JP2019171677A - 高強度易引裂性多層フィルム並びに包装袋及びストレッチフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 打ち抜き衝撃強度に優れるだけでなく、MD方向及びTD方向の易引裂性に優れる高強度易引裂性多層フィルムを提供。【解決手段】 直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層(I)と、ポリエチレン系樹脂(b)40重量%〜90重量%と環状オレフィン系樹脂(c)10重量%〜60重量%からなる混合樹脂を主成分とする樹脂層(II)と、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)を主成分とする樹脂層(III)を少なくとも1層以上含み、多層フィルム全体に対して環状オレフィン系樹脂(c)が4重量%以上、上記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)及び(d)が下記(A)〜(D)を満たす高強度易引裂性多層フィルム。(A)メタロセン系エチレン・α—オレフィン共重合体樹脂(B)MFRが0.05〜20g/10min(C)密度が0.870〜0.930g/cm3(D)融点において、110℃以下に融点を1つ以上有する【選択図】 なし

Description

本発明は、易引裂性フィルムに関し、衝撃強度、易引裂性に優れる高強度易引裂性多層フィルム、包装袋及びこれを用いたストレッチフィルムに関するものである。
近年、少子高齢化が急激に進むなか、包装袋の易開封性等のバリアフリー化への要求が強くなってきている。
食品包装袋に用いられる包装用積層体は、水蒸気バリア性やヒートシール性、耐ピンホール性などの包装袋として必要な特性付与の観点から、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層を単独もしくは積層したものが用いられてきた。
上記のような包装袋に易開封性を付与する方法として、ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層を積層させ、包装袋に易引裂性を付与する方法が挙げられている。
例えば特許文献1においては密度が0.910〜0.930g/cmのポリエチレンからなる外層(A)、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンからなる中間層(B)、密度0.880〜0.920g/cmのポリエチレンからなる内層(C)が順に積層されることを特徴とするヒートシール用易引裂性多層フィルムが記載されているが、外層(A)と内層(B)に使用できるポリエチレンは上記密度範囲内の直鎖状低密度ポリエチレンであればよく、メタロセン系触媒やチーグラー系触媒など触媒種までは明示されていない。また、打ち抜き強度や高強度を達成するフィルム、包装袋等について好ましい態様を具体的に示していない。
特許第5646222号
本発明の目的は、打ち抜き衝撃強度に優れるだけでなく、フィルムの流れ方向(MD)及びその垂直方向(TD)の易引裂性に優れる高強度易引裂性多層フィルムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、特定の原料構成における多層フィルムを作製すると、上記課題を解決できる多層フィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、第1の発明によれば、 少なくとも3層以上の層からなる多層フィルムであって、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層(I)と、ポリエチレン系樹脂(b)40重量%〜90重量%と環状オレフィン系樹脂(c)10重量%〜60重量%からなる混合樹脂を主成分とする樹脂層(II)と、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)を主成分とする樹脂層(III)を少なくとも1層以上含み、多層フィルム全体に対して環状オレフィン系樹脂(c)が4重量%以上であり、上記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)及び直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)が下記条件(A)〜(D)を満たすことを特徴とする高強度易引裂性多層フィルムが提供される。
条件(A):メタロセン系エチレン・α―オレフィン共重合体樹脂
条件(B):JIS K7210に準拠し測定されるメルトフローレート(MFR)が0.05〜20g/10min
条件(C):JIS K7112に準拠し測定される密度が0.870〜0.930g/cm
条件(D):JIS K6922−2に準拠し測定される融点において、110℃以下に融点を1つ以上有する
第2の発明によれば、JIS K7128−2に準拠し測定されるエルメンドルフ引裂試験において、フィルムの流れ方向(MD)及びその垂直方向(TD)の引裂強度が60N/mm以下であることを特徴とする第1の発明に記載の高強度易引裂性多層フィルムが提供される。
第3の発明によれば、JIS P8134に準拠し、2分の1インチ真鍮製衝撃ヘッドを用いて測定される打ち抜き衝撃強度が11J/mm以上であることを特徴とする第1又は第2の発明に記載の高強度易引裂性多層フィルムが提供される。
第4の発明によれば、JIS K6922−2に準拠し測定される該多層フィルムの融点において、110℃以下に融点を1つ以上有することを特徴とする第1ないし第3のいずれかの発明に記載の高強度易引裂性多層フィルムが提供される。
