次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
給紙装置の実施形態1について、図1及び図2に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態1における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図2は、本実施形態1における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と可動ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
給紙装置1において、給紙ローラ31、32は複写機等の画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、これに圧接されるフリクションパッド41、42は、パッド装置43、44の上部に支持されている。フリクションパッド41、42は、樹脂やコルク等の摩擦部材である。パッド装置43、44は、給紙カセット21、22とそれぞれ連結装置51、52により連結されている。給紙ローラ31、32に対してパッド装置43、44を圧接するために、パッド装置43、44と連結装置51、52との間には、例えばコイルばねのようなパッド付勢部材45、46が挿入され、このパッド付勢部材45、46の弾性力によって圧接力であるパッドの付勢力が発生する。
給紙カセット21、22の中には、それぞれ例えばコイルばねのような底板付勢部材63、64によって上下可能な底板61、62があり、底板61、62の上にはそれぞれ用紙束93、94が載置されている。最上層の用紙91、92は底板付勢部材63、64の弾性力により給紙ローラ31、32にそれぞれ圧接されている。このとき、給紙ローラ31、32が、図1上で反時計方向に回転すると、用紙91、92は給紙ローラ31、32から摩擦力を受け、給紙ローラ31、32とフリクションパッド41、42との間に進入する。複数の用紙が同時に給紙ローラ31、32とフリクションパッド41、42との間に進入した場合は、各摩擦係数の相違による摩擦力の差によって用紙は分離され、1枚のみが本体機器へ給紙される。
給紙ローラ31とフリクションパッド41を通過した用紙91は、ガイド71に沿って可動ガイド80に向かって斜め上方向に搬送される。可動ガイド80は回転軸81によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、例えばコイルばねのようなガイド付勢部材82により、給紙ローラ31側の紙搬送ガイド74に向かって付勢されている。可動ガイド80の下部、すなわち用紙搬送方向上流側は、下側の給紙カセット22からの紙搬送ガイド73と連続して配置される。ここで、回転軸81の回転中心は、ガイド71の用紙搬送方向下流側の端面よりも図1における下側にあり、用紙91の先端が可動ガイド80に接触する際には、回転軸81の回転中心よりも上部、すなわち用紙搬送方向下流側で接触することが望ましい。
可動ガイド80の上部、すなわち用紙搬送方向下流側は、給紙ローラ31側の紙搬送ガイド74との間に隙間が開いており、薄紙のような腰の弱い用紙(弾性力が小さい用紙)は、ガイド71に沿って進んだ後に、可動ガイド80に接触し、曲がりながら可動ガイド80に沿って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74との隙間を通って搬送される。
また、下側の給紙カセット22から搬送されてきた用紙92は、紙搬送ガイド73に沿って進み、その後可動ガイド80に沿って可動ガイド80とガイド71との間を通って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74との隙間を通って搬送される。
厚紙のような腰の強い用紙(弾性力が大きい用紙)は、用紙の先端がフリクションパッド41を通過して、ガイド71に沿って図1中の右斜め上方向に進み、可動ガイド80の回転軸81よりも上の部分に接触する。可動ガイド80は、用紙91の先端によって回転軸81の上側の部分が押されて、可動ガイド80が図1中の時計方向に回転する。そうすると、用紙91の先端と可動ガイド80との接触角度が鋭角化する。この状態を図2に示す。その結果、用紙91の先端に対する可動ガイド80の搬送抵抗が小さくなり、用紙91は可動ガイド80に閊えることなく搬送される。
用紙91が通過した後、可動ガイド80はガイド付勢部材82によって元の位置に戻される。このように、本実施形態1によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。ここで、可動ガイドと用紙の先端との接触角度は小さい程良いが、一般的にサイズがA4の用紙を滑らかに搬送するためには、用紙の先端との接触角度が50°から70°の範囲で変化するように可動ガイド80の回転範囲を設定することが望ましい。また、本実施形態1では、可動ガイド80の形状を平面としたが、これは用紙との接触面が例えば円弧形状のような曲面をもつものであっても良い。この場合、その円弧の中心は、用紙が通過する側にあることが望ましい。
次に、給紙装置の実施形態2について、図3、図4、及び図5に基づいて詳細に説明する。図3は、本実施形態2における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図4は、本実施形態2における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図であり、図5は、本実施形態2から24における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、紙厚検知装置の一例の構成を示した側面図である。
図3及び図4は、基本的には実施形態1における図1及び図2と同様であるが、可動ガイド80が図1及び図2とは異なり、紙厚検知装置100が追加された点が異なっている。
給紙カセット21は、用紙束93の最上位の用紙91の紙の厚さを検知する紙厚検知装置100を備えている。また、給紙装置1は、紙厚検知装置100からの紙の厚さに関する情報を受け取り、可動ガイド80を駆動させるための信号を作成するガイド制御装置201と、ガイド制御装置201からの信号に基づいて可動ガイド80を駆動させるガイド駆動装置202とを備えている。ガイド駆動装置202は、例えばステッピングモータである。
紙厚検知装置100の構成を図5に示す。紙厚検知装置100は、用紙91と接触するコロ102と、コロ102を支持する本体部101と、本体部101の移動を支持するガイド部103と、本体部101とコロ102とを用紙91に付勢する付勢部104と、本体部101の変位を測定することで用紙91の厚さを測定する変位測定部105とからなる。付勢部104は、例えばばねであり、変位測定部105は例えばレーザ変位計である。
変位測定部105は、例えば、レーザフォーカス変位計が挙げられる。レーザフォーカス変位計は、レーザを本体部101上に設けられた反射部に照射する。ある特定の位置からの反射光であれば、反射光はピンホールを通過し受光素子に到達する。他方、本体部101が動いた時の反射光は、そのままではピンホールを通過できない。そこで、このような反射光の場合は、対物レンズを上下動させることで、ピンホールを通過できるようにする。この対物レンズの位置により、本体部101の移動距離を測位するものである。
図5に示すように、紙厚検知装置100は、最上位の用紙91の用紙搬送方向上流側に設置される。ガイド部103は、機器本体側(図示せず)に固定されている。コロ102は、給紙ローラ31(図3)によって用紙91を給紙するときの抵抗にならないように、給紙方向に自由回転する。
給紙ローラ31が回転して給紙動作を開始すると、用紙91は給紙ローラ31とフリクションパッド41との間を通過し、可動ガイド80に向かって斜め上方向に搬送される。このとき用紙91は、紙厚検知装置100のコロ102に接触しながら通過する。また、紙厚検知装置100の本体部101は、通過した用紙91の厚さ分だけ変位する。この変位量を変位測定部105で測定し、その用紙の厚さ情報をガイド制御装置201に送信する。ガイド制御装置201は、変位測定部105から送られてきた用紙の厚さ情報に基づいて、可動ガイド80を傾ける角度を決定し、ガイド駆動装置202を動かすための信号、例えばパルス信号をガイド駆動装置202に対して送信する。
可動ガイド80は、回転軸81によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸81はガイド駆動装置202に接続されている。用紙91が厚紙(弾性力が大きい用紙)である場合、用紙91を搬送する場合は、紙厚検知装置100が読み取った用紙の厚さ情報に基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80を動作させる。
その結果、可動ガイド80は図4に示すように反時計方向に回転し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80はガイド駆動装置202によって元の位置に戻される。このように、本発明の実施形態2によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。
なお、可動ガイド80の動きは、用紙の厚さに合わせて時間に対して一定であっても、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に可動ガイド80の傾きを図4中の反時計方向に回転させるように紙搬送の経過時間や用紙91の位置に対して可変であっても良い。紙搬送の経過時間や用紙91の位置に対して可動ガイド80の傾きを可変にする場合には、用紙91の先端と紙搬送ガイド75の接触の際の衝撃が少なくなるように可動ガイド80を動かすことにより、用紙91と紙搬送ガイド75の衝突による用紙91への衝撃負担を減らすことができる。
例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えた装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成としても良い。後述の実施形態4では、経過時間の計測などが行える構成を詳細に開示する。
また、本実施形態1及び2では、上部の可動ガイド80を駆動させる構成について説明したが、下部の引き込みガイド72を可動ガイドとして駆動させるようにしても良いことは勿論のことである。その場合には、給紙装置1は、下部の用紙92の用紙の厚さを検知する紙厚検知装置、下部の引き込みガイド72を駆動するガイド駆動装置、及びガイド駆動装置に信号を送るガイド制御装置を備えることとなる。
また、紙厚検知装置100は、用紙91が紙搬送ガイド75に接触するまでの間に、用紙91の厚さを検知できるものであれば、本実施形態2で示した形状や構造でなくても良い。さらに、本実施形態1及び2は、可動ガイドが回転運動をする例であるが、後述する実施形態4に示すように、可動ガイドは図3に対して上下運動するもので構成されても良い。
