JP5915123B2 - 画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
上記問題をもう少し詳細に説明する。
(1)原稿からの反射光
(2)背景部材からの反射光
第1読取手段と第2読取手段とで異なる背景部材を使用している場合、第1読取手段と第2読取手段とでセンサに入射される原稿からの反射光は変わらない。
特許文献1には、原稿の表裏から読み取った表裏画像の色を合わせるため、画像読取装置自体が色補正チャートを出力し、色域全体あるいは特定の色相を基準に表裏画像の色を合わせる技術について開示されている。
特許文献1に記載のものでは、出力した色補正チャートの紙厚と紙種が一致した場合に特定の色相のみ表裏で色を合わせる。しかし、薄紙原稿でチャートを作成した場合、それを表裏で読み取る時点で背景部材の影響を受けることになり、適切な補正ができない。
以下の実施形態では、1パス両面同時読み取りを行うのに際して、以下の特徴を有する。つまり、原稿が薄くなるほど、原稿を透過する光が増加して出力が低下するが、低下の挙動は背景部材の反射光が異なることで表裏出力の変化に差異が生じる。その時の出力比率は、原稿の厚み(以下「紙厚」ともいう)に応じて変化する。この比率の変化より紙厚を特定し、対応している紙厚での背景部材の影響を排除する補正係数(背景部材の色味差補正係数)を用いて表面および裏面全域を補正することが特徴になっている。
まず、この発明の第1実施形態である画像読取装置の構成について説明する。
図1は、その画像読取装置の機構部の構成例を示す図である。
図2は、その画像読取装置の制御系の構成例を示すブロック図である。なお、図2では、図示の都合上、図1の第1読取部20の図示を省略している。
この画像読取装置は、図1に示すように、原稿束をセットする原稿セット部A、そのセットされた原稿束から1枚毎に原稿を分離して給送する分離給送部B、および分離給送部Bによって給送された原稿を一次突き当て整合する働きと、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部Cを備えている。
さらに、読み取り後の原稿(両面原稿)の裏面画像を読み取る第2読取搬送部F、表面画像又は両面画像の読み取りが完了した原稿を機外に排出する排紙部G、および読み取り完了後の原稿を積載保持するスタック部Hも備えている。
また、図2に示すように、上述した各搬送動作の駆動を行う各モータ101〜105、および一連の動作を制御するコントローラ部100も備えている。
可動原稿テーブル3は、底板上昇モータ105により図1に示すa,b方向に上下動可能な構成になっていて、通常は底板HPセンサ6によって検知されるホームポジション(HP)に位置している。
ピックアップローラ7は、ピックアップモータ101によりカム機構で図1に示すc,d方向に動作すると共に、可動原稿テーブル3が上昇し、可動原稿テーブル3上の原稿上面により押されてc方向に上がり、給紙適正位置センサ8により上限が検知可能となっている。
給紙ベルト9は給紙モータ102の正転により給紙方向に駆動され、分離給送部Bのリバースローラ10は給紙モータ102の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の原稿とその下の原稿とを分離して、最上位の原稿のみを給紙できる構成となっている。
そのプルアウトローラ12に突き当たった原稿は、突き当てセンサ11の検知時点から所定量定められた距離だけ送られ、結果的には、プルアウトローラ12に所定量撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータ102を停止させることにより、給紙ベルト9の駆動が停止し、待機状態となる。
プルアウトローラ12は、上記スキュー補正の機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿を中間ローラ14まで搬送するためのローラであり、給紙モータ102の逆転により駆動される。また、この時(給紙モータ102逆転時)、プルアウトローラ12と中間ローラ14は駆動されるが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9は駆動されていない。
また、原稿の搬送方向の長さは、原稿の先端と後端を突き当てセンサ11で検知し、その先端検知時点から後端検知時点まで給紙モータ102の出力パルスをカウントすることによって検知する。
