JP2013216552A - 炭素原子から構成されるフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

炭素原子から構成されるフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素六角網面を単位とする炭素原子から構成される、フィルム厚みが小さく且つフィルム厚みに対する長さ、幅が非常に大きい従来とは異なる構造・形態を有する材料を提供する。
【解決手段】炭素原子が黒鉛結晶を形成しており、前記黒鉛結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように配向しており、前記フィルムにおいて、フィルムの厚みが1nm以上、1000nm未満であり、フィルムの長さ÷フィルムの厚み≧5.0×10、フィルムの幅÷フィルムの厚み≧5.0×10であることを特徴とする炭素原子から構成されるフィルム。
【選択図】なし

Description

本願発明は、従来にはない構造・形態を有する炭素原子から構成されるフィルムおよびその製造方法に関する。
炭素原子がsp2結合してできる炭素六角網面から構成される物質としては、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ等が知られており、構造材、補強材、摺動材、導電材などとして、エネルギー、宇宙、医療など幅広い分野で利用されている。そして、炭素六角網面には図1に示すように、a軸、a軸およびc軸の方向が定義されているので、この軸を用いて前記物質の構造について説明する。
グラフェンは、図2(a)に示すように、a軸とa軸方向に広がりを持つ単層の炭素六角網面から構成される物質である。
グラファイトは、図2(b)に示すように、複数の炭素六角網面がc軸方向に三次元規則性をもって積層した物質であり、炭素六角網面の間は弱いファイデルワールス力で結合している。
カーボンナノチューブは、図2(c)に示すように、a軸とa軸方向に広がりを持つ単層の炭素六角網面を丸めて両端を接合した円筒状の物質である。単一の円筒からなる単層カーボンナノチューブと、直径の異なる複数の円筒がイレコ状になった多層カーボンナノチューブがある。
また、炭素六角網面から構成される物質は、さまざまな巨視的形状に加工され利用されている。例えば、2次元形状の材料としてはフィルムや薄片等があり、高分子フィルムを熱処理することによって作製した炭素フィルムや、天然黒鉛や高配向熱分解黒鉛を剥離することによって作製した薄片状黒鉛がある。
特許文献1−2、非特許文献1には、ポリイミド、ポリアミドやポリベンズイミダゾールのフィルムを1000−2500℃で炭素化する方法を用いて作製したフィルムが開示されている。これらの方法によって作製されたフィルムは、黒鉛結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように選択配向しているが、フィルムの厚みは数マイクロメーター以上であり、化学的特性や物理的特性はグラファイトと本質的に変わらず、新しい材料とは言い難い。
一方、非特許文献2には、高配向熱分解黒鉛を粘着テープにより剥離して作製された薄片状黒鉛が開示されている。剥離を繰り返すことによって、光が十分に透過できる数ナノメートル程度の厚さの薄片を得ることもできる。前述の炭素フィルムと同様に、薄片状黒鉛中では、黒鉛結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように選択配向している。しかしながら、その形態は厚みに対する長さ、幅の比率が小さな薄片状であり、フィルムとは本質的に異なるものである。
特開2007−177024号公報 特開2008−24571号公報
TANSO, No. 245,p196-199 (2010) Science, 306, p666-669 (2004)
前記のように、従来技術による炭素原子から構成されるフィルムは、フィルムの厚みに対するフィルムの長さ、フィルムの幅の比率が小さなもの、言い換えると、フィルム長さとフィルム幅の小さな薄片状のもの、あるいは、フィルム厚みが非常に大きなものしか実現されていなかった。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、炭素六角網面を単位とする炭素原子から構成される、フィルム厚みが小さく且つフィルム厚みに対する長さ、幅が非常に大きい従来とは異なる構造・形態を有する材料を提供することである。
