JP5486679B2 - 医療用シャフト及び医療用器具 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内に挿入して用いられるカテーテルなどといった医療用器具の一部を構成する医療用シャフト及び当該医療用シャフトを備えた医療用器具に関するものである。
従来から、PTCA(経皮的冠動脈形成術)といった治療等においては、バルーンカテーテルが用いられている。一般的なバルーンカテーテルは、例えば特許文献1に示すように、カテーテルシャフトの遠位端部に、内圧調節により膨張・収縮自在のバルーンが設けられてなる。
詳細には、カテーテルシャフトは、外側シャフトと、当該外側シャフトの内腔に挿通された内側シャフトとを備えており、内側シャフトは外側シャフトよりも遠位端側に延長させて設置されている。そして、内側シャフトのその延長部分及び外側シャフトの遠位端部に対して、それぞれ遠位端側及び近位端側を保持させてバルーンが設けられている。バルーンを膨張・収縮させる圧縮流体は外側シャフトの内腔を介して流通される。また、内側シャフトのルーメンには、患者の動脈内への挿入時にガイドワイヤが挿通される。
上記バルーンカテーテルに要求される性能としては、例えば屈曲血管への追随性、血管内へバルーンカテーテルを挿入する際の力の伝達性及び折り曲げようとする力に対する耐キンク性等が挙げられる。これに対して、上記特許文献1では、剛性が相対的に低くなるように合成樹脂により形成された遠位端側シャフトと、剛性が相対的に高くなるように金属により形成された近位端側シャフトとをバルーンカテーテルの軸線方向に並べて連結することで外側シャフトを形成した構成が開示されている。さらに、当該特許文献1には、近位端側シャフトにおいて遠位端側シャフトに挿入される部位に、螺旋状のスリットを形成するとともに、近位端側シャフト及び遠位端側シャフトの境界部分を跨ぐようにして外側シャフトの内腔にコアワイヤを設けた構成が開示されている。かかる構成によれば、外側シャフトの剛性が近位端側から遠位端側に向けて除々に低下することとなり、追随性、伝達性及び耐キンク性を向上させることができる。
特開2008−237844号公報
ここで、カテーテルの使用に際してコアワイヤが外側シャフトから分離してしまうのは好ましくない。しかしながら、当該分離を規制すべく、コアワイヤの固定を強固に行おうとすると、カテーテルの軸線方向の途中位置に剛性が局所的に高まる部分が生じてしまうことが懸念され、この場合、カテーテルの操作性が低下してしまう。
なお、上記課題はバルーンカテーテルに限定されたものではなく、複数のシャフトを軸線方向に並べて連結させることで形成されたシャフト部分を備え、使用に際して生体内に挿入される他の医療用器具においても同様である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、シャフト部分を有する医療用器具の操作性を良好に高めることができる医療用シャフト及び当該医療用シャフトを備えた医療用器具を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明の医療用シャフト:使用に際して生体内に挿入される医療用器具のシャフト部分を構成するように用いられるとともに、当該シャフト部分を構成する他のシャフトの近位端側領域に対して遠位端側を連結させて用いられる医療用シャフトであって、少なくとも遠位側に向けて開放され、且つ前記他のシャフトの近位端側領域に対して連結される管状ベースと、当該管状ベースから遠位端側に向けて延び、当該管状ベースよりも細く形成されているとともに、前記他のシャフト内に挿入される剛性調整部と、前記管状ベースの遠位端部から近位側に入り込むようにして形成され、且つ前記剛性調整部における前記管状ベースとの連続部分を軸周りに挟むようにして形成された一対の入り込み孔部と、を備え、前記一対の入り込み孔部は、両者の間の距離が近位側に向けて広くなるように形成されていることを特徴とする。
本構成によれば、管状ベースに一対の入り込み孔部が形成されていることにより、医療用器具の使用時において医療用シャフトに曲げ方向の力が加えられた場合に、管状ベースと剛性調整部との連続部分に掛かる負荷を、管状ベースにおいても良好に吸収することが可能となる。そして、かかる負荷吸収の機能は、上記のとおり管状ベースの遠位端部から近位側に入り込むようにして形成された一対の入り込み孔部により付与されており、剛性の局所的な高まりの発生が抑制されている。さらにまた、一対の入り込み孔部は、両者の間の距離が近位側に向けて広くなるように形成されているため、剛性調整部の連続部分において剛性が近位側に向けて連続的に高くなるようにすることが可能となる。以上より、シャフト部分を有する医療用器具の操作性を良好に高めることが可能となる。
第2の発明の医療用シャフト:第1の発明の医療用シャフトにおいて、前記剛性調整部は、前記管状ベースに一体形成されているとともに、当該管状ベースの遠位端側開口の周縁部から遠位端側に向けて延びるように形成されており、当該剛性調整部の根元部分は、前記一対の入り込み孔部が形成されていることにより、前記管状ベース側に入り込んでいることを特徴とする。
本構成によれば、剛性調整部が管状ベースに一体形成されているため、両者が分離しづらくなるとともに、低コスト化及び医療用シャフトの製造工程の簡略化が図られる。さらにまた、一対の入り込み孔部が形成されていることで、剛性調整部の根元部分は管状ベース側に入り込んでいるため、医療用シャフトにおいて管状ベースと剛性調整部との境界部分に大きな負荷が掛かったとしても、その負荷が管状ベースにおいても好適に受けられる。よって、剛性調整部の根元部分が破損してしまう可能性が低減される。
