JP6200261B2 - 不具合検知システムおよび不具合検知方法 - Google Patents

不具合検知システムおよび不具合検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、制御の整定に関する不具合を検知したり予知したりすることができる不具合検知システムおよび不具合検知方法に関するものである。
半導体製造装置では、EES(Equipment Engineering System)が実用段階へと移行してきている。EESは、半導体製造装置が正常に機能しているかどうかをデータでチェックし、装置の信頼性や生産性を向上させるシステムである。EESの主な目的は、装置自体を対象とする不具合検知(FD:Fault Detection)、不具合予知(FP:Fault Prediction)である(非特許文献1参照)。
FD/FPには、装置コントロールレベル、モジュールレベル、サブシステムレベル、I/Oデバイスレベルという階層化の捉え方がある。装置コントロールレベルのFD/FPは、ホストまたはオペレータから指示された処理条件の基で装置機能が装置スペックの許容範囲内で動作しているかを監視/検知するFD/FPである。モジュールレベルのFD/FPは、デバイスもしくはサブシステムから構成されるモジュールが、指示値どおりに処理を行うことができるかを監視/検知するFD/FPである。サブシステムレベルのFD/FPは、フィードバック制御を行うような複数のデバイスからなる複合システムが、いくつかのパラメータ設定の基で安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。I/OデバイスレベルのFD/FPは、装置を構成するセンサやアクチュエータが設計値どおりに安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。このように、I/Oデバイスレベルの主体は、センサやアクチュエータである。
アクチュエータのFD/FPに関しては、(0,1)のビット列のデータ(アクチュエータデータ)で済むシーケンス制御的な動作については、特に実用段階にあると言える。
一方で、センサのFD/FPに関しては、温度、圧力、流量などのプロセス量が対象データになる。これらのデータについては、msec.レベルで全てのデータを保存するのが合理的とは言えない。そこで、センサのデータを装置が管理する処理単位毎に、あるいは一定の期間毎に代表値化して、代表値化した値をチェックするEES対応の基板処理装置(特許文献1参照)などが提案されている。代表値とは、最大値、最小値、平均値などである。これらの代表値によりFD/FPが実現できれば、全てのデータを監視する場合と比較して通信量、必要メモリ量などを大幅に削減できるので効率的である。
代表値を利用したFD/FPとしては、劣化によるヒータ断線のFPや、過電流によるヒータ断線のFDなどが知られている。ヒータが劣化する場合、ヒータの抵抗値(非プロセス量)の平均値が徐々に上昇していくので、ヒータの抵抗値の平均値を代表値としてチェックすれば、劣化によるヒータの断線を予知することができる。また、過電流によってヒータが断線した場合、ヒータの抵抗値の最大値が突発的に上昇するので、ヒータの抵抗値の最大値を代表値としてチェックすれば、過電流によるヒータの断線を検知することができる。
ここで、サブシステムに相当する制御ループ(PID制御などを実行するコントローラレベル)については、特許文献2のような不具合検知方法が提案されている。特許文献2に開示された技術は、配水ポンプの制御目標が変化した場合に、目標変化量の絶対値から推定される制御の整定時間と、実際に観測された整定時間との差が、予め設定した閾値を超えたときに制御異常が発生したことを出力する制御手段を備えるものである。
特開2010−219460号公報 特開2008−052508号公報
「装置レベルでの装置機能の性能確認に関する解説書」,社団法人電子情報技術産業協会,2005年3月23日
以上のように非プロセス量であれば、FD/FPの実用化は可能である。しかしながら、プロセス量に関しては、単純な代表値のみで非プロセス量の場合のようなFD/FPを実現できるものが少なく、FD/FP機能を十分に実現できていないという問題点があった。EESの装置内分散配置は、EESの全体効率を高めるために有効な実装方法であるので、装置コントロールレベルで最も重要な制御状態自体を直接的に扱うFD/FP機能をさらに強化することが求められている。
特許文献2に開示された技術では、目標変化量の絶対値から制御の整定時間を推定しているが、稼働中の正常な外乱などの影響により、整定時間の予測は立ち難い。このような技術は、配水ポンプを制御する場合のように目標変化量の絶対値から制御の整定時間を推定できる場合、すなわち予め制御対象の特性を十分に把握できる場合にしか利用することができない。簡易的で汎用的なコントローラを利用する際に、予め制御対象の特性を把握できない場合でも、制御の整定に関する不適正な状態を検出するための機能を実現できることが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、装置コントロールレベルでの制御状態(整定に関する適/不適状態)自体を直接的に扱うFD/FP機能を強化することができる不具合検知システムおよび不具合検知方法を提供することを目的とする。換言するならば、本発明は、装置コントロールレベルで内蔵も外付けも可能な簡易型のFD/FP関連機能を提供する。
本発明の不具合検知システムは、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出手段と、不具合検知のための整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段と、前記操作量算出手段による制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測手段と、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測する整定時間計測手段と、前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出する整定時間率算出手段と、前記設定値整定時間率を記憶する整定時間率記憶手段と、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセット手段と、前記整定時間率記憶手段に記憶された設定値整定時間率が予め規定された