次に、給紙装置の実施形態3について、図6及び図7に基づいて詳細に説明する。図6は、本実施形態3における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図7は、本実施形態3における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
給紙装置2を使用するユーザは、給紙カセット21にセットした用紙の種類、紙の厚さ、又は紙の弾性力(曲げ剛性)等、用紙に関する情報を、入力装置203によって入力又は選択する。入力された用紙に関する情報は、記憶装置204に順番通りに格納される。記憶装置204の情報管理は、演算装置205が行う。例えば、ユーザは、画像形成装置に設けられている表示入力部で、用紙の銘柄を選択したり、画像形成装置にネットワークで接続された情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)等から、用紙の銘柄を選択したりすることができる。
演算装置205は、次に給紙される用紙91に関する情報をガイド制御装置201に送信する。送信された用紙91の用紙に関する情報に基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80を動作させる。すると、可動ガイド80は、図7に示すように反時計方向に回転し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触角度が鋭角化する。
その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80は元の位置に戻される。給紙動作が終了した用紙に関する情報は、演算装置205によって記憶装置204から削除される。このように、本実施形態3によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。
また、用紙に関する情報は、用紙91が紙搬送ガイド75に接触するまでの間に用紙91の紙の厚さを検知できる情報であれば、本実施形態3で示した情報に限られない。さらに、本実施形態3は、可動ガイドが回転運動をする例であるが、実施形態4に示すように、可動ガイドは図6に対して上下運動するもので構成されても良い。
次に、給紙装置の実施形態4について、図8及び図9に基づいて詳細に説明する。図8は、本実施形態4における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図9は、本実施形態4における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
ガイド制御装置201は、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に可動ガイド83を図8中の上方向に移動させるように、紙搬送の経過時間や用紙91の位置に対しての可動ガイド83の動作を決定する。例えば、給紙ローラ31が回転を開始した時点を開始時間とし、給紙ローラ31の回転数、すなわち、用紙91の搬送速度、あるいは位置によって可動ガイド83の動作を規定するパルス信号をガイド制御装置201に記憶させておく。
ガイド駆動装置202は、例えばステッピングモータであり、ガイド制御装置201から送られてくるパルス信号に従って、リニアスライダ82を動かす。その結果、可動ガイド83を図8の上下方向に動かすことができる。つまり、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成とした。
上記のプロセスに基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド83の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド83を動作させる。その結果、可動ガイド83は図9に示すように上方向に移動し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド83は元の位置に戻される。このように、本実施形態4によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。
次に、給紙装置の実施形態5について、図10及び図11に基づいて詳細に説明する。図10は、本実施形態5における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図11は、本実施形態5における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
給紙カセット21は、用紙束93の最上位の用紙91の紙の厚さを検知する紙厚検知装置100を備えている。また、給紙装置1は、紙厚検知装置100から用紙の厚さに関する情報を受け取り、可動ガイド80を駆動させるための信号を作成するガイド制御装置201と、ガイド制御装置201からの信号に基づいて可動ガイド80を駆動させるガイド駆動装置202とを備えている。ガイド駆動装置202は例えばステッピングモータであり、ガイド制御装置201から送られてくるパルス信号にしたがって、リニアスライダ82を動作させる。その結果、可動ガイド80を図10の上下方向に移動させることができる。なお、紙厚検知装置100については、上述した実施形態2における図5と同一のものであるので、その説明は省略する。
図10及び図11は、基本的には実施形態4における図8及び図9と同様であるが、可動ガイド80の形状が図8及び図9とは異なっている。すなわち、可動ガイド80は、用紙91と接触する部分にコロ84を備えている。コロ84は用紙91の搬送方向に対して自由に回転できるようになっており、用紙91の搬送動作に抵抗を与えないようになっている。ガイド制御装置201は、変位測定部105(図5)から送られてきた用紙の厚さ情報に基づいて可動ガイド80の変位量を決定し、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に可動ガイド80を図10中の上方向へ移動させるように、紙搬送の経過時間や用紙91の位置に対しての可動ガイド80の動作を決定する。
例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成とした。
ここで、コロ84の回転中心を通り、図10中の鉛直方向の直線が、可動ガイド80の用紙搬送方向下流にある最初のローラ対85のニップ部分よりも図10において右側になるように可動ガイド80とローラ対85とを配設するのが、給紙装置(用紙搬送装置)1を小型化するためには望ましい。
例えば、紙厚検知装置100が用紙91の厚さを検知した時点を開始時間とし、給紙ローラ31の回転速度から求められる用紙91の搬送速度によって可動ガイド80の動作を規定するパルス信号をガイド制御装置201に記憶させておく。これらのプロセスに基づき、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80を動作させる。
その結果、可動ガイド80は図11に示すように上方向へ移動し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75のとの間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80は元の位置に戻される。このように、本実施形態5によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。
次に、給紙装置の実施形態6について、図12及び図13に基づいて詳細に説明する。図12は、本実施形態6における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図13は、本実施形態6における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
図12及び図13は、基本的には実施形態5における図10及び図11と同様であり、実施形態5における紙厚検知装置100に代えて、実施形態3における入力装置203、記憶装置204、及び演算装置205を用いたものであるので、その詳細な説明は省略する。このように、本発明の実施形態6によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。
次に、給紙装置の実施形態7について、図14及び図15に基づいて詳細に説明する。図14は、本実施形態7における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図15は、本実施形態7における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
図14及び図15は、基本的には実施形態4における図8及び図9と同様であるので、その詳細な説明は省略する。このように、本実施形態7によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。
次に、給紙装置の実施形態8について、図16及び図17に基づいて詳細に説明する。図16は、本実施形態8における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図17は、本実施形態8における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と可動ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
図16及び図17は、基本的には実施形態1における図1及び図2と同様であるが、可動ガイド80が図1及び図2とは異なっている。可動ガイド80は回転軸81によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸81はガイド駆動装置202に接続されている。可動ガイド80の下部、すなわち、用紙搬送方向上流側は、用紙92の搬送を妨げないように、例えば下側の給紙カセット22からの紙搬送ガイド73と連続して配置される。可動ガイド80の上部、すなわち、用紙搬送方向下流側は、給紙ローラ側の紙搬送ガイド74との間に隙間が開いており、用紙91はガイド71に沿って進んだ後に可動ガイド80に接触し、曲がりながら可動ガイド80に沿って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74の隙間を通って搬送される。
また、下側の給紙カセット22から搬送されてきた用紙92は、紙搬送ガイド73に沿って進み、その後可動ガイド80に沿って可動ガイド80とガイド71の間を通って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74の隙間を通って搬送される。用紙91を搬送する場合は、紙厚検知装置100が読み取った用紙の厚さ情報に基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80を動作させる。