第5の発明によれば、樹脂層(I)の主成分である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)と、樹脂層(III)の主成分である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)が異なる樹脂であり、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)の密度ρ(d)(g/cm)と、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)の密度ρ(a)(g/cm)の関係が下記式で表されることを特徴とする第1ないし4のいずれかの発明に記載の高強度易引裂性多層フィルムが提供される。
式: ρ(d)+0.05>ρ(a)>ρ(d)
第6の発明によれば、樹脂層(II)中に含有されるポリエチレン系樹脂(b)が、メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体を、樹脂層(II)中10重量%以上含むことを特徴とする、第1ないし5のいずれかの発明に記載の高強度易引裂性多層フィルムが提供される。
第7の発明によれば、樹脂層(II)中に含有されるポリエチレン系樹脂(b)が、メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体を、樹脂層(II)中10重量%以上と、他の触媒系エチレン・α−オレフィン共重合体を含む混合樹脂であることを特徴とする、第1ないし6のいずれかの発明に記載の高強度易引裂性多層フィルムが提供される。
第8の発明によれば、第1ないし7のいずれかの発明に記載の高強度易引裂性多層フィルムを用いた包装袋が提供される。
第9の発明によれば、第1ないし7のいずれかの項に記載の高強度易引裂性多層フィルムを用いたストレッチフィルムが提供される。
上記のとおり、第1の発明により、打ち抜き強度と易引裂性に優れる高強度易引裂性多層フィルムが提供され、特に第2の発明により、特に易引裂性に優れ、第3又は第4の発明により、特に打ち抜き強度に優れ、第5、第6ないし第7の発明により、高強度と易引裂性のバランスに優れるフィルムが提供される。第8の発明により、高強度易引裂性の包装袋が提供され、第9の発明により、ストレッチフィルムが提供される。
以下、本発明の高強度易引裂性多層フィルムについて、各項目ごとに詳細に説明する。 なお本発明において、「主成分とする」とは層を構成する樹脂成分中の主要成分であることを意味し、具体的には層を構成する樹脂成分中70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%含有することを意味する。
<高強度易引裂性多層フィルムを構成する層>
<樹脂層(I)(III)>
本発明の樹脂層(I)(III)は、下記条件(A)〜(D)を満たす直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)と直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)をそれぞれ主成分とする。
条件(A):メタロセン系エチレン・α―オレフィン共重合体樹脂
条件(B):JIS K7210に準拠し測定されるメルトフローレート(MFR)が0.05〜20g/10min
条件(C):JIS K7112に準拠し測定される密度が0.870〜0.930g/cm
条件(D):JIS K6922−2に準拠し測定される融点において、110℃以下に融点を1つ以上有する

条件(A)について、本発明の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)と直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)は、メタロセン系エチレン・α―オレフィン共重合体樹脂、すなわちメタロセン系触媒を用いて製造されたエチレン・α―オレフィン共重合体樹脂である。なお、ポリエチレン樹脂の分野において、メタロセン系触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体は、直鎖状低密度ポリエチレンの中でも、分子量分布が狭い特性を有することが知られており、触媒種により樹脂の種類を特定することは、技術常識であるため、通常明確性を有する。
エチレンと共重合するα−オレフィンの種類としては、通常炭素数3〜12のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられる。これらのα―オレフィンの中で、好ましくは炭素数3〜8のものが望ましい。このα―オレフィンは、1種選んで用いても、所望に応じて2種以上を併用することもできる。
条件(B)について、本発明の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)、(d)のJIS K7210に準拠し測定されるメルトフローレート(MFR)は0.05〜20g/10minであり、好ましくは0.1〜10g/10minであり、より好ましくは0.5〜5g/10minである。MFRが20g/10minより大きいと打ち抜き衝撃強度が低下するため好ましくない。また、MFRが、0.05g/10minより小さいと成形時の樹脂圧力が高くなり樹脂発熱を生じたり、あるいは押出負荷が上昇する等、加工性が悪化する。なお、本発明におけるMFRは190℃、21.18N荷重における値である。
条件(C)について、本発明の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)、(d)のJIS K7112に準拠し測定される密度は0.870〜0.930g/cmであり、好ましくは0.870〜0.920g/cmであり、より好ましくは0.870〜0.910g/cmである。密度が0.930g/cmより大きいと打ち抜き衝撃強度が低下するため好ましくない。また、密度が0.870g/cmより小さいと、加工時のフィルムのブロッキングやフィルム表面の滑り不良にともなう皺の発生など、成膜性が悪化する。
