JP6059046B2 - 不具合検知システムおよび不具合検知方法 - Google Patents

不具合検知システムおよび不具合検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロセス量を入力データとして、センサやアクチュエータの不具合を検知したり不具合を予知したりすることができる不具合検知システムおよび不具合検知方法に関するものである。
半導体製造装置では、EES(Equipment Engineering System)が実用段階へと移行してきている。EESは、半導体製造装置が正常に機能しているかどうかをデータでチェックし、装置の信頼性や生産性を向上させるシステムである。EESの主な目的は、装置自体を対象とする不具合検知(FD:Fault Detection)、不具合予知(FP:Fault Prediction)である(非特許文献1参照)。
FD/FPには、装置コントロールレベル、モジュールレベル、サブシステムレベル、I/Oデバイスレベルという階層化の捉え方がある。装置コントロールレベルのFD/FPは、ホストまたはオペレータから指示された処理条件の基で装置機能が装置スペックの許容範囲内で動作しているかを監視/検知するFD/FPである。モジュールレベルのFD/FPは、デバイスもしくはサブシステムから構成されるモジュールが、指示値どおりに処理を行うことができるかを監視/検知するFD/FPである。サブシステムレベルのFD/FPは、フィードバック制御を行うような複数のデバイスからなる複合システムが、いくつかのパラメータ設定の基で安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。I/OデバイスレベルのFD/FPは、装置を構成するセンサやアクチュエータが設計値どおりに安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。このように、I/Oデバイスレベルの主体は、センサやアクチュエータである。
アクチュエータのFD/FPに関しては、(0,1)のビット列のデータ(アクチュエータデータ)で済むシーケンス制御的な動作については、特に実用段階にあると言える。
一方で、センサのFD/FPに関しては、温度、圧力、流量などのプロセス量が対象データになる。これらのデータについては、msec.レベルで全てのデータを保存するのが合理的とは言えない。そこで、センサのデータを装置が管理する処理単位毎に、あるいは一定の期間毎に代表値化して、代表値化した値をチェックするEES対応の基板処理装置(特許文献1参照)などが提案されている。代表値とは、最大値、最小値、平均値などである。これらの代表値によりFD/FPが実現できれば、全てのデータを監視する場合と比較して通信量、必要メモリ量などを大幅に削減できるので効率的である。
代表値を利用したFD/FPとしては、劣化によるヒータ断線のFPや、過電流によるヒータ断線のFDなどが知られている。ヒータが劣化する場合、ヒータの抵抗値(非プロセス量)の平均値が徐々に上昇していくので、ヒータの抵抗値の平均値を代表値としてチェックすれば、劣化によるヒータの断線を予知することができる。また、過電流によってヒータが断線した場合、ヒータの抵抗値の最大値が突発的に上昇するので、ヒータの抵抗値の最大値を代表値としてチェックすれば、過電流によるヒータの断線を検知することができる。
特開2010−219460号公報
「装置レベルでの装置機能の性能確認に関する解説書」,社団法人電子情報技術産業協会,2005年3月23日
以上のように非プロセス量であれば、FD/FPの実用化は可能である。しかしながら、プロセス量に関しては、単純な代表値のみで非プロセス量の場合のようなFD/FPを実現できるものが少なく、FD/FP機能を十分に実現できていないという問題点があった。EESの装置内分散配置は、EESの全体効率を高めるために有効な実装方法であるので、センサデバイスレベルでFD/FP機能をさらに強化することが求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、デバイスレベル(特にセンサデバイスレベル)でのプロセス量を対象とするFD/FP機能を強化することができる不具合検知システムおよび不具合検知方法を提供することを目的とする。換言するならば、本発明は、センサデバイスレベルで内蔵も外付けも可能な簡易型のFD/FP関連機能を提供する。
本発明の不具合検知システムは、プロセス量を対象となる状態量として、この状態量の時系列データを取得するデータ取得手段と、状態量変化率の最高値と状態量変化率が最高値に到達するときの状態量とを組合せて代表値として記憶する代表値記憶手段と、前記データ取得手段が取得した状態量のデータを基に状態量変化率を算出する変化率算出手段と、前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値の絶対値よりも前記変化率算出手段で算出された最新の状態量変化率の絶対値が大きいときに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を、前記変化率算出手段が算出した最新の状態量変化率と前記データ取得手段が取得した最新の状態量との組に更新する代表値更新手段と、外部からリセット信号を受け取ったときに、前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値を最小値にリセットするリセット手段と、予め規定された量の最新の状態量のデータを一時的に記憶するデータ保存手段と、前記代表値更新手段により代表値が更新されたときの状態量のデータを、前記代表値に関連する過渡状態データとして記憶する過渡状態記憶手段と、前記代表値更新手段により代表値が更新されたときに、前記過渡状態記憶手段に記憶されている過渡状態データを、前記データ保存手段に記憶されている状態量のデータに更新する過渡状態更新手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、前記データ取得手段が対象とするプロセス量に関連する少なくとも1つのプロセス量のデータを関連データとして取得する関連データ取得手段と、前記代表値更新手段により代表値が更新されたときの関連データを記憶する関連値記憶手段と、前記代表値更新手段により代表値が更新されたときに、前記関連値記憶手段に記憶されている関連データを、前記関連データ取得手段が取得した関連データに更新する関連値更新手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を表示する代表値表示手段と、外部からの操作に応じて前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット操作手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、予め規定された一定間隔で、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を取得する代表値取得手段と、前記代表値取得手段が代表値を取得した後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、前記代表値取得手段が取得した代表値を取得順に記憶する代表値履歴記憶手段と、前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量と前記代表値取得手段が代表値として取得した最新の状態量との差の絶対値を、前記代表値取得手段が代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第1閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第1アラームを出力する第1判定手段と、前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量変化率の最高値と前記代表値取得手段が代表値として取得した最新の状態量変化率の最高値との差の絶対値を、前記代表値取得手段が代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第2閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第2アラームを出力する第2判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例において、前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、加熱装置内の温度センサの計測値であり、前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記加熱装置のヒータである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例において、前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、真空装置内の圧力センサの計測値であり、前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記真空装置の真空ポンプである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例において、前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、流体搬送装置の流量センサの計測値であり、前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記流体搬送装置のコントロールバルブと流体搬送圧力発生機器である。