JP5898172B2 - 耐薬品性吹込み成形積層容器 - Google Patents

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本発明は、耐薬品性吹込み成形積層容器に関するものであり、さらに詳しくは、耐薬品性や機械的強度などに優れ、保管貯蔵している薬品や香料などの中への不純粒子の浸出が少なく、すなわちクリ−ン度が良好な(不純パ−ティクル溶出量が非常に少ない) 吹込み成形(ブロー成形)積層容器であって、超高純度薬品容器としても使用可能な耐薬品性吹込み成形積層容器に関するものである。
一般に、薬品や香料等を保存する容器としてガラス容器やシーラボトルなどのプラスチック製の容器や金属容器の内面をコーテイング処理した容器が用いられている。
半導体分野では、貯蔵している高純度薬品類を高純度のまま保存できることが必要である。ガラス容器は容器自体が重いため取り扱いが不便であり、落下等により割れてしまうこともある。
一方、ポリエチレン系樹脂からなる成形容器は取り扱い時に割れにくく、軽量であるという長所がある。しかしながら、半導体製造においてエッチングや洗浄に使用される高純度薬品、例えば硫酸、硝酸、過酸化水素水など、および半導体プロセス用、液晶ディスプレイ用等に使用される高純度な溶剤系レジストや希釈溶剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、ブチルセロソルブなど、および殺菌、消毒、製剤原料などの医薬用に使用される高純度な溶剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどは保管貯蔵している間に、容器を形成している樹脂組成物や添加剤から貯蔵している薬品中へ不純微粒子が浸出し、薬品の純度を損なう。このために半導体、液晶の品質および歩留りに著しい悪影響を及ぼしたり、薬品の保存期間を短くするという問題がある。
また、薬品を容器中に長期間貯蔵している間に、容器を形成している樹脂組成物から内容物である薬品中に不純微粒子が浸出し、この不純微粒子が内容物を不純化する度合いを示す指数としてクリーン度というものがある。
クリーン度は、いったん検査容器を成形し、その検査容器に一定期間超純水を貯蔵した後、樹脂製の容器が貯蔵していた水1ml中に粒径0.2μm以上の微粒子がいくつ存在するかを算定して求める。
(不純微粒子(パ−ティクル)の測定法)
1.測定装置:(株)リオン製パ−ティクルカウンタ−「KL−26」RION KL−26を使用する。
2.測定検体:成形された容器に超純水を満水に充填し、直立の状態で20分間静置した容器から測定試料を採取したものを測定検体とする。
3.測定前に超純水でパ−ティクルカウンタ−をパ−ジ後、超純水25mlで2回、測定装置を洗浄する。
4.洗浄後、超純水を10mlパ−ティクルカウンタ−に注入して、パ−ティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパ−ティクル数がゼロ(A)であることを確認する。
5.25mlの測定検体で2回、測定装置を洗浄する。
6.洗浄後、測定検体の超純水を満水にしたボトルから10mlをパ−ティクルカウンタ−に注入して、パ−ティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパ−ティクル数の平均値(B)を求める。
7.測定値から1ml中のパ−ティクル値を次式で計算して求める。
(B(個))÷10ml=個/ml
従来は、クリーン度が500 個/ml未満であると、半導体、液晶の品質および歩留りを向上することができるとされていた。しかし現在はさらに厳しくなり、5 個/ml以下が要求される場合が多くなっている。
香料分野に用いられる容器として、金属缶内面にフッ素コ−ティングした缶やシ−ラボトルが市場で使われているが、金属缶の場合、凹みや錆びの問題があり、シ−ラボトルでは香料成分が変質し、香料としての品質問題が度々発生している。
そこで、ポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなる原料樹脂の重量平均分子量が一定の範囲にあり、樹脂組成物中の遮光性顔料と分散剤の含有量が一定の範囲にあり、樹脂組成物中の低分子量の重合体、添加剤の含有量を一定重量未満にしたポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物より成形された容器が、機械的強度に優れ、取り扱いが容易で、保管貯蔵している薬品中への不純微粒子の浸出が極めて少ない、遮光性を有した高純度薬品用遮光容器(特許文献1参照)として提案されている。
容器を形成しているポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物や添加剤から貯蔵している薬品中へ不純微粒子が浸出し、薬品の純度を損なう恐れがあった。
特許第2805723号公報
本発明の目的は、耐薬品性や機械的強度などに優れ、保管貯蔵している薬品や香料などの中への不純粒子の浸出が少なく、すなわちクリ−ン度が良好な(不純パ−ティクル溶出量が非常に少ない) 吹込み成形(ブロー成形)積層容器であって、香料成分の変質が回避できるので、香料やフォトレジスト液などの超高純度薬品容器としても使用可能な耐薬品性吹込み成形積層容器を提供することである。