プルアウトローラ12および中間ローラ14の駆動により、レジスト部Cからターン部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第1読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定して原稿を第1読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮が図られている。
原稿の先端をレジストセンサ17にて検知すると、コントローラ部100が、所定の搬送距離をかけて減速させ、第1読取手段である第1読取部20による読取位置の手前で一時停止させると共に、本体制御部111へI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。
そして、読取モータ103の出力パルスをカウントすることによって検出された原稿の先端が第1読取部20による読取位置に到達するタイミングで、コントローラ部100により本体制御部111に対して原稿の第1面(表面)の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号の送信が開始され、第1読取部20による読取位置を原稿の後端が抜けるまで送信される。
なお、第1読取部20の代わりに、スキャナ方式の読取部を使用することもできる。それについては、追って詳細に説明する。
図3は、その第2読取部25の制御系の要部構成例を示すブロック図である。なお、第1読取部20の制御系も同様の構成なので、その図示および説明は省略する。
第2読取部25は、CISによる読み取り方式を用いた画像読取部であり、LEDアレイ,蛍光灯,又は冷陰極管などからなる照明手段である光源部200を備えている。
さらに、その各A/Dコンバータ203の出力信号であるデジタル画像信号(以下「画像データ」ともいう)にはそれぞれ信号成分以外に黒レベルオフセットがあり、これを除去する複数の黒補正部204も備えている。
さらにまた、画像処理部205,フレームメモリ206,出力制御回路207,I/F回路208も備えている。
複数のセンサチップ201はそれぞれ、等倍密着イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを備えたものである。
これにより、光源部200が点灯して、その光を原稿の画像面に向けて照射し、その画像面を主走査方向(ライン方向)に光走査する。そして、原稿の画像面で反射された反射光は、各センサチップ201においてそれぞれ、集光レンズによって光電変換素子に集光されてライン毎に光電変換され、アナログ画像信号として読み取られる。
各センサチップ201でそれぞれ読み取られたアナログ画像信号は、対応する各アンプ回路202によってそれぞれ増幅された後、対応する各A/Dコンバータ203によってそれぞれデジタル画像信号に変換される。
なお、第2読取部25では、画像処理部205がシェーディング補正を行うため、光源部200を含む各部を用いてシェーディング補正用の基準白データ(シェーディングデータ)を生成する処理も行う。
なお、コントローラ部100からは原稿の先端が第2読取部25による読取位置に到達するタイミング(そのタイミング以降の画像データが有効データとして扱われる)を知らせるためのタイミング信号や光源部200の点灯信号、電源等が出力されるようになっている。
そこで、図1の第1読取部20の代わりに使用する、図1のスタック部Hの下方に設置される縮小光学系を用いた第1読取部について説明する。
この第1読取部301は、スキャナ装置であり、搬送中の原稿の画像を読み取るための読取窓に相当するコンタクトガラス18と、原稿を載置する原稿ガラスであるコンタクトガラス(プラテンガラス)303とを備えている。また、原稿の露光用の光源部304および第1反射ミラー305からなる第1キャリッジ306と、第2反射ミラー307および第3反射ミラー308からなる第2キャリッジ309も備えている。更に、イメージセンサであるCCD(Charge Coupled Devices)310と、CCD310に結像するためのレンズユニット311も備えている。
光源部304、第1,第2,第3反射ミラー305,307,308、およびレンズユニット311は、走査光学系を構成する。
CCD310は、入射光量に対応する電圧をアナログ画像信号として出力する。
第1,第2キャリッジ306,309は、搬送中の原稿の読み取り時には停止しているが、スキャンモード時には、図示しないステッピングモータの駆動により、コンタクトガラス303上に載置された原稿の読み取り面とCCD310との間の距離を一定に保ちながら副走査方向(矢印A方向)に移動し、原稿を露光走査する。