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例において、前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、空調システムの給気温度センサの計測値であり、前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記空調システムの冷温水流量制御バルブと送水ポンプである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例において、前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、反応炉の温度センサの計測値であり、前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記反応炉のヒータである。
また、本発明の不具合検知方法は、プロセス量を対象となる状態量として、この状態量の時系列データを取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップで取得した状態量のデータを基に状態量変化率を算出する変化率算出ステップと、状態量変化率の最高値と状態量変化率が最高値に到達するときの状態量とを組合せて代表値として記憶している代表値記憶手段を参照し、前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値の絶対値よりも前記変化率算出ステップで算出した最新の状態量変化率の絶対値が大きいときに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を、前記変化率算出ステップで算出した最新の状態量変化率と前記データ取得ステップで取得した最新の状態量との組に更新する代表値更新ステップと、外部からリセット信号を受け取ったときに、前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値を最小値にリセットするリセットステップと、予め規定された量の最新の状態量のデータをデータ保存手段に一時的に記憶させるデータ保存ステップと、前記代表値更新ステップにより代表値が更新されたときに、前記代表値に関連する過渡状態データとして過渡状態記憶手段に記憶されている状態量のデータを、前記データ保存手段に記憶されている状態量のデータに更新する過渡状態更新ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知方法の1構成例は、さらに、前記データ取得ステップで対象とするプロセス量に関連する少なくとも1つのプロセス量のデータを関連データとして取得する関連データ取得ステップと、前記代表値更新ステップにより代表値が更新されたときに、関連値記憶手段に記憶されている関連データを、前記関連データ取得ステップで取得した関連データに更新する関連値更新ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知方法の1構成例は、さらに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を表示する代表値表示ステップと、外部からの操作に応じて前記リセット信号を送信するリセット操作ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知方法の1構成例は、さらに、予め規定された一定間隔で、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を取得する代表値取得ステップと、前記代表値取得ステップで代表値を取得した後に前記リセット信号を送信するリセット信号送信ステップと、前記代表値取得ステップで取得した代表値を取得順に記憶している代表値履歴記憶手段を参照し、前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量と前記代表値取得ステップで代表値として取得した最新の状態量との差の絶対値を、前記代表値取得ステップで代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第1閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第1アラームを出力する第1判定ステップと、前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量変化率の最高値と前記代表値取得ステップで代表値として取得した最新の状態量変化率の最高値との差の絶対値を、前記代表値取得ステップで代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第2閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第2アラームを出力する第2判定ステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、データ取得手段と代表値記憶手段と変化率算出手段と代表値更新手段とを設けることにより、状態量変化率の最高値と状態量変化率が最高値に到達するときの状態量とを組合せて代表値として記憶することができ、デバイスレベル(特にセンサデバイスレベル)でのプロセス量を対象とするFD/FP機能を強化することができる。本発明では、データ取得手段と代表値記憶手段と変化率算出手段と代表値更新手段とをセンサデバイスに内蔵させることが可能であり、センサデバイスの外部に設けることも可能である。
また、本発明では、データ保存手段と過渡状態記憶手段と過渡状態更新手段とを設けることにより、代表値が更新されたときの状態量のデータを、代表値に関連する過渡状態データとして取得することができ、オペレータがセンサやアクチュエータの不具合の原因を分析するのに過渡状態データを役立てることができる。
また、本発明では、関連データ取得手段と関連値記憶手段と関連値更新手段とを設けることにより、代表値が更新されたときに、対象とするプロセス量に関連する少なくとも1つのプロセス量のデータを関連データとして取得することができ、オペレータがセンサやアクチュエータの不具合の原因を分析するのに関連データを役立てることができる。
また、本発明では、代表値表示手段を設けることにより、オペレータが代表値を読み取ることができ、センサやアクチュエータに不具合があるかどうか、センサやアクチュエータに不具合が発生する可能性があるかどうかを、オペレータが判断することができる。
また、本発明では、代表値取得手段とリセット信号送信手段と代表値履歴記憶手段と第1判定手段と第2判定手段とを設けることにより、FD/FP機能を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るデバイスの外観を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る加熱装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態に係る真空装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施の形態に係る流体搬送装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施の形態に係る空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施の形態に係る化学プラント反応炉の構成を示すブロック図である。