本発明者らは、従来の問題を解決するために、鋭意研究の結果、接液面となる内層としてフッ素樹脂樹脂を用いることにより、好ましくは添加剤フリーのフッ素樹脂樹脂を用いることにより、耐薬品性を向上できるとともに、匂い成分の変質を極力低減でき、添加剤や潤滑剤をフリ−にした特殊ポリアミド樹脂を使用することにより、硝子瓶相当のクリ−ン度が (不純パ−ティクル溶出量が非常に少ない)得られ、バリアー層としてエチレンビニルアルコール共重合樹脂を使用することにより、ガスバリアー性を向上でき、一方、フッ素樹脂やポリアミド樹脂や接着樹脂は溶融後、溶融張力が一気に低下するので、吹込み成形においてドローダウンなどの問題が発生し、例えば均一肉厚の容器を成形できないとか、不良品が発生し歩留が悪化するなどという問題があったが、外層に溶融張力が大きい超高分子量高密度ポリエチレン樹脂を用いることによってドローダウンなどが発生せず、成形性や機械的強度などが改善されるので、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器としても対応可能な耐薬品性吹込み成形積層容器が得られることを見いだし、本発明を成すに到った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、容器の内側から外側に順に、下記の内層、バリア−兼接着樹脂層、接着性層、バリア−層、接着層および外層を積層してなることを特徴とする不純微粒子溶出量の少ない耐薬品性吹込み成形積層容器である。
内層:添加剤フリーのフッ素樹脂である。
バリア−兼接着樹脂層:下記の特殊ポリアミド樹脂
接着性層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
バリア−層:エチレンビニルアルコール共重合樹脂
接着層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
外層:下記の超高分子量高密度ポリエチレン樹脂
の積層体ブロ−容器である。
特殊ポリアミド樹脂:カプロラクタム由来のポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のポリアミドであり、添加剤や潤滑剤を含む添加剤を含有せず、下記の特性を有する。
(特性)
融点(℃):175〜185
密度(Kg/m):1.01〜1.03
超高分子量高密度ポリエチレン樹脂:
ポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなり、下記特性を有する超高分子量高密度ポリエチレン樹脂である。
(特性)
密度:940〜962Kg/m
重量平均分子量:220,000〜260,000
分子量分布(Mw/Mn):12以下
溶融張力:18〜30g
本発明の請求項2は、請求項1記載の耐薬品性吹込み成形積層容器において、
前記内層に使用するフッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、テトラフルオロエチレン/パ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、及びエチレン/クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体からなる群より選択された少なくとも1種であり、前記単量体(α)は接着官能基を有する単量体であることを示し、そして下記特性を有するフッ素樹脂であることを特徴とするものである。
(特性)
MFR(5Kg荷重 g/10min):10〜40
比重:1.7〜1.9
融点(℃):150〜220
(削除)
(削除)
(削除)
本発明の請求項1は、容器の内側から外側に順に、前記内層、バリア−兼接着樹脂層、接着性層、バリア−層、接着層および外層を積層してなることを特徴とする不純微粒子溶出量の少ない耐薬品性吹込み成形積層容器であり、
接液面となる内層として前記フッ素樹脂樹脂を用いることにより耐薬品性を向上でき、臭い成分の変質を極力低減でき、添加剤や潤滑剤をフリ−にした特殊ポリアミド樹脂を使用することにより、硝子瓶相当のクリ−ン度が(不純パ−ティクル溶出量が非常に少ない)得られ、バリアー層としてエチレンビニルアルコール共重合樹脂を使用することにより、ガスバリアー性を向上でき、一方、フッ素樹脂や特殊ポリアミド樹脂や接着樹脂は溶融後、溶融張力が一気に低下するので、吹込み成形においてドローダウンなどの問題が発生し、例えば均一肉厚の容器を成形できないとか、不良品が発生し歩留が悪化するなどという問題があったが、外層に溶融張力が大きい超高分子量高密度ポリエチレン樹脂を用いることによって成形性や機械的強度などが改善され、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器としても対応可能な耐薬品性吹込み成形積層容器を提供できるという顕著な効果を奏する。
外層に溶融張力が大きい超高分子量高密度ポリエチレン樹脂を用いることによって成形性や機械的強度などが一層改善され、前記ドローダウンなどの問題がなくなり、歩留まりなども向上するという顕著な効果を奏する。
