JP2019031328A - スパウト - Google Patents

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JP2019031328A JP2018009137A JP2018009137A JP2019031328A JP 2019031328 A JP2019031328 A JP 2019031328A JP 2018009137 A JP2018009137 A JP 2018009137A JP 2018009137 A JP2018009137 A JP 2018009137A JP 2019031328 A JP2019031328 A JP 2019031328A
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新二 竹林
Shinji Takebayashi
新二 竹林
高木 直樹
Naoki Takagi
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Abstract

【課題】バリア性樹脂を含む層が露出しないように構成されたスパウトであって、不良品率が低くなるような形状を有するスパウトを提供することを目的とする。
【解決手段】 容器に取り付けられて注出口を構成するスパウト本体と、該スパウト本体に内挿された筒状成形体とを有し、前記スパウト本体が、前記筒状成形体が前記注出口側から抜け出ないように前記筒状成形体の前記注出口側の端面を係止する爪部を有するものであり、前記筒状成形体が、最外層又は中間層であるバリア性樹脂を含む樹脂層Iと、最内層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層IIとを有するものであり、前記爪部が、前記筒状成形体の端面のうち樹脂層Iの端面を全て被覆し、かつ、樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう前記筒状成形体の端面を係止するものである、スパウト。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパウトに関する。
従来、様々な形態からなるプラスチック性軟包装用袋が開発されており、例えば、離乳食類、流動食類、輸液袋類、ジュース類、ゼリー状飲料、栄養ドリンク剤、飲料水、お茶、コーヒー飲料、牛乳、調味料、油、化粧品類、その他等の種々の飲食品を充填包装した包装製品が販売されている。特に、近年、上記の自立性袋、カゼット型袋、その他等の種々の形態からなるプラスチック性軟包装用袋においては、その利便性から、その袋体の一辺の開口部に口栓を取り付けてなる包装製品等も提案されている。これらの包装製品は、スパウト付パウチ等と呼ばれており、取り扱いが簡単であり、また、再密閉性等を有しており需要が高まってきている。
このような包装製品に用いられる口栓はスパウトと呼ばれ、近年では、包装本体のバリア性に加え、内容物の劣化防止の観点などからスパウトにもガスバリア性等を付与し、より一層の製品価値の向上を図ろうという試みがされている。例えば、特許文献1には、ガスバリア性などを有する機能性樹脂層を中間層として有する筒状スリーブを、スパウト本体に内挿した複合スパウトが開示されている。
特開2007−238104公報
特許文献1においては、筒状スリーブを構成する機能性樹脂層が包装本体に収容された内容物に溶出することによって、衛生上の問題や内容物の劣化の問題が生じることのないように、筒状スリーブの端面が露出しないように端面をスパウト本体で覆う構造をとる。具体的には、筒状スリーブの端面を覆う片端部6の先端が、該筒状スリーブの内周縁に合致するように構成するか(図4A)、又は、筒状スリーブの内周縁よりも半径方向内側へ突き出した形状となるように構成することを教示している。
ところで、筒状スリーブの端面を被覆する片端部のような微細な形状を検討するにあたっては、その製造過程において不良品率が低くなるような形状とすることも重要である。例えば、複雑な構造を有するスパウト本体は、予め金型内に筒状スリーブを装着した、上で、金型内へ射出成型をすることにより製造することが想定されるが、射出成型時の樹脂の粘度に起因する充填不良や、筒状スリーブの金型への装着時のズレや変形により、期待する微細形状が形成できず、機能性樹脂層の端面が被覆されていない不良品が製造されることがある。
したがって、筒状スリーブの端面を被覆する片端部の形状を検討するにあたっては、単に筒状スリーブの端面を被覆していればよいというものではなく、形状に起因して不良品率が高くなることがあるという観点から、不良品率が低くなるような形状とすることも重要な要素である。
このような観点から、特許文献1に開示される片端部の形状を改めてみると、筒状スリーブの端面を覆う片端部の先端が、該筒状スリーブの内周縁に合致するように構成した場合には、当然、片端部を構成する樹脂が内周縁でとどまらず、筒状スリーブの内周面に入り込むという不良形態が想定され(図4B)、また、筒状スリーブの内周縁よりも半径方向内側へ突き出した形状となるように構成した場合には、この不良形態がより顕著に生じるものと考えられる。
また、半径方向内側から該スパウト本体の片端に向かって半径方向外方に傾斜する傾斜面を有する構造を作製するには、筒状スリーブを装着するコアと基台との間に傾斜面があることが必要となるが、薄く変形しやすい筒状スリーブをこのようなコアに差し込んだ場合、その差し込み強さによって筒状スリーブの末端が小径部と傾斜面との間で位置止めできず、傾斜面で広げられたような変形をするという不良形態が想定される(図4D)。
