JP5891060B2 - 電力推定装置、制御装置および方法 - Google Patents

電力推定装置、制御装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロセス制御技術に係り、特に設定値のランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに必要とされるヒータの電力使用量を推定する技術に関するものである。
地球温暖化問題に起因する法改正などに伴い、工場や生産ラインのエネルギー使用量管理が強く求められている。工場内の加熱装置や空調機器は特にエネルギー使用量の大きな設備装置であるため、エネルギー使用量の上限を、本来備える最大量よりも低く抑えるように管理されることが多い。例えば電力を使用する設備装置では、電力デマンド管理システムからの指示により、特定の電力使用量以内に制限(抑制)する運用が行なわれている。
このような事情により、電気ヒータを備える加熱装置を対象として、立ち上げ時に供給される電力を推定する電力使用量予測装置が提案されている(特許文献1参照)。この電力使用量予測装置が対象とする加熱装置の1例を図8に示す。図8の例では、空気循環式の加熱処理炉101の内部にヒータ102と温度センサ103とが設置されている。温度センサ103は、ヒータ102によって加熱される空気の温度PVを計測する。温調計100は、温度計測値PVが温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じてヒータ102に供給する。こうして、温調計100は、加熱処理炉101内の温度を制御する。
特許文献1に開示された電力使用量予測装置は、ヒータ102の加熱する能力を表すヒータ能力係数HPと、加熱処理炉101を単位温度加熱するのに必要な時間を表す昇温時間係数THと、昇温開始時点における設定値SPと温度計測値PVとの差である制御偏差に基づいて、ヒータ102の電力使用量を予測するようにしたものである。
図9は特許文献1に開示された電力使用量予測装置の原理を説明する図であり、整定している温度制御系において設定値SP[℃]を変更したときの温度計測値PV[℃]と操作量MV[%]の変化を示す図である。
図8に示したような加熱装置は、昇温時に大きめのヒータ出力を利用してほぼ一定の昇温速度で昇温し、温度計測値PVが設定値SPに到達する直前にヒータ出力を小さめの出力に絞るように動作する。あるいは、このような昇温特性になるように、コントローラの制御特性が調整される。このような特性で昇温を実行する場合、ヒータ102に与えられる操作量MVの大きさに対応して昇温速度が増減するので、昇温に必要な電力使用量は、操作量MVの大きさとその維持時間の積に概ね比例するものと考えられる。結果的に、電力使用量は、昇温幅、すなわち温度設定値変更時の制御偏差に概ね比例することになる。そこで、代表的な昇温パターンを最低1つ予め調べておき、そのときの昇温過程における使用電力に基づき、温度設定値変更時の制御偏差を基本的入力変数とする関数により使用電力を算出する。以上が、特許文献1に開示された電力使用量予測装置の原理である。
特許第4468868号公報
図10に示すように、設定値SPを一定のSP変化率で継続的に変化させていくランプ入力による昇温時において、加熱装置に使用される温調計レベルのハードウエアで可能な演算量で、瞬間的に最大でどの程度の電力が必要になるのかを知ることは、電力抑制時に十分な設定値追従が可能か否かを予測する上で重要である。しかしながら、従来、このような予測技術は存在していない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、設定値のランプ入力に応じた昇温時において、瞬間的に最大でどの程度の電力が必要になるのかを推定する技術を提供することを目的とする。特に、加熱装置に使用される温調計レベルのハードウェアで可能な演算量で実現できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を制御量PVとして計測する温度センサと、制御量PVと外部から入力された設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するPID制御演算部とからなる制御系において、設定値SPのランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに前記ヒータが使用する電力を推定する電力推定装置であって、SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得するSPランプアップ情報入力部と、昇温開始時の操作量MVを取得する昇温開始時操作量入力部と、前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出する操作量上がり幅算出部と、前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出する操作量傾き算出部と、前記SPランプアップの基本的情報に含まれる、昇温開始時の設定値SPと昇温目標の設定値SPと前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間Tを算出し、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出する操作量変化推定部と、前記操作量変化の推定値に基づいて前記ヒータが使用する電力の推定値を算出する電力推定部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電力推定装置の1構成例において、前記操作量変化推定部は、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて、前記昇温中の操作量変化の推定値として操作量MVの推定最大値MVmを算出し、前記電力推定部は、前記操作量MVの推定最大値MVmに基づいて、前記電力の推定値として昇温中の推定最大電力PWを算出することを特徴とするものである。