また、接液面となる内層としてフッ素樹脂樹脂を用い、好ましくは添加剤フリーのフッ素樹脂樹脂を用い、バリア−層としてエチレンビニルアルコール共重合樹脂を用いる6層構成の耐薬品性吹込み成形積層容器とすることにより、重く、破損し易く、安全性に欠ける硝子瓶と対比して、破損し難く、優れた機械的強度を有し、香料ボトルなどとしても万能容器としての性能を有し、その他種々の内容物に対しても使用できる万能なプラスチック容器として、味覚や臭覚などに関して安全・安心に使用できるという顕著な効果を奏する。
本発明の耐薬品性吹込み成形積層容器は、前記のような特性を有するので、環境や健康に優しいので、環境問題や健康問題に貢献するものであり、また経費削減にもなるので経済的であるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の耐薬品性吹込み成形積層容器において、前記内層に使用するフッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、テトラフルオロエチレン/パ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、及びエチレン/クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体からなる群より選択された少なくとも1種であり、前記単量体(α)は接着官能基を有する単量体であることを示し、そして前記特性を有するフッ素樹脂であることを特徴とするものであり、
接着官能基を有する単量体(α)を共重合したフッ素樹脂樹脂を接液面となる内層として用いることにより、ポリオレフィン並みの成形温度で共押し出し成形が可能になるとともに、隣接するバリア−兼接着樹脂層(特殊ポリアミド樹脂)との接着性が向上するというさらなる顕著な効果を奏する。
添加剤や潤滑剤を意図的には添加せず、前記添加物の最大含有量を所定値以下にした特殊ポリアミド樹脂を用いることにより、前記添加物に起因する不純パ−ティクル溶出量を大きく低減でき、硝子瓶相当のクリ−ン度が得られるというさらなる顕著な効果を奏する。
前記添加物の最大含有量が0.01質量%を超えると、薬品中へ不純微粒子が浸出し、クリーン度が5個/ml以上となり、高純度薬品用遮光容器としては使用できない。
(削除)
図1は、本発明の耐薬品性吹込み成形積層容器の壁断面を模式的に説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の耐薬品性吹込み成形積層容器の断面を説明する説明図である。
1は、フッ素樹脂からなる内層、2は、特殊ポリアミド樹脂からなるバリア−兼接着樹脂層、3は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着性層、4は、エチレンビニルアルコール共重合樹脂からなるバリア−層、5は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着層、6は、超高分子量高密度ポリエチレン樹脂からなる外層をそれぞれ示す。
本発明で使用するフッ素樹脂は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、テトラフルオロエチレン/パ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、及びエチレン/クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体からなる群より選択された少なくとも1種であり、前記特性を有する接着官能基を有する単量体(α)を共重合したフッ素樹脂であると、ポリオレフィン並みの成形温度で共押し出し成形が可能になるとともに、隣接するバリア−兼接着樹脂層(特殊ポリアミド樹脂)との接着性が向上するので、好ましく使用できる。
本発明で使用するフッ素樹脂は、添加剤フリーの無添加グレードのフッ素樹脂樹脂を用いることが好ましい。
MFR(5Kg荷重 g/10min)(265℃、5Kg荷重、ASTM D1238)は好ましくは10〜40、さらに好ましくは20〜30であり、10未満では溶融粘性が高く、吹き込み溶融成形性が悪化し駆動エネルギーも増大する恐れがあり、40を超えると溶融張力が低く吹き込み成形時にドローダウンなどの問題が生じる恐れがある。
比重(測定法:ASTM D−792)は、通常市販されている市販品の比重1.7〜1.9であってよく、好ましくは1.72〜1.76である。
融点(℃) (測定法:パーキンエルマー(株)製DSC)は、共重合する単量体(α)の量や種類によって変化するが、通常市販されている市販品の融点150〜220℃であってよく、好ましくは190〜200である。融点が150℃未満では他の積層樹脂との融点差が生じ、接着強度や成形性の問題が生じる恐れがあり、融点が220を超えると他の樹脂との積層するのが困難となる恐れがある。