その結果、可動ガイド80は図17に示すように時計方向に回転し、用紙91の先端と可動ガイド80との間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と可動ガイド80と間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は可動ガイド80に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80はガイド駆動装置202によって元の位置に戻される。
このように、本実施形態8によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。なお、可動ガイド80の動きは、紙の厚さに合わせて時間に対して一定であっても、紙搬送のプロセスに合わせて、例えば、紙搬送の経過時間や、紙の搬送された位置に応じて、徐々に可動ガイド80の傾きを図16中の時計方向に回転させるように時間や用紙91の位置に対して可変であっても良い。例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成とした。
次に、給紙装置の実施形態9について、図18及び図19に基づいて詳細に説明する。図18は、本実施形態9における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図19は、本実施形態9における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と可動ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
図18及び図19は、基本的には実施形態6における図12及び図13と同様であるが、可動ガイド80の形状及び可動ガイド80の動作が上下運動か回転運動かという点で異なっているが、基本的な動作は同一であるので、その詳細な説明は省略する。このように、本実施形態9によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。
なお、可動ガイド80の動きは、紙の厚さに合わせて時間に対して一定であっても、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に可動ガイド80の傾きを図18中の時計方向に回転させるように紙の搬送の経過時間や用紙91の位置に対して可変であっても良い。例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成としも良い。
次に、給紙装置の実施形態10について、図20及び図21に基づいて詳細に説明する。図20は、本実施形態10における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図21は、本実施形態10における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
給紙カセット21は、用紙束93の最上位の用紙91の用紙の厚さを検知する紙厚検知装置100を備えている。また、給紙装置1は、紙厚検知装置100から用紙の厚さに関する情報を受け取り、パッド装置43ごとパッド装置台座51を駆動させるための信号を作成するパッドガイド制御装置301と、パッドガイド制御装置301からの信号に基づいてパッド装置台座51を駆動するパッド駆動装置302とを備えている。パッド駆動装置302は、例えばステッピングモータである。
図20に示すように、紙厚検知装置100は、最上位の用紙91の紙搬送方向上流側に設置される。なお、紙厚検知装置100については、上述した実施形態2における図5と同一のものであるので、その説明は省略する。パッド装置台座51は回転軸(図示せず)によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸はパッド駆動装置302に接続されている。
用紙91を搬送する場合は、紙厚検知装置100が読み取った用紙の厚さに関する情報に基づいて、パッドガイド制御装置301がパッド装置台座51の動作を決定し、パッド駆動装置302がパッド装置台座51をパッド装置43ごと動作させる。その結果、パッド装置43は図21に示すように反時計方向に回転し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75と間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙が通過した後、パッド装置台座51は元の位置に戻される。
このように、本実施形態10によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う分離給紙装置を提供することができる。なお、パッド装置台座51及びパッド装置43の動きは、用紙の厚さに合わせて、紙の搬送の経過時間に対して一定であっても、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に傾きを図20中の反時計方向に回転させるように紙の搬送の経過時間や用紙91の位置に対して可変であっても良い。また、紙厚検知装置100は、用紙91が紙搬送ガイド75に接触するまでの間に用紙91の用紙の厚さを検知できるものであれば、本実施形態10で示した形状や構造でなくても良い。
例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたパッドガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成としても良い。
本実施形態10では、上部のパッド装置台座51を駆動させる構成について説明したが、下部のパッド装置台座52を駆動させるようにしても良いことは勿論である。その場合、給紙装置1は、下部の用紙92の紙厚を検知する紙厚検知装置、下部のパッド装置台座52を駆動するパッド駆動装置、及びパッド駆動装置に信号を送るパッドガイド制御装置を備えることとなる。次に述べる実施形態11についても同様である。
次に、給紙装置の実施形態11について、図22及び図23に基づいて詳細に説明する。図22は、本実施形態11における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図23は、本実施形態11における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
ユーザは、給紙カセット21にセットした用紙の種類、紙の厚さ、又は紙の弾性力(曲げ剛性)等の用紙に関する情報を、入力装置203によって入力又は選択する。入力された用紙に関する情報は、記憶装置204に順番通りに格納される。記憶装置204の情報管理は、演算装置205が行う。演算装置205は、次に給紙される用紙91の用紙に関する情報をパッドガイド制御装置301に送信する。送信された用紙91の情報に基づき、パッドガイド制御装置301がパッド装置台座51の動作を決定し、パッド駆動装置302がパッド装置台座51を動かす。そうすると、パッド装置台座51はパッド装置43ごと図23に示すように反時計方向に回転し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との接触角度が鋭角化する。
その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、パッド装置台座51は元の位置に戻される。給紙動作が終了した用紙に関する情報は、演算装置205によって記憶装置204から削除される。
このように、本実施形態11によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。なお、パッド装置台座51及びパッド装置43の動きは、用紙の厚さに合わせて時間に対して一定であっても、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に傾きを図22中の反時計方向に回転させるように時間や用紙91の位置に対して可変であっても良い。
例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたパッドガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成としても良い。
次に、給紙装置の実施形態12について、図24及び図25に基づいて詳細に説明する。図24は、本実施形態12における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図25は、本実施形態12における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と可動ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
給紙装置1において、給紙ローラ31、32は、複写機等の画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、これに圧接されるフリクションパッド41、42は、パッド装置43、44の上部に支持されている。フリクションパッド41、42は、樹脂やコルク等の摩擦部材である。
パッド装置43、44は、給紙カセット21、22とそれぞれパッド装置台座51、52により連結されている。給紙ローラ31、32へそれぞれパッド装置43、44を圧接するため、パッド装置43、44とパッド装置台座51、52との間には、例えばコイルばねのようなパッド付勢部材45、46が挿入され、このパッド付勢部材45、46の弾性力によって圧接力であるパッド圧が発生する。
給紙カセット21、22の中には、例えばコイルばねのような底板付勢部材63、64によって上下可能な底板61、62があり、底板61、62の上には用紙束93、94が積載されている。最上位の用紙91、92は、底板付勢部材63、64の弾性力により給紙ローラ31、32にそれぞれ圧接されている。
このとき、給紙ローラ31、32が図24上で反時計回り方向に回転すると、用紙91、92は給紙ローラ31、32からそれぞれ摩擦力を受け、給紙ローラ31、32とフリクションパッド41、42との間に進入する。複数の用紙が同時に給紙ローラ31、32とフリクションパッド41、42との間に進入した場合は、各摩擦係数の相違による摩擦力の差により用紙は分離され、1枚のみが本体機器へ給紙される。
パッド装置台座51には、パッド圧検知装置107が備えられている。パッド圧検知装置107は、例えばロードセルである。パッド圧検知装置107は、フリクションパッド41が給紙ローラ31側に押し付けられる力であるパッド圧を計測する。パッド圧検知装置107によって検知されたパッド圧情報は、電気信号として紙厚演算装置206に送られる。
