JP5259459B2 - 医療用シャフト及び医療用器具 - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテルなどといった生体内に挿入して用いられる医療用器具の一部を構成する医療用シャフト及び当該医療用シャフトを備えた医療用器具に関するものである。
従来から、PTCA(経皮的冠動脈形成術)といった治療等においては、バルーンカテーテルが用いられている。一般的なバルーンカテーテルは、例えば特許文献1に示すように、カテーテルシャフトの遠位端部に、内圧調節により膨張・収縮自在のバルーンが設けられてなる。
詳細には、カテーテルシャフトは、外側シャフトと、当該外側シャフトの内腔に挿通された内側シャフトとを備えており、内側シャフトは外側シャフトよりも遠位端側に延長させて設置されている。そして、内側シャフトのその延長部分及び外側シャフトの遠位端部に対して、それぞれ遠位端側及び近位端側を保持させてバルーンが設けられている。バルーンを膨張・収縮させる圧縮流体は外側シャフトの内腔を介して流通される。また、内側シャフトのルーメンには、患者の動脈内への挿入時にガイドワイヤが挿通される。
バルーンカテーテルを用いてPTCAを行う場合には、先ずガイディングカテーテルを大腿動脈などから挿入して大動脈を経て冠状動脈の入口に先端を配置した後、冠状動脈等の狭窄部位又は閉塞部位を通過するようにガイドワイヤを挿入する。そして、そのガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテルを挿入しバルーンを狭窄部位又は閉塞部位に一致させ、圧縮流体をバルーンに供給してこのバルーンを膨張させて拡張治療する。この拡張治療をした後は、バルーンを減圧して収縮させ、バルーンカテーテルを体外へ除去する。
特開2008−237844号公報
バルーンカテーテルに要求される性能としては、例えば屈曲血管への追随性、血管内へバルーンカテーテルを挿入する際の力の伝達性及び折り曲げようとする力に対する耐キンク性等が挙げられる。これに対して、上記特許文献1では、剛性が相対的に低くなるように合成樹脂により形成された遠位端側シャフトと、剛性が相対的に高くなるように金属により形成された近位端側シャフトとをバルーンカテーテルの軸線方向に並べて連結することで外側シャフトを形成した構成が開示されている。さらに、当該特許文献1には、遠位端側シャフトにおいて近位端側シャフトに挿入される部位に、螺旋状の切り込みを形成するとともに、近位端側シャフト及び遠位端側シャフトの境界部分を跨ぐようにして外側シャフトの内腔にコアワイヤを設けた構成が開示されている。
上記構成によれば、外側シャフトの剛性が近位端側から遠位端側に向けて除々に低下することとなり、追随性、伝達性及び耐キンク性を向上させることができる。但し、バルーンカテーテルにおいてはこれら各性能のさらなる向上を図ることが好ましく、この点、未だ改良の余地がある。
なお、上記課題はバルーンカテーテルに限定されたものではなく、複数のシャフトを軸線方向に並べて連結させることで形成されたシャフト部分を備え、使用に際して生体内に挿入される他の医療用器具においても同様である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、シャフト部分を有する医療用器具の操作性を良好に高めることができる医療用シャフト及び当該医療用シャフトを備えた医療用器具を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
本発明に係る医療用シャフトは、使用に際して生体内に挿入される医療用器具のシャフト部分を構成するように用いられるとともに、当該シャフト部分を構成する他のシャフトの近位端側領域に対して遠位端側を連結させて用いられ、さらに当該他のシャフトよりも剛性が高くなるようにして形成されている。そして、遠位端側に設けられ、近位端側の領域と比して剛性が低くなるように形成された剛性低下領域と、前記医療用器具において少なくとも本医療用シャフトと前記他のシャフトとの境界部分から遠位端側に向けて当該他のシャフトに挿入される剛性調整用の線状部材を固定するために用いられるとともに、前記剛性低下領域よりも遠位端側の位置にて当該剛性低下領域よりも剛性が低くなるように形成された固定領域と、を備えている。
本構成によれば、固定領域に剛性調整用の線状部材を固定することで、当該固定による剛性の増加の剛性低下領域に対する影響を低減することができる。また、固定領域は剛性低下領域よりも遠位端側の位置に設けられているため、固定領域を剛性低下領域よりも近位端側の位置に設ける構成に比べ、線状部材の医療用シャフトに対する挿入量の調整の自由度が高められる。さらにまた、固定領域は剛性低下領域よりも剛性が低くなるように形成されているため、固定領域を設けたことによる、本医療用シャフトが用いられる医療用器具への剛性の影響が低減される。
前記固定領域は、軸線周りに連続しないようにして形成されているとともに、前記剛性低下領域から遠位端側に向けて突出させて形成されているとよい。これにより、本医療用シャフトが用いられる医療用器具において、剛性低下領域に連続した位置から他のシャフトに向けて延びるように線状部材を設けることができるとともに、固定領域が軸線周りに連続する構成に比べて、固定領域自身の剛性を低くすることができる。
また、前記固定領域の幅寸法を、固定対象となる前記線状部材の幅寸法と同一又は略同一となるように設定することで、固定領域において線状部材の固定を行うための領域を確保しながら、固定領域自身の剛性を低くすることができる。