[発明の原理1]
発明者は、下記のような性質に着眼した。
(A)ヒータ能力、真空ポンプ能力などが劣化する場合、状態量変化率(温度、圧力などの変化速度)の最高到達レベルに劣化傾向が現れる。
(B)センサ(計測機器)の計測特性がシフトする場合、状態量変化率の最高到達点(温度上昇、圧力低下などが最高到達レベルになる温度、圧力など)にシフト傾向が現れる。
上記の(A)、(B)について、温度を例として説明する。温度上昇の場合、同じ昇温工程が特定期間内に必ず一度は実行されるのであれば、例えば「昇温時に200℃を通過する際に温度変化率が0.50℃/sec.に近づくことが観測される」というように、状態量変化率が最高値に到達するときの状態量(最高能力点)と状態量変化率の最高値(最高能力量)とは、装置性能(リピータビリティ)の代表状態(診断可能情報)として扱えるということを意味する。
また、状態量変化率が最高値に到達するときの状態量と状態量変化率の最高値とは、予め詳細な設定をする必要がなく、ユーザにとって扱いやすい。すなわち、単純に下記のような判断処理に繋げることができる。
(C)200℃を通過する際に最高昇温速度が0.45℃/sec.であれば、最高能力量0.50℃/sec.よりも低下していることになるので、ヒータが劣化している疑いがある。
(D)最高昇温速度0.50℃/sec.に到達したときの温度が203℃であれば、最高能力点200℃とずれていることになるので、温度センサのシフトの疑いがある。
このように、状態量変化率が最高値に到達するときの状態量(最高能力点)と状態量変化率の最高値(最高能力量)とを組合せて代表値として記憶しておくことは有効であり、かつ代表値の記憶機能はセンサデバイスレベルに内蔵可能である。そして、発明者は、予め規定された期間毎にこの代表値を取得する機能と組合せることにより、FD/FP機能を実現できることに想到した。
[発明の原理2]
デバイスレベルにFD/FP機能を分散配置するためには、上記のように有効な代表値化に限定していくことが得策であるが、代表値を利用する目的は通信量、必要メモリ量などを削減することであるので、常に代表値のみである必要はない。そこで、発明者は、高度なFD/FP機能と連携できるようにするために、状態量変化率の最高値が計測された時点において、前後の過渡状態データを保存するのが有効であることに想到した。
[発明の原理3]
発明の原理2と同様に、常に代表値のみである必要はないことに着眼する。具体的には、発明者は、高度なFD/FP機能と連携できるようにするために、状態量変化率の最高値が計測された時点において、関連する別のセンサ計測値を同時保存するのが有効であることに想到した。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2、発明の原理3に対応するものである。本実施の形態の不具合検知システムは、プロセス量を対象となる状態量として、この状態量の時系列データを取得するデータ取得部1と、状態量変化率の最高値と状態量変化率が最高値に到達するときの状態量とを組合せて代表値として記憶する代表値記憶部2と、データ取得部1が取得した状態量のデータを基に状態量変化率を算出する変化率算出部3と、代表値記憶部2に記憶されている状態量変化率の最高値の絶対値よりも変化率算出部3で算出された最新の状態量変化率の絶対値が大きいときに、代表値記憶部2に記憶されている代表値を、変化率算出部3が算出した最新の状態量変化率とデータ取得部1が取得した最新の状態量との組に更新する代表値更新部4と、外部からリセット信号を受け取ったときに、代表値記憶部2に記憶されている状態量変化率の最高値を最小値(例えば0.0)にリセットするリセット部5と、予め規定された量の最新の状態量のデータを一時的に記憶するデータ保存部6と、代表値更新部4により代表値が更新されたときの状態量のデータを、代表値に関連する過渡状態データとして記憶する過渡状態記憶部7と、代表値更新部4により代表値が更新されたときに、過渡状態記憶部7に記憶されている過渡状態データを、データ保存部6に記憶されている状態量のデータに更新する過渡状態更新部8と、データ取得部1が対象とするプロセス量に関連する少なくとも1つのプロセス量のデータを関連データとして取得する関連データ取得部9と、代表値更新部4により代表値が更新されたときの関連データを記憶する関連値記憶部10と、代表値更新部4により代表値が更新されたときに、関連値記憶部10に記憶されている関連データを、関連データ取得部9が取得した関連データに更新する関連値更新部11とを備えている。
データ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とは上記発明の原理1に対応する構成であり、データ保存部6と過渡状態記憶部7と過渡状態更新部8とは上記発明の原理2に対応する構成であり、関連データ取得部9と関連値記憶部10と関連値更新部11とは上記発明の原理3に対応する構成である。
以下、本実施の形態の不具合検知システムの動作を図2を参照して説明する。まず、初期状態において外部からリセット信号を受け取ったことにより、リセット部5は、代表値記憶部2に記憶されている状態量変化率の最高値Dxを最小値(例えば0.0)にリセットする(図2ステップS100)。
データ取得部1は、観測対象となる図示しないセンサから状態量(プロセス量)のデータを取得する(図2ステップS101)。
データ保存部6は、データ取得部1から状態量のデータを受け取り、予め規定された量(例えば20サンプリング分)の最新の状態量のデータを一時的に記憶する(図2ステップS102)。ステップS101の処理が1回実施されると、最新の状態量のデータが1サンプリング分得られたことになるので、データ取得部1が1サンプリング分のデータを取得する度に、データ保存部6の記憶内容が更新されることになる。なお、データ保存部6が記憶するデータの量は、サンプリング数、あるいはデータ保存部6に記憶される最古のデータから最新のデータまでの計測時間で規定される。
ステップS101,S102の処理と並行して、関連データ取得部9は、データ取得部1が対象とする状態量(プロセス量)に関連する少なくとも1つのプロセス量のデータを取得する(図2ステップS103)。
次に、変化率算出部3は、データ取得部1から受け取った状態量のデータを基に、次式のように状態量変化率Drを算出する(図2ステップS104)。
Dr=D1−D2 ・・・(1)
式(1)において、D1は最新の状態量のデータ、D2は1サンプリング前の状態量のデータである。
なお、状態量が例えば温度である場合、式(1)による状態量変化率Drの単位は[℃/サンプリング]である。この単位を[℃/sec.]にしたい場合には、状態量変化率Drを例えば式(2)のように算出すればよい。
Dr=(D1−D2)/T1 ・・・(2)
式(2)におけるT1は状態量のサンプリング周期[sec.]である。
次に、代表値更新部4は、代表値記憶部2に記憶されている状態量変化率の最高値Dxの絶対値よりも変化率算出部3で算出された最新の状態量変化率Drの絶対値が大きいかどうかを判定する(図2ステップS105)。上昇する状態量を観測対象とする場合、状態量変化率の最高値Dxの絶対値よりも状態量変化率Drの絶対値が大きいかどうかを判定すること、すなわち|Dr|>|Dx|が成立するかどうかを判定することは、Dr>Dxが成立するかどうかを判定することである。一方、下降する状態量を観測対象とする場合、|Dr|>|Dx|が成立するかどうかを判定することは、Dr<Dxが成立するかどうかを判定することである。
代表値更新部4は、|Dr|>|Dx|が成立する場合(ステップS105においてYES)、代表値記憶部2に記憶されている代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を、変化率算出部3で算出された最新の状態量変化率Drと最新の状態量D1との組に更新する(図2ステップS106)。このような更新が行われた場合、Dx=Dr、D=D1というように代表値が更新されることになる。
過渡状態更新部8は、代表値が更新された場合、過渡状態記憶部7に記憶されている過渡状態データを、データ保存部6に記憶されている一連の状態量のデータに更新する(図2ステップS107)。