第3の発明の医療用シャフト:第1又は第2の発明の医療用シャフトにおいて、前記管状ベースには、遠位端側に向けて当該管状ベースの剛性を低下させるための剛性低下部が設けられており、前記管状ベースは、前記一対の入り込み孔部を間に挟んで前記剛性調整部の根元部分に対して軸周りに隣接する隣接領域を備えており、前記剛性低下部は、前記隣接領域よりも近位端側から少なくとも当該隣接領域の位置まで形成されていることを特徴とする。
本構成によれば、軸線方向において剛性低下部と剛性調整部とを連続させることが可能となり、剛性低下部と剛性調整部とが軸線方向に非連続である構成に比べて、遠位端側に向けた剛性の低下を連続的なものとすることが可能となる。よって、耐キンク性のさらなる向上が図られる。
第4の発明の医療用シャフト:第3の発明の医療用シャフトにおいて、前記剛性低下部は螺旋状のスリットであり、前記スリットが、前記隣接領域よりも近位端側から少なくとも当該隣接領域の位置まで形成されていることを特徴とする。
剛性低下部が螺旋状のスリットである構成においては、当該スリットの遠位側先端が管状ベースの遠位端部に達しないようにする必要がある。さらには、スリットの遠位側先端からクラックが発生してそのクラックが管状ベースの遠位端部に達するのは好ましくないため、遠位側先端は管状ベースの遠位端部から近位側に離間させる必要がある。この場合、管状ベースの遠位端部では、それよりも近位側に比べて剛性が高くなってしまうことが懸念される。これに対して、スリットが少なくとも隣接領域の位置まで形成されているとともに、スリットの遠位側先端よりも管状ベースの遠位端部側には一対の入り込み孔部が形成されているため、剛性低下部として螺旋状のスリットを利用した構成であっても、遠位側に向けて剛性を良好に低下させることが可能となる。
第5の発明の医療用シャフト:第1乃至第4の発明のいずれか1の医療用シャフトにおいて、前記一対の入り込み孔部間には、前記管状ベースを内外に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする。本構成によれば、一対の入り込み孔部が形成された領域を含めて、管状ベースの剛性を遠位側に向けて連続的に低下させることが可能となる。
第6の発明の医療用シャフト:第5の発明の医療用シャフトにおいて、前記貫通孔は、前記各入り込み孔部との間の距離が近位側に向けて広くなるように形成されていることを特徴とする。本構成によれば、剛性が近位側に向けて連続的に高くなるようにしながら、貫通孔を形成することが可能となる。
第7の発明の医療用シャフト:第1乃至第6の発明のいずれか1の医療用シャフトにおいて、前記一対の入り込み孔部は、線状に形成されていることを特徴とする。本構成によれば、管状ベースの遠位端部の強度が極端に低下することを抑制しながら、一対の入り込み孔部を形成することが可能となる。
第8の発明の医療用シャフト:第7の発明の医療用シャフトにおいて、前記一対の入り込み孔部は、入り込み先の先端部がそれよりも入り込み元側に比べて幅広に形成されているとともに、当該入り込み先の先端部の周面は、曲面状となるように形成されていることを特徴とする。本構成によれば、一対の入り込み孔部における入り込み先の先端部からクラックが発生してしまう可能性が低減される。
第9の発明の医療用器具:第1乃至第8の発明のいずれか1の医療用シャフトと、近位端側領域に対して前記管状ベースの遠位端側及び前記剛性調整部が挿入された状態で前記医療用シャフトと連結させて設けられ、当該医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトと、を備えていることを特徴とする。本構成によれば、既に説明したような作用効果を奏する医療用器具を提供することができる。
(a)は第1の実施の形態におけるバルーンカテーテルの概略全体側面図であり、(b)は外側シャフトの一部を拡大して示す側面図であってディスタールシャフトを破断した状態で示す側面図である。 (a)は管状ベースと剛性調整部との連続部分及びその周辺を拡大して示すプロキシマルシャフトの側面図であり、(b)は剛性調整部の全体及び管状ベースの遠位端部を拡大して示すプロキシマルシャフトの縦断面図であり、(c)は遠位端部から軸線方向の途中位置までを拡大して示す剛性調整部の縦断面図であり、(d)は剛性調整部の全体及び管状ベースの遠位端部を拡大して示すプロキシマルシャフトの側面図であり、(e)はプロキシマルシャフトの展開図であって管状ベースと剛性調整部との連続部分を拡大して示す展開図である。 (a)〜(c)はプロキシマルシャフトの製造方法を説明するための図である。 (a)は第2の実施の形態におけるプロキシマルシャフトの展開図であって管状ベースと剛性調整部との連続部分を拡大して示す展開図であり、(b)は第2の実施の形態のさらなる変形例を示すプロキシマルシャフトの展開図である。 (a)〜(c)は第3の実施の形態におけるプロキシマルシャフトの展開図であって管状ベースと剛性調整部との連続部分を拡大して示す展開図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の医療用シャフトをバルーンカテーテルに具体化した第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(a)はバルーンカテーテル10の概略全体側面図、図1(b)はバルーンカテーテル10を構成する外側シャフト14の一部を拡大して示す側面図であって、一部に破断部分を含む側面図である。なお、図1(b)において示す領域は、図1(a)における領域Aに相当している。
