JP2018108119A - ガイドワイヤおよび医療用コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】製造作業の煩雑化や製造コストの増加を抑えつつ、使用される手技の内容や用途に応じた所望の機能が付加されたガイドワイヤ、および各種の医療器具に利用可能な医療用コイルを提供する。
【解決手段】ガイドワイヤ100のコイル部130は、内周側130Aと外周側130Bを形成しており、かつ、コア部の軸方向に沿う断面において、線材140の隣接する部分のうち基端側に位置する一の部分150と、線材140の隣接する部分のうち先端側に位置する他の部分160とが外周側130Bで重なり合って形成された少なくとも一つの重なり部170を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガイドワイヤおよび医療用コイルに関する。
従来から、狭窄や閉塞が発症した血管等の治療のためにバルーンカテーテルやステントを用いた手技が実施されている。例えば、一般的なPCI(Percutaneous Coronary Intervention:経皮的冠状動脈インターベンション)では、下記特許文献1に記載されたようなステントデリバリーシステム(ステント装着型バルーンカテーテル)を利用してステントを治療対象となる狭窄部等の病変部まで送達し、バルーンにより狭窄部を拡張させるとともに、狭窄部にステントを留置している。
また、PCIの手技において、血管の分岐部周辺に形成された狭窄部を治療する際に実施される「ワイヤプロテクション」という処置が知られている。
ワイヤプロテクションでは、狭窄部の拡張に先立って、血管の側枝にガイドワイヤを挿通する。術者は、血管の側枝にガイドワイヤを挿通した状態で狭窄部にステントを留置する。血管の側枝に挿通されたガイドワイヤは、バルーンにより狭窄部が押し広げられる際、狭窄部に含まれるプラーク等の異物により血管の側枝が閉塞するのを防止する。血管の側枝に挿通したガイドワイヤは、ワイヤプロテクションを実施した後、術者により手元側(基端側)へ引っ張られて、生体外へ抜去される。
国際公開第2009/045764号
上記のように、ワイヤプロテクションに使用されるガイドワイヤは、狭窄部へのステントの留置に先立って血管の側枝に挿通される。このため、ガイドワイヤを引き抜く作業を行う段階においては、ガイドワイヤの一部がステントと血管の内壁(または狭窄部)との間に挟まれた状態となる。このような状態で術者がガイドワイヤを手元側へ引っ張ると、ステントのストラットにガイドワイヤのコイル部が引っ掛かってしまうことがある。これにより、ガイドワイヤの破断やステントの位置ずれが発生してしまう可能性がある。
一方で、ガイドワイヤには、狭窄部に対する挿通性(貫通性)が求められる。PCI等の手技において、術者は、狭窄部周辺へのステントデリバリーシステムの送達に際し、ガイドワイヤを狭窄部に挿通させる。そして、術者は、ガイドワイヤに沿わせてステントデリバリーシステムを移動させることにより、狭窄部内にバルーンおよびステントを配置する。このため、狭窄部に対するガイドワイヤの挿通性が十分なものでないと、狭窄部へのステントデリバリーシステムの送達を円滑に実施することが困難になる。
上述したように、ガイドワイヤには、使用される手技の内容や用途に応じて種々の性能が求められる。しかしながら、要求される性能をガイドワイヤに備えさせるために、製品毎にガイドワイヤ全体の構造を大きく変更させてしまうと、製造作業の煩雑化や製造コストの増加を招いてしまう。
そこで、本発明は、製造作業の煩雑化や製造コストの増加を抑えつつ、使用される手技の内容や用途に応じた所望の機能が付加されたガイドワイヤ、および各種の医療器具に利用可能な医療用コイルの提供を目的とする。
本発明に係るガイドワイヤは、可撓性を有する長尺状のコア部と、螺旋状に巻回された線材を有し、前記コア部の少なくとも先端部を覆うように配置されたコイル部と、を備えるガイドワイヤであって、前記コイル部は、内周側と外周側を形成しており、かつ、前記コア部の軸方向に沿う断面において、前記線材の隣接する部分のうち基端側に位置する一の部分と、前記線材の隣接する部分のうち先端側に位置する他の部分とが前記外周側で重なり合って形成された少なくとも一つの重なり部を有する。
本発明に係る医療用コイルは、螺旋状に巻回された線材を有する医療用コイルであって、巻回された状態で内周側および外周側を形成しており、かつ、当該医療用コイルの長手方向に沿う断面において、前記線材の隣接する部分のうち基端側に位置する一の部分と、前記線材の隣接する部分のうち先端側に位置する他の部分とが前記外周側で重なり合って形成された少なくとも一つの重なり部を有する。
上記ガイドワイヤは、コイル部を構成する線材同士の重なりにより形成された重なり部を有することにより、使用される手技の内容や用途に応じた所望の機能が付加される。したがって、本発明は、製造作業の煩雑化や製造コストの増加を抑えつつ、所望の機能が付加されたガイドワイヤを提供することができる。
上記医療用コイルは、製造作業の煩雑化や製造コストの増加を抑えつつ、使用される手技の内容や用途に応じた所望の機能をガイドワイヤ等の医療器具に付加することができる。
