JP5905766B2 - 黒鉛薄膜およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、極めて薄く大面積で均一性に優れ、なおかつa−b面方向の電気伝導度が高い高品質の黒鉛薄膜およびその製造方法に関する。
黒鉛薄膜(フィルム)は優れた耐熱性、耐薬品性、高熱伝導性、高電気伝導性のため工業材料として重要な位置を占め、電気伝導体、放熱材料、耐熱シール材、ガスケット、発熱体等として広く利用されている。電子機器等のさらなる小型化、薄型化、高性能化が進んでいく中で、黒鉛薄膜に対して、より優れた薄さ、均一さ、面積、熱伝導性、電気伝導性、等が益々強く求められている。
黒鉛結晶の基本的な構造は、六角網目状に結ばれた炭素原子の作る基底面が規則正しく積み重なった層状構造(積み重なった方向をc軸と言い、六角網目状に結ばれた炭素原子の作る基底面の広がる方向をa−b面方向と言う)である。基底面内の炭素原子は共有結合で強く結ばれ、その原子間隔は1.421Åである。一方、積み重なった層面間の結合は弱いVan der Waals力によっており、層間隔は3.354Åである。理想的な黒鉛結晶は層間の積み重なり方によって、六方晶系に属するものと菱面体晶系に属すものとがあるが、普通の構造は六方晶系である。黒鉛における電気伝導はこのような異方性を反映してa−b面方向に大きく、この方向の電気伝導度は六角網目状に結ばれた炭素原子が作る層の構造の良否、従って黒鉛の品質を判定する良い指標となる。
従来知られた高品質の黒鉛のa−b面方向の電気伝導度の例としては、天然に産出する単結晶と見なされる黒鉛、あるいはキッシュ黒鉛と呼ばれる溶融金属に溶解した炭素から得られる黒鉛の25000S/cmが挙げられる(非特許文献1、2)。
また、これらの黒鉛とは別に特殊な高分子を直接熱処理、炭素化、黒鉛化する方法が開発されている(特許文献1、2)。この目的に使用される高分子としてはポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、などがある。これらの方法では塗布や多層押し出し法により薄い高分子フィルムを形成し、これを炭素化、黒鉛化することで25000S/cm以上の高いa−b面方向の電気伝導度を持つ黒鉛膜を作製することができる。しかし、これらの方法では作製できる原料高分子フィルムの薄さや、厚みの均一性、溶媒やキュア剤等の不純物低減に限界があるため、極めて薄く厚みが均一で、なおかつ電気伝導度が極めて高い黒鉛膜を作製することに関しては、改良の余地があった。すなわち、従来は高分子膜の焼成により得た、特に4.5μm以下の厚さの黒鉛膜に関して、厚さの均一性、厚さが均一である面積、および電気伝導度をどのようにバランスよく高レベルで実現するか、について具体的開示はされておらず、未知の領域であった。
特開2004−299919号公報 特開2005−53719号公報
L. Spain, A. R. Ubbelohde、and D. A. Young "Electronic properties of oriented graphite" PHILOSOPHICAL TRANSACTIONS OF THE ROYALSOCIETY T. C. Chieu, M. S. Dresselhaus and M. Endo,Phys. Rev. B26, 5867(1982)
本発明の課題は、極めて薄く大面積で均一性に優れ、なおかつa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である高品質の人工黒鉛薄膜を得ることである。
本発明者らは鋭意研究の結果、蒸着重合により製膜した極薄膜の高分子薄膜を2200℃以上で焼成することにより、極めて薄く大面積で均一性に優れ、なおかつa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である高品質の黒鉛薄膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、厚さが2nm〜4.5μm、厚さ分布が±15%以内、25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である黒鉛薄膜に関する。
厚さが5nm〜0.2μm、厚さ分布が±10%以内であることが好ましい。
また、本発明は、蒸着重合により得られたポリアミド酸薄膜を加熱し、厚さが10nm〜10μmのポリイミド薄膜を得る工程、および、得られたポリイミド薄膜を2200℃以上で熱処理し、黒鉛薄膜を得る工程を含むことを特徴とする、黒鉛薄膜の製造方法に関する。
蒸着重合で使用する基材がポリイミド、炭素化フィルム、黒鉛、グラッシーカーボン、銅、アルミニウム、ニッケル、および鉄から選ばれることが好ましい。
ポリイミド薄膜を熱処理する工程において、ポリイミド薄膜を0.2〜40kgf/cmの圧力でプレスすることが好ましい。
さらに、本発明は、前記製造方法により得られる黒鉛薄膜であって、厚さが2nm〜4.5μm、厚さ分布が±15%以内、25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である黒鉛薄膜に関する。
厚さが10nm〜0.2μm、厚さ分布が±10%以内、25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上であることが好ましい。
本発明によれば、電気伝導度が非常に高いため、特に薄型の電気伝導体、放熱材料、耐熱シール材、ガスケット、発熱体として極めて優れた素材を提供できる。
本発明の一実施形態について説明すれば以下の通りであるが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
本発明の黒鉛薄膜は、厚さが2nm〜4.5μm、厚さ分布が±15%以内、25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である。
黒鉛薄膜の厚さ
黒鉛薄膜は、材料となるポリイミド薄膜が薄いほど電気伝導度に優れた黒鉛薄膜が得られるため、高電気伝導度の黒鉛薄膜を得るという観点から、薄い方が好ましい。天然の単結晶とされる黒鉛の電気伝導度(25000S/cm)以上の特性を2200℃以上という比較的低温の焼成にて実現できるという観点から、黒鉛薄膜の厚さは4.5μm以下であるが、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。