第1に、本発明による炭素原子から構成されるフィルムの製造方法は、前記炭素原子が黒鉛結晶を形成しており、前記黒鉛結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように配向しており、前記フィルムにおいて、フィルムの厚みが1nm以上、1000nm未満であり、フィルムの長さ÷フィルムの厚み≧5.0×10、フィルムの幅÷フィルムの厚み≧5.0×10である炭素原子から構成されるフィルムを製造する方法であって、耐熱性の縮合系芳香族高分子を溶媒に溶解してなる溶液を基板上に塗布後、前記溶媒を蒸発させて高分子膜を形成する工程と、熱処理過程において分解・消失する熱分解性高分子を溶媒に溶解してなる溶液を、前記縮合系芳香族高分子の上に塗布、乾燥して縮合系芳香族高分子と熱分解性高分子の2層積層膜を基板上に形成する工程と、前記積層膜を前記基板から剥がした後、不活性雰囲気中800℃以上3100℃以下で熱処理し、黒鉛結晶を成長させる工程を少なくとも有することを特徴とする。
第2に、本発明による炭素原子から構成されるフィルムは、前記炭素原子が黒鉛結晶を形成しており、前記黒鉛結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように配向しており、前記フィルムにおいて、フィルムの厚みが1nm以上、1000nm未満であり、フィルムの長さ÷フィルムの厚み≧5.0×10、フィルムの幅÷フィルムの厚み≧5.0×10であることを特徴とする。
第3に、上記第2の発明において、フィルムの厚みが5nm以上、500nm未満であり、光透過性を有することが好ましい。
第4に、上記第2の発明において、フィルムの厚みが10nm以上、200nm未満であり、光透過性を有することがさらに好ましい。
第5に、上記第2から第4のいずれかの発明において、フィルムの長さ÷フィルムの厚み≧5.0×10、フィルムの幅÷フィルムの厚み≧5.0×10であることがさらに好ましい。
本願発明によれば、従来の炭素六角網面から構成される物質とは異なる、フィルム厚みが小さく且つフィルム厚みに対する長さ、幅が非常に大きい構造・形態を有する物質を実現することができる。その特異な構造・形態からして、従来の炭素六角網面から構成される物質に比較して、熱伝導性、電気伝導性、光学的特性等は大きく異なることが期待される。
炭素六角網面の説明図である。 従来の技術による炭素六角網面から構成される物質を示す図である。 本願発明におけるフィルム面、エッジ面、フィルムの幅、長さ、厚みの説明図である。 従来の技術による炭素原子から構成されるフィルムと薄片の模式図である。 本願発明で用いる耐熱性の縮合系芳香族高分子例の化学式を示す図である。 本願発明の炭素原子から構成されるフィルムの、エッジ面に対して垂直に電子線を入射して透過型電子顕微鏡観察を行ったときの格子像を示す図である。 比較例1による炭素原子から構成されるフィルムの回折プロファイルを測定した光学系を示す図である。 得られたフィルムの広角X線回折図である。
本願発明は、炭素原子から構成されるフィルムの構造に関するものであるところ、本願明細書において、以下のように用語を定義し説明する。
「フィルム」とは、単体で平板状の構造を保持できる構造体であって、厚みが250μm以下のものを意味する。その形態を図3に示す扁平な直方体(薄肉部の厚みに相当する辺以外の2つの辺の形状が正方形の場合を含む)で表される場合、3辺の長さをそれぞれa、b、c(a≧b>c)とすると、長さaは「フィルムの長さ」、長さbは「フィルムの幅」、長さcは「フィルムの厚み」を、それぞれ意味する。なお、フィルムの中でも厚みが数nm程度のものを薄片と称する。
図3に示すように、「フィルム面」とは、長さaおよび長さbの両辺が含まれる2つの面を意味し、「エッジ面」とは、長さcの辺を含む4つの面を意味する。