また、本発明は、制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を制御量PVとして計測する温度センサと、制御量PVと外部から入力された設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するPID制御演算部とからなる制御系の制御装置であって、設定値SPのランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに前記ヒータが使用する電力を推定する電力推定装置と、設定値SPと制御量PVを入力として操作量MVを算出する前記PID制御演算部と、前記ヒータが使用する電力と操作量MVとが略線形の関係になるように、前記PID制御演算部が算出した操作量MVを操作量MV’に補正して前記ヒータに出力する補正出力部とを備え、前記電力推定装置は、SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得するSPランプアップ情報入力部と、昇温開始時の操作量MVを取得する昇温開始時操作量入力部と、前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出する操作量上がり幅算出部と、前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出する操作量傾き算出部と、前記SPランプアップの基本的情報に含まれる、昇温開始時の設定値SPと昇温目標の設定値SPと前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間Tを算出し、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出する操作量変化推定部と、前記操作量変化の推定値に基づいて前記ヒータが使用する電力の推定値を算出する電力推定部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電力推定方法は、SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得するSPランプアップ情報入力ステップと、昇温開始時の操作量MVを取得する昇温開始時操作量入力ステップと、前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出する操作量上がり幅算出ステップと、前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出する操作量傾き算出ステップと、前記SPランプアップの基本的情報に含まれる、昇温開始時の設定値SPと昇温目標の設定値SPと前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間Tを算出し、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出する操作量変化推定ステップと、前記操作量変化の推定値に基づいて前記ヒータが使用する電力の推定値を算出する電力推定ステップとを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得し、昇温開始時の操作量MVを取得し、SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出し、SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出し、昇温開始時の操作量MVと過渡的上がり幅ΔMVと傾きdMVに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出し、操作量変化の推定値に基づいてヒータが使用する電力の推定値を算出することにより、設定値のランプ入力に応じた昇温時において、瞬間的に最大でどの程度の電力が必要になるのかを推定することができる。特に、本発明では、このような電力推定を、温調計レベルのハードウェアで可能な演算量で実現することができる。
また、本発明では、ヒータが使用する電力と操作量MVとが略線形の関係になるように、PID制御演算部が算出した操作量MVを操作量MV’に補正してヒータに出力することにより、電力推定装置で推定した電力とヒータが実際に使用する電力とが合致するように操作量MVを補正することができる。