閾値を下回ったときに、アラームを出力するアラーム出力手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、互いに異なる複数の整定判定幅候補を予め記憶する整定判定幅候補記憶手段と、前記整定判定幅が確定していないときに、前記整定時間率算出手段が前記整定判定幅候補毎に算出した設定値整定時間率のうち適切な設定値整定時間率を与える整定判定幅候補を選択し、この選択した整定判定幅候補を前記整定判定幅として確定して前記整定判定幅記憶手段に登録する整定判定幅調整手段とを備え、前記整定時間計測手段は、前記整定判定幅が確定していないときに、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅候補以内にある整定時間を前記整定判定幅候補毎に計測し、前記整定時間率算出手段は、前記整定判定幅が確定していないときに、前記経過時間と前記整定判定幅候補に対応する整定時間から前記設定値整定時間率を前記整定判定幅候補毎に算出することを特徴とするものである
また、本発明の不具合検知システムは、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出手段と、不具合検知のための、互いに異なる複数の整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段と、前記操作量算出手段による制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測手段と、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を整定判定幅毎に計測する整定時間計測手段と、前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定判定幅に対応する整定時間から設定値整定時間率を前記整定判定幅毎に算出する整定時間率算出手段と、前記設定値整定時間率を記憶する整定時間率記憶手段と、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセット手段と、前記複数の整定判定幅のうち1つの整定判定幅に対応する設定値整定時間率に対して、この整定判定幅よりも小さい別の整定判定幅に対応する設定値整定時間率の比率が予め規定された基準閾値を下回ったときに、過渡状態の発生が少ない状況でありながら整定状態が損なわれている可能性が高いことを示すアラームを出力する複合判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、前記整定時間率記憶手段に保持されている設定値整定時間率を予め規定された間隔で取得する整定時間率取得手段と、前記設定値整定時間率の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、前記整定時間率取得手段が取得した設定値整定時間率を記憶する整定時間率履歴記憶手段と、この整定時間率履歴記憶手段に記憶された過去の任意の設定値整定時間率に対する最新の設定値整定時間率の低下量が予め規定された閾値を超えたときに、アラームを出力する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知方法は、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出ステップと、前記操作量算出ステップによる制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測ステップと、不具合検知のための整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段を参照し、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測する整定時間計測ステップと、前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出して整定時間率記憶手段へ登録する整定時間率算出ステップと、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセットステップと、前記整定時間率記憶手段に記憶された設定値整定時間率が予め規定された閾値を下回ったときに、アラームを出力するアラーム出力ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知方法は、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出ステップと、前記操作量算出ステップによる制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測ステップと、不具合検知のための、互いに異なる複数の整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段を参照し、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を整定判定幅毎に計測する整定時間計測ステップと、前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定判定幅に対応する整定時間から設定値整定時間率を前記整定判定幅毎に算出して整定時間率記憶手段へ登録する整定時間率算出ステップと、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセットステップと、前記複数の整定判定幅のうち1つの整定判定幅に対応する設定値整定時間率に対して、この整定判定幅よりも小さい別の整定判定幅に対応する設定値整定時間率の比率が予め規定された基準閾値を下回ったときに、過渡状態の発生が少ない状況でありながら整定状態が損なわれている可能性が高いことを示すアラームを出力する複合判定ステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、整定判定幅記憶手段と経過時間計測手段と整定時間計測手段と整定時間率算出手段と整定時間率記憶手段とを設けることにより、装置コントロールレベルでの制御状態自体を直接的に扱うFD/FP機能を強化することができ、制御の整定に関する不具合を検知したり予知したりすることができる。
また、本発明では、整定判定幅候補記憶手段と整定判定幅調整手段とを設けることにより、膨大な時系列データを記憶しておいて、適度な設定値整定時間率になる整定判定幅を割り出すような煩雑な手順が不要になる。