従来の技術による炭素原子から構成されるフィルムは図4(a)に示すように、フィルムの厚みcが数μm以上であり、炭素原子から構成される薄片は、図4(b)に示すように、厚みが数nm程度のものでは、長さa、幅bが100μm以下であった。すなわち、厚みcが小さく、尚且つ、長さaと幅bの大きなフィルムないし薄片は実現されていなかった。
本願発明者は、高分子フィルムを熱処理してなる炭素原子から構成されるフィルムについて検討した結果、耐熱性の縮合系芳香族高分子と熱分解性高分子からなる2層積層膜を基板上に形成後、基板から剥離して得た2層積層フィルムを不活性雰囲気で熱処理することにより、フィルムの厚みcが1000nm未満であり、フィルムの長さa÷フィルムの厚みc、およびフィルムの幅÷フィルムの厚みcの値が5.0×10以上である、新規な構造・形態を有する炭素原子から構成されるフィルムが得られることを見出した。
本願発明により得られる炭素原子から構成されるフィルムの厚みの上限は1000nm未満であれば特に限定されるものではないが、500nm未満であると、フィルムの厚み方向の光透過性が高くなるので好ましく、200nm未満であると、前記光透過性が顕著となるのでより好ましい。一方、本願発明により得られる炭素原子から構成されるフィルムの厚みの下限は黒鉛結晶を形成する点から1nm以上であれば特に限定されるものではないが、5nm以上であると、フィルムの機械的強度が高くなるので好ましく、10nm以上であると、前記フィルムの機械的強度がさらに高くなるのでより好ましい。また、本願発明により得られる炭素原子から構成されるフィルムにおいて、フィルムの長さa÷フィルムの厚みc、およびフィルムの幅b÷フィルムの厚みcの値は5.0×10以上であれば特に限定されるものではないが、フィルムの長さ方向および幅方向と厚み方向との物理的特性の異方性が明らかになるので好ましく5.0×10以上であれば、異方性が顕著になるのでより好ましい。
本願発明において、耐熱性の縮合系芳香族高分子であればその種類を問わず公知の高分子を用いることができる。その中でも、ポリアミド、ポリアゾメチン、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ポリキノキサリン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー、およびこれらの誘導体を用いることが好ましい(これらの化学式を図5に示す)。ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンンラダーポリマーおよびその誘導体は、炭素含有率が高く、高い収率で炭素原子から構成されるフィルムが得られることから、特に好ましい。
本願発明において、耐熱性の縮合系芳香族高分子に塗布する熱分解性高分子は、溶媒に可溶であり、耐熱性の縮合系芳香族高分子と反応せず、熱処理過程において分解・消失する高分子であれば特に限定されるものではなく、公知の高分子を用いることができる。その中でもポリメチルメタクリル酸メチルは熱分解温度が低いことから、特に好ましい。
本願発明において、耐熱性の縮合系芳香族高分子溶液を塗布する基板は、耐熱性の縮合系芳香族高分子溶液と反応しないものであれば、特に限定されるものではなく、PET基板、ガラス基板、石英基板、SiC基板、Si基板、サファイア基板、ガラス状炭素基板、ダイヤモンド基板など公知の基板を用いることができる。その中でも、ガラス基板は、高分子フィルムを容易に剥がし得ることから、特に好ましい。
本願発明において、耐熱性の縮合系芳香族高分子溶液を塗布する方法は、バーコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、印刷法、インクジェット法、スプレーコート法、ディップコート法など公知の方法であれば特に限定されるものではない。熱分解性高分子を塗布する方法も同様である。
本願発明において、耐熱性の縮合系芳香族高分子と熱分解性高分子からなる2層積層フィルム(高分子フィルム)を熱処理する方法としては、管状電気炉、タンマン炉、マッフル炉、誘導加熱炉など公知の加熱手段による方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
本願発明において、高分子フィルムをN、Ar、He等の不活性雰囲気下で熱処理するが、特に限定されるものではない。
