JP6216612B2 - 不具合検知システムおよび不具合検知方法 - Google Patents

不具合検知システムおよび不具合検知方法 Download PDF

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本発明は、プロセス制御に関わる装置の不具合を検知したり予知したりすることができる不具合検知システムおよび不具合検知方法に関するものである。
半導体製造装置では、EES(Equipment Engineering System)が実用段階へと移行してきている。EESは、半導体製造装置が正常に機能しているかどうかをデータでチェックし、装置の信頼性や生産性を向上させるシステムである。EESの主な目的は、装置自体を対象とする不具合検知(FD:Fault Detection)、不具合予知(FP:Fault Prediction)である(非特許文献1参照)。
FD/FPには、装置コントロールレベル、モジュールレベル、サブシステムレベル、I/Oデバイスレベルという階層化の捉え方がある。装置コントロールレベルのFD/FPは、ホストまたはオペレータから指示された処理条件の基で装置機能が装置スペックの許容範囲内で動作しているかを監視/検知するFD/FPである。モジュールレベルのFD/FPは、デバイスもしくはサブシステムから構成されるモジュールが、指示値どおりに処理を行うことができるかを監視/検知するFD/FPである。サブシステムレベルのFD/FPは、フィードバック制御を行うような複数のデバイスからなる複合システムが、いくつかのパラメータ設定の基で安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。I/OデバイスレベルのFD/FPは、装置を構成するセンサやアクチュエータが設計値どおりに安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。このように、I/Oデバイスレベルの主体は、センサやアクチュエータである。
アクチュエータのFD/FPに関しては、(0,1)のビット列のデータ(アクチュエータデータ)で済むシーケンス制御的な動作については、特に実用段階にあると言える。
一方で、センサのFD/FPに関しては、温度、圧力、流量などのプロセス量が対象データになる。これらのデータについては、msec.レベルで全てのデータを保存するのが合理的とは言えない。そこで、センサのデータを装置が管理する処理単位毎に、あるいは一定の期間毎に代表値化して、代表値化した値をチェックするEES対応の基板処理装置(特許文献1参照)などが提案されている。代表値とは、最大値、最小値、平均値などである。これらの代表値によりFD/FPが実現できれば、全てのデータを監視する場合と比較して通信量、必要メモリ量などを大幅に削減できるので効率的である。
代表値を利用したFD/FPとしては、劣化によるヒータ断線のFPや、過電流によるヒータ断線のFDなどが知られている。ヒータが劣化する場合、ヒータの抵抗値(非プロセス量)の平均値が徐々に上昇していくので、ヒータの抵抗値の平均値を代表値としてチェックすれば、劣化によるヒータの断線を予知することができる。また、過電流によってヒータが断線した場合、ヒータの抵抗値の最大値が突発的に上昇するので、ヒータの抵抗値の最大値を代表値としてチェックすれば、過電流によるヒータの断線を検知することができる。
特開2010−219460号公報
「装置レベルでの装置機能の性能確認に関する解説書」,社団法人電子情報技術産業協会,2005年3月23日
以上のように非プロセス量であれば、FD/FPの実用化は可能である。しかしながら、プロセス量に関しては、単純な代表値のみで非プロセス量の場合のようなFD/FPを実現できるものが少なく、FD/FP機能を十分に実現できていないという問題点があった。EESの装置内分散配置は、EESの全体効率を高めるために有効な実装方法であるので、温度などを対象とするプロセス制御に特有の性質が反映される装置コントロールレベルでFD/FP機能をさらに強化することが求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、装置コントロールレベルでのプロセス制御に特有の性質を対象とするFD/FP機能を強化することができる不具合検知システムおよび不具合検知方法を提供することを目的とする。換言するならば、本発明は、装置コントロールレベルで内蔵も外付けも可能な簡易型のFD/FP関連機能を提供する。
本発明の不具合検知システムは、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力手段と、前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を記憶する上限飽和継続時間記憶手段と、前記上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測手段と、この上限飽和継続時間計測手段によって計測された上限飽和継続時間が前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測された上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新手段と、外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットするリセット手段と、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムは、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力手段と、前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を記憶する上限飽和継続時間記憶手段と、前記上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測手段と、この上限飽和継続時間計測手段によって計測された上限飽和継続時間が前