JP2022061657A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】整定判定幅が制御の状況によって不適切になる確率を低減する。【解決手段】制御装置は、設定値と制御量に基づき操作量を算出して制御対象に出力する操作量算出部1と、整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶部2と、整定判定幅に基づき制御系の状態を判定する状態判定部3と、設定値の変更を検出する設定値変更検出部4と、設定値の変更が検出されたときに設定値の変更幅に基づいて、整定判定幅記憶部2に記憶されている整定判定幅を変更する整定判定幅変更部5とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、制御系の状態を判定する機能を備えた制御装置および制御方法に関するものである。
図8のような加熱装置に適用されるフィードバック制御系(例えば温調計によるPID制御系)の状態判定の指標として、設定値整定時間率が実用されている(特許文献1参照)。図8の加熱装置は、処理対象のワークを加熱する加熱処理炉100と、電気ヒータ101と、加熱処理炉100内の温度を計測する温度センサ102と、加熱処理炉100内の温度を制御する温調計103と、電力調整器104と、電力供給回路105と、加熱装置全体を制御するPLC(Programmable Logic Controller)106とから構成される。温調計103は、温度センサ102が計測した温度PV(制御量)が温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じて電気ヒータ101に供給する。
設定値整定時間率は、制御量PVが設定値SP近傍の整定判定幅に入っている時間の割合である。設定値整定時間率を検出することにより、制御の整定に関する不具合を検知したり予知したりすることができる。
特許文献1に開示された技術では、設定値整定時間率を算出するための整定判定幅を設定する必要がある。具体的には、初期状態において整定判定幅の候補を複数設定し、各々の整定判定幅の候補について設定値整定時間率を算出し、複数の整定判定幅の候補中から適度な設定値整定時間率を与える整定判定幅を選ぶという手順で設定している。
例えば図9の例では、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値|SP-PV|が整定判定幅候補α1(例えばα1=1℃)以内にある整定時間TS1と、|SP-PV|が整定判定幅候補α2(例えばα2=2℃)以内にある整定時間TS2と、|SP-PV|が整定判定幅候補α3(例えばα3=3℃)以内にある整定時間TS3とを計測している。整定時間TS1,TS2,TS3をそれぞれ温調計が制御動作を実行している状態の経過時間で割ることにより、整定判定幅候補α1,α2,α3の各々について設定値整定時間率RS1,RS2,RS3を算出することができる。そして、設定値整定時間率RS1,RS2,RS3のうち最適な設定値整定時間率を与える整定判定幅候補を整定判定幅として確定する。なお、特許文献1によれば、確定する整定判定幅は1段階に限る必要はなく、複数の組合せでもよいし、図9の例の3段階を組合せるように確定してもよい。
以上のような特許文献1の処理により整定判定幅が設定された後であっても、状況によって整定判定幅が不適切になることがある。例えば設定値SPが変更された場合、設定値SPの変更幅に応じて制御量PVのオーバーシュート量が変化する。このため、特許文献1の処理により整定判定幅を設定したとしても、設定値SPの変更幅によっては整定判定幅が不適切になる場合があり得る。整定判定幅が不適切になると、制御の整定状態に関して誤った判定が起こる可能性があるので、改善が求められている。
特開2015-069612号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、整定判定幅が制御の状況によって不適切になる確率を低減することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、設定値と制御量に基づき操作量を算出して制御対象に出力するように構成された操作量算出部と、整定判定幅を記憶するように構成された整定判定幅記憶部と、前記整定判定幅に基づき制御系の状態を判定するように構成された状態判定部と、前記設定値の変更を検出するように構成された設定値変更検出部と、前記設定値の変更が検出されたときに前記設定値の変更幅に基づいて、前記整定判定幅記憶部に記憶されている整定判定幅を変更するように構成された整定判定幅変更部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記状態判定部は、前記操作量算出部による制御動作を実行している状態の経過時間を計測するように構成された経過時間計測部と、前記設定値と前記制御量との差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測するように構成された整定時間計測部と、前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出するように構成された整定時間率算出部と、前記設定値整定時間率を記憶するように構成された整定時間率記憶部と、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶部への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするように構成されたリセット部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、前記整定時間率記憶部に記憶された設定値整定時間率と予め規定された閾値とを比較することにより、制御系の状態を判定するように構成された判定部をさらに備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記整定判定幅変更部は、前記設定値の変更幅に予め規定された比例定数を乗算することにより、変更後の前記整定判定幅を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、設定値と制御量に基づき操作量を算出して制御対象に出力する第1のステップと、前記設定値の変更を検出する第2のステップと、前記設定値の変更を検出したときに前記設定値の変更幅に基づいて、整定判定幅記憶部に記憶されている整定判定幅を変更する第3のステップと、前記整定判定幅に基づき制御系の状態を判定する第4のステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記第4のステップは、前記第1のステップによる制御動作を実行している状態の経過時間を計測する第5のステップと、前記設定値と前記制御量との差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測する第6のステップと、前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出して整定時間率記憶部へ登録する第7のステップと、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶部への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットする第8のステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例は、前記整定時間率記憶部に記憶された設定値整定時間率と予め規定された閾値とを比較することにより、制御系の状態を判定する第9のステップをさらに含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記第3のステップは、前記設定値の変更幅に予め規定された比例定数を乗算することにより、変更後の前記整定判定幅を決定するステップを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、設定値変更検出部と整定判定幅変更部とを設けることにより、整定判定幅が制御の状況によって不適切になる確率を低減する(適切に維持される確率を向上させる)ことができる。その結果、本発明では、整定判定幅を利用して制御系の状態を判定する際に、誤った判定が起こらないようにすることができる。
図1は、本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施例に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 図3は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御を実行した場合の制御応答のシミュレーション結果を示す図である。 図4は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御を実行した場合の制御応答のシミュレーション結果を示す図である。 図5は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御を実行した場合の制御応答のシミュレーション結果を示す図である。 図6は、図3~図5の一部を拡大した図である。 図7は、本発明の実施例に係る制御装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。 図8は、加熱装置の構成を示すブロック図である。 図9は、従来の技術における整定判定幅の設定手順を説明する図である。
[発明の原理]
整定時間率の用途が、製造装置などの制御系の不具合検知であることから、状況に応じた再現性を確認できることが重要である。すなわち、制御性能が特に重視される状況での再現性であるとか、制御性能の良/不良が現れやすい状況での再現性であるとかが、臨機応変に判定されるべきである。
そこで、発明者は、整定判定幅あるいは複数の整定判定幅の組合せを、状況に応じて切り替えられる構成とすることに想到した。代表的な例としては、設定値SPの変更が行なわれた後の過渡状態から整定に至るまでの整定判定幅を、少なくとも整定後の定常状態の整定判定幅とは異なるスケールに切り替えるのが好ましい。また、設定値SPの変更の際も、設定値SPの変更幅に応じて制御量PVの設定値到達ペースやオーバーシュート量が原理的に変化する場合であれば、設定値SPの変更時に設定値SPの変更幅に応じて整定判定幅を切り替えるのが好ましい。
[実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出して制御対象に出力する操作量算出部1と、整定判定幅を記憶する整定判定幅記憶部2と、整定判定幅に基づき制御系の状態を判定する状態判定部3と、設定値SPの変更を検出する設定値変更検出部4と、設定値SPの変更が検出されたときに設定値SPの変更幅に基づいて、整定判定幅記憶部2に記憶されている整定判定幅を変更する整定判定幅変更部5とを備えている。