一方で、黒鉛薄膜は厚いほど厚さ分布(%)を小さくできるため、薄膜の場所による電気伝導度のバラツキ等も小さく、したがって例えば導電体としての性能を安定させ易い。また、厚いほど膜が丈夫で生産、取り扱い、加工が容易である。導電体としての性能誤差が十分小さく(膜厚さ誤差15%以内)、扱いが容易という観点から、黒鉛薄膜の厚さは2nm以上であるが、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。これらの範囲内であれば、より安定的に生産でき、扱い易く、電気伝導度と性能(厚み誤差)のバランスも優れている。
薄膜の厚さの測定方法は公知の装置を用いて測定できるが、例えば、ノギス等の接触式の厚み計、分光エリプソメトリー、SEM(Scanning Electron Microscope)やTEM(Transmission Electron Microscope)による断面観察などで測定できる。
黒鉛薄膜の厚さ分布
導電体等の部材としての性能誤差を十分小さくするためには、黒鉛薄膜の結晶性、電気伝導度等の場所によるムラを無くすことが必要であるが、厚さ分布を小さくすることが重要である。結晶性に優れ、局所的な電気伝導度のバラツキが少なくても、厚さに分布があると、結果的に黒鉛薄膜に局所的なシート抵抗の誤差が生まれて電気伝導や熱伝導等の品質が安定しないためである。また、他の部材と隙間なく張り合わせる必要がある場合にも、黒鉛薄膜の厚さ分布を小さくすることが重要である。上記を満たすためには、黒鉛薄膜の厚さ分布は±15%以内であり、好ましくは±10%以内、より好ましくは±5%以内である。
黒鉛薄膜の面積
黒鉛薄膜の面積はある程度広くなければ部材としての応用範囲が極めて限定されるため、一定以上の面積である必要がある。特に放熱シートやディスプレイ、有機EL、太陽電池等の大面積用途に適用するためには、大面積化が不可欠である。このため、黒鉛薄膜の面積は好ましくは0.5平方cm以上、より好ましくは2平方cm以上、さらに好ましくは4平方cm以上、特に好ましくは16平方cm以上、一層好ましくは36平方cm以上、なお一層好ましくは100平方cm以上である。
黒鉛薄膜の電気伝導度
黒鉛薄膜の電気伝導度は、用途にもよるが、導電体、放熱部材、電子回路用部材など、一般的には高いほど良い。黒鉛薄膜の電気伝導度は25000S/cm以上であるが、好ましくは26000S/cm以上、より好ましくは27000S/cm以上、さらに好ましくは30000S/cm、一層好ましくは35000S/cm以上である。
本発明の黒鉛薄膜の製造方法は、蒸着重合により得られたポリアミド酸薄膜を加熱し、厚さが10nm〜10μmのポリイミド薄膜を得る工程、および、得られたポリイミド薄膜を2200℃以上で熱処理し、黒鉛薄膜を得る工程を含む。
蒸着重合
本発明に用いることができる蒸着重合膜の種類は、蒸着重合可能な種類であれば特に限定されないが、最終的に得られるグラファイトの電気伝導度が大きくなることから、ポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレンから選ばれる少なくとも1種を含む高分子フィルムであることが好ましい。上記高分子フィルムの中でも、高分子薄膜を薄くした場合に容易にグラファイトに転化させることができ、電気伝導度が大きくなる効果が顕著に現れるという点から、ポリイミドを含むフィルムであることが好ましい。
ポリマーの蒸着重合膜は公知の蒸着重合法により製造すればよい。通常、ポリイミド蒸着重合膜の場合には、原料モノマーである芳香族酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種を、予め別々に加熱しておき、蒸着重合膜を形成するための基板を設置した真空状態の槽内に、同時に概ね等モルになるように、それぞれの蒸気を導入する事によって、基板上にポリアミド酸薄膜を形成する。
イミド化
得られたポリアミド酸薄膜は、例えばオーブン中にてさらに加熱する事によりイミド化させ、ポリイミド膜を得ることができる。加熱する温度はイミド化が起こる温度であれば何℃でも構わないが、概ね250〜400℃が標準的である。ポリマー等の比較的低耐熱性の基板も使用できるという観点から、270℃等の低温でイミド化することが好ましい。
ポリイミド薄膜の厚さ
ポリイミド薄膜の厚さは、所望の厚さの黒鉛薄膜が得られるのであれば特に制約は無いが、薄すぎると焼成の際に得られる黒鉛薄膜が薄くなりすぎ、厚すぎると得られる黒鉛薄膜が厚くなりすぎる可能性が高い。したがって安定的に2nm〜4.5μmの厚さの黒鉛薄膜を得るには、10nm〜10μmが好ましく、より好ましくは20nm〜5μm、さらに好ましくは50nm〜2μmである。
蒸着重合の基板
ポリアミド酸薄膜を形成するための基板は、蒸着重合およびイミド化のプロセスの温度に耐えられるものであればとくに限定されず、加熱条件にもよるが概ね300℃以上の耐熱性があれば特に限定されない。基板は多孔質や繊維等の複雑な立体形状をしていても良く、所望の黒鉛薄膜の形状に合わせて、基板の形状を選択すれば良い。平滑なシート状の黒鉛薄膜を得るためには、平滑な平面をもつ基板を用いれば良い。基板は必要に応じてポリイミド粘着テープ等でマスキングをしても良い。基板としては例えばポリイミド、炭素化フィルム、黒鉛、グラッシーカーボン、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等を用いることができる。酸などよりエッチング可能な銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の金属は、成型、研磨が容易で、基板ごと後述の炭素化を行い、その後エッチングにより基板を除去し、後述の黒鉛化を行うことができる。この場合、蒸着重合時のポリイミドの形状を保ったまま炭素化を行うことができ、この際ポリマーの収縮が起こるが、基板があるために基板表面と平行に炭素の六角網目状のシートが配向しやすい傾向にあり、a−b面方向の電気伝導度を向上させる観点から好ましい。また、黒鉛、グラッシーカーボン等の高耐熱性基板や、あるいは加熱中に炭素化、黒鉛化されて高耐熱性のカーボン基板となるポリイミド、炭素化フィルムを基板に用いれば、基板ごと2200℃以上に加熱(黒鉛化)が可能であるため、生産の際のハンドリングが容易になり、生産プロセス自体も簡略化できるという利点がある。また上記のように、基板表面と平行に炭素の六角網目状のシートが配向しやすくできるため、a−b面方向の電気伝導度を向上させる観点からも好ましい。もちろん、蒸着重合膜は必ずしも蒸着重合で用いた基板ごと加熱(炭素化、黒鉛化)する必要はなく、蒸着重合膜単独あるいは、別の基板の乗せ直した後に炭素化、黒鉛化しても高電気伝導度の良質な黒鉛薄膜を得られる。