共重合する単量体(α) は、接着官能基を有し共重合できる単量体であればよく特に限定されるものではないが、溶融成形を考慮して量や種類を制御して前記融点(℃)範囲になるものがよく、具体的には、例えば、フッ化エチレンを挙げることができ、この場合はエチレンとフッ化エチレンとの共重合体EFEP(例えば、ダイキン工業(株)製RP-5000)をフッ素樹脂として使用する。
本発明で使用するバリア−兼接着樹脂層の特殊ポリアミド樹脂とは、添加物が配合されていない無添加グレードのポリアミド樹脂であり、具体的には、例えば、ダイセルエニック(株)製Z4887を挙げることができる。
添加剤や潤滑剤などを含まない、すなわち添加剤や潤滑剤などフリ−なポリアミド樹脂は好ましく使用できる。
本発明で使用する接着性層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、バリア−兼接着樹脂層(特殊ポリアミド樹脂)とバリア−層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)とに対して優れた接着性を有しており、さらに接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、バリア−層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)と外層(超高分子量高密度ポリエチレン樹脂)とに対して優れた接着性を有しており、両者を接着して接着性層および接着層を形成するものであり、溶融成形可能であればよく、通常市販されている市販品を用いることができる。
前記接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂には、その接着性を損なわない範囲において、内層(フッ素樹脂)、バリア−兼接着樹脂層(特殊ポリアミド樹脂)、接着性層(無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂)、バリア−層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)、接着層(無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂)および外層(超高分子量高密度ポリエチレン樹脂)を含む回収物を配合することができる。
前記接着層の前記回収物を配合した無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、接液面となる内層のフッ素樹脂樹脂から離れているので、実用的にはクリ−ン度が損なわれる恐れがないからである。
バリア−兼接着樹脂層(特殊ポリアミド樹脂)とバリア−層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)とに対して優れた接着性を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と、バリア−層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)と外層(超高分子量高密度ポリエチレン樹脂)とに対して優れた接着性を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂とは同じでもよく、あるいは異なるものでもよく、予め試験することによって決めることが好ましい。
本発明で使用するバリア−層のエチレンビニルアルコール共重合樹脂(エチレン24〜44モル%共重合)とは、エチレンビニルアルコール共重合を加水分解しほぼ完全にケン化した樹脂であり、保香性に優れるなど、優れたガスバリアー性を有するので薬品、化粧品などの容器包装材に広く用いられており、油類、有機溶剤などへの抵抗性が高く、特に下記の特性を有するエチレンビニルアルコール共重合樹脂を用いることにより酸素バリアー性を確保できとともに、MFR、融点などが超高分子量高密度ポリエチレン樹脂と近く安定成形性に優れるので好ましく使用できる。バリア−層のエチレンビニルアルコール共重合樹脂の例としては、具体的には、例えば、(株)クラレ製のF171B(エチレン32モル%共重合、融点183℃、ケン化率99.99%)を挙げることができる。
(特性)
MFR(210℃、2.16Kg荷重 g/10min):2〜5(
密度(Kg/m):1.1〜1.3
融点(℃):170〜200(ISO1346)
MFRは好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは3〜5であり、密度は好ましくは1.1〜1.3であり、さらに好ましくは1.2〜1.3であり、融点(℃)は好ましくは170〜200であり、さらに好ましくは190〜200である。
融点が下限値未満では、接着性が不足する恐れがあり、上限値を超えると成形性が悪化する恐れがあるなど、MFR、密度、融点が前記範囲内にあるとガスバリアー性、強度、安定成形性などいずれも優れるが、前記範囲外ではこれらの特性の少なくとも1つが損なわれる恐れがある。