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測された上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新手段と、前記操作量MVが所定の操作量下限値で飽和する操作量下限飽和状態の連続時間である下限飽和継続時間を記憶する下限飽和継続時間記憶手段と、前記下限飽和継続時間を制御応答毎に計測する下限飽和継続時間計測手段と、この下限飽和継続時間計測手段によって計測された下限飽和継続時間が前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間よりも短いときに、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を前記計測された下限飽和継続時間に更新する下限飽和継続時間更新手段と、外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットし、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を最大値にリセットするリセット手段と、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された第1の閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力し、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶された下限飽和継続時間が予め規定された第2の閾値を下回ったときに、下限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間を予め規定された間隔で取得する継続時間取得手段と、前記上限飽和継続時間の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、前記継続時間取得手段が取得した上限飽和継続時間を記憶する継続時間履歴記憶手段と、この継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された閾値を超えたときに、プロセス制御に関わる装置に憂慮すべき変化の兆候が現れていることを示すアラームを出力する兆候判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間と前記下限飽和継続時間記憶手段に保持されている下限飽和継続時間とを予め規定された間隔で取得する継続時間取得手段と、前記上限飽和継続時間と下限飽和継続時間の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、前記継続時間取得手段が取得した上限飽和継続時間と下限飽和継続時間を記憶する継続時間履歴記憶手段と、この継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された第1の閾値を超え、かつ前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間に対する最新の下限飽和継続時間の変化量が予め規定された第2の閾値を超えないときに、プロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームを出力するアクチュエータ判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知システムの1構成例は、さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間と前記下限飽和継続時間記憶手段に保持されている下限飽和継続時間とを予め規定された間隔で取得する継続時間取得手段と、前記上限飽和継続時間と下限飽和継続時間の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、前記継続時間取得手段が取得した上限飽和継続時間と下限飽和継続時間を記憶する継続時間履歴記憶手段と、この継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された第1の閾値を超え、かつ前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間に対する最新の下限飽和継続時間の減少量が予め規定された第2の閾値を超えるときに、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームを出力する維持環境判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知方法は、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力ステップと、前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測ステップと、この上限飽和継続時間計測ステップで計測した上限飽和継続時間が上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測した上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新ステップと、外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットするリセットステップと、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の不具合検知方法は、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力ステップと、前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測ステップと、この上限飽和継続時間計測ステップで計測した上限飽和継続時間が上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測した上