蒸着重合の特長
ポリアミド酸薄膜を作るためのモノマーとしては、通常のポリイミドを作製する際に使用するものを問題なく用いることができるが、通常の溶液法による重合では使用が難しい、溶媒に難溶性であるものも使用できるというメリットがある。また、通常の溶液法とは異なり、形成されるポリアミド酸薄膜中に溶媒や添加剤等の不純物が残らないため、黒鉛の層構造の発達を妨げられにくく、高分子構造の設計を適切に行えば、高結晶性、高電気伝導度など、所望の特性の黒鉛薄膜を焼成しやすいという利点がある。
蒸着重合で使用するモノマー:酸二無水物
ポリイミド蒸着重合膜に用いられる酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物を含み、これらを単独または混合物にて好ましく用い得る。
蒸着重合で使用するモノマー:ジアミン
ポリイミド蒸着重合膜に用いられるジアミンとしては、4,4’−オキシジアニリン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン及びそれらの類似物を含み、これらを単独または混合物にて好ましく用い得る。
炭素化
本発明では出発物質であるポリイミド薄膜を不活性ガス中あるいは真空中で予備加熱し、炭素化を行う。不活性ガスは、窒素、アルゴンあるいはアルゴンと窒素の混合ガスが好ましく用いられる。予備加熱は通常800℃〜1800℃程度の温度で行い、例えば、10℃/分程度の昇温速度で昇温して800℃〜1800℃程度に加熱し、そのまま一定温度で10分程度の保持を行なう方法などが好ましい。昇温速度に特に制限は無いが、生産性向上の観点からは5℃/分以上が好ましく、また、十分な炭素化を行うためには300℃/分以下が好ましい。一般的には10℃/分〜50℃/分の間が好ましい。炭素化の際の加熱方式としては、黒鉛ヒーター等の抵抗加熱式のヒーターによる加熱方式や、赤外線照射による加熱方式を好ましく用いることができる。
黒鉛化
上記の方法で炭素化されたフィルムを黒鉛化炉内にセットし、黒鉛化を行なうことができる。2200℃以上という高温を作り出すには、通常黒鉛ヒーターに電流を流し、そのジュール熱を利用して加熱を行なう。黒鉛化は不活性ガス中で行なうが、不活性ガスとしてはアルゴンが最も適当であり、アルゴンに少量のヘリウムを加えるとさらに好ましい。加熱温度は高ければ高いほど高電気伝導度の良質黒鉛薄膜に転化できるが、本発明の黒鉛薄膜を得るために必要な加熱温度は2200℃以上であり、従来よりも低温にて25000S/cm以上という高電気伝導度の良質黒鉛薄膜を得ることができる。これは黒鉛化炉の簡略化や電力節減によるコストダウンが可能という利点がある。無論、高電気伝導度を求める場合には黒鉛化処理時の温度は高温であるほど有利であり、2600℃以上の温度で加熱することが好ましく、2800℃以上であることがより好ましく、3000℃以上であることがさらに好ましい。
なお、1500℃以上に加熱して作製した炭素化薄膜および黒鉛薄膜は、電流を流し易くなるため、炭素化薄膜または黒鉛薄膜自体に直接電流を流すことによって加熱できる。3000℃以上の温度領域では炭素化薄膜または黒鉛薄膜を挟みこみ電流を流すための黒鉛電極が急速に昇華により消耗するので、不活性ガス加圧下で処理をすることによって電極の消耗を防止することが好ましい。使用する不活性ガスはアルゴンが好ましい。また、この炭素化薄膜あるいは黒鉛薄膜自体に直接電流を印加する方法の加熱では、非常に短時間で容易に3000℃以上の高温に加熱を行えるという利点がある。
黒鉛化は前処理で作製した炭素化フィルムを黒鉛構造に転化することによって起きるが、その際には炭素−炭素結合の開裂・再結合化が起きなくてはならない。黒鉛化を出来る限り低温で起こすためには、その開裂・再結合が最小のエネルギーで起こる様にすることが有効である。出発ポリイミド薄膜の分子配向は炭素化薄膜の炭素の配列に影響を与え、それは黒鉛化の際の、炭素−炭素結合の開裂・再結合化のエネルギーを少なくする効果を持つ。また同時に、最終的に得られる黒鉛薄膜の電気伝導度を高くするために効果的である。従って分子が配向するように分子設計を行い、高度な配向を生むことは、低温焼成で高電気伝導度の黒鉛薄膜を作製するために好ましい。特にこの配向は薄膜の面方向に二次元的な分子配向とすることで一層の効果を持つ。薄膜が薄いほどより低温焼成でも良質の黒鉛薄膜が得られるのは同じ理由で、薄膜表面では薄膜内部に比べて分子が動きやすいため炭素−炭素間の開裂・再結合化が進行しやすいためであると考えられる。
プレス
高電気伝導度の黒鉛薄膜を得るためには、高分子薄膜および炭素化薄膜の配向性が失われない様に、フィルムの破壊が起きない程度の面方向の圧力を加えることが好ましい。プレスの圧力は弱すぎると効果が無く、強すぎるとかえって薄膜が破断したり、高分子薄膜または炭素化薄膜と、これらをプレスの際に挟みこむのに使用する黒鉛板やグラッシーカーボン板等が密着して剥がれなくなる等の問題が生じる可能性が高くなる。また、強力なプレス機構が必要になると黒鉛化炉の装置自体も大掛かりになる。プレスの圧力は0.2〜40kgf/cmが好ましく、0.5〜20kgf/cmがより好ましい。
黒鉛薄膜は、基材から剥離させることもできる。黒鉛、グラッシーカーボン等の高耐熱性基板や、あるいは加熱中に炭素化、黒鉛化されて耐熱性のカーボン基板となるポリイミド、炭素化フィルムを基板に用いれば、基板ごと2200℃以上に加熱(黒鉛化)が可能である。得られた黒鉛薄膜上にポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの樹脂の溶液を塗布し、乾燥後に剥離することにより、黒鉛薄膜を基材から剥離させることができる。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(実施例1)
<蒸着重合>
ピロメリット酸無水物および4,4’−ジアミノフェニルエーテルをモノマーとし、これらをポリイミドテープで額縁状にマスキングをした3cm角、厚さ1mmのグラッシーカーボン基板上に蒸着重合を行い、ポリアミド酸薄膜を形成した。これをグラッシーカーボン基板ごと270℃に加熱してポリアミド酸薄膜をイミド化してポリイミド薄膜とした後、ポリイミドテープの額縁状マスキングを除去し、グラッシーカーボン基板上に2.5cm角のポリイミド薄膜を得た。ポリイミド薄膜上の格子状の9点にて接触式の厚み測定により(測定装置:株式会社尾崎製作所製 PEACOCK PDN−20)厚み測定を実施し、その平均値を取った。ポリイミド薄膜の厚さの平均値は10μmであった。9点の測定点での厚さ分布は±1%以内であった。
