JP2002178422A - 複合管状体 - Google Patents

複合管状体

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JP2002178422A
JP2002178422A JP2000376062A JP2000376062A JP2002178422A JP 2002178422 A JP2002178422 A JP 2002178422A JP 2000376062 A JP2000376062 A JP 2000376062A JP 2000376062 A JP2000376062 A JP 2000376062A JP 2002178422 A JP2002178422 A JP 2002178422A
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layer
outer layer
fluororesin
inorganic powder
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JP2000376062A
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English (en)
Inventor
Junichi Nakazono
淳一 中園
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い熱伝導性を有し、さらに高い離型性をも有
しながら、数万枚の通紙後におけるフッ素樹脂層の磨耗
の進行を防止することが可能な、定着ベルトとして好適
な複合管状体を提供する。 【解決手段】熱伝導性無機粉末を含有したポリイミド樹
脂製の基層管状体9、及び基層管状体9の外表面に少な
くとも第1外層11と第2外層12を含む2層のフッ素
樹脂コーティング層が形成されており、基層管状体9側
の第1外層11は、熱伝導性無機粉末を含有するもので
ある複合管状体4とする。基層管状体9と第1外層11
とはプライマー層10を介して積層されていることが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装
置において定着ベルト、転写定着ベルト等として使用可
能な複合管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よリ電子写真方式で像を形成記録す
る電子写真記録装置としては、複写機やレーザービーム
プリンタ、ファクシミリやこれらの複合機が知られてい
る。この種の装置では、画像形成の高速度化や省エネル
ギーを目的として、エンドレスベルトを用いた定着方式
が採用されている。装置寿命の向上や多様な被記録材へ
の適用可能化等を目的として、感光ドラム等の像担持体
上の像を中間転写ベルトに一旦転写し、これを被記録材
上に一括転写すると同時に定着作業を行う転写定着方式
も検討されている。また、カラー画像のドキュメント作
成の高速化等を目的として、転写搬送ベルト上に複数の
像担持体を配置し、ベルト上に被記録材あるいは転写像
を搬送し、最終的に定着動作を同じベルト上で行う、タ
ンデム式の転写定着方式も採用されている。
【0003】上記のベルトを使用した転写・定着方法の
例として、ベルト定着方式について図1、図2により説
明する。ベルト定着方式の装置の構成の1例は、図1に
概略図にて示すように、互いに、隔離位置にある2つの
ローラ1、2およびヒータ3にエンドレスベルト4を掛
け渡し、ヒータ3と対向させて、加圧ローラ5を配置し
たものである。また別の例は、図2に示すように、隔離
位置にある2つのローラを使用せずヒータ3にエンドレ
スベルト4を外挿させ、ヒータ3と対向させて加圧ロー
ラ5を配置したものである。いずれの装置においても、
トナー6が仮着された被記録材である転写紙7がエンド
レスベルト4と加圧ローラ5の間に送紙され、トナー6
が融解定着されてトナー画像8が形成される。これらの
ベルト定着方式においては、このエンドレスベルト4を
極めて薄く形成することによって、熱容量を小さくする
ことができる。
【0004】上述のようなべルト定着方式等に用いるエ
ンドレスベルト4としては、耐熱性や機械強度に優れた
ポリイミド内層とフッ素樹脂外層とからなる複合管状体
(特開平3−130145号公報)が知られている。ベ
ルト定着方式に用いられるエンドレスベルトについては
耐熱性や機械強度に優れていることが要求されるが、さ
らにベルト定着方式の定着速度を高めるため、熱伝導性
の向上が要求される。ところが、ポリイミド樹脂は、他
のプラスチックと同様金属に比べて熱伝導性能に劣る材
料であるため、熱伝導性の向上につき改良が求められて
いる。
【0005】かかる問題を解決する技術として、ポリイ
ミド樹脂製内層に熱伝導性無機粉末を含有させたベルト
が知られており(特開平7−178741号公報)、近
時のさらなる高速化においては、ポリイミド樹脂製内層
とフッ素樹脂、シリコーンゴムまたはフッ素ゴム製の外
層の両方に熱伝導性無機粉末を含有させることによって
熱伝導性能を向上させたベルトが提案されている(特開