本発明で使用する外層の超高分子量高密度ポリエチレン樹脂とは、密度(測定法:JIS K7112)が好ましくは940〜962Kg/m、さらに好ましくは944〜946Kg/m、重量平均分子量(測定法:後述する)が好ましくは220,000〜260,000、さらに好ましくは240,000〜260,000、分子量分布(Mw/Mn) (測定法:後述する)が好ましくは12以下、さらに好ましくは11以下、溶融張力(測定方法:日本ポリエチレン法、東洋精機製作所製キャピログラフを用い210℃で測定)が好ましくは18〜30g、さらに好ましくは22〜26のポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなり、外層に用いることによって成形性や機械的強度などが改善され、ドローダウンなどの問題がなくなり、歩留まりなども向上する。
原料超高分子量高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量が220,000未満の場合、機械的強度が不足する恐れがあり、重量平均分子量が260,000を越える場合、樹脂の溶融粘度が高いため成形性が悪化し、シェアストレスによる分子切断なども起こる恐れがある。
前記密度および溶融張力が下限値未満では、ドローダウンして肉厚コントロールが困難になる恐れがあり、一方、上限値を越えると、ボトル表面にメルトフラフチャー(肌荒れ)の問題が発生する恐れがある。
本発明で使用する超高分子量高密度ポリエチレン樹脂は、市販品を用いることができる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1が使用される。共重合体中のα−オレフィンの含有量は15質量%以下が好ましい。重合法は、940〜962Kg/m高密度の重合体が得られれば、低圧法あるいは中圧法のいずれによってもよい。
特殊ポリアミド樹脂などの樹脂に含まれる添加剤の含有量は、テトラヒドロフラン(THF)を用いて、ソックスレー抽出器で8時間抽出した抽出液を液体クロマトグラフィーで分離、定量した値である。その測定条件は、装置がGULLIVER(日本分光株式会社製)、カラムがFinepak GEL 101(日本分光株式会社製)、溶媒がTHF、検出器がUV−970(日本分光株式会社製)と830−RI(日本分光株式会社製)である。
容器の分子量の測定方法は、容器より切り取った樹脂組成物を溶媒(オルトジクロルベンゼン)に溶かして試料溶液とし、GPCで分子量および分子量分布を測定する。重量平均分子量および数平均分子量は次式により算出される。
重量平均分子量=Σ(M×w)/Σw ・・・(1)
数平均分子量=Σw/Σ(w/M) ・・・・(2)
ただし、Mは分子量、wは重量分率である。
尚、GPCの測定条件は、装置が150CV(Waters社製)、カラムがTSKgel GMH−HT(東ソー株式会社製)、溶媒がオルトジクロルベンゼン、温度が138℃、検出器は示差屈折計である。容器の分子量分布を前記範囲に制御するためには、原料樹脂も一定範囲の分子量分布を持つものでなければならない。
成形方法は吹込み成形方法により、前記6層からなる本発明の耐薬品性吹込み成形積層容器を成形できるものであれば特に限定されるものではなく、市販されている吹込み成形積層容器の成形機から選択して使用することもできる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に記載の%は質量%を示す。
(実施例1)
内層としてMFR25g/10min、比重1.74,融点200℃のフッ素樹脂(ダイキン工業(株)製RP-5000)を使用し、フッ素樹脂との接着機能を有した添加剤フリ−の特殊ポリアミド樹脂(ダイセルエボニック(株)製Z4887) (バリア−兼接着樹脂)を用い、そしてバリア−樹脂(エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂F171B:(株)クラレ製)と、特殊ポリアミド樹脂との接着機能を有する接着性層として無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A) を用い、そして前記バリア−樹脂と、前記フッ素樹脂や前記ポリアミド樹脂の溶融張力低下を補うために使用する最外層となる超高分子量高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製HB111R)(HL−MFR6g/10min、密度946Kg/m3、重量平均分子量25万、溶融張力25g)との接着機能を有する接着層として無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A)を使用して、下記の成形条件でドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の耐薬品性吹込み成形積層容器(質量122g、内層50μm、特殊ポリアミド樹脂層400μm、接着性層40μm、バリア−樹脂層40μm、接着層500μm、外層750μm、全肉厚1.42mm、容量1300CC)を成形した。ただし、前記接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A)は、本発明の耐薬品性吹込み成形積層容器の回収物を接着層全体に対して30質量%配合してある。
(成形条件)
ブロ−成形機((株)ブレンズ製6種6層) (6種の押出機を用い1個のダイヘッドで6層に積層するタイプ)を使用した。