紙厚演算装置206は、パッド圧検知装置107から送られてきたパッド圧情報に基づいて、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入したか否かを判断し、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41の間に進入したと判断した場合は用紙91の紙厚を算出する。
紙厚を算出する方法の一例を説明する。まず、給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に用紙が存在しないときのパッド圧検知装置107の出力値をA(単位:N)とする。また、フリクションパッド41を給紙ローラ31の方向に付勢するパッド付勢部材45のばね定数をK(単位:N/m)とする。ある時点でのパッド圧検知装置107の出力値がB(単位:N)であれば、C=(B−A)/KとなるC(単位:m)を、給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に存在する用紙91の厚さとする。
給紙装置1は、紙厚演算装置206から紙厚演算装置206で算出した紙厚を含む紙厚情報を受け取り、可動ガイド80を駆動させるための信号を生成するガイド制御装置201と、ガイド制御装置201からの信号に基づいて、可動ガイド80を駆動させるガイド駆動装置202とを備えている。ガイド駆動装置202は、例えばステッピングモータである。
ガイド制御装置201は、紙厚演算装置206から送られてきた紙厚情報に基づいて、可動ガイド80を傾ける角度を決定し、ガイド駆動装置202を動かすための信号、例えばパルス信号をガイド駆動装置202に送信する。可動ガイド80は、回転軸81によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸81はガイド駆動装置202に接続されている。可動ガイド80の下部、すなわち、用紙搬送方向上流側は、下側の給紙カセット22からの紙搬送ガイド73と連続して配置されている。
可動ガイド80の上部、すなわち、用紙搬送方向下流側は、給紙ローラ31側の紙搬送ガイド74との間に隙間が開いており、用紙91はガイド71に沿って進んだ後に可動ガイド80に接触し、曲がりながら可動ガイド80に沿って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74の隙間を通って搬送される。また、下側の給紙カセット22から搬送されてきた用紙92は、紙搬送ガイド73に沿って進み、その後可動ガイド80に沿って可動ガイド80とガイド71の間を通って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74の隙間を通って搬送される。
用紙91を搬送する場合は、紙厚演算装置206が算出した紙厚情報に基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80を動作させる。その結果、回転軸81が時計回りに回転し、可動ガイド80は図25の矢印の方向に動き、用紙91の先端と可動ガイド80の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と可動ガイド80との接触抵抗が小さくなり、用紙91は可動ガイド80に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80はガイド駆動装置202によって元の位置に戻される。
パッド装置43のパッド圧が、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入する前の値Aに戻ったときは、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間を完全に通過したと判断して、次の用紙の通過に備える。なお、例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成としも良い。また、その他の例としては、パッド圧検知装置107で検出されたパッド圧により、紙厚演算装置206が紙の搬送されているかどうを検知して、ガイド装置に用紙の位置を通知する構成としても良い。
よって、本実施形態12によれば、用紙先端が搬送ガイド73に接触する前に、確実にフリクションパッド41の位置で用紙91の紙厚を検出することができる。その結果、用紙先端が可動ガイド80に接触する前に回転軸81が回転することで、可動ガイド80の角度を調節し、用紙先端と可動ガイド80との接触角度を鋭角化させることにより、用紙先端に対する可動ガイド80の搬送抵抗を小さくするので、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。
また、検出されたパッド圧から計算された上記用紙の厚さCに対しては、例えば、ある閾値Dを設けておき、その閾値を超えないパッド圧である場合、すなわちC<=Dである場合は、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間を通過しておらず、閾値を超えた場合、すなわちC>Dである場合は、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41の間を通過したと判断するようにしても良い。このようにすることで、パッド装置43の振動によるパッド圧の変化を、用紙の通過と誤認することがなくなる。
また、パッド圧検知装置107は、パッド装置43のパッド圧を検知できるものであれば、本実施形態で示した形状や構造でなくても良い。さらに、用紙91の厚さを検出する必要がなく、ただ用紙91の通過だけを検出したい場合には、パッド装置43のパッド圧が変化したとき、あるいはパッド装置43のパッド圧がある閾値を超えたときに、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間を通過したと判断しても良い。
次に、給紙装置の実施形態13について、図26及び図27に基づいて詳細に説明する。図26は、本実施形態13における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図27は、本実施形態13における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と可動ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
図26において、パッド装置台座51には、紙厚検知装置108が備えられている。紙厚検知装置108は、例えばレーザ変位計である。紙厚検知装置108は、パッド装置台座51とパッド装置43との間の距離を測定する。その方法としては、例えば、紙厚検知装置108であるレーザ変位計のレーザをパッド装置43の一部に照射し、その反射光をレーザ変位計で採光し、その距離を測定するレーザフォーカス変位計や分光干渉レーザ変位計等が用いられる。
用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入すると、パッド装置43は用紙91の紙厚分だけ変位する。すると、紙厚検知装置108がその変位量を測定し、用紙91の紙厚を検出する。給紙装置2は、紙厚検知装置108から紙厚情報を受け取り、可動ガイド80を駆動させるための信号を作成するガイド制御装置201と、ガイド制御装置201からの信号に基づいて、可動ガイド80を駆動させるガイド駆動装置202とを備えている。ガイド駆動装置202は、例えばステッピングモータである。
ガイド制御装置201は、紙厚検知装置108から送られてきた紙厚情報に基づいて、可動ガイド80を傾ける角度を決定し、ガイド駆動装置202を動かすための信号、例えばパルス信号をガイド駆動装置202に送信する。可動ガイド80は回転軸81によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸81はガイド駆動装置202に接続されている。可動ガイド80の下部、すなわち、用紙搬送方向上流側は、下側の給紙カセット22からの紙搬送ガイド73と連続して配置される。
可動ガイド80の上部、すなわち、用紙搬送方向下流側は、給紙ローラ31側の紙搬送ガイド74との間に隙間が開いており、用紙91はガイド71に沿って進んだ後に可動ガイド80に接触し、曲がりながら可動ガイド80に沿って可動ガイド80とガイド71の間を通って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74の隙間を通って搬送される。また、下側の給紙カセット22から搬送されてきた用紙92は、紙搬送ガイド73に沿って進み、その後可動ガイド80に沿って進み、可動ガイド80と紙搬送ガイド74の隙間を通って搬送される。
用紙91を搬送する場合、紙厚検知装置108が読み取った紙厚情報に基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80を動作させる。その結果、可動ガイド80は図27の矢印に示すように時計回りに回転し、用紙91の先端と可動ガイド80との間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と可動ガイド80との接触抵抗が小さくなり、用紙91は可動ガイド80に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80はガイド駆動装置202によって元の位置に戻される。
紙圧検知装置108の変位量が、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入する前の値に戻ったときは、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41との間を完全に通過したと判断して、次の用紙の通過に備える。
なお、例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成としも良い。また、その他の例としては、パッド圧検知装置で検出されたパッド圧により、紙厚演算装置が紙の搬送されているかどうかを検知して、ガイド装置に用紙の位置を通知する構成としても良い。
よって、本実施形態13によれば、用紙先端が搬送ガイド74に接触する前に、フリクションパッド41の位置で用紙91の紙厚を検出することができ、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。また、検出された変位量に対して、例えば、ある閾値を設け、その閾値を超えない変位量であるときは、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41の間を通過しておらず、閾値を超えたときは、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41の間を通過したと判断するようにしても良い。