2000‐147928号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開2000‐147928号公報開示の3層構造の複合
管状物は、管状内層を構成するポリイミド樹脂層および
管状外層を構成するフッ素樹脂層の双方に熱伝導性無機
粉末を含有させ熱伝導性を向上させているため、表層の
離型特性が悪く、カラー印刷等に用いられている低融点
トナーのオフセット性に充分対応できないという問題を
有している。
【0007】また、特開平7−178741号公報開示
の複合管状物は、近時のさらなる高速化の要請には対応
できず、定着部での高い押圧力により、数万枚の通紙後
においては、表面のフッ素樹脂層が磨耗してオフセット
性が低下するという問題があった。
【0008】本発明の目的は、高い熱伝導性を有し、さ
らに高い離型性を有しながら、数万枚の通紙後における
フッ素樹脂層の磨耗の進行を防止する機能を有し、定着
ベルトとして好適な複合管状体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い熱伝
導性を有し、トナーの離型性が良好であり、数万枚の通
紙後におけるフッ素樹脂層の磨耗の進行を防止する機能
を有し、しかも定着べルトとして好適な機械的特性等を
有する複合管状体を得るべく鋭意研究を重ねた。その結
果、ポリイミド樹脂製の管状内層と少なくとも2層構造
を有するフッ素樹脂製の管状の外層とを備えた複合管状
体において、少なくともポリイミド樹脂製の管状内層と
フッ素樹脂製の管状外層のうちの内層とに熱伝導性無機
粉末を含有させることにより、所期の目的を達成できる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0010】本発明の複合管状体は、熱伝導性無機粉末
を含有したポリイミド樹脂製の基層管状体、及び前記基
層管状体の外表面に形成された第1外層と第2外層とを
含む少なくとも2層のフッ素樹脂コーティング層とから
構成されており、前記基層管状体側の第1外層は、熱伝
導性無機粉末を含有するものであることを特徴とする。
【0011】また、基層管状体の外表面にプライマー層
を設け、このプライマー層を介して上記の2層のフッ素
樹脂コーティング層を設けることは好ましい態様であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の複合管状体の好適な実施
の形態を図面に基づいて説明する。本発明の複合管状体
の例を図3に示した。ベルト状の複合管状体4は、基層
管状体9と、その外周面に形成されるプライマー層1
0、プライマー層10の外周面に形成され、基層管状体
4側の第1外層11、第1外層のさらに外周面に形成さ
れる第2外層12とから構成される。この構成中、少な
くとも基層管状体9及び第1外層11に熱伝導性無機粉
末が添加される。また、プライマー層10中にも接着層
としての機能を損なわない範囲で熱伝導性無機粉末を添
加してもよい。本発明の複合管状体4は、図3に示した
ように、4層構造であることが好ましい。
【0013】これら各層の厚みは、複合管状体が装着さ
れる装置の設計に応じて適宜選択されるが、通常、基層
管状体9は20〜60μm、プライマー層10は1〜5
μm、フッ素樹脂層の厚さは7〜20μmである。フッ
素樹脂層のうち、第2外層12の厚さは、通常、1〜5
μmであり、1〜3μmに設定されることが好ましい。
第2外層12は、離型性の向上を役割としており、熱伝
導性無機粉末を含有しておらず、熱伝導性が悪いため、
第2外層12が厚くなるほどべルト全体の熱伝導性が低
下する。また、これらの各層のうち、プライマー層、第
1外層、第2外層には、所望によりベルト表面などに発
生する静電気を除去するために、カーボンブラック等の
電子伝導性物質やイオン伝導性物質を添加してもよい。
【0014】第1外層、第2外層を構成するフッ素樹脂
は、公知のフッ素樹脂は限定なく使用可能である。具体
的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合
体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン
‐テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等が挙
げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。これらのフッ素樹脂は、通常、溶液状
(ディスパージョンを含む)で用いられ、基材管状体の
外表面に被覆して第1外層、第2外層が形成される。
【0015】第1外層を構成するフッ素樹脂と第2外層
を構成するフッ素樹脂は、同一であっても異なったもの
でもよいが、層間の接着力を考慮すると、同一種類の材
料を使用することが好ましい。
【0016】プライマー層に使用される材料は、基層管
状体とフッ素樹脂とを接着することができる材料であれ
ば、特に限定なく使用可能である。具体的には、ポリイ
ミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹
脂、フッ素系樹脂などが例示される。
