JP2005053719A - グラファイト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来知られていなかったような高品質のグラファイトを得ること。
【解決手段】多層押出によって得られる5μm以下の超薄膜の高分子フィルム、具体的には、ポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含むフィルムを、2400℃以上の高温処理によって直接高品質グラファイトに転化する事により、グラファイトa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上であるグラファイトを得る。
【選択図】 なし
【解決手段】多層押出によって得られる5μm以下の超薄膜の高分子フィルム、具体的には、ポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含むフィルムを、2400℃以上の高温処理によって直接高品質グラファイトに転化する事により、グラファイトa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上であるグラファイトを得る。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気伝導体、熱伝導体、回路形成材料、等として使用される、従来のグラファイト材料よりも大きな電気伝導度をもつグラファイトおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラファイトフィルムは優れた耐熱性、耐薬品性、高熱伝導性、高電気伝導性のため工業材料として重要な位置をしめ、電気伝導体、放熱材料、耐熱シール材、ガスケット、発熱体、等として広く使用されている。
【0003】
従来知られた、最も良いグラファイトのa−b面方向の電気伝導度は天然に産出する単結晶とみなされるグラファイト、あるいはキッシュグラファイトと呼ばれる溶融金属に溶解した炭素から得られるグラファイトの25000S/cmである。この値はグラファイトにおける極限の値であると考えられて来た。
【0004】
これらのグラファイトとは別に特殊な高分子を直接熱処理、炭素化・グラファイト化する方法(以下、高分子グラファイト化法と呼ぶ)が開発されている(例えば、特許文献1参照のこと。)。この目的に使用される高分子としては、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、などがある。この方法は非常に簡単であり、さらには優れた熱伝導性や電気伝導特性を持つ良質のグラファイトが得られると言う特徴があった。しかし、従来はこの高分子グラファイト化法を用いて、3400℃の超高温で熱処理しても、a−b面方向の電気伝導度は最大24000S/cmであった(例えば、特許文献2〜4参照のこと。)。
【0005】
【特許文献1】特公平1−49642号公報
【0006】
【特許文献2】特公平1−57044号公報
【0007】
【特許文献3】特開平4−310569号公報
【0008】
【特許文献4】特開平3−75211号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多層押出によって製造された高分子フィルムから高分子グラファイト化法を用いてa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である、従来知られていなかった極めて高品質の新しいグラファイトを得る事を目的としている。すでに述べた様に、この電気伝導度は従来その極限であると考えられる値より大きく、その様な高い伝導度を持つグラファイトは今まで知られていない。
【0010】
我々は、高分子フィルムのグラファイト化の検討を行い、特に高分子超薄膜のグラファイト化の実験を行うために、グラファイト化させる高分子の層と熱処理によって分解消失する高分子の層からなる多層押出を利用した。その結果、同じ高分子材料を用いた場合でも高分子フィルムを多層押出によって5μm以下の超薄膜にする事によりグラファイト化が容易に進行し、従来知られていたa−b面方向の電気伝導度が25000S/cmであるような新たなグラファイトを作製する事に成功し、本発明を成すに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の第1は、多層押出によって製造された高分子フィルムから得られる25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上であるグラファイトである。すでに述べた様に、今までこの様な高い伝導度を持つグラファイトは知られていない。
【0012】
(2)本発明の第2は、多層押出によって製造された高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理して得られるグラファイトである。
【0013】
(3)本発明の第3は、(1)および(2)が厚さが5ミクロンメートル以下のグラファイトである。
【0014】
(4)本発明の第4は、(1)および(2)の高分子フィルムがポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含むことを特徴とするグラファイトの製造方法である。
【0015】