<焼成>
得られたポリイミド薄膜を、グラッシーカーボン基板ごと窒素雰囲気下で1500℃に加熱して炭素化膜を得た。次に得られた炭素化膜をアルゴン雰囲気下で2200℃に加熱し、黒鉛薄膜を得た。
<剥離>
黒鉛薄膜上に15%のポリメタクリル酸メチル(PMMA)の酢酸エチル溶液を塗布し、乾燥後にグラッシーカーボン基板から剥離し、PMMA膜と黒鉛薄膜が一体化された黒鉛薄膜複合膜を得た。
<厚み測定>
黒鉛薄膜複合膜上の格子状の9点にて接触式の厚み測定により(測定装置:株式会社尾崎製作所製 PEACOCK PDN−20)厚み測定を実施し、その平均値を取った。黒鉛薄膜の厚さの平均値は4.1μmであった。9点の測定点での厚さ分布は±1%以内であった。
<電気伝導度>
得られた黒鉛薄膜複合膜上の格子状の9点にて電気伝導度測定(測定装置:株式会社三菱化学アナリテック製 LORESTA−GP MCP−T610)を実施し、その平均値を取った。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は25000S/cmであった。9点の測定点での電気伝導度測定値の分布は、±30%以内であった。
(実施例2)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を1μmとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±2%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.38μmであり、その厚さ分布は±2%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例3)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.5μmとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±5%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.19μmであり、その厚さ分布は±5%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例4)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.2μmとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±7%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.06μmであり、その厚さ分布は±7%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例5)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.1μmとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±8%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.029μmであり、その厚さ分布は±8%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は27000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例6)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.05μmとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±13%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.011μmであり、その厚さ分布は±11%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は27000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例7)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.012μmとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±15%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.002μmであり、その厚さ分布は±14%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は29000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
実施例1〜7より、使用するポリマー薄膜が薄いほど、得られる黒鉛の電気伝導度は高い傾向にある。また、黒鉛化が進行できるほぼ下限に近い温度である、2200℃において25000S/cm以上の電気伝導度が得られるのは特筆に値する。従来このような低温で25000S/cm以上の電気伝導度は得られていない。2200℃前後の低温焼成が可能となれば、生産に必要な設備の簡易化、消費エネルギーの低減効果はきわめて大きく、産業上の利用価値が非常に大きい。
また、得られる黒鉛薄膜の厚さは後述の比較例3〜5に比べて均一で、しかも絶対的に薄い黒鉛薄膜が得られる。この膜の薄さおよび膜厚の均一性は、黒鉛を薄型デバイス用部材として利用する際に特に不可欠であり、産業上の利用価値がきわめて高い。
上記のような特筆すべきメリットが発現する理由は、蒸着重合の特性上、得られるポリイミド薄膜には余分な溶媒やキュア剤等が含まれておらず、このため加熱(炭素化、黒鉛化)の際のポリイミド内部からの余分なガス発生が抑えられ、また高分子鎖が黒鉛構造への変化していく過程を妨害しにくくなるためと考えられる。すなわち、通常ポリイミド膜が薄いほど焼成後の黒鉛も高品質である傾向にはあるが、本発明のように蒸着重合で作製したポリイミドを用いることによって、単に膜厚を薄くしたことから期待される以上に、極めて欠陥の少ない黒鉛構造を低温にて焼成が可能となった。さらに同時に膜厚ムラの発生を大きく低減するという効果も発現させることが可能である。
