JP2004205623A - ポリイミド多層無端ベルト及びその製造方法並びにそれよりなる画像形成装置用の中間転写体 - Google Patents

ポリイミド多層無端ベルト及びその製造方法並びにそれよりなる画像形成装置用の中間転写体 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性、電気安定性、透明性及び強度において優れていると共に、画像ムラの発生を防止したポリイミド多層無端ベルト並びにそれよりなる画像形成装置用の中間転写体を提供する。
【解決手段】(イ)表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層と、(ロ)該基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されたポリイミド薄膜で構成される表面層と、を有する画像形成装置用の中間転写体として有用なポリイミド多層無端ベルトとする。前記表面層は1〜10μmの膜厚を有している。前記ジアミンは、好ましくは、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルである。前記物理的活性化手段は、好ましくは、電子線照射、プラズマ照射、紫外線ラッピングである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミドで構成される基体層とポリイミドで構成される表面層とを有するポリイミド多層無端ベルト及びその製造方法並びにそれよりなる画像形成層装置用の中間転写体に関し、更に、詳しくは、基体層の表面にポイミドモノマーの蒸着重合によって形成されたポリイミド薄膜で構成される表面層を有するポリイミド多層無端ベルト及びその製造方法並びにそれよりなる画像形成層装置用の中間転写体に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ等の画像形成装置による画像形成の分野において、感光体上に各色のトナー画像を形成し、続いて、中間転写体である無端ベルト上に順次多重転写して、無端ベルト上に多色画像を形成した後、この多色画像を転写材に静電的に一括して再転写することにより、画像ずれのない多色画像を形成することは、斯界で知られている。このような無端ベルト上に多色画像を形成するために、その基体層上に高電気抵抗の表面層を設けることは、高画質化するための有効な手段となっている。また、中間転写体である無端ベルトの表面に付着したトナーのクリーニングをし易くするには、その表面層が離型性を有することも必要である。また、この表面層は、耐磨耗性が得られる限り薄層であることが望ましい。
【0003】
高画質を得るためには、画像濃度を正しく検知し、検知した情報をフィードバックしてトナーの供給量を調整する必要があるが、その検知方法としては、トナーの載っている状態と乗っていない状態での感光体や中間転写体からの反射光を検知する方法が採用されている。
【0004】
中間転写体を構成する無端ベルトには、伸び縮みしないような機械強度の強い材料を用いるが、転写時のニップ幅を確保するためには、無端ベルトに弾性層を設ける。しかし、このような弾性層を設ける必要がない場合もある。弾性層が設けられた場合でも、また、設けられない場合でも、基体層のみでは、トナーのクリーニング性が不十分である場合には、無端ベルトの表面に離型層が設けられる。それ故、基体層の表面光沢度が高くても、表面層の面粗度や吸光度によっては、メインの基体層からの反射強度が減衰して、トナー有無での充分な反射強度コントラストが得られないので、検出感度が不充分になることがしばしばである。
【0005】
したがって、反射強度コントラストを上げるためには、基体層そのものの表面の反射率を上げること、表面層の反射率を上げること、及び、表面層の透過率を上げることが必要となる。このような中間転写体としての無端ベルトには、機械的強度が高く、しかも、光沢度が高いポリイミド多層無端ベルトが最適である。
【0006】
上記したような無端ベルト上に多色画像を形成する場合、基体層の上に高電気抵抗の表面層を設けることが、高画質化に有効な手段である。しかし、このようなポリイミドを上下二層に積層した構造の無端ベルトにおいては、表面層と基体層との密着性が悪いという課題を解決しなければならない。つまり、表面層のポリアミド酸を完全にイミド化させた後に、基体層を形成する場合には、表面層と基体層との密着性が悪く、ベルトを繰り返し使用していると、表面層が基体層から部分的に浮き、電流が基層の一部に流れなくなり、画像ムラが発生してしまうという問題があった。
【0007】
一方、表面層をイミド化させずに基体層を形成した場合には、基体層の塗布時に、塗布液に含まれる溶剤により、これら二つの層の界面で両層間の溶解・融合が生じ、形成された無端ベルトの電気抵抗が均一にならず、やはり画像ムラが発生してしまうという問題があった。
【0008】