さらに、半径方向内側から該スパウト本体の片端に向かって半径方向外方に傾斜する傾斜面が鋭角である場合には、先端まで樹脂が入り込めず、バリア性樹脂層を十分に被覆できないという不良形態が想定される(図4C)。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バリア性樹脂を含む層が露出しないように構成されたスパウトであって、不良品率が低くなるような形状を有するスパウトを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、筒状成形体の端面を係止する爪部が所定の形状を有することにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
容器に取り付けられて注出口を構成するスパウト本体と、該スパウト本体に内挿された筒状成形体とを有し、
前記スパウト本体が、前記筒状成形体が前記注出口側から抜け出ないように前記筒状成形体の前記注出口側の端面を係止する爪部を有するものであり、
前記筒状成形体が、最外層又は中間層であるバリア性樹脂を含む樹脂層Iと、最内層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層IIとを有するものであり、
前記爪部が、前記筒状成形体の端面のうち樹脂層Iの端面を全て被覆し、かつ、樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう前記筒状成形体の端面を係止するものである、
スパウト。
〔2〕
前記樹脂層Iの酸素透過度が、10000mL・μm/m2・24hrs・MPa(23℃・65%RH)以下であり、且つ
前記樹脂層Iの水蒸気透過度が、1000g・μm/m2・24hrs(38℃・90%RH)以下である、
〔1〕に記載のスパウト。
〔3〕
前記爪部の先端の角度が、45〜90度である、
〔1〕又は〔2〕に記載のスパウト。
〔4〕
前記筒状成形体の最内層である樹脂層IIの膜厚が、前記筒状成形体の総厚に対して、35〜60%である、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のスパウト。
本発明によれば、バリア性樹脂を含む層が露出しないように構成されたスパウトであって、不良品率が低くなるような形状を有するスパウトを提供することができる。
本実施形態のスパウトの一態様を表す断面図を示す。 本実施形態のスパウト本体に設けられた爪部を表す拡大図を示す。 本実施形態のスパウト本体に設けられた爪部の先端の角度を説明するための拡大図を示す。 従来のスパウト本体に設けられた爪部を表す拡大図を示す。 本実施形態のスパウトの製造方法を表すフローチャートを示す。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔スパウト〕
本実施形態のスパウトは、容器に取り付けられて注出口を構成するスパウト本体と、該スパウト本体に内挿された筒状成形体とを有し、前記スパウト本体が、前記筒状成形体が前記注出口側から抜け出ないように前記筒状成形体の前記注出口側の端面を係止する爪部を有するものであり、前記筒状成形体が、最外層又は中間層であるバリア性樹脂を含む樹脂層Iと、最内層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層IIとを有するものであり、前記爪部が、前記筒状成形体の端面のうち樹脂層Iの端面を全て被覆し、かつ、樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう前記筒状成形体の端面を係止するものである。
図1に、本実施形態のスパウトの一態様を表す断面図を示す。スパウト10は、容器1に取り付けられて注出口を構成するスパウト本体2と、該スパウト本体2に内挿された筒状成形体3とを有する。スパウト本体2は、容器1に取り付けられる取付部2aと容器1から露出した口部2bとを有する。口部2bの外形は、必要に応じてスパウトの蓋部(不図示)が取り付けられるようねじ山などを有していてもよい。
筒状成形体3は、容器内の内容物を外部に注出させるための注出流路4を形成する。筒状成形体3は、少なくとも最内層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層IIと、樹脂層IIよりも外側の層(最外層又は中間層)として設けられたバリア性樹脂を含む樹脂層Iとを有する多層構造を有し、最内層である樹脂層IIは、バリア性樹脂を含む樹脂層Iが注出流路4内に露出しないよう構成される。
また、筒状成形体3の注出口側(口部2b側)の端面3aは、その一部がスパウト本体2に設けられた爪部5により係止されており、取付部2a側の端面3bは、少なくともその一部が取付部2aの内面の窪みにより係止されている。
〔スパウト本体〕
特に、本実施形態のスパウトにおいては、スパウト本体が、筒状成形体が注出口側から抜け出ないように筒状成形体の注出口側の端面を係止する爪部を有するものであり、スパウト本体の有する爪部5が筒状成形体の端面のうち樹脂層Iの端面を全て被覆し、かつ、樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう筒状成形体の端面を係止する(3a’)よう構成される。これにより、爪部5を構成する樹脂が筒状成形体の内周縁でとどまらず、筒状スリーブの内周面に入り込む6’という不良形態(図4B)がより生じにくい形状となる。なお、後述する図5(a)に示すように、スパウト本体を筒状成形体3の外側に射出成型をする場合にはコア金型に筒状成形体3を装着する。この際、小径部24bの外径と筒状成形体3の内径とが完全に一致する場合、筒状成形体3をスムーズに装着することができないため、通常は、小径部24bの外径は筒状成形体3の内径よりも若干小さくなるように構成される。図4Bに示す片端部の入り込み6’は、この小径部24bと筒状成形体3の隙間において生じ得るものである。