本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤを示す部分縦断面図である。 第1実施形態に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す図である。 第1実施形態に係る手技の手順を模式的に示す図であり、血管内にガイドワイヤを導入した際の様子を示す断面図である。 実施形態に係る手技の手順を模式的に示す図であり、血管の側枝に第1実施形態に係るガイドワイヤを導入した際の様子を示す断面図である。 実施形態に係る手技の手順を模式的に示す図であり、血管の分岐部周辺に形成された狭窄部にステントを装着したバルーンを配置した際の様子を示す断面図である。 実施形態に係る手技の手順を模式的に示す図であり、血管の分岐部周辺に形成された狭窄部をバルーンにより拡張した際の様子を示す断面図である。 実施形態に係る手技の手順を模式的に示す図であり、第1実施形態に係るガイドワイヤを生体外へ抜去する際の様子を示す断面図である。 実施形態に係る手技の手順を模式的に示す図であり、血管の分岐部周辺に形成された狭窄部にステントを留置した際の様子を示す断面図である。 第1実施形態に係るガイドワイヤの作用を説明するための図であり、当該ガイドワイヤを生体外へ抜去する際の様子を拡大して示す断面図である。 対比例に係るガイドワイヤを生体外へ抜去する際の様子を拡大して示す断面図である。 第1実施形態の変形例1に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す図である。 第1実施形態の変形例2に係るガイドワイヤを示す部分縦断面図である。 第1実施形態の変形例2に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す図である。 第1実施形態の変形例2に係るガイドワイヤの作用を説明するための図である。 第1実施形態の変形例3に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す図である。 本発明の第2実施形態に係るガイドワイヤを示す部分縦断面図である。 第2実施形態に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す図である。 第2実施形態に係るガイドワイヤの作用を説明するための図であり、当該ガイドワイヤを狭窄部に挿通させている状態を示す断面図である。 図12に示す破線部12Bで囲った部分を拡大して示す断面図である。 第2実施形態の変形例に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るガイドワイヤ100を示す部分縦断面図(ガイドワイヤ100の軸方向に沿う断面図)、図2は、ガイドワイヤ100の重なり部170を拡大して示す図、図3A〜図4Cは、ガイドワイヤ100を使用した手技の手順を模式的に示す図、図5Aは、ガイドワイヤ100の作用の説明に供する図、図5Bは、対比例に係るガイドワイヤ200を示す図である。
図1に示すように、ガイドワイヤ100は、可撓性を有する長尺状のコア部(コアワイヤ)110と、螺旋状に巻回された線材140を有し、コア部110の少なくとも先端部110aを覆うように配置されたコイル部130と、を有している。
本明細書の説明では、コア部110の長手方向(図1中の左右方向)を軸方向と定義し、各図において矢印A1で示す。また、ガイドワイヤ100において生体内(血管内)に導入される側を先端側(遠位側、図1の左側)と定義し、先端側と反対の端部側を基端側(近位側、図1の右側)と定義する。また、本明細書において先端部とは、先端(最先端)から軸方向における一定の範囲を含む部分を意味し、基端部とは、基端(最基端)から軸方向における一定の範囲を含む部分を意味するものとする。
コア部110は、軸方向の先端側に配置された第1コア部111と、第1コア部111の基端側に配置され、第1コア部111に接合された第2コア部112と、を有している。
第1コア部111は、先端側に配置された平板状の平板部111aと、平板部111aから基端側へ延びるテーパー部111bと、テーパー部111bから基端側へ略一定の外径で延びる外径一定部111cと、を有している。なお、第1コア部111の形状は、図示する形状に限定されることはなく、例えば、先端側から基端側にかけて一定の外形形状(一定の外径)で形成されていてもよい。また、例えば、コア部110は、第1コア部111および第2コア部112のように複数の部材から構成せずに、一本の連続した部材で構成することも可能である。
第1コア部111の構成材料は特に限定されないが、例えば、Ni−Ti系合金、ステンレス鋼、超弾性合金などを用いることができる。また、第2コア部112の構成材料は、第1コア部111の構成材料と異なるものであれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼やコバルト系合金を用いることができる。第1コア部111と第2コア部112は、例えば、溶接などの方法により接合することができる。
コイル部130は、第1コア部111を軸方向に亘る一定の範囲で覆うよう配置されている。コイル部130は、コア部110(第1コア部111)を中心としてコア部110の周方向(図2の矢印R1方向)に沿って螺旋状に巻回された線材140により構成されている。
コイル部130は、内部に第1コア部111を収容可能な内腔が形成された略円筒形状を有している。コイル部130の外面(図2において仮想線S1で示す面)は、巻回された状態の線材140においてコイル部130の外側に配置される部分(表面)により形成されている。また、コイル部130の内面(図2において仮想線S2で示す面)は、巻回された状態の線材140においてコイル部130の内側に配置される部分(表面)により形成されている。
本明細書では、コイル部130においてコア部110が配置される内面側を「内周側130A」とし、コイル部130の外面側を「外周側130B」として説明する(図2を参照)。
コイル部130の内径および外径は、軸方向に沿って略一定に形成されている。なお、コイル部130の軸方向における長さやコイル部130の外径および内径は、特に限定されず、ガイドワイヤ100の製品仕様等に応じて適宜設定することが可能である。
コイル部130の先端部は、第1固定部181を介して第1コア部111の先端部付近に固定されている。コイル部130の軸方向における中間部は、第2固定部182を介して第1コア部111の中間付近に固定されている。コイル部130の基端部は、第3固定部183を介して第1コア部111の基端部付近に固定されている。各固定部181、182、183は、例えば、半田や接着剤等により構成することができる。第1固定部181の先端面は、血管等の生体管腔に対する影響を考慮して、図示するような丸みを帯びた形状であることが好ましい。
