JP5909172B2 - 融合タンパク質の自己タンパク質分解切断による組換えタンパク質の産生 - Google Patents

融合タンパク質の自己タンパク質分解切断による組換えタンパク質の産生 Download PDF

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Description

本発明は、細菌宿主細胞において明確に定義された相同N末端を有する目的とする対象異種ポリペプチドを組換え産生するための方法に関し、この方法では、まず、ペスチウイルスのオートプロテアーゼNproの誘導体と、対象異種ポリペプチドとを含む融合ポリペプチドが、宿主細胞での発現により提供される。該対象異種ポリペプチドは、宿主細胞において細胞質封入体の形態で産生され、その後、これらを単離し、目的の異種ポリペプチドがNproの自己タンパク質加水分解活性により該融合ポリペプチドから切断されるように処理する。
細菌細胞におけるヒトまたは他の真核生物のタンパク質の発現のような、異種生物における組換えタンパク質の産生では、極力100%に近い相同性を持つ、明確に定義されたN末端を得るのが困難な場合が多い。特に、多くの場合でそのアミノ酸配列がヒト/動物に天然に存在するアミノ酸配列と同じであったほうがよい組換え医薬タンパク質ではそうである。
例えばヒトで本来の発現をした場合、治療用にも使用される多くの医薬タンパク質は細胞外間隙へ輸送される。そのためシグナル配列が前駆タンパク質に存在し、このシグナル配列が切断される結果、明確に定義されたN末端が生じる。いくつかの理由から、このような相同N末端は、例えば細菌細胞で容易に産生される場合ばかりではない。
工業規模での産生では、多くの医薬タンパク質は細菌細胞、例えば、大腸菌(Escherichia coli)の細胞質で産生される。これらの宿主細胞では、医薬タンパク質が十分な量蓄積し、多くの場合、細胞内に不溶性の封入体(IB)として沈着している。これらのIBは、目的タンパク質の後処理や精製に非常に有利である。さらに、IBの形態で発現するタンパク質は、細胞内プロテアーゼによる分解から保護される。
本明細書において「封入体」とは、形質転換した宿主細胞の細胞質に存在する、異種ポリペプチドを含む凝集物を指す。これらは顕微鏡下で輝点として観察され、細胞質を分離により回収することができる。
しかしながら、IB物質の産生には、発現されたタンパク質のin vitroでのリフォールディングが必要である。これは多くの場合、それ自体公知の方法により行うことができる。
目的タンパク質が好適な原核生物または真核生物のシグナル配列の助けで細菌周縁質に輸送される場合がわずかながら存在する。この細菌輸送機構の輸送能は低いので、この場合、通常、極めて少量の生成物しか蓄積できない。
しかしながら、細菌の細胞質は、真核生物の細胞外間隙とは著しく異なる。1つの違いは、細菌の細胞質内では還元条件が優勢であることであり、また、N末端リーダー配列を切断して成熟タンパク質を生じる機構がないということにある。細胞質タンパク質の合成は全てメチオニンで始まり、適当な開始コドンで示される(ATG=翻訳の開始)。このN末端メチオニンは多くのタンパク質で保持されているが、一方で、細胞質中に存在し、その宿主に固有のメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)により切断されている場合もある。この切断の効率は本質的に、1.それに続くアミノ酸の性質と、2.そのタンパク質の三次元構造におけるN末端の位置の、2つのパラメーターに依存する。このN末端メチオニンは、それに続くアミノ酸がセリン、アラニン、グリシン、メチオニンまたはバリンである場合、また、N末端が露出している、すなわち、タンパク質内に「隠れていない」場合には優先的に欠失している。それに続くタンパク質が違うもの、特に、荷電しているもの(グルタミン酸、アスパラギン酸、リシン、アルギニン)である場合、またはN末端がタンパク質内に位置する場合には、N末端メチオニンの切断は起こらないことが多い。
切断を促すアミノ酸が2番の位置に存在していても、滅多に切断は完了しない。目的タンパク質のかなりの割合(1〜50%)がMAPにより影響を受けずに残るのは普通である。
しかしながら、これらの産物はしばしば種々の免疫特性(例えば、抗体形成の誘導)および薬理特性(半減期、薬物動態)を示すので、天然配列からのこの異種性または逸脱は許容されない場合が多い。このような理由から、ほとんどの場合で、本質的に同一な産物(相同であり、かつ、N末端に外来アミノ酸を含まない)を産生する必要がある。細胞質発現の場合、ほとんどの場合で救済策は、特定のエンドペプチダーゼ(例えば、因子Xa、エンテロキナーゼ、KEXエンドペプチダーゼ、IgAプロテアーゼ)またはアミノペプチダーゼ(例えば、ジペプチジルアミノペプチダーゼ)の切断配列(リーダー)と目的タンパク質のN末端とを融合させることである。しかしながら、これによりその後の後処理、いわゆるタンパク質の下流プロセシングに追加工程が必要になり、費用と材料を費やさなければならない。さらに、IBが存在すれば、多くの場合でリーダー配列によるリフォールディングの妨害、または完全な阻害すら起こる。
ペスチウイルスのオートプロテアーゼNproを含む融合ポリペプチドは、この点で特に有用である。ペスチウイルスのオートプロテアーゼNproは、常に、明確に定義された部位で融合相手を切断し、相同N末端を有する対象ポリペプチドを放出する。さらに、このNproの自己タンパク質分解活性は、in vitroにおいて特殊なバッファーを適用することで誘導でき、その結果、IBで発現した融合ポリペプチドの切断により対象ポリペプチドを取得できる。
ペスチウイルスは、mRNAとしてそのまま働き、12.3kbの大きさで、細胞質中でウイルス遺伝子産物が転写されるゲノムを持つ小型のエンベロープウイルスである。これは、約4000アミノ酸を含み、ウイルスのプロテアーゼによっても細胞のプロテアーゼによっても約12の成熟タンパク質へと分解される1つのポリプロテインの形態で生じる。
ペスチウイルスは、CSFV(豚コレラウイルス(classical swine fever virus))、BDV(ボーダー病ウイルス)およびBVDV(ウシ下痢ウイルス)のサブクラスを含む。
proは168アミノ酸長で、見掛けのMが約20,000(in vivo)のオートプロテアーゼである。Nproはペスチウイルスのポリプロテインの最初のタンパク質であり、それに続くヌクレオキャプシドタンパク質Cから自己タンパク質分解切断を受ける。この切断はNproの配列の最後のアミノ酸であるCys168の後で起こる。
in vitroにおけるNproの自己タンパク質分解の活性化は特定の復元条件だけを感受することから、対象異種ポリペプチドの産生のための、ペスチウイルスの天然型オートプロテアーゼNproの使用は限定されたものであるといえる。in vitroにおいてNproの切断活性を見込めるこれらの条件は、対象異種ポリペプチドの産生のためのいくつかの状況で必要または望ましいものとなる他の特定の相互作用に対しては阻害的である。このような相互作用の一例として、例えば選択的ペプチド−タンパク質親和性などのある種の生体特異的親和性が挙げられる。また、パラメーターの他の要件のため、ある特定のプロセスがNproに対して好適な復元条件を作り出せないようにしており、その結果、Nproはこれらのプロセスでは使用できない。よって、ペスチウイルスの天然型Nproは、ある種の対象ポリペプチドの産生やある種の条件下での使用には適さないことがある。従って、切断効率を高めるため、高収率の対象タンパク質を得るため、また、幅広い条件下でNproを使用可能とするために、特性の向上したペスチウイルスのNproが必要とされ、これにより新たな産生方法の適用が可能となる。
発明の概要
本発明において、驚くことに、低いpIを有し、溶解度が高められた、ペスチウイルスの天然型オートプロテアーゼNproのある種の誘導体が広範な条件で使用に好適であることが見出された。さらに、これらの誘導体は驚くことに、in vitroにおいて改良された自己タンパク質分解活性を有することが見出された。
よって、本発明の範囲内で、相同なN末端を有する、対象異種ポリペプチドの産生のための改良法が提供され、また、ペスチウイルスのオートプロテアーゼNproの誘導体の使用も本発明の一部となる。
発明の詳細な説明
本発明は、対象異種ポリペプチドの組換え産生のための方法に関し、その方法は、
(i)融合ポリペプチドをコードする核酸分子を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養すること、ここで、該融合ポリペプチドは、ペスチウイルスの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されているペスチウイルスのオートプロテアーゼNproの誘導体と、異種ポリペプチドであり、該誘導体とその誘導体のC末端において、該誘導体の自己タンパク質分解活性により該融合ポリペプチドから第二のポリペプチドが切断され得るように連結されている、第二のポリペプチドとを含み、該培養は融合ポリペプチドを発現させ、対応する細胞質封入体を形成させる条件下で行う、
(ii)該宿主細胞から該封入体を単離すること、
(iii)単離した封入体を可溶化すること、
(iv)該融合ポリペプチドから異種ポリペプチドの自己タンパク質分解切断を誘導すること、および
(v)切断された異種ポリペプチドを単離すること
を含む。
本発明の誘導体が由来する好ましいペスチウイルスのオートプロテアーゼNproは、下記のアミノ酸配列:
配列番号1:
Figure 0005909172
を有するCSFVのオートプロテアーゼNproである。
本発明の範囲内で、上記の配列は、改良された特性を持つ融合ポリペプチドを生成するために突然変異させるが、この融合ポリペプチドは、ペスチウイルスの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されているペスチウイルスのオートプロテアーゼNproの誘導体と、異種ポリペプチドであり、該誘導体とそのC末端において、該オートプロテアーゼの自己タンパク質分解活性により該融合ポリペプチドから第二のポリペプチドが切断され得るように連結されている、第二のポリペプチドとを含む。
よって、本発明は、本発明の方法において融合タンパク質のN末端部分として使用されるペスチウイルスの天然型Nproのこのような誘導体に関する。これらの誘導体は、異種タンパク質の産生方法の範囲内で用いられる融合タンパク質の一部であるという意味で本発明の一部であり、本発明はこれにも関する。
別の態様において、本発明は、凝集傾向の小さい、天然型Nproペスチウイルスの誘導体に関する。
本発明の範囲内で、このようなペスチウイルスの天然型Nproの誘導体は、システイン残基の数が減っているものが好ましい。