【0017】本発明の複合管状体における基層管状体を
構成するポリイミド樹脂は、転写ベルトなどの分野にお
いて使用される公知のポリイミド樹脂は限定なく使用可
能であり、とりわけ、芳香族ポリイミド樹脂の使用が好
ましい。
【0018】基層管状体は、熱伝導性無機粉末を含有す
るポリアミド酸溶液を所定形状に成形し、溶媒の除去後
にイミド化反応を行うことにより形成される。ポリアミ
ド酸溶液は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を
含有するものであって、例えばテトラカルボン酸二無水
物あるいはその誘導体とジアミンとの略等モルを有機溶
媒中で反応させて得ることができる。
【0019】本発明で好ましいポリイミド樹脂を構成す
る上記テトラカルボン酸二無水物としては、具体的に
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8‐ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,1
0−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカ
ルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0020】また、このようなテトラカルボン酸二無水
物と反応させるジアミンの具体例としては、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルス
ルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,
3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベン
ジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−
t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブ
チルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル− −
アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメ
チル−5−アミノ−ペンチル)べンゼン、1−イソプロ
ピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプ
ロピルテトラメチレン、3‐メチルヘプタメチレンジア
ミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,
11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプ
ロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミ
ン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジ
メチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチ
レンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,
11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサ
デカン、1,4−ジアミルクロヘキサン、1,10−ジ
アミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミ
ノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H2 N(C
23 O(CH22 OCH2 NH2 、H2 N(CH
23 S(CH23 NH2 、H2 N(CH23
(CH3 )(CH23 NH2 等が挙げられる。
【0021】これらテトラカルボン酸二無水物あるいは
その誘導体およびジアミンは、それぞれ1種類以上を適
宜に選定し反応させることができる。ジアミンとして
は、特に芳香族ジアミンを主成分として使用することが
好ましい。
【0022】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
を反応させる際に用いられる有機極性溶媒は、その官能
基がテトラカルボン酸二無水物またはジアミンと反応し
ない双極子を有するものである。そして、系に対して不
活性であり、かつ生成物であるポリアミド酸に対して溶
媒として作用しなければならない。しかも、反応成分の
少なくとも一方、好ましくは両者に対して溶媒として作
用しなければならない。上記有機極性溶媒としては、特
にN,N−ジアルキルアミド類が有用であり、例えばこ
れの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。こ
れらは蒸発、置換または拡散によりポリアミド酸および
ポリアミド酸成形品から容易に除去することができる。
また、上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,