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新ステップと、前記操作量MVが所定の操作量下限値で飽和する操作量下限飽和状態の連続時間である下限飽和継続時間を制御応答毎に計測する下限飽和継続時間計測ステップと、この下限飽和継続時間計測ステップで計測した下限飽和継続時間が下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間よりも短いときに、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を前記計測した下限飽和継続時間に更新する下限飽和継続時間更新ステップと、外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットし、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を最大値にリセットするリセットステップと、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された第1の閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力し、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶された下限飽和継続時間が予め規定された第2の閾値を下回ったときに、下限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力ステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上限飽和継続時間記憶手段と上限飽和継続時間計測手段と上限飽和継続時間更新手段とを設けることにより、装置コントロールレベルでのプロセス制御に特有の性質を対象とするFD/FP機能を強化することができ、プロセス制御に関わる装置の不具合を検知したり予知したりすることができる。
また、本発明では、さらに、下限飽和継続時間記憶手段と下限飽和継続時間計測手段と下限飽和継続時間更新手段とを設けることにより、プロセス制御に関わる装置の不具合の種類を判別することが可能になる。
また、本発明では、アラーム出力手段を設けることにより、簡易的なアラーム機能をコントローラレベルで実現することができる。
また、本発明では、継続時間取得手段と継続時間履歴記憶手段と兆候判定手段とを設けることにより、プロセス制御に関わる装置に憂慮すべき変化の兆候が現れているか否かを判定することができ、装置内のさらに高度な制御状態検知を実現することができる。
また、本発明では、継続時間取得手段と継続時間履歴記憶手段とアクチュエータ判定手段とを設けることにより、プロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化しているか否かを判定することができ、装置内のさらに高度な制御状態検知を実現することができる。
また、本発明では、継続時間取得手段と継続時間履歴記憶手段と維持環境判定手段とを設けることにより、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化しているか否かを判定することができ、装置内のさらに高度な制御状態検知を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの動作例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの別の動作例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る加熱装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における上限飽和継続時間と下限飽和継続時間の記録例を示す図である。
[発明の原理1]
発明者は、下記のような性質に着眼した。
(A)加熱系におけるヒータの能力や真空系における真空ポンプの能力などが劣化した場合、フル出力での状態影響力が低下するのだから、操作量上限飽和状態(ヒータや真空ポンプなどがフル出力になる状態)の継続時間に長期化傾向が現れる。
(B)装置内の保温性や気密性などが劣化した場合、加熱系での昇温や真空系での降圧などの過渡状態において状態変化の非効率が増大するのだから、操作量上限飽和状態の継続時間に長期化傾向が現れる。
上記のように、操作量上限飽和状態の継続時間の長期化は、いずれにしろ憂慮すべき内部変化の兆候であり、操作量上限飽和状態の継続時間はプロセス制御動作の結果として観測されるものである。したがって、一定期間毎の管理機能(例えばリセット機能)と併用すれば、プロセス制御に特有の性質を対象とするFD/FP関連機能として利用できることに想到した。情報量としては膨大にならないため、簡易型のコントローラレベルにも実装可能になる。コントローラは、情報検出機能としてFD/FP機能の一部を形成することになる。そして、操作量上限飽和状態の継続時間を上位レベルのPCなどで加工して、アラーム発報や情報分析結果の提示を行なう構成が現実的である。ただし、簡易的なアラーム機能ならば、コントローラにも実装可能である。
[発明の原理2]
上記の発明の原理1において、(A)ヒータ能力や真空ポンプ能力の劣化と、(B)装置内の保温性や気密性の劣化の例を示した。(A)の例はプロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化していることを意味するものであり、(B)の例はプロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化していることを意味するものである。(A)、(B)のどちらも、操作量上限飽和状態の継続時間の長期化に繋がるものであるが、下記の相違が生じる。
(C)ヒータ能力や真空ポンプ能力の劣化では、加熱系での降温側への戻り、真空系での昇圧側への戻りには影響は生じない。すなわち、操作量下限飽和状態(ヒータや真空ポンプなどがゼロ出力になる状態)の継続時間に大きな変化は現れない。