コイル部130を形成する線材140の構成材料は特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金、金、白金、タングステン等の金属、またはこれらを含む合金等を用いることが可能である。コイル部130は、例えば、その先端部と基端部とを異なる材料で構成することも可能である。例えば、コイル部130の先端部はX線不透過性を有する材料で構成することができ、コイル部130の基端部は先端部と比較してX線を透過し易い材料等で構成することが可能である。
図1に示すように、コイル部130の外表面には親水性被覆層191を設けている。親水性被覆層191は、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等からなる公知の親水性物質で形成することが可能である。
第2コア部112の外表面には樹脂被覆層192を設けている。樹脂被覆層192は、例えば、PTFEやETFE等のフッ素系樹脂で形成することができる。
各被覆層191、192の厚さは特に限定されないが、例えば、0.1〜100μm程度であることが好ましい。
次に、図2を参照して、線材140および線材140が形成する重なり部170について説明する。なお、図2においては、コイル部130に形成した親水性被覆層191の図示を省略している。
図2は、線材140において隣接して配置された一の部分150および他の部分160を拡大して示す断面図である。
図2に示すように、コイル部130は、コア部110(第1コア部111)の軸方向に沿う断面において、線材140の隣接する部分のうち基端側(図2中の右側)に位置する一の部分150と、線材140の隣接する部分のうち先端側(図2中の左側)に位置する他の部分160とが、外周側130Bで重なり合って形成された重なり部170を有している。
重なり部170は、外周側130Bからコイル部130の内周側130Aを視た際に、線材140同士が重なった領域(部分)で形成されている。重なり部170は、少なくとも、コイル部130に外力が付加されていない状態(図2に示す無負荷の状態)で当該コイル部130に形成される。このため、例えば、コイル部130に外力が付加されて当該コイル部130が軸方向に沿って引き伸ばされた際等には、コイル部130から重なり部170が消失することもある。
一の部分150と他の部分160との関係は、両者の相対的な位置関係に基づいて定義される。例えば、一の部分150は、当該一の部分150よりも基端側に配置される線材140の巻回した部分(図示省略)との関係においては他の部分となる。一方、他の部分160は、当該他の部分160よりも先端側に配置される線材140の巻回した部分(図示省略)との関係においては一の部分となる。
本実施形態においては、線材140同士が隣接する全ての部分に重なり部170を形成している(換言すると、重なり部170は、コイル部130の軸方向の全長に亘って形成されている)。このように、ガイドワイヤ100は、線材140同士が隣接する全ての部分に重なり部170が形成されているため、後述するワイヤプロテクションの処置において(図4Aを参照)、コイル部130の各部において破損や引っ掛かりが生じるのを好適に防止することができる。
ただし、重なり部170は、一つのコイル部130に対して少なくとも一つ形成されていればよい。また、コイル部130において重なり部170を形成する位置(軸方向における位置)は、例えば、後述するワイヤプロテクションの処置においてコイル部130の破損を防止し得る限り、特に制限はない。このように重なり部170を形成する位置に特に制限はないが、ワイヤプロテクションの処置では、コイル部130の先端側がステントのエッジ部21aと接触する可能が高いため、重なり部170は、コイル部130の先端部を含む範囲に少なくとも形成されていることが好ましい。
線材140の一の部分150および線材140の他の部分160は、図2に示す軸方向に沿う断面形状が非円形形状に形成されている。
具体的には、線材140の一の部分150は、外周側130Bに配置される第1頂部151(以下、「先端部151」とする)と、内周側130Aに配置される第2頂部153(以下、「基端部153」とする)と、先端部151と基端部153との間に形成され、先端部151および基端部153よりも幅広に形成された幅広部155と、を有している。
線材140の他の部分160は、一の部分150と同様に、外周側130Bに配置される第1頂部161(以下、「先端部161」とする)と、内周側130Aに配置される第2頂部163(以下、「基端部163」とする)と、先端部161と基端部163との間に形成され、先端部161および基端部163よりも幅広に形成された幅広部165と、を有している。
より具体的には、一の部分150および他の部分160は、図2に示すように、楕円形の断面形状で形成されている。
なお、線材の断面形状として採用することが可能な非円形形状としては、例えば、楕円形以外にも矩形状(正方形、長方形、平行四辺形等)や三角形等の形状を挙げることが可能である。これらの断面形状を有する線材を採用する場合において、線材の一の部分および他の部分をガイドワイヤの軸方向に対して傾斜させる場合、後述する傾斜角θ1は、例えば、各形状において最も先端側に配置される部分(先端)と各形状において最も基端側に配置される部分(基端)を結ぶ仮想線(矩形状の場合、先端に位置する頂点と基端に位置する頂点とを結ぶ仮想線)とコア部110の延在方向に沿う軸線とがなす角度で定義することができる。
線材140の一の部分150は、外周側130Bにおいて、先端部151が基端部153よりも先端側を向くように軸方向に対して所定の傾斜角θ1で傾斜している(換言すると、一の部分150の断面形状である楕円形の長軸がコア部110の延在方向に対して傾斜角θ1で傾斜している)。なお、図示省略するが、線材140の他の部分160は、一の部分150と同様に、外周側130Bにおいて、先端部161が基端部163よりも先端側を向くように軸方向に対して所定の傾斜角θ1で傾斜している。