本願発明において、高分子フィルムを熱処理する温度は、黒鉛結晶が生成し得る温度であれば特に限定されるものではないが、800℃以上3100℃以下であることが好ましい。その中でも1500℃以上3100℃以下であると黒鉛結晶が成長しやすいので特に好ましい。
本発明において、高分子フィルムを熱処理する時間は、設定した熱処理温度で黒鉛結晶が十分成長し得る時間であればよく、1〜20時間程度が一般的であるが、生産性の向上と黒鉛の結晶性の向上のバランスの観点から2〜10時間程度がより好ましい。この場合、後述の実施例に示すように、異なる不活性雰囲気下で異なる温度で熱処理を行ってもよい。
本願発明において、基板上に設けた耐熱性の縮合系芳香族高分子フィルムを熱処理する際、耐熱性の縮合系芳香族高分子フィルムと反応せず、不活性雰囲気中での熱処理に耐え得る支持体(例えば、黒鉛板)上で熱処理するのが好ましく、前記支持体を複数用い、支持体の間にはさんで熱処理すると、フィルムに生じるしわを抑制できるので、より好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1モルの1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸と1モルの1,2,4,5−ベンゼンテトラアミン四塩酸塩とをポリリン酸中において重縮合することによって、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー(以下、BBLポリマーと略する。)を合成した。BBLポリマー0.25gをトリフルオロメタンスルホン酸(和光純薬工業、製造元コードNo. 202-06661)25mlに溶解し、塗工液Aを調製した。同様に、ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと略する。)(アルドリッチ、製造元コードNo. 19-3760)1.25gを酢酸エチル(和光純薬工業、製造元コードNo. 051-00356)25mlに溶解し、塗工液Bを調製した。
塗工液Aをガラス基板上にスピンコートし、減圧下において50℃ 1hr、100℃ 1hr、150℃ 1hr加熱することによって溶媒を蒸発させ、BBLポリマー膜を得た。残留するトリフロオロメタンスルホン酸を除去するために、BBLポリマー膜をトリエチルアミンのメタノール溶液、続いてメタノールで順次洗浄した後、減圧乾燥した。ガラス基板上に形成されたBBLポリマー膜上に塗工液Bをスピンコートした後、乾燥することにより、BBLポリマーとPMMAからなる2層積層膜を形成した。この2層積層膜をガラス基板から剥離し、長さ30mm、幅20mmの大きさに切断した。
前記2層積層フィルムを黒鉛板にはさみ、窒素雰囲気下1500℃で1時間熱処理し、引き続き、アルゴン雰囲気下2800℃で1時間熱処理した。PMMAは300〜400℃温度域において分解・ガス化して消滅するため、BBLポリマー由来の炭素原子から構成されるフィルムが得られた。得られたフィルムは自立した構造体であり、光透過性を有していた。長さおよび幅は、それぞれ27mm、18mmであった。
得られたフィルムのエッジ面に対して垂直に電子線を入射して透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した格子像を図6に示す。フィルムの厚みは約27nmであることがわかる。したがって、長さ÷厚み=1.0×10、幅÷厚み=6.6×10となる。また、観察領域全体にわたって、ほぼ一様に、黒鉛結晶のc軸はフィルム面に対して垂直となるように配向していることがわかる。
4端針法を用いて室温にて測定したフィルム面方向の電気伝導度は1.4×10Scm−1であり、単結晶黒鉛についての値2.5×10Scm−1に近い値であった。
[比較例1] 高分子フィルムを熱処理して得た炭素フィルム
実施例1と同様に合成したBBLポリマー5gを、メタンスルホン酸100mlに溶解し、BBLポリマー溶液を作製した。このBBLポリマー溶液をシャーレに展開し、減圧下で加熱し溶媒を蒸発・除去した。シャーレ底部に形成された膜を剥がし、トリエチルアミンのメタノール溶液、メタノールで順次洗浄した後、室温で減圧乾燥することによって、BBLポリマーフィルムを得た。得られた炭素フィルムの寸法は、長さ30mm、幅20mm、厚み50μmであった。