本発明の範囲内で、CSFVの天然型Nproの誘導体が特に好ましい。
よって、本発明は、CSFVの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体に関する。
従って、本発明はまた、別の態様において、融合ポリペプチドが、CSFVの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法にも関する。
好ましくは、本発明は、C112、C134およびC138からなる群から選択されるCSFVの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体に関する。
よって、別の態様において、本発明は好ましくは、融合ポリペプチドが、C112、C134およびC138からなる群から選択されるCSFVの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。
C112、C134およびC138からなる群から選択されるCSFVの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基がグルタミン酸残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体がいっそうさらに好ましい。
よって、別の態様において、本発明はより好ましくは、融合ポリペプチドが、C112、C134およびC138からなる群から選択されるCSFVの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基がグルタミン酸残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。
下記のアミノ酸配列:
配列番号2:
Figure 0005909172
を含むCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体がさらに好ましい。
よって、本発明の別の態様において、本発明はさらに好ましくは、融合ポリペプチドが、配列番号2の配列を含むCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。
誘導体の溶解度は次のようにして求める。
72時間後、個々のNpro誘導体の濃縮溶液を遠心分離し、そのペレットを溶解し、SDSゲル電気泳動にかける。この上清の一部をプローブバッファーと合わせ、SDSゲル電気泳動にかける。電気泳動後、バンドをクーマシーブルーで染色し、AlphaDigiDoc(商標)系を用いて濃度計により定量し、沈殿した物質の量を算出する。試験の詳細は、実施例2を参照。
バッファーのイオン強度は、特定の産生方法をしばしば制限する。よって、本発明は、さらなる態様において、ペスチウイルスの天然型Nproよりも中性に近いペスチウイルスの天然型Nproの誘導体に関する。発現させる融合ポリペプチドのペスチウイルス部分のNproのpIは、第二のポリペプチド(対象ポリペプチド)のpIにできるだけ近くなるようにするのが好ましい。例えば、融合ポリペプチドのペスチウイルス部分のNproは、5.5〜9.5、特に6.0〜9.0のpIを有し得る。
よって、本発明の範囲内で、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基が酸性アミノ酸残基で置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体がさらに好ましい。
よって、別の態様において、本発明は、融合ポリペプチドが、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基が酸性アミノ酸残基で置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法がさらに好ましい。
上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、下記のアミノ酸:H5、K16、N35、R53、G54、R57、L143、K145およびR150のうち少なくとも1つがさらに交換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体がさらに好ましい。好ましい例としては、下記のアミノ酸:アルギニン(R)53がグルタミン酸(E)に、グリシン(G)54がアスパラギン酸(D)に、アルギニン(R)57がグルタミン酸(E)に、そしてロイシン(L)143がグルタミン(Q)に交換されている誘導体がある。
よって、別の態様において、本発明は、融合ポリペプチドが、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、下記のアミノ酸:アルギニン(R)53がグルタミン酸(E)に、グリシン(G)54がアスパラギン酸(D)に、アルギニン(R)57がグルタミン酸(E)に、そしてロイシン(L)143がグルタミン(Q)に交換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法がさらに好ましい。
本発明のもう1つの好ましい実施態様では、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体は下記のアミノ酸配列:
配列番号3:
Figure 0005909172
を含む。
よって、別の態様において、本発明はまた、融合ポリペプチドが、配列番号3の配列を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法にも関する。
さらに別の態様において、本発明は、ペスチウイルスの天然型Nproと比べて、低い凝集性とより中性に近いpIに加え、さらに高い溶解度を示すペスチウイルスの天然型Nproの誘導体に関する。
溶解度は上記のように測定する。
よって、本発明は、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基が親水性残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体に関する。
よって、別の態様において、本発明はまた、融合ポリペプチドが、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基が親水性残基で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。
本発明の範囲内で、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、さらに下記のアミノ酸:V24、A27、L32、G54、L75、A109、V114、V121、L143、I155およびF158のうち少なくとも1つが置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体が好ましい。好ましい例としては、下記のアミノ酸:アラニン(A)109、バリン(V)114、イソロイシン(I)155およびフェニルアラニン(F)158がトレオニン(T)に交換されている誘導体がある。
よって、別の態様において、本発明は好ましくは、融合ポリペプチドが、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、下記のアミノ酸:アラニン(A)109、バリン(V)114、イソロイシン(I)155およびフェニルアラニン(F)158で置換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。別に、本発明の範囲内で、より好ましいCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体は下記のアミノ酸配列:
配列番号4:
Figure 0005909172
を含む。
よって、別の態様において、本発明はより好ましくは、融合ポリペプチドが、配列番号4の配列を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。
本発明の範囲内で、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、下記のアミノ酸:アラニン(A)109、バリン(V)114、イソロイシン(I)155およびフェニルアラニン(F)158がトレオニン(T)に、アルギニン(R)53がグルタミン酸(E)に、グリシン(G)54がアスパラギン酸(D)に、アルギニン(R)57がグルタミン酸(E)に、そしてロイシン(L)143がグルタミン(Q)に交換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体がいっそうより好ましい。
よって、別の態様において、本発明は、いっそうより好ましくは、融合ポリペプチドが、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、下記のアミノ酸:アラニン(A)109、バリン(V)114、イソロイシン(I)155およびフェニルアラニン(F)158がトレオニン(T)に、アルギニン(R)53がグルタミン酸(E)に、グリシン(G)54がアスパラギン酸(D)に、アルギニン(R)57がグルタミン酸(E)に、そしてロイシン(L)143がグルタミン(Q)に交換されているCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。
最も好ましくは、本発明のCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体は下記のアミノ酸配列:
配列番号5:
Figure 0005909172
を含む。
よって、別の最も好ましい態様において、本発明はまた、融合ポリペプチドが配列番号5の配列を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような方法に関する。
別の同様に好ましい態様において、本発明は、融合ポリペプチドが、さらにアスパラギン(N)35はトレオニン(T)で置換され、かつ、トレオニン(T)158がセリン(S)で置換されている、配列番号5の配列を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような異種タンパク質の産生方法に関する。
本発明の上記態様に従う方法で用いられるCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体もまた本発明の一部をなし、下記のアミノ酸配列:
配列番号32:
Figure 0005909172
を含む。