内層のフッ素樹脂:スクリュウ径40mmΦ 設定温度:240℃
特殊ポリアミド樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:260℃
接着性層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:240℃
エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:230℃
接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂層:スクリュウ径40mmΦ 設定温度:220℃
外層の超高分子量高密度ポリエチレン樹脂:スクリュウ径50mmΦ 設定温度:210℃
ダイヘッド温度:設定温度:220℃
なお、吸湿性のある特殊ポリアミド樹脂とバリア−樹脂は乾燥機を用いて80°で乾燥して水分除去したものを使用した。
このようにして得られた本発明の積層容器に、代表的な香料の例として、リモネン(商品名:オレンジオイル、純度96.4%、某社(株)製)、柑橘類(商品名:レモンエッセンス、某社(株)製)、カニオイル(15%ジメチルサルファイド、プロピレングリコール溶液、某社(株)製)、酸(酪酸:商品名:酸類、純度96.4%、某社(株)製)、コメサラダ(商品名:コメ油、某社(株)製)、エチルブチレート(商品名:エステル類、純度100%、某社(株)製)、トランス−2−ヘキセナール(商品名:アルデヒド類、純度99.7%、某社(株)製)を、各1kgをそれぞれ充填、密封し、常温、常圧で1ケ月および3ケ月放置した後、下記の試験方法によりその性能を試験した。ただし、カニオイル(15%ジメチルサルファイド、プロピレングリコール溶液だけは、常温、常圧で1ケ月および3ケ月、冷蔵保存した。
試験結果を表1に示す。
(試験方法)
各試料について、容器質量を測定し内容物が散逸していないかをチェックし、パネルメンバー10人で官能試験を行って変質していないかをチェックし、比重・屈折率を測定して変動していないかをチェックし、分析可能な試料についてはガスクロマトグラフにより成分をチェックし、結果を硝子瓶(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)に各試料を入れた場合と対比する。
表1から、本発明の積層容器は常温、常圧で1ケ月、3ケ月放置しても、いずれの香料もその品質に変化がなく、ガラス瓶の場合と同等であることが判る。
(実施例2)
内層としてMFR25g/10min、比重1.74,融点195℃のフッ素樹脂(ダイキン工業(株)製RP−5000)を使用し、フッ素樹脂との接着機能を有した添加剤フリ−の特殊ポリアミド樹脂(ダイセルエボニック(株)製Z4887、バリア−兼接着樹脂、相対粘度1.87)を用い、そしてバリア−樹脂(エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂F171B:(株)クラレ製、ケン化率99.99%)と、特殊ポリアミド樹脂との接着機能を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A) を用い、そして前記バリア−樹脂と、前記フッ素樹脂や前記ポリアミド樹脂の溶融張力低下を補うために使用する最外層となる超高分子量高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製HB111R)(HL-MFR(測定法:JIS K7112)6g/10min、密度946Kg/m3、重量平均分子量25万、溶融張力25g)との接着機能を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A)を用いて、実施例1と同じ成形条件でドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の透明性に優れた耐薬品性吹込み成形積層容器(全質量400g、内層100μm、バリア−兼接着樹脂層40μm、接着性層40μm、バリアー層40μm、接着層40μm、外層1540μm、平均全肉厚1.8mm、容量3750CC)を成形した。
このようにして得られた本発明の積層容器のクリ−ン度(個数/cc)、金属溶出(ppb),落下強度(1.2m高さ)、酸素透過率(cc/容器1本)を下記の試験法により測定した。
なお、比較のために、硝子瓶(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、容量3750CC)、高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製HB111R)のみを用いて実施例2と同様にして吹込み成形により成形した1層からなるブロー容器についても(個数/cc)、金属溶出(ppb),落下強度(1.2m高さ)、酸素透過率(cc/容器1本)を下記の試験法により測定した。
結果を表2に示す。
(試験法)
クリ−ン度(個数/cc):
1.測定装置:(株)リオン製パ−ティクルカウンタ−「KL−26」RION KL−26を使用する。
2.測定検体:成形された容器に超純水を満水に充填し、直立の状態で20分間精置した容器から測定試料を採取したものを測定検体とする。