また、スパウト本体の有する爪部5が筒状成形体の端面のうち樹脂層Iの端面を全て被覆し、かつ、樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう筒状成形体の端面を係止するよう構成されることにより、樹脂層Iの端面が片端部6’’により全て被覆されないという不良形態(図4C)がより生じにくい形状となる。
さらに、樹脂層IIの端面の全てが被覆されない、即ち爪部5が樹脂層IIの端面のうち内周側の面を被覆しない構成を有するためには、後述するスパウトの製造方法における射出成型において、図5(a)で示すようなコア金型21を用いる。このコア金型21は、基台22と、筒状成形体装着部23とからなり、筒状成形体装着部23は、基台22側に位置する大径部24aと、先端側に位置する小径部24bとを有する。大径部24aと小径部24bとの間の部分5’は、爪部5の形状を形作る部分となり、大径部24aから小径部24b方向へ延びる傾斜部25と、傾斜部25と小径部24bとをつなぐストッパー部26とを有する。ストッパー部26は、筒状成形体3がそれ以上台形部側に行かないようにするための部分であり、樹脂層IIの端面の一部がストッパー部の面と接するように成形される。
ストッパー部を有さず、大径部24aと小径部24bを単に傾斜部25で接続しただけのコア金型を用いた場合には、筒状成形体装着部23に装着された筒状成形体3が、その挿入の強さにより傾斜部25にまで挿入され、結果として、筒状成形体3が傾斜面で広げられたような変形7をするという不良形態が想定される(図4D)。また、変形7は、後述する図5(c)の射出成型において、溶融樹脂の流動圧を受けることにより筒状成形体装着部23の大径部24a側に移動しようとする負荷が加わることによっても生じ得る。これに対して、本実施形態の爪部は、樹脂層IIの端面のうち内周側の面を被覆しない構成を有するものであるため、ストッパー部を有さないコア金型を用いる必要がなく、筒状成形体3が傾斜面で広げられたような変形7をするという不良形態(図4D)がより生じにくい形状となる。
爪部の形状については、特に制限されないが、例えば、図2Aに示されるように、直角三角形の断面形状を有するもの、図2Bに示されるように四角形上の断面形状を有するもの、図2Cに示されるように、先端が丸みを帯びた断面形状を有するものが挙げられる。なお、爪部の形状は、後述する図5で用いる金型の形状、及びそこに流れ込む樹脂組成物の粘度により調整することが可能である。
爪部の先端の角度θは、好ましくは45〜90度であり、より好ましくは60〜90度であり、さらに好ましくは70〜90度である。爪部の先端の角度θが上記範囲内であることにより、樹脂の充填性がより良好となる傾向にある。また、爪部の先端は、必ずしも図3Aに示すように鋭角である必要はなく、図3Bに示すように丸みを帯びていてもよい。この場合における角度θは、爪部の先端の接線と筒状成形体の端面とが成す角とする。なお、角度θは、スパウトを切断し、その端面を顕微鏡などを用いて確認することにより測定することができる。
また、爪部は、樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう筒状成形体の端面を係止するものであれば特に制限されないが、爪部による樹脂層IIの端面の被覆率は、好ましくは10〜90%であり、より好ましくは20〜90%であり、さらに好ましくは30〜85%である。爪部による樹脂層IIの端面の被覆率が上記範囲内であることにより、上述した不良形態の発生がより有効に抑制される傾向にある。なお、爪部による樹脂層IIの端面の被覆率は、図3Aに示すように、下記式であらわされる径方向の厚さの割合であり、被覆された面積と樹脂層IIの端面の総面積の割合ではない。被覆率は、スパウトを切断し、その端面を顕微鏡などを用いて被覆幅及び各樹脂層の幅を確認することにより測定することができる。
被覆率(%)=(R1/(R1+R2))×100
R1=爪部による樹脂層IIの端面の被覆幅
R1+R2=樹脂層IIの端面の幅
スパウト本体を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン等のポリエチレン系樹脂(以下、「PE」ともいう。);ホモ或いは、ランダム、ブロック等の共重合体等のポリプロピレン系樹脂(以下、「PP」ともいう。);エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」ともいう。);ポリアミド系樹脂(以下、「PA」ともいう。);接着性樹脂が挙げられる。このなかでも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
〔筒状成形体〕
筒状成形体は、最外層又は中間層であるバリア性樹脂を含む樹脂層Iと、最内層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層IIとを有する。なお、本実施形態において、「樹脂層」とは、筒状成形体の側壁方向に沿って配される円筒状の層をいう。
(樹脂層I)