別の好ましい態様において、本発明は、融合ポリペプチドが、さらにアラニン(A)28がグルタミン酸(E)で置換され、セリン(S)71がフェニルアラニン(F)で置換され、アルギニン(R)150がヒスチジン(H)で置換されている、配列番号32の配列を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体を含む、上記のような異種タンパク質の産生方法に関する。
本発明の上記態様に従う方法で用いられるCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体もまた本発明の一部をなし、下記のアミノ酸配列:
配列番号33:
Figure 0005909172
を含む。
本発明の方法において好ましくは、配列番号32の配列を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体は、プロインスリンの産生のために、少なくともプロインスリンの最初の3つのアミノ酸を含むタンパク質との、より好ましくはプロインスリンとの、さらにより好ましくはヒトプロインスリンとの、最も好ましくは組換えヒトプロインスリンとの融合に用いられる。
本発明によれば、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体が、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、下記のアミノ酸:アルギニン(R)53、グリシン(G)54、アルギニン(R)57、トレオニン(T)109、114、155、158およびロイシン(L)143のうち少なくとも1つが交換されていれば好ましい。本発明の好ましいCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体は、上記のような少なくとも1つのシステイン残基の置換に加え、下記のアミノ酸:アルギニン(R)53がグルタミン酸(E)に、グリシン(G)54がアスパラギン酸(D)に、アルギニン(R)57がグルタミン酸(E)に、トレオニン(T)109、114、155、158がセリン(S)に、そしてロイシン(L)143がグルタミン(Q)またはアスパラギン(N)またはアスパラギン酸(D)またはセリン(S)またはヒスチジンに交換されている。
本発明の上記態様の方法で用いられる、このような好ましいCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体もまた本発明の一部をなし、下記のアミノ酸配列:
配列番号34
Figure 0005909172
配列番号35
Figure 0005909172
配列番号36
Figure 0005909172
配列番号37
Figure 0005909172
配列番号38
Figure 0005909172
を含む。
本発明の一部である上記のCSFVの天然型Nproの誘導体は、CSFVの天然型Nproよりも向上した特性を有し、従って、タンパク質産生効率の増進に好適である。本発明に記載の誘導体のリフォールディングは、in vitroにおいて、例えば天然型Nproが機能しなくなる低イオン強度下などの広範な条件で誘導することができる。よって、上記の誘導体は天然型Nproが上手く使用できない反応条件下で用いるのに好適である。本発明の直前に記載した誘導体は、特に広範な反応条件での使用に適していることから、本発明の範囲内で特に好ましい。
さらなる態様において、 本発明は、本発明の対象異種ポリペプチドの産生方法における、上記のCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体のいずれかの使用に関する。
よって、本発明の対象異種ポリペプチドの組換え産生方法において、融合ポリペプチドは上記のCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体のいずれか1つを含む。
本発明の好ましい実施態様では、異種ポリペプチドの自己タンパク質分解切断の誘導は、リフォールディングを促進する条件下で融合ポリペプチドを希釈することにより行う。これにより、不活性な融合ポリペプチドはリフォールディングされて活性化する。
特に好ましい実施態様では、この可溶化物は、アルギニンの終濃度が1.0Mまで、好ましくは0.4〜0.6Mとなるようにアルギニン含有バッファーで希釈する。あるいは、可溶化された封入体を適当なアルギニン含有切断バッファーに対して透析することでも希釈が可能である。
この切断用の反応溶液の温度は、例えば、0℃〜30℃の間である。温度は好ましくは10℃〜20℃である。
この反応溶液のpHは、例えば、5.0〜9.0である。pHは好ましくは7.0〜8.0、特には7.0〜7.5である。最も好ましくは、pHは7.4である。
適当であれば、この反応溶液は0.5〜100mM濃度のDTTを含む。DDT濃度は好ましくは約5.5mMである。
切断の際の反応溶液中のタンパク質濃度は、例えば、20〜150μg/mlの範囲である。タンパク質濃度は好ましくは40μg/ml未満である。
この反応溶液は、切断の際、例えば1.5Mまでの濃度のトリス/HClを含み得る。トリス/HCl濃度は好ましくは0.4M〜1.2Mの間である。
反応溶液は例えば0.2〜1%の範囲の濃度でグリセロールを含み得る。より好ましくは、グリセロール濃度は5%である。
また、反応溶液は約1〜3mM EDTAの範囲のEDTAを含み得る。好ましくは、EDTA濃度は2mMである。
アルギニン含有バッファーおよび/またはトリス/HCl含有バッファーの代わりに他のバッファー系も可能である。
特に好ましい実施態様では、切断バッファーのpHは7.4であり、切断の際の温度は10℃〜20℃であり、切断バッファーは、還元剤として約10mMのDTT、0.5M NaCl、5%グリセロール、および2mM EDTAを含む。
最後に、融合ポリペプチドから切断された異種ポリペプチドは、それ自体公知の方法で単離される。
本発明のもう1つの好ましい実施態様では、異種ポリペプチドの自己タンパク質分解切断の誘導は、その不活性型での自己タンパク質分解部分に対するアフィニティークロマトグラフィー系に融合ポリペプチドを結合させ、その後、リフォールディングバッファーを適用することにより行う。特に、第一段階で、融合ポリペプチドをクロマトグラフィー系に結合させる。結合を維持しつつ、融合ポリペプチドの自己タンパク質分解がその活性を回復するように条件を変化させる。対象ポリペプチドは切断されて溶出するが、融合ポリペプチドの自己タンパク質分解部分はクロマトグラフィー系に結合したままである。
本発明の特に好ましい実施態様では、アフィニティークロマトグラフィー系はカラムであり、融合ポリペプチドは変性により不活性化される。よって、自己タンパク質分解活性の再活性化は、リフォールディングバッファーの適用、そして、融合ポリペプチドのリフォールディングによって誘導される。
本発明の特に好ましい実施態様では、リフォールディングは、次の組成のバッファー中で行う:0.5M NaCl、20mMリン酸ナトリウム、5%グリセロール、2mM EDTA、10mM DTT、0.01% Brij、pH7.4。
本明細書において次の用語は下記の意味を有するものとする。
「対象異種ポリペプチド」とは、天然型融合ポリペプチドまたはポリプロテインから、ペスチウイルスのオートプロテアーゼNproによって本来は切断されないポリペプチドを意味する。異種ポリペプチドの例としては、工業用酵素(製造用酵素)または、医薬活性、特にヒトに対する医薬活性を有するポリペプチドがある。
「融合ポリペプチド」とは、2つ以上のポリペプチドからなるポリペプチドを指す。特に本明細書では、融合ポリペプチドはアフィニティータグ、自己タンパク質分解部分、好ましくはオートプロテアーゼ、および対象ポリペプチドを含み得る。
「対象ポリペプチド」とは、相同N末端を持って産生されるポリペプチドを指す。
本発明によれば、対象ポリペプチドを、自己タンパク質分解により切断される融合ポリペプチドの一部としてコードする発現ベクターを使用することができる。本発明によれば、このような発現ベクターを用いて様々な対象ポリペプチドが産生できる。例えば、対象ポリペプチドは薬理活性を示すものがあり、例えば、インターフェロン、インターロイキン、成長ホルモン、増殖因子、サイトカイン、酵素、酵素阻害剤、抗体および抗体フラグメントなど、例えば、インターフェロンα2A、インターフェロンα2B、インターロイキン−3、インターロイキン−6、ヒト成長ホルモン、(プロ)インスリン、インスリン様増殖因子、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、マクロファージコロニー刺激因子、インターフェロンβ1、ウシソマトロピン、ブタソマトロピン、インターロイキン11、インターロイキン−2、Fabフラグメント;およびカルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、またはグルカゴン、CD40リガンド可溶型、プラスミノーゲンアクチベーター、性ステロイド結合タンパク質、上皮細胞増殖因子、組織因子細胞外ドメインなどの小ペプチドからなる群から選択することができる。
また、対象ポリペプチドは他のいずれの種のポリペプチドでもよく、特に、例えば緑色蛍光タンパク質など、分析法に特に適しているポリペプチドがある。
本発明の方法で用いられる発現ベクターにおいて、融合ポリペプチドは少なくとも1つの発現制御配列に作動可能なように連結されている。発現制御配列としては、特に、プロモーター(lac、tac、T3、T7、trp、gac、vhb、ラムダpLまたはphoAプロモーターなど)、リボソーム結合部位(例えば、上記のプロモーターに属する天然リボソーム結合部位、croまたは合成リボソーム結合部位)、または転写ターミネーター(例えば、rrnB T1T2またはbla)がある。
ベクターはまた、下記のように、融合ポリペプチドのN末端に存在し、例えばポリリジンのようなポリアミノ酸などのアフィニティークロマトグラフィー系との結合のために、またはイムノアフィニティークロマトグラフィー、いわゆる「エピトープタグ」(通常、それに対する特異的抗体が入手可能な短いペプチド配列)に必要な、融合タンパク質をコードする配列も含み得る。それに対する特異的モノクローナル抗体が容易に入手できる周知のエピトープタグとしては、FLAG、インフルエンザウイルス凝集素(HA)、およびc−mycタグが挙げられる。
本発明の好ましい実施態様では、発現ベクターはプラスミドである。
本発明の方法で用いられる細菌宿主細胞は、例えば、次の微生物群:エシェリキア属、例えば、大腸菌(Escherichia coli)などのグラム陰性菌、または他のグラム陰性菌、例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)などのシュードモナス種もしくはカウロバクター・クレセンドス(Caulobacter crescendos)などのカウロバクター種、またはバチルス種、特に枯草菌(Bacillus subtilis)などのグラム陽性菌から選択することができる。宿主細胞としては大腸菌が特に好ましい。