本発明の実施の形態に係る電力推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る電力推定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る制御装置のPID制御部および補正出力部の動作を示すフローチャートである。 ヒータで使用される電力と操作量との関係を示す図である。 ヒータで使用される電力と操作量との関係を折れ線近似した図である。 補正出力部による操作量の補正を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置の動作例を示す図である。 加熱装置の1例を示す図である。 温度設定値のステップ入力の1例、並びに温度設定値のステップ入力に応じた操作量および温度計測値の変化を示す図である。 温度設定値のランプ入力の1例、並びに温度設定値のランプ入力に応じた操作量および温度計測値の変化を示す図である。
[発明の原理]
電気ヒータによる加熱であれば、設定値SPを一定の変化率で継続的に上昇させるSPランプアップ時の操作量MVの上昇パターンは図10に示したようになる。SPランプアップが固定比率の直線的変化事象であることに着眼すれば、操作量MVの過渡的上がり幅と傾きは設定値SPの傾きで概ね推定可能であることを見出せる。そして、SPランプアップがどの程度の時間継続するかは予め把握できるので、瞬間的に最大でどの程度の電力が必要になるのかを推定することが可能になる。なお、過渡的上がり幅とは、SPランプアップ開始時点では昇温前の整定操作量MViにあるものとし、SPランプアップ完了時点では昇温後の整定操作量にあるものとして、両者を直線で結んで得られる仮想的操作量変化の線(図10中の操作量MVの破線)よりも、SPランプアップ中の過渡状態において、継続的に操作量MVが高く維持される差分(図10中のΔMV)を意味する。
したがって、具体的には予め代表的な「SPランプアップの傾き」と「操作量MVの過渡的上がり幅と傾き」の組合せを把握しておけば、昇温開始時の操作量MVとSPランプアップの傾きと継続時間、あるいはこれらと等価な情報(SPランプアップの基本的情報)を確認することで、SPランプアップによる昇温を開始する前に操作量MVの変化を推定できる。そして、ヒータ、電力調整器(サイリスタなど)を経由して使用される電力が、操作量MVと線形近似可能な程度の関係であれば、電力の推定が可能になる。あるいは、直接は線形近似可能でなくても、電力と操作量MVの関係は予め把握できるので、線形補正して出力するように構成すれば電力の推定が可能になる。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る電力推定装置の構成を示すブロック図である。
電力推定装置は、SPランプアップ情報入力部1と、昇温開始時操作量入力部2と、操作量上がり幅算出部3と、操作量傾き算出部4と、操作量変化推定部5と、電力推定部6とから構成される。
PID制御部7は、設定値SP入力部8と、制御量PV入力部9と、PID制御演算部10と、操作量MV出力部11とから構成される。また、PID制御部7の後段には、補正出力部12が設けられる。
なお、本実施の形態では、電力推定装置を図8に示した加熱装置に適用するものとして説明する。この場合、電力推定装置とPID制御部7と補正出力部12とからなる制御装置は、図8に示した温調計100に設けられる。
以下、本実施の形態の電力推定装置の動作を説明する。図2は電力推定装置の動作を示すフローチャートである。
SPランプアップ情報入力部1には、SPランプアップの基本的情報として、SPランプアップによる昇温開始時の設定値SPi[℃]と、昇温目標の設定値SPe[℃]と、SPランプアップの傾き(昇温速度)dSP[℃/sec.]とが、昇温開始前に例えば加熱装置のユーザによって入力される(図2ステップS1)。
昇温開始時操作量入力部2には、操作量MV出力部11から昇温開始時の操作量MVi[%]が入力される(ステップS2)。なお、整定している温度制御系において設定値SPが変更され、昇温が開始されることを想定しているので、SPランプアップの基本的情報入力時点の設定値SPを昇温開始時の設定値SPi[℃]として入力すればよく、同時点の操作量MVを昇温開始時の操作量MVi[%]として入力すればよい。
次に、SPランプアップによる操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVは、要求されている昇温速度に依存するものなので、SPランプアップの傾きdSPによって決まる。操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVとSPランプアップの傾きdSPとの関係を、関数fで表す。制御量PV[℃]と操作量MVがほぼ線形の関係にあるならば、操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVとSPランプアップの傾きdSPとの関係は比例係数αを用いて下記のように与えられる。
ΔMV=f(dSP)=αdSP ・・・(1)
図8に示した加熱装置とPID制御部7とを用いた事前の昇温実験により取得したΔMVの代表的な実測データであるΔMVxと同時に取得したdSPの代表的な実測データであるdSPxとにより、比例係数αは次式のように単純に決定できる。
α=ΔMVx/dSPx ・・・(2)
そして、次式が操作量上がり幅算出部3に登録されている。
ΔMV=αdSP ・・・(3)
操作量上がり幅算出部3は、SPランプアップ情報入力部1に入力されたSPランプアップの傾きdSPに基づいて、操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを式(3)により算出する(ステップS3)。