図2に示すように、本実施形態では、重なり部170は、一の部分150の先端部151の少なくとも一部が他の部分160の基端部163よりも外周側130Bに配置されることにより形成されている。
一の部分150と他の部分160は、一方の部分の軸方向に沿う長さの半分以下の長さで重なり合っていることが好ましい。つまり、図2に示すように、一の部分150の断面形状が傾斜した状態の楕円形を呈する場合、一の部分150と他の部分160とが重なった部分の長さL12は、一の部分150の軸方向に沿う最長部分の長さL11の半分以下であることが好ましい。このように一の部分150と他の部分160とが重なった部分の長さL12を設定することにより、重なり部170によりコイル部130の柔軟性が過度に低下するのを防止することができる。
なお、コイル部130の柔軟性を確保する観点より、一の部分150と他の部分160とが重なった部分の長さL12は、一の部分150の軸方向に沿う最長部分の長さL11の40%以下であることがより好ましい。ただし、一の部分150と他の部分160とが重なった部分の長さL12は、コイル部130に対して外力が付加されていない状態において重なり部170が形成された状態を維持することが可能であれば、特に制限されることはない。
図2に示すように、一の部分150および他の部分160は、コイル部130に外力が付加されていない状態において、重なり部170を形成しつつ隙間gを隔てて配置される。隙間gの軸方向に沿う最短の長さは、特に限定されないが、例えば、コイル部130の柔軟性を確保する観点より、一の部分150と他の部分160とが重なった部分の長さL12よりも大きいことが好ましい。
なお、一の部分150と他の部分160とが重なった部分の長さL12は、例えば、線材140の断面形状を変更したり、傾斜角θ1を変更したりすることで調整することができる。
次に、図3A〜図4Cを参照して、本実施形態に係るガイドワイヤ100の使用例を説明する。ここでは、血管(冠状動脈)の分岐部周辺に形成された狭窄部Nにステント20を留置する手技を説明する。また、ここでは、血管の分岐部周辺にステント20を留置する手技を行う際に、狭窄部Nに含まれるプラーク等の異物が血管の側枝B2に移動して血管の側枝B2が閉塞されるのを防止するために行われる「ワイヤプロテクション」の手技に本実施形態に係るガイドワイヤ100を適用した例を説明する。
術者は、図3Aに示すように、イントロデューサ(図示せず)を介して、バルーンカテーテル30を誘導するためのガイドワイヤ40を血管の本幹B1に挿入する。そして、術者は、ガイドワイヤ40を狭窄部Nまで導入する。なお、ガイドワイヤ40としては、例えば、血管狭窄の治療等に用いられる公知のガイドワイヤを用いることが可能である。
次に、術者は、図3Bに示すように、本実施形態に係るガイドワイヤ100を血管の本幹B1側から血管の側枝B2へ導入する。
次に、術者は、図3Cに示すように、ガイドワイヤ40に沿わせて、ステント20を装着したバルーンカテーテル30を血管の本幹B1に導入する。そして、術者は、バルーン31を狭窄部Nに配置する。この際、術者は、ステント20の基端部が狭窄部Nの基端側(導入方向の手前側)に配置されるように、かつ、ステント20の先端部が血管の側枝B2を越えて狭窄部Nの先端側(導入方向の奥側)に配置されるようにバルーン31およびステント20の位置を調整する。
次に、術者は、図4Aに示すように、バルーンカテーテル30へ加圧媒体を供給してバルーン31を拡張させる。ステント20は、バルーン31の拡張に伴って狭窄部Nを押し広げるように拡張する。この際、術者は、ステント20の先端部が、狭窄部Nよりも先端側において血管の内壁に圧着するようにバルーン31を拡張する。これにより、ステント20の基端部は、ステント20の先端部の拡張径と略同一の拡張径となる。
血管の側枝B2に挿入されたガイドワイヤ100は、バルーン31およびステント20が拡張した際、狭窄部Nに含まれるプラーク等が血管の側枝B2に移動して側枝B2が閉塞するのを防止する。また、ガイドワイヤ100は、ステント20が拡張するのに伴って、ステント20の基端部と狭窄部Nとの間に挟まれた状態となる。
次に、術者は、バルーン31を収縮させて、バルーンカテーテル30を生体外へ抜去する。ステント20は、狭窄部Nを拡張した状態で血管内に留置される。
次に、術者は、図4Bおよび図4Cに示すように、ワイヤプロテクションに使用したガイドワイヤ100を基端側(図4B中の矢印方向)へ移動させて、生体外へ抜去する。その後、術者は、バルーンカテーテル30を誘導するために使用したガイドワイヤ40を生体外へ抜去する。以上の手順により、術者は、ワイヤプロテクションを実施しつつ、血管の分岐部周辺にステント20を留置することができる。
なお、術者は、バルーンカテーテル30を誘導するために使用したガイドワイヤ40を先に抜去した後、ワイヤプロテクションに使用したガイドワイヤ100を抜去してもよい。また、術者は、ワイヤプロテクションに使用したガイドワイヤ100を抜去した後、バルーンカテーテルを再度利用して、ステント20の基端部を拡張する処置を行ってもよい。
次に、図5Aおよび図5Bを参照して、ガイドワイヤ100の作用を説明する。なお、図5Bには、重なり部170が形成されていない公知のガイドワイヤ200をワイヤプロテクションに使用した例を示している。ガイドワイヤ200は、コア部210およびコイル部230を備えている。
図5Bに示すように、一般的なステント20は、ストラット21の断面形状(例えば、ステント20の長手方向に沿う断面形状)が矩形形状で形成されていることが多い。このため、ワイヤプロテクションに使用したガイドワイヤ200を生体外へ抜去する際、ストラット21のエッジ部21aがガイドワイヤ200のコイル部230を形成する線材240に引っ掛かるなどして、コイル部230の破損やステント20の位置ずれが発生することがある。特に、線材240の断面形状が図示するように円形に形成されていると、線材240の外表面240aとストラット21とが接触する面積が大きくなるため、ストラット21と線材240との引っ掛かりが強固になる。術者は、隣接する線材240の間からストラット21を抜け出させるために、より大きな引っ張り力でガイドワイヤ100を引き抜かなくてはいけなくなるため、コイル部230の破損やステント20の位置ずれがより一層発生し易くなる。