条件(D)について、本発明の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)、(d)はJIS K6922−2に準拠し測定される融点において、110℃以下に融点を1つ以上有し、好ましくは100℃以下である。当温度領域に融点を有するとフィルムの柔軟性や打ち抜き衝撃強度を付与する低結晶性成分が存在するため好ましい。なお、発明における融点とは、JIS K6922−2に準拠し測定される融解ピークの頂点の温度(以下、融解ピーク温度とも記載する)を意味している。
上述の条件を満たしていれば直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)、(d)は、それぞれ同じであっても、異なっても良い。
包装袋又はストレッチフィルムを形成する多層フィルムとしては、好ましくは、樹脂層(I)の主成分である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)と、樹脂層(III)の主成分である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)が異なる樹脂であり、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)の密度ρ(d)(g/cm)と、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)の密度ρ(a)(g/cm)の関係が下記式で表されることを特徴とすると、包装袋においては、ヒートシール特性と強度のバランスがよく、ストレッチフィルムにおいては、物品への密着性にも優れ好ましい。
式: ρ(d)+0.05>ρ(a)>ρ(d)
<樹脂層(II)>
本発明の樹脂層(II)は、ポリエチレン系樹脂(b)40重量%〜90重量%と環状オレフィン系樹脂(c)10重量%〜60重量%からなる混合樹脂を主成分とする。
(i)ポリエチレン系樹脂(b)
本発明のポリエチレン系樹脂(b)は、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたホモポリエチレン若しくはエチレン・α−オレフィン共重合体のいずれであってもよいが、打ち抜き衝撃強度の観点から、エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とすることが好ましい。
主成分とする該エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂において、エチレンと共重合するα−オレフィンの種類としては、通常炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられ、密度範囲は0.870g/cm〜0.930g/cmであればいずれであっても良い。また、MFRは0.05〜20g/10minであり、好ましくは0.1〜10g/10minであり、より好ましくは0.5〜5g/10minである。MFRが20g/10minより大きいと打ち抜き衝撃強度が低下するため好ましくない。また、MFRが、0.05g/10minより小さいと成形時の樹脂圧力が高くなり樹脂発熱を生じたり、あるいは押出負荷が上昇する等、加工性が悪化する。
本発明のポリエチレン系樹脂(b)は上記の通り、エチレン・α―オレフィン共重合体樹脂を主成分としていれば良く、上述記載の条件を満たしていれば、主成分とするエチレン・α―オレフィン共重合体樹脂が1種であってもよいし、2種以上であっても良い。
好ましくは、樹脂層(II)中に含有されるポリエチレン系樹脂(b)が、メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体を、樹脂層(II)中10重量%以上含むと、高強度と易引裂性のバランスに優れた多層フィルムが得られる。
また、樹脂層(II)中に含有されるポリエチレン系樹脂(b)が、メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体を、樹脂層(II)中10重量%以上と、他の触媒系エチレン・α−オレフィン共重合体を含む混合樹脂であると、特に高強度、成形性、易引裂性のバランスに優れた多層フィルムが得られる。
(ii)環状オレフィン系樹脂(c)
本発明の易引裂性多層フィルムの樹脂層(II)で用いる環状オレフィン系樹脂(c)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα−オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。
COCとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなどの直鎖状モノマーとテトラシクロドデセン、ノルボルネンなどの環状モノマーとから得られた環状オレフィン共重合体が挙げられる。さらに具体的には上記直鎖状モノマーと炭素数が3〜20のモノシクロアルケンやビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン)及びこの誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]−3−ドデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン及びこの誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン等およびこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン及びこの誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン及びこの誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセン及びこの誘導体等の環状オレフィンとの共重合体からなる環状オレフィン共重合体などが挙げられる。直鎖状モノマー及び環状モノマーは、それぞれ、単独でも、2種類以上を併用することもできる。また、このような環状オレフィン共重合体は単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、環状オレフィン系樹脂(c)に、前記COPとCOCを併用することもできる。その場合は、COPとCOCのそれぞれの異なった性能を付与することができる。
