大きい。この固定領域26は、基端側シャフト11の軸AX方向において、ノッチ25の少なくとも一部およびスリット23の一部と重複するように位置している。
図3(a)〜(c)を参照して、スリット端23aと、ノッチ25と、固定領域26との基端側シャフト11の周方向における位置関係を説明する。ノッチ25は、先端側のスリット端23aからスリット23の巻き方向に90度離れた位置を含むように先端縁22を除去することによって形成されている。ここで、「スリット23の巻き方向に90度離れた位置」とは、図3(c)に示すように、管状の基端側シャフト11をその端面から軸AX方向に沿って見たときに、軸AX周りの角度がスリット23の巻き方向に90度だけずれた位置のことを意味する。ノッチ25の形成位置としては、具体的には、スリット端23aからスリット23の巻き方向に、30〜60度をノッチ25の第1縁25aとし、120〜150度をノッチ25の第2縁25bとするように、先端縁22を除去することによってノッチ25が形成されている。ノッチ25の基端側シャフト11の周方向における中心位置が、スリット端23aからスリット23の巻き方向に90度離れた位置にある。
基端側シャフト11を先端側から見てノッチ25と軸AXを挟んで向かい合う内壁に固定領域26が位置する。固定領域26は、先端側スリット端23aからスリット23の巻き方向に270度離れた位置を含むようになっている。従って、ノッチ25からスリット23の巻き方向に180度離れた位置、すなわち、基端側シャフト11の周方向において180度離れた位置を含むように固定領域26の少なくとも一部が位置している。基端側シャフト11を先端側から見て、ノッチ25の第1縁25aと軸AXを挟んで向かい合う位置Paと、第2縁25bと軸AXを挟んで向かい合う位置Pbとの間に、固定領域26が位置している。
外側シャフト19の周方向(軸AX周りの方向)において、ノッチ25は、ガイドワイヤ用開口部24と同じ位置にある。外側シャフト19の周方向において、固定領域26は、ガイドワイヤ用開口部24と向かい合う位置にある。
図3(a)に示すように、コアワイヤ16の基端部分が基端側シャフト11内に挿入された状態で固定されている。具体的には、コアワイヤ16の最大幅領域16aのみ、または、最大幅領域16aと先細り領域16bとの両方が、基端側シャフト11の内部に挿入されている。あるいは、コアワイヤ16の最大幅領域16aと先細り領域16bとの境界部分が基端側シャフト11の先端と位置合わせされた状態となるように、コアワイヤ16の最大幅領域16aのみが基端側シャフト11内に挿入されてもよい。コアワイヤ16のうちの基端側シャフト11に挿入される挿入長Li(すなわち、コアワイヤ16の基端から基端側シャフト11の先端までの長さ)は、1〜5mmとされている。コアワイヤ16の基端は、スリット端23a、ノッチ25の基端、固定領域26の基端、および第1スリット位置23bよりも基端側に位置している。このように、コアワイヤ16の一部が基端側シャフト11内に挿入された状態で、コアワイヤ16が、基端側シャフト11の内壁にある固定領域26にレーザ溶接により固定されている。具体的には、コアワイヤ16の最大幅領域16aにある被固定領域16dが固定領域26に固定されている。
固定領域26の先端はノッチ25の基端およびスリット端23aよりも先端側に位置している。固定領域26の基端は、スリット端23aよりも基端側に位置している。固定領域26の長さLr(以下、領域長Lrという)は、ノッチ長Lnと略同一またはノッチ長Lnよりも長くなっており、0.3〜2.0mmとなっている。コアワイヤ16の基端と固定領域26の基端との間の距離は、領域長Lrよりも大きい。
スリット23の最先端のピッチ長Lp(スリット端23aと第1スリット位置23bとの間の軸AX方向の長さ、すなわち、スリット端23aからスリット23の巻き方向に360度分だけ進んだときの軸AX方向の長さ)は、ノッチ長Lnおよび領域長Lrよりも長い。
スリット端23aからスリット23の巻き方向に270度分だけ進んだときのスリット23の位置、すなわち、基端側シャフト11の周方向において固定領域26と同じ位置にあるスリット23のうちのもっとも先端側のスリット23の位置は、固定領域26よりも基端側に位置し、かつ、基端側シャフト11の基端よりも先端側に位置している。
スリット端23aからノッチ25の基端までの長さLgは、ノッチ長Ln、領域長Lrおよびピッチ長Lpよりも短い。ピッチ長Lpは、長さLgとノッチ長Lnとの合計よりも長い(すなわち、Lp>Lg+Ln)。
次に、バルーンカテーテル10の製造手順、特には、基端側シャフト11の形成手順とコアワイヤ16を基端側シャフト11に固定する手順について説明する。図4(a)〜(c)は、コアワイヤ16を基端側シャフト11に固定する手順を説明するための図である。