樹脂層Iは、筒状成形体の最外層又は中間層に位置する、バリア性樹脂を含む層である。バリア性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリ塩化ビニリデン共重合体、エチレンビニルアセテート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン系樹脂が挙げられる。バリア性樹脂層は、これら樹脂を含むものであっても、これら樹脂からなるものであってもよいが、これら樹脂からなる層であることが好ましい。また、バリア性樹脂は、1層単独で用いても、2層以上を組み合わせて用いてもよい。以下、各樹脂の態様について記載する。
(ポリ塩化ビニリデン共重合体)
ポリ塩化ビニリデン共重合体における塩化ビニリデン単量体と共重合可能な単量体(以下、「コモノマー」ということもある。)としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル;アクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;メタクリル酸;メチルアクリロニトリル;酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、水蒸気バリア性及び酸素バリア性(以下、まとめて「各種バリア性」ともいう。)と押出加工性のバランスの観点からアクリル酸エステル、メチルアクリロニトリルが好ましい。これらの共重合可能な単量体は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
塩化ビニリデン共重合体を構成する塩化ビニリデンの含有量は、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上100質量%未満であり、さらに好ましくは95質量%以上100質量%未満である。塩化ビニリデン共重合体を構成する塩化ビニリデンの含有量が85質量%以上であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物の劣化がより抑制される傾向にある。
塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体及び塩化ビニリデン−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−メチルアクリロニトリル共重合体のコモノマー含有量は、好ましくは1〜35質量%であり、より好ましくは1〜25質量%であり、さらに好ましくは2〜15.5質量%であり、よりさらに好ましくは2〜10質量%であり、さらにより好ましくは4〜10質量%であり、特に好ましくは5〜8質量%である。塩化ビニリデン共重合体中のコモノマー含有量が1質量%以上であることにより、押出時の溶融特性がより向上する傾向にある。また、塩化ビニリデン共重合体のコモノマー含有量が35質量%以下であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物の劣化がより抑制される傾向にある。
また、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体のコモノマー含有量は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは1〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜21質量%であり、よりさらに好ましくは3.5〜18.5質量%であり、さらにより好ましくは6〜16質量%であり、特に好ましくは8.5〜13.5質量%である。塩化ビニリデン共重合体のコモノマー含有量が1質量%以上であることにより、押出時の溶融特性がより向上する傾向にある。また、塩化ビニリデン共重合体のコモノマー含有量が40質量%以下であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物の劣化がより抑制される傾向にある。
ポリ塩化ビニリデンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5×104〜1.5×105であり、より好ましくは6×104〜1.3×105であり、さらに好ましくは7×104〜1×105である。重量平均分子量(Mw)が5×104以上であることにより、押出時の溶融特性がより向上する傾向にある。また、重量平均分子量(Mw)が1.5×105以下であることにより、熱安定性を維持した溶融押出が可能となる傾向にある。なお、本実施形態において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー法(GPC法)により、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
(エチレンビニルアセテート)
エチレンビニルアセテート中の酢酸ビニルの含有量は、好ましくは1〜35質量%であり、より好ましくは5〜30質量%であり、さらに好ましくは10〜25質量%であり、特に好ましくは15〜20質量%である。酢酸ビニルの含有量が上記範囲内であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物の劣化がより抑制される傾向にある。
(エチレン−ビニルアルコール共重合体)