操作量算出部1は、設定値SPを制御装置外部から入力する設定値入力部10と、制御量PVを図示しないセンサから入力する制御量入力部11と、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出するPID演算部12と、操作量MVを制御対象に出力する操作量出力部13とから構成される。
状態判定部3は、操作量算出部1による制御動作を実行している状態の経過時間を計測する経過時間計測部30と、設定値SPと制御量PVとの差が整定判定幅以内にある整定時間を計測する整定時間計測部31と、経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに経過時間と整定時間から設定値整定時間率を算出する整定時間率算出部32と、設定値整定時間率を記憶する整定時間率記憶部33と、外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは整定時間率記憶部33への設定値整定時間率の登録後に、計測中の経過時間と整定時間をゼロにリセットするリセット部34と、整定時間率記憶部33に記憶された設定値整定時間率と予め規定された閾値とを比較することにより、制御系の状態を判定する判定部35とから構成される。
図2は本実施例の制御装置の動作を説明するフローチャートである。初期状態において外部からリセット信号を受け取ったことにより、リセット部34は、経過時間計測部30が計測する経過時間TXと整定時間計測部31が計測する整定時間TSとを0にリセットする(図2ステップS100)。
図2のステップS101,S102の設定値SP変更時の動作については後述する。
PID演算部12は、設定値入力部10から入力された設定値SPと制御量入力部11から入力された制御量PVとを入力として、周知のPID制御演算(フィードバック制御演算)により操作量MVを算出する(図2ステップS103)。
操作量出力部13は、PID演算部12によって算出された操作量MVを制御対象に出力する(図2ステップS104)。制御対象が例えば加熱装置の場合、加熱処理炉のヒータに電力を供給する電力調整器が、操作量MVの実際の出力先となる。
経過時間計測部30は、操作量算出部1が制御動作を実行しているときに、制御動作を実行している状態の経過時間TXを次式のように更新する(図2ステップS106)。
TX←TX+dT ・・・(1)
dTは制御周期である。こうして、経過時間TXを計測することができる。
整定判定幅記憶部2には、初期値として定常状態(制御量PVが設定値SPに整定した状態)での不具合検知を行なうための整定判定幅α=αs(αは0より大きい実数)が登録されている。本実施例では、説明を簡素にするために、図9のような3段階の整定判定幅ではなく、1段階の整定判定幅αを用いるものとする。
整定時間計測部31は、設定値入力部10から入力された設定値SPと制御量入力部11から入力された制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅記憶部2に記憶されている整定判定幅α以内にあれば(図2ステップS107においてYES)、整定時間TSを次式のように更新する(図2ステップS108)。
IF |SP-PV|≦α THEN TS←TS+dT ・・・(2)
こうして、整定時間TSが計測される。設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅αを上回ると、整定時間TSの更新が一時停止するが、設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅α以下になると、整定時間TSの更新が再開される。
なお、本実施例において特に制御の過渡状態を評価したい場合、後述のように過渡状態に対応して変更される整定判定幅の時間帯を抽出して計測するのが好ましい。
そこで、リセット部34は、後述のように設定値変更検出部4によって設定値SPの変更が検出されたときに(図2ステップS105においてYES)、経過時間計測部30が計測する経過時間TXと整定時間計測部31が計測する整定時間TSとを0にリセットする(図2ステップS109)。
次に、整定時間率算出部32は、経過時間TXが予め規定された基準経過時間TRに到達したときに(図2ステップS110においてYES)、経過時間TXと整定時間TSとから設定値整定時間率RSを算出する(図2ステップS111)。
RS(%)=(TS/TX)×100 ・・・(3)
そして、整定時間率算出部32は、算出した設定値整定時間率RSを整定時間率記憶部33に登録する(図2ステップS112)。
なお、整定時間率算出部32は、後述のように設定値変更検出部4によって設定値SPの変更が検出されたときに、制御の過渡状態の評価期間に適した基準経過時間TRを設定し、算出した設定値整定時間率RSを整定時間率記憶部33に登録した後に、制御の定常状態の評価期間に適した基準経過時間TRに戻すようにすることが望ましい。
判定部35は、制御の定常状態、すなわち整定判定幅記憶部2に定常状態に対応する整定判定幅α=αsが記憶されている状態において(図2ステップS113においてNO)、制御系の状態判定を行う(図2ステップS114)。具体的には、判定部35は、整定時間率記憶部33に記憶されている設定値整定時間率RSが予め規定された閾値THrを下回ったときに、アラームを出力する。アラームの出力形態としては、例えば上位レベルのPCなどへのアラーム信号の出力等がある。
設定値整定時間率RSの登録後、リセット部34は、経過時間計測部30が計測する経過時間TXと整定時間計測部31が計測する整定時間TSとを0にリセットする(図2ステップS115)。