図5は、その入射光の説明に供する説明図である。なお、図示の都合上、第1読取部20と搬送ガイド32との位置関係を図1とは逆にしている。また、第2読取部25を構成する各部と対応する部分には同一符号を付している。
そして、原稿Pが厚ければ、原稿Pを透過する光が減少し、搬送ガイド32からの反射光の影響は小さくなるが、原稿Pが薄ければ、搬送ガイド32からの反射光の影響は大きくなる。
図7は、原稿の紙厚を変化させた場合における、その紙厚に対する背景部材の影響による原稿表面読み取り時のRGB比率の特性例を示す線図である。
図8は、原稿の紙厚を変化させた場合における、その紙厚に対する背景部材(第2読取ローラ26)の影響による原稿裏面読み取り時のRGB出力の特性例を示す線図である。
図9は、原稿の紙厚を変化させた場合における、その紙厚に対する背景部材の影響による原稿裏面読み取り時のRGB比率の特性例を示す線図である。
なお、図7および図9に示したRGB比率の演算(算出)式のうち、レッド(R)の比率は、以下の演算式(数1)によって求めることができる。
レッドの比率
=レッドの出力/(レッドの出力+グリーンの出力+ブルーの出力)・・・数1
グリーン,ブルーの比率は、数1の分子をそれぞれグリーン,ブルーの出力に置き換えればよい。
今回の例では、第1読取部20の背景部材はブルーの色味が強いため、原稿が薄くなるほどブルーの比率が高くなる。第2読取部25の背景部材はグリーンの色味が強いため、原稿が薄くなるほどグリーンの比率が高くなる。
このとき、厚紙で無彩色だったものが、薄紙になるほど表面は青みが増し、裏面は緑色が強くなる。
図11は、原稿を同じ種類の紙で厚さを変えた場合における、その紙厚に対する原稿表裏のレッドの出力比率の特性例を示す線図である。
図12は、図11に示した関係に基づいた補正テーブルの概念の説明に供する線図である。
図13は、その補正テーブルの内容を示す図である。
すなわち、原稿表裏の出力比率の変化より紙厚を特定(算出)し、対応している紙厚での背景部材の影響を排除する補正係数を用いて、第1読取部20および第2読取部25による原稿の表面全域および裏面全域の読み取り時の出力を表裏画像の色味差が発生しないように補正する。つまり、背景部材の影響による表裏画像の色味の変化を補正する。この補正を、「色味差補正」という。
図14は、図7に示した原稿の紙厚に対する原稿表面読み取り時のRGB比率の特性の一部を数値化したものである。なお、図13に示した補正テーブルはRGB毎に存在する。
図7の例では、原稿の紙厚が100〔g/m2〕の場合、つまり厚紙の原稿の場合に、RGBの出力が同一(比率がRGB共に33.3%)となる。
原稿表面読み取り時の対応色の補正係数(対応色の表面補正係数)は、以下の演算式(数2)によって算出できる。
=厚紙原稿の表面を読み取った場合における対応色の比率
/使用する紙厚の原稿の表面を読み取った場合における対応色の比率・・・数2
例えば、紙厚50〔g/m2〕の原稿の場合における対応色がレッドの場合の比率は、図14から33.7であるから、原稿の表面のレッドの補正係数は、数2の演算式によって以下に示すように算出できる。
レッドの補正係数=33.3/33.7
本体制御部111は、数2等の演算式より、工程で原稿の表面および裏面を第1読取部20および第2読取部25でそれぞれ読み取った場合における原稿の紙厚に応じた補正係数を算出し、それらの値を含む補正テーブルを本体制御部111内の不揮発性メモリに格納しておく。
対応色の補正後出力=対応色の補正前出力×対応色補正係数・・・数3
数3の演算式による演算を行うことで、原稿の表面および裏面の各読み取り画像全域に対応する出力の補正(背景部材の影響によるRGBバランスの変化分の補正)を行うことが可能となり、背景部材の影響による色味の変化に対応することができる。
図10〜図14では、補正テーブルを用いて原稿の表面および裏面の各読み取り画像に対応する出力を補正する手法について説明した。ここでは、近似式を用いて紙厚に応じてリニアに、原稿の表面および裏面の各読み取り画像に対応する出力を補正する手法について説明する。なお、ここではレッドの出力補正を例に説明する。
その関係は、原稿を同じ種類の紙で厚さを変えた場合における、図11に示した原稿の紙厚に対するレッドの出力比率の特性に対応するものであり、細線は前述した補正テーブル作成のための工程から得られた値(実際値)を、太線は以下の演算式(数4)によって演算した値(理論値)をそれぞれ示している。