N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、
ジメチルテトラメチレンスルホン等があげられる。これ
らは単独で使用してもよいし、併せて用いても差し支え
ない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノ
ール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリ
ル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘ
キサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単独でもし
くは併せて混合することもできる。ただし、生成するポ
リアミド酸の加水分解による低分子量化を防ぐため、水
の使用は避けることが好ましい。
【0023】本発明の複合管状体において、少なくとも
基層管状体と第1外層構成材料に添加する熱伝導性無機
粉末は、公知の熱伝導機能を有する無機粉末が限定なく
使用可能である。具体的には、窒化アルミニウム、窒化
ホウ素、アルミナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファ
イト等の粉末が挙げられる。なかでも、熱伝導機能が高
く、化学的に安定で、無害であるという点で窒化ホウ素
の使用が好ましい。このように基層管状体と第1外層と
に熱伝導性無機粉末を含有させることによりベルト全体
の熱伝導性を向上させることができ、定着速度の高速化
を実現できる。しかも、第1外層中に硬度の高い上記無
機粉末を添加することにより、フッ素樹脂層の耐磨耗性
を向上させることができる。
【0024】上記熱伝導性無機粉末の含有量は、第1外
層を形成するフッ素樹脂(固形分)100重量部に対し
て5〜50重量部の範囲に設定されていることが好まし
い。より好ましくは、5〜40重量部の範囲である。上
記の範囲とすることにより、熱伝導性の効果と共に十分
な皮膜強度とすることができる。熱伝導性無機粉末の平
均粒径は、通常、1.5μm以下に設定されていること
が好ましい。
【0025】また基層管状体を構成するポリイミド樹脂
に関しては、熱伝導性無機粉末の含有量はポリイミド樹
脂(固形分)100重量部に対して、5〜50重量部の
範囲に設定されていることが好ましい。より好ましくは
20〜40重量部の範囲である。このような範囲の添加
量とすることにより、ベルトとしての機械強度と可とう
性を保つことができる。
【0026】本発明の複合管状体は、例えば下記工程に
より製造することができる。 (1)まず成形金型として円筒状金型を準備し、円筒状
金型内周面又は外周面に熱伝導性無機粉末を含有するポ
リアミド酸溶液を塗布する。塗布後、塗布皮膜が少なく
ともそれ自体支持ができるまで乾燥・硬化させるか、あ
るいは、イミド転化が終了するまで加熱することによ
り、熱伝導性粉末を含有する基層管状体9を形成し、得
られた基層管状体9を円筒状金型から剥離して取り出
す。 (2)ポリイミド樹脂製の基層管状体9の外周面に、プ
ライマーを塗布する等により、プライマー層10を形成
する。 (3)形成されたプライマー層10の外周面に、熱伝導
性無機粉末を含有するフッ素樹脂層を形成して第1外層
11とする。 (4)第1外層の上に、熱伝導性無機粉末を含有しない
フッ素樹脂層を形成して第2外層12を形成する。
【0027】基層管状体を形成するための上記ポリアミ
ド酸溶液は、上記テトラカルボン酸二無水物(x)とジ
アミン(y)とを有機極性溶媒中で、0.5〜10時間
程度反応させて得ることが好ましい。反応時間が0.5
時間未満であると十分な反応が行われないからである。
また、反応時におけるモノマー濃度〔上記溶媒中におけ
る(x)+(y)の濃度〕は種々の要因に応じて設定で
きるが、通常5〜30重量%である。また、反応温度は
80℃以下に設定することが好ましい。
【0028】上記の反応において、有機極性溶媒中でテ
トラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させると、
その反応の進行に伴い溶液の粘度が上昇するが、本発明
においては対数粘度(η)が0.5以上となったポリア
ミド酸溶液を用いることが好ましい。対数粘度(η)が
0.5以上のポリアミド酸溶液を用いて形成した場合、
熱劣化に対する信頼性(耐熱性)が対数粘度0.5未満
のものと比較して持に優れているという利点がある。な
お、上記対数粘度(η)は毛細管粘度計を用いてポリア
ミド酸溶液と溶媒の落下時間を各々測淀し、下記の数式
(数1)により算出される値である。
【0029】
【数1】 対数粘度(η)=〔ln(t1 /t0 )〕/C ここに、t0 :溶媒の落下時間、t1 :溶液の落下時
間、C:溶液の濃度(g/dl)である。
【0030】ポリアミド酸溶液は、使用する際に、溶液
粘度が高い場合には適当な溶媒で希釈して粘度を低くし
て用いることができる。ポリアミド酸溶液の粘度は、塗
布厚み、円筒状金型の内径、溶液温度、走行体の形状等