昇温中の操作量MVの傾きdMVも、要求されている昇温速度に依存するものなので、SPランプアップの傾きdSPによって決まる。操作量MVの傾きdMVとSPランプアップの傾きdSPとの関係を、関数gで表す。制御量PV[℃]と操作量MVがほぼ線形の関係にあるならば、操作量MVの傾きdMVとSPランプアップの傾きdSPとの関係は比例係数βを用いて下記のように与えられる。
dMV=g(dSP)=βdSP ・・・(4)
図8に示した加熱装置とPID制御部7とを用いた事前の昇温実験により取得したdMVの代表的な実測データであるdMVyと同時に取得したdSPの代表的な実測データであるdSPyとにより、比例係数βは次式のように単純に決定できる。
β=dMVy/dSPy ・・・(5)
そして、次式が操作量傾き算出部4に登録されている。
dMV=βdSP ・・・(6)
操作量傾き算出部4は、SPランプアップ情報入力部1に入力されたSPランプアップの傾きdSPに基づいて、操作量MVの傾きdMVを式(6)により算出する(ステップS4)。
次に、操作量変化推定部5は、昇温開始時の設定値SPiと昇温目標の設定値SPeとSPランプアップの傾きdSPとから、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間T[sec.]を、次式により算出する(ステップS5)。
T=(SPe−SPi)/dSP ・・・(7)
また、操作量変化推定部5は、昇温開始時の操作量MViと操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVと操作量MVの傾きdMVと推定所要時間Tとから、昇温完了間際に現れる操作量MVの推定最大値MVm[%]を、次式により算出する(ステップS6)。
MVm=MVi+ΔMV+dMVT ・・・(8)
すなわち、T[sec.]後に、操作量MVが最大値MVm[%]に到達すると推定される。
図8のヒータ102で使用される電力PW[W]は操作量MVによって決まる。電力PWと操作量MVとの関係を、関数hで表す。電力PWと操作量MVがほぼ線形の関係にあるならば、この関係は比例係数γを用いて下記のように与えられる。
PW=h(MVm)=γMVm ・・・(9)
図8に示した加熱装置とPID制御部7とを用いた事前の昇温実験により取得したMVmの代表的な実測データであるMVmzと同時に取得したPWの代表的な実測データであるPWz(例えば操作量MV=MVm=100%出力時の電力)とにより、比例係数γは次式のように単純に決定できる。
γ=PWz/MVmz ・・・(10)
そして、次式が電力推定部6に登録されている。
PW=γMVm ・・・(11)
電力推定部6は、操作量変化推定部5が算出した推定最大値MVmに基づいて、昇温開始からT[sec.]後の推定最大電力PW[W]を、式(11)により算出する(ステップS7)。以上で、電力推定装置の動作が終了する。
上記の説明では「温度PVと操作量MVがほぼ線形の関係」あるいは「電力PWと操作量MVがほぼ線形の関係」という前提を置いていたが、これに関する「線形補正して出力するように構成」について下記に説明する。
図3はPID制御部7および補正出力部12の動作を示すフローチャートである。ここでは、上記の電力推定装置による推定最大電力PW[W]の推定が既に終了しているものとする。
設定値SPは、加熱装置のユーザによって設定され、設定値SP入力部8を介してPID制御演算部10に入力される(図3ステップS10)。制御量PV(温度計測値)は、図8の温度センサ103によって測定され、制御量PV入力部9を介してPID制御演算部10に入力される(ステップS11)。
PID制御演算部10は、設定値SPと制御量PVに基づいて、例えば以下の伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MVを算出する(ステップS12)。
MV=(100/PB){1+(1/TIs)+TDs}(SP−PV)
・・・(12)
PBは比例帯、TIは積分時間、TDは微分時間、sはラプラス演算子である。操作量MV出力部11は、PID制御演算部10が算出した操作量MVを出力する(ステップS13)。
操作量MVが電力調整器104(サイリスタなど)に出力されると、調整された電流がヒータ102に流れるので、ヒータ102の使用電力PWは操作量MVに依存して一意的に決まる。温調計などを用いる場合、特定の操作量MVを固定値として一定時間出力することができ、このときにヒータ102が使用する電力PWを電力計で測定すれば、操作量MVに対応する電力PWを事前にデータ取得できる。
ヒータ102が使用する電力PWと操作量MVとの関係は、一般的には図4(最大電力400Wの例)のような非線形関係になる。例えば図中の3点(図4の例では、操作量MV=24%、42%、75%)について、図5に示すように電力PWのデータを取得すれば、図6に示すように操作量MVを操作量MV’に補正して出力することで、ヒータ102が使用する電力PWと操作量MVとが略線形の関係になるようにすることができる。例えばMV=50%に対応する電力PWが最大電力400Wの50%の200Wでなかったのに対し、MV=50%をMV’=42%に補正すると、MV’=42%に対応する電力PWは最大電力400Wの50%の200Wになる。
補正出力部12は、図6に示したような操作量MVとMV’との関係を予め記憶しており、操作量MV出力部11から出力された操作量MVをMV’に補正して、この操作量MV’を制御対象(実際の出力先は電力調整器104)に出力する(ステップS14)。