y=10-06e18.375x ・・・数4
ここで、数4の「x」はレッドの出力比率を、「y」は原稿の紙厚をそれぞれ示す。
y=−3×10-08x3+8×10-06x2−0.0007x+0.3575 ・・・数5
ここで、数5の「x」は原稿の紙厚を、「y」はレッドの比率をそれぞれ示す。
図17は原稿全域で地肌を検出する処理の説明に供する説明図であり、原稿Pの斜線で示す箇所が地肌レベルの検出エリアを示す。
図2の本体制御部111は、コントローラ部100を介して原稿Pの読み取り開始ラインから主走査方向全域にかけて地肌レベルを検出し、副走査方向全域まで地肌を追従する。そして、RGB毎に地肌レベル(Ph値)の全ラインの平均値を算出し、各色の地肌レベルとする。地肌追従については、既知の方法を用いることとする。なお、この例での地肌レベルの検出は、実際には原稿Pの表裏面について行う。
図18は原稿先端で地肌を検出する処理の説明に供する説明図であり、原稿Pの斜線で示す箇所が地肌レベルの検出エリアを示す。
図2の本体制御部111は、コントローラ部100を介して原稿Pの読み取り開始ラインから主走査方向全域にかけて地肌レベルを検出し、副走査方向の原稿先端から距離γまで地肌を追従する。そして、RGB毎に地肌レベルの全ラインの平均値を算出し、各色の地肌レベルとする。
図19は、補正係数に対応する色空間マトリックスの一例を示す図である。
図2の本体制御部111は、算出した紙厚を元に、原稿の表面および裏面の各読み取り画像全域に対応するRGB出力に対してRGB別の各補正テーブル内の対応する補正係数(表面補正係数,裏面補正係数)をかける。その際に、各補正テーブル内の補正係数に応じた色空間マトリックス(表面色空間マトリックス,裏面色空間マトリックス)を用意することで、より精度よく色変換を行うことが可能となる。
図20は、その読み取り動作の一例を示すフローチャートである。
本体制御部111は、本体操作部108上のモード切替キーの操作に応じた信号により、原稿(両面原稿)の両面画像を読み取る両面モードを設定した後、プリントキーの押下に応じた信号により、コントローラ部100に図1によって説明した原稿の給紙を開始させると共に、コントローラ部100と共に図20に示す読み取り動作を開始する。
次に、ステップS3において、コントローラ部100経由で第2読取部25によって原稿の裏面画像の読み取りを行わせ、ステップS4において、コントローラ部100経由で受信した第2読取部25の出力から地肌レベルであるPh値(2)を検出する。
そして、出力比率が30%以下の色がある場合には、表裏画像の読み取りを行った原稿を色つき原稿と判断して、ステップS6へ移行し、表裏画像の読み取りを行った原稿の表面および裏面の各読み取り画像全域に対応するRGB出力の補正は行わない。
その後、ステップS8へ進み、RGB別の各補正テーブルよりステップS7で算出した厚みに対応する補正係数(表面補正係数,裏面補正係数)を読み出し、その補正係数を用いて表裏画像の読み取りを行った原稿の表面および裏面の各読み取り画像全域に対応するRGB出力に対して補正を行う。
(1)上記算出結果に基づいて対応する補正係数を算出し、第1読取部および第2読取部による原稿の表面画像および裏面画像の読み取り時の出力を上記算出した補正係数を用いて補正することにより、メモリ容量を低減することもできる。
(2)使用可能な原稿の厚み毎に異なる補正係数を有する補正テーブルを備え、上記算出結果に基づいて補正テーブルから対応する補正係数を読み出し、第1読取部および第2読取部による原稿の表面画像および裏面画像の読み取り時の出力を上記読み出した補正係数を用いて補正することにより、正確な出力補正を行うができる。
(4)第1読取部と第2読取部の原稿全体に対応する出力から地肌出力を検出することにより、その地肌出力の検出を確実に行うことができる。
(6)検出した地肌出力に応じて原稿の色を判断することにより、原稿表裏の出力比率が所定値以下の色の原稿を色つき原稿と判断して、出力補正を行わないため、処理効率の向上につながる。
次に、この発明の第2実施形態である画像読取装置の制御系の機能構成について説明する。なお、その画像読取装置の機構部および制御系のハードウェア構成は、図1〜図4によって説明した第1実施形態と同様である。
図21は、この発明の第2実施形態である画像読取装置の制御系の機能構成例を示すブロック図であり、図1,図2と同じ部分には同一符号を付している。