少なくとも前記剛性低下領域を形成する壁部により区画され少なくとも遠位端側に向けて開放された内腔を有する医療用シャフトにおいては、前記剛性低下領域を形成する壁部には、当該壁部を外側から前記内腔に向けて貫通し、軸線方向に連続する螺旋状の切り込みが形成されており、さらに前記固定領域は、前記切り込みの遠位端側の端部よりも遠位端側に形成されているとよい。剛性低下領域が螺旋状の切り込みを用いて形成されていることにより、例えば、切り込み間のピッチや切り込みの幅などを調整することで、剛性低下領域における剛性の調整が行い易くなる。この場合に、固定領域が、切り込みの遠位端側の端部よりも遠位端側に形成されていることにより、剛性低下領域への影響を低減しながら固定領域を設けることができる。
前記固定領域は、軸線周りに連続しないように形成されているとともに、前記剛性低下領域から遠位端側に向けて突出させて形成されており、さらに、前記線状部材が、前記固定領域に固定されているとともに、当該固定領域と前記螺旋状の切り込みとの間の中間領域に固定されているとよい。これにより、固定領域を用いて線状部材を固定することができるようにした構成において、当該固定領域以外においても固定箇所が存在するため、線状部材の医療用シャフトへの固定を安定した状態で行うことができる。また、この追加された固定箇所は固定領域と螺旋状の切り込みとの間の中間領域に設定されているため、螺旋状の切り込みによる剛性低下の効果を上記固定によって消失させてしまうことを抑えることができる。
また、少なくとも前記固定領域及び前記剛性低下領域が金属製であるとともに、前記線状部材も金属製である構成においては、前記線状部材は、前記固定領域に対して溶接されているとともに、当該溶接箇所から軸線方向に離間された位置において前記中間領域に対して溶接されているとよい。これにより、線状部材の溶接が上記両溶接箇所を含む線として又は含む面として行われる構成に比べ、溶接が行われることによる剛性への影響が低減される。また、このように溶接箇所を分散させたとしても、接着剤を介するのではなく固定が金属の溶接により行われているため、固定の強度を高め易い。
前記剛性低下領域は、軸線方向に対して直交する方向の断面が、軸線方向の全体に亘って、連続的な又は断続的な環状をなしており、前記固定領域は、前記剛性低下領域の遠位端側の端部から遠位端側に向けて突出するように形成されているとよい。本構成によれば、広範囲に亘る鋭利な部分が存在しないようにしながら剛性低下領域を設けることができる。そして、当該構成において、固定領域が設けられていることにより、剛性低下領域における剛性への影響を低減しながら、線状部材を良好に固定することができる。
使用に際して生体内に挿入される医療用器具のシャフト部分として、上記いずれかの構成を有する医療用シャフトと、近位端側領域に対して前記医療用シャフトの遠位端側が挿入された状態で当該医療用シャフトと連結させて設けられ、当該医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトと、を備えた構成とすることで、既に説明したような作用効果を奏する医療用器具を提供することができる。
本発明に係る別の医療用器具は、第1シャフトと、当該第1シャフトの近位端側において当該第1シャフトに連続させて設けられ、当該第1シャフトよりも剛性が高くなるように形成された第2シャフトと、少なくとも両シャフトの境界部分から遠位端側に向けて前記第1シャフトの内部を通るようにして設けられた剛性調整用の線状部材と、備え、使用に際して生体内に挿入されるものであって、さらに、前記第2シャフトの遠位端側に設けられ、近位端側の領域と比して剛性が低くなるよう形成された剛性低下領域と、当該剛性低下領域とは異なる位置に設けられ、前記線状部材が固定される固定領域と、を備えている。本構成によれば、剛性調整用の線状部材の固定を、当該固定による剛性の増加の影響が剛性低下領域に及ぶことを抑えながら行うことができる。
また、上記別の医療用器具において、前記固定領域は、前記剛性低下領域に対して遠位端側において連続する位置にて、当該剛性低下領域よりも剛性が低くなるように形成されているとよい。これにより、固定領域を剛性低下領域よりも近位端側の位置に設ける構成に比べ、線状部材の第2シャフトに対する挿入量の調整の自由度が高められる。さらにまた、固定領域は剛性低下領域よりも剛性が低くなるように形成されているため、固定領域を設けたことによる医療用器具への剛性の影響が低減される。
(a)第1の実施形態におけるバルーンカテーテルの概略全体側面図、(b)バルーンカテーテルの遠位端部分の構成を説明するための説明図。 (a)外側シャフトの一部を拡大して示す一部破断部分を含む側面図、(b)コアワイヤの側面図。 (a)コアワイヤが一体化されたプロキシマルシャフトにおいてコアワイヤの固定箇所を拡大して示す側面図、(b)A―A線断面図、(c)コアワイヤの固定箇所を説明するための説明図。 (a)第2の実施形態における外側シャフトの一部を拡大して示す一部破断部分を含む側面図、(b)B−B線断面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(a)はバルーンカテーテル10の概略全体側面図、図1(b)はバルーンカテーテル10の遠位端部分の構成を説明するための説明図である。
図1(a)に示すように、バルーンカテーテル10は、カテーテルシャフト11と、当該カテーテルシャフト11の近位端部(基端部)に取り付けられたハブ12と、カテーテルシャフト11の遠位端部(先端部)に取り付けられたバルーン13と、を備えている。
カテーテルシャフト11は、図1(a)及び図1(b)に示すように、外側シャフト14と、当該外側シャフト14に内挿された内側シャフト15と、を備えている。これら外側シャフト14及び内側シャフト15は共に管状に形成されており、両シャフト14,15とも軸線方向(長手方向)の全体に亘って貫通した内腔が形成されている。この点、外側シャフト14を外側チューブと称することができ、内側シャフト15を内側チューブと称することができる。