(5)本発明の第5は、(1)および(2)の多層押出がポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含む層と熱処理によって分解消失する高分子を含む層からなることを特徴とするグラファイトの製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、我々は各種の高分子を取り上げ、各種の種々の厚さを有するポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、と処理温度の関係を調べた。その結果、高分子フィルムの厚さが薄くなるにしたがって最終的に得られるグラファイトは高品質になる事がわかった。例えば、市販ポリイミド(東レ・デユポン社製:KAPTON)の場合3000℃で1時間の処理をおこなうと、50μmの厚さの試料では電気伝導度が15500S/cmであったのに対して、25μmの厚さの試料では20000S/cmであり、12.5μmの厚さの試料では24000S/cmであった。
【0017】
我々はこの事からさらに検討を進め、高分子フィルムを薄膜化するための方法を検討した結果、多層押出が利用できることを見出した。ポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含む層と、熱処理によって分解消失する高分子を含む層からなる多層押出によって1層の厚みを薄くすることができる。熱処理によって、前者の高分子はグラファイト化するのに対して、後者の高分子は分解消失するため、結果として薄膜のグラファイトが得られる。多層押出によって得られる高分子フィルムの薄膜化は、マルチマニホールドあるいはフィードブロックによる多層化、フィードブロックの組み合わせによる超多層化やダイから押出された多層フィルムの延伸などの処理によって可能となる。
【0018】
薄膜化による物性向上効果は5μm以下のポリイミドを熱処理した場合には顕著に現れ、この様な厚さの高分子を処理すると、熱処理条件の選定によってグラファイトのa−b面方向の電気伝導度を25000S/cm以上にする事が出来る事を見出した。
【0019】
この様な特性の実現は1μm以下の薄膜を用いるとより容易になり、0.4μm以下の超薄膜ではさらに容易になる。グラファイト化の処理は不活性ガス中で行い、アルゴンあるいはアルゴンと窒素の混合ガスは最も好ましく用いられる。
【0020】
2000℃以上の加熱はグラファイトの直流電流印加による抵抗加熱によって行った。3000℃以上の温度領域ではグラファイト電極が急速に昇華するので不活性ガス加圧下で処理をする事によって電極の消耗を防止する事が好ましい。
この様な工夫によって最高3400℃の温度を実現した。
【0021】
上記の様な超薄膜高分子フィルムを用いる事での高品質グラファイトフィルムの作成効果が現れるのは最高処理温度(HTT)が2400℃以上の場合であり、2400℃以下の処理温度では薄い高分子フィルムを用いる効果は現れなかった。なお、本発明のグラファイトを得るためには2600℃以上である事はより好ましく、2800℃以上である事は最も好ましい。
【0022】
高分子の種類も得られるグラファイトの特性に大きな影響を与え、おなじ0.5μmである場合を比較すると、ポリイミド、ポリパラフェニレンオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、の中ではポリイミドから最も良質なグラファイトフィルムが得られた。ポリパラフェニレンオキサジアゾールとポリパラフェレンビニレンからはポリイミドの次に良質なグラファイトが得られた。
【0023】
本発明の高分子はそれぞれ公知の方法によって作製した。以下にポリイミドの場合について詳しく説明する。
【0024】
本発明で使用されるポリイミドは、熱可塑性ポリイミドである。この熱可塑性ポリイミドを含む層と熱処理によって分解消失する高分子を含む層からなる多層押出によってフィルムを薄膜化する。フィルムを薄膜化するには、フィードブロックを複数回通過させた後にTダイなどから押出して超多層フィルムを得る方法や、通常の多層押出で得られたフィルムを縦方向と横方向の逐次延伸あるいは同時延伸する方法などがあり、これらの処理の際にフィルム中のポリイミドに分子配向を生じさせることができる。
【0025】
次に、フィルムのグラファイト化のプロセスについて述べる。
【0026】
本発明では出発物質である多層フィルムを窒素ガス中で予備加熱し、熱分解型高分子層は熱処理によって分解消失して、残存するポリイミドのみの炭素化が行われる。予備加熱は通常1000℃程度の温度で行い、例えば、10℃/分の昇温速度で予備処理を行った場合には1000℃の温度領域で30分程度の保持を行う事が望ましい。予備処理の段階では出発高分子フィルムの配向性が失われない様に、しかもフィルムの破壊が起きない程度の面方向の圧力を加える事が有効である。
【0027】
次に、上記の方法で炭素化されたフィルムを超高温炉内にセットし、グラファイト化を行う。この様な超高温を作り出すには、通常グラファイトヒーターに直接電流を流し、そのジュ−ル熱を利用して加熱を行う。グラファイト化は不活性ガス中で行うが不活性ガスとしてはアルゴンが最も適当であり、アルゴンに少量のヘリウムを加えるとさらに好ましい。処理温度は高ければ高いほど良質のグラファイトに転化出来るが、本発明のグラファイトを得るためには処理温度は最低でも2400℃以上が必要で、最終的には2600℃以上の温度で処理する事、より好ましくは2800℃以上である事が好ましい。