(実施例8)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を2400℃までとした他は、実施例6と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±12%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.007μmであり、その厚さ分布は±12%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は29000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例9)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を2800℃までとした他は、実施例6と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±13%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.004μmであり、その厚さ分布は±11%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は34000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例10)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を3000℃までとした他は、実施例6と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±13%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.002μmであり、その厚さ分布は±10%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は37000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
実施例8〜10で示したように、通常と同じで加熱温度が高いほど電気伝導度は高くなる傾向にある。しかし37000S/cmという値が実現できるのは、特筆に値する。また、高温ではより薄くより高品質(高電気伝導度)のものが得られる。黒鉛化後もポリイミド薄膜の膜厚の均一性をほぼ保ったままである。このレベルでの薄さ、厚さ均一性、面積、高電気伝導度があれば、これまでに膜厚の不均一等による問題で実現が難しかった、極薄極細の電気配線や、トランジスタ材料等として産業レベルでの利用が可能である。
(実施例11)
アルゴン雰囲気下での加熱の際に、炭素化膜を黒鉛板に挟みこみ20kgf/cmの圧力でプレスした他は実施例6と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±13%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.005μmであり、その厚さ分布は±12%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は28000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
実施例6、11から分かるように、加熱中にプレスすることにより、電気伝導度が向上する効果がある。これは、加熱中の起こる炭素化膜の収縮により生じる配向の乱れを外部からの加圧により低減できることと、成長する黒鉛の層状構造を、水平方向(a−b面方向)に整える効果があるためと考えられる。
(比較例1)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を13μmとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±1%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は3.8μmであり、その厚さ分布は±1%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は24000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
ポリイミド膜厚が13μmと厚いため、電気伝導度はあまり高くない。後述の比較例3〜5のように、流延塗布で作製したポリイミドフィルムを用いた場合に比べると高い電気伝導度であるが、2200℃という低温加熱では、電気伝導度25000S/cm以上は実現できていない。
(比較例2)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を2000℃までとした他は、実施例1と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±1%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は4.1μmであり、その測定値の差は±1%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は20000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
加熱温度が2200℃未満の場合は、蒸着重合により得たポリイミド薄膜を使っても黒鉛化が十分に進行せず、電気伝導度は低い値にしかならない。
(比較例3)
<ポリイミドフィルム作製>
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノフェニルエーテルをモル比で1/1の割合で合成したポリアミド酸の18wt%のDMF溶液100gとイソキノリン10gからなる硬化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を120℃で150秒間、300℃、400℃、500℃で各5分間加熱し、アルミ箔上にポリイミドフィルムを得た。これを3cm角に切断し、ポリイミドフィルム上の格子状の9点にて接触式の厚み測定により(測定装置:株式会社尾崎製作所製 PEACOCK PDN−20)厚み測定を実施し、その平均値を取った。ポリイミドフィルムの厚さの平均値は13μmであった。9点の測定点での厚さ分布は、±3%以内であった。