内側シャフト15は、近位端側の端部が外側シャフト14の軸線方向の途中位置に形成されたポート部16に接合されており、当該ポート部16を通じて内側シャフト15の内腔15aは外側シャフト14の外側に開放されている。なお、内側シャフト15はポリアミドなどの合成樹脂材料により形成されている。
内側シャフト15は、外側シャフト14よりも遠位端側に延長されており、この内側シャフト15の延長領域17の遠位端部に対して先端チップ体18が設けられている。かかる構成において、バルーン13は、その近位端側が外側シャフト14に対して接合されているとともに、その遠位端側が先端チップ体18に対して接合され、内側シャフト15の延長領域17の外周面を覆うようにして設けられている。
なお、延長領域17には、X線投影下でのバルーン13の視認性を向上させるために、金属製の造影環19が設けられている。また、バルーン13及び先端チップ体18はいずれもポリアミドなどの合成樹脂材料により形成されている。
バルーン13は膨張及び収縮が可能な管状となっており、当該バルーン13の内部空間は外側シャフト14の内腔14aに連通されている。加圧器を用いてハブ12を介して内腔14aに圧縮流体が供給されることにより、図1(b)に示すようにバルーン13が膨張状態となる。一方、ハブ12を介して減圧器を用いて内腔14aから圧縮流体を排出することにより、図1(a)に示すようにバルーン13が収縮状態となる。なお、上記のように外側シャフト14の内腔14aを圧縮流体が流通されることに着目すれば、当該内腔14aを流体用ルーメンと称することができる。
バルーン13を血管の狭窄部位に配置する際には、体内に先行して挿入されたガイドワイヤGに沿ってバルーンカテーテル10が挿入されるが、かかる場合、当該ガイドワイヤGは内側シャフト15の内腔15a及び先端チップ体18の内腔18a内に挿通された状態となる。この点、内側シャフト15の内腔15a及び先端チップ体18の内腔18aをワイヤ用ルーメンと称することができる。
次に、外側シャフト14のより詳細な構成について説明する。以下の説明では、図1に加え図2を適宜参照する。図2(a)は、外側シャフト14の一部を拡大して示す側面図であり、一部に破断部分を含んでいる。ちなみに、図2(a)において示す領域は、図1(a)における領域Cに相当している。また、図2(b)は外側シャフト14を構成するコアワイヤ31を示す側面図である。
外側シャフト14は、当該外側シャフト14の遠位端側を構成する第1シャフトとしてディスタールシャフト21を備えているとともに、近位端側においてディスタールシャフト21と連続し外側シャフト14の近位端側を構成する第2シャフトとしてプロキシマルシャフト22を備えている。なお、本バルーンカテーテル10において、プロキシマルシャフト22が医療用シャフトに相当し、ディスタールシャフト21が他のシャフトに相当する。
ディスタールシャフト21は、ポリアミドなどといった合成樹脂により横断面(すなわち、軸線方向に対して垂直方向の断面)が円環形状となる管状に形成されている。ディスタールシャフト21は、軸線方向の途中位置に形成された上記ポート部16を近位端側の端部として内側シャフト15が内挿されているとともに、遠位端部に上記バルーン13が接合されている。なお、複数の合成樹脂製シャフトを軸線方向に並べて連結することでディスタールシャフト21を形成するとともに、それら合成樹脂製シャフトを近位端側のシャフトに比べ遠位端側のシャフトの剛性が低くなるようにする構成してもよい。
プロキシマルシャフト22は、ステンレスやニッケルチタン合金などといった金属により横断面が円環形状となる管状に形成されている。この場合、プロキシマルシャフト22は、剛性がディスタールシャフト21よりも高くなるように、その材料、肉厚及び外径などが設定されている。このようにディスタールシャフト21よりも剛性が高いことに着目した場合、当該ディスタールシャフト21をハイポチューブと称することもできる。ちなみに、剛性とは、具体的には「曲げこわさ(曲げモーメント)」のことをいい、ヤング率(縦弾性係数)と断面二次モーメントとの積に比例する値のことをいう。
なお、プロキシマルシャフト22の外周に、PTFEといったフッ素樹脂などをコーティングしてもよい。また、プロキシマルシャフト22の近位端部には上記ハブ12が当該近位端部の外周面を覆うようにして接合されているが、その接合強度を高めるべく、プロキシマルシャフト22の当該接合箇所を構成する外周面に微小な凹凸が生じるように当該外周面を粗化してもよい。また、プロキシマルシャフト22は軸線方向の寸法が約5mに設定されているが、その機能を十分に発揮できるのであれば具体的な寸法は任意である。
プロキシマルシャフト22には、管状をなす領域の遠位端側の端部から近位端側に向けた所定範囲に亘って剛性低下領域23が形成されている。剛性低下領域23は、プロキシマルシャフト22において内腔22aを規定する壁部を内外に貫通する切り込み24が、プロキシマルシャフト22の軸線方向に連続させて螺旋状に形成されてなる。このように螺旋状の切り込み24が形成されていることにより、剛性低下領域23はそれよりも近位端側に比べて剛性が低くなっている。
また、螺旋状の切り込み24は、遠位端側に向けて連続的に又は段階的にピッチが狭くなるように形成されている。このピッチとは図2(a)の状態で見て軸線方向に並ぶ切り込み24間の距離のことをいう。このようにピッチが設定されていることにより、剛性低下領域23では、遠位端側に向けて剛性が除々に低下することとなる。
