JP4468868B2 - 電力使用量予測装置および電力使用量予測方法 - Google Patents

電力使用量予測装置および電力使用量予測方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロセス制御技術に係り、特に電力使用量を予測する技術に関するものである。
例えば電気ヒータを用いた加熱制御系において、昇温時に必要とされる電力を状況に応じて予測することは、電力制御の観点から重要視されている。例えば昇温時に必要とされる電力を予測することができれば、機械装置全体の過剰な電力使用状態を回避するために、昇温とは別の系統の使用電力を予め低くしておくなどの対応をとることが可能になる。
このようなニーズに対し、電力使用に関するシミュレーションにより電力使用量を予測する手法がある。特にプロセス制御の分野では、制御系そのものをシミュレーションし、その際のコントローラからの操作量出力MVを実質的な電力使用量の推移に対応させる手法が知られている。この代表的な技術としては、特許文献1に開示されたPIDパラメータ調整支援ツールがある。PIDパラメータ調整支援ツールは、特に電気ヒータを用いた加熱制御系に対してモデリングとシミュレーションを容易に実施できる点において優れている。このPIDパラメータ調整支援ツールの技術を電力使用量の予測に適用すれば、昇温時に必要とされる電力使用量については、操作量出力MVにヒータ能力や電力系統のオンオフ方法を考慮した補正を加えれば瞬間的な電力が予測でき、昇温過程全般の電力を積分すれば昇温過程全般の電力使用量が予測できる。
特開2004−38428号公報
例えば機械装置全体の過剰な電力使用状態を回避するために電力使用量を予測したい場合は、制御系の状況変化を検出して迅速に制御系の内側(制御ループ内)で電力使用量を予測できることが好ましい。しかし、制御ループ内で使用できる演算手段は、廉価な調節計などにならざるを得ない。一方、前記特許文献1に開示されたPIDパラメータ調整支援ツールに代表されるシミュレーション技術は、その演算量や必要なメモリー量の兼ね合いからパーソナルコンピュータなどで実行される。したがって、特許文献1に開示された技術には、制御ループ内で迅速に電力使用量を予測したい場合には適用できないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、調節計程度のハードウェアに実装可能な電力使用量予測装置および電力使用量予測方法を提供することを目的とする。
本発明は、制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を計測する温度センサと、この温度センサによって計測された温度計測値PVと外部から入力された温度設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するコントローラとからなる制御系において、前記制御対象を昇温するときに必要とされる前記ヒータの電力使用量PWを予測する電力使用量予測装置であって、前記ヒータの加熱する能力を表すヒータ能力係数HPを予め記憶するヒータ能力係数記憶部と、前記制御対象を単位温度加熱するのに必要な時間を表す昇温時間係数THを予め記憶する昇温時間係数記憶部と、昇温開始時点における前記温度設定値SPを取得する温度設定値入力部と、昇温開始時点における前記温度計測値PVを取得する温度計測値入力部と、前記温度設定値入力部が取得した温度設定値SPと前記温度計測値入力部が取得した温度計測値PVとの差である制御偏差、前記ヒータ能力係数HP、及び前記昇温時間係数THに基づいて、PW=(SP−PV)HPTHにより前記電力使用量PWを予測する電力使用量予測部とを備えるものである。
また、本発明の電力使用量予測装置の1構成例は、さらに、昇温開始時点における前記操作量MVを取得する操作量入力部を備え、前記電力使用量予測部は、前記電力使用量PWを予測する際に、前記操作量入力部が取得した操作量MVに基づいて{100/(100−MV)}を乗算することにより前記昇温時間係数THを補正するものである。
また、本発明の電力使用量予測方法は、昇温開始時点における前記温度設定値SPを取得する温度設定値入力手順と、昇温開始時点における前記温度計測値PVを取得する温度計測値入力手順と、前記温度設定値入力手順で取得された温度設定値SPと前記温度計測値入力手順で取得された温度計測値PVとの差である制御偏差、前記ヒータの加熱する能力を表すヒータ能力係数HP、及び前記制御対象を単位温度加熱するのに必要な時間を表す昇温時間係数THに基づいて、PW=(SP−PV)HPTHにより前記電力使用量PWを予測する電力使用量予測手順とを備えるものである。