ポリイミド多層体の層間の剥離対策として、ポリイミド多層回路基板を製造する際に導体金属のエッチング工程において残存するアルカリ溶液の溶質を酸水溶液により中和した後、水洗洗浄して除去すると共に、基板上に配線層を介して順次に積層してゆくポリイミド層のイミド化率を、最上層のポリイミド層の形成が終わった段階でそれぞれ100%になるようイミド化率を制御しつつ積層する技術(特許文献1を参照。)が提案されているが、この剥離対策は、二つの層の間の密着のみに主眼をおいたものであるので、「二つの層の間の密着」及び「界面の保持」の両方を同時に満たすものではない。
【0009】
また、ポリイミド多層体の層間の剥離対策として、支持体の表面にポリイミド前駆体の第一層皮膜を形成してこれを不完全にイミド化させた後、この第一層皮膜上にポリイミド前駆体の第二層皮膜を形成し、続いて、前記不完全にイミド化した第一層皮膜中のポリイミド前駆体と、前記第二層皮膜中のポリイミド前駆体とを同時にイミド化させてイミド化率100%にする技術(特許文献2を参照。)が提案されているが、この技術においては、第一層皮膜は、完全にはイミド化されていないので、第一層皮膜と第二層皮膜と間の密着性は向上し、そのために、第一層皮膜(即ち、表面層)が第二層皮膜(即ち、基体層)から浮くということもない。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−314880号公報
【特許文献2】
特開平11−235765号公報
【特許文献3】
特開平5−132763号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなポリイミド多層体において、均一な膜を形成するためには、表面層(高電気抵抗層)だけでも数十μmの膜厚が必要となるので、10μm以下の表面層を作成することは、非常に困難であった。このようなポリイミド多層体において、表面層の膜厚が厚すぎると、フルカラーの画像形成において、表面層に重ねた電荷担持体(トナー)が散ってしまうので、表面層に形成された細線画像がにじんだようになり、そのために、いわゆる「転写チリ」と呼ばれる異常画像が発生し易くなる、という問題があった。
【0012】
そこで、表面層の電気抵抗を下げるために表面層にカーボンブラック、イオン導電性等の電気抵抗制御材を分散する方法がとられることもあるが、この方法では、表面層と基体層との間の電気抵抗レベルに差が少なくなるので、両層各々の特性値の管理がしにくくなると共に、ポリイミドの高光沢度が劣化してしまう、という問題もあった。
【0013】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、難燃性、電気安定性、透明性及び強度において優れていると共に、画像ムラの発生を防止したポリイミド多層無端ベルト並びにそれよりなる画像形成装置用の中間転写体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、(イ)表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層と、(ロ)該基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されたポリイミド薄膜で構成される表面層と、を有することを特徴とするポリイミド多層無端ベルトである。
【0015】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記表面層が、1〜10μmの膜厚を有していることを特徴とするものである。
【0016】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記ジアミンが、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルであることを特徴とするものである。
【0017】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、前記物理的活性化手段が、電子線照射であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれかに記載された発明において、前記物理的活性化手段が、プラズマ照射であることを特徴とするものである。
【0019】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、前記物理的活性化手段が、紫外線ラッピングであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項7に記載された発明は、(a)予め、遠心成形により形成したポリイミド無端状ベルトを回転可能な支持体マンドレルの外表面に取りつけ、このマンドレルを真空槽の中で減圧し回転しながら、前記ポリイミド無端状ベルトの表面を物理的活性化手段によって活性化させて、表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層を形成する工程、
(b)前記表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンを共蒸着してポリアミド酸薄膜を形成する工程、及び、