【0028】
グラファイト化は前処理で作製した炭素化フィルムをグラファイト構造に転化する事によって起きるが、その際には炭素−炭素結合の開裂・再結合化が起きなくてはならない。グラファイト化を出来る限り低温で起こすためには、その開裂・再結合が最小のエネルギーで起こる様にする必要がある。出発ポリイミドフィルムの分子配向は炭素化フィルムの炭素の配列に影響を与え、それはグラファイト化の際の、炭素−炭素結合の開裂・再結合化のエネルギーを少なくする効果を持つ。従って、高度な配向を生むことで低温でのグラファイト化が可能になる。
特にこの配向はフィルムの面方向に二次元的な分子配向とすることで一層の効果を持つ。フィルムが薄いほどより低温でグラファイト化が進行するのは同じ理由で、表面では分子が動きやすいため炭素−炭素間の開裂・再結合化が進行しやすいためであると考えられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0030】
(実施例1)
φ30mm単軸押出機(プラスチック工学研究所製)とギアポンプからなる押出装置2台と多層Tダイを利用して、内層が熱可塑性ポリイミド、外層がポリエチレンからなる、内層の厚さ10μm、外層の厚さ45μmの3層フィルムを作成した。この3層フィルムを縦延伸後、横延伸することで全膜厚20μm、内層の厚さ2μmの多層延伸フィルムを得た。このフィルムを電気炉を用いて窒素ガス中、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化フィルムを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で3200℃まで昇温、最高温度で10分間保持し、その後40℃/分の速度で降温した。処理はアルゴン雰囲気で0.5kg/cm2の加圧下でおこなった。
【0031】
得られたグラファイトフィルムの面方向の電気伝導度を4端子法で測定した。具体的には、得られたグラファイトフィルムを約3mm×6mmサイズに切り出し、光学顕微鏡で試料に破れや皺が無いことを確認した後、両端銀ペーストで外部電極を取り付け、外部電極間に銀ペーストで内部電極を取り付けた。定電流源(ケースレー社製「プログラマブルカレントソース220」)を用いて外部電極間から1mAの定電流を印加し、内部電極間の電圧を電圧計(ケースレー社製「ナノボルトメーター181」)で測定した。電気伝導度は(印加電流/測定電圧)×(内部電極間距離/サンプル断面積)の式に代入することで算出した。また、得られたグラファイトフィルムの厚さは同じ試料の断面の電子顕微鏡測定によって行った。その結果、33000S/cmの電気伝導度が得られた。
【0032】
(実施例2)
内層がそれぞれポリオキサジアゾール、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミドを主成分とする高分子層、外層がポリエチレンからなる3層フィルムを押出で作成し、さらに延伸して内層の厚み0.2μm、0.5μm、5μm、の3種類のフィルムを準備し、それぞれの厚さの試料フィルムを電気炉を用いて窒素ガス中、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化フィルムを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で3200℃まで昇温、最高温度で10分間保持し、その後40℃/分の速度で降温した。処理はアルゴン雰囲気で0.5kg/cm2の加圧下でおこなった。
【0033】
得られたグラファイトフィルムの面方向の電気伝導度を4端子法で測定した。その結果を表1に示す。試料フィルムの厚さが薄いほど得られるグラファイトフィルムの電気伝導度は大きくなる傾向があり、0.2μmのフィルムを3200℃で処理した場合には25000S/cm以上の電気伝導度が得られた。
【0034】
【表1】
【0035】
(実施例3)
多層押出によって得られる内層が熱可塑性ポリイミド、外層がポリエチレンからなる、内層の厚み0.2μm、0.5μm、5μm、12.5μmの試料フィルムを準備した。
【0036】
それぞれのフィルムを電気炉を用いて窒素ガス中、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化フィルムを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で最高処理温度(それぞれ、2600℃、2800℃、3000℃、3200℃)まで昇温、最高温度で10分間保持し、その後40℃/分の速度で降温した。処理はアルゴン雰囲気で0.5kg/cm2の加圧下でおこなった。得られたグラファイトフィルムの面方向の電気伝導度を4端子法で測定した。その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、多層押出によって5μm以下の薄さの高分子フィルムを熱処理する事により従来知られていなかったような高品質のグラファイトを容易に得る事が出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は電気伝導体、熱伝導体、回路形成材料、等として使用される、従来のグラファイト材料よりも大きな電気伝導度をもつグラファイトおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラファイトフィルムは優れた耐熱性、耐薬品性、高熱伝導性、高電気伝導性のため工業材料として重要な位置をしめ、電気伝導体、放熱材料、耐熱シール材、ガスケット、発熱体、等として広く使用されている。