また、本発明の電力使用量予測方法の1構成例は、さらに、前記電力使用量予測手順の前に、昇温開始時点における前記操作量MVを取得する操作量入力手順を備え、前記電力使用量予測手順は、前記電力使用量PWを予測する際に、前記操作量入力手順で取得された操作量MVに基づいて{100/(100−MV)}を乗算することにより前記昇温時間係数THを補正するものである。
本発明によれば、簡単な計算で電力使用量を予測することができるので、電力使用量予測機能を調節計程度のハードウェアに実装することができる。これにより、制御ループ内で迅速に電力使用量を簡易的に予測することができる。
また、本発明では、昇温開始時点における操作量を用いて昇温時間係数を補正することにより、制御対象を常温よりも高い温度に昇温した状態から別のさらに高い温度に昇温する場合においても電力使用量を予測することができる。
[発明の原理]
本発明は、電気ヒータによる温度制御の場合の多くが、常温付近から目標温度への昇温過程に代表されるように、昇温過程における大半の時間帯を最大出力で昇温し、かつその場合の昇温速度が概ね一定になることに着眼する。
上記着眼点に基づけば、代表的な昇温パターンを最低1つ予め調べておき、そのときの昇温過程における使用電力に基づき、昇温幅(温度設定値変更時の制御偏差)を基本的入力変数とする関数(例えば1次関数)により使用電力を算出することができる。これにより、シミュレーション演算等を用いずに電力使用量の概算値をわずかな演算量で求めることができる。
昇温幅(温度設定値変更時の制御偏差)を基本的入力変数とすることについて、最も単純な考え方を以下に説明する。
セラミック焼成炉のような熱処理装置は、昇温時に大きめのヒータ出力を利用してほぼ一定の昇温速度で昇温し、焼成炉の温度が温度設定値に到達する直前にヒータ出力を小さめの出力に絞るように動作する。あるいは、このような昇温特性になるように、コントローラの制御特性が調整される。
このような特性で昇温を実行する場合、ヒータに与えられる操作量MVの大きさに対応して昇温速度が増減するので、昇温に必要な電力使用量は、操作量MVの大きさとその維持時間の積に概ね比例するものと考えられる。結果的に、電力使用量は、昇温幅、すなわち温度設定値変更時の制御偏差に概ね比例することになる。
以下、電力使用量が操作量MVとその維持時間との積に概ね比例することを、図1(A)〜図1(D)、図2(A)〜図2(D)を用いて説明する。図1(A)は温度計測値(制御量)PV=0℃、温度設定値SP=0℃で整定している制御系(以下、第1の制御系と呼ぶ)において温度設定値SPを100℃に変更したときの温度計測値PVの変化を示す図、図1(B)は図1(A)の制御系における操作量MVの変化を示す図、図1(C)は同様に整定している別の制御系(以下、第2の制御系と呼ぶ)において温度設定値SPを100℃に変更したときの温度計測値PVの変化を示す図、図1(D)は図1(C)の制御系における操作量MVの変化を示す図である。
図1(A)、図1(B)の第1の制御系と図1(C)、図1(D)の第2の制御系とは、ほぼ同等の特性を有しているが、第1の制御系では操作量上限値が100%であるのに対して、第2の制御系では操作量上限値が50%となっている。このため、昇温幅が100(0℃→100℃)の温度設定値変更が行われたときに、第1の制御系では操作量MVが100%まで上昇するのに対して、第2の制御系では操作量MVが50%までしか上昇しない。一方、昇温に必要な所要時間、すなわち操作量MVを高めに維持している時間は、第1の制御系で110sec、第2の制御系で200secとなり、第1の制御系と第2の制御系では維持時間の比が約1:2になる。したがって、第1の制御系における操作量MVと維持時間の積は100%×110sec=11000、第2の制御系における操作量MVと維持時間の積は50%×200sec=10000となり、第1の制御系と第2の制御系でほぼ同等の値になる。
図2(A)は温度計測値PV=0℃、温度設定値SP=0℃で整定している第1の制御系において温度設定値SPを50℃に変更したときの温度計測値PVの変化を示す図、図2(B)は図2(A)の制御系における操作量MVの変化を示す図、図2(C)は同様に整定している第2の制御系において温度設定値SPを50℃に変更したときの温度計測値PVの変化を示す図、図2(D)は図2(C)の制御系における操作量MVの変化を示す図である。
第1の制御系と第2の制御系の操作量上限値は前述のとおりである。一方、昇温幅が50(0℃→50℃)の温度設定値変更が行われたときの操作量MVの維持時間は、第1の制御系で60sec、第2の制御系で110secとなる。したがって、第1の制御系における操作量MVと維持時間の積は100%×60sec=6000、第2の制御系における操作量MVと維持時間の積は50%×110sec=5500となり、第1の制御系と第2の制御系でほぼ同等の値になる。
また、昇温幅が100の場合と50の場合を比較すると、操作量MVと維持時間の積の比は約2:1になり、昇温幅の比と概ね一致していることになる。