本明細書において「形質転換宿主細胞」とは、異種ポリペプチドをコードするベクターを含む細胞を指す。
細菌宿主細胞、すなわち、発現株は、それ自体公知の微生物学の実践に従って培養する。この株は通常、栄養培地上の単一のコロニーから得られたものであるが、低温保存細胞懸濁液(細胞バンク)を使用することもできる。この株は通常、さらなる使用のために十分なバイオマスを得るために多段階法で培養する。
小規模の場合は、培養は振盪フラスコで行い、ほとんどの場合で複合培地(例えば、LB培養液)を使用できる。しかしながら、定義された培地(例えば、クエン酸培地)を使用することもできる。培養には、少量の宿主株予備培養物(単一コロニーまたは低温培養物からの細胞懸濁液を接種したもの)を増殖させるが、この培養の温度は通常その後の発現には重要ではないので、慣例的には比較的高温(例えば、30℃または37℃)で操作することができる。主培養物は大容量(例えば、500ml)に設定し、この場合には、特に良好なエアレーションを確保する必要がある(内容量に対してフラスコを大きくする、回転速度を上げる)。不溶性封入体の形態で発現させることを意図するので、この主培養もほとんどの場合、比較的高温(例えば、30℃または37℃)で行う、誘導系は封入体を産生するのに特に適している(例えば、trp、lac、tacまたはphoAプロモーターを使用)。これらの場合、対数増殖後期に達した後(通常、振盪フラスコ中、光学濃度0.5〜1.0)、インデューサー物質(例えば、インドールアクリル酸、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド=IPTG)を加え、1〜5時間インキュベーションを続ける。この時間中、大部分のNpro融合ポリペプチドは細菌細胞質に封入体として沈着する。得られた細胞を採取し、さらに処理する。
大規模の場合、この多段階系は複数のバイオリアクター(ファーメンター)からなり、この場合、この方法のプロセスエンジニアリング制御を改良することができるよう、定義された栄養培地を用いるのが好ましい。さらに、特に栄養素の計量によりバイオマスおよび生成物に形成を高め得る可能性が大きい(フェッドバッチ)。それ以外の点では、この方法は振盪フラスコの場合と同様である。例えば、予備段階ファーメンターと主要段階ファーメンターを用い、培養温度は振盪フラスコの場合と同様に選択する。予備段階ファーメンターに、通常、単一コロニーまたは振盪フラスコ中の低温培養物から増殖させた、いわゆるイノキュラムを接種する。ファーメンターではまた、特に、その主要段階では、良好なエアレーションと十分なインデューサー濃度を確保しなければならない。しかしながら、この誘導期は振盪フラスコの場合に比べて明らかに長くしなければならない場合もある。ここでも、得られた細胞を回収し、さらに処理する。
本発明の方法では、封入体を、それ自体公知の方法で宿主細胞から単離する。
例えば、発酵を行った後、宿主細胞を遠心分離、精密濾過、凝集またはそれらの組合せ、好ましくは遠心分離により採取する。この湿潤細胞塊を、高圧ホモジナイザー、ビーズミル、フレンチプレス、ヒューズプレス、浸透圧ショック、洗剤、酵素的溶解、またはそれらの組合せなどの機械的、化学的または物理的手段によって崩壊させる。好ましくは、細胞の破砕は高圧ホモジナイゼーションにより行う。組換え融合ポリペプチドが封入体として沈着する好適な場合では、封入体は例えば、高圧分配により、または好ましくは単に低速での遠心分離により得ることができる。封入体は遠心分離または精密濾過またはその組合せによって分離する。次に、目的の対象ポリペプチドに関する純度は、封入体を、例えばNaCl(例えば、0.5〜1.0M)および/または洗剤(例えば、トリトンX−100)の存在下、種々のバッファーに複数回再懸濁させることにより高めることができる。好ましくは、封入体調製物の純度は、種々のバッファーで数回洗浄することで高められる(例えば、0.5%デオキシコール酸塩、次いで1M NaCl溶液で2回、最後に蒸留水)。通常、これにより封入体中の外来ポリペプチドが大部分除去される。
本明細書において「可溶化」とは、封入体の溶解に必要なプロセスを指す。可溶化の結果、最小限の分子内および分子間の相互作用でポリペプチドの一分子分散が行える。
本発明の範囲内で封入体の可溶化の好ましい方法は、50mMトリス/HCl、8M尿素、pH7.3に懸濁させ、結果的に存在するシステイン残基の酸化を防ぐために還元剤、例えば、50mM DTT、4〜8M塩酸グアニジニウムまたはグアニジニウムSCNを加えることで行われる。必要であれば、例えば遠心分離により存在し得る不溶性物質を除去することができる。
細胞内で可溶の不活性融合ポリペプチドが産生される場合、明澄化した細胞ホモジネートに対し、この細胞ホモジネートはすでに希釈されているので希釈工程を除き、可溶化封入体に関して上記したさらなる後処理を行う。
好ましい実施態様では、この可溶化物を、トリス/HClの終濃度が1.5Mまで、好ましくは0.4〜1.2Mとなるようにトリス/HCl含有バッファーで希釈する。あるいは、可溶化された封入体を適当なトリス/HCl含有切断バッファーに対して透析することでも希釈が可能である。トリス/HClは、適当な緩衝物質、例えば20mMリン酸ナトリウムが加えられる場合には、他の塩、例えば0.2〜1.5M NaClに置き換えることができる。
切断のための反応溶液の温度は、例えば0℃〜30℃の間である。温度は好ましくは10℃〜20℃である。
反応溶液のpHは、例えば5.0〜9.0である。pHは好ましくは7.0〜8.0、特には7.0〜7.5である。最も好ましくは、pHは7.4である。
適当であれば、反応溶液は、0.5〜100mM濃度のDTTを含む。DDT濃度は好ましくは約10mMである。
切断の際の反応溶液のタンパク質濃度は、例えば、20〜150μg/mlの領域である。タンパク質濃度は好ましくは40μg/ml未満である。
反応溶液は、切断の際、例えば1.0Mまでの濃度のアルギニンを含み得る。トリス/HCl濃度は好ましくは0.4M〜0.6Mの間である。
反応溶液は、例えば、0.2〜30%の間の濃度範囲のグリセロールを含み得る。より好ましくは、グリセロール濃度は5%である。
また、反応溶液は約1〜3mM EDTAの範囲のEDTAを含み得る。好ましくは、EDTA濃度は2mMである。
アルギニン含有バッファーおよび/またはトリス/HCl含有バッファーの代わりに他のバッファー系も可能である。
特に好ましい実施態様では、切断バッファーのpHは7.4であり、切断の際の温度は10℃〜20℃であり、切断バッファーは、還元剤として約10mMのDTT、0.5M NaCl、20mMリン酸ナトリウム、5%グリセロール、および2mM EDTAを含む。
最後に、融合ポリペプチドから切断された異種ポリペプチドは、それ自体公知の方法で単離される。
本発明を以下の実施例を参照してさらに説明するが、これらの実施例は単に例示であり、限定されるものではない。特に、これらの実施例は本発明の好ましい実施態様に関するものである。
本発明をもってすれば、広範な組換えタンパク質(または「対象ポリペプチド」)、特に、通常の系で発現すると問題となるタンパク質、例えば宿主細胞に毒性作用を有するタンパク質、不溶性または溶解度の低いタンパク質、溶解性に他の不利な点があるタンパク質(例えば、短いタンパク質)を発現および産生することができる。本誘導体はまた、特定の融合構築物または特定の活性化状態の形態で、切断率、発現率、全体的な産生率に向上を示す。さらに、本構築物を有する封入体での発現は、上述の問題に有利な結果を示す(例えば、実施例11参照)。
例えば、小タンパク質は、細菌細胞内ですぐに分解されるので、一般に大腸菌での発現率は低いが、本発明の構築物は高い発現レベルを可能とする(実施例14参照)。
実施例1、3、4、5、8および9では、本発明の方法の種々の態様を用いたプロインスリンの産生を記載する。プロインスリンの配列は下記の配列番号6に示され、この配列の太字でない部分を形成する。以下、便宜上、プロインスリンをインスリンと呼ぶ場合がある。
実施例1
配列番号5を有するNpro誘導体(EDDIE)を用いたリフォールディングによる対象異種ポリペプチド(インスリン)の産生
1.1 誘導体の作製
1.1.1 突然変異PCR
Operon Biotechnologies Inc. (1000 Atlantic Avenue, Suite 108 Alameda, CA 94501, USA)により特注合成され、pUC119(NCBI #U07650: National Centre for Biotechnology Information Plasmid Database, National Library of Medicine, Building 38A, Bethesda, MD 20894, USA)に挿入されたNpro−プロ−インスリン(配列番号6):
Figure 0005909172
のDNA配列を含む構築物から。この構築物から、太字で示された必要なNpro配列を、次のプライマー対:Npro−F−NdeI(配列番号20)とNpro−R−SalI(配列番号21)を用いてPCRにより増幅し、新たに作出されたNdeIおよびSalI(下記表1の太字の文字)を介してベクターpET30a(#69909−3、2002−2003カタログ,Novagen, CN Biosciences Inc., Merck KgaA, Darmstadt, Germany)に挿入し、S−Np−6H−pET30aを作出する。S−Np−6H−pET30aからNpro配列を2種の標準的50μl PCR反応、すなわち、1つは50pmol Npro−F−NdeIプライマー(配列番号20)および表1(配列番号8、10、12、14、16、18)から選択される50pmolの1つリバース突然変異、5単位のTaq DNAポリメラーゼ(#GC 002004,カタログ2004 Genecraft, Treskow Strabe 10, D-48163 Munster, Germany)、1×PCRバッファー(#GC 002006 カタログ2004,Genecraft)および各 )20nmolのdNTP混合物(#GC 013004,カタログ2004,Genecraft);もう1つは50pmol Npro−R−SalIプライマー(配列番号21)および表1(配列番号7、9、11、13、15、17)から選択される50pmolの1つのフォワード突然変異プライマー、5単位のTaq DNAポリメラーゼ、1×PCRバッファーおよび各20nmolのdNTP混合物で増幅する。PCR反応は、次のプログラム:94℃3分;94℃30秒、54℃30秒、68℃1分の25サイクル;最後に68℃、7分インキュベーションを用い、ヒートリッドサーモサイクラーにて行う。