また、本発明では、アラーム出力手段を設けることにより、設定値整定時間率に関する簡易的なアラーム機能をコントローラレベルで実現することができる。
また、本発明では、整定判定幅記憶手段と経過時間計測手段と整定時間計測手段と整定時間率算出手段と整定時間率記憶手段と複合判定手段とを設けることにより、設定値変更に伴う過渡状態の発生も考慮した設定値整定時間率に関する簡易的なアラーム機能をコントローラレベルで実現することができ、設定値変更に伴う過渡状態との関連性の診断も可能になる。
また、本発明では、整定時間率取得手段と整定時間率履歴記憶手段と判定手段とを設けることにより、さらに高度な制御状態検知を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態において整定判定幅が確定していない場合の不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態において整定判定幅が確定していない場合の不具合検知システムの動作例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において整定判定幅が確定している場合の不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態において整定判定幅が確定している場合の不具合検知システムの動作例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの動作例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る加熱装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態における設定値整定時間率の記録例を示す図である。
[発明の原理1]
一般的な装置の稼動中の正常な外乱とは、例えば電子基板のリフロー炉であれば、特定のワークが一定のペースでコンベアに投入され、このワークが炉内を一定のペースで通過するときの降温外乱などがある。したがって、一定の長い期間(上記のリフロー炉の例であれば1ロット分のワークを全て処理する時間)に亘り、制御量PVが設定値近傍の整定判定幅に入っている時間の割合(設定値整定時間率)を検出すれば、概ね再現性が確保されるのが、正常な状態であることに着眼した。
そして、一定期間毎の管理機能(例えばリセット機能)と併用し、設定値整定時間率を検出するようにすれば、PIDパラメータ変更のミスや、制御量PVを計測するセンサの不適正状態など、制御状態自体を直接的に扱う検出機能として利用できることに想到した。情報量としては膨大にならないため、設定値整定時間率に限れば、簡易型のコントローラレベルにも実装可能になる。コントローラは、情報検出機能としてFD/FP機能の一部を形成することになる。そして、この設定値整定時間率を上位レベルのPCなどで加工して、アラーム発報や情報分析結果の提示を行なう構成が現実的である。ただし、簡易的なアラーム機能ならば、コントローラにも実装可能である。
[発明の原理2]
管理すべき整定判定幅を、自動調整あるいは変更提案する構成が好ましい。すなわち、初期の正常な制御状態において、整定判定幅を大きくし過ぎると、制御状態が劣化しても設定値整定時間率は劣化しなくなる。逆に初期の正常な制御状態において、整定判定幅を小さくし過ぎると、常に制御状態が劣化したような状態にしかならなくなる。
具体的には、初期状態において整定判定幅を複数設定し、各々の整定判定幅について設定値整定時間率を算出し、複数の整定判定幅の中から適度な設定値整定時間率を与える整定判定幅を選ぶようにする。このようにすれば、膨大な時系列データを記憶しておいて、適度な設定値整定時間率になる整定判定幅を割り出すような手順は行なわずに済む。
[発明の原理3]
複数の整定判定幅による複数の設定値整定時間率を、常に利用することも有効である。例えば、設定値変更に伴う過渡状態との関連性の診断も可能になる。具体的には、整定判定幅が±1℃の場合で設定値整定時間率が低く、整定判定幅が±2℃の場合で設定値整定時間率が高いならば、±2℃以上の設定値変更が頻繁に行なわれ、この頻繁な設定値変更に伴う過渡状態により整定判定幅が±1℃の場合での設定値整定時間率が損なわれている可能性は低い、という判断も可能になる。逆に、整定判定幅が±1℃の場合で設定値整定時間率が低く、整定判定幅が±2℃の場合でも設定値整定時間率が低いならば、±2℃以上の設定値変更が頻繁に行なわれ、この頻繁な設定値変更に伴う過渡状態により整定判定幅が±1℃の場合での設定値整定時間率が損なわれている可能性が高い、という判断も可能になる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2に対応する例である。ここでは、不具合検知システムを簡易型のコントローラ(温調計)で実現する例として説明する。本実施の形態の不具合検知システムは、従来から温調計に設けられている一般的構成である温調計制御機能部1と、本実施の形態の特徴的構成であるFD/FP機能部2とから構成される。
温調計制御機能部1は、設定値SPを温調計外部から入力する設定値入力部10と、制御量PVを図示しない計測器から入力する制御量入力部11と、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出部12と、操作量MVを温調計外部に出力する操作量出力部13とを備えている。
FD/FP機能部2は、互いに異なる複数の整定判定幅候補を予め記憶する整定判定幅候補記憶部20と、不具合検知のための整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶部21と、操作量算出部12による制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測部22と、整定判定幅が確定していないときには、設定値SPと制御量PVとの差が整定判定幅候補以内にある整定時間を整定判定幅候補毎に計測し、整定判定幅が確定しているときには、設定値SPと制御量PVとの差が整定判定幅以内にある整定時間を計測する整定時間計測部23と、整定判定幅が確定していないときには、経過時間と整定判定幅候補に対応する整定時間から設定値整定時間率を整定判定幅候補毎に算出し、整定判定幅が確定しているときには、経過時間と整定時間から設定値整定時間率を算出する整定時間率算出部24と、整定判定幅が確定していないときに、整定時間率算出部24が整定判定幅候補毎に算出した設定値整定時間率のうち適切な設定値整定時間率を与える整定判定幅候補を選択し、この選択した整定判定幅候補を整定判定幅として確定して整定判定幅記憶部21に登録する整定判定幅調整部25と、設定値整定時間率を記憶する整定時間率記憶部26と、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは整定時間率記憶部26への設定値整定時間率の登録後に、計測中の経過時間と整定時間をゼロにリセットするリセット部27と、整定時間率記憶部26に記憶された設定値整定時間率が予め規定された閾値を下回ったときに、アラームを温調計外部に出力するアラーム出力部28とを備えている。