次に、設定値SP変更時の動作について説明する。設定値変更検出部4は、設定値SPの変更を検出し、制御の過渡状態への推移を判定する。具体的には、設定値変更検出部4は、1制御周期前の設定値SPと現制御周期の設定値SPとの差の絶対値が、予め規定された閾値THsp以上になったときに、設定値SPが変更されたと判定し(図2ステップS101においてYES)、制御の過渡状態(変更後の設定値SPへの追従状態)へ推移したと判定する。ただし、閾値THspは、原則として定常状態の整定判定幅αsよりも大きい値である。
整定判定幅変更部5は、設定値SPが変更されたとき、設定値SPの変更幅ΔSPを次式のように算出する。
ΔSP=|SPold-SP| ・・・(4)
式(4)のSPoldは1制御周期前の設定値SPである。そして、整定判定幅変更部5は、変更幅ΔSPに応じて整定判定幅α=αtを決定し、整定判定幅記憶部2に記憶されている整定判定幅αを、α=αtに変更する(図2ステップS102)。より具体的には、整定判定幅変更部5は、予め規定された比例定数K(Kは0より大きい実数)に基づき、α=αt=KΔSPのように決定するのが好ましい。すなわち、整定判定幅αは、変更幅ΔSPの大きさに応じて大きくなるように規定される。
こうして、制御の過渡状態においては整定判定幅α=αtを用いて設定値整定時間率RSが算出される。
判定部35は、制御の過渡状態、すなわち整定判定幅記憶部2に過渡状態に対応する整定判定幅α=αtが記憶されている状態において(図2ステップS113においてYES)、制御系の状態判定を行う(図2ステップS116)。具体的には、判定部35は、整定時間率記憶部33に記憶されている設定値整定時間率RSが予め規定された閾値THtを下回ったときに、アラームを出力する。
なお、整定判定幅変更部5は、ステップS102の処理により整定判定幅αを変更した後に設定値整定時間率RSが登録され判定部35の判定処理が終了したとき、整定判定幅記憶部2に記憶されている整定判定幅αを、定常状態での不具合検知を行なうための整定判定幅α=αsに戻す。これにより、定常状態においては整定判定幅α=αsを用いて設定値整定時間率RSが算出される。
以上のようなステップS101~S116の処理が、例えばオペレータからの指令によって制御動作が終了するまで(図2ステップS117においてYES)、制御周期dT毎に繰り返し実行される。
図3~図5は、本実施例によって温度制御を実行した場合の制御応答のシミュレーション結果を示す図である。図3の例は、100sec.の時点で設定値SPを100℃から400℃に変更(変更幅ΔSPが300℃)した場合の応答のシミュレーション結果を示し、図4の例は、設定値SPを200℃から400℃に変更(変更幅ΔSPが200℃)した場合の応答のシミュレーション結果を示し、図5の例は、設定値SPを300℃から400℃に変更(変更幅ΔSPが100℃)した場合の応答のシミュレーション結果を示している。
図3~図5のいずれの場合も、同じ制御対象に同じPIDパラメータのPID制御を適用したものであり、理論的にはまったく同じ制御性能(追従性能)として判定される必要がある。なお、制御量PVの設定値SPへの追従状態が比較し易いように、同じ400℃への昇温になるシミュレーションとした。
図6は、図3~図5の100sec.から600sec.の期間を拡大した図である。図6では、図3~図5のシミュレーション結果を区別するため、図3の場合の制御量をPV1、図4の場合の制御量をPV2、図5の場合の制御量をPV3とした。
ここでは、比例定数K=0.1とした。整定判定幅変更部5は、図3の場合、整定判定幅α=αt=30℃と決定し、図4の場合、整定判定幅α=αt=20℃と決定し、図5の場合、整定判定幅α=αt=10℃と決定する。図6では、図3~図5のシミュレーション結果を区別するため、図3の場合の整定判定幅をαt1、図4の場合の整定判定幅をαt2、図5の場合の整定判定幅をαt3とした。なお、定常状態の整定判定幅については、αs=2℃程度でよい。
また、図3~図5のシミュレーションでは、基準経過時間TRを500sec.とした。したがって、制御の過渡状態における経過時間TXは、設定値SPの変更時点である100sec.時点から計測開始され、600sec.時点(制御量PVの設定値収束時点)で基準経過時間TR=500sec.に到達する。
設定値SPと制御量PVとの差の絶対値が整定判定幅α=αt以内にある整定時間TSは、図6の236sec.時点から282sec.時点までの46sec.と、343sec.時点から600sec.時点までの257sec.であり、合計303sec.になる。整定時間TSは、図3~図5の3ケースで同じになる。
整定時間率算出部32は、経過時間TXが基準経過時間TRに到達した600sec.時点で、経過時間TXと整定時間TSから設定値整定時間率RSを算出する。図3~図5のいずれの場合でも、経過時間TX=500sec.に対して整定時間TS=303sec.なので、設定値整定時間率RS=60.6%になる。
以上のシミュレーション結果は、本実施例の効果を最も簡潔に説明する例である。設定値SPの変更幅ΔSPに応じて制御量PVのオーバーシュート量が原理的に変化するが、本実施例によれば、変更幅ΔSPが異なる場合でも設定値整定時間率RSが同じ値になるようにすることができる。したがって、特許文献1に開示された技術のように設定値整定時間率RSに基づいて制御性能を判定する場合、図3~図5のいずれの場合も同じ制御性能(追従性能)として判定されることになる。すなわち、設定値SPの変更幅ΔSPの相違が要因で、誤った不具合検知が起こらないようにすることができる。