全域検出方式は、色味差補正の精度は高くなるが、例えば図22の(a)に示すように、原稿の各読み取り面の全域の読み取り画像データをフレームメモリ120へ蓄積した後に色味差補正・転送を行うことになるため、連続動作時の読み取り効率およびメモリ使用量が不利となる。
なお、原稿の地肌検出による色味差補正を実施しない従来の読み取り方式の場合、例えば図22の(c)に示すように、原稿の表面(第1面)の読み取り画像データについてはフレームメモリ120への蓄積は実施せずにそのまま外部機器への転送を実施する。
以下、図22の(a)と(b)で示したそれぞれの検出方式と対応する表裏の色味差補正の内容について、図23のフローチャートを用いて説明する。
図23は、その原稿両面に対する読み取り動作の第1例を示すフローチャートである。
この画像読取装置では、図20によって説明した読み取り動作と同様のタイミングで図23に示す読み取り動作を開始し、まずステップS11において、原稿の両面画像を読み取るために、シートスルー読み取り動作(ADFを用いた読み取り動作)を開始する。このとき、図1の原稿テーブル2上の原稿を1枚給紙する。
ステップS12では、第1地肌検出部501および第2地肌検出部502により、原稿の各読み取り面の全領域を読み込んだ結果に基づいて、その各読み取り面の地肌レベルを検出する。このとき、原稿の各読み取り面の読み取り画像データは、全領域分がフレームメモリ120へ蓄積されている。
ステップS14では、色味補正部506により、前ステップ13で算出した補正係数を用いて色味差補正を開始する。
以上のステップ11〜15を順次実施した後、ステップ16で図1の原稿テーブル2から次に給紙すべき原稿(次の原稿)の有無をチェックする。
次の原稿がある場合には、その原稿が給紙されるため、ステップS11に戻る。
そして、再びステップ11〜16の動作を順次行うが、その動作は次の原稿がなくなるまで繰り返し行われる。
したがって、連続動作時にも、各原稿の表裏画像の色味差の発生を回避することができる。
図24は、その先端検出方式を用いた原稿両面に対する読み取り動作の第1例を示すフローチャートである。
この画像読取装置では、ステップS21,S23〜S26において、図23によって説明した全域検出方式を用いた原稿両面に対する読み取り動作のうち、ステップS11,S13〜S16の動作と同様の動作を行う。
図25は、図21に示した画像読取装置における全域検出方式先端と先端検出方式を前原稿(前ページ)との比較により切り替える原稿両面に対する読み取り動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS34では、ステップ33で特定(算出)した原稿の紙厚を紙厚履歴として設定されている前原稿(前回給紙された原稿)の紙厚と比較する。
一方、特定(算出)した原稿の紙厚が前原稿の紙厚と異なる場合(今回給紙された原稿が1枚目の原稿などで比較対象の履歴がクリアされている場合を含む)には、ステップS40へ移行する。そして、より精度の高い方式である全域地肌検出方式に切り替えて、ステップS40とS41を経てステップS35以降の読み取り画像データの色味差補正と転送を実施できるようにする。
ステップS41では、紙厚特定部503により、前ステップ40で検出した原稿の各読み取り面の地肌レベルの差異に基づいて、その原稿の紙厚を再度特定(算出)し、その紙厚に応じた補正係数を再度算出(決定)する。
ステップS36では、ステップS33又はS41で特定(算出)した原稿の紙厚の内容を、次の原稿(次回給紙する原稿)の紙厚と比較するために、紙厚履歴として本体制御部111内の不揮発性メモリに記憶(設定)する。
ステップS37では、画像転送部507により、フレームメモリ120に蓄積された原稿の各読み取り面の読み取り画像データを読み取り面毎に順次転送する。このとき、その読み取り面毎に順次転送される読み取り画像データに対し、色味補正部506によって色味差補正が実施される。
次の原稿がある場合には、その原稿が給紙されるためステップS31に戻り、再びステップ31〜38の動作を順次行うが、その動作は次の原稿がなくなるまで繰り返し行われる。
図26は、図21に示した画像読取装置における全域検出方式を用いた原稿両面に対する読み取り動作の第2例を示すフローチャートである。
この画像読取装置では、ステップS52において、ステップS51で図1の原稿テーブル2から給紙された原稿が1枚目の原稿であるか否かを判断する。
続いて、ステップS55において、ステップS54で決定した補正係数(特定した原稿の紙厚でもよい)を本体制御部111内の不揮発性メモリに記憶する。