このようにすることで、パッド装置43の振動による変位量の変化を用紙の通過と誤認することがなくなる。また、紙厚検知装置108は、パッド装置43の変位量を検知できるものであれば、本実施形態で示した形状や構造でなくても良い。また、用紙91の厚さを検出する必要がなく、ただ用紙91の通過だけを検出したい場合には、パッド装置43が変位したとき、あるいはパッド装置43の変位量がある閾値を超えたときに、用紙91が給紙ローラ31とフリクションパッド41の間を通過したと判断しても良い。
このように、本実施形態13によれば、給紙装置の一部であるフリクションパッドを使って用紙の厚さを検出しているので、用紙搬送路に用紙厚を検出するためのセンサを別個に備え付ける必要がない。よって、装置の部品数の増加を最低限に抑えられ、かつ搬送中の用紙に対して余計な負荷をかけることがないので、搬送を妨げることなく用紙の厚さを検出することができる。さらに、センサ追加によるスペースの増加を防ぐことができる。
なお、本実施形態13では、給紙カセットを有する給紙装置における実施形態を示したが、本発明は給紙トレイを有する手差し給紙装置にも適応可能であることはいうまでもない。この場合、本実施形態における給紙カセットは給紙トレイに取って代わることとなる。
次に、用紙搬送装置(給紙装置)の実施形態14について、図28、図29、及び図30に基づいて詳細に説明する。図28は、実施形態14における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)の例を示す縦断面図であり、図29は、実施形態14における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図であり、図30は、実施形態14における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)において、紙厚検知装置の構成を示した側面図である。
用紙搬送装置1(給紙装置)において、搬送ローラ31は複写機等の画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、これに圧接される対向ローラ41は、ローラ台座43に支持されている。対向ローラ41は紙搬送の抵抗にならないように自由回転する。ローラ台座43は、ローラ台座支持台51に支持されている。搬送ローラ31へ対向ローラ41を圧接するために、ローラ台座43とローラ台座支持台51との間には、例えばコイルばねのようなローラ付勢部材45が挿入され、このローラ付勢部材45の弾性力によって圧接力であるローラの付勢力が発生する。
用紙91は、搬送ローラ31の紙搬送方向上流側にある給紙装置(図示せず)等によって、搬送ローラ31と対向ローラ41の間に搬送される。搬送ローラ31は図24上で反時計方向に回転しており、搬送ローラ31と対向ローラ41との間に進入した用紙91を摩擦力によって紙搬送ガイド75に搬送する。
用紙搬送装置(給紙装置)1は、用紙91の用紙の厚さを検知する紙厚検知装置100を備えている。紙厚検知装置100は、用紙91が通過したことを検知する役割も持っている。また、用紙搬送装置(給紙装置)1は、紙厚検知装置100からの用紙の厚さに関する情報を受け取り、ローラ台座43ごとローラ台座支持台51を駆動させるための信号を作成するローラガイド制御装置401と、ローラガイド制御装置401からの信号に基づいてローラ台座支持台51を駆動するローラガイド駆動装置402とを備えている。ローラガイド駆動装置402は、例えばステッピングモータである。
紙厚検知装置100の構成を図30に示す。紙厚検知装置100は、用紙91と接触するコロ102と、コロ102を支持する本体部101と、本体部101の移動を支持するガイド部103と、本体部101とコロ102を用紙に付勢する付勢部104と、本体部101の変位を測定することで用紙91の厚さを測定する変位測定部105とからなる。付勢部104は例えばばねであり、変位測定部105は例えばレーザ変位計である。
図28に示すように、紙厚検知装置100は、搬送ローラ31の紙搬送方向上流側に設置される。ガイド部103は、機器本体側(図示せず)に固定されている。コロ102は、用紙91を搬送するときの抵抗にならないように、搬送方向に自由回転する。また、コロ102には、対向する対向コロ106が備えられている。対向コロ106は機器本体側(図示せず)に支持されており、用紙91の搬送方向に自由回転する。
用紙91が搬送ローラ31に向けて搬送されると、用紙91は、搬送ローラ31の手前にある紙厚検知装置100のコロ102と対向コロ106との間を通過する。また、紙厚検知装置100の本体部101は通過した用紙91の厚さ分だけ変位する。この変位量を変位測定部105で測定し、その紙厚情報をローラガイド制御装置401に送信する。ローラガイド制御装置401は、変位測定部105から送られてきた用紙の厚さに関する情報に基づいて、ローラ台座支持台51(図28を参照)を傾ける角度とタイミングを決定し、ローラガイド駆動装置402を動かすための信号、例えばパルス信号をローラガイド駆動装置402に送信する。
ローラ台座支持台51は回転軸(図示せず)によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸はローラガイド駆動装置402と、例えば、歯車等を介して接続している。回転軸は、対向ローラ41及びローラ台座43ごとローラ台座支持台51を搬送ローラ31の軸心を中心として対向ローラ41の縦断面における外周面に沿って回転させるよう配置されている。
用紙91を搬送する際は、紙厚検知装置100が読み取った用紙の厚さに関する情報に基づいて、ローラガイド制御装置401がローラ台座支持台51の動作パタンと動作タイミングを決定し、ローラガイド駆動装置402がローラ台座支持台51をローラ台座43ごと動かす。その結果、ローラ台座支持台51は図29に示すように搬送ローラ31の軸心を中心に反時計方向に回転し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との接触角度が鋭角化する。よって、用紙91の先端と紙搬送ガイド75と間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙が通過した後、ローラ台座支持台51は元の位置に戻される。
このように、本実施形態14によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う用紙搬送装置(給紙装置)を提供することができる。なお、ローラ台座支持台51及びローラ台座43の動きは、紙厚に合わせて紙を搬送する時間に対して一定であっても、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に傾きを図28中の反時計回りに回転させるように紙を搬送する時間や用紙91の位置に対して可変であっても良い。また、紙厚検知装置100は、用紙91が紙搬送ガイド75に接触するまでの間に用紙91の紙厚を検知できるものであれば、本実施形態14で示した形状や構造でなくても良い。また、本実施形態では、紙厚検知装置100が用紙通過のタイミングを検知する機能も兼ねていたが、これとは別に、用紙通過を検知する独立した装置を用いても良い。
なお、例えば、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたローラガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成としも良い。
次に、用紙搬送装置(給紙装置)の実施形態15について、図31及び図32に基づいて詳細に説明する。図31は、本実施形態15における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)の例を示す縦断面図であり、図32は、本実施形態15における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
用紙搬送装置(給紙装置)2を搭載した画像形成装置を使用するユーザは、画像形成装置の給紙カセット(図示せず)にセットした用紙の種類、紙の厚さ、又は紙の弾性力(曲げ剛性)等の用紙に関する情報を、入力装置203を用いて入力又は選択する。入力された用紙に関する情報は、記憶装置204に順番通りに格納される。記憶装置204の情報管理は、演算装置205が行う。
演算装置205は、次に給紙する用紙91の情報をローラガイド制御装置401に送信する。また、画像形成装置の給紙装置(図示せず)から、用紙91を給紙する搬送タイミングに関する情報をローラガイド制御装置401に送信する。搬送タイミングに関する情報とは、例えば給紙装置の給紙ローラが回転し始めたときに、開始信号をローラガイド制御装置401に送信することである。
送信された用紙91の情報及び搬送タイミングに関する情報に基づき、ローラガイド制御装置401がローラ台座支持台51の動作を決定し、ローラガイド駆動装置402がローラ台座支持台51を動かす。そうすると、ローラ台座支持台51はローラ台座43ごと図32に示すように反時計方向に回転し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75の接触角度とが鋭角化する。
その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、ローラ台座支持台51は元の位置に戻される。搬送動作が終了した用紙の情報は、演算装置205によって記憶装置204から削除される。
このように、本実施形態15によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う用紙搬送装置(給紙装置)を提供することができる。なお、ローラ台座支持台51及びローラ台座43の動きは、用紙の厚さに合わせて、紙を搬送させる時間に対して一定であっても、紙搬送のプロセスに合わせて徐々に傾きを図31中の反時計方向に回転させるように紙を搬送させる時間や用紙91の位置に対して可変であっても良い。このように、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたローラガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成とした。
また、本実施形態15では、用紙搬送のタイミングを給紙装置(図示せず)から取得したが、例えば実施形態14で示した紙厚検知装置100のような、用紙通過を検知する装置を搬送ローラ31の紙搬送方向上流側に設置し、そこから用紙搬送のタイミングの情報を取得するようにしても良い。
次に、本発明の用紙搬送装置(給紙装置)の実施形態16について、図33及び図34に基づいて詳細に説明する。図33は、本発明の実施形態16における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)の例を示す縦断面図であり、図34は、本発明の実施形態14における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