まず、基端側シャフト11のもととなるチューブに対して螺旋状にレーザを照射することにより螺旋状のスリット23を形成し、レーザにより、当該チューブの先端縁(基端側シャフト11の先端縁22と対応する)の一部をスリット23を避けて除去することによりノッチ25を形成する。詳細には、先端側のスリット端23aからスリット23の巻き方向に90度離れた位置を含むようにチューブの先端縁を除去することによってノッチ25が形成される。なお、この際、レーザカットにより、スリット23をノッチ25よりも先に形成してもよく、あるいは、ノッチ25をスリット23よりも先に形成してもよい。基端側シャフト11を先端側から見て、ノッチ25と向かい合う内壁が固定領域26とされている。次に、この基端側シャフト11に対してコアワイヤ16を固定する。
図4(a)に示すように、コアワイヤ16を固定するための位置決めをするために、コアワイヤ16の基端側である最大幅領域16aをノッチ25の幅方向の中心を通るように、基端側シャフト11に対して斜めにした状態で基端側シャフト11内に挿入する。このとき、ノッチ25のノッチ幅Waがコアワイヤ16の幅寸法(具体的には、最大幅領域16aの幅寸法)と同一または略同一である場合、コアワイヤ16をノッチ25の幅方向の中心を通るようにすることが容易である。このとき、コアワイヤ16をノッチ25の第3縁25cに当接させた状態としてもよい。
図4(b)に示すように、ノッチ25を通して基端側シャフト11の内壁を目視で確認しながら、コアワイヤ16を基端側シャフト11に対して平行にし、ノッチ25と向かい合う内壁にコアワイヤ16を配置する。このとき、ノッチ幅Waがコアワイヤ16の幅寸法と同一または略同一である場合、ノッチ25を通してコアワイヤ16を目視したときに、ノッチ25に対するコアワイヤ16の相対位置(ノッチ25幅方向における位置)を比較的正確に認識することができ、したがって、コアワイヤ16を正確に配置することができる。
図4(c)に示すように、基端側シャフト11の外側から、固定領域26に対応する位置に対してレーザ溶接を行うことによりコアワイヤ16を基端側シャフト11に固定する。このとき、基端側シャフト11の軸AX方向に沿って複数個所、たとえば2箇所レーザ照射Laを行ってもよい。また、レーザ照射Laにより形成される複数、たとえば2つのレーザスポット同士が一部重複していてもよい。
このようにコアワイヤ16が固定された基端側シャフト11にハブ12、先端側シャフト13、バルーン14、ガイドワイヤ用シャフト15を取り付け、必要に応じて親水性コーティングを施してバルーンカテーテル10が完成する。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
線状のコアワイヤ16が固定されて用いられる管状の基端側シャフト11は、先端縁22から基端側に向かって螺旋状のスリット23が形成された先端部21と、前記先端縁22の一部を前記スリット23を避けて除去することによって形成されたノッチ25と、基端側シャフト11を先端側から見て前記ノッチ25と向かい合う内壁にコアワイヤ16を固定するために用いられる固定領域26とを有する。この場合、コアワイヤ16を固定するために用いられる固定領域26が、基端側シャフト11を先端側から見てノッチ25と向かい合う内壁に形成されているので、コアワイヤ16の固定箇所の目視確認を良好に行うことができ、基端側シャフト11に対するコアワイヤ16の固定を確実なものとすることが可能となる。また前記ノッチ25が前記螺旋状のスリット23を避けて形成されているので、螺旋状スリット23による剛性調整機能を良好に維持することができる。さらに基端側シャフト11は、先端縁22のうち一部を除去しノッチ25を形成するという簡易な構成なので、螺旋状のスリット23が形成された領域の先端側にさらに別途スリット形成領域よりも剛性が低い剛性低下領域を形成する場合と比較して、基端側シャフト11自体の製造コストを抑制することができる。
ノッチ25は、先端側のスリット端23aから螺旋状のスリット23の巻き方向に90度離れた位置を含むように先端縁22を除去することによって形成され、固定領域26は、スリット端23aからスリット23が、基端側シャフト11の軸AX周りに一回りする第1スリット位置23bよりも先端側に形成されている。ノッチ25が先端側のスリット端23aからスリット23の巻き方向に90度離れた位置を含むように先端縁22を除去することによって形成されているので、ノッチ25と向かい合う内壁が先端側のスリット端23aからスリット23の巻き方向に270度離れた位置を含む。また先端側のスリット端23aからスリット23が軸AX周りに一回りする第1スリット位置23bよりも先端側に形成される。これらによって固定領域26がスリット23を軸AX方向に跨ぐことを避けた状態で、比較的軸方向に長い距離を有するように形成することができる。したがってコアワイヤ16の固定を確実に行うことができるとともに、コアワイヤ16の固定による剛性調整機能の低下を抑制することができる。