関連値更新部11は、代表値が更新された場合、関連値記憶部10に記憶されているプロセス量のデータを、関連データ取得部9が取得した最新のプロセス量のデータに更新する(図2ステップS108)。
以上のようなステップS101〜S108の処理が、例えばオペレータからの指令によって不具合検知システムの動作が終了するまで(図2ステップS109においてYES)、サンプリング周期T1毎に繰り返し実行される。
以上により、本実施の形態では、状態量変化率の最高値Dx(最高能力量)と状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量D(最高能力点)とを、装置性能(リピータビリティ)の代表状態(診断可能情報)として扱うFD/FP機能を、デバイスレベルに分散配置することができる。すなわち、全てのデータを保存することなく、温度制御系であればヒータの劣化や温度センサのシフトを検出可能になる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、第1の実施の形態を利用してFD/FP機能を実現する例を示すものである。本実施の形態では、上記発明の原理1の意義を明確にするために、発明の原理1に対応する構成について説明する。
本実施の形態の不具合検知システムは、データ取得部1と、代表値記憶部2と、変化率算出部3と、代表値更新部4と、リセット部5と、予め規定された一定間隔で、代表値記憶部2に記憶されている代表値を取得する代表値取得部12と、代表値取得部12が代表値を取得した後にリセット部5にリセット信号を送信するリセット信号送信部13と、代表値取得部12が取得した代表値を取得順に記憶する代表値履歴記憶部14と、代表値履歴記憶部14に代表値として記憶されている状態量と代表値取得部12が代表値として取得した最新の状態量との差の絶対値を、代表値取得部12が代表値を取得する度に代表値履歴記憶部14に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された閾値Dtを超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定してアラームAを出力する第1判定部15と、代表値履歴記憶部14に代表値として記憶されている状態量変化率の最高値と代表値取得部12が代表値として取得した最新の状態量変化率の最高値との差の絶対値を、代表値取得部12が代表値を取得する度に代表値履歴記憶部14に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された閾値Dxtを超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定してアラームBを出力する第2判定部16とを備えている。
データ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とは、センサデバイスに実装され、代表値取得部12とリセット信号送信部13と代表値履歴記憶部14と第1判定部15と第2判定部16とは、PLC(Programmable Logic Controller)などのコントローラからなるサブシステムに実装される。
以下、本実施の形態の不具合検知システムの動作を図4を参照して説明する。データ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5の動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
代表値取得部12は、予め規定された一定間隔T2(T1<T2で、T2は例えば1週間)で、センサデバイス側の代表値記憶部2に記憶されている代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を取得する(図4ステップS200)。
代表値履歴記憶部14は、代表値取得部12が取得した代表値を記憶する(図4ステップS201)。
リセット信号送信部13は、代表値取得部12が代表値を取得した後に、センサデバイス側のリセット部5に対してリセット信号を送信する(図4ステップS202)。これにより、リセット部5が代表値記憶部2に記憶されている状態量変化率の最高値Dxを最小値(例えば0.0)にリセットするので(図2ステップS100)、代表値記憶部2が初期状態に戻り、センサデバイス側で図2のステップS101〜S108の処理がサンプリング周期T1毎に繰り返し実行される。すなわち、一定間隔T2の間にステップS101〜S108の処理が複数回実行され、この複数回の実行によって得られた代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を代表値取得部12が取得するので、ステップS200〜S202の処理が一定間隔T2毎に実行されると、代表値の履歴データが代表値履歴記憶部14に蓄積されることになる。なお、予め規定された量(サンプリング数あるいは計測時間)のデータで代表値履歴記憶部14が満たされた後は、代表値履歴記憶部14に記録されている最古の代表値を削除して、新たな代表値を代表値履歴記憶部14に記録するようにしてもよい。
次に、第1判定部15は、代表値履歴記憶部14に代表値として記憶されている任意の状態量D_old_i(i=1〜n)と代表値取得部12が代表値として取得した最新の状態量D_newとの差の絶対値D_dを、代表値取得部12が代表値を取得する度に算出し、絶対値D_dが予め規定された閾値Dtを超えるかどうかを判定する(図4ステップS203)。
D_d=|D_new−D_old_i| ・・・(3)
第1判定部15は、このようなステップS203の判定処理を代表値履歴記憶部14に記憶されている各状態量D_old_iについて行い、少なくとも1つの状態量D_old_iから計算した絶対値D_dが閾値Dtを超えたときに(D_d>Dt)、アラームAを出力する(図4ステップS204)。
一方、第2判定部16は、代表値履歴記憶部14に代表値として記憶されている任意の状態量変化率の最高値Dx_old_i(i=1〜n)と代表値取得部12が代表値として取得した最新の状態量変化率の最高値Dx_newとの差の絶対値Dx_dを、代表値取得部12が代表値を取得する度に算出し、絶対値Dx_dが予め規定された閾値Dxtを超えるかどうかを判定する(図4ステップS205)。
Dx_d=|Dx_new−Dx_old_i| ・・・(4)
第2判定部16は、このようなステップS205の判定処理を代表値履歴記憶部14に記憶されている各状態量変化率の最高値Dx_old_iについて行い、少なくとも1つの最高値Dx_old_iから計算した絶対値Dx_dが閾値Dxtを超えたときに(Dx_d>Dxt)、アラームBを出力する(図4ステップS206)。
例えばオペレータからの指令によって不具合検知システムの動作が終了するまで(図4ステップS207においてYES)、ステップS200〜S206の処理が一定間隔T2毎に繰り返し実行される。
以上により、例えば温度制御系であれば、アラームAを、温度センサのシフトに対するアラームとして利用することができる。また、温度制御系であれば、アラームBを、ヒータの劣化に対するアラームとして利用することができる。
なお、センサデバイス側かサブシステム側が、データ保存部6と過渡状態記憶部7と過渡状態更新部8と関連データ取得部9と関連値記憶部10と関連値更新部11とを備えている場合は、代表値取得時あるいはアラーム出力時に、これらの構成によって記憶されているデータも取得することができ、オペレータがアラームの原因を分析するのに役立てることができる。すなわち、全てのデータを保存することなく、例えばヒータの劣化や温度センサのシフトを分析するために有効なデータを確保することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図5は本発明の第3の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、第1の実施の形態を利用してFD/FP機能を実現するデバイスの例を示すものである。本実施の形態では、上記発明の原理1の意義を明確にするために、発明の原理1に対応する構成について説明する。
本実施の形態の不具合検知システムは、データ取得部1と、代表値記憶部2と、変化率算出部3と、代表値更新部4と、リセット部5と、代表値記憶部2に記憶されている代表値を表示する代表値表示部17と、外部からの操作に応じてリセット部5にリセット信号を送信するマニュアルスイッチなどのリセット操作部18とを備えている。図5の構成はセンサデバイスに実装される。温度センサ20に図5の構成を実装した場合の外観を図6に示す。