用紙搬送装置3は、搬送ローラ31の紙搬送方向上流側に、用紙91の通過を検知する用紙通過検知装置300を備える。用紙通過検知装置300は、例えばレーザセンサである。ローラガイド制御装置401は、紙搬送のプロセスに合わせて徐々にローラ台座支持台51を図33中の反時計方向に回転させるように、時間や用紙91の位置に対してのローラ台座支持台51の動作を決定する。
例えば、用紙通過検知装置300が用紙通過を検知した時点を開始時間とし、搬送ローラ31の回転数、すなわち、用紙91の速度によってローラ台座支持台51の動作を規定するパルス信号をローラガイド制御装置401に記憶させておく。上記のプロセスに基づき、ローラガイド制御装置401がローラ台座支持台51の動作を決定し、ローラガイド駆動装置402がローラ台座支持台51を動かす。
そうすると、ローラ台座支持台51はローラ台座43ごと図34に示すように反時計方向に回転し、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、ローラ台座支持台51は元の位置に戻される。
このように、本実施形態16によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う用紙搬送装置(給紙装置)を提供することができる。また、本実施形態16では、用紙搬送のタイミングを用紙通過検知装置300から取得したが、例えば実施形態14又は15に示したように、給紙装置(図示せず)から取得しても良い。また、本実施形態16では用紙通過検知装置300の一例としてレーザセンサを示したが、これに限ったものではないことはいうまでもないことである。
次に、給紙装置の実施形態17について、図35、図36、及び図37に基づいて詳細に説明する。図35は、本実施形態17における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図36は、本実施形態17における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、可動ガイドを下げた例を示す縦断面図であり、図37は、本実施形態17における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と紙搬送ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。
本実施形態17は、例えば、用紙91の曲げ剛性が極めて大きく、図35における可動ガイド80の位置であっても、用紙91が可動ガイド80に閊えて停止してしまうような場合に特に有効な実施形態である。
給紙カセット21は、用紙束93の最上位の用紙91の紙の厚さを検知する紙厚検知装置100を備えている。また、給紙装置1は、紙厚検知装置100からの用紙の厚さに関する情報を受け取り、可動ガイド80を駆動させるための信号を作成するガイド制御装置201と、ガイド制御装置201からの信号に基づいて可動ガイド80を駆動させるガイド駆動装置202とを備えている。
ガイド駆動装置202は例えばステッピングモータであり、ガイド制御装置201から送られてくるパルス信号にしたがって、リニアスライダ82を動作させる。その結果、可動ガイド80を図35の上下方向に動かすことができる。なお、紙厚検知装置100については、上述した実施形態2における図5と同一のものであるので、その説明は省略する。
図35及び図37は、基本的には実施形態5における図10及び図11と同様である。また、図36も基本的には実施形態5における図10及び図11と同様であるが、可動ガイド80の位置が、図35よりもさらに下方に位置している。
例えば、可動ガイド80は、初期位置として図35の位置にある。そして、紙厚検知装置100が用紙91の厚さを検知した時点を開始時間とし、給紙ローラ31の回転速度から求められる用紙91の搬送速度によって、可動ガイド80の動作を規定するパルス信号をガイド制御装置201に記憶させておく。これらのプロセスに基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80の位置を動かすようにする。
その結果、可動ガイド80は、用紙91の先端が可動ガイド80に到達する時点よりも前の時点において下方向に移動し、図36に示す位置に載置される。そして、用紙91の先端がコロ84を通過した時点で上方向に移動し、用紙91の先端を上方に曲げることにより、用紙91の先端と紙搬送ガイド75のとの間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と紙搬送ガイド75との間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は紙搬送ガイド75に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80は元の位置に戻される。
このように、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時し、又は用紙の位置を検知する、用紙搬送検出手段を備えたガイド制御装置を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成とした。
このように、本実施形態17によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。
次に、給紙装置の実施形態18について、図38に基づいて詳細に説明する。図38は、本実施形態18における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図である。本実施形態18は、実施形態1における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)を、手差し式の給紙装置(用紙搬送装置)に置き換えたものである。
図38は、基本的には実施形態1における図1と同様であるが、給紙カセット21が手差しトレイ23に変更された点が異なっている。給紙装置1において、手差しトレイ23の上に、用紙束93を載置する。最上位の用紙91は付勢部材(図示せず)により給紙ローラ31に圧接されている。
このとき、給紙ローラ31が、図38上で反時計方向に回転すると、用紙91は給紙ローラ31から摩擦力を受け、給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入する。複数の用紙が同時に給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入した場合は、各摩擦係数の相違による摩擦力の差によって用紙は分離され、1枚のみが本体機器へ給紙される。その後の動作は、実施形態1における図1及び図2と同様なのでその説明は省略する。
このように、本実施形態18によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う手差し式の給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。また、本実施形態18では、手差しトレイ23からの給紙と分離とを給紙ローラ31によって行っているが、給紙ローラ31よりも用紙搬送方向上流側に別の給紙ローラを備え、その給紙ローラによって給紙を行っても良い。また、手差しトレイの構成および形状は図38に示した例に限ったものではないことはいうまでもないことである。
次に、給紙装置の実施形態19について、図39に基づいて詳細に説明する。図39は、本実施形態19における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図である。
給紙装置2において、手差しトレイ23の上に、用紙束93を載置する。最上位の用紙91は付勢部材(図示せず)により給紙ローラ31に圧接されている。このとき、給紙ローラ31が、図39上で反時計方向に回転すると、用紙91は給紙ローラ31から摩擦力を受け、給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入する。複数の用紙が同時に給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入した場合には、各摩擦係数の相違による摩擦力の差によって用紙は分離され、1枚のみが本体機器へ給紙される。その後の動作は、実施形態9における図18及び図19と同様なのでその説明は省略する。
このように、本実施形態19によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う手差し式の給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。また、本実施形態19では、手差しトレイからの給紙と分離を給紙ローラ31によって行っているが、給紙ローラ31よりも用紙搬送方向上流側に別の給紙ローラを備え、その給紙ローラによって給紙を行っても良い。また、手差しトレイの構成及び形状は図39に示した例に限ったものではないことはいうまでもないことである。
次に、本給紙装置の実施形態20について、図40に基づいて詳細に説明する。図40は、本実施形態20における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図である。
給紙装置1において、手差しトレイ23の上に、用紙束93を載置する。最上位の用紙91は付勢部材(図示せず)により給紙ローラ31に圧接されている。このとき、給紙ローラ31が、図40上で反時計方向に回転すると、用紙91は給紙ローラ31から摩擦力を受け、給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入する。複数の用紙が同時に給紙ローラ31とフリクションパッド41との間に進入した場合には、各摩擦係数の相違による摩擦力の差によって用紙は分離され、1枚のみが本体機器へ給紙される。その後の動作は、実施形態12における図24及び図25と同様なのでその説明は省略する。
このように、本実施形態20によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う手差し式の給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。また、本実施形態20では、実施形態12におけるパッド圧検知装置107を用いたが、これは、用紙91が可動ガイド80に接触するまでの間に用紙91の厚さを検知することができるものであれば、本実施形態20で示した形状や構造でなくてもよく、例えば、図26及び図27で示した実施形態13における紙厚検知装置108を用いても良い。
また、本実施形態20では、手差しトレイからの給紙と分離とを給紙ローラ31によって行っているが、給紙ローラ31よりも用紙搬送方向上流側に別の給紙ローラを備え、その給紙ローラによって給紙を行っても良い。また、手差しトレイの構成及び形状は図40に示した例に限ったものではないことはいうまでもないことである。