本発明においては、ポリエチレンに対する分散性の理由により、環状オレフィン系樹脂(c)はCOCであることが好ましい。また、COCとしては、直鎖状モノマーがエチレンである、エチレン・環状オレフィン共重合体であることが好ましい。さらには、環状モノマーは、ノルボルネン等であることが好ましい。
また、本発明においては、エチレン・環状オレフィン共重合体は、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60のものであることが好ましい。より好ましくは30〜40/70〜60のものである。エチレンが15重量%未満であると、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。一方、エチレンが40重量%以上であると、十分な易引裂性、剛性が得られないため好ましくない。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引裂性、加工安定性、衝撃強度が向上するため好ましい。
さらにまた、エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることが好ましい。より好ましくは70℃以上のものである。環状オレフィンの含有量が上記範囲を下回ると、ガラス転移点が前記範囲を下回るようになり、例えば、芳香成分のバリアー性が低下するようになる、十分な剛性が得られず、高速包装機械適正に劣る等の恐れがある。一方、環状オレフィンの含有量が上記範囲を上回ると、ガラス転移点が高くなりすぎ、共重合体の溶融成形性やオレフィン系樹脂との接着性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、環状オレフィン系樹脂(c)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
環状オレフィン系樹脂(c)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、ポリプラスチック社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。本発明においては、ノルボルネン系単量体の含有比率が、前述の範囲にあること、加工性等の理由から、TOPASのグレード8007が好ましい。
<高強度易引裂性多層フィルム>
本発明の高強度易引裂性多層フィルムは、前述したように、特定の樹脂層(I)、特定の樹脂層(II)、特定の樹脂層(III)を含む、少なくとも3層以上の構成からなるものである。高強度易引裂性多層フィルム全体の厚さとしては、使用用途に応じて設定可能であり、特に限定されないが、10〜150μmが好ましい。多層フィルムの厚さが150μmを超えると、引裂荷重が大きくなり、易引裂性が悪化する可能性がある。
また、本発明の高強度易引裂性多層フィルム中の樹脂層(II)の厚さは、多層フィルム全体を基準として、10〜70%であることが好ましい。より好ましくは20〜70%である。すなわち、例えば樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の3層フィルムの場合、2/1/2〜1/4/1程度の層比をとることが出来る。樹脂層(II)が10%より薄いと十分な易引裂性が得られないので好ましくない。一方、70%より厚いと、剛性が高くなりすぎ、成膜性及び製袋適性を悪化させるため好ましくない。
本発明の高強度易引裂性多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂層(I)、樹脂層(II)、樹脂層(III)を構成する成分を、それぞれ別の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により、溶融状態で(I)/(II)/(III)の順で積層させた後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。
この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。また、本発明の高強度易引裂性多層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形が可能となる。
さらに、通常用いられる方法により、本発明の高強度易引裂性多層フィルムをシーラントフィルムとして用い、樹脂層(I)又は樹脂層(II)上に接着性樹脂や接着剤を介して基材をラミネートしてラミネートフィルムとすることもできる。
本発明の高強度易引裂性多層フィルムは、JIS K7128−2を参考にして測定されるエルメンドルフ引裂試験において、フィルムの流れ方向(MD)及びその垂直方向(TD)における引裂強度が60N/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、30N/mm以下、更に20N/mm以下である。引裂強度が大きすぎると、易引裂性が悪化するため好ましくない。
また、本発明の高強度易引裂性多層フィルムはJIS P8134を参考にして2分の1インチ真鍮製衝撃ヘッドを用いて測定される打ち抜き衝撃強度が11J/mm以上であることが好ましい。打ち抜き衝撃強度が11J/mm未満となると、落袋時の破袋やフィルムの破れ等につながるため好ましくない。
なお、本発明において、樹脂層(I)、樹脂層(II)及び樹脂層(III)には、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、樹脂層(I)及び樹脂層(III)には、滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