(c)前記ポリアミド酸膜を300℃に加熱してポリアミド酸を脱水重合させることによりポリイミド薄膜で構成される表面層を形成する工程、
を順次経ることを特徴とするポリイミド多層無端ベルトの製造方法である。
【0021】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載されたポリイミド多層無端ベルトよりなる画像形成装置用の中間転写体である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のポリイミド多層無端ベルトは、(イ)表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層と、(ロ)該基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されたポリイミド薄膜で構成される表面層と、を有している。
【0023】
前記「物理的活性化手段」は、電子線照射、プラズマ照射、又は、紫外線ラッピングであるが、本発明の目的に反しない限り、それ以外の物理的活性化手段であってもかまわない。
【0024】
前記ジアミンは、好ましくは、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルであるが、本発明の目的に反しない限り、それ以外のジアミンであってもかまわない。
【0025】
前記「蒸着重合」は、無水ピロメリット酸及びジアミンを真空中で共蒸着してポリアミド酸薄膜とし、このポリアミド酸薄膜を加熱してポリアミド酸を脱水重合することによりポリイミド薄膜とする重合を意味する。かかるポリイミドの蒸着重合は、それ自体としては、公知のものである(特許文献3を参照。)。
【0026】
このように、本発明のポリイミド多層無端ベルトは、(イ)表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層と、(ロ)該基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されたポリイミド薄膜で構成される表面層と、を有しているので、難燃性、電気安定性、透明性及び強度において優れていると共に、画像ムラの発生を防止でき、しかも、基体層とその表面に形成される無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されるポリイミド薄膜で構成される表面層との密着力を強くすることができる。
【0027】
本発明においては、前記表面層は、好ましくは、1〜10μmの膜厚を有している。従来、積層タイプの中間転写体として使用される無端ベルトにおいて、表面層が厚くて電気抵抗が高すぎると形成画像中に「転写チリ」と呼ばれる細線のトナーが非転写部へ飛散する現象が発生するので、これを防止するために、電気抵抗制御剤を添加して電気抵抗を低下させているが、電気抵抗制御剤の添加によって、平滑性が損なわれるという別の問題も発生する。しかし、本発明によれば、表面層が1〜10μmの膜厚を有しているので、表面の平滑性を損なわずに、「転写チリ」の発生を防止することができ、しかも、耐摩耗性を保持することができる。
【0028】
本発明のポリイミド多層無端ベルトは、
(a)予め、遠心成形により形成したポリイミド無端状ベルトを回転可能な支持体マンドレルの外表面に取りつけ、このマンドレルを真空槽の中で減圧し回転しながら、前記ポリイミド無端状ベルトの表面を物理的活性化手段によって活性化させて、表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層を形成する工程、
(b)前記表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンを共蒸着してポリアミド酸薄膜を形成する工程、及び、
(c)前記ポリアミド酸膜を300℃に加熱してポリアミド酸を脱水重合させることによりポリイミド薄膜で構成される表面層を形成する工程、
を順次経て製造される。
【0029】
本発明のポリイミド多層無端ベルトの製造方法によれば、▲1▼前記(a)〜(c)の工程を順次経て製造するので、画像ムラの発生を防止したポリイミド多層無端ベルトとすることができ、▲2▼ポリイミドで構成される基体層の表面が物理的活性化手段によって活性化されているので、基体層とその表面に形成される無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されるポリイミド薄膜で構成される表面層との密着力を強くすることができ、そして、▲3▼ポリイミド薄膜で構成される表面層が「蒸着重合」によって形成されるので、表面層の膜厚の制御を行って1〜10μmの膜厚にすることが可能になると共に、表面層の平滑性も基板支持体の温度条件等を管理すれば容易となり、しかも、全方向に均一な表面層の形成が容易となる。
【0030】