プロキシマルシャフト22はその遠位端側が、ディスタールシャフト21の内腔21aに対してその近位端側開口から挿入されている。この場合、プロキシマルシャフト22はディスタールシャフト21に対して同一軸線上となるように配置されている。また、プロキシマルシャフト22の挿入量は、上記剛性低下領域23の全体がディスタールシャフト21の内腔21a内に挿入されるとともに、当該剛性低下領域23よりも近位端側の所定の範囲が当該内腔21a内に挿入されるように設定されている。このようにプロキシマルシャフト22が挿入されていることにより、プロキシマルシャフト22の内挿側壁部25が内側及びディスタールシャフト21の被覆側壁部26が外側となるようにしてこれら壁部25,26が放射方向に内外に重なった重なり領域27が形成されている。
重なり領域27における剛性低下領域23よりも近位端側にて、内挿側壁部25と被覆側壁部26とが接合されている。内挿側壁部25と被覆側壁部26との接合は、合成樹脂により形成されたディスタールシャフト21を構成する被覆側壁部26を、金属により形成されたプロキシマルシャフト22を構成する内挿側壁部25に対して熱溶着することにより行われている。当該接合領域は軸線周りに連続しており、外側シャフト14の内腔14aが重なり領域27において外側シャフト14の外部に通じないようになっている。
なお、ディスタールシャフト21とプロキシマルシャフト22との接合強度を高めるべく、被覆側壁部26において接合箇所を構成する外周面を粗化することで、当該外周面に微小な凹凸を形成してもよい。
バルーンカテーテル10においては、要求される主たる性能の一部として、屈曲血管(又は、ガイドワイヤG)への追随性と、体内へバルーンカテーテル10を挿入する際の力の伝達性と、折り曲げようとする力に対する耐キンク性とがある。これに対して、上記のように外側シャフト14の遠位端側を構成するディスタールシャフト21を合成樹脂により形成することで剛性を比較的低く設定することが可能となり追随性を高めることができるとともに、外側シャフト14の近位端側を構成するプロキシマルシャフト22を金属により形成することで外側シャフト14の剛性が近位端側から遠位端側に向けて低くなり伝達性を高めることができる。さらに、プロキシマルシャフト22の遠位端側に剛性低下領域23が形成されていることにより、両シャフト21,22の重なり領域27において遠位端側に向けて剛性が連続的に低下する傾向となり、局所的な剛性の高まりが抑えられることで、耐キンク性を高めることができる。
ここで、本バルーンカテーテル10には、軸線方向の剛性の変化をより良好なものとするために、剛性調整用の線状部材として、コアワイヤ31が設けられている。
コアワイヤ31は、金属材料により形成されており、具体的には、ステンレスにより形成されている。但し、これに限定されることはなく、ニッケルチタン合金などといった超弾性合金によりコアワイヤ31を形成してもよい。コアワイヤ31は、図2(b)に示すように、軸線方向の両端を除いて遠位端側に向けて除々に先細りするように、すなわち遠位端側に向けて連続して直径が小さくなるように形成されている。つまり、コアワイヤ31は、近位端側の端部から遠位端側に向けた所定範囲を占めるとともに直径が一定となった最大幅領域32と、最大幅領域32に対して遠位端側において連続するとともに遠位端側に向けて連続的に幅が狭くなった先細り領域33と、先細り領域33に対して遠位端側において連続するとともに遠位端側の端部まで続き且つ直径が一定となった最小幅領域34と、を備えている。なお、上記最小幅領域34を不具備としてもよい。
コアワイヤ31は、図2(a)に示すように、外側シャフト14の内腔14a内に挿通されており、プロキシマルシャフト22とディスタールシャフト21との境界を跨ぐようにして配置されている。この場合、外側シャフト14の内腔14aにおける圧縮流体の流通を妨げないように、コアワイヤ31における最大幅領域32の直径は外側シャフト14の内腔14aの直径よりも小さく設定されている。また、既に説明したように、コアワイヤ31が先細り領域33を有していることにより、コアワイヤ31は遠位端側に向けて剛性が連続して低くなっている。これにより、両シャフト21,22の境界部分から遠位端側に向けた連続的な剛性の低下にコアワイヤ31が寄与している。
コアワイヤ31は、プロキシマルシャフト22に固定されている。ここで、当該コアワイヤ31の固定に係る構成について詳細に説明する。図3(a)はコアワイヤ31が一体化されたプロキシマルシャフト22においてコアワイヤ31の固定箇所を拡大して示す側面図であり、図3(b)は図3(a)のA―A線断面図であり、図3(c)はコアワイヤ31の固定箇所を説明するための説明図である。
プロキシマルシャフト22には、図3(a)に示すように、剛性低下領域23に対してその遠位端側において連続するように当該剛性低下領域23と一体形成された固定用壁部41が設けられている。なお、当該固定用壁部41がプロキシマルシャフト22における遠位端側の端部となっているとともに、本プロキシマルシャフト22において固定領域に相当する。
固定用壁部41は、軸線周りに連続しないように形成されており、具体的には剛性低下領域23から遠位端側に向けて突出した舌形状をなしている。また、固定用壁部41の突出方向は、外側シャフト14の軸線方向に対して平行となっている。また、固定用壁部41の基端の位置は、軸線周りで見て、切り込み24の端部と隣接しない位置、より具体的には当該切り込み24の端部に対して軸線を挟んだ反対側又は反対側寄りの位置に設定されている。