上記のような課題に対して、本実施形態に係るガイドワイヤ100は、コイル部130が有する重なり部170により、線材140の他の部分160の外表面(基端部163の一部の外表面)が線材140の一の部分150により部分的に覆われた状態となる(図2を参照)。このため、一の部分150においてコイル部130の外周側130Bに露出する部分の面積は比較的小さくなる。したがって、隣接する線材140の間(一の部分150と他の部分160との間)にステント20のストラット21が入り込むようなことがあっても、線材140に対するストラット21の引っ掛かりが抑えられるため、ガイドワイヤ100を基端側へ円滑に移動させることができる。これにより、術者は、コイル部130の破損やステント20の位置ずれが発生するのを好適に防止することができる。
なお、ガイドワイヤ100は、生体外への抜去に関わらず、ステント20と血管の内壁(または狭窄部N)との間に挟まれた状態で基端側へ移動する際にその効果を発揮する。したがって、ガイドワイヤ100は、手技の最中に当該ガイドワイヤ100が基端側へ不用意に移動するような場合においても、コイル部130の破損やステント20の位置ずれが発生するのを好適に防止することができる。
以上のように本実施形態に係るガイドワイヤ100は、可撓性を有する長尺状のコア部110と、螺旋状に巻回された線材140を有し、コア部110の少なくとも先端部110aを覆うように配置されたコイル部130と、を備えるガイドワイヤである。コイル部130は、内周側130Aと外周側130Bを形成しており、かつ、コア部110の軸方向に沿う断面において、線材140の隣接する部分のうち基端側に位置する一の部分150と、線材140の隣接する部分のうち先端側に位置する他の部分150とが外周側130Bで重なり合って形成された少なくとも一つの重なり部170を有している。
上記ガイドワイヤ100は、コイル部130を構成する線材140同士の重なりにより形成された重なり部170を有することにより、使用される手技の内容や用途(例えば、ワイヤプロテクション)に応じた所望の機能が付加されたものとなる。したがって、所望の機能を付加するために、ガイドワイヤ100全体の構造を従来のものから大きく変更する必要がない。このため、ガイドワイヤ100の製造作業の煩雑化や製造コストの増加を抑えることができる。
また、ガイドワイヤ100の重なり部170は、線材140における一の部分150の先端部151の少なくとも一部が、線材140における他の部分160の基端部163よりも外周側130Bに配置されることにより形成されている。このため、ガイドワイヤ100は、ワイヤプロテクションにおいて使用された場合に、隣接する線材140の間にステント20のストラット21が入り込むようなことがあっても、線材140に対するストラット21の引っ掛かりを抑制(低減)することができる。このため、術者は、ガイドワイヤ100を基端側へ円滑に移動させることができ、コイル部130の破損やステント20の位置ずれが発生するのを防止することができる。
また、ガイドワイヤ100の線材140における一の部分150および線材140における他の部分160は、軸方向に沿う断面形状が非円形形状である。このため、線材140は、当該線材140が螺旋状に巻回されることにより、線材140同士が重なり合った重なり部170を容易に形成することができる。
また、ガイドワイヤ100の線材140における一の部分150および線材140における他の部分160は、外周側130Bに配置される第1頂部(先端部)151、161と、内周側130Aに配置される第2頂部(基端部)153、163と、第1頂部151、161と第2頂部153、163との間に形成され、第1頂部151、161および第2頂部153、163よりも幅広に形成された幅広部155、165と、を有する断面形状で形成されており、かつ、軸方向に対して傾斜して配置されている。このため、線材140は、各頂部同士が重なった部分により重なり部170を容易に形成することができる。また、線材140は、軸方向に対する傾斜角θ1を調整することにより、重なり部170の軸方向に沿う長さL12を容易に調整することができる。
また、ガイドワイヤ100の線材140における一の部分150と線材140における他の部分160は、一方の部分の軸方向に沿う長さの半分以下の長さで重なり合っている。これにより、ガイドワイヤ100は、重なり部170の軸方向に沿う長さが適切な範囲に調整されるため、柔軟性が過度に損なわれるのを防止することができる。
また、ガイドワイヤ100の線材140における一の部分150および線材140における他の部分160は、コイル部130に外力が付加されていない状態において、重なり部170を形成しつつ隙間gを隔てて配置されている。ガイドワイヤ100のコイル部130に隙間gが形成されることにより、ガイドワイヤ100の柔軟性が高められる。
また、コイル部130は、隙間gが形成されることにより、一の部分150と他の部分160との間の距離が広げられる。このため、ガイドワイヤ100を使用して血管内で各種処置を行っている際に、コイル部170に比較的大きな外力が作用するような場合においても、コイル部170は、線材140の一方の部分(例えば、一の部分150)が他方の部分(例えば、他方の部分160)に乗り上がるのを好適に防止することができる。
また、コイル部130は、巻回された状態で内周側(コイル部130の内周側130A)および外周側(コイル部130の外周側130B)を形成しており、かつ、当該コイル部130の長手方向(コア部110の軸方向)に沿う断面において、線材140の隣接する部分のうち基端側に位置する一の部分150と、線材140の隣接する部分のうち先端側に位置する他の部分160とが外周側130Bで重なり合って形成された少なくとも一つの重なり部170を有している。