得られたBBLポリマーフィルムを実施例1と同様にして熱処理し、炭素原子から構成されるフィルムを得た。得られた炭素フィルムの寸法は、長さ27mm、幅18mm、厚み20μmであった。したがって、長さ÷厚み=1.3×10、幅÷厚み=9.0×10。となる。また、炭素フィルムは銀色の金属光沢をもった黒色であり、光透過性は認められなかった。
得られたフィルムについて、図7(a)に示す3つの光学系を用いて広角X線回折プロファイルを測定した。図7(b)に示した回折プロファイルから、得られたフィルムにおいて、黒鉛結晶のc軸はフィルム面に対して垂直に選択配向していることが確認された。
[比較例2] 高配向熱分解黒鉛から剥離して得た薄片状黒鉛
厚さ1mmの高配向熱分解黒鉛(SPI SUPLIES, ZYH)(HOPG)の表面(ベーサル面)を、酸素プラズマを用いたドライエッチングにより、高さ5μm、サイズ20μm−2mm四方の段丘状に成形した。基板上に1μmの厚さで展開したフォトレジスト層に、HOPGの成形した面を押しあてた。フォトレジスト層を硬化させた後、HOPGを引き離すと、フォトレジスト層にHOPGの段丘状組織が残された。残された段丘状組織をスコッチテープを用いて繰り返し剥離し、フォトレジスト層をアセトンで除去することによって、最終的に残された薄片状黒鉛をシリコンウェハー上に取り出した。数層の炭素六角網面(厚さ1nm)からなる薄片については10μm程度の大きさ(長さ÷厚み=幅÷厚み=1.0×10)、厚さ3nm以上の薄片については100μm程度の大きさのものが得られた。したがって、長さ÷厚み=幅÷厚み=3.3×10となる。また、厚さ50nm以下の薄片状黒鉛は可視光性を示した。

Claims (5)

  1. 炭素原子から構成されるフィルムであって、前記炭素原子が黒鉛結晶を形成しており、前記黒鉛結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように配向しており、前記フィルムにおいて、フィルムの厚みが1nm以上、1000nm未満であり、フィルムの長さ÷フィルムの厚み≧5.0×10、フィルムの幅÷フィルムの厚み≧5.0×10である炭素原子から構成されるフィルムを製造する方法であって、
    耐熱性の縮合系芳香族高分子を溶媒に溶解してなる溶液を基板上に塗布後、前記溶媒を蒸発させて高分子膜を形成する工程と、
    熱処理過程において分解・消失する熱分解性高分子を溶媒に溶解してなる溶液を、前記縮合系芳香族高分子の上に塗布、乾燥して縮合系芳香族高分子と熱分解性高分子の2層積層膜を基板上に形成する工程と、
    前記積層膜を前記基板から剥がした後、不活性雰囲気中800℃以上3100℃以下で熱処理し、黒鉛結晶を成長させる工程を少なくとも有することを特徴とする炭素原子から構成されるフィルムを製造する方法。
  2. 炭素原子から構成されるフィルムであって、前記炭素原子が黒鉛結晶を形成しており、前記黒鉛結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように配向しており、前記フィルムにおいて、フィルムの厚みが1nm以上、1000nm未満であり、フィルムの長さ÷フィルムの厚み≧5.0×10、フィルムの幅÷フィルムの厚み≧5.0×10であることを特徴とする炭素原子から構成されるフィルム。
  3. フィルムの厚みが5nm以上、500nm未満であり、光透過性を有することを特徴とする請求項2に記載の炭素原子から構成されるフィルム。
  4. フィルムの厚みが10nm以上、200nm未満であり、光透過性を有することを特徴とする請求項2に記載の炭素原子から構成されるフィルム。
  5. フィルムの長さ÷フィルムの厚み≧5.0×10、フィルムの幅÷フィルムの厚み≧5.0×10であることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の炭素原子から構成されるフィルム。
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