固定用壁部41における軸線方向の寸法(すなわち、長さ寸法)は1.00mmに設定されており、軸線方向の寸法が47.64mmである剛性低下領域23に比べて当該寸法は小さくなっている。また、当該軸線方向の寸法は、コアワイヤ31における最大幅領域32の直径R1よりも大きく設定されている。また、図3(b)に示すように、固定用壁部41の幅寸法X1は、コアワイヤ31における最大幅領域32の直径R1と略同一、より詳細には若干大きく設定されており、具体的には0.39mm〜0.58mmの範囲内となっている。
なお、固定用壁部41の軸線方向の寸法及び幅寸法は、上記のものに限定されることなく、コアワイヤ31を安定して固定することができるとともに、外側シャフト14の剛性を好ましいものとすることができるのであれば任意である。
固定用壁部41は、その外周面が剛性低下領域23の外周面との間に段差が生じないように当該剛性低下領域23の外周面に連続しており、固定用壁部41の外周面における軸線周りの曲率は剛性低下領域23の外周面と同一となっている。また、固定用壁部41を形成する壁部の肉厚寸法は剛性低下領域23を形成する壁部と同一となっており、固定用壁部41の内周面は剛性低下領域23の内周面に対して段差が生じないように連続している。また、固定用壁部41の内周面における軸線周りの曲率は剛性低下領域23の内周面と同一となっている。
上記固定用壁部41に対して周面が接するようにして、コアワイヤ31が外側シャフト14の内腔14a内に配置されている。コアワイヤ31は、図3(a)及び図3(c)に示すように、近位端側の領域、具体的には最大幅領域32が、プロキシマルシャフト22の内腔22aのうち、剛性低下領域23の壁部により区画された領域内に入り込んでおり、コアワイヤ31の近位端側の端部は剛性低下領域23の軸線方向の途中位置に配置されている。この場合、当該剛性低下領域23への入り込み量は、コアワイヤ31における最大幅領域32と先細り領域33との境界部分が固定用壁部41の先端よりも遠位端側となるように設定されている。これにより、コアワイヤ31において固定用壁部41の内周面に接している領域は最大幅領域32となっている。
なお、図示による説明は省略するが、コアワイヤ31の遠位端側の端部は、ディスタールシャフト21においてポート部16が設けられた位置よりも遠位端側に配置されている。また、最大幅領域32と先細り領域33との境界部分が固定用壁部41の先端と同じ位置となるように設定されていてもよく、後述するコアワイヤ31の溶接を良好に行うことができるのであれば、上記境界部分が固定用壁部41の軸線方向の途中位置に設定されていてもよい。
コアワイヤ31の最大幅領域32において固定用壁部41の内周面と接している箇所にて、プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ31の固定が行われている。この場合、当該固定は、金属製のプロキシマルシャフト22と、同じく金属製のコアワイヤ31と、を溶接することにより行われており、当該溶接領域42は固定用壁部41の全体の領域ではなく一部の領域を占めている。溶接領域42の位置についてより詳細には、溶接領域42は、固定用壁部41においてプロキシマルシャフト22の軸線方向の途中位置に配置されている。
また、プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ31の固定は上記溶接領域42以外にも剛性低下領域23側に設定されている。剛性低下領域23側の固定について詳細には、コアワイヤ31の最大幅領域32における上記溶接領域42よりも近位端側の外周面は、剛性低下領域23の内周面に接しており、この接触箇所においてプロキシマルシャフト22とコアワイヤ31とを溶接することにより行われている。なお、説明の便宜上、以下の説明では、固定用壁部41側の溶接領域42を第1の溶接領域42と称するとともに、剛性低下領域23側の溶接領域43を第2の溶接領域43と称する。
第2の溶接領域43は、第1の溶接領域42に対して近位端側にずれた位置にあり、両溶接領域42,43はプロキシマルシャフト22の軸線方向に離間されている。また、第2の溶接領域43の位置は、剛性低下領域23において切り込み24と重ならない位置に設定されており、切り込み24の遠位端部分と固定用壁部41との間の位置、より詳細には切り込み24の遠位端側の終端よりも遠位端側であって固定用壁部41よりも近位端側の位置に設定されている。なお、この位置が本プロキシマルシャフト22において中間領域に相当する。
プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ31の固定が、剛性低下領域23とは異なる位置に設定された固定用壁部41において行われていることにより、固定による剛性の増加の影響が剛性低下領域23に及ぶことを抑えることができる。特に、固定用壁部41は、既に説明したとおり、軸線周りに連続しないように形成されているとともに、その幅寸法及び突出寸法は微小なものとなっているため、固定用壁部41を設けたことによる外側シャフト14への剛性の影響が抑えられる。また、固定による剛性の影響を抑えるという点については、第1の溶接領域42が狭い領域として設定されていることも寄与している。なお、このように第1の溶接領域42が狭い領域として設定されている構成であっても、固定用壁部41に対するコアワイヤ31の固定が接着剤を介するのではなく溶接により行われていることにより固定の強度を確保することができる。
また、第1の溶接領域42とは別に第2の溶接領域43が設定されていることにより、プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ31の固定の強度を高めることができるとともに、プロキシマルシャフト22においてコアワイヤ31を安定した状態で保持することができる。この場合に、第2の溶接領域43の位置は、剛性低下領域23において切り込み24と重ならない位置に設定されているとともに、切り込み24の遠位端側の終端よりも固定用壁部41側の位置に設定されている。これにより、第2の溶接領域43を設けたことによる剛性の増加の影響が剛性低下領域23に及びづらくすることができる。また、第1の溶接領域42の位置から第2の溶接領域43の位置まで線状に溶接領域を設定する構成と比較して、上記のように複数点による溶接を行うことで、固定による剛性の増加量が抑えられる。