3.測定前に超純水でパ−ティクルカウンタ−をパ−ジ後、超純水25mlで2回、測定装置を洗浄する。
4.洗浄後、超純水を10mlパ−ティクルカウンタ−に注入して、パ−ティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパ−ティクル数がゼロ(A)であることを確認する。
5.25mlの測定検体で2回、測定装置を洗浄する。
6.洗浄後、測定検体の超純水を満水にしたボトルから10mlをパ−ティクルカウンタ−に注入して、パ−ティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパ−ティクル数の平均値(B)を求める。
7.測定値から1ml中のパ−ティクル値を次式で計算して求める。
(B(個))÷10ml=個/ml
従来は、クリーン度が500 個/ml未満であると、半導体、液晶の品質および歩留りを向上することができるとされていた。しかし現在はさらに厳しくなり、5 個/ml以下が要求される場合が多くなっている。
酸素透過率(cc/容器1本):
3.75Lの容器(ボトル中央部の肉厚:1.8mm)をJIS K7126−2に準拠し、OX−TRAN2/21)(MOCON社製)測定装置を用いて、容器外側から内側への酸素透過を測定した。温湿度:外側:1気圧、23℃、50%RH酸素、内側23℃、ドライ窒素。
金属溶出(ppb):
金属溶出(ppb):
5%希フッ酸を入れてキャップをして5週間、常温常圧で放置した。この試料を0.1NHNO ベースでIPC−MASS(SEIKO SPQQ9000)を使用しppレベルまで測定する。但し、Fe、Naについては100倍に濃縮する前の試料を用い日立原子吸光Z5700を用いて測定する。測定した元素Ti、V、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、As、Sr、Zr、Mo、Ru、Ag、Cd、Sn、W、Au、TI、Pb、U、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Feの27元素。
落下強度(1.2m高さ):
3.75Lの容器(ボトル中央部の肉厚:1.8mm)に水を容量の80%充填し、高さ1.2mからコンクリート面に容器底部を下にして5回落下させ、容器側部を下にして1回落下させ、割れや漏れを目視で判定する。
表2から、硝子瓶は全てにおいて劣り、HDPE単層容器は硝子瓶よりややよいが、いずれかの試験項目において、不満足な点があるのに対して、本発明の積層容器は優れており、クリ−ン度(個数/cc)、金属溶出(ppb),落下強度(1.2m高さ)、酸素透過率(cc/容器1本)のいずれも超高純度薬品用容器として使用可能な性能を有することが判る。
なお、実施例2のブロー容器に超純水を満水に充填し、1ケ月間常温、常圧のクリーンルームに放置した後、同様にしてパーテイクル個/CCを測定した。測定結果は0.6個/CCであった。
(比較例1)
市場に出回っている1.3Lのシ−ラボトル(商品名、北酸(株)製)を用いて、実施例1と同様の香料を1kgを充填、密封し、常温、常圧で1ケ月および3ケ月放置した。1ケ月および3ケ月放置後、その性能を実施例1と同様にして試験した。試験結果を表3に示す。
リモネンは1ケ月保存性試験で散逸が認められた。エステル類およびアルデヒドも3ケ月評価で問題点が見いだされた。その他カニオイルやコメサラダについても臭気の変化が多少見られ、シ−ラ−ボトルは性能が劣り、超高純度薬品用容器として不満足であることが判った。
(比較例2)
実施例1において使用した接着機能を有した添加剤フリ−の特殊ポリアミド樹脂(ダイセルエボニック(株)製Z4887) (バリア−兼接着樹脂)の替わりに、前記特殊ポリアミド樹脂と同じ物性を有しているが酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)が0.2質量%添加されている、添加剤フリ−でない同ポリアミド樹脂(ダイセルエボニック(株)製)を使用した以外は実施例1と同様にして実施例1と同じ成形条件にて比較のための6層からなる吹込み成形積層容器を成形した。
このようにして得られた比較のための積層容器のクリ−ン度(個数/cc)、金属溶出(ppb),落下強度(1.2m高さ)、酸素透過率(cc/容器1本)を実施例2と同様にして測定した。
なお、比較のために、硝子瓶(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、容量3750CC)、高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製HB111R)のみを用いて実施例1と同様にして吹込み成形により成形した1層からなるブロー容器を前記の試験法により測定した。
試験結果を表4に示す。
表4から、比較例2の容器は、ポリアミド樹脂に添加剤が添加されており、成形時に発煙があり、そしてパ−ティクル溶出量が大幅に増加した。最内層のフッ素樹脂を通して、ポリアミド樹脂に添加された添加物が溶出したものと考えられる。