【0003】
従来知られた、最も良いグラファイトのa−b面方向の電気伝導度は天然に産出する単結晶とみなされるグラファイト、あるいはキッシュグラファイトと呼ばれる溶融金属に溶解した炭素から得られるグラファイトの25000S/cmである。この値はグラファイトにおける極限の値であると考えられて来た。
【0004】
これらのグラファイトとは別に特殊な高分子を直接熱処理、炭素化・グラファイト化する方法(以下、高分子グラファイト化法と呼ぶ)が開発されている(例えば、特許文献1参照のこと。)。この目的に使用される高分子としては、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、などがある。この方法は非常に簡単であり、さらには優れた熱伝導性や電気伝導特性を持つ良質のグラファイトが得られると言う特徴があった。しかし、従来はこの高分子グラファイト化法を用いて、3400℃の超高温で熱処理しても、a−b面方向の電気伝導度は最大24000S/cmであった(例えば、特許文献2〜4参照のこと。)。
【0005】
【特許文献1】特公平1−49642号公報
【0006】
【特許文献2】特公平1−57044号公報
【0007】
【特許文献3】特開平4−310569号公報
【0008】
【特許文献4】特開平3−75211号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多層押出によって製造された高分子フィルムから高分子グラファイト化法を用いてa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上である、従来知られていなかった極めて高品質の新しいグラファイトを得る事を目的としている。すでに述べた様に、この電気伝導度は従来その極限であると考えられる値より大きく、その様な高い伝導度を持つグラファイトは今まで知られていない。
【0010】
我々は、高分子フィルムのグラファイト化の検討を行い、特に高分子超薄膜のグラファイト化の実験を行うために、グラファイト化させる高分子の層と熱処理によって分解消失する高分子の層からなる多層押出を利用した。その結果、同じ高分子材料を用いた場合でも高分子フィルムを多層押出によって5μm以下の超薄膜にする事によりグラファイト化が容易に進行し、従来知られていたa−b面方向の電気伝導度が25000S/cmであるような新たなグラファイトを作製する事に成功し、本発明を成すに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の第1は、多層押出によって製造された高分子フィルムから得られる25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上であるグラファイトである。すでに述べた様に、今までこの様な高い伝導度を持つグラファイトは知られていない。
【0012】
(2)本発明の第2は、多層押出によって製造された高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理して得られるグラファイトである。
【0013】
(3)本発明の第3は、(1)および(2)が厚さが5ミクロンメートル以下のグラファイトである。
【0014】
(4)本発明の第4は、(1)および(2)の高分子フィルムがポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含むことを特徴とするグラファイトの製造方法である。
【0015】
(5)本発明の第5は、(1)および(2)の多層押出がポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含む層と熱処理によって分解消失する高分子を含む層からなることを特徴とするグラファイトの製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、我々は各種の高分子を取り上げ、各種の種々の厚さを有するポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、と処理温度の関係を調べた。その結果、高分子フィルムの厚さが薄くなるにしたがって最終的に得られるグラファイトは高品質になる事がわかった。例えば、市販ポリイミド(東レ・デユポン社製:KAPTON)の場合3000℃で1時間の処理をおこなうと、50μmの厚さの試料では電気伝導度が15500S/cmであったのに対して、25μmの厚さの試料では20000S/cmであり、12.5μmの厚さの試料では24000S/cmであった。
【0017】