以下、本実施の形態の不具合検知システムの動作を図2〜図5を参照して説明する。図2、図4は不具合検知システムの動作を示すフローチャート、図3、図5は不具合検知システムの動作例を示す図である。図3、図5の横軸は時間、縦軸は制御量PV(温度)である。ここでは、設定値SPを温度設定値、制御量PVを温度計測値とし、例えば加熱装置の温度制御中のデータを収集する場合について説明する。
まず、FD/FP機能として利用する整定判定幅が確定していない場合の動作を図2、図3を用いて説明する。
初期状態において外部からリセット信号を受け取ったことにより、FD/FP機能部2のリセット部27は、経過時間計測部22が計測する経過時間TXと整定時間計測部23が計測する整定時間TS1,TS2,TS3とを0にリセットする(図2ステップS100)。
温調計の制御動作が起動すると、温調計制御機能部1の操作量算出部12は、周知の制御演算アルゴリズムに従って、設定値入力部10から入力された設定値SPと制御量入力部11から入力された制御量PVとが一致するように操作量MVを算出する(図2ステップS101)。制御演算アルゴリズムとしては、例えばPIDがある。
操作量出力部13は、操作量算出部12によって算出された操作量MVを制御対象に出力する(図2ステップS102)。制御対象が例えば加熱処理炉の場合、加熱処理炉のヒータに電力を供給する電力調整器が、操作量MVの実際の出力先となる。
経過時間計測部22は、温調計の制御動作が起動しているときに、制御動作を実行している状態の経過時間TXを次式のように更新する(図2ステップS103)。
TX←TX+dT ・・・(1)
dTは制御周期である。こうして、制御動作開始後の経過時間TXを計測することができる。
整定時間計測部23は、設定値入力部10から入力された設定値SPと制御量入力部11から入力された制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅候補記憶部20に予め登録された整定判定幅候補α1(例えばα1=1℃)以内にあれば(図2ステップS104においてYES)、整定判定幅候補α1に対応する整定時間TS1を次式のように更新する(図2ステップS105)。
IF |SP−PV|≦α1 THEN TS1←TS1+dT ・・・(2)
整定時間計測部23は、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅候補記憶部20に予め登録された整定判定幅候補α2(例えばα2=2℃)以内にあれば(図2ステップS106においてYES)、整定判定幅候補α2に対応する整定時間TS2を次式のように更新する(図2ステップS107)。
IF |SP−PV|≦α2 THEN TS2←TS2+dT ・・・(3)
また、整定時間計測部23は、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅候補記憶部20に予め登録された整定判定幅候補α3(例えばα3=3℃)以内にあれば(図2ステップS108においてYES)、整定判定幅候補α3に対応する整定時間TS3を次式のように更新する(図2ステップS109)。
IF |SP−PV|≦α3 THEN TS3←TS3+dT ・・・(4)
こうして、図3に示すように整定時間TS1,TS2,TS3が計測される。なお、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅候補α1を上回ると、整定時間TS1の更新が一時停止するが、図3から明らかなように、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅候補α1以下になると、整定時間TS1の更新が再開される。整定時間TS2,TS3についても同様である。
整定時間率算出部24は、経過時間TXが予め規定された基準経過時間TRに到達したときに(図2ステップS110においてYES)、整定時間TS1,TS2,TS3の各々について設定値整定時間率RS1,RS2,RS3を個別に算出する(図2ステップS111)。
RS1(%)=(TS1/TX)×100 ・・・(5)
RS2(%)=(TS2/TX)×100 ・・・(6)
RS3(%)=(TS3/TX)×100 ・・・(7)
図3に示すように、整定判定幅候補がα1<α2<α3であれば、TS1≦TS2≦TS3の関係になり、RS1≦RS2≦RS3の関係になる。
整定判定幅調整部25は、整定時間率算出部24が算出した設定値整定時間率RS1,RS2,RS3のうち最適な設定値整定時間率を与える整定判定幅候補を選択し、この選択した整定判定幅候補を整定判定幅αとして確定して整定判定幅記憶部21に登録する(図2ステップS112)。最適な設定値整定時間率とは、例えば予め規定された指標時間率RX(例えば50%)に最も近い設定値整定時間率のことを言う。
以上のようなステップS101〜S112の処理が、例えばオペレータからの指令によってFD/FP機能部2の動作が終了するまで、あるいは整定判定幅αが確定するまで(図2ステップS113においてYES)、制御周期dT毎に繰り返し実行される。
図2の処理により、例えば膨大な時系列データを記憶しておいて、適度な設定値整定時間率になる整定判定幅を割り出すような大袈裟な手順(温調計に実装困難)は、不要になる。
次に、FD/FP機能として利用する整定判定幅αが確定している場合の動作を図4、図5を用いて説明する。
初期状態において外部からリセット信号を受け取ったことにより、リセット部27は、経過時間計測部22が計測する経過時間TXと整定時間計測部23が計測する整定時間TSとを0にリセットする(図4ステップS200)。
図4のステップS201,S202,S203は、それぞれ図2のステップS101,S102,S103と同じなので、説明は省略する。