に応じて設定されるが、通常、0.1〜10000ポイ
ズ(塗布作業時の温度でB型粘度計にて測定した粘度)
に設定される。
【0031】また、第1外層11及び第2外層12の形
成材料として、フッ素樹脂ディスパージョン(第1外層
は熱伝導性無機粉末を含む。)を用いる場合は塗布作業
性を考慮して、フッ素樹脂粉末濃度を5〜60重量%の
範囲に設定し、回転粘度(塗布作業時の温度でB型粘度
計にて測定した粘度)を1〜100ポイズに設定するこ
とが好ましい。
【0032】上記製法において、成形金型となる円筒状
金型としては、従来から管状体の製造に用いられている
ものであればどのようなものであっても差し支えはな
い。円筒状金型の材質としては、耐熱性の観点から、金
属、ガラス、セラミックス等の各種のものが例示され
る。
【0033】円筒状金型内周面へのポリアミド酸溶液
(熱伝導性無機粉末含有)の塗布方法としては、ポリア
ミド酸溶液中に円筒状金型を浸漬して金型外面に塗布膜
を形成し、これを円筒状ダイス等を使用して成膜する方
法、円筒状金型の片端部にポリアミド酸溶液を供給した
後、この円筒状金型と一定のクリアランスを有する走行
体(弾丸状、球状等)を走行させる方法、円筒状金型を
軸芯回りに回転させ、内面にポリアミド酸溶液を供給
し、遠心力により均一な皮膜とする方法等があげられ
る。
【0034】上述の走行体を走行させる方法において、
走行体を走行させる方法としては、自重走行法(円筒状
金型を垂直に立て、走行体をその自重により下方に走行
させる方法)のほか、圧縮空気やガス爆発力を利用する
方法、牽引ワイヤ等により牽引する方法等があげられ
る。
【0035】上記ポリアミド酸溶液を塗布した後の加熱
温度は、特に制限はなく適宜に設定できるが、なかでも
80〜180℃程度の低温で加熱して溶媒を蒸発除去し
た後、250〜400℃程度に昇温してイミド転化を終
了する多段加熱法を用いるのが好ましい。また、低温加
熱後に自己支持できる状態になった管状体を剥離し、プ
ライマー層やフッ素樹脂層を形成した後、高温加熱を行
ってもよい。加熱時の所要時間は加熱温度に応じて適宜
に設定するが、通常、低温加熱およびその後の高温加熱
とも20〜60分程度である。このような多段加熱法を
用いれば、イミド転化に伴い発生する閉環水や溶媒の蒸
発に起因する管状体における微小ボイドの発生を防止で
きる。
【0036】そして、上記円筒状金型からポリイミド樹
脂製の基層管状体9を剥離する方法としては、例えば円
筒状金型端部の周壁面に予め設けられた微小貫通孔に空
気を圧送する方法等があげられる。なお、基層管状体を
形成する円筒状金型内周面等に予めシリコーン樹脂等に
よる離型処理を施しておけば、基層管状体の剥離作業性
が向上し、好ましい。
【0037】また、上記プライマー層10の外周面にフ
ッ素樹脂溶液(第1外層11を形成するための溶液は熱
伝導性無機粉末を含む。)を塗布する方法としては、例
えばスプレー塗布法、スピンコート法、刷毛塗り等があ
げられる。塗布と加熱の手順としては、外層にボイドが
発生するのを防ぐために第1外層11を塗布した後、フ
ッ素樹脂溶液中の溶媒を除去し、ついで第2外層12を
塗布し、フッ素樹脂溶液中の溶媒を除去する。その後、
フッ素樹脂の融点以上に昇温して第1外層と第2外層を
融着することができる。また、この時に基層管状体のポ
リアミド酸のイミド化を同時に完了させるようにしても
よい。
【0038】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。 (熱伝導率測定方法)Kemtherm QTM−D3
(京都電子工業社製)を使用し、非定常法の熱線法にて
測定した。
【0039】(実施例)N−メチル−2−ピロリドン7
23g中に熱伝導性無機粉末として平均粒径0.81μ
mの窒化ホウ素(三井化学社製)41g(ポリイミド樹
脂固形分に対し30重量部)を分散し、これにp−フェ
ニレンジアミン41gと3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物112gを溶解(固形分濃
度20wt%)し、窒素雰囲気中において室温で撹拌し
ながら反応させて、粘度3000ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。内径40mmの円筒状金型の内面に上記ポ
リアミド酸溶液を塗布後、弾丸状走行体を自重により落
下させた後、塗膜中の気泡を除く脱泡を行い、均一な塗
膜面を得た。次いで該金型を150℃から段階的に37
0℃まで加熱して溶媒除去、閉環水の除去、イミド転化
完結反応を行い、ポリイミド樹脂層からなる基層管状体
を得た。この管状体を金型から取り出して金属シリンダ
に差し替えた後、その外表面に、固形分に対しカーボン
ブラックを4重量部含有したプライマー層を形成した。
次いで、熱伝導性無機粉末として上記窒化ホウ素を30
重量部とカーボンブラックを2重量部含有したパーフル
オロアルコキシフッ素樹脂の水分散体をスプレーコート
し、次いで管状体をパイプに差したまま150℃で10
分間加熱して、溶媒である水を除去した。さらにこの管
状体の外表面に、カーボンブラックを2重量部含有した
パーフルオロアルコキシフッ素樹脂の水分散体をスプレ