図1(a)に示すように、バルーンカテーテル10は、カテーテルシャフト11と、当該カテーテルシャフト11の近位端部(基端部又はバルーンカテーテル10の挿入元側の端部)に取り付けられたハブ12と、カテーテルシャフト11の遠位端部(先端部又はバルーンカテーテル10の挿入先側の端部)に取り付けられたバルーン13と、を備えている。
カテーテルシャフト11は、外側シャフト(外側チューブ)14と、当該外側シャフト14に内挿された内側シャフト(内側チューブ)15と、を備えている。これら外側シャフト14及び内側シャフト15は共に管状に形成されており、両シャフト14,15とも軸線方向(長手方向)の全体に亘って貫通した内腔が形成されている。
内側シャフト15は、近位端側の端部が外側シャフト14の軸線方向の途中位置に形成されたポート部16に接合されており、当該ポート部16を通じて内側シャフト15の図示しない内腔は外側シャフト14の外側に開放されている。なお、内側シャフト15はポリアミドなどの合成樹脂材料により形成されている。
内側シャフト15は、外側シャフト14よりも遠位端側に延長されており、この内側シャフト15の延長領域の遠位端部に対して先端チップ体17が設けられている。かかる構成において、バルーン13は、その近位端側が外側シャフト14に対して接合されているとともに、その遠位端側が先端チップ体17に対して接合され、内側シャフト15の延長領域の外周面を覆うようにして設けられている。なお、バルーン13及び先端チップ体17はいずれもポリアミドなどの合成樹脂材料により形成されている。
バルーン13は膨張及び収縮が可能な管状となっており、当該バルーン13の内部空間は外側シャフト14の内腔14a(図1(b)参照)に連通されている。なお、図1(a)は収縮状態のバルーン13を示している。また、上記のように外側シャフト14の内腔14aを圧縮流体が流通されることに着目すれば、当該内腔14aを流体用ルーメンと称することができる。
外側シャフト14は、当該外側シャフト14の遠位端側を構成する第1シャフトとしてディスタールシャフト21を備えているとともに、近位端側においてディスタールシャフト21と連続し外側シャフト14の近位端側を構成する第2シャフトとしてプロキシマルシャフト22を備えている。なお、本バルーンカテーテル10において、プロキシマルシャフト22が医療用シャフトに相当し、ディスタールシャフト21が他のシャフトに相当する。
ディスタールシャフト21は、ポリアミドなどといった合成樹脂により横断面(すなわち、軸線方向に対して垂直方向の断面)が円環形状となる管状に形成されている。ディスタールシャフト21は、軸線方向の途中位置に形成された上記ポート部16を近位端側の端部として内側シャフト15が内挿されているとともに、遠位端部に上記バルーン13が接合されている。なお、複数の合成樹脂製シャフトを軸線方向に並べて連結することでディスタールシャフト21を形成するとともに、それら合成樹脂製シャフトのうち、遠位端側のシャフトの方が近位端側のシャフトよりも剛性が低くなるようにしてもよい。
プロキシマルシャフト22は、ステンレスにより形成されている。但し、これに限定されることはなく、ニッケルチタン合金、コバルト又はクロムなどといった他の金属によりプロキシマルシャフト22を形成してもよい。プロキシマルシャフト22は、横断面が円環形状となる管状に形成されている。
プロキシマルシャフト22は、剛性がディスタールシャフト21よりも高くなるように、その材料、肉厚及び外径などが設定されている。ちなみに、剛性とは、シャフトを軸線方向に対して直交する方向に曲げようとするときに作用するモーメントの大きさのことをいう。
プロキシマルシャフト22は、外側シャフト14のハブ12から続く近位端側を構成する管状ベース23と、当該管状ベース23の遠位端部からディスタールシャフト21の内腔21a内において遠位端側に向けて延びる剛性調整部24と、が一体形成されてなる。
以下、プロキシマルシャフト22のより詳細な構成について、図2(a)〜(e)を参照しながら説明する。
図2(a)は管状ベース23と剛性調整部24との連続部分及びその周辺を拡大して示すプロキシマルシャフト22の側面図であり、図2(b)は剛性調整部24の全体及び管状ベース23の遠位端部を拡大して示すプロキシマルシャフト22の縦断面図(すなわち、軸線方向に沿った方向の断面図)である。また、図2(c)は遠位端部から軸線方向の途中位置までを拡大して示す剛性調整部24の縦断面図であり、図2(d)は剛性調整部24の全体及び管状ベース23の遠位端部を拡大して示すプロキシマルシャフト22の側面図であって、図2(a)とは軸周りに異なる位置から見た状態を示す側面図である。また、図2(e)はプロキシマルシャフト22の展開図であって管状ベース23と剛性調整部24との連続部分を拡大して示す展開図である。
管状ベース23は、軸線方向の全体に亘って管状をなしており、図2(a)に示すように、遠位端側の端面23aは軸線方向に対して直交するように形成されている。つまり、管状ベース23は、軸線方向に対して直交する方向の断面が、軸線方向の全体に亘って連続的な環状をなしている。
管状ベース23には、遠位端側の所定範囲に剛性低下領域25が形成されている。剛性低下領域25は、プロキシマルシャフト22において内腔22aを規定する壁部を内外に貫通するスリット26が、プロキシマルシャフト22の軸線方向に連続させて螺旋状に形成されている。このように螺旋状のスリット26が形成されていることにより、剛性低下領域25はそれよりも近位端側に比べて剛性が低くなっている。