オペレータは、規定された作業標準に従い、定期的(例えば1週間経過毎)にリセット操作部18を操作してリセットを行う。これにより、リセット操作部18がリセット部5に対してリセット信号を送信し、リセット部5が代表値記憶部2に記憶されている状態量変化率の最高値Dxを最小値(例えば0.0)にリセットするので、代表値記憶部2が初期状態に戻る。
データ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4の動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
代表値表示部17は、代表値記憶部2に記憶されている代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を表示する。これにより、オペレータは代表値を読み取ることができる。代表値の履歴をオペレータが記録していれば、第2の実施の形態と同様の判断を、オペレータ自身が行なうことができる。
同じ条件で利用されるデバイスが複数あるならば、複数のデバイス間における代表値の差異を利用して、オペレータ自身が顕著に異なるものを不具合候補として抽出できる。例えば、10個のデバイスの中で、9個がほぼ同じ代表値を示す中で、1個のデバイスだけが顕著に劣る状態量変化率の最高値Dxを示している場合は、この1個のデバイスを不具合候補として抽出することができる。
以上のように、本実施の形態では、代表値表示部17とリセット操作部18をデバイス自体が備えることで、例えばセンサデバイスでも簡易に実装可能な範囲で、FD/FP機能を実現することができる。
なお、背景技術ではEESの装置内分散配置を課題として取り上げているが、第1〜第3の実施の形態は、EESに限らず、建物の空調制御や化学プラントなどで利用されるデバイスレベルも対象範囲に入る。また、第1〜第3の実施の形態を適宜組合せてもよいことは言うまでもない。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、加熱装置の温度制御系に第1、第2の実施の形態の不具合検知システムを適用した場合の例を示すものである。図7は加熱装置の構成を示すブロック図である。加熱装置は、処理対象の被加熱物を加熱する加熱チャンバー30と、加熱用のアクチュエータである電気ヒータ31と、加熱チャンバー30内の温度を計測する温度センサ32と、加熱チャンバー30内の温度を制御する温調計33と、電力調整器34と、電力調整回路35と、加熱装置全体を制御するPLC36とから構成される。
温調計33は、温度センサ32が計測した温度PVが温度設定値と一致するように操作量MVを算出する。電力調整器34は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路35を通じて電気ヒータ31に供給する。こうして、温調計33は、加熱チャンバー30内の被加熱物の温度を制御する。
図1のデータ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とは、センサデバイスである温度センサ32に実装され、図3の代表値取得部12とリセット信号送信部13と代表値履歴記憶部14と第1判定部15と第2判定部16とは、PLC36に実装される。なお、データ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とを、温調計33に実装してもよい。
加熱装置を利用した生産プロセスでは、対象製品により様々な温度変更があり、昇温工程も様々であるが、昇温パターンは有限であり、1週間中には必ず全ての昇温パターンが実行されるものとする。その中で、例えば通常は50℃から400℃への昇温パターンにおいて、最高の温度上昇率(状態量変化率の最高値Dx)が観測されるものとする(例えば200℃を通過する際に0.50℃/sec.)。なお、本実施の形態では、状態量変化率の最高値Dxが自然に向上することはないという前提とする。
データ取得部1は、温度センサ32が計測した状態量(温度PV)のデータを取得する。代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5の動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
[不具合検知例1]
ここでは、代表値取得部12が間隔T2(1週間)で定期的に代表値記憶部2から代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を取得するものとし、第1週がD=200.0℃、Dx=0.50℃/sec.、第2週がD=199.9℃、Dx=0.51℃/sec.、第3週がD=200.1℃、Dx=0.49℃/sec.、第17週がD=200.8℃、Dx=0.50℃/sec.、第18週がD=200.9℃、Dx=0.51℃/sec.、第27週がD=202.5℃、Dx=0.51℃/sec.、第28週がD=202.8℃、Dx=0.50℃/sec.、第29週がD=203.0℃、Dx=0.49℃/sec.、第30週がD=203.1℃、Dx=0.50℃/sec.という代表値の履歴データが、代表値履歴記憶部14に蓄積されるものとする。
第1判定部15は、代表値取得部12が取得した最新の状態量Dと代表値履歴記憶部14に記憶されている各状態量Dとの差の絶対値D_dを1週間毎に(代表値取得部12が代表値を取得する度に)算出すると、第29週において、最新の状態量D=203.0℃と第2週の状態量D=199.9℃との差の絶対値D_dが3.1℃となり、予め規定された閾値Dt=3.0℃を超えるので、アラームAを出力する。また、第1判定部15は、第30週において、最新の状態量D=203.1℃と第2週の状態量D=199.9℃との差の絶対値D_dが3.2℃となり、予め規定された閾値Dt=3.0℃を超えるので、アラームAを出力する。
オペレータは、アラームAが出力されたことにより、温度センサ32のシフトの可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
なお、温度センサ32か温調計33かPLC36のいずれかが、データ保存部6と過渡状態記憶部7と過渡状態更新部8と関連データ取得部9と関連値記憶部10と関連値更新部11とを備えている場合は、温度PVが203.0℃を通過する前後の温度PVの時系列データや加熱装置内の別部分の温度なども取得することができる。そして、これらの付加的情報も利用して、オペレータがアラームの原因を分析することができる。
例えば、オペレータは、温度PVが203.0℃を通過する前後の温度PVの時系列データを用いて、温度PVが200.0℃を通過する付近の温度上昇率を算出し、顕著な差があるか否かを確認することができる。また、オペレータは、温度PVが203.0℃を通過する際における加熱装置内の別部分の温度を確認することで、加熱装置内の環境が全体的にシフトしているのか、温度センサ32のみがシフトしているのかを確認することができる。
[不具合検知例2]
ここでは、代表値取得部12が間隔T2(1週間)で定期的に代表値記憶部2から代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を取得するものとし、第1週がD=200.0℃、Dx=0.49℃/sec.、第2週がD=199.9℃、Dx=0.50℃/sec.、第3週がD=200.1℃、Dx=0.49℃/sec.、第17週がD=200.0℃、Dx=0.49℃/sec.、第18週がD=200.1℃、Dx=0.48℃/sec.、第27週がD=200.2℃、Dx=0.47℃/sec.、第28週がD=200.0℃、Dx=0.46℃/sec.、第29週がD=199.9℃、Dx=0.45℃/sec.、第30週がD=200.1℃、Dx=0.45℃/sec.という代表値の履歴データが、代表値履歴記憶部14に蓄積されるものとする。
第2判定部16は、代表値取得部12が取得した最新の状態量変化率の最高値Dxと代表値履歴記憶部14に記憶されている各状態量変化率の最高値Dxとの差の絶対値Dx_dを1週間毎に(代表値取得部12が代表値を取得する度に)算出すると、第29週において、最新の状態量変化率の最高値Dx=0.45℃/sec.と第2週の状態量変化率の最高値Dx=0.50℃/sec.との差の絶対値Dx_dが0.05℃/sec.となり、予め規定された閾値Dxt=0.04℃/sec.を超えるので、アラームBを出力する。また、第2判定部16は、第30週において、最新の状態量変化率の最高値Dx=0.45℃/sec.と第2週の状態量変化率の最高値Dx=0.50℃/sec.との差の絶対値Dx_dが0.05℃/sec.となり、予め規定された閾値Dxt=0.04℃/sec.を超えるので、アラームBを出力する。