整定時間計測部23は、整定判定幅α(例えばα=2℃)が既に確定している場合で、設定値入力部10から入力された設定値SPと制御量入力部11から入力された制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅記憶部21に登録された整定判定幅α以内にあれば(図4ステップS204においてYES)、整定判定幅αに対応する整定時間TSを次式のように更新する(図4ステップS205)。
IF |SP−PV|≦α THEN TS←TS+dT ・・・(8)
こうして、図5に示すように整定時間TSが計測される。なお、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅αを上回ると、整定時間TSの更新が一時停止するが、図5から明らかなように、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅α以下になると、整定時間TSの更新が再開される。
整定時間率算出部24は、経過時間TXが予め規定された基準経過時間TRに到達したときに(図4ステップS206においてYES)、設定値整定時間率RSを次式のように算出する(図4ステップS207)。
RS(%)=(TS/TX)×100 ・・・(9)
整定時間率算出部24は、算出した設定値整定時間率RSを整定時間率記憶部26に登録する(図4ステップS208)。
アラーム出力部28は、整定時間率記憶部26に登録された最新の設定値整定時間率RSが予め規定された閾値THを下回ったときに(図4ステップS209においてYES)、アラームを温調計外部に出力する(図4ステップS210)。アラームの出力形態としては、例えば上位レベルのPCなどへのアラーム信号の出力等がある。閾値THの簡易的な規定方法としては、前回の基準経過時間帯において算出された設定値整定時間率RSを閾値THとしたり、この設定値整定時間率RSの80%の値を閾値THとしたりするといった、実績ベースの規定方法がある。
設定値整定時間率RSの登録後、整定時間率記憶部26は、リセット部27に対してリセット信号を出力し、経過時間TXと整定時間TSとを0にリセットさせる(図4ステップS211)。
以上のようなステップS201〜S211の処理が、例えばオペレータからの指令によってFD/FP機能部2の動作が終了するまで(図4ステップS212においてYES)、制御周期dT毎に繰り返し実行される。図4の処理により、設定値整定時間率に関する簡易的なアラーム機能をコントローラレベル(温調計)で継続できる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理3に対応する例である。本実施の形態においても、不具合検知システムを簡易型のコントローラ(温調計)で実現する例として説明する。本実施の形態の不具合検知システムは、温調計制御機能部1と、FD/FP機能部2aとから構成される。
温調計制御機能部1の構成は第1の実施の形態で説明したとおりである。FD/FP機能部2aは、不具合検知のための、互いに異なる複数の整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶部21aと、経過時間計測部22と、設定値SPと制御量PVとの差が整定判定幅以内にある整定時間を整定判定幅毎に計測する整定時間計測部23aと、経過時間と整定判定幅に対応する整定時間から設定値整定時間率を整定判定幅毎に算出する整定時間率算出部24aと、整定判定幅毎に算出された設定値整定時間率を記憶する整定時間率記憶部26aと、リセット部27と、複数の整定判定幅のうち1つの整定判定幅に対応する設定値整定時間率に対して、この整定判定幅よりも小さい別の整定判定幅に対応する設定値整定時間率の比率が予め規定された基準閾値を下回ったときに、過渡状態の発生が少ない状況でありながら整定状態が損なわれている可能性が高いことを示すアラームを温調計外部に出力する複合判定部29とを備えている。
以下、本実施の形態の不具合検知システムの動作を図7、図8を参照して説明する。図7は不具合検知システムの動作を示すフローチャート、図8は不具合検知システムの動作例を示す図である。図8の横軸は時間、縦軸は制御量PV(温度)である。
初期状態において外部からリセット信号を受け取ったことにより、リセット部27は、経過時間計測部22が計測する経過時間TXと整定時間計測部23aが計測する整定時間TS1,TS2,TS3とを0にリセットする(図7ステップS300)。
図7のステップS301,S302,S303は、それぞれ図2のステップS101,S102,S103と同じなので、説明は省略する。
整定時間計測部23aは、設定値入力部10から入力された設定値SPと制御量入力部11から入力された制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅記憶部21aに予め登録された整定判定幅β1(例えばβ1=1℃)以内にあれば(図7ステップS304においてYES)、整定判定幅β1に対応する整定時間TS1を次式のように更新する(図7ステップS305)。
IF |SP−PV|≦β1 THEN TS1←TS1+dT ・・・(10)
整定時間計測部23aは、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅記憶部21aに予め登録された整定判定幅β2(例えばβ2=2℃)以内にあれば(図7ステップS306においてYES)、整定判定幅β2に対応する整定時間TS2を次式のように更新する(図7ステップS307)。
IF |SP−PV|≦β2 THEN TS2←TS2+dT ・・・(11)
整定時間計測部23aは、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅記憶部21aに予め登録された整定判定幅β3(例えばβ3=3℃)以内にあれば(図7ステップS308においてYES)、整定判定幅β3に対応する整定時間TS3を次式のように更新する(図7ステップS309)。
IF |SP−PV|≦β3 THEN TS3←TS3+dT ・・・(12)
こうして、図8に示すように整定時間TS1,TS2,TS3が計測される。次に、整定時間率算出部24aは、経過時間TXが予め規定された基準経過時間TRに到達したときに(図7ステップS310においてYES)、整定時間TS1,TS2,TS3の各々について設定値整定時間率RS1,RS2,RS3を式(5)〜式(7)のように算出する(図7ステップS311)。図8に示すように、整定判定幅がβ1<β2<β3であれば、TS1≦TS2≦TS3の関係になり、RS1≦RS2≦RS3の関係になる。