また、螺旋状のスリット26は、遠位端側に向けて連続的に又は段階的にピッチが狭くなるように形成されている。このピッチとは図2(a)の状態で見て軸線方向に並ぶスリット26の線状部分間の距離のことをいう。このようにピッチが設定されていることにより、剛性低下領域25では、遠位端側に向けて剛性が除々に低下することとなる。
外側シャフト14の状態では、プロキシマルシャフト22は、図1(b)に示すように、ディスタールシャフト21の内腔21aに対し、同一軸線上となるようにして挿入されている。この場合に、その挿入量は、剛性低下領域25の全体がディスタールシャフト21の内腔21a内に挿入されるとともに、当該剛性低下領域25よりも近位端側の所定の範囲が当該内腔21a内に挿入されるように設定されている。これにより、プロキシマルシャフト22の内挿側壁部22bが内側及びディスタールシャフト21の被覆側壁部21bが外側となるようにしてこれら壁部21b,22bが放射方向に内外に重なった重なり領域が形成されている。
重なり領域における剛性低下領域25よりも近位端側にて、内挿側壁部22bと被覆側壁部21bとが接合されている。内挿側壁部22bと被覆側壁部21bとの接合は、被覆側壁部21bを内挿側壁部22bに熱溶着することにより行われている。接合領域は軸線周りに連続している。
上記のように外側シャフト14の遠位端側を構成するディスタールシャフト21を合成樹脂により形成することで剛性を比較的低く設定することが可能となり追随性を高めることができるとともに、外側シャフト14の近位端側を構成するプロキシマルシャフト22を金属により形成することで外側シャフト14の剛性が近位端側から遠位端側に向けて低くなり伝達性を高めることができる。さらに、プロキシマルシャフト22の遠位端側に剛性低下領域25が形成されていることにより、両シャフト21,22の重なり領域において遠位端側に向けて剛性が連続的に低下する傾向となり、耐キンク性が高められている。
この耐キンク性を高める機能は、剛性低下領域25とともにディスタールシャフト21の内腔21a内に挿入される剛性調整部24によっても高められている。当該剛性調整部24は、図2(b)に示すように、管状ベース23から遠位端側へと延びるようにして線状又は細長状に形成されており、その長さ寸法は85mmとなっている。但し、これに限定されることはなく、剛性調整部24の長さ寸法は1mm〜300mmの範囲内であればよい。
剛性調整部24は、図2(c)に示すように、厚み寸法、すなわちプロキシマルシャフト22の軸線に対して放射方向の寸法が、遠位端側に向けて連続的に小さくなるように先細りさせて形成されている。詳細には、剛性調整部24において管状ベース23と連続する根元部分の厚み寸法は、管状ベース23の壁部の厚み寸法と同一又は略同一となっている。また、剛性調整部24は、根元部分から長手方向の途中位置までは厚み寸法が一定となっているが、当該途中位置からは遠位端側の端部に向かうほど厚み寸法が小さくなるように形成されている。
剛性調整部24の厚み寸法を遠位端側に向けて小さくすることは、プロキシマルシャフト22の外周面側及び内周面側の各面のうち一方のみがテーパ状に形成されていることにより実現されている。詳細には、剛性調整部24の内周面は、製造時において管状ベース23の内周面と面一となるように形成されており、剛性調整部24の外周面が遠位端側に向けて除々に内側へと入り込むテーパ状に形成されている。
剛性調整部24は、図2(d)に示すように、幅寸法、すなわちプロキシマルシャフト22の軸周りの寸法が、先細りさせて形成されている。詳細には、剛性調整部24において管状ベース23と連続する根元部分から当該剛性調整部24の遠位端部に亘って、幅寸法が連続的に小さくなるように形成されている。
上記のように剛性調整部24の厚み寸法及び幅寸法の両方が遠位端側に向けて小さくなるように形成されていることにより、剛性調整部24の剛性を遠位端側に向けて連続的に小さくすることが可能となる。そして、このように剛性調整部24の剛性を遠位端側に向けて連続的に小さくすることで、外側シャフト14におけるディスタールシャフト21とプロキシマルシャフト22との連結部分においても剛性を遠位端側に向けて連続的に小さくすることが可能となる。さらにまた、剛性調整部24の機能を、コアワイヤとして管状ベース23とは別体で設けるのではなく、管状ベース23と一体形成することで、剛性調整部24を管状ベース23の壁部の延長線上に存在するように設けることができ、外側シャフト14の内腔14aの断面において剛性調整部24が占める領域を狭く抑えることが可能となる。よって、流体の流通効率の低下を抑制しながら、剛性調整部24を設けることができる。
なお、剛性調整部24を先細りさせるために厚み寸法及び幅寸法の両方を遠位端側に向けて小さくする構成に限定されることはなく、いずれか一方の寸法のみを遠位端側に向けて小さくする構成としてもよい。また、剛性調整部24の厚み寸法が遠位端側に向けて小さくなる範囲が、長手方向の全体の範囲であってもよく、遠位端部及び根元部分を含まない長手方向の一部の範囲であってもよい。また、剛性調整部24の幅寸法が遠位端側に向けて小さくなる範囲が、長手方向の一部の範囲であってもよく、この場合に、遠位端部及び根元部分を含まない範囲であってもよい。
また、最大厚み寸法は具体的には0.088mm(88μm)であるが、これに限定されることはなく、0.010mm〜1.000mm(10μm〜1000μm)の範囲内であればよい。また、最大幅寸法は具体的には0.32mmであるが、これに限定されることはなく、0.1mm〜2.0mmの範囲内であればよい。