オペレータは、アラームBが出力されたことにより、電気ヒータ31の劣化の可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
なお、温度センサ32か温調計33かPLC36のいずれかが、データ保存部6と過渡状態記憶部7と過渡状態更新部8と関連データ取得部9と関連値記憶部10と関連値更新部11とを備えている場合は、温度PVが199.9℃を通過する前後の温度PVの時系列データやヒータ出力値(操作量MV)なども取得することができる。そして、これらの付加的情報も利用して、オペレータがアラームの原因を分析することができる。
例えば、オペレータは、温度PVが199.9℃を通過する際におけるヒータ出力値(操作量MV)を確認することで、オペレータが認識しているヒータ標準出力とは異なる出力であったか否かを確認することができる。
なお、代表値自体の誤差やバラツキを考慮して、代表値履歴記憶部14に取得順に記憶される代表値の履歴データに対して、平滑化処理を適宜加えてもよい。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、真空装置の圧力制御系に第1、第2の実施の形態の不具合検知システムを適用した場合の例を示すものである。図8は真空装置の構成を示すブロック図である。真空装置は、真空チャンバー40と、降圧用のアクチュエータである真空ポンプ41と、真空チャンバー40内の圧力を計測する圧力センサ42(真空計)と、真空装置を制御するPLC43とから構成される。
PLC43は、圧力センサ42が計測した圧力PVが圧力設定値と一致するように操作量MVを算出する。真空ポンプ41は、操作量MVに応じて真空チャンバー40の真空引き(降圧)を行う。こうして、PLC43は、真空チャンバー40内の圧力を制御する。
図1のデータ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とは、センサデバイスである圧力センサ42に実装され、図3の代表値取得部12とリセット信号送信部13と代表値履歴記憶部14と第1判定部15と第2判定部16とは、PLC43に実装される。
真空チャンバー40を利用した生産プロセスでは、常に同一の真空引き(降圧)があり、その降圧パターンは、1日に数回実行されるものとする。
データ取得部1は、圧力センサ42が計測した状態量(圧力PV)のデータを取得する。代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5の動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
代表値取得部12は、間隔T2(例えば1日)で定期的に代表値記憶部2から代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を取得するようにすればよい。また、第1判定部15と第2判定部16が用いる閾値Dt,Dxtについては予め適宜規定しておけばよい。
本実施の形態では、オペレータは、第1判定部15からアラームAが出力されると、圧力センサ42のシフトの可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
また、オペレータは、第2判定部16からアラームBが出力されると、真空ポンプ41の性能劣化や真空チャンバー40の空気漏れなどの不具合の可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、流体搬送装置(冷水供給装置、チラー)の流量制御系に第1、第2の実施の形態の不具合検知システムを適用した場合の例を示すものである。図9は流体搬送装置の構成を示すブロック図である。流体搬送装置は、冷媒を冷却する冷却器50と、冷媒が循環する配管51と、熱交換器52と、冷水が循環する配管53と、バルブ54と、タンク55と、タンク55に水を送る配管56と、タンク55に水を送り込むアクチュエータである送水ポンプ57(水を搬送するための圧力を発生させる搬送圧力発生機器)と、タンク55から送り出される水が流れる配管58と、タンク55から送り出される水の流量を調節するアクチュエータであるコントロールバルブ59と、タンク55から送り出される水の流量を計測する流量センサ60と、流体搬送装置を制御するPLC61とから送り出される構成される。
冷却器50は、配管51を循環する冷媒を冷却する。熱交換器52において冷媒と配管53を流れる水との熱交換が行われ、冷却された水が配管53を通ってタンク55に送り込まれる。配管53からの冷水と冷水ポンプ57によって送り出された水との熱交換がタンク55において行われ、冷却された水がタンク55から配管58に送り出される。PLC61は、流量センサ60が計測した流量PVが流量設定値と一致するように操作量MVを算出する。この操作量MVに応じてコントロールバルブ59の開度が決定される。こうして、PLC61は、水の流量を制御する。
図1のデータ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とは、センサデバイスである流量センサ60に実装され、図3の代表値取得部12とリセット信号送信部13と代表値履歴記憶部14と第1判定部15と第2判定部16とは、PLC61に実装される。
流体搬送装置を利用した生産プロセスでは、毎週月曜の朝に配管56,58を流れる流体が流量ゼロの状態から最大流量に変化させる工程(増流量)があり、ゆえにその増流量パターンは、毎週1回実行されるものとする。
データ取得部1は、流量センサ60が計測した状態量(流量PV)のデータを取得する。代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5の動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
代表値取得部12は、間隔T2(例えば1週間)で定期的に代表値記憶部2から代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を取得するようにすればよい。また、第1判定部15と第2判定部16が用いる閾値Dt,Dxtについては予め適宜規定しておけばよい。
本実施の形態では、オペレータは、第1判定部15からアラームAが出力されると、流量センサ60のシフトの可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
また、オペレータは、第2判定部16からアラームBが出力されると、送水ポンプ57の性能劣化やコントロールバルブ59の稼動部などの不具合の可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
なお、本実施の形態では、水を搬送する流体搬送装置について説明しているが、これに限るものではなく、配管56,58を流れる流体は気体でもよい。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、空調システムの給気温度制御系に第1、第2の実施の形態の不具合検知システムを適用した場合の例を示すものである。図10は空調システムの構成を示すブロック図である。空調システムは、空調機71と、空調機71から供給される給気の温度を計測する給気温度センサ72と、熱媒(冷温水)を加熱または冷却する熱媒熱交換器73と、熱媒熱交換器73から送り出された冷温水が流れる配管74と、冷温水を空調機71に送り込むアクチュエータである送水ポンプ75と、空調機71に供給される冷温水の流量を調節するアクチュエータである冷温水流量制御バルブ76と、空調機71で使用された冷温水を熱媒熱交換器73に戻す配管77と、空調機71から送り出された給気を部屋70に供給する配管78と、給気口79と、室温センサ80と、部屋70の空気を空調機71に戻す配管81と、空調システムを制御する空調コントローラ82とから構成される。
空調コントローラ82は、給気温度センサ72によって計測された給気温度PVが給気温度設定値と一致するように操作量MVを算出する。この操作量MVに応じて冷温水流量制御バルブ76の開度が決定され、空調機71に供給される冷温水の流量が調節される。空調機71によって加熱または冷却された給気は、配管78を通って給気口79から部屋70に送り出される。空調コントローラ82は、室温センサ80によって計測された室温が室温設定値と一致するように空調機71の風量を制御する。