1.1.2 PCRによる変異体の増幅
表1に示す変異体プライマーを用いて個々のアミノ酸変化を導入する。両PCRを100分の1ずつ組み合わせ、上記のように標準的50μl PCR反応にて、50pmolのNpro−F−NdeIプライマー(配列番号20)と50pmolのNpro−R−SalIプライマー(配列番号21)を用いて増幅させる。遊離プライマーをQIAquick PCR精製キット(Qiagen GmbH, Qiagen Strasse 1, D 40724 Hilden, Cat. Nr.28104, Quiagen product guide 2005)により、製造業者の推奨に従って除去する。これらのPCR断片をNdeIおよびSalI制限部位を介してベクターpET30aに挿入する。その後、この構築物を次の突然変異工程に用いる。この突然変異工程は、目的のNpro誘導体を作出するのに必要なアミノ酸変異を導入する複数の連続工程で行う。本実施例の場合、プロセスを6回繰り返す。個々のアミノ酸交換を表1に示す。各工程の結果得られたプラスミドは、記載のようにDNA配列分析により制御する(4.1参照)。突然変異I155TおよびF158Tは、プライマー対Npro−F−NdeI(配列番号20)と3’_I155T、F158T(配列番号19)を用いた1回のPCR反応により導入され、得られたPCR産物を、NdeIおよびSpeI制限部位を介してS−Np−6H−pET30aに挿入する。11全てのアミノ酸変異の組合せの結果としてEDDIE−6H−pET30aが得られ、ここでEDDIEは配列番号5を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの変異体を表す。
表1: 対応するアミノ酸変異を有する突然変異プライマー
Figure 0005909172
1.2 プラスミドの構築
この方法は4.1に記載されているものと同様に行う。
1.3 宿主細胞の形質転換
この方法は下記の4.2に記載されているものと同様に行う。
1.4 発現および発酵
これらの方法は下記の4.3に記載されているものと同様に行う。
1.5 切断
4.2に記載されているように、構築物6H−EDDIE−SDDIns−pET30a(構築に関して4.1を参照)で形質転換した宿主細胞の一晩培養物1mlを100mlのM9−KAN培地(50mM Na2HPO4、20mM KH2PO4、10mM NaCl、20mM NH4Cl、1mM MgSO4、0.4%w/vグルコース、50μg/mlカナマイシン)に移し、37℃、225rpmで、OD0.5までインキュートし、1mM IPTGで37℃にて2時間発現を誘導する。細胞を2500gにて15分回転沈降させる。このペレットを8mlの溶解バッファー(20mM NaHPO、75mM NaCl、5mM EDTA、2mM MgCl)に懸濁させ、予冷したプレスチャンバーに移し、1380バールで5分間インキュベートする。バルブをゆっくり開け、500μlアリコートを1.5MLチューブに滴下する(2〜4滴/10秒)。ホモジネートを4℃、19000gで15分回転させ、上清を廃棄し、ペレットを30μlの溶解バッファー(またはHO)に懸濁させる。500μlのグアニジウムHCl溶液(5MグアニジニウムHCl、120mMトリスpH7.3、25mM DTT)を加え、室温で40分インキュベートする。10μlをTCA沈降(IB対照)のために清浄な反応チューブに移し、別の10μlを清浄なチューブに移し、室温で40分、490μlのリフォールディングバッファー(0.5M NaCl、5%グリセロール、2mM EDTA、10mM DTT、pH7.4)で1:50希釈することでin vitro復元させた後に、TCA沈降させる。これらのTCA沈殿を回転沈降させ、上清を廃棄し、ペレットを10μlの1×SDS−PAGEプローブバッファーに溶解させ、復元および切断の成否をSDS−PAGEにより分析する。このクーマシーブリリアントブルーR250(Fluka cat. n. 27816, Laborchemikalien und analytische Reagentien 2005/2006, Fluka Chemie GmbH, Industriestrasse 25, CH-9471 Buchs, Switzerland)で染色し、切断されなかった融合ポリペプチドと切断されたオートプロテアーゼのバンドを、濃度計により、染色剤による白色光の吸収の測定に基づき定量し、切断量を算出する。
実施例2
溶解度の測定
EDDIE−6H−pET30a(構築に関しては1.1.2を参照)で形質転換した大腸菌BL21(DE3)の培養物800mlのペレットを4.3に記載されているように調製する。このペレットを40ml/gの溶解バッファー(lysis puffer)(20mM NaHPO、75mM NaCl、5mM EDTA、2mM MgCl、10mM2−メルカプトエタノール、pH8)に懸濁させる。細胞の溶解は加圧セルを2回通すことより達成する(1380バール)。1%トリトンX−100(5ml/gの溶解バッファー(lysis puffer)に溶解)とともに15分インキュベートした後、細胞ホモジネートを25000gで45分遠心分離し、上清を廃棄し、封入体(IB)を−20℃で保存する。封入体を塩化グアニジニウム溶液(5M GuCl、120mMトリス、25mM DTT、pH7.5)中に1.3ml/g IBまで溶解させ、室温で3.5時間インキュベートし、25000gで15分遠心分離する。上清をリフォールディングバッファー(puffer)(0.4Mトリス、10mM DTT、2mM EDTA、5%グリセロール、pH7.3)中に30ml/g IBまで希釈し、室温で一晩インキュベートし、遠心分離し、濾過除菌する。Npro誘導体を、50ml容のSPセファロースカラムでのイオン交換クロマトグラフィーにより精製する。カラムを3カラム容の0.4mMトリスpH7.3で平衡化し、リフォールディング溶液を適用した後、150mM NaCl、20mM NaHPO、pH7.5で洗浄する。溶出は3カラム容の600mM NaCl、20mM NaHPO、5%グリセロール、pH7.5で行う。タンパク質を含有する画分8と9(各8.5ml)を合わせ、遠心分離(30分、805g)を用い、メンブラン濾過(Amicon Centricon plus-20, #UFC2LGC24, product catalogue 2004, Millipore Corporation, 290 Concord Rd. Billerica, MA 01821, USA)により濃縮し、得られた溶液に対し、(Amicon Microcon YM-10, #42407, product catalogue 2004, Millipore Corporation)を室温で30分、17000gにて2回目の濃縮工程を行う。72時間後、この濃縮溶液を遠心分離し(10分、17000g、室温)、ペレットを10μlの1×SDS−PAGEプローブバッファーに溶解させ、SDSゲル電気泳動にかける。上清10μlを2×SDS−PAGEプローブバッファー10μlと合わせ、SDSゲル電気泳動にかける。電気泳動後、バンドをクーマシーブリリアントブルーR250で染色し、記載のように(2)定量し、沈殿した物質の量を算出する。
実施例3
それぞれ配列番号2、3または4を有するNpro−誘導体の1つを用いたリフォールディングによる対象異種ポリペプチド(インスリン)の産生
この方法の種々の工程は、配列番号2、3または4を有する3つの誘導体各々について同様に行う。これらの誘導体の結果は、配列番号5を有する誘導体で得られた結果に準じる(実施例1参照)。
3.1 誘導体の作製
3.1.1 突然変異PCR
この方法は1.1.1に記載されているものと同様に行う。
3.1.2 PCRによる変異体の増幅
この方法は1.1.2に記載されているものと同様に行う。
3.2 プラスミドの構築
この方法は4.1に記載されているものと同様に行う。
3.3 宿主細胞の形質転換
この方法は下記の4.2に記載されているものと同様に行う。
3.4 発現および発酵
これらの方法は下記の4.3に記載されているものと同様に行う。
3.5 切断
この方法は1.5に記載されているものと同様に行う。溶解度および切断効率は1.5および実施例2に開示されている技術を用いて試験することができる。
実施例4
配列番号5を有するNpro−誘導体(EDDIE)を用いたカラム上でのリフォールディングによる対象異種ポリペプチド(インスリン)の産生
以下、「EDDIE」は配列番号5の配列を有するCSFVの天然型オートプロテアーゼNproの変異体を示す。
この実験では、構築物pET30−6H−EDDIE−SDD−Insを用いて融合ポリペプチド6H−EDDIE−SDD−Insを発現させる。この融合ポリペプチドはN末端6×ヒスチジンタグ付き変異型のペスチウイルスオートプロテアーゼNpro、配列番号5、その後にSDD−リンカー(セリン、アスパラギン酸、アスパラギン酸)およびプロ−インスリンの配列を含む。
4.1 プラスミドの構築
pro−プロ−インスリンのDNA配列(配列番号6)は、Operon Biotechnologies, Inc. (1000 Atlantic Avenue, Suite 108 Alameda, CA 94501, USA)により特注合成され、pUC119(NCBI #U07650: National Center for Biotechnology Information Plasmid Database, National Library of Medicine, Building 38A, Bethesda, MD 20894, USA)に挿入されたものである。この構築物から、必要なNpro−配列(太字で示す)を、次のプライマー対:Npro−F−NdeI(配列番号20)およびIns−R−SalI(配列番号22)、
Figure 0005909172
を用いてPCRにより増幅させ、得られた断片を、新たに作出されたNdeIおよびSalIの制限部位(太字の文字)を介してベクターpET30aに挿入する。大腸菌DH5α株(# 10643-013, Invitrogen catalogue 2003, Invitrogen Life Technologies Corporation, 1600 Faraday Avenue, PO Box 6482 Carlsbad, California 92008)に形質転換し(4.2参照)、選択されたクローンからプラスミドDNAを単離し、DNA配列解析によりS−Np−Ins−pET30aを確認する。EDDIE−6H−pET30a(構築については1.1.2を参照)からEDDIE(配列番号5)を、次のプライマー対:6H−Npro−F−NdeI(配列番号23)