次に、給紙装置の実施形態21について、図41、図42、及び図43に基づいて詳細に説明する。図41は、実施形態21における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図42は、実施形態21における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と可動ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図であり、図43は、実施形態21における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の可動ガイドの構造例を示す縦断面図である。
給紙装置1の装置及び動作について、実施形態1における図1及び図2と同様の部分の説明は省略する。本実施形態21における可動ガイドは、可動ガイド80、86、及び87で構成されている。図43に示すように、可動ガイド80と86とは回転軸881により、可動ガイド86と87とは回転軸882によりそれぞれ接続されている。可動ガイド80、86、及び87は、初期状態において、図41に示すような形状に配置されている。
本実施形態21における可動ガイドの構造について、図43に基づいて説明する。前述のとおり、可動ガイドは可動ガイド80、86、及び87で構成されており、可動ガイド80と86とは回転軸881により、可動ガイド86と87とは回転軸882により接続されている。また、回転軸881は可動ガイド80の溝891に沿って摺動し、回転軸882は可動ガイド87の溝892に沿って摺動する。
よって、回転軸881及び882は、摺動及び回転運動が可能である。また、図41に示すように、可動ガイド86の形状は用紙との接触面が例えば円弧形状である曲面であり、その円弧の中心は、用紙が通過する側にあることが望ましい。
可動ガイド87は回転軸812を介して画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されている。可動ガイド80、86、及び87は図41に示す配置状態から図42に示す配置状態へ連続的に変化させることができる。また、可動ガイド80、86、及び87は図42に示す配置状態から図41に示す配置状態へも連続的に変化させることができる。
図41に示すように、給紙ローラ31とフリクションパッド41を通過した用紙91は、ガイド71に沿って可動ガイド80に向かって斜め上方向に搬送される。可動ガイド80は回転軸81によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、例えばコイルばねのようなガイド付勢部材82により、給紙ローラ31側の紙搬送ガイド74に向かって付勢されている。
可動ガイド80の下部、すなわち用紙搬送方向上流側は、用紙92の搬送を妨げないように、例えば下側の給紙カセット22からの紙搬送ガイド73と連続して配置される。ここで、回転軸81の回転中心は、図41に示すように、ガイド71の用紙搬送方向下流側の端面よりも下側にあり、用紙91の先端が可動ガイド80に接触する際には、回転軸81の回転中心よりも上部、すなわち用紙搬送方向下流側で接触することが望ましい。
可動ガイド87の上部、すなわち用紙搬送方向下流側は、給紙ローラ31側の紙搬送ガイド74との間に隙間が開いており、薄紙のような腰の弱い用紙(弾性力が小さい用紙)は、ガイド71に沿って進んだ後に、可動ガイド80に接触し、曲がりながら可動ガイド80に沿って進んだ後に、可動ガイド87と紙搬送ガイド74との隙間を通って搬送される。
また、下側の給紙カセット22から搬送された用紙92は、紙搬送ガイド73に沿って進み、その後可動ガイド80に沿って進み、可動ガイド87と紙搬送ガイド74との隙間を通って搬送される。
他方、厚紙のような腰の強い用紙(弾性力が大きい用紙)は、用紙の先端がフリクションパッド41を通過して、図41におけるガイド71に沿って右斜め上方向に進み、可動ガイド80の回転軸81よりも上の部分に接触する。可動ガイド80は、用紙91の先端によって回転軸81の上側部分が押され、可動ガイド80が図41中の時計方向に回転する。
すると、用紙91の先端と可動ガイド80との接触角度が鋭角化する。この状態を図42に示す。その結果、用紙先端に対する可動ガイド80の搬送抵抗が小さくなり、用紙91は可動ガイド80に閊えることなく搬送される。また、図42に示すように、可動ガイド86及び87は、回転軸812、881、及び882による回転、並びに溝891及び892による摺動により配置状態が変化する。
その後、用紙91との接触角度を鋭角で保持しながら、用紙91は可動ガイド86及び87を通過する。用紙91が通過した後、可動ガイド80はガイド付勢部材82によって元の位置に戻され、それに伴い可動ガイド86及び87も元の位置に戻される。
このように、本実施形態21によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。ここで、本実施形態21では、可動ガイド80及び87の形状を平面としたが、これは、用紙との接触面が例えば円弧形状のような曲面であっても良い。また、本実施形態21では、可動ガイド86の形状を円弧形状としたが、用紙との接触角度を鋭角で保つことができるならば、これは平面形状であっても良い。
また、本実施形態21では、可動ガイドは可動ガイド80、86、及び87の3つから構成されているが、例えば可動ガイド80と87とからなり、回転軸と溝によってこれらの可動ガイドが連結されたものを用いても良い。さらに、可動ガイドは4つ以上の部材から構成されていても良い。
次に、給紙装置の実施形態22について、図44及び図45に基づいて詳細に説明する。図44は、本実施形態22における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図であり、図45は、本実施形態22における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)において、用紙と可動ガイドとの間の接触角度が鋭角化した例を示す縦断面図である。ここで、本実施形態22は、実施形態8における図16及び図17の画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の可動ガイド80を、実施形態21と同等のものに変えたものである。
実施形態22では、可動ガイド80、86、及び87を、ガイド付勢部材82による、言わば受動型の駆動形態としたが、本実施形態22では、実施形態8のように、ガイド駆動装置202、207による、言わば、能動型の駆動形態としたものである。
図44に示すように、可動ガイド80は、回転軸81を介してガイド駆動装置202に接続され、可動ガイド87は、回転軸812を介してガイド駆動装置207に接続される。ガイド駆動装置202及び207を稼動させることにより、可動ガイド80、86、及び87は、図44における配置状態から図45における配置状態に連続的に変化させることができる。また、可動ガイド80、86、及び87は、図45における配置状態から図44における配置状態にも連続的に変化させることができる。
給紙カセット21は、用紙束93の最上位の用紙91の紙の厚さを検知する紙厚検知装置100を備えている。なお、紙厚検知装置100については、上述した実施形態2における図5と同一のものであるので、その説明は省略する。
給紙装置1は、紙厚検知装置100から紙の厚さに関する情報を受け取り、可動ガイド80及び87を駆動させるための信号を生成するガイド制御装置201と、ガイド制御装置201からの信号に基づいて、可動ガイド80を駆動させるガイド駆動装置202と、ガイド制御装置201からの信号に基づいて、可動ガイド87を駆動させるガイド駆動装置207とを備えている。ガイド駆動装置202及び207は、例えばステッピングモータである。
給紙ローラ31が回転し給紙動作を開始すると、用紙91は給紙ローラ31とフリクションパッド41との間を通過し、可動ガイド80に向かって斜め上方向に搬送される。このとき用紙91は、紙厚検知装置100のコロ102(図5を参照)に接触しながら通過する。また、紙厚検知装置100の本体部101(図5を参照)は、通過した用紙91の厚さ分だけ変位する。この変位量が変位測定部105(図5を参照)で測定され、その用紙の厚さ情報がガイド制御装置201に送信される。
ガイド制御装置201は、変位測定部105から送られてきた用紙の厚さ情報に基づいて、可動ガイド80及び87を傾ける角度を決定し、ガイド駆動装置202及び207を動作させるための信号、例えばパルス信号をガイド駆動装置202及び207に対して送信する。
可動ガイド80は、回転軸81によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸81はガイド駆動装置202に接続されている。用紙91が厚紙(弾性力が大きい用紙)である場合、用紙91を搬送する際、紙厚検知装置100によって読み取られた用紙の厚さ情報に基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド80の動作を決定し、ガイド駆動装置202が可動ガイド80を動作させる。
また、可動ガイド87は、回転軸812によって画像形成装置の機器本体側(図示せず)に軸支されており、回転軸812はガイド駆動装置207に接続されている。用紙91が厚紙(弾性力が大きい用紙)である場合、用紙91を搬送する際、紙厚検知装置100によって読み取られた用紙の厚さ情報に基づいて、ガイド制御装置201が可動ガイド87の動作を決定し、ガイド駆動装置207が可動ガイド87を動作させる。
その結果、図45に示すように、可動ガイド80は時計方向に、可動ガイド87は反時計方向にそれぞれ回転し、用紙91の先端と可動ガイド80、86、及び87との間の接触角度が鋭角化する。その結果、用紙91の先端と可動ガイド80、86、及び87と間の接触抵抗が小さくなり、用紙91は可動ガイド80、86、及び87に閊えることなく搬送される。用紙91が通過した後、可動ガイド80、86、及び87は、ガイド駆動装置202及び207によって元の配置状態に戻される。
このように、本実施形態22によれば、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した給紙動作を行う給紙装置を提供することができる。ここで、本実施形態22では、用紙91の厚さを検出するために紙厚検知装置100を用いているが、これは実施形態9における図18及び図19のように、給紙装置1を使用するユーザが、給紙カセット21にセットした用紙の種類、紙の厚さ、又は紙の弾性力(曲げ剛性)等の用紙に関する情報を、入力装置を用いて入力又は選択し、その情報を用いるようにしても良い。