以上の理由により、電力使用予測量の基本的入力変数として、昇温開始時の温度設定値SPと温度計測値PVとの差(制御偏差に相当)を採用することが妥当と言える。
以上の原理は本発明の最も基本的な考え方であり、電力使用予測の精度を上げるためには、後述するようなその他の因子を考慮することが好ましい。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図3は本発明の第1の実施の形態となる電力使用量予測装置の構成を示すブロック図、図4は図3の電力使用量予測装置の動作を示すフローチャートである。本実施の形態の電力使用量予測装置は、予測実行信号入力部1と、温度設定値SP入力部2と、温度計測値PV入力部3と、ヒータ能力係数記憶部4と、昇温時間係数記憶部5と、電力使用量予測部6とを備える。
本実施の形態は、例えばセラミック焼成炉の内部温度を制御する熱処理装置の制御系において、セラミック焼成炉を常温から所望の温度に昇温する際の電力使用量を予測することを想定している。このような制御系の構成を図5に示す。図5において、10はセラミック焼成炉、11はヒータ、12は温度センサ、13はコントローラである。コントローラ13は、温度センサ12によって計測されたセラミック焼成炉10の内部温度(温度計測値PV)と温度設定値SPに基づいて操作量MVを算出する。ヒータ11は、コントローラ13から出力された操作量MVに応じてセラミック焼成炉10を加熱する。コントローラ13の制御アルゴリズムとしては、例えばPIDがある。
以下、図3の電力使用量予測装置の動作を図4を用いて説明する。予測実行信号入力部1は、外部から電力使用量予測値算出処理の実行を指示する予測実行信号を受けて、この予測実行信号を温度設定値SP入力部2及び温度計測値PV入力部3に転送する(図4ステップS100)。電力使用量予測装置のユーザが昇温開始時に予測実行信号を入力してもよいが、温度設定値SPが変更されたときに、例えばコントローラ13から自動的に予測実行信号が送られるようにしてもよい。予測実行信号を自動的に生成する場合、例えば昇温制御のための温度設定値SPの変更であれば、実質的に昇温開始時点で昇温に必要な電力使用量を予測するように動作することになるので好適である。
温度設定値SP入力部2は、予測実行信号入力部1から予測実行信号が入力されると、コントローラ13のオペレータによって設定された温度設定値SPを取得して電力使用量予測部6に通知する(ステップS101)。なお、温度設定値SP入力部2が取得する温度設定値SPは、昇温開始時点における値である。したがって、例えばSP=0℃からSP=100℃に変更されたとすれば、温度設定値SP入力部2が取得する値はSP=100℃である。
温度計測値PV入力部3は、予測実行信号入力部1から予測実行信号が入力されると、セラミック焼成炉10(実際には温度センサ12)から温度計測値PVを取得して電力使用量予測部6に通知する(ステップS102)。なお、温度計測値PV入力部3が取得する温度計測値PVは、昇温開始時点における値である。ただし、制御系に応答の遅れがあるため、温度計測値PVは、温度設定値SPの変更に対して遅れて上昇を始める。したがって、温度計測値PV=0℃の状態から昇温を開始したとすれば、温度計測値PV入力部3が取得する値は昇温開始直前の値と同じPV=0℃である。
次に、電力使用量予測部6は、温度設定値SPと温度計測値PVを受け取ると、ヒータ11の加熱する能力を表すヒータ能力係数HPをヒータ能力係数記憶部4から取得すると共に、セラミック焼成炉10を単位温度加熱するのに必要な時間を表す昇温時間係数THを昇温時間係数記憶部5から取得し、以下の数式により電力使用量予測値PWを算出する(ステップS103)。
PW=(SP−PV)HPTH ・・・(1)
昇温時間係数THは、昇温時間係数記憶部5に予め記憶されているが、この昇温時間係数THを求めるには、ヒータ出力を100%に維持して昇温させたときに、セラミック焼成炉10が例えば常温(25℃)から100℃になるまでに必要な所要時間T_100を実際に調べ、単位温度(1℃)あたりにかかる昇温時間を昇温時間係数THとして算出しておけばよい。すなわち、昇温時間係数THは次式により算出できる。
TH=T_100/(100−25) ・・・(2)
ヒータ能力係数HPは、ヒータ能力係数記憶部4に予め記憶されているが、このヒータ能力係数HPとしては、ヒータ容量を使用すればよい。
なお、電力使用量予測値PWの単位は、ヒータ能力係数HPの単位と昇温時間係数THの単位によって決まるものなので、必要に応じて適宜換算するのがよい。本実施の形態では、(SP−PV)の単位が[℃]、ヒータ能力係数HPの単位が[W]、昇温時間係数THの単位が[h/℃]なので、電力使用量予測値PWの単位は[Wh]である。