ノッチ25の少なくとも先端側の幅寸法であるノッチ幅Waが、固定対象となるコアワイヤ16の幅寸法と同一または略同一である場合、ノッチ25を形成することによる剛性調整機能を極力抑制することが可能となる。またコアワイヤ16を固定する固定作業において幅寸法を同一とすることによってコアワイヤ16の固定領域26への位置決めを容易に行うことができる。
バルーンカテーテル10は、固定領域26に基端部が固定された線状のコアワイヤ16と、基端側シャフト11の先端部21が基端部17aに挿入された状態で基端側シャフト11と連結させて設けられ、基端側シャフト11よりも剛性が低くなるように形成された第1シャフト17とを備えている。使用に際して生体内に挿入されるバルーンカテーテル10のシャフト部分として、基端側シャフト11と、基端部17aに対して基端側シャフト11の先端部21が挿入された状態で基端側シャフト11と連結させて設けられ、基端側シャフト11よりも剛性が低くなるように形成された第1シャフト17とを備えた構成とすることで、既に説明したような作用効果を奏するバルーンカテーテル10を提供することができる。
ノッチ25においては、第1縁25aと第3縁25cとの連結部分および第2縁25bと第3縁25cとの連結部分は、所定の曲率半径を有する円弧状になっており、さらに、ノッチ25の第1〜第3縁25a〜25cおよび、基端側シャフト11の先端側の端面は面取りされている。このため、コアワイヤ16を基端側シャフト11に固定するためにコアワイヤ16を基端側シャフト11内に配置する際に、コアワイヤ16がノッチ25や基端側シャフト11の端面に接触しても、コアワイヤ16が引っかかったり、傷ついたりする可能性が低減され、コアワイヤ16を基端側シャフト11の固定領域26に配置する作業が容易となる。
固定領域26は、基端側シャフト11の軸AX方向において、ノッチ25の一部と重複するように位置している。このため、コアワイヤ16を基端側シャフト11に固定するためにコアワイヤ16を配置するときに、ノッチ25を通して固定領域26を目視で確認することが容易となる。
ノッチ25は、スリット端23aよりも先端側のみに形成され、さらにノッチ長Lnは、コアワイヤ16のうちの基端側シャフト11に挿入される挿入長Liよりも短くされている。すなわち、ノッチ長Lnは、必要最低限の長さだけを有するように比較的短いものとされている。ノッチ長Lnが短いほど、ノッチ25を形成するためのレーザカットに要する作業時間が短くなり、基端側シャフト11の製造コストを抑制することができる。
スリット端23aからノッチ25の基端までの長さLgは、スリット23のピッチ長Lpよりも短い。ここで、ピッチ長Lpが長いほどピッチ長Lpに対応する部分における基端側シャフト11の剛性が高くなり、ピッチ長Lpが短いほどその剛性が低く、すなわち可撓性が高くなるので、ピッチ長Lpの長さは、基端側シャフト11に求められる剛性・可撓性の指標と考えることもできる。長さLgに対応する部分は、スリット23およびノッチ25のいずれも存在せずに比較的剛性が高くなってしまう部分であるが、それがスリット23のピッチ長Lpよりも短いため、スリット23およびノッチ25のいずれも存在しない部分による可撓性の低下の影響が抑制されている。
固定領域26の長さである領域長Lrは、ピッチ長Lpよりも短い。固定領域26は、基端側シャフト11にコアワイヤ16が固定される箇所であり、剛性が高くなってしまうが、その長さである領域長Lrがピッチ長Lpよりも短いため、固定領域26による可撓性の低下の影響が抑制されている。
コアワイヤ16の最大幅領域16aがレーザ溶接により固定領域26に固定されている。すなわちコアワイヤ16のうちの最も幅の広い領域、すなわち径の大きい領域を対象として固定を行うため、コアワイヤ16の固定をより信頼性の高いものとすることができる。
固定領域26は幅よりも長さが大きく、軸AX方向に沿って複数箇所のレーザ照射Laを行うことによりコアワイヤ16が基端側シャフト11に固定されている。このため、線状のコアワイヤ16を基端側シャフト11に強固に固定することができる。