(D)装置内の保温性や気密性の劣化では、加熱系での降温側への戻り、真空系での昇圧側への戻りはむしろ有利になる。すなわち、操作量下限飽和状態の継続時間に短期化傾向が現れる。
上記の(C)の事実から、操作量上限飽和状態の継続時間が長期化しているときに、操作量下限飽和状態の継続時間に大きな変化が現れていない場合は、プロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いと判断できる。また、上記の(D)の事実から、操作量上限飽和状態の継続時間が長期化しているときに、操作量下限飽和状態の継続時間が短期化している場合は、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いと判断できる。したがって、操作量上限飽和状態の継続時間と操作量下限飽和状態の継続時間により、プロセス制御に特有の性質を対象とする一段進んだFD/FP関連機能を実現できる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る不具合検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2に対応する例である。ここでは、不具合検知システムを簡易型のコントローラ(温調計)で実現する例として説明する。本実施の形態の不具合検知システムは、従来から温調計に設けられている一般的構成である温調計制御機能部1と、本実施の形態の特徴的構成であるFD/FP機能部2とから構成される。
温調計制御機能部1は、設定値SPを温調計外部から入力する設定値入力部10と、制御量PVを図示しない計測器から入力する制御量入力部11と、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出部12と、操作量MVを温調計外部に出力する操作量出力部13とを備えている。
FD/FP機能部2は、操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間(開始から終了までの時間)である上限飽和継続時間を記憶する上限飽和継続時間記憶部20と、操作量MVが所定の操作量下限値で飽和する操作量下限飽和状態の連続時間である下限飽和継続時間を記憶する下限飽和継続時間記憶部21と、上限飽和継続時間を計測する上限飽和継続時間計測部22と、下限飽和継続時間を計測する下限飽和継続時間計測部23と、計測された上限飽和継続時間が上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間を計測された上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新部24と、計測された下限飽和継続時間が下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間よりも短いときに、下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間を計測された下限飽和継続時間に更新する下限飽和継続時間更新部25と、外部からリセット信号を受け取ったときに、上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間を最小値(例えば0.0)にリセットし下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間を最大値(例えば非現実的な程度に大きな値として99999.9)にリセットするリセット部26と、上限飽和継続時間が予め規定された閾値を上回るか、下限飽和継続時間が予め規定された閾値を下回ったときに、アラームを温調計外部に出力するアラーム出力部27とを備えている。
設定値入力部10と制御量入力部11と操作量算出部12と操作量出力部13と上限飽和継続時間記憶部20と上限飽和継続時間計測部22と上限飽和継続時間更新部24とリセット部26とアラーム出力部27とは、上記発明の原理1に対応する構成であり、これらと下限飽和継続時間記憶部21と下限飽和継続時間計測部23と下限飽和継続時間更新部25とは、上記発明の原理2に対応する構成である。
以下、本実施の形態の不具合検知システムの動作を図2を参照して説明する。図2は不具合検知システムの動作を示すフローチャートである。
まず、初期状態において外部からリセット信号を受け取ったことにより、FD/FP機能部2のリセット部26は、上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている継続時間THを0.0にリセットし下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている継続時間TLを99999.9にリセットする(図2ステップS100)。
温調計の制御動作が起動すると、温調計制御機能部1の操作量算出部12は、周知の制御演算アルゴリズムに従って、設定値入力部10から入力された設定値SPと制御量入力部11から入力された制御量PVとが一致するように操作量MVを算出する(図2ステップS101)。制御演算アルゴリズムとしては、例えばPIDがある。
操作量出力部13は、操作量算出部12によって算出された操作量MVを制御対象に出力する(図2ステップS102)。制御対象が例えば加熱処理炉の場合、加熱処理炉のヒータに電力を供給する電力調整器が、操作量MVの実際の出力先となる。
上限飽和継続時間計測部22は、操作量算出部12によって算出された操作量MVが所定の操作量上限値に到達する操作量上限飽和状態になった場合(図2ステップS103においてYES)、操作量上限飽和状態の継続時間TH(以下、上限飽和継続時間THとする)を次式のように更新する(図2ステップS104)。
TH←TH+dT ・・・(1)
dTは制御周期である。こうして、操作量上限飽和状態になると、この操作量上限飽和状態が解消されるまでステップS104の処理が繰り返し実行されるので、上限飽和継続時間THを計測することができる。
一方、下限飽和継続時間計測部23は、操作量算出部12によって算出された操作量MVが所定の操作量下限値に到達する操作量下限飽和状態になった場合(図2ステップS105においてYES)、操作量下限飽和状態の継続時間TL(以下、下限飽和継続時間TLとする)を次式のように更新する(図2ステップS106)。