ここで、既に説明したとおり、固定用壁部41の内周面は剛性低下領域23の内周面に対して段差が生じないように形成されているとともに、コアワイヤ31におけるプロキシマルシャフト22への固定箇所は軸線方向に直径が同一となった最大幅領域32である。したがって、コアワイヤ31を、その軸線方向がプロキシマルシャフト22の軸線方向に対して平行又は略平行となるようにした状態でプロキシマルシャフト22に固定することができる。
次に、プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ31の固定方法について、簡単に説明する。なお、準備工程として、最大幅領域32、先細り領域33及び最小幅領域34が一体形成されたコアワイヤ31の製造と、剛性低下領域23及び固定用壁部41が一体形成されたプロキシマルシャフト22の製造とが行われている。
先ず、第1の工程として、コアワイヤ31の最大幅領域32を、プロキシマルシャフト22の内腔22aに遠位端側開口から挿入する。その後、第2の工程として、コアワイヤ31の近位端側の端部が剛性低下領域23の軸線方向の途中位置となり、且つ最大幅領域32の外周面が固定用壁部41及び剛性低下領域23の内周面に接するように、プロキシマルシャフト22に対してコアワイヤ31を位置合わせして、保持用治具などを用いてその状態を保持する。
その後、第3の工程として、レーザ照射機を用いてプロキシマルシャフト22の外周面側からレーザを照射することにより、固定用壁部41と最大幅領域32との接触箇所に第1の溶接領域42を形成するとともに、剛性低下領域23と最大幅領域32との接触箇所であって切り込み24よりも遠位端側の位置に第2の溶接領域43を形成する。なお、第2の溶接領域43が切り込み24に達しないようにするために、切り込み24の遠位端側の終端から切り込み24が続く方向とは逆周りに所定角度(例えば、270度)の範囲内をレーザの照射範囲として設定するとよい。
上記のようにレーザを用いて溶接を行うことにより、溶接を確実なものとしながら、微小範囲での溶接を行うことが可能となる。この場合に、第1の溶接領域42は軸線周りに連続しない固定用壁部41に形成されているため、溶接箇所の目視確認を良好に行うことができ、プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ31の固定を確実なものとすることが可能となる。さらには、レーザ加工を行う場合の加工作業の容易化も図られる。
また、第2の接合領域43は剛性低下領域23における遠位端側開口に隣接した位置に形成されているため、当該溶接箇所についても目視確認を良好に行うことができ、プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ31の固定を確実なものとすることが可能となる。さらには、レーザ加工を行う場合の加工作業の容易化も図られる。
次に、上記構成のバルーンカテーテル10の使用方法について簡単に説明する。
バルーンカテーテル10を用いてPTCAを行う場合には、先ず血管内に挿入されたシースイントロデューサにガイディングカテーテルを挿通し、冠動脈入口部まで導入する。次いで、ガイドワイヤGをバルーンカテーテル10のワイヤ用ルーメン及びガイディングカテーテル内に挿通し、冠動脈入口部から治療対象箇所(例えば、狭窄部位)を経て抹消部位まで導入する。続いて、ガイドワイヤGに沿ってバルーンカテーテル10を治療対象箇所まで導入する。バルーン13が治療対象箇所に到達したら、加圧器でバルーン13を膨張させ治療を行うとともに、治療対象箇所の拡張が完了したら減圧器でバルーン13を収縮しバルーンカテーテル10の抜き取りを行う。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
プロキシマルシャフト22の遠位端側に剛性低下領域23が形成された構成において、当該剛性低下領域23よりも遠位端側に設けられた固定用壁部41にコアワイヤ31を固定することで、当該固定による剛性の増加の剛性低下領域23に対する影響を低減することができる。また、固定用壁部41は剛性低下領域23よりも遠位端側の位置に設けられているため、固定用壁部41を剛性低下領域23よりも近位端側の位置に設ける構成に比べ、コアワイヤ31のプロキシマルシャフト22に対する挿入量の調整の自由度が高められる。さらにまた、固定用壁部41は剛性低下領域23よりも剛性が低くなるように形成されているため、固定用壁部41を設けたことによる外側シャフト14への剛性の影響が低減される。
また、剛性低下領域23は、軸線方向に対して直交する方向の断面が、軸線方向の全体に亘って連続的な環状をなしている。これにより、広範囲に亘る鋭利な部分が存在しないようにしながら剛性低下領域23を設けることができる。そして、当該構成において、固定用壁部41が設けられていることにより、剛性低下領域23における剛性への影響を低減しながら、コアワイヤ31をプロキシマルシャフト22に固定することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、コアワイヤが一体化されたプロキシマルシャフト22の構成が上記第1の実施形態と異なっている。当該相違する構成について図4を用いて説明する。図4(a)は本実施形態における外側シャフト14の一部を拡大して示す側面図であり、一部に破断部分を含んでいる。また、図4(b)は図4(a)のB−B線断面図である。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すとともに説明を基本的に省略する。