<エッチング>
アルミ箔をエッチングにより除去しポリイミドフィルムを作製した。
<焼成>
得られたポリイミドフィルムを、窒素雰囲気下で1500℃に加熱して炭素化膜を得た。次に得られた炭素化膜をアルゴン雰囲気下で2200℃に加熱し、黒鉛薄膜を得た。
<厚み測定>
黒鉛薄膜上の格子状の9点にて接触式の厚み測定により(測定装置:株式会社尾崎製作所製 PEACOCK PDN−20)厚み測定を実施し、その平均値を取った。黒鉛薄膜の厚さの平均値は5.4μmであった。9点の測定点での厚さ分布は、±5%以内であった。
<電気伝導度>
得られた黒鉛薄膜上の格子状の9点にて(測定装置:株式会社三菱化学アナリテック製 LORESTA−GP MCP−T610)電気伝導度測定を実施し、その平均値を取った。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は11000S/cmであった。9点の測定点での電気伝導度測定値の分布は、±40%以内であった。
厚みが大きいので、厚みムラの割合(%)は小さいが、電気伝導度かなり悪い。
(比較例4)
ポリイミドフィルムの平均厚さを1μmとし、アルゴン雰囲気下での加熱温度を2600℃とした他は比較例3と同様にした。流延塗布で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±22%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.4μmであり、その厚さ分布は±29%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は22000S/cmであり、その分布は±40%以内であった。
2600℃まで加熱しても厚みムラが大きく、伝導度も悪い。比較例1よりも悪い結果となった。
(比較例5)
アルゴン雰囲気下での加熱の際に、炭素化膜を20kgf/cm2の圧力でプレスした他は比較例4と同様にした。流延塗布で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±22%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.3μmであり、その厚さ分布は±28%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は23000S/cmであり、その分布は±40%以内であった。
比較例3〜5から分かるように、通常の塗布法により作製したポリイミドフィルムを用いた場合には、得られる黒鉛薄膜の電気伝導度が低く、加熱温度を2600℃まで上げても、電気伝導度は22000と低い。また加熱中にプレスを行うことにより電気伝導はすこし改善するが、23000S/cmと低い。
Figure 0005905766
(実施例12)
<蒸着重合>
ピロメリット酸無水物および4,4’−ジアミノフェニルエーテルをモノマーとし、これらをポリイミドテープで額縁状にマスキングをした4cm角の銅箔上に蒸着重合を行い、ポリアミド酸薄膜を形成した。これを銅箔ごと270℃に加熱してポリアミド酸薄膜をイミド化してポリイミド薄膜とした後、ポリイミドテープの額縁状マスキングを除去し、銅箔上に3cm角のポリイミド薄膜を得た。ポリイミド薄膜上の格子状の9点にて接触式の厚み測定により(測定装置:株式会社尾崎製作所製 PEACOCK PDN−20)厚み測定を実施し、その平均値を取った。ポリイミド薄膜の厚さの平均値は10μmであった。9点の測定点での厚さ分布は、±1%以内であった。
<エッチング>
銅箔をエッチングにより除去しポリイミド薄膜を作製した。
<焼成>
得られたポリイミド薄膜を、窒素雰囲気下で1500℃に加熱して炭素化膜を得た。次に得られた炭素化膜をアルゴン雰囲気下で2200℃に加熱し、黒鉛薄膜を得た。
<厚み測定>
黒鉛薄膜上の格子状の9点にて接触式の厚み測定により(測定装置:株式会社尾崎製作所製 PEACOCK PDN−20)厚み測定を実施し、その平均値を取った。黒鉛薄膜の厚さの平均値は4.3μmであった。9点の測定点での厚さ分布は、±1%以内であった。
<電気伝導度>
得られた黒鉛薄膜上の格子状の9点にて電気伝導度測定(測定装置:株式会社三菱化学アナリテック製 LORESTA−GP MCP−T610)を実施し、その平均値を取った。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は25000S/cmであった。9点の測定点での電気伝導度測定値の分布は、±30%以内であった。
(実施例13)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を1μmとした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±2%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.4μmであり、その厚さ分布は±2%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例14)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.5μmとした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±5%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.19μmであり、その厚さ分布は±5%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例15)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.2μmとした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±7%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.08μmであり、その厚さ分布は±7%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例16)