次に、剛性調整部24の根元部分に掛かる力を緩和させるための構成について、図2(e)を参照しながら説明する。
図2(e)に示すように、管状ベース23の遠位端部には、剛性調整部24の根元部分24aを軸周りに挟むようにして一対の入り込み孔部31,32が形成されている。これら入り込み孔部31,32は、管状ベース23の遠位端部から近位端側へ入り込むようにして線状に形成されており、プロキシマルシャフト22の壁部をその厚み方向(又は放射方向)に貫通しているとともに、遠位端側に向けて開放されている。
一対の入り込み孔部31,32は、これら入り込み孔部31,32間の距離が近位側に向けて除々に広くなるように、その延びる方向が管状ベース23の軸線方向に対して交差している。また、一対の入り込み孔部31,32は、直線状に形成されているのではなく、入り込み孔部31,32間側に向けて凸となるように曲線状に形成されている。
プロキシマルシャフト22の軸線方向において、これら入り込み孔部31,32の遠位端側の位置及び近位端側の位置は入り込み孔部31,32間で同じ位置となっている。但し、プロキシマルシャフト22の軸線方向において、これら入り込み孔部31,32の遠位端側の位置及び近位端側の位置のうち少なくとも一方が入り込み孔部31,32間で相違していてもよい。また、各入り込み孔部31,32の近位端部31a,32aは、その遠位側にて連続する領域に比べて幅広に形成されており、さらには周面が曲面状となるように形成されている。これにより、入り込み孔部31,32の形成時、プロキシマルシャフト22やバルーンカテーテル10の搬送時又はバルーンカテーテル10の使用時などにおいて、これら入り込み孔部31,32の近位端部31a,32aから剛性低下領域25のスリット26に向けたクラックの発生が抑制されている。また、各入り込み孔部31,32の遠位端部は、その近位側にて連続する領域に比べて幅広に形成されている。
ちなみに、入り込み孔部31,32の中間部分の幅寸法は、剛性低下領域25のスリット26の幅よりも若干大きく設定されている。具体的には、0.050mm(50μm)となっている。但し、これに限定されることはなく、0.025mm〜1.000mm(25μm〜1000μm)の範囲内であればよい。
一対の入り込み孔部31,32が形成されていることにより、剛性調整部24の根元部分が管状ベース23の遠位端部に入り込んでいる。これにより、プロキシマルシャフト22の剛性が管状ベース23と剛性調整部24との境界部分において大きく変化してしまうことが抑えられているため、プロキシマルシャフト22において管状ベース23と剛性調整部24との境界部分に大きな負荷が掛かったとしても、その負荷が管状ベース23においても好適に受けられて、剛性調整部24の根元部分が破損してしまう可能性が低減される。さらにまた、一対の入り込み孔部31,32間の距離が近位端側に向けて広くなるように形成されているため、剛性調整部24の根元部分において剛性を滑らかに変化させることが可能となる(つまり、剛性調整部24の根元部分において剛性を近位端側に向けて連続的に高くさせることが可能となる)。
上記のように一対の入り込み孔部31,32が形成された構成においては、一対の入り込み孔部31,32を間に挟んで、剛性調整部24の根元部分に対して管状ベース23の壁部が軸周りに隣接することとなる。つまり、管状ベース23の遠位端部には隣接領域23bが存在することとなる。
このように隣接領域23bが形成された構成において、管状ベース23に形成された剛性低下領域25のスリット26は、その遠位側先端26aが隣接領域23bの位置に到達するように形成されている。つまり、スリット26の遠位側先端26aは、図2(e)の一点鎖線で示すように、剛性調整部24の根元部分の近位端部と軸線方向に同じ位置となっている。これにより、剛性調整部24と剛性低下領域25とが軸線方向において連続した構成(但し、軸周りの方向では不連続)とすることが可能となる。よって、剛性調整部24と管状ベース23との連続部分において、遠位端側に向けて剛性を連続的に低下させることが可能となる。
一対の入り込み孔部31,32間には、管状ベース23側から剛性調整部24側に亘って一連の貫通孔33が形成されている。貫通孔33は、管状ベース23及び剛性調整部24をその厚み方向(又は放射方向)に貫通している。但し、貫通孔33は、管状ベース23の軸線方向の端部とは連続していない。貫通孔33は、孔幅が遠位側に向けて除々に狭くなるように形成されており、これにより各入り込み孔部31,32と貫通孔33との間の距離、詳細には軸周りの距離が近位側に向けて除々に広くなるように形成されている。上記のように貫通孔33が形成されていることにより、剛性調整部24と管状ベース23との連続部分において、遠位端側に向けて剛性を連続的に低下させることが可能となり、さらには剛性調整部24が根元部分に向けて極端に幅狭となることが抑制されるため、かかる剛性の連続的な低下を剛性調整部24の根元部分の強度を高めながら実現することが可能となる。
ちなみに、既に説明したとおり、プロキシマルシャフト22とディスタールシャフト21との接合は剛性低下領域25よりも近位端側にて行われており、剛性調整部24はディスタールシャフト21に対して接合されていない。但し、剛性調整部24の一部がディスタールシャフト21に対して接合されていてもよい。また、既に説明したとおり、剛性調整部24は、その外周面が遠位端側に向けて除々に内側へと入り込むテーパ状に形成されているため、プロキシマルシャフト22の遠位端側をディスタールシャフト21の近位端側に挿入する場合において、剛性調整部24がディスタールシャフト21の壁部に引っ掛かりづらくなる。