プロキシマルシャフト22は、軸線方向に連続した螺旋状の切り込み51が形成された剛性低下領域52を有しているとともに、当該剛性低下領域52の遠位端側の端部に一体形成された固定用壁部53を有している。固定用壁部53の形状や突出量は、上記第1の実施形態における固定用壁部41と同様である。そして、コアワイヤ54の最大幅領域55と固定用壁部53との間で第1の溶接領域42が形成されるとともに、最大幅領域55と剛性低下領域52との間で第2の溶接領域43が形成されるようにして、コアワイヤ54がプロキシマルシャフト22に固定されている。
固定用壁部53の幅寸法X2は、図4(b)に示すように、コアワイヤ54における最大幅領域55の直径R2と略同一、より詳細には若干小さく設定されている。この場合であっても、当該幅寸法X2は、第1の溶接領域42を形成するのに十分な領域を固定用壁部53が有するように設定されている。これにより、第1の溶接領域42におけるプロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ54の固定の強度をある程度確保しながら、固定用壁部53が設けられたことによる剛性の増加の影響が低減される。
また、図4(a)に示すように、コアワイヤ54の近位端側の端部は、剛性低下領域52の近位端側の端部よりも近位端側に配置されている。これにより、プロキシマルシャフト22に対するコアワイヤ54の固定箇所が、上記第1の実施形態よりも当該コアワイヤ54の中間寄りの位置となり、当該固定箇所にかかるコアワイヤ54の重量負荷が軸線方向のいずれか一方に偏った状態が緩和される。
なお、上記構成において、上記第1の溶接領域42及び上記第2の溶接領域43に加え、コアワイヤ54の近位端側の端部を、プロキシマルシャフト22における剛性低下領域52よりも近位端側の領域に溶接してもよい。この場合、固定箇所を増やしたことによる剛性の増加への影響を抑えつつ、プロキシマルシャフト22においてコアワイヤ54をより安定した状態で保持することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施しても良い。
(1)剛性低下領域23が螺旋状の切り込み24を有することにより形成される構成に限定されることはなく、例えば、プロキシマルシャフト22を遠位端側に向けて除々に縮径させて先細りさせることにより、剛性低下領域23を形成する構成としてもよい。この場合であっても、剛性低下領域23とは異なる位置にコアワイヤ31の固定箇所を設けることで、当該固定による剛性低下領域23における剛性への影響を抑えることができる。特に、上記のように縮径させて形成された剛性低下領域23のみにコアワイヤ31を固定しようとすると、当該固定を行うための作業が煩雑なものとなることが懸念される。これに対して、剛性低下領域23よりも遠位端側に設けられた固定領域にコアワイヤ31を固定することで、当該固定作業の容易化が図られる。
また、剛性低下領域23としては、軸線方向に延びる直線状又は曲線状であって非螺旋状のスリットや、複数の貫通孔を点在させて形成する構成も考えられる。また、メッシュ状とすることにより剛性低下領域23を形成する構成も考えられる。これらいずれの構成であっても、剛性低下領域23とは別に固定領域を設けることで、コアワイヤ31の固定を良好に行うことができる。
また、上記いずれの構成であっても、剛性低下領域23を、軸線方向に対して直交する方向の断面が、軸線方向の全体に亘って、連続的な又は断続的な環状となるように、又は剛性低下領域23の遠位端側の端面が軸線方向に対して直交又は略直交するようにすることで、広範囲に亘る鋭利な部分が存在しないようにしながら剛性低下領域23を設けることができる。
(2)固定領域が剛性低下領域23から遠位端側に向けて突出する固定用壁部41として形成されているのではなく、軸線周りに連続する又は断続する環状に形成されていてもよく、C字状のように軸線周りに僅かに不連続となるように形成されていてもよい。これらいずれの構成であっても、固定領域を剛性低下領域23よりも剛性が低くなるように形成することが好ましい。例えば、当該剛性を低くするための手法としては、固定領域を剛性低下領域23よりも薄肉状に形成する構成が考えられる。
(3)コアワイヤ31における近位端側の端部の位置を、固定用壁部41の位置としてもよい。この場合、剛性低下領域23に対してコアワイヤ31は固定されない状態となる。なお、このように剛性低下領域23に対してコアワイヤ31が固定されない構成を、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態に対して適用してもよい。また、剛性低下領域23に対してコアワイヤ31が固定される構成を前提とした場合、コアワイヤ31における近位端側の端部の位置を、その固定箇所としてもよい。上記のようにコアワイヤ31における近位端側の端部の位置をプロキシマルシャフト22とディスタールシャフト21との境界部分に近づけることで、コアワイヤ31の剛性低下領域23への影響が低減される。
(4)プロキシマルシャフト22は、ディスタールシャフト21よりも剛性が高いのであれば、金属製に限定されることはなく合成樹脂製であってもよい。当該構成においてコアワイヤ31を固定用壁部41に固定する場合、当該固定用壁部41をコアワイヤ31に熱溶着する構成としてもよく、接着剤を用いてコアワイヤ31を固定用壁部41に接着する構成としてもよい。但し、本構成においては、固定の強度を確保するために、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態に比べ、コアワイヤ31と固定用壁部41との接触面積を増加させることが好ましい。