本発明の画像形成装置用の中間転写体は、請求項1〜8のいずれかに記載されたポリイミド多層無端ベルトよりなる。このように、画像形成装置用の中間転写体が請求項1〜8のいずれかに記載されたポリイミド多層無端ベルトよりなると、「画像ムラ」及び「転写チリ」を防止することができ、しかも、画像の階調性も良好となる。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
(a)予め、遠心成形により形成した直径180mm及び膜厚70mμのポリイミド無端状ベルトを回転可能な支持体マンドレルの外表面に取りつけ、このマンドレルを真空槽の中で1torr以下に減圧し回転しながら、前記ポリイミド無端状ベルトの表面を偏光紫外線照射によって活性化させて、表面が偏光紫外線照射によって活性化されたポリイミドで構成される基体層を形成する工程、
(b)前記真空槽の中に無水ピロメリット酸及びジアミンを注入しながら、前記偏光紫外線照射によって活性化させたポリイミドで構成される基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンを共蒸着してポリアミド酸薄膜を形成する工程、及び、
(c)前記ポリアミド酸薄膜を300℃に加熱してポリアミド酸を脱水重合させることにより5μm厚のポリイミド薄膜で構成される表面層を形成する工程、を順次経てポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0032】
(実施例2)
10μm厚のポリイミド薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0033】
(実施例3)
(a)予め、遠心成形により形成した直径180mm及び膜厚70mμのポリイミド無端状ベルトを回転可能な支持体マンドレルの外表面に取りつけ、このマンドレルを真空槽の中で10torr以下に減圧し回転しながら、前記ポリイミド無端状ベルトの表面をグロー放電によって活性化させて、表面がグロー放電によって活性化されたポリイミドで構成される基体層を形成する工程、
(b)前記真空槽の中に無水ピロメリット酸及びジアミンを注入しながら、前記グロー放電によって活性化させたポリイミドで構成される基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンを共蒸着してポリアミド酸薄膜を形成する工程、及び、
(c)前記ポリアミド酸薄膜を300℃に加熱してポリアミド酸を脱水重合させることにより5μm厚のポリイミド薄膜で構成される表面層を形成する工程、を順次経てポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0034】
(実施例4)
10μm厚のポリイミド薄膜を形成した以外は、実施例3と同様にして、ポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0035】
(比較例1)
(a)予め、遠心成形により形成した直径180mm及び膜厚70mμの、物理的活性化手段による活性化されていない、ポリイミド無端状ベルトを回転可能な支持体マンドレルの外部に取りつけ、このマンドレルを真空槽の中で1torr以下に減圧し回転しながら、前記真空槽の中に無水ピロメリット酸及びジアミンを注入して、前記ポリイミド無端状ベルトの表面に無水ピロメリット酸及びジアミンを共蒸着させることにより、ポリアミド酸薄膜を形成する工程、及び、
(b)前記ポリアミド酸薄膜を300℃に加熱してポリアミド酸を脱水重合させることにより10μm厚のポリイミド薄膜で構成される表面層を形成する工程、
を順次経てポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0036】
(比較例2)
回転する遠心成形用円筒型内にポリアミド酸溶剤溶液を注入して第1のポリアミド酸薄膜を形成し、この円筒型を100℃に加熱して第1のポリアミド酸薄膜中の溶剤を蒸発させることにより第1のポリアミド酸薄膜を固定化し、そして、前記円筒型を炉内で250℃に加熱してポリアミド酸をイミド化率50%〜90%の範囲内で部分的にイミド化させた。次に、前記円筒型を回転させながら該円筒型内に、ポリアミド酸の溶剤溶液中に体積抵抗が108 Ωcmになるようにカーボンからなる抵抗制御剤を分散させたポリアミド酸溶液を注入して、前記部分的にイミド化した第1のポリアミド酸薄膜上に抵抗制御剤を含有する第2のポリアミド酸薄膜を積層形成し、この円筒型を100℃に加熱して第2のポリアミド酸薄膜中の溶剤を蒸発させることにより第2のポリアミド酸薄膜を固定化し、そして、前記円筒型を炉内で300℃に加熱して第1ポリアミド酸薄膜中のポリイミド前駆体及び第2のポリアミド酸薄膜中のポリイミド前駆体を同時にイミド化させてイミド化率を100%とすることによって、25μm厚のポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0037】
(比較例3)
25μm厚のポリイミド多層無端ベルトとした以外は、比較例2と同様にして、ポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0038】
(比較例4)