次に、プロキシマルシャフト22の製造方法について、図3を参照しながら説明する。
先ず準備工程として、図3(a)に示すように、ステンレスによる金属チューブ41を用意する。この金属チューブ41は、その外径が軸線方向の全体に亘って同一であり、その内径も軸線方向の全体に亘って同一となるように形成されている。そして、これら外径及び内径は、管状ベース23の外径及び内径として設定されている。
次に、研磨工程として、図3(b)に示すように、金属チューブ41の端部の外周面を、当該端部に向けて先細りする連続したテーパ面42が形成されるように研磨する。この端部はプロキシマルシャフト22の遠位端部となる。また、この研磨する領域の軸線方向の寸法は、剛性調整部24において厚み寸法を遠位端側に向けて連続的に小さくさせる領域に対応している。なお、当該研磨工程では、砥石を利用した研磨が行われるが、これに限定されることはなく、電解研磨や化学研磨を行うようにしてもよい。
次に、形状付け工程として、図3(b)の状態となった金属チューブ41にレーザを照射して、金属チューブ41のカットを行う。これにより、図3(c)に示すように、管状ベース23と剛性調整部24とが一体形成された状態となり、管状ベース23には剛性低下領域25のスリット26が形成された状態となり、剛性調整部24は厚み方向の寸法及び幅方向の寸法が遠位端側に向けて連続的に小さくなった状態となる。さらには、図2(e)に示すように、一対の入り込み孔部31,32及び貫通孔33が形成された状態となる。
その後、ディスタールシャフト21にプロキシマルシャフト22を挿入するとともに両者を接合することで外側シャフト14の形成が完了し、さらには当該外側シャフト14に内側シャフト15を内挿するとともに先端チップ体17及びバルーン13の接合を行うことでバルーンカテーテル10の形成が完了する。
次に、上記構成のバルーンカテーテル10の使用方法について簡単に説明する。
バルーンカテーテル10を用いてPTCAを行う場合には、先ず血管内に挿入されたシースイントロデューサにガイディングカテーテルを挿通し、冠動脈入口部まで導入する。次いで、ガイドワイヤをバルーンカテーテル10のワイヤ用ルーメン及びガイディングカテーテル内に挿通し、冠動脈入口部から治療対象箇所(例えば、狭窄部位)を経て末梢部位まで導入する。続いて、ガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテル10を治療対象箇所まで導入する。バルーン13が治療対象箇所に到達したら、加圧器でバルーン13を膨張させ治療を行うとともに、治療対象箇所の拡張が完了したら減圧器でバルーン13を収縮しバルーンカテーテル10の抜き取りを行う。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
剛性調整部24が管状ベース23に一体形成されているため、剛性調整部24の機能をコアワイヤとして管状ベース23とは別体で設ける構成に比べて、低コスト化が図られる。また、プロキシマルシャフト22の製造に際してはレーザカットにより、剛性低下領域25を形成する際に剛性調整部24も形成することが可能となるため、コアワイヤを管状ベース23に接合する場合に比べて、製造工程の簡略化が図られる。また、コアワイヤを管状ベース23に接合する場合に比べて、剛性調整部24と管状ベース23との連続部分にて剛性が極端に高くなってしまうことが抑えられる。また、プロキシマルシャフト22の内腔断面積を減少させないようにしながら剛性調整部24を設けることができるため、バルーン13の拡張及び収縮時に造影剤の流通断面積を広く確保でき、バルーン13の収縮時間を短縮させることが可能となる。
この場合に、一対の入り込み孔部31,32が形成されていることで、剛性調整部24の根元部分は管状ベース23側に入り込んでいるため、プロキシマルシャフト22において管状ベース23と剛性調整部24との境界部分に大きな負荷が掛かったとしても、その負荷が管状ベース23においても好適に受けられる。よって、剛性調整部24の根元部分が破損してしまう可能性が低減される。さらにまた、一対の入り込み孔部31,32は両者の間の距離が近位側に向けて広くなるように形成されているため、剛性調整部24の根元部分の強度も高めることが可能となる。
剛性低下領域25が螺旋状のスリット26である構成においては、当該スリット26の遠位側先端26aが管状ベース23の遠位端部に達しないようにする必要がある。さらには、スリット26の遠位側先端26aからクラックが発生してそのクラックが管状ベース23の遠位端部に達するのは好ましくないため、スリット26の遠位側先端26aは管状ベース23の遠位端部から近位側にある程度、離間させる必要がある。この場合、管状ベース23の遠位端部では、それよりも近位側に比べて剛性が高くなってしまうことが懸念される。これに対して、スリット26の遠位側先端26aが管状ベース23の隣接領域23bの位置まで形成されているとともに、スリット26の遠位側先端26aよりも管状ベース23の遠位端部側には一対の入り込み孔部31,32が形成されているため、スリット26と入り込み孔部31,32とが軸線方向に連続し、結果的に、スリット26と剛性調整部24とが軸線方向に連続する。したがって、剛性低下領域25として螺旋状のスリット26を利用した構成であっても、遠位側に向けて剛性を良好に低下させることが可能となる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、管状ベース23と剛性調整部24との連続部分の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。図4(a)は本実施の形態におけるプロキシマルシャフト22の展開図であって管状ベース23と剛性調整部24との連続部分を拡大して示す展開図である。