(5)固定領域を用いてコアワイヤ31の固定を行うことができることのみに着目すれば、剛性低下領域23がプロキシマルシャフト22の遠位端部を斜めにカットすることにより形成されていてもよい。また、固定領域を用いてコアワイヤ31の固定を行うことができることのみに着目した場合、固定領域がディスタールシャフト21に形成されていてもよく、固定領域が剛性低下領域23よりも近位端側に形成されていてもよい。
(6)固定領域及び剛性低下領域の構成を、血管内を通されて当該血管内の狭窄箇所や閉塞箇所を拡張するためのバルーンカテーテル10ではなく、血管以外の尿管や消化管などの生体内の「管」や、体腔に対して挿入されるバルーンカテーテルに対して適用してもよい。また上記構成を、バルーンカテーテル以外にも、複数のチューブを軸線方向に並べて連結することで形成された連結チューブを備え、使用に際して連結チューブの内腔に流体が流通されることとなる他のタイプのカテーテルに対して適用してもよい。また、上記構成を、非チューブ状の複数のシャフトを軸線方向に並べて連結することで形成されたシャフト部分を有するカテーテルに対して適用してもよい。また、上記構成を、使用に際して生体内に挿入されるものの、カテーテルとは別のタイプの医療用器具に対して適用してもよい。例えばカテーテルの生体内や施術対象箇所への挿入を容易化するための挿入補助具におけるシャフト部分に対して、固定領域及び剛性低下領域の構成を適用してもよい。
10…バルーンカテーテル、11…カテーテルシャフト、14…外側シャフト、21…ディスタールシャフト、22…プロキシマルシャフト、23…剛性低下領域、24…切り込み、31…コアワイヤ、41…固定用壁部、42…第1の溶接領域、43…第2の溶接領域、51…切り込み、52…剛性低下領域、53…固定用壁部、54…コアワイヤ。

Claims (9)

  1. 使用に際して生体内に挿入される医療用器具のシャフト部分を構成するように用いられるとともに、当該シャフト部分を構成する他のシャフトの近位端側領域に対して遠位端側を連結させて用いられ、さらに当該他のシャフトよりも剛性が高くなるようにして形成されている医療用シャフトであって、
    遠位端側に設けられ、近位端側の領域と比して剛性が低くなるように形成された剛性低下領域と、
    前記医療用器具において少なくとも本医療用シャフトと前記他のシャフトとの境界部分から遠位端側に向けて当該他のシャフトに挿入される剛性調整用の線状部材を固定するために用いられるとともに、前記剛性低下領域よりも遠位端側の位置にて当該剛性低下領域よりも剛性が低くなるように形成された固定領域と、
    を備えていることを特徴とする医療用シャフト。
  2. 前記固定領域は、軸線周りに連続しないようにして形成されているとともに、前記剛性低下領域から遠位端側に向けて突出させて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用シャフト。
  3. 前記固定領域の幅寸法は、固定対象となる前記線状部材の幅寸法と同一又はそれよりも若干大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の医療用シャフト。
  4. 前記固定領域の幅寸法は、固定対象となる前記線状部材の幅寸法よりも若干小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項に記載の医療用シャフト。
  5. 少なくとも前記剛性低下領域を形成する壁部により区画され、少なくとも遠位端側に向けて開放された内腔を有し、
    前記剛性低下領域を形成する壁部には、当該壁部を外側から前記内腔に向けて貫通し、軸線方向に連続する螺旋状の切り込みが形成されており、
    前記固定領域は、前記切り込みの遠位端側の端部よりも遠位端側に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の医療用シャフト。
  6. 前記固定領域は、軸線周りに連続しないようにして形成されているとともに、前記剛性低下領域から遠位端側に向けて突出させて形成されており、
    さらに、前記線状部材が、前記固定領域に固定されているとともに、当該固定領域と前記螺旋状の切り込みとの間の中間領域に固定されていることを特徴とする請求項に記載の医療用シャフト。
  7. 少なくとも前記固定領域及び前記剛性低下領域は金属製であるとともに、前記線状部材も金属製であり、
    さらに、前記線状部材は、前記固定領域に対して溶接されているとともに、当該溶接箇所から軸線方向に離間された位置において前記中間領域に対して溶接されていることを特徴とする請求項に記載の医療用シャフト。
  8. 前記剛性低下領域は、軸線方向に対して直交する方向の断面が、軸線方向の全体に亘って、連続的な又は断続的な環状をなしており、
    前記固定領域は、前記剛性低下領域の遠位端側の端部から遠位端側に向けて突出するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の医療用シャフト。
  9. 請求項1乃至のいずれか1に記載の医療用シャフトと、
    近位端側領域に対して前記医療用シャフトの遠位端側が挿入された状態で当該医療用シャフトと連結させて設けられ、当該医療用シャフトよりも剛性が低くなるように形成された他のシャフトと、
    を備えていることを特徴とする医療用器具。
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