Figure 0005909172
およびNpro−R−Sall(配列番号21)を用いてPCRにより増幅させ、得られた断片を用い、構築物S−Np−Ins−pET30aにおいてNdeIおよびSpeIの制限部位(太字の文字)を介してNproを置換し、6H−EDDIE−Ins−pET30aを作出する。Nproオートプロテアーゼの好適な切断部位を作出するため、プロ−インスリン配列をプラスミド6H−EDDIE−Ins−pET30aから、次のプライマー対:SDDIns−F−Spe(配列番号24)
Figure 0005909172
およびIns R Sall(配列番号22)を用いてPCRにより増幅させ、得られた断片を用い、構築物6H−EDDIE−Ins−pET30aにおいてSpeIおよびSalIの制限部位(太字の文字)を介してプロ−インスリン配列を置換し、6H−EDDIE−SDDIns−pET30aを作出する。これらの構築物の配列は、標準的な技術に従うDNAシーケンシングにより確認する。
4.2 形質転換
エレクトロコンピテント細胞を1リットルの細菌培養(37℃、225rpmでOD600=0.5まで増殖させたもの)から調製する。この細胞懸濁液を氷上で15分冷却し(絶えず振盪)、ペレットとし(4℃、2500g、10分)、上清を除去する。残ったペレットを4℃の脱イオン水1リットルに再懸濁させ、再び回転沈降させ(4℃、2500g、10分)、間に遠心分離工程(4℃、2500g、10分)を挟み、50mlの脱イオン水(4℃)で2回洗浄する。最後にペレットを50mlの10%無菌グリセロール溶液(4℃)で洗浄し、ペレットとし(4℃、2500g、10分)、2.5mlの10%無菌グリセロール溶液(4℃)に再懸濁させ、40μlアリコートを−80℃で凍結、保存する。1アリコートのエレクトロコンピテント細胞を氷上で解凍し、5ngのDNAを含む1μlの連結反応液を加え、電極間1mmのエレクトロポレーションキュベットに気泡が立たないように移す。エレクトロポレーションは、1.5kV、25μF、200Ohms、時定数が4.4を超えるように設定したBIO-RAD pulse controller (Bio-Rad Laboratories Inc., 2000 Alfred Nobel Drive, Hercules, CA 94547, USA; cat. n. 1652098, Life Science Research Products 1998)を含むBIO-RAD Gene Pulser(商標)(Bio-Rad Laboratories Inc., 2000 Alfred Nobel Drive, Hercules, CA 94547, USA; cat. n. 1652077, Life Science Research Products 1998)で行い、これにより4.1に記載したように構築したプラスミドを細胞に移入する。その直後、180μlのTY培養液(1.0%w/vペプトン、0.7%w/v酵母抽出物、0.25%w/v NaCl)を加え、この懸濁液を14ml容の無菌プラスチックチューブに移し、30分インキュベートする(37℃、225rpm)。その後、この懸濁液を選択培地に移す。37℃で一晩インキュベートした後、コロニーを採取し、2mlのTY培養液に移し、37℃、225rpmで一晩インキュベートする。一晩培養物1mlを標準法によるプラスミド調製に用い、このプラスミド調製物に対して制限分析およびDNAシーケンシングを行う。配列解析により確認した後、そのプラスミドを、本明細書に記載の方法によりさらなる発現株での形質転換に用いる。
4.3 発現および発酵
上記の4.2に記載したように形質転換した細胞の一晩発現培養物10mlをTY培地(1.1.2参照)で10倍希釈し、37℃、225rpmで30分インキュベートした後、1mM IPTG(イソプロピル−チオガラクトシド)を用い、37℃、225rpmで2時間、タンパク質発現を誘導する。2500g、10分の遠心分離により細胞を採取し、このペレットを8mlの溶解バッファー(20mM NaHPO、75mM NaCl、5mM EDTA、2mM MgCl、pH8.0)に再懸濁させる。次に、この懸濁液を予冷した加圧セルに移し、1380バールで5分インキュベートする。バルブをゆっくり開けた後、破砕細胞の懸濁液を清浄な回収チューブに滴下する(2〜4滴/10秒)。2回目に圧力セルに通した後、懸濁液を500μlずつのアリコートに分け、4℃、20000g、30分の遠心分離により封入体を単離し、−20℃で保存する(凍結前に上清を除去する)。
4.4 カラム上でのインスリン切断
これらアリコートの1つを30μlのHOに再懸濁させた後、500μlの5M塩酸グアニジンを加えて溶解させる。室温で40分インキュベートした後、溶解した封入体を、固定化金属アフィニティーマトリックス(Quiagen GmbH, Quiagen Strasse 1, D 40724 Hilden, Cat. Nr 30210)を充填した500μlカラムに適用する。適用後、カラムを5カラム容(CV)の5M塩酸グアニジンで洗浄し、すぐにバッファーをリフォールディングバッファー(20mMリン酸ナトリウムpH7.3、500mM NaCl、5%グリセリン、2mM EDTA)に交換することにより、変異したNproの復元を誘導する。リフォールディングバッファーは、流出液中に塩酸グアニジンが検出できなくなるまで適用し、その後、カラムを封止する。この封止カラムを少なくとも80分インキュベートした後、SDD−Insを洗浄し、単に1CVのリフォールディングバッファーを適用することにより洗浄する。
実施例5
それぞれ配列番号2、3または4を有するNpro−誘導体を用いたカラム上でのリフォールディングによる対象異種ポリペプチド(インスリン)の産生
この実験では、実施例4に記載されているものと同様の構築物を用いる。この融合ポリペプチドはN末端6×ヒスチジンタグ付き変異型のペスチウイルスオートプロテアーゼNpro(それぞれ配列番号2、3、4)、その後にSDD−リンカー(セリン、アスパラギン酸、アスパラギン酸)およびプロ−インスリンの配列を含む。
5.1 プラスミドの構築
プラスミドの構築は、4.1に記載されている方法と同様に行う。
5.2 形質転換
宿主細胞の形質転換は、4.2に記載されている方法と同様に行う。
5.3 発現および発酵
発現および発酵は、4.3に記載されている方法と同様に行う。
5.4 カラム上でのインスリン切断
カラム上でのインスリン切断は4.4に記載されている方法と同様に行い、同様の結果が得られる。
実施例6
配列番号5を有するNpro−誘導体(EDDIE)を用いたリフォールディングによる対象異種ポリペプチド(黄色ブドウ球菌由来Aタンパク質のドメインD)の産生
この実験では構築物pET30−EDDIE−sSpA−Dを用いて融合タンパク質EDDIE−sSpA−Dを発現させる。この融合タンパク質は配列番号5を有する変異型のペスチウイルスオートプロテアーゼNpro(EDDIE)、その後に黄色ブドウ球菌Aタンパク質のドメインDを含む。
6.1 プラスミドの構築
コドンを至適化した黄色ブドウ球菌Aタンパク質のドメインDのDNA配列(配列番号25):
Figure 0005909172
を、6つの部分的に重複したオリゴヌクレオチド:
SpAD1Spe(配列番号26):
Figure 0005909172
SpA−D2(配列番号27):
Figure 0005909172
SpA−D3(配列番号28):
Figure 0005909172
SpA−D4(配列番号29):
Figure 0005909172
SpA−D5(配列番号30):
Figure 0005909172
SpA−D6 Sal(配列番号31):
Figure 0005909172
の、5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Biotherm Kat. Nr. GC-002, Genecraft GmbH, Raiffeisenstr. 12, 59348 Ludinghausen, Germany)、1×PCRバッファー(Biotherm, Genecraftに同梱)、各20nmolのdNTP混合物(GC-013-002, Genecraft)を含む
PCR反応液50μl中、次のプログラム:初期インキュベーション94℃3分;94℃30秒、54℃30秒、68℃30秒の25サイクル;最終インキュベーション68℃7分を用いるPCRにより構築する。最初のPCR1μlをそのまま、50pmolの5’−および3’−フランキングプライマー(SpA−D1 SpeおよびSpA−D6_Sal)を用いた標準的な50μl PCR反応にて増幅させる。この遺伝子構築手順の成否を、それ自体公知の方法で1%アガロースゲル電気泳動により分析する。精製したsSpA−D PCR産物をSpeIおよびSalIで消化し、標準法に従い、脱リン酸化pET30−EDDIE−6Ha(構築については1.1.2を参照)に連結する。大腸菌DH5α株(# 10643-013, Invitrogen catalogue 2003, Invitrogen Life Technologies Corporation, 1600 Faraday Avenue, PO Box 6482 Carlsbad, California 92008)への形質転換は、4.2に記載されている手順と同様に行う。選択されたクローンからのプラスミドDNAの単離はそれ自体公知の方法で行い、それ自体公知のDNA配列解析によりpET30−EDDIE−sSpA−Dを確認する。
6.2 形質転換
宿主細胞の形質転換は、4.2に記載されている方法と同様に行う。
6.3 発現および発酵
発現および発酵は、4.3に記載されている方法と同様に行う。
6.4 黄色ブドウ球菌由来Aタンパク質のドメインDの切断
黄色ブドウ球菌由来Aタンパク質のドメインDの切断は、1.5に記載されている方法と同様に行う。
実施例7
配列番号32の誘導体(EDDIEN35T,T158S;アスパラギン35がトレオニンに置換、かつ、トレオニン158がセリンに置換)の作製
配列番号5を含む誘導体(EDDIE)から出発し、さらにN35がTに、かつ、T158がSに置換されている誘導体を、1.1.2に記載されているように突然変異PCRにより構築する。プライマー対:5’_N35T(5'CTC TTT TTG GGA CCC CGT CCG AAG TG3)と3’_N35T(5'CAC TTC GGA CGG GGT CCC AAA AAG AG3')ならびにE 5’T158S(5'GGA CCC GTA ACA GCA CTA ACT GTC C3')とE 3’_T158S(5'GGA CAG TTA GTG CTG TTA CGG GTC C3')を用いて連続的に2工程行う。得られた断片を用い、NdeIおよびSpeI制限部位を介し、ベクター6H−EDDIE−Ins−pet30a中のEDDIEを置換する。誘導体EDDIEN35T,T158SのDNA配列をDNAシーケンシングにより確認する。