図1のデータ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とは、センサデバイスである給気温度センサ72に実装され、図3の代表値取得部12とリセット信号送信部13と代表値履歴記憶部14と第1判定部15と第2判定部16とは、空調コントローラ82に実装される。
空調機71を利用した空調制御では、様々な温度変更パターンがあるが、毎朝、空調機71の停止状態から稼動状態への切り替えがあり、真夏や真冬にはフルパワーの冷房または暖房による給気温度制御が行なわれるものとする。そして、このフルパワー時以外に状態量変化率の最高値Dxが記録される状況は発生しないものとする。
データ取得部1は、給気温度センサ72が計測した状態量(給気温度PV)のデータを取得する。代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5の動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
代表値取得部12は、間隔T2(例えば1日)で定期的に代表値記憶部2から代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を取得するようにすればよい。また、第1判定部15と第2判定部16が用いる閾値Dt,Dxtについては予め適宜規定しておけばよい。ただし、建物空調の場合、外気温度や空調対象室内の発熱物の影響も受けやすく、工業用の製造装置に比べれば再現性が低いので、代表値の変動量に対する閾値Dt,Dxtは、大きめに規定するのが好ましい。また、代表値履歴記憶部14に取得順に記憶される代表値の履歴データに対して平滑化処理を加えるのが好ましい。
本実施の形態では、オペレータは、第1判定部15からアラームAが出力されると、給気温度センサ72のシフトの可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
また、オペレータは、第2判定部16からアラームBが出力されると、送水ポンプ75の性能劣化や冷温水流量制御バルブ76の稼動部などの不具合の可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の形態は、化学プラント反応炉の温度制御系に第1、第2の実施の形態の不具合検知システムを適用した場合の例を示すものである。図11は化学プラント反応炉の構成を示すブロック図である。化学プラント反応炉は、反応炉90と、加熱用のアクチュエータであるヒータ91と、反応炉90内の温度を計測する温度センサ92と、反応炉90内の温度を制御するプラント制御システム93と、電力調整器94と、電力調整回路95とから構成される。
プラント制御システム93は、温度センサ92が計測した温度PVが温度設定値と一致するように操作量MVを算出する。電力調整器94は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路95を通じてヒータ91に供給する。こうして、プラント制御システム93は、反応炉90内の温度を制御する。
図1のデータ取得部1と代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5とは、センサデバイスである温度センサ92に実装され、図3の代表値取得部12とリセット信号送信部13と代表値履歴記憶部14と第1判定部15と第2判定部16とは、プラント制御システム93に実装される。
化学プラント反応炉を利用した生産プロセスでは、常に同一の昇温パターンがあり、この昇温パターンが2〜3日に1回(1週間中に数回)実行されるものとする。
データ取得部1は、温度センサ92が計測した状態量(温度PV)のデータを取得する。代表値記憶部2と変化率算出部3と代表値更新部4とリセット部5の動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
代表値取得部12は、間隔T2(例えば1週間)で定期的に代表値記憶部2から代表値(状態量変化率の最高値Dxと、状態量変化率が最高値Dxに到達するときの状態量Dとの組)を取得するようにすればよい。また、第1判定部15と第2判定部16が用いる閾値Dt,Dxtについては予め適宜規定しておけばよい。
本実施の形態では、オペレータは、第1判定部15からアラームAが出力されると、温度センサ92のシフトの可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
また、オペレータは、第2判定部16からアラームBが出力されると、ヒータ91の性能劣化の可能性を考慮して、点検を行なうという判断ができる。
第1〜第8の実施の形態で説明した不具合検知システムは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第8の実施の形態で説明した処理を実行する。なお、上記で説明したとおり、不具合検知システムが複数の装置に分散して配置される場合には、各装置のCPUが自装置の記憶装置に格納されたプログラムに従って処理を実行すればよい。
本発明は、センサやアクチュエータの不具合を検知したり不具合を予知したりする技術に適用することができる。
1…データ取得部、2…代表値記憶部、3…変化率算出部、4…代表値更新部、5…リセット部、6…データ保存部、7…過渡状態記憶部、8…過渡状態更新部、9…関連データ取得部、10…関連値記憶部、11…関連値更新部、12…代表値取得部、13…リセット信号送信部、14…代表値履歴記憶部、15…第1判定部、16…第2判定部、17…代表値表示部、18…リセット操作部。

Claims (13)

  1. プロセス量を対象となる状態量として、この状態量の時系列データを取得するデータ取得手段と、
    状態量変化率の最高値と状態量変化率が最高値に到達するときの状態量とを組合せて代表値として記憶する代表値記憶手段と、
    前記データ取得手段が取得した状態量のデータを基に状態量変化率を算出する変化率算出手段と、
    前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値の絶対値よりも前記変化率算出手段で算出された最新の状態量変化率の絶対値が大きいときに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を、前記変化率算出手段が算出した最新の状態量変化率と前記データ取得手段が取得した最新の状態量との組に更新する代表値更新手段と、
    外部からリセット信号を受け取ったときに、前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値を最小値にリセットするリセット手段と
    予め規定された量の最新の状態量のデータを一時的に記憶するデータ保存手段と、
    前記代表値更新手段により代表値が更新されたときの状態量のデータを、前記代表値に関連する過渡状態データとして記憶する過渡状態記憶手段と、
    前記代表値更新手段により代表値が更新されたときに、前記過渡状態記憶手段に記憶されている過渡状態データを、前記データ保存手段に記憶されている状態量のデータに更新する過渡状態更新手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  2. 請求項記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、前記データ取得手段が対象とするプロセス量に関連する少なくとも1つのプロセス量のデータを関連データとして取得する関連データ取得手段と、
    前記代表値更新手段により代表値が更新されたときの関連データを記憶する関連値記憶手段と、
    前記代表値更新手段により代表値が更新されたときに、前記関連値記憶手段に記憶されている関連データを、前記関連データ取得手段が取得した関連データに更新する関連値更新手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  3. 請求項1または2記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を表示する代表値表示手段と、