我々はこの事からさらに検討を進め、高分子フィルムを薄膜化するための方法を検討した結果、多層押出が利用できることを見出した。ポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含む層と、熱処理によって分解消失する高分子を含む層からなる多層押出によって1層の厚みを薄くすることができる。熱処理によって、前者の高分子はグラファイト化するのに対して、後者の高分子は分解消失するため、結果として薄膜のグラファイトが得られる。多層押出によって得られる高分子フィルムの薄膜化は、マルチマニホールドあるいはフィードブロックによる多層化、フィードブロックの組み合わせによる超多層化やダイから押出された多層フィルムの延伸などの処理によって可能となる。
【0018】
薄膜化による物性向上効果は5μm以下のポリイミドを熱処理した場合には顕著に現れ、この様な厚さの高分子を処理すると、熱処理条件の選定によってグラファイトのa−b面方向の電気伝導度を25000S/cm以上にする事が出来る事を見出した。
【0019】
この様な特性の実現は1μm以下の薄膜を用いるとより容易になり、0.4μm以下の超薄膜ではさらに容易になる。グラファイト化の処理は不活性ガス中で行い、アルゴンあるいはアルゴンと窒素の混合ガスは最も好ましく用いられる。
【0020】
2000℃以上の加熱はグラファイトの直流電流印加による抵抗加熱によって行った。3000℃以上の温度領域ではグラファイト電極が急速に昇華するので不活性ガス加圧下で処理をする事によって電極の消耗を防止する事が好ましい。
この様な工夫によって最高3400℃の温度を実現した。
【0021】
上記の様な超薄膜高分子フィルムを用いる事での高品質グラファイトフィルムの作成効果が現れるのは最高処理温度(HTT)が2400℃以上の場合であり、2400℃以下の処理温度では薄い高分子フィルムを用いる効果は現れなかった。なお、本発明のグラファイトを得るためには2600℃以上である事はより好ましく、2800℃以上である事は最も好ましい。
【0022】
高分子の種類も得られるグラファイトの特性に大きな影響を与え、おなじ0.5μmである場合を比較すると、ポリイミド、ポリパラフェニレンオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、の中ではポリイミドから最も良質なグラファイトフィルムが得られた。ポリパラフェニレンオキサジアゾールとポリパラフェレンビニレンからはポリイミドの次に良質なグラファイトが得られた。
【0023】
本発明の高分子はそれぞれ公知の方法によって作製した。以下にポリイミドの場合について詳しく説明する。
【0024】
本発明で使用されるポリイミドは、熱可塑性ポリイミドである。この熱可塑性ポリイミドを含む層と熱処理によって分解消失する高分子を含む層からなる多層押出によってフィルムを薄膜化する。フィルムを薄膜化するには、フィードブロックを複数回通過させた後にTダイなどから押出して超多層フィルムを得る方法や、通常の多層押出で得られたフィルムを縦方向と横方向の逐次延伸あるいは同時延伸する方法などがあり、これらの処理の際にフィルム中のポリイミドに分子配向を生じさせることができる。
【0025】
次に、フィルムのグラファイト化のプロセスについて述べる。
【0026】
本発明では出発物質である多層フィルムを窒素ガス中で予備加熱し、熱分解型高分子層は熱処理によって分解消失して、残存するポリイミドのみの炭素化が行われる。予備加熱は通常1000℃程度の温度で行い、例えば、10℃/分の昇温速度で予備処理を行った場合には1000℃の温度領域で30分程度の保持を行う事が望ましい。予備処理の段階では出発高分子フィルムの配向性が失われない様に、しかもフィルムの破壊が起きない程度の面方向の圧力を加える事が有効である。
【0027】
次に、上記の方法で炭素化されたフィルムを超高温炉内にセットし、グラファイト化を行う。この様な超高温を作り出すには、通常グラファイトヒーターに直接電流を流し、そのジュ−ル熱を利用して加熱を行う。グラファイト化は不活性ガス中で行うが不活性ガスとしてはアルゴンが最も適当であり、アルゴンに少量のヘリウムを加えるとさらに好ましい。処理温度は高ければ高いほど良質のグラファイトに転化出来るが、本発明のグラファイトを得るためには処理温度は最低でも2400℃以上が必要で、最終的には2600℃以上の温度で処理する事、より好ましくは2800℃以上である事が好ましい。
【0028】
グラファイト化は前処理で作製した炭素化フィルムをグラファイト構造に転化する事によって起きるが、その際には炭素−炭素結合の開裂・再結合化が起きなくてはならない。グラファイト化を出来る限り低温で起こすためには、その開裂・再結合が最小のエネルギーで起こる様にする必要がある。出発ポリイミドフィルムの分子配向は炭素化フィルムの炭素の配列に影響を与え、それはグラファイト化の際の、炭素−炭素結合の開裂・再結合化のエネルギーを少なくする効果を持つ。従って、高度な配向を生むことで低温でのグラファイト化が可能になる。
特にこの配向はフィルムの面方向に二次元的な分子配向とすることで一層の効果を持つ。フィルムが薄いほどより低温でグラファイト化が進行するのは同じ理由で、表面では分子が動きやすいため炭素−炭素間の開裂・再結合化が進行しやすいためであると考えられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0030】
(実施例1)