以上のように、本実施の形態では、ヒータ能力係数HPと昇温時間係数THを予め導出して記憶させておくようにすれば、式(1)のような簡単な計算で電力使用量を予測することができるので、電力使用量予測機能を調節計程度のハードウェアに実装することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は本発明の第2の実施の形態となる電力使用量予測装置の構成を示すブロック図、図7は図6の電力使用量予測装置の動作を示すフローチャートである。本実施の形態の電力使用量予測装置は、予測実行信号入力部1aと、温度設定値SP入力部2と、温度計測値PV入力部3と、ヒータ能力係数記憶部4と、昇温時間係数記憶部5と、電力使用量予測部6aと、操作量MV入力部7とを備える。本実施の形態は、図5に示した制御系において、セラミック焼成炉10を常温よりも高い温度に昇温した状態から別のさらに高い温度に昇温する際の電力使用量を予測することを想定している。
以下、図6の電力使用量予測装置の動作を図7を用いて説明する。予測実行信号入力部1aは、外部から予測実行信号を受け、この予測実行信号を温度設定値SP入力部2、温度計測値PV入力部3及び操作量MV入力部7に転送する(図7ステップS200)。第1の実施の形態と同様に、ユーザが昇温開始時に予測実行信号を入力してもよいし、温度設定値SPが変更されたときに、コントローラ13から自動的に送られるようにしてもよい。
ステップS201,S202の処理は、それぞれステップS101,S102と同様である。
操作量MV入力部7は、予測実行信号入力部1aから予測実行信号が入力されると、コントローラ13から操作量MVを取得して電力使用量予測部6aに通知する(ステップS203)。なお、操作量MV入力部7が取得する操作量MVは、昇温開始時点における値である。ただし、温度設定値SPの変更が反映されるのは、コントローラ13の次の制御周期からになるので、操作量MVは、温度設定値SPの変更に対して1制御周期遅れて上昇を始める。したがって、操作量MV=50%の状態から昇温を開始したとすれば、操作量MV入力部7が取得する値は昇温開始直前の値と同じMV=50%である。
次に、電力使用量予測部6aは、温度設定値SPと温度計測値PVと操作量MVを受け取ると、ヒータ能力係数記憶部4からヒータ能力係数HPを取得すると共に、昇温時間係数記憶部5から昇温時間係数THを取得し、以下の数式により電力使用量予測値PWを算出する(ステップS204)。
PW=(SP−PV)HPTH{100/(100−MV)} ・・・(3)
ヒータ能力係数HPと昇温時間係数THは、第1の実施の形態と同じものである。式(3)と第1の実施の形態の式(1)を比較すると、式(3)では昇温時間係数THを100/(100−MV)倍に補正している。以下、このような補正が必要な理由について説明する。図8(A)は温度計測値PV=0℃、温度設定値SP=0℃で整定している図5の制御系において温度設定値SPを100℃に変更したときの温度計測値PVの変化を示す図、図8(B)は図8(A)のように温度設定値SPを変更したときの操作量MVの変化を示す図、図8(C)は温度計測値PV=100℃、温度設定値SP=100℃で整定している図5の制御系において温度設定値SPを200℃に変更したときの温度計測値PVの変化を示す図、図8(D)は図8(C)のように温度設定値SPを変更したときの操作量MVの変化を示す図である。
本実施の形態のように、セラミック焼成炉10を常温よりも高い温度から別のさらに高い温度に昇温する場合、操作量MVは既に昇温前にある程度高い値に上がっている。図8(D)の例では、操作量MVは既に昇温前に50%になっている。この場合、常温(操作量MV=0%の状態)から操作量MV=100%で昇温する場合に比べると、昇温開始時の操作量MVの分だけ昇温に利用できる分のヒータ出力が削減されているのと同等なので、昇温に要する時間が長くなる。
例えばセラミック焼成炉10を常温から100℃に加熱する図8(A)、図8(B)の例では、100℃に昇温するまでの所要時間が110secで済むのに対して、100℃から200℃に加熱する図8(C)、図8(D)の例では、昇温幅が図8(A)、図8(B)の場合と同じ100℃であるにも拘わらず、200℃に昇温するまでに200secを必要とする。
以上の理由から、電力使用量予測値PWの算出において、昇温時間係数THを100/(100−MV)倍に補正する必要がある。
以上により、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ると共に、制御対象を常温よりも高い温度に昇温した状態から別のさらに高い温度に昇温する場合においても電力使用量を予測することができる。なお、式(3)から明らかなように、常温(操作量MV=0%の状態)から昇温する場合、TH{100/(100−MV)}=THとなるので、常温から昇温する場合でも本実施の形態を適用できることは言うまでもない。