図4(a)に示すように、本実施の形態では、剛性低下領域51を構成するスリット52の遠位側先端52aは、剛性調整部24の根元部分の近位端部よりも遠位側に位置している。つまり、遠位側先端52aは、管状ベース23の隣接領域23b内に入り込んでいる。
この場合に、スリット52の遠位側先端52aは、入り込み孔部31に対して不連続ではあるものの、当該入り込み孔部31に対して近い位置に存在している。これに対応させてスリット52の遠位側先端52aは、近位側にて連続する領域に比べて幅広に形成されており、さらには周面が曲面状となるように形成されている。これにより、スリット52の形成時、プロキシマルシャフト22やバルーンカテーテル10の搬送時又はバルーンカテーテル10の使用時などにおいて、当該スリット52の遠位端部から入り込み孔部31又は管状ベース23の遠位端部に向けたクラックの発生が抑制されている。
また、一対の入り込み孔部31,32間に形成された貫通孔53の形状が上記第1の実施の形態と異なっている。当該貫通孔53は近位端側が遠位端側に向けて凹んだ形状となっている。但し、当該貫通孔53も上記第1の実施の形態における貫通孔33と同様に、管状ベース23側から剛性調整部24側に亘って形成されているとともに、各入り込み孔部31,32と貫通孔53との間の距離は近位側に向けて除々に広くなるように形成されている。
本実施の形態における構成であっても、一対の入り込み孔部31,32が形成されていることによる作用効果を奏するとともに、遠位端側に向けた剛性の連続的な低下を実現することが可能となる。
なお、図4(b)に示すように、貫通孔54を線状に形成してもよい。この場合、貫通孔54の端部からのクラックの発生を防止すべく、両端部は、中央側に比べて幅広に形成されているとともに周面が曲面状となっている。
(第3の実施の形態)
図5(a)〜図5(c)に示すように、本実施の形態では、貫通孔33が形成されていない。この場合であっても、一対の入り込み孔部31,32が形成されていることにより、プロキシマルシャフト22の剛性が管状ベース23と剛性調整部24との境界部分において大きく変化してしまうことが抑えられる。また、貫通孔33が形成された構成に比べ、剛性調整部24の根元部分の強度を高めることが可能となる。
また、図5(b)では、剛性低下領域61を構成するスリット62において最も遠位側に存在する線状部分が一対の入り込み孔部31,32よりも近位側を横切り、スリット62の遠位側先端62aは、入り込み孔部31,32の近位端部よりも遠位側に位置している。この場合、当該遠位側先端62aは、図4(a)の場合と同様にクラック防止用の形状とされている。
また、図5(c)では、一対の入り込み孔部65,66は線状ではなくて凹状とされている。この場合、剛性調整部24の根元部分に対して軸周りに隣接する管状ベース23の面積が狭くなるものの、管状ベース23と剛性調整部24との境界部分にて剛性が大きく変化してしまうことは抑制される。
(他の実施形態)
本発明は上記各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施しても良い。なお、以下の別形態の構成を、上記各実施形態のうち例示している実施形態とは異なる実施形態に対して適用してもよい。
(1)一対の入り込み孔部31,32は、曲線状に形成されているのではなく、直線状に形成されていてもよい。この場合であっても、一対の入り込み孔部31,32間の距離が近位側に向けて広くなるように、直線状の入り込み孔部31,32を形成することが好ましい。
(2)管状ベース23に形成される剛性低下部は螺旋状のスリット26に限定されることはなく、軸線方向に延びる直線状又は曲線状であって非螺旋状のスリットや、複数の貫通孔を点在させて形成する構成も考えられる。また、メッシュ状とすることにより剛性低下部を形成する構成も考えられる。これらいずれの構成であっても、剛性低下部を、管状ベース23において、剛性調整部24の根元部分と軸周りに隣接する隣接領域23bの位置まで形成することが好ましく、さらには剛性調整部24の根元部分の近位端部よりも遠位側の位置まで形成してもよい。
(3)管状ベース23の遠位端部に、剛性調整部24の根元部分を間に挟む一対の入り込み孔部31,32に加えて、他の入り込み孔部が形成されていてもよい。この場合、管状ベース23の遠位端部の剛性をより低下させることが可能となる。
(4)入り込み孔部31,32が管状ベース23に形成された構成を、剛性調整部がコアワイヤとして管状ベース23とは別体で設けられた構成に対して適用してもよい。この場合、一対の入り込み孔部31,32が、コアワイヤと管状ベース23との接合箇所を軸周りにおいて間に挟むようにして形成されていることで、コアワイヤと管状ベース23との接合箇所に掛かった負荷を管状ベース23の変形により吸収することが可能となる。よって、コアワイヤの分離を規制することが可能となる。また、この場合であっても、一対の入り込み孔部31,32間の距離が近位側に向けて広くなるようにこれら入り込み孔部31,32が形成されていることで、コアワイヤが接合された部分において剛性を滑らかに変化させることが可能となる。