外側シャフト19の周方向、すなわちバルーンカテーテル10の周方向において、固定領域26は、ガイドワイヤ用開口部24と向かい合う位置にある。すなわち、外側シャフト19の周方向において、コアワイヤ16とガイドワイヤ用開口部24とは向かい合う位置に配置されることとなる。したがって、コアワイヤ16がガイドワイヤ用シャフト15と接触・干渉することが抑制され、コアワイヤ16とガイドワイヤ用シャフト15とが重複している部分の屈曲性を良好なものとすることができ、結果としてバルーンカテーテル10の操作性が優れたものとなる。
基端側シャフト11が第1シャフト17に挿入される長さL1は、基端側シャフト11の先端からガイドワイヤ用開口部24までの長さL2よりも長い。すなわち、基端側シャフト11と第1シャフト17という2つのシャフトが重複し、剛性の高くなりやすい部分の長さL1が比較的長く、それよりも先端側において第1シャフト17という1つのシャフトで構成され、剛性の低くなりやすい部分の長さL2が比較的短くなっている。したがって、バルーンカテーテル10の操作者により、基端側シャフト11の基端に加えられた押し込み力が効率よくバルーンカテーテル10の先端側へと伝えられ、バルーンカテーテル10の挿入性が優れたものとなる。
ガイドワイヤ用開口部24からコアワイヤ16の先端までの長さL3は、基端側シャフト11の先端からガイドワイヤ用開口部24までの長さL2よりも長い。すなわち、第1シャフト17という1つのシャフトとコアワイヤ16とが重複した部分の長さL2は比較的短く、それよりも先端側においてガイドワイヤ用シャフト15と第2シャフト18という2つのシャフトとコアワイヤ16とが重複した部分の長さL3は比較的長くなっている。したがって、先端側シャフト13が屈曲した場合、長さL2に対応する部分の屈曲の程度は抑制され、長さL3に対応する部分の屈曲は比較的長く存在するコアワイヤ16により滑らかに屈曲することができ、耐キンク性が優れたものとされている。
本発明は、上記実施形態に限らず、例えば次のようにしてもよい。
(1)上記実施形態ではノッチ25の第1縁25aと第3縁25cとの連結部分および第2縁25bと第3縁25cとの連結部分は、所定の曲率半径を有する円弧状になっていた。これに代えて、第1縁25aと第3縁25cとの連結部分および第2縁25bと第3縁25cとの連結部分の両方、あるいは一方が直角となってもよい。第1縁25aと第3縁25cとの連結部分および第2縁25bと第3縁25cとの連結部分の両方が直角である場合は、ノッチ25全体においてノッチ25の幅寸法が一定となっている。
また、上記実施形態ではノッチ25は略凹字状であったが、ノッチ25の形状はこれに限定されない。図5(a)に示すように、基端側シャフト11は、略V字状のノッチ25を有していてもよい。図5(a)のノッチ25は、スリット端23a側に位置する第1縁25aと、スリット端23aから離間した側に位置する第2縁25bとを有する。第1縁25aおよび第2縁25bの各々は、基端側シャフト11の軸AXに対して傾斜した略直線状を有し、第1縁25aと第2縁25bとは基端側において連なっている。
あるいは、図5(b)に示すように、基端側シャフト11は、略U字状のノッチ25を有していてもよい。図5(b)のノッチ25は、基端側シャフト11の軸AXに略平行な第1縁25aと第2縁25bと、湾曲した第3縁25cとを有する。第1縁25aが、基端側シャフト11の周方向におけるスリット端23a側のノッチ25の縁である。第2縁25bが、基端側シャフト11の周方向におけるスリット端23aから離間した側のノッチ25の縁である。第3縁25cが、ノッチ25の基端側の縁である。
(2)上記実施形態では、ノッチ25が、先端側のスリット端23aから螺旋状のスリット23の巻き方向に90度離れた位置を含むように先端縁22を除去することによって形成されていた。ノッチ25の位置はこれに限定されず、ノッチ25が、先端側のスリット端23aから螺旋状のスリット23の巻き方向に90度離れた位置を含まないように先端縁22を除去することによって形成されてもよい。スリット端23a側のノッチ25の縁である第1縁25aおよびスリット端23aから離間した側の縁である第2縁25bの両方が、スリット端23aからスリット23の巻き方向に90度未満離れた位置にあってもよく、あるいは、スリット端23aからスリット23の巻き方向に90度よりも大きく離れた位置にあってもよい。
(3)ノッチ25の先端側の幅寸法が、コアワイヤ16の幅寸法と同一または略同一でなくてもよい。コアワイヤ16の幅寸法が、ノッチ25の先端側の幅寸法よりも非常に小さい場合あるいは非常に大きい場合であっても、ノッチ25を通してコアワイヤ16および固定領域26の目視確認を行うことができる。
(4)上記実施形態では、固定領域26にはスリット23が含まれていなかったが、これに代えて、固定領域26がスリット23を含んでいてもよい。例えば、上記実施形態において、固定領域26がスリット23を軸AX方向に跨ぐように、固定領域26をさらに基端側に延長してもよい。