この場合、図44及び図45における紙厚検知装置100が、図18に示した入力装置203から演算装置205に取って代わるのである。さらに、実施形態12における図24及び図25で説明したパッド圧検知装置107、又は実施形態13における図26及び図27で説明した紙厚検知装置108を備え、それらから得られる用紙に関する情報を用いるようにしても良い。勿論、上記以外の紙厚検知装置を用いても良い。
また、本実施形態22では、可動ガイド80及び87をガイド駆動装置202、207によって動作させ、それに伴い可動ガイド86も動作させるよう構成したが、可動ガイド86をガイド駆動装置により動作させるようにしても良い。さらに、可動ガイド87を回転軸によって画像形成装置の機器本体側に軸支させ、ガイド駆動装置202による可動ガイド80の回転を用いて可動ガイド80、86、及び87の配置状態を変化させるようにしても良い。
あるいは、可動ガイド80を回転軸によって画像形成装置の機器本体側に軸支させ、ガイド駆動装置による可動ガイド86、87、又はその両方の動きを用いて可動ガイド80、86、及び87の配置状態を変化させるようにしても良い。さらに、可動ガイド80、86、及び87に、実施形態1で説明したガイド付勢部材82(図1を参照)を取り付けても良い。
なお、本実施形態22では、1つのガイド制御装置201を用いて2つのガイド駆動装置202、207を制御したが、各々のガイド駆動装置に対してそれぞれガイド制御装置を設けても良い。さらには、1つのガイド駆動装置を用いて可動ガイド80及び87を動作させても良い。
次に、給紙装置の実施形態23について、図46に基づいて詳細に説明する。図46は、本実施形態23における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図である。本実施形態23は、本実施形態1(図1)における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)と、本実施形態14(図28)における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)とを組み合わせた実施形態の一例である。ここで、実施形態1と同様の部分については図46の符号の末尾にaを、実施形態14と同様の部分については図46の符号の末尾にbをつけて区別する。
なお、給紙装置1aの装置及び動作について、実施形態1と同様の部分の説明は省略する。給紙装置1aは実施形態1と同様に動作し、用紙91、92はローラ対85を通過し、用紙搬送装置1bに給紙される。
また、用紙搬送装置1bの装置及び動作について、実施形態14と同様の部分の説明は省略する。用紙搬送装置1bは実施形態14と同様に動作し、用紙91、92は機器本体に搬送される。
実施形態1及び14で説明したように、本実施形態23によっても、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。また、本実施形態23では、実施形態1と実施形態14とを組み合わせた例を示したが、例えば実施形態1の代わりに実施形態2から13(図2から図27)、実施形態17から22(図35から図45)の何れかを用いてもよく、また、実施形態14の代わりに実施形態15(図31、図32)、実施形態16(図33、図34)の何れかを用いても良い。
また、本実施形態23では、実施形態14に相当する部分が、ローラ対85の直後に設けられているが、ローラ対85はなくても良く、逆に、ローラ対85に相当する部分が2箇所以上存在していても良い。さらに、実施形態14に相当する部分は、用紙搬送経路中にいくつ存在していても良く、1つに限定されたものではないことはいうまでもないことである。
次に、給紙装置の実施形態24について、図47に基づいて詳細に説明する。図47は、本実施形態24における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図である。本実施形態24は、実施形態8(図16)における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)と、実施形態14(図28)における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)を組み合わせた実施形態の一例である。ここで、実施形態8と同様である部分については図47の符号の末尾にaを、実施形態14と同様である部分については図45の符号の末尾にbをつけて区別する。
なお、給紙装置1aの装置及び動作について、実施形態8と同様の部分の説明は省略する。給紙カセット21aは、用紙束93の最上位の用紙91の厚さを検知する紙厚検知装置100aを備えている。また、給紙装置1aは、紙厚検知装置100aから用紙の厚さに関する情報を受け取り、可動ガイド80aを駆動させるための信号を作成するガイド制御装置201aと、ガイド制御装置201aからの信号に基づいて可動ガイド80aを駆動させるためのガイド駆動装置202aとを備えている。ガイド駆動装置202aは、例えばステッピングモータである。給紙装置1aは実施形態8と同様に動作し、用紙91、92はローラ対85を通過し、用紙搬送装置1bに給紙される。
用紙搬送装置1bの装置及び動作について、実施形態14と同様の部分の説明は省略する。用紙搬送装置(給紙装置)1bは、紙厚検知装置100aから用紙の厚さに関する情報を受け取り、ローラ台座43bごとローラ台座支持台51bを駆動させる信号を作成するローラガイド制御装置401bと、ローラガイド制御装置401bからの信号に基づいて、ローラ台座支持台51bを動作させるローラガイド駆動装置402bとを備えている。ローラガイド駆動装置402bは、例えばステッピングモータである。用紙搬送装置1bは実施形態14と同様に動作し、用紙91、92は機器本体に搬送される。
実施形態8及び14で説明したように、本実施形態24によっても、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。また、本実施形態24では、実施形態8と実施形態14とを組み合わせた例を示したが、例えば、実施形態8の代わりに実施形態2(図3から図5)、5(図10、図11)、10(図20、図21)、12(図24、図25)、13(図26、図27)、17(図35から図37)、20(図40)、22(図44、図45)の何れかを用いても良い。
また、本実施形態24では、ガイド制御装置201aとローラガイド制御装置401bとを別々の装置としたが、これを1つの装置としても良い。さらに、本実施形態24では実施形態14に相当する部分がローラ対85の直後に設けられているが、ローラ対85はなくても良く、逆に、ローラ対85に相当する部分が2箇所以上存在しても良い。また、実施形態14に相当する部分は、用紙搬送経路中にいくつ存在していても良く、1つに限定されたものではないことは言うまでもないことである。
次に、給紙装置の実施形態25について、図48に基づいて詳細に説明する。図48は、本実施形態25における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)の例を示す縦断面図である。本実施形態25は、実施形態9(図18)における画像形成装置の給紙装置(用紙搬送装置)と、実施形態15(図32)における画像形成装置の用紙搬送装置(給紙装置)とを組み合わせた実施形態の例である。ここで、実施形態9と同様の部分については図48の符号の末尾にaを、実施形態15と同様の部分については図48の符号の末尾にbをつけて区別する。
なお、給紙装置2aの装置及び動作について、実施形態9と同様の部分の説明は省略する。給紙装置2aを使用するユーザは、給紙カセット21aにセットした用紙の種類、紙の厚さ、又は紙の弾性力(曲げ剛性)等、用紙に関する情報を、入力装置203aを用いて入力又は選択する。入力された用紙に関する情報は、記憶装置204aに順番通りに格納される。記憶装置204aの情報管理は、演算装置205aが行う。
演算装置205aは、次に給紙される用紙91に関する情報をガイド制御装置201aに送信する。送信された用紙91に関する情報に基づいて、ガイド制御装置201aは可動ガイド80aの動作を決定し、ガイド駆動装置202aが可動ガイド80aを動作させる。すると、可動ガイド80aは時計方向に回転し、用紙91の先端と可動ガイド80aとの間の接触角度が鋭角化する。給紙装置2aは実施形態9と同様に動作し、用紙91、92はローラ対85を通過し、用紙搬送装置2bに給紙される。
用紙搬送装置2bの装置及び動作について、実施形態15と同様の部分の説明は省略する。演算装置205aは、次に給紙される用紙91、92の情報を、ローラガイド制御装置401bに送信する。また、画像形成装置の給紙装置2aから、用紙91、92を給紙する搬送タイミングに関する情報が、ローラガイド制御装置401bに送信される。ここで、搬送タイミングに関する情報は、例えば給紙装置の給紙ローラが回転し始めたとき、開始信号がローラガイド制御装置401bに送信されることにより得ることができる。又は、実施形態16(図33)で説明したような用紙通過検知装置300を設けることにより、情報を得ても良い。
このように、給紙ローラ(搬送ローラともいう。)が、用紙を搬送し始めると、その紙搬送の経過時間を計時する手段を備えたローラガイド制御装置や、用紙が搬送されている状態を検知する用紙通過検知装置300を紙搬送経路中に設けることにより、紙搬送の経過時間や、用紙位置を把握する構成とした。なお、本明細書中においては、紙搬送の経過時間を計時する手段や、用紙通過検知装置は、用紙検知手段として総称する。
送信された用紙91、92の情報、及び搬送タイミングに関する情報に基づいて、ローラガイド制御装置401bがローラ台座支持台51bの動作を決定し、ローラガイド駆動装置402bがローラ台座支持台51bを動かす。すると、ローラ台座支持台51bはローラ台座43bごと反時計方向に回転し、用紙91、92の先端と紙搬送ガイド75bとの接触角度とが鋭角化する。用紙搬送装置2bは実施形態15と同様に動作し、用紙91、92は機器本体に搬送される。
実施形態9及び15で説明したように、本実施形態25によっても、紙の閊えによる不送りを起こさない安定した搬送動作を行う給紙装置(用紙搬送装置)を提供することができる。また、本実施形態25では、実施形態9と実施形態15とを組み合わせた例を示したが、例えば実施形態9の代わりに実施形態3(図6、図7)、6(図12、図13)、11(図22、図23)、21(図41から図43)の何れかを用いても良い。
また、本実施形態25では、ガイド制御装置201aとローラガイド制御装置401bとを別々の装置としたが、これを1つの装置としても良い。さらに、本実施形態25では実施形態15に相当する部分がローラ対85の直後に設けられているが、ローラ対85はなくても良く、逆に、ローラ対85に相当する部分が2箇所以上存在しても良い。また、実施形態15に相当する部分は、用紙搬送経路中にいくつ存在していても良く、1つに限定されるものではないことはいうまでもないことである。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。