PID制御部7および補正出力部12は、以上のようなステップS10〜S14の処理を例えばユーザの指示によって制御が終了するまで(ステップS15においてYES)、制御周期毎に行う。
電力PWはヒータ102による発熱量に対応するので、加熱対象の周囲環境などがSPランプアップによる昇温途中で極端に変化しない限り、温度PVと操作量MVがほぼ線形の関係のまま保たれる。本実施の形態の制御装置の動作例を図7に示す。図7によれば、昇温開始時の初期追従を除けば、操作量MVは規則正しく直線的に上昇していくことが分かる。
図6に示したような折れ線による補正は一般的に実施される手法であり、電力PWのデータを3点よりも多く取れば、電力PWと操作量MVとがさらに厳密な線形関係に近づくことになる。ただし、このような補正は、電力推定の要求精度に応じて適宜設計すればよい。
以上のように、本実施の形態では、ヒータの使用電力が推定できることにより、例えば複数の制御系でSPランプアップによる昇温が行なわれる際に、使用される総電力がどの程度になるかの見積もりができるようになり、電力デマンド管理が緻密に行なえるようになる。例えば、電力抑制時に制御量PVの設定値SPへの十分な追従が可能か否かを予測することも可能になる。推定最大電力PW[W]が加熱装置で使用可能な電力よりも大きいならば、電力不足が発生すると推測できるので、昇温開始前に警報を出すことも可能になる。
本実施の形態で説明した電力推定装置を含む制御装置は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、設定値のランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに必要とされるヒータの電力使用量を推定する技術に適用することができる。
1…SPランプアップ情報入力部、2…昇温開始時操作量入力部、3…操作量上がり幅算出部、4…操作量傾き算出部、5…操作量変化推定部、6…電力推定部、7…PID制御部、8…設定値SP入力部、9…制御量PV入力部、10…PID制御演算部、11…操作量MV出力部、12…補正出力部。

Claims (6)

  1. 制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を制御量PVとして計測する温度センサと、制御量PVと外部から入力された設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するPID制御演算部とからなる制御系において、設定値SPのランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに前記ヒータが使用する電力を推定する電力推定装置であって、
    SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得するSPランプアップ情報入力部と、
    昇温開始時の操作量MVを取得する昇温開始時操作量入力部と、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出する操作量上がり幅算出部と、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出する操作量傾き算出部と、
    前記SPランプアップの基本的情報に含まれる、昇温開始時の設定値SPと昇温目標の設定値SPと前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間Tを算出し、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出する操作量変化推定部と、
    前記操作量変化の推定値に基づいて前記ヒータが使用する電力の推定値を算出する電力推定部とを備えることを特徴とする電力推定装置。
  2. 請求項1記載の電力推定装置において、
    前記操作量変化推定部は、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて、前記昇温中の操作量変化の推定値として操作量MVの推定最大値MVmを算出し、
    前記電力推定部は、前記操作量MVの推定最大値MVmに基づいて、前記電力の推定値として昇温中の推定最大電力PWを算出することを特徴とする電力推定装置。
  3. 制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を制御量PVとして計測する温度センサと、制御量PVと外部から入力された設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するPID制御演算部とからなる制御系の制御装置であって、
    設定値SPのランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに前記ヒータが使用する電力を推定する電力推定装置と、
    設定値SPと制御量PVを入力として操作量MVを算出する前記PID制御演算部と、
    前記ヒータが使用する電力と操作量MVとが略線形の関係になるように、前記PID制御演算部が算出した操作量MVを操作量MV’に補正して前記ヒータに出力する補正出力部とを備え、
    前記電力推定装置は、
    SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得するSPランプアップ情報入力部と、