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.1μmとした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±9%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.033μmであり、その厚さ分布は±8%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例17)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を0.05μmとした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±14%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.013μmであり、その厚さ分布は±14%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
実施例12〜17で示したように、蒸着重合の基板に銅箔を用いた場合も、グラッシーカーボン基板の場合と似た傾向である。しかし焼成時にポリイミド薄膜が基板に貼りついていない事による、面方向の収縮及びそれに伴う高分子鎖や炭素原子の面方向(a−b面方向)への配向の進行しにくさのためか、得られる黒鉛薄膜は少し厚い傾向にある。
また、薄いポリイミド薄膜の方が上記の現象が強く現れる傾向にあるのか、薄いポリイミド薄膜を用いた場合には、得られる黒鉛の電気伝導度がグラッシーカーボン基板を使用した場合に比べてあまり上がらない傾向にある。
(実施例18)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を2400℃までとした他は、実施例17と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±14%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.008μmであり、その厚さ分布は±14%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例19)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を2800℃までとした他は、実施例17と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±14%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.005μmであり、その厚さ分布は±12%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は27000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例20)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を3000℃までとした他は、実施例17と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±14%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.003μmであり、その厚さ分布は±14%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は27000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
実施例18〜20に示したように、炭素化膜の加熱温度が高いほど、得られる黒鉛薄膜の電気伝導度は高くなる傾向にある。また、グラッシーカーボン基板の場合に比べて電気伝導度は低めである。理由は実施例17にて説明した通りであると考えている。
しかし、膜厚の薄さ、厚さ均一性、面積に関してはグラッシーカーボンの場合と同様に優れており、電気伝導度も27000S/cmが実現されている。このレベルで各特性が実現されていれば、これまでに膜厚の不均一等による問題で実現が難しかった、極薄極細の電気配線や、トランジスタ材料等として産業レベルでの利用が可能である。
(実施例21)
アルゴン雰囲気下での加熱の際に、炭素化膜を20kgf/cmの圧力でプレスした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±1%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は3.2μmであり、その厚さ分布は±1%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例22)
アルゴン雰囲気下での加熱の際に、炭素化膜を20kgf/cmの圧力でプレスした他は、実施例17と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±14%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.06μmであり、その厚さ分布は±11%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は29000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例23)
アルゴン雰囲気下での加熱の際に、炭素化膜を20kgf/cmの圧力でプレスした他は、実施例20と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±13%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.002μmであり、その厚さ分布は±12%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は34000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
実施例21〜23に示したように、特にポリイミド膜が薄い場合は、加熱中にプレスすることにより、得られる黒鉛薄膜の電気伝導度が向上する効果がある。炭素化膜加熱中の薄膜の面方向の初期収縮の際に、高分子鎖(炭素原子シート)の配向の乱れが起きるのを低減できるためと考えられる。また、成長する黒鉛の層状構造を、水平方向(a−b面方向)に整える効果があるためと考えられる。