    外部からの操作に応じて前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット操作手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、予め規定された一定間隔で、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を取得する代表値取得手段と、
    前記代表値取得手段が代表値を取得した後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、
    前記代表値取得手段が取得した代表値を取得順に記憶する代表値履歴記憶手段と、
    前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量と前記代表値取得手段が代表値として取得した最新の状態量との差の絶対値を、前記代表値取得手段が代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第1閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第1アラームを出力する第1判定手段と、
    前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量変化率の最高値と前記代表値取得手段が代表値として取得した最新の状態量変化率の最高値との差の絶対値を、前記代表値取得手段が代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第2閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第2アラームを出力する第2判定手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合検知システムにおいて、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、加熱装置内の温度センサの計測値であり、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記加熱装置のヒータであることを特徴とする不具合検知システム。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合検知システムにおいて、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、真空装置内の圧力センサの計測値であり、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記真空装置の真空ポンプであることを特徴とする不具合検知システム。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合検知システムにおいて、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、流体搬送装置の流量センサの計測値であり、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記流体搬送装置のコントロールバルブと流体搬送圧力発生機器であることを特徴とする不具合検知システム。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合検知システムにおいて、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、空調システムの給気温度センサの計測値であり、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記空調システムの冷温水流量制御バルブと送水ポンプであることを特徴とする不具合検知システム。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合検知システムにおいて、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量は、反応炉の温度センサの計測値であり、
    前記データ取得手段が対象とするプロセス量について状態量変化を与えるアクチュエータは、前記反応炉のヒータであることを特徴とする不具合検知システム。
  10. プロセス量を対象となる状態量として、この状態量の時系列データを取得するデータ取得ステップと、
    前記データ取得ステップで取得した状態量のデータを基に状態量変化率を算出する変化率算出ステップと、
    状態量変化率の最高値と状態量変化率が最高値に到達するときの状態量とを組合せて代表値として記憶している代表値記憶手段を参照し、前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値の絶対値よりも前記変化率算出ステップで算出した最新の状態量変化率の絶対値が大きいときに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を、前記変化率算出ステップで算出した最新の状態量変化率と前記データ取得ステップで取得した最新の状態量との組に更新する代表値更新ステップと、
    外部からリセット信号を受け取ったときに、前記代表値記憶手段に記憶されている状態量変化率の最高値を最小値にリセットするリセットステップと
    予め規定された量の最新の状態量のデータをデータ保存手段に一時的に記憶させるデータ保存ステップと、
    前記代表値更新ステップにより代表値が更新されたときに、前記代表値に関連する過渡状態データとして過渡状態記憶手段に記憶されている状態量のデータを、前記データ保存手段に記憶されている状態量のデータに更新する過渡状態更新ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  11. 請求項10記載の不具合検知方法において、
    さらに、前記データ取得ステップで対象とするプロセス量に関連する少なくとも1つのプロセス量のデータを関連データとして取得する関連データ取得ステップと、
    前記代表値更新ステップにより代表値が更新されたときに、関連値記憶手段に記憶されている関連データを、前記関連データ取得ステップで取得した関連データに更新する関連値更新ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  12. 請求項10または11記載の不具合検知方法において、
    さらに、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を表示する代表値表示ステップと、
    外部からの操作に応じて前記リセット信号を送信するリセット操作ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  13. 請求項10乃至12のいずれか1項に記載の不具合検知方法において、
    さらに、予め規定された一定間隔で、前記代表値記憶手段に記憶されている代表値を取得する代表値取得ステップと、
    前記代表値取得ステップで代表値を取得した後に前記リセット信号を送信するリセット信号送信ステップと、
    前記代表値取得ステップで取得した代表値を取得順に記憶している代表値履歴記憶手段を参照し、前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量と前記代表値取得ステップで代表値として取得した最新の状態量との差の絶対値を、前記代表値取得ステップで代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第1閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第1アラームを出力する第1判定ステップと、
    前記代表値履歴記憶手段に代表値として記憶されている状態量変化率の最高値と前記代表値取得ステップで代表値として取得した最新の状態量変化率の最高値との差の絶対値を、前記代表値取得ステップで代表値を取得する度に前記代表値履歴記憶手段に記憶されている代表値の各々について算出し、少なくとも1つの絶対値が予め規定された第2閾値を超えたときに、不具合検知あるいは不具合予知の状態と判定して第2アラームを出力する第2判定ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
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