その後のステップS56では、色味補正部506により、ステップS54で算出(決定)した補正係数を用いて色味差補正を開始する。
その後、図1の原稿テーブル2から次に給紙すべき原稿がなくなり、ステップS59へ移行すると、不揮発性メモリ内の補正係数をクリアし、図26の動作を終了する。
この画像読取装置では、ステップS61,S62,S64〜S69において、図26によって説明した全域検出方式を用いた原稿両面に対する読み取り動作のうち、ステップS51,S52,S54〜S59の動作と同様の動作を行う。
ステップS63では、図24のステップS22の動作と同様の動作を行う。
なお、図23,図24,図26,図27によって説明した読み取り動作時における色味差補正の実施の有無やその実施時に使用する紙厚特定方式を、ユーザからの指示(実際にはユーザによる操作部上での操作によって発生する指示)によって予め設定しておくことも可能である。
図28は、図21に示した画像読取装置における原稿裏面の読み取り画像データのみに実施する色味差補正を含む全域検出方式と先端検出方式を用いた連続動作を示すタイミングチャートであり、(a)は全域検出方式を用いた連続動作を、(b)は先端検出方式を用いた連続動作をそれぞれ示している。
次に、この発明の第3実施形態である画像形成装置の機構部の構成について説明する。
図29は、この発明の第3実施形態である画像形成装置の機構部の構成例を示す全体構成図であり、図1,図4と同じ部分には同一符号を付している。
この画像形成装置は、図1の第1読取部20を図4に示した第1読取部301に変更した画像読取装置(両面同時読取装置)300を搭載する共に、プリンタを構成する本体装置500を備えている。よって、この画像形成装置は、第1又は第2実施形態の画像読取装置と同様の機能も有する。
また、通信機能を介して外部からファクシミリ受信した画像データ、あるいはインターネットを介して受信した画像データを可視画像として用紙に印刷することもできる。
さらに、画像読取装置300によって読み取った画像データをファクシミリ送信、あるいはインターネットを介した通信によって外部のファクシミリ装置や情報処理装置へ送ることもできる。
この本体装置500は、カラー印刷の場合、中間転写ベルト50に、各感光体51y〜51kに書き込まれた各トナー画像を重ねるように転写し、カラーのトナー画像を形成する。また、モノクロ印刷の場合、中間転写ベルト50に、感光体51kに書き込まれたブラックのトナー画像を転写し、モノクロのトナー画像を形成する。
なお、この画像形成装置の画像読取装置300を、図1に示したものに変更することも勿論できる。
このプログラムは、機器(第1又は第2実施形態の画像読取装置あるいは第3実施形の画像形成装置)を制御するコンピュータ(CPU)に、地肌出力検出手段,厚み算出手段,出力補正手段,色判断手段,および動作許可手段等としての機能を実現させるためのプログラムであり、このようなプログラムをコンピュータに実行させることにより、上述したような作用効果を得ることができる。
なお、この発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。
20,301:第1読取部 25:第2読取部 26:第2読取ローラ
32:搬送ガイド 100:コントローラ部 111:本体制御部
120,206:フレームメモリ 200,304:光源部 201:センサチップ
202:アンプ回路 203:A/Dコンバータ 204:黒補正部
205:画像処理部 207:出力制御回路 208:I/F回路
300:画像読取装置 305:第1反射ミラー 306:第1キャリッジ
307:第2反射ミラー 308:第3反射ミラー 309:第2キャリッジ
310:CCD 314:信号処理基板 500:本体装置
501:第1地肌検出部 502:第2地肌検出部 503:紙厚特定部
504:第1面蓄積部 505:第2面蓄積部 506:色味補正部
507:画像転送部
Claims (12)
- 光源が点灯された状態で原稿の表面を主走査方向に光走査して、該原稿の表面からの反射光をアナログ画像信号に変換し、該アナログ画像信号をデジタル信号に変換して出力することにより、前記原稿の表面画像を読み取る第1読取手段と、光源が点灯された状態で前記原稿の裏面を主走査方向に光走査して、該原稿の裏面からの反射光をアナログ画像信号に変換し、該アナログ画像信号をデジタル信号に変換して出力することにより、前記原稿の裏面画像を読み取る第2読取手段とを有し、前記第1読取手段と前記第2読取手段において異なる背景部材を用いる画像読取装置であって、