エチレン−ビニルアルコール共重合体中のビニルアルコールの含有量は、好ましくは25〜60質量%であり、より好ましくは30〜55質量%であり、さらに好ましくは35〜50質量%であり、特に好ましくは40〜45質量%である。エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物の劣化がより抑制される傾向にある。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度は、好ましくは98〜100モル%であり、より好ましくは99〜100モル%である。ケン化度が上記範囲内であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物の劣化がより抑制される傾向にある。
(ポリアミド系樹脂)
ポリアミド系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド同士の共重合体、芳香族ポリアミド同士の共重合体、及び脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドの共重合体が挙げられる。
脂肪族ポリアミドとしては、特に制限されないが、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリウンデカラクタム(ナイロン11)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)などが挙げられる。
また、芳香族ポリアミドとしては、特に制限されないが、例えば、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリパラキシリレンアジパミド(ナイロンPXD6)、ポリテトラメチレンテレフタルアミド(ナイロン4T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ナイロン5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)などが挙げられる。
このなかでも、各種バリア性の観点からナイロンMXD6が好ましい。このような樹脂を用いることにより、常温化及び高温下における内容物の劣化がより抑制される傾向にある。
(ポリクロロトリフルオロエチレン系樹脂)
ポリクロロトリフルオロエチレン系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、クロロトリフルオロエチレンの単独重合体、クロロトリフルオロエチレンとコノモマーとの共重合体が挙げられる。
(厚み)
樹脂層Iの厚みは、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは400μm以下であり、さらに好ましくは300μm以下である。樹脂層Iの厚みが500μm以下であることにより、樹脂層Iを薄く構成することができる。そのため、スパウトの外形的な大きさを変化させることなく注出流路の内径を増加させることができ、比較的粘度の高い内容物もより容易に流出させることができる傾向にある。また、樹脂層Iの厚みは、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm以上であり、さらに好ましくは150μm以上である。樹脂層Iの厚みが50μm以上であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物劣化がより抑制される傾向にある。
(酸素透過度)
23℃・65%RHにおける樹脂層Iの酸素透過度は、好ましくは10000mL・μm/m2・24hrs・MPa以下であり、より好ましくは1000mL・μm/m2・24hrs・MPa以下であり、さらに好ましくは100mL・μm/m2・24hrs・MPa以下である。23℃・65%RHにおける樹脂層Iの酸素透過度の下限は特に制限されず、0mL・μm/m2・24hrs・MPa(検出限界)である。なお、本明細書において「RH」は、相対湿度を意味する。
23℃・65%RHにおける樹脂層Iの酸素透過度が10000mL・μm/m2・24hrs・MPa以下であることにより、樹脂層Iの酸素バリア性がより向上し、内容物の劣化などがより抑制される傾向にある。なお、23℃・65%RHにおける樹脂層Iの酸素透過度は、バリア層を構成する樹脂を適宜選択して用いることにより、低下させることができる。また、23℃・65%RHにおける樹脂層Iの酸素透過度は実施例に記載の方法により測定することができる。
(水蒸気透過度)
38℃・90%RHにおける樹脂層Iの水蒸気透過度が、好ましくは1000g・μm/m2・24hrs以下であり、より好ましくは100g・μm/m2・24hrs以下であり、さらに好ましくは10g・μm/m2・24hrs以下である。38℃・90%RHにおける樹脂層Iの水蒸気透過度の下限は特に制限されず、0g・μm/m2・24hrs(検出限界)である。
38℃・90%RHにおける樹脂層Iの水蒸気透過度が1000g・μm/m2・24hrs以下であることにより、樹脂層Iの水蒸気バリア性がより向上し、内容物の劣化などがより抑制される傾向にある。なお、38℃・90%RHにおける樹脂層Iの水蒸気透過度は、バリア層を構成する樹脂を適宜選択して用いることにより、低下させることができる。また、38℃・90%RHにおける樹脂層Iの水蒸気透過度は実施例に記載の方法により測定することができる。
(樹脂層II)
樹脂層IIは、筒状成形体の最内層に位置する、バリア性樹脂を含まない層である。樹脂層IIが筒状成形体の最内層に位置することで注出流路内に樹脂層Iが露出することを回避することができる。