整定時間率算出部24aは、算出した設定値整定時間率RS1,RS2,RS3を整定時間率記憶部26に登録する(図7ステップS312)。
複合判定部29は、小さい整定判定幅β1に対応する設定値整定時間率RS1の、大きい整定判定幅β2に対応する設定値整定時間率RS2に対する比率RR1を次式のように算出し(図7ステップS313)、この比率RR1が予め規定された基準閾値TR1を下回ったときに(図7ステップS314においてYES)、過渡状態の発生が少ない状況でありながら整定状態が損なわれている可能性が高いことを示すアラームを、温調計外部に出力する(図7ステップS315)。
RR1(%)=(RS1/RS2)×100 ・・・(13)
複合判定部29は、小さい整定判定幅β2に対応する設定値整定時間率RS2の、大きい整定判定幅β3に対応する設定値整定時間率RS3に対する比率RR2を次式のように算出し(図7ステップS316)、この比率RR2が予め規定された基準閾値TR2を下回ったときに(図7ステップS317においてYES)、過渡状態の発生が少ない状況でありながら整定状態が損なわれている可能性が高いことを示すアラームを、温調計外部に出力する(図7ステップS318)。
RR2(%)=(RS2/RS3)×100 ・・・(14)
アラームの出力形態としては、例えば上位レベルのPCなどへのアラーム信号の出力等がある。設定値整定時間率RS1,RS2,RS3の登録後、整定時間率記憶部26aは、リセット部27に対してリセット信号を出力し、経過時間TXと整定時間TS1,TS2,TS3とを0にリセットさせる(図7ステップS319)。
以上のようなステップS301〜S319の処理が、例えばオペレータからの指令によってFD/FP機能部2aの動作が終了するまで(図7ステップS320においてYES)、制御周期dT毎に繰り返し実行される。
図7の処理により、過渡状態の発生も考慮した設定値整定時間率に関する簡易的なアラーム機能をコントローラレベル(温調計)で継続できる。なお、この場合の過渡状態とは、例えば変更幅が±2℃あるいは±3℃以上の設定値SPの変更に伴う過渡状態などである。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、加熱装置の温度制御系に第1の実施の形態の不具合検知システムを適用した場合の例を示すものである。図9は本実施の形態の不具合検知システムの構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の不具合検知システムは、温調計制御機能部1と、FD/FP機能部2と、FD/FP機能部3とから構成される。
温調計制御機能部1とFD/FP機能部2の構成および動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。なお、本実施の形態では、整定判定幅αが確定した後の設定値整定時間率RSを用いるので、図9の例では、FD/FP機能部2の構成のうち図4の処理に必要な構成のみを記載し、図2の処理に必要な構成については記載を省略している。
FD/FP機能部3は、FD/FP機能部2の整定時間率記憶部26に保持されている設定値整定時間率RSを予め規定された間隔で取得する整定時間率取得部30と、設定値整定時間率RSの取得後にリセット部27にリセット信号を送信するリセット信号送信部31と、整定時間率取得部30が取得した設定値整定時間率RSを記憶する整定時間率履歴記憶部32と、整定時間率履歴記憶部32に記憶された過去の任意の設定値整定時間率に対する最新の設定値整定時間率の低下量が予め規定された閾値Txを超えたときに、制御の安定性が損なわれている状態に推移している危険性を示すアラームを出力する判定部33とを備えている。
図10は本実施の形態の適用対象となる加熱装置の構成を示すブロック図である。加熱装置は、処理対象の被加熱物を加熱する加熱チャンバー100と、電気ヒータ101と、加熱チャンバー100内の温度を計測する温度センサ102と、加熱チャンバー100内の温度を制御する温調計103と、電力調整器104と、電力供給回路105と、加熱装置全体を制御するPLC(Programmable Logic Controller)106とから構成される。
温調計103は、温度センサ102が計測した温度PVが温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じて電気ヒータ101に供給する。こうして、温調計103は、加熱チャンバー100内の被加熱物の温度を制御する。
図9の温調計制御機能部1とFD/FP機能部2とは温調計103に実装され、FD/FP機能部3は温調計103よりも上位レベルのPCなどからなるPLC106に実装される。
次に、本実施の形態の不具合検知システムのFD/FP機能部3の動作を図11を参照して説明する。
整定時間率取得部30は、FD/FP機能部2の整定時間率記憶部26に保持されている設定値整定時間率RSを取得する(図11ステップS400)。
設定値整定時間率RSの取得後、整定時間率取得部30は、リセット信号送信部31に対してリセット信号を送信するよう指示を出す。この指示に応じて、リセット信号送信部31は、FD/FP機能部2のリセット部27にリセット信号を送信する(図11ステップS401)。リセット部27の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
整定時間率履歴記憶部32は、整定時間率取得部30が取得した設定値整定時間率RSを記憶する(図11ステップS402)。
判定部33は、整定時間率取得部30が取得した最新の設定値整定時間率RSと整定時間率履歴記憶部32に記憶されている過去の任意の設定値整定時間率RSとを比較したときに、過去の設定値整定時間率RSよりも最新の設定値整定時間率RSが低く、過去の設定値整定時間率RSに対する最新の設定値整定時間率RSの低下量が予め規定された閾値Txを超えた場合(図11ステップS403)、制御の安定性が損なわれている状態に推移している危険性を示すアラームXを出力する(図11ステップS404)。アラームXの出力形態としては、例えばLEDの点灯、メッセージの表示、音声出力等がある。
以上のようなステップS400〜S404の処理が、例えばオペレータからの指令によってFD/FP機能部3の動作が終了するまで(図11ステップS405においてYES)、一定周期毎に繰り返し実行される。このFD/FP機能部3の動作周期は、温調計制御機能部1およびFD/FP機能部2の制御周期dTよりも長い値に設定される。