(5)上記実施形態では、基端側シャフト11の軸AX方向において、固定領域26の一部がノッチ25と重複していたがこれに限定されない。軸AX方向において、固定領域26全体がノッチ25に含まれていてもよい。あるいは、軸AX方向において、固定領域26がノッチ25と重複していなくてもよく、基端側シャフト11を先端側から見てノッチ25と向かい合う側の内壁に固定領域26が形成されていればよい。
(6)コアワイヤ16が固定される医療用シャフトは基端側のシャフトには限定されない。例えば、上記実施形態のノッチ25および固定領域26を有し、コアワイヤ16が固定されたシャフトのさらに基端側に別のシャフトが接続されてもよい。
(7)上記実施形態では、本発明をバルーンカテーテルに適用した場合について説明したが、シャフトおよびコアワイヤを有する他のカテーテルに適用してもよく、あるいは、カテーテル以外の医療用器具に適用してもよい。
10…医療用器具としてのバルーンカテーテル、11…医療用シャフトとしての基端側シャフト、16…コアワイヤ、17…他のシャフトとしての第1シャフト、21…先端部、22…先端縁、23…スリット、23b…第1スリット位置、25…ノッチ、26…固定領域、Wa…幅寸法としてのノッチ幅

Claims (8)

  1. 線状のコアワイヤが固定されて用いられる管状の医療用シャフトであって、
    先端縁から基端側に向かって螺旋状のスリットが形成された先端部と、
    前記先端縁の一部において前記スリットを避けて、医療用シャフトの全周のうちの50%以下の部分を占めるように形成されたノッチと、
    前記ノッチと向かい合う内壁に前記コアワイヤを固定するために用いられる固定領域とを有することを特徴とする医療用シャフト。
  2. 前記ノッチは、先端側のスリット端から前記螺旋状のスリットの巻き方向に90度離れた位置を含むように形成され、
    前記固定領域は、前記先端側のスリット端からスリットが軸周りに一回りする第1スリット位置よりも先端側に形成されることを特徴とする請求項1に記載の医療用シャフト。
  3. 前記ノッチの少なくとも先端側の幅寸法は、固定対象となる前記コアワイヤの幅寸法と同一または略同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用シャフト。
  4. 請求項1乃至3に記載の医療用シャフトと、
    前記固定領域に基端部が固定された線状のコアワイヤと、
    前記医療用シャフトの先端部が基端部に挿入された状態で医療用シャフトと連結させて設けられ、当該医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトと、を備えていることを特徴とする医療用器具。
  5. 線状のコアワイヤが固定されて用いられ、先端縁から基端側に向かって螺旋状のスリットが形成された先端部を有する管状の医療用シャフトの製造方法であって、
    前記先端縁の一部を前記スリットを避けて除去することによって、医療用シャフトの全周のうちの50%以下の部分を占めるようにノッチを形成する工程、
    を備え、
    前記医療用シャフトは、前記ノッチと向かい合う内壁に前記コアワイヤを固定するために用いられる固定領域とを有することを特徴とする医療用シャフトの製造方法。
  6. 前記ノッチを形成する工程では、前記ノッチは、先端側のスリット端から前記螺旋状のスリットの巻き方向に90度離れた位置を含むように先端縁を除去することによって形成され、
    前記固定領域は、前記先端側のスリット端からスリットが軸周りに一回りする第1スリット位置よりも先端側に形成されることを特徴とする請求項5に記載の医療用シャフトの製造方法。
  7. 前記ノッチの少なくとも先端側の幅寸法は、固定対象となる前記コアワイヤの幅寸法と同一または略同一であることを特徴とする請求項5または6に記載の医療用シャフトの製造方法。
  8. 医療用器具の製造方法であって、
    請求項5乃至7に記載の医療用シャフトの製造方法により医療用シャフトを製造する工程と、
    前記固定領域に線状のコアワイヤの基端部を固定する工程と、
    前記医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトを、前記医療用シャフトの先端部が基端部に挿入された状態で医療用シャフトと連結する工程と、
    を備えていることを特徴とする医療用器具の製造方法。
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