バリア樹脂以外の樹脂としては、特に制限されないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン等のポリエチレン系樹脂;ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂;シクロオレフィンポリマー等の環状オレフィン樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレブチレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン;ポリブチルアクリレート等のアクリル酸エステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル系樹脂;アクリル−スチレン共重合体;ポリメチルペンテン樹脂が挙げられる。
樹脂層IIの厚みは、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは400μm以下であり、さらに好ましくは300μm以下である。樹脂層IIの厚みが500μm以下であることにより、樹脂層IIを薄く構成することができる。そのため、スパウトの外形的な大きさを変化させることなく注出流路の内径を増加させることができ、比較的粘度の高い内容物もより容易に流出させることができる傾向にある。また、樹脂層IIの厚みは、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm以上であり、さらに好ましくは150μm以上である。
筒状成形体の最内層である樹脂層IIの膜厚は、筒状成形体の総厚に対して、好ましくは35〜60%であり、より好ましくは35〜55%であり、さらに好ましくは35〜50%である。樹脂層IIの膜厚が上記範囲内であることにより、不良形態の発生を抑止しつつも、樹脂層IIを薄く構成することができる傾向にある。
(樹脂層III)
筒状成形体は、上記樹脂層I及びIIのほかに、筒状成形体の最外層又は中間層に位置する、バリア性樹脂を含まない樹脂層IIIをさらに有していてもよい。樹脂層IIIを構成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン等のポリエチレン系樹脂;ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂;シクロオレフィンポリマー等の環状オレフィン樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレブチレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン;ポリブチルアクリレート等のアクリル酸エステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル系樹脂;アクリル−スチレン共重合体;ポリメチルペンテン樹脂が挙げられる。
筒状成形体が、最外層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層IIIと、中間層である樹脂層Iと、最内層である樹脂層IIとを有するものである場合、最内層の膜厚は最外層の膜厚よりも厚いことが好ましい(図2D参照)。この場合における樹脂層IIの膜厚は、樹脂層IIIの膜厚を1として、好ましくは1.1〜5倍であり、より好ましくは1.5〜4倍であり、さらに好ましくは2〜3倍である。
樹脂層IIIの厚みは、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、さらに好ましくは150μm以下である。樹脂層IIIの厚みが300μm以下であることにより、樹脂層IIIを薄く構成することができる。そのため、スパウトの外形的な大きさを変化させることなく注出流路の内径を増加させることができ、比較的粘度の高い内容物もより容易に流出させることができる傾向にある。また、樹脂層IIIの厚みは、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは60μm以上であり、さらに好ましくは70μm以上である。
(その他の添加剤)
上記各樹脂層は、必要に応じて、公知の可塑剤、熱安定剤、着色剤、有機系滑剤、無機系滑剤、界面活性剤、加工助剤等その他の添加剤を含んでいてもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチルトリブチルサイトレート、アセチル化モノグリセライド、ジブチルセバケート等が挙げられる。
熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化植物油や、エポキシ系樹脂、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
(総厚み)
筒状成形体の総厚みは、好ましくは1.0mm以下であり、より好ましくは0.9mm以下であり、さらに好ましくは0.7mm以下であり、特に好ましくは0.7mm以下である。筒状成形体の総厚みが、1.0mm以下であることにより、スパウトの外形的な大きさを変化させることなく注出流路の内径を増加させることができ、比較的粘度の高い内容物もより容易に流出させることができる傾向にある。また、筒状成形体の総厚みは、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上である、さらに好ましくは0.5mm以上である。筒状成形体の総厚みが0.1mm以上であることにより、各種バリア性がより向上し、常温化及び高温下における内容物劣化がより抑制される傾向にある。
(層構成)