TL←TL+dT ・・・(2)
こうして、操作量下限飽和状態になると、この操作量下限飽和状態が解消されるまでステップS106の処理が繰り返し実行されるので、下限飽和継続時間TLを計測することができる。
次に、上限飽和継続時間更新部24は、操作量上限飽和状態が解消したときに(図2ステップS107においてYES)、上限飽和継続時間計測部22によって計測された上限飽和継続時間THと上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間THとを比較し、計測された上限飽和継続時間THが上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間THよりも長い場合に(図2ステップS108においてYES)、上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間THを、計測された上限飽和継続時間THに更新する(図2ステップS109)。
下限飽和継続時間更新部25は、操作量下限飽和状態が解消したときに(図2ステップS110においてYES)、下限飽和継続時間計測部23によって計測された下限飽和継続時間TLと下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間TLとを比較し、計測された下限飽和継続時間TLが下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間TLよりも短い場合に(図2ステップS111においてYES)、下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間TLを、計測された下限飽和継続時間TLに更新する(図2ステップS112)。
アラーム出力部27は、上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間THが予め規定された閾値Tshを上回ったときに(図2ステップS113においてYES)、上限飽和継続時間に関するアラームを温調計外部に出力する(図2ステップS114)。
また、アラーム出力部27は、下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間TLが予め規定された閾値Tslを下回ったときに(図2ステップS115においてYES)、下限飽和継続時間に関するアラームを温調計外部に出力する(図2ステップS116)。閾値Tslは、閾値Tshと同一の値でもよいし異なる値でもよい。上限飽和継続時間に関するアラームおよび下限飽和継続時間に関するアラームの出力形態としては、例えば上位レベルのPCなどへのアラーム信号の出力等がある。
以上のようなステップS101〜S116の処理が、例えばオペレータからの指令によってFD/FP機能部2の動作が終了するまで(図2ステップS117においてYES)、制御周期dT毎に繰り返し実行される。
図3(A)、図3(B)、図4(A)、図4(B)は本実施の形態の不具合検知システムの動作例を示す図であり、図3(A)、図4(A)は制御量PV(温度)の変化を示す図、図3(B)、図4(B)は操作量MVの変化を示す図である。図3(A)、図3(B)は上限飽和継続時間THが長期化し下限飽和継続時間TLが変化しない例を示し、図4(A)、図4(B)は上限飽和継続時間THが長期化し下限飽和継続時間TLが短期化する例を示している。
図3(A)、図3(B)の例によると、例えばヒータの能力の劣化などの理由により、上限飽和継続時間THが長期化し、時刻t1とt2の間において計測された上限飽和継続時間THが閾値Tshを上回ったことにより、上限飽和継続時間に関するアラームが出力される。一方、下限飽和継続時間TLは変化せず、閾値Tslを下回ることがないので、下限飽和継続時間に関するアラームは出力されない。
図4(A)、図4(B)の例では、例えば加熱装置の保温性の劣化などの理由により、上限飽和継続時間THが長期化し、時刻t3とt4の間において計測された上限飽和継続時間THが閾値Tshを上回ったことにより、上限飽和継続時間に関するアラームが出力される。また、下限飽和継続時間TLが短期化し、時刻t5とt6の間において計測された下限飽和継続時間TLが閾値Tslを下回ったことにより、下限飽和継続時間に関するアラームが出力される。なお、上限飽和継続時間計測部22は、初期値(通常は0)から上限飽和継続時間THの計測を開始することを制御応答毎に繰り返し、下限飽和継続時間計測部23は、初期値(通常は0)から下限飽和継続時間TLの計測を開始することを制御応答毎に繰り返す。
以上の構成により、本実施の形態では、上限飽和継続時間に関するアラームが出力された場合に、オペレータはプロセス制御に関わる装置の憂慮すべき内部変化の兆候を知ることができる。さらに、上限飽和継続時間THが長期化していて、下限飽和継続時間TLに大きな変化が現れていない場合、すなわち上限飽和継続時間に関するアラームが出力され、下限飽和継続時間に関するアラームが出力されない場合に、プロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いと、オペレータは判断できる。また、上限飽和継続時間THが長期化していて、下限飽和継続時間TLが短期化している場合、すなわち上限飽和継続時間に関するアラームが出力され、下限飽和継続時間に関するアラームも出力された場合に、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いと、オペレータは判断できる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態で示した不具合検知システムを、さらに加熱装置の温度制御系に対して適用した場合の例を示すものである。図5は本実施の形態の不具合検知システムの構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の不具合検知システムは、温調計制御機能部1と、FD/FP機能部2と、FD/FP機能部3とから構成される。温調計制御機能部1とFD/FP機能部2の構成および動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