また、本発明において、「主成分とする」とは層を構成する樹脂成分中の主要成分であることを意味し、具体的には層を構成する樹脂成分中70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%含有することを意味する。したがって、本発明の目的を損なわない範囲で、有機過酸化物を反応開始剤として重合される高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等も上述の範囲内であれば各樹脂層(I)、(II)、(III)のそれぞれに含むことができる。
<包装袋>
本発明の高強度易引裂性多層フィルムからなる包装袋としては、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の高強度易引裂性多層フィルムの内層又は外層同士を重ねてヒートシールすることにより形成した包装袋が挙げられる。2枚の当該高強度易引裂性多層フィルムを所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填した後、ヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらに、1枚の当該高強度易引裂性多層フィルムを用いて、横ピロー包装、縦ピロー包装の形態でも用いることができる。
本発明の高強度易引裂性多層フィルムを用いた包装材には、初期の引裂強度を弱め、開封性を向上するためにVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成すると好ましい。ノッチ等の形成部としては、シール部や包装材の上下端部、左右折り目部、ピロー包装の背張り部等が挙げられる。包装材の形態とノッチ形成部に応じて、ノッチ周囲にノッチを囲むようにして三日月状等の形状のシール部を設けることで、内部の密閉性を確保できる。
また、前記包装容器としては、本発明の高強度易引裂性多層フィルムを二次成形することにより得られる深絞り成形品(上部に開口部がある底材)が挙げられ、代表的なものとして食品用途の真空包装袋のボトム材やブリスターパックの底材などが挙げられる。
上記の二次成形方法としては、例えば、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等が
挙げられる。これらの中でも、フィルムあるいはシートを包装機上にてインラインで成形
し、内容物を充填できるため真空成形が好ましい。
なお、一般的に包装袋の流れ方向(MD)は、充填時や製袋時のライン方向に平行な軸であり、且つ原反フィルムの流れ方向(MD)に対応する。例えば、横ピロー包装材であれば、背張りの長尺方向が包装袋の流れ方向(MD)に対応し、且つフィルムの流れ方向(MD)に対応する。
<ストレッチフィルム>
本発明の高強度易引裂性多層フィルムからなるストレッチフィルムとしては、食品用や産業用の用途に用いられるストレッチフィルムが挙げられる。例えば、食品用途としては、家庭及びスーパーマーケット、商店、飲食店等での精肉、鮮魚、青果、惣菜、出前料理等の食品包装用ストレッチフィルムが挙げられる。また、産業用途としては、パレット荷崩れ防止及び米袋や肥料袋の荷崩れ防止、牧草集積包装等の産業用ストレッチフィルムが挙げられる。また、当該ストレッチフィルムは手巻きと機械式自動巻きの双方に使用でき、且つ機械式集積用ストレッチフード用のストレッチフィルムとしても使用できる。
本発明の高強度フィルムからなるストレッチフィルムは、対象物を当該ストレッチフィルムで包装、集積した後に、任意の場所を手で容易に引裂くことが出来るため、利便性に優れるだけでなく、フィルムを引裂く際に刃物を使用する必要がないために安全性に優れ、且つ異物混入リスクも低減できる。また、同様に包装、集積された対象物を開封、荷崩しする際も手で容易にストレッチフィルムを引裂けるため易開封性にも優れる。
本発明の高強度易引裂性多層フィルムからなるストレッチフィルムにおいて、樹脂層(I)と樹脂層(II)を最表面に積層し、各層の主成分となる直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)(d)の密度を最適化することで、ストレッチフィルムに必要な粘着性を制御できる。
以下に、本発明の実施例を示す。
<使用原料>
(1−1)直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)(d)
・日本ポリエチレン株式会社製「カーネルKF270」、MFR2.0g/10min、密度0.907g/cm3
・日本ポリエチレン株式会社製「カーネルKF260T」、MFR2.0g/10min、密度0.901g/cm3
・日本ポリエチレン株式会社製「ハーモレックスNF366A」、MFR1.5g/10min、密度0.919g/cm3
・日本ポリエチレン株式会社製「ハーモレックスNF444A」、MFR2.0g/10min、密度0.912g/cm3
・日本ポリエチレン株式会社製「ノバテックUF421」、MFR0.9g/10min、密度0.926g/cm3
・株式会社プライムポリマー製「エボリューSP2020」、MFR2.3g/10min、密度0.921
・株式会社プライムポリマー製「エボリューSP0510」、MFR1.2g/10min、密度0.903g/cm3
(1−2)ポリエチレン系樹脂(b)
・日本ポリエチレン株式会社製「ノバテックUF230」、MFR1.0g/10min、密度0.921g/cm3
・日本ポリエチレン株式会社製「ノバテックUF320」、MFR0.9g/10min、密度0.922g/cm3
・日本ポリエチレン株式会社製「カーネルKF282」、MFR2.2g/10min、密度0.915g/cm3
・日本ポリエチレン株式会社製「ハーモレックスNF366A」、MFR1.5g/10min、密度0.919g/cm3
・株式会社プライムポリマー製「エボリューSP0510」、MFR1.2g/10min、密度0.903g/cm3
(1−3)環状ポリオレフィン系樹脂(c)
・ポリプラスチックス株式会社製「TOPAS8007F−600」、ガラス転移温度78℃
<共押出しインフレーションフィルム成形>
(2−1)
成形機:3種3層インフレーション成形機