φ30mm単軸押出機(プラスチック工学研究所製)とギアポンプからなる押出装置2台と多層Tダイを利用して、内層が熱可塑性ポリイミド、外層がポリエチレンからなる、内層の厚さ10μm、外層の厚さ45μmの3層フィルムを作成した。この3層フィルムを縦延伸後、横延伸することで全膜厚20μm、内層の厚さ2μmの多層延伸フィルムを得た。このフィルムを電気炉を用いて窒素ガス中、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化フィルムを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で3200℃まで昇温、最高温度で10分間保持し、その後40℃/分の速度で降温した。処理はアルゴン雰囲気で0.5kg/cm2の加圧下でおこなった。
【0031】
得られたグラファイトフィルムの面方向の電気伝導度を4端子法で測定した。具体的には、得られたグラファイトフィルムを約3mm×6mmサイズに切り出し、光学顕微鏡で試料に破れや皺が無いことを確認した後、両端銀ペーストで外部電極を取り付け、外部電極間に銀ペーストで内部電極を取り付けた。定電流源(ケースレー社製「プログラマブルカレントソース220」)を用いて外部電極間から1mAの定電流を印加し、内部電極間の電圧を電圧計(ケースレー社製「ナノボルトメーター181」)で測定した。電気伝導度は(印加電流/測定電圧)×(内部電極間距離/サンプル断面積)の式に代入することで算出した。また、得られたグラファイトフィルムの厚さは同じ試料の断面の電子顕微鏡測定によって行った。その結果、33000S/cmの電気伝導度が得られた。
【0032】
(実施例2)
内層がそれぞれポリオキサジアゾール、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミドを主成分とする高分子層、外層がポリエチレンからなる3層フィルムを押出で作成し、さらに延伸して内層の厚み0.2μm、0.5μm、5μm、の3種類のフィルムを準備し、それぞれの厚さの試料フィルムを電気炉を用いて窒素ガス中、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化フィルムを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で3200℃まで昇温、最高温度で10分間保持し、その後40℃/分の速度で降温した。処理はアルゴン雰囲気で0.5kg/cm2の加圧下でおこなった。
【0033】
得られたグラファイトフィルムの面方向の電気伝導度を4端子法で測定した。その結果を表1に示す。試料フィルムの厚さが薄いほど得られるグラファイトフィルムの電気伝導度は大きくなる傾向があり、0.2μmのフィルムを3200℃で処理した場合には25000S/cm以上の電気伝導度が得られた。
【0034】
【表1】
【0035】
(実施例3)
多層押出によって得られる内層が熱可塑性ポリイミド、外層がポリエチレンからなる、内層の厚み0.2μm、0.5μm、5μm、12.5μmの試料フィルムを準備した。
【0036】
それぞれのフィルムを電気炉を用いて窒素ガス中、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化フィルムを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で最高処理温度(それぞれ、2600℃、2800℃、3000℃、3200℃)まで昇温、最高温度で10分間保持し、その後40℃/分の速度で降温した。処理はアルゴン雰囲気で0.5kg/cm2の加圧下でおこなった。得られたグラファイトフィルムの面方向の電気伝導度を4端子法で測定した。その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、多層押出によって5μm以下の薄さの高分子フィルムを熱処理する事により従来知られていなかったような高品質のグラファイトを容易に得る事が出来る。
Claims (5)
- 多層押出によって製造された高分子フィルムから得られる、25℃におけるa−b面方向の電気伝導度が25000S/cm以上であるグラファイト。
- 多層押出によって製造された高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理して得られるグラファイト。
- 厚さが5ミクロンメートル以下であることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載のグラファイト。
- 請求項1または2記載の高分子フィルムがポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含むことを特徴とするグラファイトの製造方法。
- 請求項1または2記載の多層押出がポリイミド、ポリオキサジアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、から選ばれた少なくとも一種の高分子を含む層と熱処理によって分解消失する高分子を含む層からなることを特徴とするグラファイトの製造方法。
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2003
- 2003-08-08 JP JP2003206705A patent/JP2005053719A/ja active Pending
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