ーコートし、このパイプごと370℃まで加熱し、基層
管状体50μm、プライマー層2μm、フッ素樹脂にて
形成された第1外層7μm、フッ素樹脂にて形成された
第2外層4μmの複合管状体(総厚63μm)を得た。
この複合管状体の熱伝導率は2.63W/m・Kであ
り、この複合管状体を実際の定着装置に組み込み、複写
試験を行ったところ、3週間経過後も離型性表面に著し
い磨耗は見られず、良好な定着画像が得られた。
【0040】(比較例1)フッ素樹脂層に関し、第1外
層に用いた熱伝導性無機粉末を含有したパーフルオロフ
ルコキシフッ素樹脂の水分散体を用いずに、外層に熱伝
導性無機粉末を含有しないフッ素樹脂層のみを形成した
以外は,実施例と同様にして複合管状体を作製し、基層
管状体50μm、プライマー層2μm、フッ素樹脂層1
2μm(総厚64μm)の複合管状体を得た。この複合
管状体の熱伝導率は2.01W/m・Kであり、この複
合管状体を実際の定着装置に組み込み、複写試験を行っ
たところ、2週間後より表面の磨耗が目立ち始め、これ
に伴い、定着画像も実施例に比較して低下していた。
【0041】(比較例2)フッ素樹脂層に関し、第2外
層に用いた熱伝導性無機粉末を含有しないパーフルオロ
アルコキシフッ案樹脂の水分散体を用いずに、外層に熱
伝導性無機粉末を含有したフッ素樹脂届のみを形成した
以外は、実施例と同様にして複合管状体を作製し、基層
50μm、プライマー層2μm、窒化ホウ素含有フッ素
樹脂層11μm(総厚63μm)の複合管状体を得た。
この複合管状体の熱伝導率は2.89W/m・Kであ
り、この複合管状体を実際の定着装置に組み込み、複写
試験を行ったところ、初期よりトナーオフセットが観察
された。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、高い熱伝導性を有し、
さらに高い離型性を有しながら、数万枚の通紙後におけ
るフッ素樹脂層の磨耗の進行を防ぐことが可能である複
合管状体を得ることができる。また、この複合管状体
を、定着用ベルト、転写定着用ベルトとして、画像形成
装置に用いると、長期間高い離型性と、高熱伝導性を保
持し、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真画像形成装置におけるベルト定着装置
の例を示した概略図
【図2】電子写真画像形成装置におけるベルト定着装置
の別の例を示した概略図
【図3】本発明の複合管状体の構成を示した断面図
【符号の説明】
4 複合管状体(ベルト) 9 基層管状体 10 プライマー層 11 第1外層 12 第2外層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/12 C08L 27/12 79/08 79/08 Z G03G 15/16 G03G 15/16 15/20 101 15/20 101 102 102 Fターム(参考) 2H032 AA14 BA09 BA18 BA21 2H033 AA02 AA09 AA25 BA11 BA12 BB03 BB05 BE03 BE09 4F006 AA39 AA55 AB19 AB54 AB72 AB73 AB74 AB76 BA02 BA07 CA01 DA04 4F100 AA01A AA01B AA14 AA37 AK17B AK17C AK49A BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 CC00B CC00C DA11 DE01A DE01B EH46 EJ42 EJ65 GB51 JJ01A JJ01B JK09 JL14 4J002 BB101 BD151 BD161 BE041 CM041 DA026 DA116 DE146 DF016 DJ006 DJ016 DK006 FD116 GF00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性無機粉末を含有したポリイミド
    樹脂製の基層管状体、及び前記基層管状体の外表面に形
    成された第1外層と第2外層とを含む少なくとも2層の
    フッ素樹脂コーティング層とから構成されており、前記
    基層管状体側の第1外層は、熱伝導性無機粉末を含有す
    るものであることを特徴とする複合管状体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005258432A (ja) * 2004-02-13 2005-09-22 Ist:Kk 複合管状物
JP2014222327A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 富士ゼロックス株式会社 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP2015127727A (ja) * 2013-12-27 2015-07-09 富士ゼロックス株式会社 定着ベルト、定着装置及び画像形成装置

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