本実施形態の筒状成形体は、最外層又は中間層に樹脂層Iが配され、最内層に樹脂層IIが配された構成であれば、その他の層構成については、特に制限されない。例えば、以下のような構成が考えられる。なお、「樹脂層II/樹脂層I」という表記は、樹脂層IIと樹脂層Iが筒状成形体の内側から外側へ向けて積層されていることを示す。
樹脂層II/樹脂層I
樹脂層II/樹脂層I/樹脂層III
樹脂層II/樹脂層I/樹脂層III/樹脂層I
樹脂層II/樹脂層III/樹脂層I
樹脂層II/樹脂層III/樹脂層I/樹脂層III
〔蓋部〕
本実施形態のスパウトは、注出口を覆う蓋部を有していてもよい。蓋部の注出口を覆う部分は、バリア性樹脂により構成されていることが好ましく、蓋部のその他の部分は、バリア性樹脂を含んでも、スパウト本体で例示したものと同様の樹脂を含むものであってもよい。
〔筒状成形体の製造方法〕
本実施形態の筒状成形体は、押出成形、射出成形、又はブロー成形等の成形方法で製造することができる。この中でも、樹脂を溶融させて押出成形する押出成形加工が好ましい。このように押出成形された筒状成形体は所定の長さに切断され使用される。
〔スパウトの製造方法〕
本実施形態のスパウトの製造方法は、筒状成形体が挿入されたかたちでその外側にスパウト本体が成形される方法であれば特に制限されない。以下、一態様として、筒状成形体の外側に射出成形によりスパウト本体を成形する方法を説明する。
図5に、射出成形による場合の本実施形態のスパウトの製造方法を表すフローチャートを示す。製造工程の説明の前に、射出成型において使用する金型について説明する。射出成型においては、コア金型21と、成形金型27とを用いる。
図5(a)に示されるように、コア金型は、基台22と、筒状成形体3を装着する筒状成形体装着部23とからなり、筒状成形体装着部23は、基台22側に位置する大径部24aと、先端側に位置する小径部24bとを有する。大径部24aと小径部24bとの間の部分は、爪部5の形状を形作る部分となり、大径部24aから小径部24b方向へ延びる傾斜部25と、傾斜部25と小径部24bとをつなぐストッパー部26とを有する。ストッパー部26は、筒状成形体3がそれ以上台形部側に行かないようにするための部分であり、樹脂層IIの端面の一部がストッパー部の面と接するように成形される。また、大径部24aと小径部24bの半径の差分は、筒状成形体3の肉厚に凡そ等しい。さらに、筒状成形体装着部3の小径部24bの軸方向長さは、筒状成形体3の軸方向長さよりも長く形成されている。
図5(b)に示されるように、成形金型27は、スパウトの外形を形成するためのキャビティ28を有する。特段図示をしていないが、成形金型27は樹脂を流入させるための射出口を有していてもよいし、成形したスパウトを取り出すことのできるように射出成型が分割可能なように構成されていてもよい。
次いで、製造工程を説明する。射出成型においては、コア金型21の筒状成形体装着部23に筒状成形体3を装着しストッパー部26まで挿入する工程と(図5(a))、筒状成形体3が装着されたコア金型21の筒状成形体装着部23を成形金型27のキャビティに挿入するように組み合わせる工程と(図5(b))、キャビティ内に溶融樹脂29を流入させることにより、筒状成形体3の外側にスパウト本体2を射出成型する工程とを有する(図5(c))。
〔スパウト付容器〕
本実施形態のスパウト付容器は、容器と、該容器に取り付けられた上記スパウトと、を有する。「容器」としては、特に限定されないが、例えば、流動性を有する、食料品、医療品、医薬品を包装するものであれば特に制限されない。
また、容器の構成部材としては、バリア性樹脂からなる樹脂層を有する積層フィルム、アルミニウム箔層を有する積層フィルム、及び金属蒸着されたフィルムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔酸素透過度、水蒸気透過度を測定するための代用測定サンプルの作製〕
樹脂層Iの酸素透過度及び水蒸気透過度の測定においては、筒状成形体に使用される樹
脂層Iのみの単層フィルムである代用測定サンプルを作製し、当該代用測定サンプルの酸
素透過度、水蒸気透過度の測定値から、樹脂層Iの酸素透過度、水蒸気透過度を算出した
樹脂層Iの代用測定フィルムは、ダイレクトインフレーション装置を用い、単層ダイを
用いて、層の厚みが25μmとなるように製膜することにより得た。
これら代用測定フィルムのその厚みあたりの酸素透過度及び水蒸気透過度を測定し、得られた測定値に、代用測定フィルムの厚みを掛け算することにより、厚み1μm当りの酸素透過度及び水蒸気透過度を得た。厚み1μm当りの各種透過度が小さいほどバリア性が高いと評価することができるため、厚み1μm当りの各種透過度を比較することにより、樹脂層Iの厚みとした場合の各種バリア性を評価することが可能である。
厚み1μm当りの透過度=代用測定フィルムの透過度×代用測定フィルムの厚み
〔酸素透過度(OTR)〕
酸素透過度(OTR)は、ASTM D−3985に準拠して測定した。具体的には、Mocon OX−TRAN 2/20を使用して、23℃、65%RHの条件で、所定の厚みの代用測定サンプルを測定した。得られた測定値を、樹脂層Iの厚みで掛け算して、厚み1μm当りの酸素透過度(小数点以下は四捨五入する)を得た。なお、酸素透過度の単位(mL・μm/m2・24hrs・MPa)とは、厚み1μm当りの酸素透過度を示すものである。
〔水蒸気透過度(WVTR)〕
水蒸気透過度(WVTR)は、ASTM F−372に準拠して測定した。具体的には、Mocon PERMATRAN−W398を使用して、38℃、90%RHの条件で、所定の厚みの代用測定サンプルを測定した。得られた測定値を、樹脂層Iの厚みで掛け算して、厚み1μm当りの水蒸気透過度(小数点以下は四捨五入する)を得た。なお、水蒸気透過度の単位(g・μm/m2・24hrs)とは、厚み1μm当りの水蒸気透過度を示すものである。