ダイス径:300mmφ
ダイリップクリアランス:3mm
ブロー比:3.4
(2−2)
成形機:3種3層インフレーション成形機
ダイス径:250mmφ
ダイリップクリアランス:3mm
ブロー比:1.8
(2−3)
成形機:3種3層インフレーション成形機
ダイス径:200mmφ
ダイリップクリアランス:3mm
ブロー比:2.0
<物性評価方法>
(3−1)エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128−2を参考にし、以下の装置を用いてエルメンドルフ引裂強度を評価した。なお、MDはフィルム流れ方向であり、TDはその垂直方向の値である。
装置:デジタルエルメンドルフ引裂試験機 型式SA(株式会社東洋精機製作所製)
測定環境:温度23℃、湿度50%
(3−2)打ち抜き衝撃強度
JIS P8134を参考にして、以下の装置を用いて打ち抜き衝撃強度を評価した。
装置:フィルムインパクトテスタ(株式会社東洋精機製作所製)
衝撃ヘッド:2分の1インチ(真鍮製)
測定環境:温度23℃、湿度50%
(3−3)融点
JIS K6922−2に準拠し、以下の装置を用いて融点を測定した。
装置:示差走査熱量測定装置DSC7020 (エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)
昇温速度:10℃/min
(実施例1)
上記使用原料を用いて、外層から樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の順序で前記(2−1)記載の共押出しインフレーション成形法により積層させた3層インフレーションフィルムを得た。樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の層比は1/1/1とし、厚みは25μmとした。樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)の濃度は36重量%とした。
(実施例2)
実施例1と同様の条件で、厚み15μmの3層インフレーションフィルムを得た。
(実施例3)
実施例1と同様の条件で、樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の層比を1/4/1とし、樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)の濃度を18重量%とした3層インフレーションフィルムを得た。
(実施例4)
実施例3と同様の条件で、厚み15μmの3層インフレーションフィルムを得た。
(実施例5)
上記使用原料を用いて、外層から樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の順序で前記(2−2)記載の共押出しインフレーション成形法により積層させた3層インフレーションフィルムを得た。樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の層比は1/1/1とし、厚みは90μmとした。樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)の濃度は24.5重量%とした。
(実施例6)
実施例5と同様の条件で、厚みは70μm、樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)の濃度を19.6重量%とした3層インフレーションフィルムを得た。
(実施例7)
実施例5と同様の条件で、実施例5とは異なる樹脂原料を用いて3層インフレーションフィルムを得た。
(比較例1)
上記使用原料を用いて、外層から樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の順序で前記(2−1)記載の共押出しインフレーション成形法により積層させた3層インフレーションフィルムを得た。樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の層比は1/4/1とし、厚みは25μmとした。樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)の濃度は9重量%とした。
(比較例2)
上記使用原料を用いて、外層から樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の順序で前記(2−3)記載の共押出しインフレーション成形法により積層させた3層インフレーションフィルムを得た。樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の層比は1/1/1とし、厚みは90μmとした。樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)の濃度は60重量%とした。
(比較例3)
比較例2と同様の条件で、樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の層比を2/1/2とした3層インフレーションフィルムを得た。
(比較例4)
比較例2と同様の条件で、樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)の濃度を30重量%とした3層インフレーションフィルムを得た。
(比較例5)
上記使用原料を用いて、外層から樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の順序で前記(2−2)記載の共押出しインフレーション成形法により積層させた3層インフレーションフィルムを得た。樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(III)の層比は1/1/1とし、厚みは90μmとした。樹脂層(II)における環状ポリオレフィン系樹脂(c)を用いない3層インフレーションフィルムを得た。
Figure 2019171677