前記第1読取手段と前記第2読取手段の出力のうち、前記原稿の表面および裏面の地肌部分にそれぞれ対応する出力を地肌出力として検出する地肌出力検出手段と、
該地肌出力検出手段によって検出された前記第1読取手段と前記第2読取手段の地肌出力の比率から前記原稿の厚みを算出する厚み算出手段と、
該厚み算出手段による算出結果に基づいて、前記第1読取手段および前記第2読取手段による前記原稿の表面画像および裏面画像の読み取り時の出力を補正する出力補正手段とを設けたことを特徴とする画像読取装置。 - 前記第1読取手段および前記第2読取手段は、異なる光学系で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記第1読取手段および前記第2読取手段は、同じ光学系で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記出力補正手段は、前記厚み算出手段による算出結果に基づいて対応する補正係数を算出し、前記第1読取手段および前記第2読取手段による前記原稿の表面画像および裏面画像の読み取り時の出力を前記算出した補正係数を用いて補正することを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
使用可能な原稿の厚み毎に異なる補正係数を有する補正テーブルを記憶する記憶手段を設け、
前記出力補正手段は、前記厚み算出手段による算出結果に基づいて、前記補正テーブルから対応する補正係数を読み出し、前記第1読取手段および前記第2読取手段による前記原稿の表面画像および裏面画像の読み取り時の出力を前記読み出した補正係数を用いて補正することを特徴とする画像読取装置。 - 前記第1読取手段および前記第2読取手段は、それぞれ複数色のデジタル画像信号を出力する手段であり、
前記記憶手段は、前記補正テーブルとして前記複数色にそれぞれ対応する複数の補正テーブルを記憶する手段であり、
前記複数の補正テーブルは、それぞれ対応する色空間マトリックスを有することを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。 - 前記地肌出力検出手段は、前記第1読取手段と前記第2読取手段の前記原稿全体に対応する出力から地肌出力を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像読取装置。
- 前記地肌出力検出手段は、前記第1読取手段と前記第2読取手段の前記原稿の先端に対応する出力から地肌出力を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像読取装置。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記地肌出力検出手段によって検出された地肌出力に応じて前記原稿の色を判断する色判断手段を設けたことを特徴とする画像読取装置。 - 前記厚み算出手段は、前記地肌出力検出手段によって検出された前記第1読取手段と前記第2読取手段の赤色,緑色,又はブルーの地肌出力の比率から前記原稿の厚みを算出することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像読取装置。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
複数枚の原稿を1枚ずつ前記第1読取手段および前記第2読取手段によって画像読み取りが可能な位置に自動給送する自動原稿給送手段と、
該自動原稿給送手段によって1枚目の原稿が給送された場合にのみ、前記地肌出力検出手段および前記厚み算出手段の動作を許可する動作許可手段と、
前記厚み算出手段による算出結果を記憶する記憶手段とを設け、
前記出力補正手段は、前記自動原稿給送手段によって2枚目以降の原稿が給送された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記算出結果に基づいて、前記第1読取手段および前記第2読取手段による前記2枚目以降の原稿の表面画像および裏面画像の読み取り時の出力を補正することを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像読取装置を備え、該画像読取装置から出力されるデジタル画像信号に基づいて画像形成を行うようにしたことを特徴とする画像形成装置。
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