(比較例6)
蒸着重合で作製するポリイミド膜の厚さ(平均値)を13μmとした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±1%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は4.7μmであり、その厚さ分布は±1%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は22000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(比較例7)
アルゴン雰囲気下での加熱温度を2000℃までとした他は、実施例12と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±1%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は4.4μmであり、その厚さ分布は±1%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は18000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
比較例6および7に示したように、銅箔を用いた場合も、使用するポリイミド蒸着膜が厚い場合、または加熱温度(黒鉛化の温度)が低い場合は、十分に黒鉛化が進行せず、電気伝導度は高くできない。
Figure 0005905766
(実施例24)
蒸着重合の際に用いる基板を黒鉛シートとした他は、実施例6と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±13%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.012μmであり、その厚さ分布は±12%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例25)
蒸着重合の際に用いる基板を炭化フィルムとした他は、実施例6と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±13%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.011μmであり、その厚さ分布は±12%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例26)
蒸着重合の際に用いる基板をポリイミドフィルムとした他は、実施例3と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±5%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.18μmであり、その厚さ分布は±6%以内であった。黒鉛薄膜複合膜の電気伝導度の平均値は25000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例27)
蒸着重合の際に用いる基板をアルミ箔とした他は、実施例17と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±15%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.015μmであり、その厚さ分布は±14%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は26000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例28)
蒸着重合の際に用いる基板を鉄箔とした他は、実施例17と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±12%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.015μmであり、その厚さ分布は±13%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は25000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
(実施例29)
蒸着重合の際に用いる基板をニッケル箔とし、基板エッチングに希硫酸水溶液を用いた他は、実施例17と同様にした。蒸着重合で得られたポリイミド膜の厚さ分布は±14%以内であった。得られた黒鉛薄膜の厚さの平均値は0.013μmであり、その厚さ分布は±13%以内であった。黒鉛薄膜の電気伝導度の平均値は28000S/cmであり、その分布は±30%以内であった。
実施例24〜29に示したように、蒸着重合の際に黒鉛シート等の他の基板を用いても、良質な高電気伝導度の黒鉛薄膜が得られる。ニッケル基板では窒素雰囲気での加熱(炭素化処理)の際に炭素がニッケルに固溶した後に、表面に高品質グラファイトとして析出するためか、得られる黒鉛薄膜の電気伝導度は比較的高い。
Figure 0005905766

Claims (5)

  1. 厚さが2nm〜4.5μm、厚さ分布が±15%以内、25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である黒鉛薄膜。
  2. 厚さが5nm〜0.2μm、厚さ分布が±10%以内である請求項1記載の黒鉛薄膜。
  3. 蒸着重合により得られたポリアミド酸薄膜を加熱し、厚さが10nm〜10μmのポリイミド薄膜を得る工程、および、
    得られたポリイミド薄膜を2200℃以上で熱処理し、黒鉛薄膜を得る工程
    を含むことを特徴とする黒鉛薄膜の製造方法。
  4. 蒸着重合で使用する基材がポリイミド、炭素化フィルム、黒鉛、グラッシーカーボン、銅、アルミニウム、ニッケル、および鉄から選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の黒鉛薄膜の製造方法。
  5. ポリイミド薄膜を熱処理する工程において、ポリイミド薄膜を0.2〜40kgf/cmの圧力でプレスすることを特徴とする請求項3または4に記載の黒鉛薄膜の製造方法。
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