なお、第1、第2の実施の形態で説明した電力使用量予測装置は、演算装置、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータとして、調節計を構成する小規模のコンピュータを使用することができるので、電力使用量予測装置を調節計で実現することができる。
本発明は、例えばプロセス制御における電力使用量の予測技術に適用することができる。
昇温幅100の温度設定値変更に対する温度計測値と操作量の変化の1例を示す図である。 昇温幅50の温度設定値変更に対する温度計測値と操作量の変化の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態となる電力使用量予測装置の構成を示すブロック図である。 図3の電力使用量予測装置の動作を示すフローチャートである。 図3の電力使用量予測装置の予測対象となる制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態となる電力使用量予測装置の構成を示すブロック図である。 図6の電力使用量予測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態において昇温時間係数に補正が必要な理由を説明するための図である。
符号の説明
1、1a…予測実行信号入力部、2…温度設定値SP入力部、3…温度計測値PV入力部、4…ヒータ能力係数記憶部、5…昇温時間係数記憶部、6、6a…電力使用量予測部、7…操作量MV入力部、10…セラミック焼成炉、11…ヒータ、12…温度センサ、13…コントローラ。

Claims (4)

  1. 制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を計測する温度センサと、この温度センサによって計測された温度計測値PVと外部から入力された温度設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するコントローラとからなる制御系において、前記制御対象を昇温するときに必要とされる前記ヒータの電力使用量PWを予測する電力使用量予測装置であって、
    前記ヒータの加熱する能力を表すヒータ能力係数HPを予め記憶するヒータ能力係数記憶部と、
    前記制御対象を単位温度加熱するのに必要な時間を表す昇温時間係数THを予め記憶する昇温時間係数記憶部と、
    昇温開始時点における前記温度設定値SPを取得する温度設定値入力部と、
    昇温開始時点における前記温度計測値PVを取得する温度計測値入力部と、
    前記温度設定値入力部が取得した温度設定値SPと前記温度計測値入力部が取得した温度計測値PVとの差である制御偏差、前記ヒータ能力係数HP、及び前記昇温時間係数THに基づいて、PW=(SP−PV)HPTHにより前記電力使用量PWを予測する電力使用量予測部とを備えることを特徴とする電力使用量予測装置。
  2. 請求項1記載の電力使用量予測装置において、
    さらに、昇温開始時点における前記操作量MVを取得する操作量入力部を備え、
    前記電力使用量予測部は、前記電力使用量PWを予測する際に、前記操作量入力部が取得した操作量MVに基づいて{100/(100−MV)}を乗算することにより前記昇温時間係数THを補正することを特徴とする電力使用量予測装置。
  3. 制御対象を加熱するヒータと、制御対象の温度を計測する温度センサと、この温度センサによって計測された温度計測値PVと外部から入力された温度設定値SPに基づいて操作量MVを算出して前記ヒータに出力するコントローラとからなる制御系において、前記制御対象を昇温するときに必要とされる前記ヒータの電力使用量PWを予測する電力使用量予測方法であって、
    昇温開始時点における前記温度設定値SPを取得する温度設定値入力手順と、
    昇温開始時点における前記温度計測値PVを取得する温度計測値入力手順と、
    前記温度設定値入力手順で取得された温度設定値SPと前記温度計測値入力手順で取得された温度計測値PVとの差である制御偏差、前記ヒータの加熱する能力を表すヒータ能力係数HP、及び前記制御対象を単位温度加熱するのに必要な時間を表す昇温時間係数THに基づいて、PW=(SP−PV)HPTHにより前記電力使用量PWを予測する電力使用量予測手順とを備えることを特徴とする電力使用量予測方法。
  4. 請求項3記載の電力使用量予測方法において、
    さらに、前記電力使用量予測手順の前に、昇温開始時点における前記操作量MVを取得する操作量入力手順を備え、
    前記電力使用量予測手順は、前記電力使用量PWを予測する際に、前記操作量入力手順で取得された操作量MVに基づいて{100/(100−MV)}を乗算することにより前記昇温時間係数THを補正することを特徴とする電力使用量予測方法。
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