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Figure 2019171677
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(評価)
表1〜4から明らかなように、比較例5については樹脂層(II)に環状ポリオレフィン系樹脂を用いていないために、TDの引裂強度が著しく大きく、易引裂性が悪い。また、比較例1においては、樹脂層(II)に環状ポリオレフィン系樹脂を用いているが、樹脂層(II)中における環状ポリオレフィン系樹脂の濃度が十分でないために、TDの引裂強度が著しく大きく、易引裂性が悪い。さらに、比較例2〜4においては、樹脂層(II)中に環状ポリオレフィン系樹脂が十分な濃度含有されているため、TDの引裂強度が小さく、易引裂性に優れるが、樹脂層(I)と樹脂層(II)を構成する樹脂がチーグラー系触媒より製造されたエチレン・α―オレフィン共重合体樹脂であり、且つ110℃以下の融点を有しないために、打ち抜き強度に劣る。
一方、本発明に基づく実施例1〜7においては、樹脂層(II)中に環状ポリオレフィン系樹脂が十分な濃度含有されており、また樹脂層(I)と樹脂層(II)を構成する樹脂がメタロセン系触媒より製造されたエチレン・α―オレフィン共重合体樹脂であり、且つ110℃以下の融点を有するために、TDの引裂強度が小さく、易引裂性に優れるだけでなく、打ち抜き強度にも優れる。したがって、高強度、易引裂性が要求されるフィルム及び包装袋、ストレッチフィルム等に好適である。

Claims (9)

  1. 少なくとも3層以上の層からなる多層フィルムであって、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層(I)と、ポリエチレン系樹脂(b)40重量%〜90重量%と環状オレフィン系樹脂(c)10重量%〜60重量%からなる混合樹脂を主成分とする樹脂層(II)と、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)を主成分とする樹脂層(III)を少なくとも1層以上含み、多層フィルム全体に対して環状オレフィン系樹脂(c)が4重量%以上であり、上記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)及び直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)が下記条件(A)〜(D)を満たすことを特徴とする高強度易引裂性多層フィルム。

    条件(A):メタロセン系エチレン・α―オレフィン共重合体樹脂
    条件(B):JIS K7210に準拠し測定されるメルトフローレート(MFR)が0.05〜20g/10min
    条件(C):JIS K7112に準拠し測定される密度が0.870〜0.930g/cm
    条件(D):JIS K6922−2に準拠し測定される融点において、110℃以下に融点を1つ以上有する
  2. JIS K7128−2に準拠し測定されるエルメンドルフ引裂試験において、フィルムの流れ方向(MD)及びその垂直方向(TD)の引裂強度が60N/mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高強度易引裂性多層フィルム。
  3. JIS P8134に準拠し、2分の1インチ真鍮製衝撃ヘッドを用いて測定される打ち抜き衝撃強度が11J/mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高強度易引裂性多層フィルム。
  4. JIS K6922−2に準拠し測定される該多層フィルムの融点において、110℃以下に融点を1つ以上有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載の高強度易引裂性多層フィルム。
  5. 樹脂層(I)の主成分である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)と、樹脂層(III)の主成分である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)が異なる樹脂であり、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(d)の密度ρ(d)(g/cm)と、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)の密度ρ(a)(g/cm)の関係が下記式で表されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の高強度易引裂性多層フィルム。
    式: ρ(d)+0.05>ρ(a)>ρ(d)
  6. 樹脂層(II)中に含有されるポリエチレン系樹脂(b)が、メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体を、樹脂層(II)中10重量%以上含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかの項に記載の高強度易引裂性多層フィルム。
  7. 樹脂層(II)中に含有されるポリエチレン系樹脂(b)が、メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体を、樹脂層(II)中10重量%以上と、他の触媒系エチレン・α−オレフィン共重合体を含む混合樹脂であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかの項に記載の高強度易引裂性多層フィルム。
  8. 請求項1ないし7のいずれかの項に記載の高強度易引裂性多層フィルムを用いた包装袋。
  9. 請求項1ないし7のいずれかの項に記載の高強度易引裂性多層フィルムを用いたストレッチフィルム。
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