上記コイル部130は、各種の医療器具に組み込むことが可能な医療用コイルとして用いることが可能である。コイル部130を医療用コイルとして用いることにより、製造作業の煩雑化や製造コストの増加を抑えつつ、使用される手技の内容や用途に応じた所望の機能をガイドワイヤ等の医療器具に付加することが可能になる。
次に、上述した第1実施形態の変形例について説明する。なお、各変形例の説明において、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、各変形例において特に言及しない点については、前述した第1実施形態と同様に構成することができるものとする。
<変形例1>
図6は、変形例1に係るガイドワイヤの要部を示す断面図である。
図6には、コイル部130を形成する線材340の一部を拡大して示している。変形例1に係る線材340は、当該線材340の断面形状が非円形形状である。ただし、線材340の断面形状は、楕円形ではない。このような点において前述した第1実施形態と相違する(図2を参照)。
線材340の一の部分350は、外周側130Bに配置される第1頂部(先端部)351と、内周側130Aに配置される第2頂部(基端部)353と、第1頂部351と第2頂部353との間に形成され、第1頂部351および第2頂部353よりも幅広に形成された幅広部355と、を有している。幅広部355の内周側130Aに臨む内面は、凹状に湾曲した断面形状を有している。
線材340の他の部分360は、一の部分350と同様に、外周側130Bに配置される第1頂部(先端部)361と、内周側130Aに配置される第2頂部(基端部)363と、第1頂部361と第2頂部363との間に形成され、第1頂部361および第2頂部363よりも幅広に形成された幅広部365と、を有している。幅広部365の内周側130Aに臨む内面は、凹状に湾曲した断面形状を有している。
重なり部170は、一の部分350の第1頂部351の少なくとも一部が、他の部分360の第2頂部363よりも外周側130Bに配置されることにより形成されている。なお、一の部分350と他の部分360とが重なった部分の長さL12と一の部分350の軸方向に沿う最長部分の長さL11との関係は、例えば、前述した第1実施形態と同様に設定することが可能である。
本変形例に係る線材340によりコイル部130を形成した場合においても、前述した第1実施形態と同様の効果が発揮される。
<変形例2>
図7は、変形例2に係るガイドワイヤ400を示す部分縦断面図である。図8Aは、変形例2に係るガイドワイヤ400の線材440の一部を拡大して示す図である。図8Bは、変形例2に係るガイドワイヤ400の作用を説明するための図である。
図7および図8Aに示すように、変形例2に係るガイドワイヤ400の線材440は、当該線材440の断面形状が非円形形状である。ただし、線材440の断面形状は、楕円形ではない。このような点において前述した第1実施形態と相違する(図2を参照)。
図8Aに示すように、線材440の一の部分450は、内周側130Aに凸状に湾曲した湾曲部451と、外周側130Bにおいて軸方向に突出した突出部453と、を有する断面形状で形成されている。さらに、一の部分450は、外周側130Bに臨む平滑(平坦)な外表面456を有している。
なお、平滑な外表面456とは、ガイドワイヤ400に外力が付与されていない状態において、図8Aに示すように外表面456がコア部110(図1を参照)と略平行に配置される形状を意味する。
線材440の他の部分460は、一の部分450と同様に、内周側130Aに凸状に湾曲した湾曲部461と、外周側130Bにおいて軸方向に突出した突出部463と、を有する断面形状で形成されている。さらに、他の部分460は、外周側130Bに臨む平滑(平坦)な外表面466を有している。
本変形例において、重なり部170は、一の部分450の突出部453の先端部と、他の部分460の湾曲部461の基端部とが重なり合って形成されている。
一の部分450と他の部分460とが重なった部分の長さL12と一の部分450の軸方向に沿う最長部分の長さL11との関係は、例えば、前述した第1実施形態と同様に設定することが可能である。
本変形例に示す線材440は、例えば、次のような手順で製作することが可能である。まず、断面形状が円形に形成された線材440を芯材等の治具に螺旋状に巻き付ける。次に、円形の切削具(例えば、研石)を回転させつつ線材440に押し付けながら、切削具を芯材の長手方向に沿って移動させることにより、線材に平滑な外表面456、466を形成する。線材の外表面が削られた部分で形成されるバリは、切削具の移動に伴って、その移動方向(例えば、線材の先端側)に突出する。線材440において突出した部分は、線材440の突出部453、463を形成する。このような手順により、図8Aに示す断面形状が形成された線材440を製作することができる。
次に、図8Bを参照して、変形例2に係るガイドワイヤ400の作用を説明する。
本変形例に係るガイドワイヤ400は、線材440により形成された重なり部170を有するため、前述した第1実施形態と同様に、線材440に対するストラット21の引っ掛かりを抑えることができる。さらに、線材440の一の部分450および他の部分460には、突出部453、463が形成されているため、各部分450、460の間にストラット21のエッジ部21aが入り込むのを防止することができる。このため、術者は、ワイヤプロテクションを行った後にガイドワイヤ400を生体外へ抜去する際、ガイドワイヤ400を基端側へより一層円滑に移動させることができる。
また、線材440の一の部分450および他の部分460には、平滑な外表面456、466が形成されているため、ストラット21の引っ掛かりが発生し難くなる。さらに、ガイドワイヤ400は、平滑な外表面456、466が形成されていることにより、血管に形成された狭窄部Nに対する挿通性が向上する。