実施例8
配列番号33を有するNpro−誘導体を用いた対象異種ポリペプチド(プロインスリン)の製造
8.1 配列番号33の誘導体の作製
1ngのEDDIEN35T,T158S−Ins−pet30aを、PCR IIランダム突然変異誘発キット(Stratagen, 11011 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA, Cat#200550 catalog 2005)によるランダム突然変異誘発に用いる。詳しくは、5μl 10×バッファー(GeneMorphII)、1μl 40mM dNTPミックス(GeneMorphII)、2.5μl(各103ng)プライマーミックス IF−Np−Nde−F (5'-AAG GAG ATA TAC ATA TGG AAC TCA ATC ATT TCG AAC TG-3') およびIF−Np−Ins−Spe−R (5'-TAA CGA AGC AAC TAG TGA CCC ACA GTG GAC AGT TAG T-3')、1μl Mutazyme(登録商標)(GeneMorphII)、1ng EDDIEN35T, T158S−Ins−pet30aを蒸留水で50μlとする。この混合物に対して次のPCRプログラム:1分94℃;1段階〜30段階まで:30秒94℃、30秒55℃、1分72℃;最終段階:10分72℃;10℃で保持、を行う。所与の量のDNAを用いて反応を行うと、Npro遺伝子1つあたり平均4つの突然変異が生じる。PCRの後、この反応混合物を、QIAquick PCR精製キット(Qiagen GmbH, Qiagen Strasse 1, D 40724 Hilden, Cat#28104, Qiagen product guide 2005)を製造業者の推奨に従って用いて精製する。
8.2 プラスミドの構築
プラスミドの構築は、4.1に記載されている方法と同様に行う。8.1に従って作製された断片を用い、NdeIおよびSpeI制限部位を介し、プラスミドEDDIE−Ins−pet30a中のNpro遺伝子を置換し、Npro誘導体のランダム突然変異誘発プールを作出する。
8.3 形質転換
宿主細胞の形質転換は、4.2に記載されている方法と同様に行う。
8.4 発現および発酵
発現および発酵は、4.3に記載されている方法と同様に行う。
8.5 切断分析
切断分析は、1.5に記載されているように行う。
実施例9
配列番号32のNpro−誘導体を用いた対象異種ポリペプチド(プロインスリン)の産生
あるいは、上記の方法において配列番号33の誘導体を使用することもできる。この誘導体は実施例7に記載されているように作製する。
配列番号32を有する誘導体についても同様に8.2〜8.5に記載されている工程を行う。
実施例10
10.1. EDDIEのトレオニン−セリン誘導体の作製
EDDIEの極性をさらに高めるために、遺伝子構築により、109番、114番、155番、158番のアミノ酸トレオニン(T)およびグルタミン(Q)143をセリン(S)に置換する。このため、EDDIEの遺伝子を次のように15の重複するオリゴヌクレオチドのセットに分割し、6.1に記載されたようにPCRにより構築する。
プライマーリスト:
Figure 0005909172
得られた断片を用い、NdeIおよびSpeI制限部位を介し、s−Np−6H−pet30a中のNpro遺伝子を置換する。誘導体92のDNA配列をDNAシーケンシングにより確認する。細菌細胞への形質転換ならびに発現および発酵の実施は4.2および4.3に記載の通りである。切断分析は1.5に記載されているように行う。
Figure 0005909172
配列番号34
Figure 0005909172
EDDIE 143誘導体:
アミノ酸S143を他のいくつかの極性アミノ酸(D、G、H、K、N、Q)に交換するため、オリゴヌクレオチドe14を、143番のコドンにヌクレオチド組成VAW(V:ACG;W:AT)を含む縮重オリゴヌクレオチドe14vawで置換する。e14vawはリバースオリゴヌクレオチドであるので、これはリバース相補的トリプレットWTBを含む。
Figure 0005909172
同様の遺伝子構築法およびs−Np−6H−pet30aへの挿入により、変異体の表に記載されている変異体が得られる。
細菌細胞への形質転換ならびに発現および発酵の実施は4.2および4.3に記載の通りである。切断分析は1.5に記載されているように行う。
変異体の表:
Figure 0005909172
配列番号35
Figure 0005909172
配列番号36
Figure 0005909172
配列番号37
Figure 0005909172
配列番号38
Figure 0005909172

sNp−FVN−6H−pet30aの構築
インスリンの最初の3つのアミノ酸を含むペプチドFVN−6Hを挿入するために、プライマー対:sNp FVN R Sal(5'-GAG AGT CGA CGT TAA CGA AGC AAC TAG TGA CCC ACA GTG-3')およびNpro−F−NdeIプライマー(配列番号20)を用い、標準的なPCR反応により、プラスミドs−Np−6H−pet30aから6Hisタグ(FVNVDKLAAALEHHHHHH)Nproを増幅させ、得られた断片を用い、標準的な手順により、制限部位NdeIおよびSalIを介してNpro−6Hを置換し、プラスミドsNp−FVN−6H−pet30aを作出する。
実施例11
配列番号5のNpro−誘導体(EDDIE)およびアミノ酸置換C134EおよびC138Eを含むNpro−誘導体を用いた対象異種ポリペプチド(黄色ブドウ球菌Aタンパク質のドメインD)の産生
11.1 pET30−6H−EDDIE−sSpA−D−sSpA−Dの構築
遺伝子構築(実施例6参照)により作製された黄色ブドウ球菌Aタンパク質のドメインDを、プライマー対(SpA−D1;GCAGACGCACAACAGAATAAGTTTAACおよびSpA−D6;TTTTGGTGCCTGAGATTCGTTCAGTTTCTTTGCTTCGCCCAGAACGTT)を用い、本質的に実施例6と同様のPCR反応条件を用い、pET30−EDDIE−sSpA−D(6.1)からPCRにより増幅させ、これに対してドメイン構築法を行う。第一工程で、ドメインをリンクプライマー対(SpA−Dlink2RC;CTGCTGGTCTTTGTTAAACTTATTCTGTTGTGCGTCTGCTTTTGGTGCCTGAGATTCGTTCおよびSpA−DLink;GAACGAATCTCAGGCACCAAAAGCAGACGCACAACAGAATAAGTTTAACAAAGACCAGCAG)を用いてPCRにより連結する。このPCR反応において、リンクプライマーの濃度を0.5pmolまで下げ、鋳型(シングルドメインD)の濃度は10〜25pmolに高める。このリバースリンクプライマーは、5’末端のリバース相補配列をモノマーの3’末端に接続し、フォワードリンクプライマーは3’末端のリバース相補配列を5’末端にそれぞれ接続する。ドメインDのこれらの新たな5’および3’連結末端は、別のドメインDの相補的3’および5’連結配列とそれぞれアニーリングする。ゆえに、ある特定のドメインが何単位も連結し、複数のドメインDリピートを有する合成遺伝子が生じる。以降の単離およびクローニングを可能とするため、そして、最初のPCR中に付着した5’および3’末端を解除するために、アダプタープライマー対:fish−R−Sal−SpA;GATCTTCAGGTTGGTCAAGTGGGTCGACTTATTTTGGTGCCTGAGATTCGTTCAGTTTCおよびfish2−F−Spe−SpA;gagaGAAGAgTGGCTACTGTAgAGACTAGTTGCGCAGACGCACAACAGAATAAGTTTAACを用いた第二のPCRにより、アンカーと制限部位を組み込む。最初のPCR反応液の10分の1をそのまま、0.5pmolのアダプタープライマーを含む第二のPCR混合物に加える。これらの反応生成物をアガロースゲル電気泳動により分離し、このゲルからQIAquickゲル抽出キットにより、ダブルドメインDを含む断片を抽出する。これらのダブルドメインD遺伝子を、50pmolのアンカープライマー(fish2−F;gagaGAAGAgTGGCTACTGTAgAGおよびfish−R;GATCTTCAGGTTGGTCAAGTGG)を用いてPCRにより増幅させ、ゲル電気泳動により精製し、SpeI/SalIで消化し、同じ酵素で消化したpET30−6H−EDDIE−Insにクローニングし、その結果としてダブルドメインD配列を有するプロインスリン配列の置換が生じ、それにより、構築物pET30−6H−EDDIE−sSpA−D−sSpA−D(黄色ブドウ球菌Aタンパク質のダブルドメインDとEDDIEとの融合物)が得られる。
11.2 pET30−6H−EDDIE−sSpA−D−sSpA−Dの発現
細菌細胞への形質転換、発現および発酵の実施は4.2および4.3に記載の通りである。切断分析を1.5に記載されているように行ったところ、可溶性画分中には、切断されたNpro−EDDIEタンパク質とダブルドメインDの他、多数の未切断融合タンパク質(約90%)も見られることが分かった。よって、アミノ酸置換C134EおよびC138Eを含むNpro誘導体を用いたので、極めて低いin vivo切断率を示したものと考えられる。
11.3 pET30−NproC134E/C138E−sSpA−D−sSpA−Dの構築
proC134E/C138E DNA配列を、プライマー対:IF Np−Nde−F(5’AAGGAGATATACATATGGAACTCAATCATTTCGAACTG3’)およびIF Np SpAD−Spe−R(5’CGTCTGCGCAACTAGTGACCCACAGTGGACAGTTAGT3’)を用いて増幅させ、制限酵素NdeI/SpeIで切断し、NdeI/SpeIで消化したベクターpET30−6H−EDDIE−sSpA−D−sSpA−Dに挿入6H−EDDIEをNproC134E/C138Eに置換し、構築物pET30−NproC134E/C138E−sSpA−D−sSpA−Dを作製する。
11.4 Npro C134E,C138E−sSpA−D−sSpA−Dの発現
細菌細胞への形質転換、発現および発酵の実施は4.2および4.3に記載の通りである。切断分析を1.5に記載されているように行ったところ、フレンチプレスで細胞を破砕した後、不溶性画分にほとんどの未切断融合タンパク質が見られることが分かった。この結果は、種々のNpro誘導体を用いることで、in vivo切断率および融合タンパク質の発現を封入体へ向けることが制御可能であることを示す。さらに、NproC134E/C138E−sSpA−D−sSpA−Dのリフォールディングは、ほぼ0のin vivo切断の他、なお約33%のin vitro切断産物を示す。