なお、本実施例では、フィードバック制御系の状態判定技術として、特許文献1に開示された構成(状態判定部3)を採用したが、これに限るものではなく、本発明は整定判定幅を利用してフィードバック制御系の状態判定の指標を算出する手法全般に適用可能である。すなわち、本発明の適用対象は特許文献1に開示された構成でなくても構わない。
本実施例で説明した制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図7に示す。
コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インタフェース装置(I/F)202とを備えている。I/F202には、例えば温度センサや電力調整器が接続される。このようなコンピュータにおいて、本実施例の制御方法を実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って本実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、制御装置に適用することができる。
1…操作量算出部、2…整定判定幅記憶部、3…状態判定部、4…設定値変更検出部、5…整定判定幅変更部、10…設定値入力部、11…制御量入力部、12…PID演算部、13…操作量出力部、30…経過時間計測部、31…整定時間計測部、32…整定時間率算出部、33…整定時間率記憶部、34…リセット部、35…判定部。

Claims (8)

  1. 設定値と制御量に基づき操作量を算出して制御対象に出力するように構成された操作量算出部と、
    整定判定幅を記憶するように構成された整定判定幅記憶部と、
    前記整定判定幅に基づき制御系の状態を判定するように構成された状態判定部と、
    前記設定値の変更を検出するように構成された設定値変更検出部と、
    前記設定値の変更が検出されたときに前記設定値の変更幅に基づいて、前記整定判定幅記憶部に記憶されている整定判定幅を変更するように構成された整定判定幅変更部とを備えることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置において、
    前記状態判定部は、
    前記操作量算出部による制御動作を実行している状態の経過時間を計測するように構成された経過時間計測部と、
    前記設定値と前記制御量との差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測するように構成された整定時間計測部と、
    前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出するように構成された整定時間率算出部と、
    前記設定値整定時間率を記憶するように構成された整定時間率記憶部と、
    外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶部への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットするように構成されたリセット部とを備えることを特徴とする制御装置。
  3. 請求項2記載の制御装置において、
    前記整定時間率記憶部に記憶された設定値整定時間率と予め規定された閾値とを比較することにより、制御系の状態を判定するように構成された判定部をさらに備えることを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記整定判定幅変更部は、前記設定値の変更幅に予め規定された比例定数を乗算することにより、変更後の前記整定判定幅を決定することを特徴とする制御装置。
  5. 設定値と制御量に基づき操作量を算出して制御対象に出力する第1のステップと、
    前記設定値の変更を検出する第2のステップと、
    前記設定値の変更を検出したときに前記設定値の変更幅に基づいて、整定判定幅記憶部に記憶されている整定判定幅を変更する第3のステップと、
    前記整定判定幅に基づき制御系の状態を判定する第4のステップとを含むことを特徴とする制御方法。
  6. 請求項5記載の制御方法において、
    前記第4のステップは、
    前記第1のステップによる制御動作を実行している状態の経過時間を計測する第5のステップと、
    前記設定値と前記制御量との差が前記整定判定幅以内にある整定時間を計測する第6のステップと、
    前記経過時間が予め規定された基準経過時間に到達したときに前記経過時間と前記整定時間から設定値整定時間率を算出して整定時間率記憶部へ登録する第7のステップと、
    外部からリセット信号を受け取ったとき、あるいは前記整定時間率記憶部への設定値整定時間率の登録後に、計測中の前記経過時間と前記整定時間をゼロにリセットする第8のステップとを含むことを特徴とする制御方法。
  7. 請求項6記載の制御方法において、
    前記整定時間率記憶部に記憶された設定値整定時間率と予め規定された閾値とを比較することにより、制御系の状態を判定する第9のステップをさらに含むことを特徴とする制御方法。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の制御方法において、
    前記第3のステップは、前記設定値の変更幅に予め規定された比例定数を乗算することにより、変更後の前記整定判定幅を決定するステップを含むことを特徴とする制御方法。
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