<変形例3>
図9は、変形例3に係るガイドワイヤの要部を示す断面図である。
図9には、コイル部130を形成する線材540の一部を拡大して示している。変形例3に係る線材540は、湾曲部551および突出部553が形成された一の部分550と、湾曲部561および突出部563が形成された他の部分560と、を有している。ただし、一の部分550および他の部分560には、変形例2に係る線材440に形成されていた平滑な外表面456、466が形成されていない(図8Aを参照)。
本変形例に係る線材540でコイル部130を形成した場合においても、前述した変形例2と同様に、各突出部553、563により線材540の各部分550、660の間にストラット21のエッジ部21aが入り込むのを防止することが可能になる。
なお、本変形例に示す線材540は、例えば、次のような手順で製作することが可能である。まず、断面形状が円形に形成された金属製の線材本体にポリマー等の樹脂材料を塗布する。次に、金属製の線材本体を芯材に螺旋状に巻き付けた状態で、線材本体に塗布した樹脂材料を図9に示すような突出部553、563の形状に整形する。このような手順により、突出部553、563が形成された線材540を製作することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るガイドワイヤについて説明する。なお、第2実施形態の説明において、前述した第1実施形態およびその変形例と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第2実施形態において特に言及しない点については、前述した第1実施形態と同様に構成することができるものとする。
図10は、第2実施形態に係るガイドワイヤ600を示す部分縦断面図である。図11は、ガイドワイヤ600の要部を拡大して示す図、図12Aおよび図12Bは、ガイドワイヤ600の作用を説明するための図である。
図10および図11に示すように、第2実施形態に係るガイドワイヤ600のコイル部130は、線材140により形成された重なり部670を有している。
重なり部670は、図11に示すコア部110の軸方向に沿う断面において、線材140の隣接する部分のうち基端側(図11中の右側)に位置する一の部分150と、線材140の隣接する部分のうち先端側(図11中の左側)に位置する他の部分160とが、外周側130Bで重なり合って形成されている。
前述した第1実施形態に係るガイドワイヤ100においては、重なり部170は、一の部分150の先端部151の少なくとも一部が他の部分160の基端部163よりも外周側130Bに配置されることにより形成されている(図2を参照)。一方、図11に示すように、本実施形態に係るガイドワイヤ600においては、重なり部170は、他の部分160の基端部163の少なくとも一部が一の部分150の先端部151よりも外周側130Bに配置されることにより形成されている。
線材140の一の部分150は、内周側130Aにおいて、先端部151が基端部153よりも先端側を向くように軸方向に対して所定の傾斜角θ1で傾斜している。同様に、線材140の他の部分160は、内周側130Aにおいて、先端部161が基端部163よりも先端側を向くように軸方向に対して所定の傾斜角θ1で傾斜している。
本実施形態に係るガイドワイヤ600が有する線材140の断面形状は、第1実施形態に係るガイドワイヤ600が有する線材140と同様に楕円形である。また、本実施形態に係るガイドワイヤ600は、重なり部670以外の構造(例えば、一の部分150と他の部分160とが重なった部分の長さL12と一の部分150の軸方向に沿う最長部分の長さL11との関係等)については、第1実施形態に係るガイドワイヤ100と実質的に同様に構成することができる。
次に、図12Aおよび図12Bを参照して、第2実施形態に係るガイドワイヤ600の作用を説明する。
第2実施形態に係るガイドワイヤ600は、例えば、図12Aに示すように、血管Bの狭窄部Nを貫通させる処置に使用することができる。ガイドワイヤ600において重なり部670を形成する線材140の各部分150、160は、先端部151、161側が内周側130Aに向けて傾斜しているため、ガイドワイヤ600のコイル部130が狭窄部Nを貫通する際、線材140と狭窄部Nとの間で作用する摺動抵抗を低減させる。また、ガイドワイヤ600のコイル部130が狭窄部Nを貫通する際、線材140において軸方向の先端側に位置する他の部分160は、線材140において軸方向の基端側に位置する一の部分150により支持されるため、コイル部130の押し込み力が高められる。
以上のように、本実施形態に係るガイドワイヤ600は、狭窄部Nに対する挿通性(貫通性)が向上されたものとなる。また、ガイドワイヤ600の挿通性は、線材140が形成する重なり部670により向上されているため、ガイドワイヤ600全体の構造は従来のものから大きく変更していない。このため、製造作業の煩雑化や製造コストの増加を抑えつつ、所望の機能が付加されたガイドワイヤ600を提供することができる。
なお、図13に示すように、例えば、第1実施形態の変形例1において示した断面形状を有する線材340(図6を参照)を使用して、第2実施形態において説明した重なり部670を形成することも可能である。また、図示省略するが、第1実施形態の変形例2、3において示した断面形状を有する各線材440、540(図8A、図9を参照)を使用して、第2実施形態において説明した重なり部670を形成することも可能である。ガイドワイヤは、線材の断面形状に関わらず重なり部670が形成されることにより、狭窄部Nに対する挿通性が向上したものとなる。
以上、複数の実施形態および変形例を通じて本発明に係るガイドワイヤおよび医療用コイルを説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、各実施形態および各変形例において、線材の一の部分と他の部分の間には隙間を形成した構成を示したが、隙間の形成は適宜省略することが可能である。