実施例12:
配列番号5を有するNpro−誘導体(EDDIE)を用いた対象異種ポリペプチド(JAC、発癌転写因子Junの直接的標的)の産生
12.1 6H−EDDIE−JACの構築
細胞の悪性転換および腫瘍形成に関与する発癌転写因子Junの直接的標的であるJACの遺伝子をcDNAクローンpAC01(Markus Hartl et. al. JAC, a direct target of oncogenic transcription factor Jun, is involved in cell transformation and tumorigenesis. PNAS 98, 13601-13606, 2001)から、1.1.1に記載のプロトコールに従い、SpeIおよびSalI制限部位を含むオリゴヌクレオチドプライマーJAC1(GATCACTAGTTGCATGCCCAACGGAGG)およびJAC2(GATCGTCGACTTAGTTGCCACAGCCACA)を用いてPCRにより増幅させる。得られた断片を用い、6H−EDDIE−Ins−pet30a由来のインスリン遺伝子を置換し、6H−EDDIE−JAC−pet30aを作出する。これらの構築物の配列を、標準技術に従うDNAシーケンシングにより確認する。
細菌細胞への形質転換ならびに発現および発酵の実施は4.2および4.3に記載の通りである。切断分析は1.5に記載されているように行う。
実施例13:
配列番号5を有するNpro−誘導体(EDDIE)を用いた対象異種ポリペプチド(インターフェロンα1,IFNA1)の産生
13.1 6H−EDDIE−sIFNA1−pet30aの構築:
IFNA1をコードする遺伝子(遺伝子バンク受託番号NM_024013)を、次のオリゴヌクレオチドセット:
Figure 0005909172
を用い、記載のように(10.1)PCRにより構築する。
得られた断片を制限酵素SpeIおよびSalIで消化し、これを用い、6H−EDDIE−Ins−pet30a由来のインスリン遺伝子を置換し、6H−EDDIE−sIFNA1−pet30aを作出する。これら構築物の配列を、標準技術に従うDNAシーケンシングにより確認する。
細菌細胞への形質転換ならびに発現および発酵の実施は4.2および4.3に記載の通りである。切断分析は1.5に記載されているように行う。
実施例14:
6H−EDDIE−Insを用いた対象異種ポリペプチド(Hepcidin)の製造:
ヘプシジンのDNA配列を、プライマー対:「Hep25 F Spe」(5'-TCG ACT AGT TGC GAC ACC CAC TTC CCC ATC-3')'/「Hep R Sal」(5'-ATC GTC GAC TTA CGT CTT GCA GCA CAT CCC AC-3')を用い、鋳型「huhep in pCR2.1」(S. Ludwiczek, Department of Internal Medicine, University of Innsbruck)からPCRにより増幅させる。
得られたDNA断片をSpeI/SalIにより消化し、同じ酵素で消化したpET30−6H−EDDIE−Insにクローニングし、その結果としてプロインスリン配列がヘプシジン25配列に置換され、これにより構築物pET30−6H−EDDIE−Hep25(EDDIEと成熟ヘプシジンとの融合物)が得られる。
pET30−6H−EDDIE−Hep25の細菌細胞大腸菌BL21−CodonPlus(DE3)−RIL(Cat. Nr. 230245, Stratgene, 11011 N.Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA, 2004 Catalog)への形質転換、発現および発酵は4.2および4.3に記載のように行う。その後、細胞採取、細胞破砕、IB単離、復元および切断分析を1.5に記載のように行う。結果は約80%のEDDIE−ヘプシジン25切断を示す。

Claims (20)

  1. C112、C134およびC138からなる群から選択されるCSFVの天然型オートプロテアーゼNproの少なくとも1つのシステイン残基のみがグルタミン酸残基で置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  2. CSFVの天然型オートプロテアーゼNproのシステイン残基C112、C134およびC138のすべてがグルタミン酸残基で置換されている、請求項1に記載のCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  3. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号2:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  4. 請求項1または2に記載のCSFVのオートプロテアーゼN pro の誘導体において少なくとも1つの下記のアミノ酸:R53がEに、G54がDに、R57がEに、そしてL143がQにさらに置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  5. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号3:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  6. 請求項1または2に記載のCSFVのオートプロテアーゼN pro の誘導体において少なくとも1つの下記のアミノ酸:A109、V114、I155およびF158がTでさらに置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  7. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号4:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  8. 請求項1または2に記載のCSFVのオートプロテアーゼN pro の誘導体において下記のアミノ酸:A109、V114、I155およびF158がTに、R53がEに、G54がDに、R57がEに、そしてL143がQにさらに置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  9. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号5:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  10. 請求項8に記載のCSFVのオートプロテアーゼN pro の誘導体において下記のアミノ酸:N35がTに、そしてF158がSにさらに置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  11. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号32:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  12. 請求項10に記載のCSFVのオートプロテアーゼN pro の誘導体において下記のアミノ酸:A28がEに、S71がFに、そしてR150がHにさらに置換されている、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  13. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号33:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  14. 請求項1または2に記載のCSFVのオートプロテアーゼN pro の誘導体において下記のアミノ酸:アルギニン(R)53、グリシン(G)54、アルギニン(R)57、アラニン(A)109、バリン(V)114、イソロイシン(I)155、フェニルアラニン(F)158およびロイシン(L)143のうち少なくとも1つがさらに置換されている、CSFVの天然型オートプロテアーゼN pro と比較して改良された自己タンパク質分解活性を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  15. 請求項1または2に記載のCSFVのオートプロテアーゼN pro の誘導体において下記のアミノ酸のうち少なくとも1つが:アルギニン(R)53がグルタミン酸(E)で、グリシン(G)54がアスパラギン酸(D)で、アルギニン(R)57がグルタミン酸(E)で、アラニン(A)109、バリン(V)114、イソロイシン(I)155、フェニルアラニン(F)158がセリン(S)で、そしてロイシン(L)143がグルタミン(Q)またはアスパラギン(N)またはアスパラギン酸(D)またはセリン(S)またはヒスチジン(H)でさらに置換されている、CSFVの天然型オートプロテアーゼN pro と比較して改良された自己タンパク質分解活性を有するCSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  16. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号34:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  17. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号35:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  18. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号36:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  19. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号37:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
  20. 下記のアミノ酸配列:
    配列番号38:
    Figure 0005909172
    を含む、CSFVのオートプロテアーゼNproの誘導体。
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