[制御状態検知例]
ここでは、本実施の形態の不具合検知システムを図10に示した加熱装置の温度制御系に適用した場合について説明する。加熱装置を利用した生産プロセスでは、対象製品により様々な温度変更があり、整定工程も様々であるが、整定パターンは有限であり、1週間中には概ね標準的な整定パターンが平均的な頻度で実行されるものとする。したがって、FD/FP機能部3の動作周期を1週間とする。閾値は、Tx=20%とする。設定値整定時間率RSが整定時間率履歴記憶部32に1週間毎に図12のように記録されるものとする。
図12から明らかなように、第28週に、設定値整定時間率RSが第3週の設定値整定時間率RSよりも閾値Tx=20%を超える低下分(84%−63%=21%)を示したことになるので、アラームXが出力される。
以上のように、本実施の形態では、第1の実施の形態と比較してさらに高度な制御状態検知が可能になる。本実施の形態によれば、生産プロセス管理者は、制御の安定性が損なわれている状態に推移した危険性を認識し、何らかの対処ができる。
なお、本実施の形態では、FD/FP機能部3を第1の実施の形態に適用したが、第2の実施の形態についても同様にFD/FP機能部3を適用できることは言うまでもない。FD/FP機能部3を第2の実施の形態に適用する場合、整定時間率取得部30が整定時間率記憶部26aから設定値整定時間率RS1,RS2,RS3を取得し、設定値整定時間率RS1,RS2,RS3の取得後、リセット信号送信部31がリセット信号を送信し、整定時間率履歴記憶部32が設定値整定時間率RS1,RS2,RS3を記憶すればよい。そして、判定部33は、過去の任意の設定値整定時間率RS1に対する最新の設定値整定時間率RS1の低下量が予め規定された閾値Tx1を超えた場合にアラームを出力し、過去の任意の設定値整定時間率RS2に対する最新の設定値整定時間率RS2の低下量が予め規定された閾値Tx2を超えた場合にアラームを出力し、過去の任意の設定値整定時間率RS3に対する最新の設定値整定時間率RS3の低下量が予め規定された閾値Tx3を超えた場合にアラームを出力すればよい。
なお、背景技術ではEESの装置内分散配置を課題として取り上げているが、第1〜第3の実施の形態は、EESに限らず、建物の空調制御や化学プラントなどで利用される装置コントロールレベルも対象範囲に入る。
第1〜第3の実施の形態で説明した不具合検知システムは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。なお、上記で説明したとおり、不具合検知システムが複数の装置に分散して配置される場合には、各装置のCPUが自装置の記憶装置に格納されたプログラムに従って処理を実行すればよい。
本発明は、制御の整定に関する不具合を検知したり予知したりする技術に適用することができる。
1…温調計制御機能部、2,2a,3…FD/FP機能部、10…設定値入力部、11…制御量入力部、12…操作量算出部、13…操作量出力部、20…整定判定幅候補記憶部、21,21a…整定判定幅記憶部、22…経過時間計測部、23,23a…整定時間計測部、24,24a…整定時間率算出部、25…整定判定幅調整部、26,26a…整定時間率記憶部、27…リセット部、28…アラーム出力部、29…複合判定部、30…整定時間率取得部、31…リセット信号送信部、32…整定時間率履歴記憶部、33…判定部。

Claims (8)

  1. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出手段と、
    不具合検知のための整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段と、
    前記操作量算出手段による制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測手段と、
    前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測する整定時間計測手段と、
    前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出する整定時間率算出手段と、
    前記設定値整定時間率を記憶する整定時間率記憶手段と、
    外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセット手段と
    前記整定時間率記憶手段に記憶された設定値整定時間率が予め規定された閾値を下回ったときに、アラームを出力するアラーム出力手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  2. 請求項1記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、互いに異なる複数の整定判定幅候補を予め記憶する整定判定幅候補記憶手段と、
    前記整定判定幅が確定していないときに、前記整定時間率算出手段が前記整定判定幅候補毎に算出した設定値整定時間率のうち適切な設定値整定時間率を与える整定判定幅候補を選択し、この選択した整定判定幅候補を前記整定判定幅として確定して前記整定判定幅記憶手段に登録する整定判定幅調整手段とを備え、
    前記整定時間計測手段は、前記整定判定幅が確定していないときに、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅候補以内にある整定時間を前記整定判定幅候補毎に計測し、
    前記整定時間率算出手段は、前記整定判定幅が確定していないときに、前記経過時間と前記整定判定幅候補に対応する整定時間から前記設定値整定時間率を前記整定判定幅候補毎に算出することを特徴とする不具合検知システム。
  3. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出手段と、
    不具合検知のための、互いに異なる複数の整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段と、
    前記操作量算出手段による制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測手段と、
    前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を整定判定幅毎に計測する整定時間計測手段と、