参考のためにフッ素樹脂内層100μmを400μmまで増加させて作成した積層容器についても同様にしてクリーン度を測定したが、パ−ティクル溶出量は大幅には改善されなかった。
(比較例3)
実施例1において使用した超高分子量高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製HB111R)(HL−MFR6g/10min、密度946Kg/m3、重量平均分子量25万、溶融張力25g)を使用せず、工業用缶(10〜20L)に使用されている高密度ポリエチレン樹脂(MFR0.2g/min、重量平均分子量17万、溶融張力16g)に替え、それ以外は実施例1と同様にして比較のための6層からなる吹込み成形積層容器の成形を試みた。
容器はなんとか成形できたが、ドローダウンが大きく、肉厚バラツキが大きく、製品化できない容器であった。
本発明の6層構成の耐薬品性吹込み成形積層容器は、容器の内側から外側に順に、前記内層、バリア−兼接着樹脂層、接着性層、バリア−層、接着層および外層を積層してなることを特徴とするものであり、
接液面となる内層としてフッ素樹脂樹脂を用いることにより耐薬品性を向上でき、臭い成分などの変質を極力低減でき、添加剤や潤滑剤をフリ−にしたバリア−兼接着樹脂を使用することにより、硝子瓶相当のクリ−ン度が (不純パ−ティクル溶出量が非常に少ない)得られ、バリアー層としてエチレンビニルアルコール共重合樹脂を使用することにより、ガスバリアー性を向上でき、一方、フッ素樹脂やポリアミド樹脂や接着樹脂などは溶融後、溶融張力が一気に低下するので、吹込み成形においてドローダウンなどの問題が発生し、例えば均一肉厚の容器を成形できないとか、不良品が発生し歩留が悪化するなどという問題があったが、外層に溶融張力が大きい超高分子量高密度ポリエチレン樹脂を用いることによって成形性や機械的強度などが改善され、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器としても対応可能な耐薬品性吹込み成形積層容器を提供できるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 フッ素樹脂からなる内層
2 特殊ポリアミド樹脂からなるバリア−兼接着樹脂層
3 無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着性層
4 エチレンビニルアルコール共重合樹脂からなるバリア−層
5 無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着層
6 超高分子量高密度ポリエチレン樹脂からなる外層

Claims (2)

  1. 容器の内側から外側に順に、下記の内層、バリア−兼接着樹脂層、接着性層、バリア−層、接着層および外層を積層してなることを特徴とする不純微粒子溶出量の少ない耐薬品性吹込み成形積層容器。
    内層:添加剤フリーのフッ素樹脂
    バリア−兼接着樹脂層:下記の特殊ポリアミド樹脂
    接着性層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
    バリア−層:エチレンビニルアルコール共重合樹脂
    接着層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
    外層:下記の超高分子量高密度ポリエチレン樹脂
    特殊ポリアミド樹脂:カプロラクタム由来のポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のポリアミドであり、添加剤や潤滑剤を含む添加剤を含有せず、下記の特性を有する。
    (特性)
    融点(℃):175〜185
    密度(Kg/m):1.01〜1.03
    超高分子量高密度ポリエチレン樹脂:
    ポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなり、下記特性を有する超高分子量高密度ポリエチレン樹脂である。
    (特性)
    密度:940〜962Kg/m
    重量平均分子量:220,000〜260,000
    分子量分布(Mw/Mn):12以下
    溶融張力:18〜30g
  2. 前記内層に使用するフッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、テトラフルオロエチレン/パ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/単量体(α)共重合体、及びエチレン/クロロトリフルオロエチレン/単量体(α)共重合体からなる群より選択された少なくとも1種であり、前記単量体(α)は接着官能基を有する単量体であることを示し、そして下記特性を有するフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1記載の耐薬品性吹込み成形積層容器。
    (特性)
    MFR(5Kg荷重 g/10min):10〜40
    比重:1.7〜1.9
    融点(℃):150〜220
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