FD/FP機能部3は、上限飽和継続時間記憶部20に保持されている上限飽和継続時間THと下限飽和継続時間記憶部21に保持されている下限飽和継続時間TLとを予め規定された間隔で取得する継続時間取得部30と、上限飽和継続時間THと下限飽和継続時間TLの取得後にリセット部26にリセット信号を送信するリセット信号送信部31と、継続時間取得部30が取得した上限飽和継続時間THと下限飽和継続時間TLを記憶する継続時間履歴記憶部32と、継続時間履歴記憶部32に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間THに対する最新の上限飽和継続時間THの増加量が予め規定された閾値Trhを超えたときに、プロセス制御に関わる装置に憂慮すべき変化の兆候が現れていることを示すアラームXを出力する兆候判定部33と、継続時間履歴記憶部32に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間THに対する最新の上限飽和継続時間THの増加量が予め規定された閾値Trhを超え、かつ継続時間履歴記憶部32に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間TLに対する最新の下限飽和継続時間TLの変化量が予め規定された閾値Trlを超えないときに、プロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームYを出力するアクチュエータ判定部34と、継続時間履歴記憶部32に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間THに対する最新の上限飽和継続時間THの増加量が予め規定された閾値Trhを超え、かつ継続時間履歴記憶部32に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間TLに対する最新の下限飽和継続時間TLの減少量が予め規定された閾値Trlを超えるときに、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームZを出力する維持環境判定部35とを備えている。
図6は本実施の形態の適用対象となる加熱装置の構成を示すブロック図である。加熱装置は、処理対象の被加熱物を加熱する加熱チャンバー100と、電気ヒータ101と、加熱チャンバー100内の温度を計測する温度センサ102と、加熱チャンバー100内の温度を制御する温調計103と、電力調整器104と、電力供給回路105と、加熱装置全体を制御するPLC(Programmable Logic Controller)106とから構成される。
温調計103は、温度センサ102が計測した温度PVが温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じて電気ヒータ101に供給する。こうして、温調計103は、加熱チャンバー100内の被加熱物の温度を制御する。
図5の温調計制御機能部1とFD/FP機能部2とは温調計103に実装され、FD/FP機能部3は温調計103よりも上位レベルのPCなどからなるPLC106に実装される。
次に、本実施の形態の不具合検知システムのFD/FP機能部3の動作を図7を参照して説明する。
継続時間取得部30は、FD/FP機能部2の上限飽和継続時間記憶部20に記憶されている上限飽和継続時間THと下限飽和継続時間記憶部21に記憶されている下限飽和継続時間TLとを取得する(図7ステップS200)。
上限飽和継続時間THと下限飽和継続時間TLの取得後、継続時間取得部30は、リセット信号送信部31に対してリセット信号を送信するよう指示を出す。この指示に応じて、リセット信号送信部31は、FD/FP機能部2のリセット部26にリセット信号を送信する(図7ステップS201)。リセット部26の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
継続時間履歴記憶部32は、継続時間取得部30が取得した上限飽和継続時間THと下限飽和継続時間TLを記憶する(図7ステップS202)。
兆候判定部33は、継続時間取得部30が取得した最新の上限飽和継続時間THと継続時間履歴記憶部32に記憶されている過去の任意の上限飽和継続時間THとを比較したときに、過去の上限飽和継続時間THよりも最新の上限飽和継続時間THが長く、過去の上限飽和継続時間THに対する最新の上限飽和継続時間THの増加量が予め規定された閾値Trhを超えた場合(図7ステップS203においてYES)、プロセス制御に関わる装置に憂慮すべき内部変化の兆候が現れていることを示すアラームXを出力する(図7ステップS204)。
アクチュエータ判定部34は、継続時間取得部30が取得した最新の上限飽和継続時間THと継続時間履歴記憶部32に記憶されている過去の任意の上限飽和継続時間THとを比較したときに、過去の上限飽和継続時間THに対する最新の上限飽和継続時間THの増加量が予め規定された閾値Trhを超え(図7ステップS203においてYES)、かつ継続時間取得部30が取得した最新の下限飽和継続時間TLと継続時間履歴記憶部32に記憶されている過去の任意の下限飽和継続時間TLとを比較したときに、過去の下限飽和継続時間TLに対して最新の下限飽和継続時間TLが大きく変化していない場合、具体的には過去の下限飽和継続時間TLに対する最新の下限飽和継続時間TLの変化量(増加量または減少量)が予め規定された閾値Trlを超えない場合(図7ステップS205においてYES)、プロセス制御のアクチュエータ(図6の例では電気ヒータ101)がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームYを出力する(図7ステップS206)。閾値Trlは、閾値Trhと同一の値でもよいし異なる値でもよい。