また、例えば、第1実施形態の各変形例および第2実施形態において説明したコイル部は、当該コイル部単独で医療用コイルとして用いることもできる。この医療用コイルは、ガイドワイヤ以外の医療器具に利用することも可能である。
また、例えば、第1実施形態の変形例2において示した平滑な外表面と同様の外表面を、第1実施形態の変形例1に示した線材や、第2実施形態に示した線材等に設けてもよい。
また、例えば、第1実施形態において示した各線材(断面形状が互いに異なる線材)を選択的に組み合わせて一つのコイル部に設けることが可能であるし、第2実施形態において示した各線材を選択的に組み合わせて一つのコイル部に設けることも可能である。
100 ガイドワイヤ、
110 コア部、
110a コア部の先端部、
130 コイル部(医療用コイル)、
130A コイル部の内周側、
130B コイル部の外周側、
140 線材、
150 線材の一の部分、
151 一の部分の先端部(第1頂部)、
153 一の部分の基端部(第2頂部)、
155 幅広部、
160 線材の他の部分、
161 他の部分の先端部(第1頂部)、
163 他の部分の基端部(第2頂部)、
165 幅広部、
170 重なり部、
340 線材、
350 線材の一の部分、
351 一の部分の先端部(第1頂部)、
353 一の部分の基端部(第2頂部)、
355 幅広部、
360 線材の他の部分、
361 他の部分の先端部(第1頂部)、
363 他の部分の基端部(第2頂部)、
365 幅広部、
400 ガイドワイヤ、
440 線材、
450 線材の一の部分、
451 湾曲部、
453 突出部、
456 平滑な外表面、
460 線材の他の部分、
461 湾曲部、
463 突出部、
466 平滑な外表面、
540 線材、
550 線材の一の部分、
551 湾曲部、
553 突出部、
560 線材の他の部分、
561 湾曲部、
563 突出部、
600 ガイドワイヤ、
670 重なり部、
A1 コア部の軸方向、
R1 コア部の周方向、
B 血管、
B1 血管の本幹、
B2 血管の側枝、
N 狭窄部、
g 隙間、
S1 コイル部の外面、
S2 コイル部の内面。

Claims (10)

  1. 可撓性を有する長尺状のコア部と、螺旋状に巻回された線材を有し、前記コア部の少なくとも先端部を覆うように配置されたコイル部と、を備えるガイドワイヤであって、
    前記コイル部は、内周側と外周側を形成しており、かつ、前記コア部の軸方向に沿う断面において、前記線材の隣接する部分のうち基端側に位置する一の部分と、前記線材の隣接する部分のうち先端側に位置する他の部分とが前記外周側で重なり合って形成された少なくとも一つの重なり部を有することを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記重なり部は、前記線材における前記一の部分の先端部の少なくとも一部が、前記線材における前記他の部分の基端部よりも前記外周側に配置されることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記重なり部は、前記線材における前記他の部分の基端部の少なくとも一部が、前記線材における前記一の部分の先端部よりも前記外周側に配置されることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記線材における前記一の部分および前記線材における前記他の部分の少なくとも一方は、前記軸方向に沿う断面形状が非円形形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記線材における前記一の部分および前記線材における前記他の部分の少なくとも一方は、前記外周側に配置される第1頂部と、前記内周側に配置される第2頂部と、前記第1頂部と前記第2頂部との間に形成され、前記第1頂部および前記第2頂部よりも幅広に形成された幅広部と、を有する断面形状で形成されており、かつ、前記軸方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項4に記載のガイドワイヤ。
  6. 前記線材における前記一の部分および前記線材における前記他の部分の少なくとも一方は、前記内周側に凸状に湾曲した湾曲部と、前記外周側において前記軸方向に突出し、前記重なり部を形成する突出部と、を有する断面形状で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガイドワイヤ。
  7. 前記線材における前記一の部分および前記線材における前記他の部分の少なくとも一方は、前記外周側に臨む外表面が平滑であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
  8. 前記線材における前記一の部分と前記線材における前記他の部分は、一方の部分の前記軸方向に沿う長さの半分以下の長さで重なり合っていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
  9. 前記線材における前記一の部分および前記線材における前記他の部分は、前記コイル部に外力が付加されていない状態において、前記重なり部を形成しつつ隙間を隔てて配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
  10. 螺旋状に巻回された線材を有する医療用コイルであって、
    巻回された状態で内周側および外周側を形成しており、かつ、当該医療用コイルの長手方向に沿う断面において、前記線材の隣接する部分のうち基端側に位置する一の部分と、前記線材の隣接する部分のうち先端側に位置する他の部分とが前記外周側で重なり合って形成された少なくとも一つの重なり部を有することを特徴とする医療用コイル。
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