〔不良品率〕
実施例及び比較例により得られたスパウト10個を確認し、下記評価基準により図4B〜Dに記載の不良形態の発生率を評価した。
○:10個のうち、不良品が発生しなかった
△:10個のうち、不良品が1個発生した。
×:10個のうち、不良品が2個以上発生した。
〔実施例1〕
内側から、ポリプロピレン(PP;サンアロマー社製)、塩化ビニリデン共重合体(PVDC;旭化成株式会社製)、ポリプロピレン(PP;サンアロマー社製)の順で層を形成するように、共押出多層筒状ダイスを装着した溶融押出設備を用いて筒状に連続押出した。各層の厚みは表1のとおりである。その後、外径サイジング装置付の冷水槽で外直径10mmに調整し、厚み650μmの3層からなる筒状成形体を得た。
その後、図5に従い、コア金型の筒状成形体装着部に筒状成形体を装着し、該コア金型を成形金型と組み合わせ、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製)をそのキャビティ内に射出成型することにより、スパウト本体を構成し、スパウトを得た。なお、得られたスパウト本体の爪部の形状は、図2Aで表すように、直角三角形の断面形状(θ=45°)を有するものであった。
〔実施例2〕
実施例1と同様の筒状成形体を用い、図2Aで表すように、爪部の形状が直角三角形の断面形状(θ=60°)を有するものとなるようにスパウト本体を射出成型し、スパウトを得た。
〔実施例3〕
実施例1と同様の筒状成形体を用い、図2Bで表すように、爪部の形状が四角形上の断面形状(θ=90°)を有するものとなるようにスパウト本体を射出成型し、スパウトを得た。
〔実施例4〕
実施例1と同様の筒状成形体を用い、図2Cで表すように、爪部の形状が先端が丸みを帯びた断面形状(接線θ=90°)を有するものとなるようにスパウト本体を射出成型し、スパウトを得た。
〔実施例5〕
各層の厚みを表1のとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、筒状成形体を得た。その後、得られた筒状成形体を用い、図2Aで表すように、爪部の形状が略直角三角形の断面形状(θ=45°)を有するものとなるようにスパウト本体を射出成型し、スパウトを得た。
〔実施例6〕
実施例5と同様の筒状成形体を用い、図2Aで表すように、爪部の形状が直角三角形の断面形状(θ=60°)を有するものとなるようにスパウト本体を射出成型し、スパウトを得た。
〔比較例1〕
実施例1と同様の筒状成形体を用い、図4Aで表すように、爪部の先端が筒状成形体の内周縁に合致するように構成し、かつその先端の角度θが60°となるようにスパウト本体を射出成型し、スパウトを得た。
〔比較例2〕
実施例1と同様の筒状成形体を用い、図4Aで表すように、爪部の先端が筒状成形体の内周縁に合致するように構成し、かつその先端の角度θが30°となるようにスパウト本体を射出成型し、スパウトを得た。
*1:接線の角度
本発明のスパウトは、各種容器に取り付けられる注出口を構成するものとして産業上の利用可能性を有する。
1…容器、2,2’…スパウト本体、2a…取付部、2b…口部、3…筒状成形体、3a,3b…端面、3a’…樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう筒状成形体の端面を係止する構成、4…注出流路、5…爪部、5’…大径部と小径部との間の部分、6…片端部、6’…片端部の入り込み、6’’…片端部、7…変形、10…スパウト、21…コア金型、22…基台、23…筒状成形体装着部、24a…大径部、24b…小径部、25…傾斜部、26…ストッパー部、27…成形金型、28…キャビティ、29…溶融樹脂、I…バリア性樹脂を含む樹脂層、II…最内層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層、III…バリア性樹脂を含まない樹脂層

Claims (4)

  1. 容器に取り付けられて注出口を構成するスパウト本体と、該スパウト本体に内挿された筒状成形体とを有し、
    前記スパウト本体が、前記筒状成形体が前記注出口側から抜け出ないように前記筒状成形体の前記注出口側の端面を係止する爪部を有するものであり、
    前記筒状成形体が、最外層又は中間層であるバリア性樹脂を含む樹脂層Iと、最内層であるバリア性樹脂を含まない樹脂層IIとを有するものであり、
    前記爪部が、前記筒状成形体の端面のうち樹脂層Iの端面を全て被覆し、かつ、樹脂層IIの端面の全てを被覆しないよう前記筒状成形体の端面を係止するものである、
    スパウト。
  2. 前記樹脂層Iの酸素透過度が、10000mL・μm/m2・24hrs・MPa(23℃・65%RH)以下であり、且つ
    前記樹脂層Iの水蒸気透過度が、1000g・μm/m2・24hrs(38℃・90%RH)以下である、
    請求項1に記載のスパウト。
  3. 前記爪部の先端の角度が、45〜90度である、
    請求項1又は2に記載のスパウト。
  4. 前記筒状成形体の最内層である樹脂層IIの膜厚が、前記筒状成形体の総厚に対して、35〜60%である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパウト。
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