維持環境判定部35は、継続時間取得部30が取得した最新の上限飽和継続時間THと継続時間履歴記憶部32に記憶されている過去の任意の上限飽和継続時間THとを比較したときに、過去の上限飽和継続時間THに対する最新の上限飽和継続時間THの増加量が予め規定された閾値Trhを超え(図7ステップS203においてYES)、かつ継続時間取得部30が取得した最新の下限飽和継続時間TLと継続時間履歴記憶部32に記憶されている過去の任意の下限飽和継続時間TLとを比較したときに、過去の下限飽和継続時間TLに対する最新の下限飽和継続時間TLの減少量が予め規定された閾値Trlを超える場合(図7ステップS207においてYES)、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームZを出力する(図7ステップS208)。アラームX,Y,Zの出力形態としては、例えばLEDの点灯、メッセージの表示、音声出力等がある。
以上のようなステップS200〜S208の処理が、例えばオペレータからの指令によってFD/FP機能部3の動作が終了するまで(図7ステップS209においてYES)、一定周期毎に繰り返し実行される。このFD/FP機能部3の動作周期は、温調計制御機能部1およびFD/FP機能部2の制御周期dTよりも長い値に設定される。
[制御状態検知例]
ここでは、本実施の形態の不具合検知システムを図6に示した加熱装置の温度制御系に適用した場合について説明する。加熱装置を利用した生産プロセスでは、対象製品により様々な温度変更があり、昇降温工程も様々であるが、昇降温パターンは有限であり、1週間中には概ね標準的な昇降温パターンが平均的な頻度で実行されるものとする。したがって、FD/FP機能部3の動作周期を1週間とする。閾値は、Trh=200秒、Trl=200秒とする。上限飽和継続時間THと下限飽和継続時間TLが継続時間履歴記憶部32に1週間毎に図8のように記録されるものとする。
図8から明らかなように、第28週に、上限飽和継続時間THが第1週の上限飽和継続時間THよりも閾値Trh=200秒を超える増加分(2005秒−1800秒=205秒)を示したことになるので、アラームXが出力される。したがって、オペレータは、プロセス制御に関わる装置の憂慮すべき内部変化の兆候を知ることができる。
また、第28週に、上限飽和継続時間THが第1週の上限飽和継続時間THよりも閾値Trh=200秒を超える増加分(2005秒−1800秒=205秒)を示し、さらに下限飽和継続時間TLが第3週の下限飽和継続時間TLよりも閾値Trl=200秒を超える減少分(2410秒−2170秒=240秒)を示したことになるので、アラームZが出力される。したがって、オペレータは、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いと知ることができる。以上のように、本実施の形態では、第1の実施の形態と比較して装置内のさらに高度な制御状態検知が可能になる。
なお、背景技術ではEESの装置内分散配置を課題として取り上げているが、第1、第2の実施の形態は、EESに限らず、建物の空調制御や化学プラントなどで利用される装置コントロールレベルも対象範囲に入る。
第1、第2の実施の形態で説明した不具合検知システムは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。なお、上記で説明したとおり、不具合検知システムが複数の装置に分散して配置される場合には、各装置のCPUが自装置の記憶装置に格納されたプログラムに従って処理を実行すればよい。
本発明は、プロセス制御に関わる装置の不具合を検知したり予知したりする技術に適用することができる。
1…温調計制御機能部、2,3…FD/FP機能部、10…設定値入力部、11…制御量入力部、12…操作量算出部、13…操作量出力部、20…上限飽和継続時間記憶部、21…下限飽和継続時間記憶部、22…上限飽和継続時間計測部、23…下限飽和継続時間計測部、24…上限飽和継続時間更新部、25…下限飽和継続時間更新部、26…リセット部、27…アラーム出力部、30…継続時間取得部、31…リセット信号送信部、32…継続時間履歴記憶部、33…兆候判定部、34…アクチュエータ判定部、35…維持環境判定部。

Claims (10)

  1. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、
    前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力手段と、
    前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を記憶する上限飽和継続時間記憶手段と、
    前記上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測手段と、
    この上限飽和継続時間計測手段によって計測された上限飽和継続時間が前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測された上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新手段と、
    外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットするリセット手段と
    前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  2. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、
    前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力手段と、
    前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を記憶する上限飽和継続時間記憶手段と、
    前記上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測手段と、