    前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定判定幅に対応する整定時間から設定値整定時間率を前記整定判定幅毎に算出する整定時間率算出手段と、
    前記設定値整定時間率を記憶する整定時間率記憶手段と、
    外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセット手段と、
    前記複数の整定判定幅のうち1つの整定判定幅に対応する設定値整定時間率に対して、この整定判定幅よりも小さい別の整定判定幅に対応する設定値整定時間率の比率が予め規定された基準閾値を下回ったときに、過渡状態の発生が少ない状況でありながら整定状態が損なわれている可能性が高いことを示すアラームを出力する複合判定手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、前記整定時間率記憶手段に保持されている設定値整定時間率を予め規定された間隔で取得する整定時間率取得手段と、
    前記設定値整定時間率の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、
    前記整定時間率取得手段が取得した設定値整定時間率を記憶する整定時間率履歴記憶手段と、
    この整定時間率履歴記憶手段に記憶された過去の任意の設定値整定時間率に対する最新の設定値整定時間率の低下量が予め規定された閾値を超えたときに、アラームを出力する判定手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  5. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出ステップと、
    前記操作量算出ステップによる制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測ステップと、
    不具合検知のための整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段を参照し、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測する整定時間計測ステップと、
    前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出して整定時間率記憶手段へ登録する整定時間率算出ステップと、
    外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセットステップと
    前記整定時間率記憶手段に記憶された設定値整定時間率が予め規定された閾値を下回ったときに、アラームを出力するアラーム出力ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  6. 請求項記載の不具合検知方法において、
    前記整定時間計測ステップは、前記整定判定幅が確定していないときに、互いに異なる複数の整定判定幅候補を予め記憶する整定判定幅候補記憶手段を参照し、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅候補以内にある整定時間を前記整定判定幅候補毎に計測し、
    前記整定時間率算出ステップは、前記整定判定幅が確定していないときに、前記経過時間と前記整定判定幅候補に対応する整定時間から前記設定値整定時間率を前記整定判定幅候補毎に算出し、
    さらに、前記整定判定幅が確定していないときに、前記整定時間率算出ステップで前記整定判定幅候補毎に算出した設定値整定時間率のうち適切な設定値整定時間率を与える整定判定幅候補を選択し、この選択した整定判定幅候補を前記整定判定幅として確定して前記整定判定幅記憶手段に登録する整定判定幅調整ステップを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  7. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して出力する操作量算出ステップと、
    前記操作量算出ステップによる制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測ステップと、
    不具合検知のための、互いに異なる複数の整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶手段を参照し、前記設定値SPと前記制御量PVとの差が前記整定判定幅以内にある整定時間を整定判定幅毎に計測する整定時間計測ステップと、
    前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定判定幅に対応する整定時間から設定値整定時間率を前記整定判定幅毎に算出して整定時間率記憶手段へ登録する整定時間率算出ステップと、
    外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶手段への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするリセットステップと、
    前記複数の整定判定幅のうち1つの整定判定幅に対応する設定値整定時間率に対して、この整定判定幅よりも小さい別の整定判定幅に対応する設定値整定時間率の比率が予め規定された基準閾値を下回ったときに、過渡状態の発生が少ない状況でありながら整定状態が損なわれている可能性が高いことを示すアラームを出力する複合判定ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  8. 請求項乃至のいずれか1項に記載の不具合検知方法において、
    さらに、前記整定時間率記憶手段に保持されている設定値整定時間率を予め規定された間隔で取得する整定時間率取得ステップと、
    前記設定値整定時間率の取得後に前記リセット信号を送信するリセット信号送信ステップと、
    前記整定時間率取得ステップで取得した設定値整定時間率を整定時間率履歴記憶手段に記憶させる整定時間率履歴記憶ステップと、
    前記整定時間率履歴記憶手段に記憶された過去の任意の設定値整定時間率に対する最新の設定値整定時間率の低下量が予め規定された閾値を超えたときに、アラームを出力する判定ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
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