(5)プロキシマルシャフト22が合成樹脂製であってもよい。この場合、プロキシマルシャフト22の製造に際しては、金属チューブ41に代えて、樹脂チューブを用意し、さらにテーパ面42を形成する際には加熱成型を行うようにしてもよい。
(6)一対の入り込み孔部31,32は剛性調整部24の根元部分を挟んで対称的な形状である必要はなく、非対称的な形状であってもよい。また、貫通孔33の一部のみが一対の入り込み孔部31,32間に配置されている構成に限定されることはなく、貫通孔33の全体が一対の入り込み孔部31,32間に配置されていてもよい。
(7)剛性調整部24及び一対の入り込み孔部31,32に係る上記各実施の形態の構成を、血管内を通されて当該血管内の狭窄箇所や閉塞箇所を拡張するためのバルーンカテーテル10ではなく、血管以外の尿管や消化管などの生体内の「管」や、体腔に対して挿入されるバルーンカテーテルに対して適用してもよい。また上記構成を、バルーンカテーテル以外にも、複数のチューブを軸線方向に並べて連結することで形成された連結チューブを備え、使用に際して連結チューブの内腔に流体が流通されることとなる他のタイプのカテーテルに対して適用してもよい。例えば、血栓吸引用のカテーテルに適用してもよい。また、上記構成を、非チューブ状の複数のシャフトを軸線方向に並べて連結することで形成されたシャフト部分を有するカテーテルに対して適用してもよい。また、上記構成を、使用に際して生体内に挿入されるものの、カテーテルとは別のタイプの医療用器具に対して適用してもよい。例えばカテーテルの生体内や施術対象箇所への挿入を容易化するための挿入補助具におけるシャフト部分に対して、上記構成を適用してもよい。
10…バルーンカテーテル、14…外側シャフト、21…ディスタールシャフト、22…プロキシマルシャフト、23…管状ベース、24…剛性調整部、26…スリット、31,32…入り込み孔部、33…貫通孔、52…スリット、53…貫通孔、54…貫通孔、62…スリット、65,66…入り込み孔部。

Claims (9)

  1. 使用に際して生体内に挿入される医療用器具のシャフト部分を構成するように用いられるとともに、当該シャフト部分を構成する他のシャフトの近位端側領域に対して遠位端側を連結させて用いられる医療用シャフトであって、
    少なくとも遠位側に向けて開放され、且つ前記他のシャフトの近位端側領域に対して連結される管状ベースと、
    当該管状ベースから遠位端側に向けて延び、当該管状ベースよりも細く形成されているとともに、前記他のシャフト内に挿入される剛性調整部と、
    前記管状ベースの遠位端部から近位側に入り込むようにして形成され、且つ前記剛性調整部における前記管状ベースとの連続部分を軸周りに挟むようにして形成された一対の入り込み孔部と、
    を備え、
    前記一対の入り込み孔部は、両者の間の距離が近位側に向けて広くなるように形成されていることを特徴とする医療用シャフト。
  2. 前記剛性調整部は、前記管状ベースに一体形成されているとともに、当該管状ベースの遠位端側開口の周縁部から遠位端側に向けて延びるように形成されており、
    当該剛性調整部の根元部分は、前記一対の入り込み孔部が形成されていることにより、前記管状ベース側に入り込んでいることを特徴とする請求項1に記載の医療用シャフト。
  3. 前記管状ベースには、遠位端側に向けて当該管状ベースの剛性を低下させるための剛性低下部が設けられており、
    前記管状ベースは、前記一対の入り込み孔部を間に挟んで前記剛性調整部の根元部分に対して軸周りに隣接する隣接領域を備えており、
    前記剛性低下部は、前記隣接領域よりも近位端側から少なくとも当該隣接領域の位置まで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用シャフト。
  4. 前記剛性低下部は螺旋状のスリットであり、
    前記スリットが、前記隣接領域よりも近位端側から少なくとも当該隣接領域の位置まで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の医療用シャフト。
  5. 前記一対の入り込み孔部間には、前記管状ベースを内外に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の医療用シャフト。
  6. 前記貫通孔は、前記各入り込み孔部との間の距離が近位側に向けて広くなるように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の医療用シャフト。
  7. 前記一対の入り込み孔部は、線状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の医療用シャフト。
  8. 前記一対の入り込み孔部は、入り込み先の先端部がそれよりも入り込み元側に比べて幅広に形成されているとともに、当該入り込み先の先端部の周面は、曲面状となるように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の医療用シャフト。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1に記載の医療用シャフトと、
    近位端側領域に対して前記管状ベースの遠位端側及び前記剛性調整部が挿入された状態で前記医療用シャフトと連結させて設けられ、当該医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトと、
    を備えていることを特徴とする医療用器具。
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