    昇温開始時の操作量MVを取得する昇温開始時操作量入力部と、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出する操作量上がり幅算出部と、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出する操作量傾き算出部と、
    前記SPランプアップの基本的情報に含まれる、昇温開始時の設定値SPと昇温目標の設定値SPと前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間Tを算出し、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出する操作量変化推定部と、
    前記操作量変化の推定値に基づいて前記ヒータが使用する電力の推定値を算出する電力推定部とを備えることを特徴とする制御装置。
  4. 制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を制御量PVとして計測する温度センサと、制御量PVと外部から入力された設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するPID制御演算部とからなる制御系において、設定値SPのランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに前記ヒータが使用する電力を推定する電力推定方法であって、
    SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得するSPランプアップ情報入力ステップと、
    昇温開始時の操作量MVを取得する昇温開始時操作量入力ステップと、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出する操作量上がり幅算出ステップと、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出する操作量傾き算出ステップと、
    前記SPランプアップの基本的情報に含まれる、昇温開始時の設定値SPと昇温目標の設定値SPと前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間Tを算出し、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出する操作量変化推定ステップと、
    前記操作量変化の推定値に基づいて前記ヒータが使用する電力の推定値を算出する電力推定ステップとを備えることを特徴とする電力推定方法。
  5. 請求項4記載の電力推定方法において、
    前記操作量変化推定ステップは、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて、前記昇温中の操作量変化の推定値として操作量MVの推定最大値MVmを算出するステップを含み、
    前記電力推定ステップは、前記操作量MVの推定最大値MVmに基づいて、前記電力の推定値として昇温中の推定最大電力PWを算出するステップを含むことを特徴とする電力推定方法。
  6. 制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を制御量PVとして計測する温度センサと、制御量PVと外部から入力された設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するPID制御演算部とからなる制御系の制御方法であって、
    設定値SPのランプ入力に応じて制御対象を昇温するときに前記ヒータが使用する電力を推定する電力推定ステップと、
    設定値SPと制御量PVを入力として操作量MVを算出するPID制御演算ステップと、
    前記ヒータが使用する電力と操作量MVとが略線形の関係になるように、前記PID制御演算ステップで算出した操作量MVを操作量MV’に補正して前記ヒータに出力する補正出力ステップとを備え、
    前記電力推定ステップは、
    SPランプアップの傾きdSPを含むSPランプアップの基本的情報を取得するSPランプアップ情報入力ステップと、
    昇温開始時の操作量MVを取得する昇温開始時操作量入力ステップと、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの過渡的上がり幅ΔMVを算出する操作量上がり幅算出ステップと、
    前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて昇温中の操作量MVの傾きdMVを算出する操作量傾き算出ステップと、
    前記SPランプアップの基本的情報に含まれる、昇温開始時の設定値SPと昇温目標の設定値SPと前記SPランプアップの傾きdSPに基づいて、SPランプアップによる昇温開始から昇温完了までの推定所要時間Tを算出し、前記昇温開始時の操作量MVと前記過渡的上がり幅ΔMVと前記傾きdMVと前記推定所要時間Tに基づいて昇温中の操作量変化の推定値を算出する操作量変化推定ステップと、
    前記操作量変化の推定値に基づいて前記ヒータが使用する電力の推定値を算出する電力推定ステップとを含むことを特徴とする制御方法。
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