15μm厚のポリイミド多層無端ベルトとした以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド多層無端ベルトを得た。
【0039】
以上、実施例1〜4及び比較例1〜4で得たポリイミド多層無端ベルトの「画像ムラ」及び「転写チリ」の発生状況を視認によって測定し、そして、表面の光沢度を測定した。また、その他として、階調性及び表面層の発生状況を視認によって測定した。測定結果は、次の表1に示される。
【0040】
【表1】
Figure 2004205623
【0041】
【発明の効果】
(1)請求項1,3,4,5に記載された発明によれば、(イ)表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層と、(ロ)該基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されたポリイミド薄膜で構成される表面層と、を有しているので、難燃性、電気安定性、透明性及び強度において優れていると共に、画像ムラの発生を防止でき、しかも、基体層とその表面に形成される無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されるポリイミド薄膜で構成される表面層との密着力を強くすることができる。
【0042】
(2)請求項2に記載された発明によれば、表面層が1〜10μmの膜厚を有しているので、表面の平滑性を損なわずに、「転写チリ」の発生を防止することができ、しかも、耐摩耗性を保持することができる。
【0043】
(3)請求項7に記載された発明によれば、前記(a)〜(c)の工程を順次経て製造するので、▲1▼画像ムラの発生を防止したポリイミド多層無端ベルトとすることができ、▲2▼基体層とその表面に形成される無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されるポリイミド薄膜で構成される表面層との密着力を強くすることができ、そして、▲3▼表面層の膜厚の制御を行って1〜10μmの膜厚にすることが可能になると共に、表面層の平滑性も基板支持体の温度条件等を管理すれば容易となり、しかも、全方向に均一な表面層の形成が容易となる。
【0044】
(4)請求項8に記載された発明によれば、画像形成装置用の中間転写体が請求項1〜8のいずれかに記載されたポリイミド多層無端ベルトよりなるので、「画像ムラ」及び「転写チリ」を防止することができ、しかも、画像の階調性も良好となる。

Claims (8)

  1. (イ)表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層と、(ロ)該基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンの蒸着重合によって形成されたポリイミド薄膜で構成される表面層と、を有することを特徴とするポリイミド多層無端ベルト。
  2. 前記表面層が、1〜10μmの膜厚を有していることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド多層無端ベルト。
  3. 前記ジアミンが、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミド多層無端ベルト。
  4. 前記物理的活性化手段が、電子線照射であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミド多層無端ベルト。
  5. 前記物理的活性化手段が、プラズマ照射であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド多層無端ベルト。
  6. 前記物理的活性化手段が、紫外線ラッピングであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリイミド多層無端ベルト。
  7. (a)予め、遠心成形により形成したポリイミド無端状ベルトを回転可能な支持体マンドレルの外表面に取りつけ、このマンドレルを真空槽の中で減圧し回転しながら、前記ポリイミド無端状ベルトの表面を物理的活性化手段によって活性化させて、表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層を形成する工程、
    (b)前記表面が物理的活性化手段によって活性化されたポリイミドで構成される基体層の表面に無水ピロメリット酸及びジアミンを共蒸着してポリアミド酸薄膜を形成する工程、及び、
    (c)前記ポリアミド酸膜を300℃に加熱してポリアミド酸を脱水重合させることによりポリイミド薄膜で構成される表面層を形成する工程、
    を順次経ることを特徴とするポリイミド多層無端ベルトの製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載されたポリイミド多層無端ベルトよりなる画像形成装置用の中間転写体。
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