    この上限飽和継続時間計測手段によって計測された上限飽和継続時間が前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測された上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新手段と、
    前記操作量MVが所定の操作量下限値で飽和する操作量下限飽和状態の連続時間である下限飽和継続時間を記憶する下限飽和継続時間記憶手段と、
    前記下限飽和継続時間を制御応答毎に計測する下限飽和継続時間計測手段と、
    この下限飽和継続時間計測手段によって計測された下限飽和継続時間が前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間よりも短いときに、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を前記計測された下限飽和継続時間に更新する下限飽和継続時間更新手段と
    外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットし、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を最大値にリセットするリセット手段と、
    前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された第1の閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力し、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶された下限飽和継続時間が予め規定された第2の閾値を下回ったときに、下限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  3. 請求項1または2記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間を予め規定された間隔で取得する継続時間取得手段と、
    前記上限飽和継続時間の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、
    前記継続時間取得手段が取得した上限飽和継続時間を記憶する継続時間履歴記憶手段と、
    この継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された閾値を超えたときに、プロセス制御に関わる装置に憂慮すべき変化の兆候が現れていることを示すアラームを出力する兆候判定手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  4. 請求項2記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間と前記下限飽和継続時間記憶手段に保持されている下限飽和継続時間とを予め規定された間隔で取得する継続時間取得手段と、
    前記上限飽和継続時間と下限飽和継続時間の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、
    前記継続時間取得手段が取得した上限飽和継続時間と下限飽和継続時間を記憶する継続時間履歴記憶手段と、
    この継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された第1の閾値を超え、かつ前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間に対する最新の下限飽和継続時間の変化量が予め規定された第2の閾値を超えないときに、プロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームを出力するアクチュエータ判定手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  5. 請求項2記載の不具合検知システムにおいて、
    さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間と前記下限飽和継続時間記憶手段に保持されている下限飽和継続時間とを予め規定された間隔で取得する継続時間取得手段と、
    前記上限飽和継続時間と下限飽和継続時間の取得後に前記リセット手段に前記リセット信号を送信するリセット信号送信手段と、
    前記継続時間取得手段が取得した上限飽和継続時間と下限飽和継続時間を記憶する継続時間履歴記憶手段と、
    この継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された第1の閾値を超え、かつ前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間に対する最新の下限飽和継続時間の減少量が予め規定された第2の閾値を超えるときに、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームを出力する維持環境判定手段とを備えることを特徴とする不具合検知システム。
  6. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、
    前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力ステップと、
    前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測ステップと、
    この上限飽和継続時間計測ステップで計測した上限飽和継続時間が上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測した上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新ステップと、
    外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットするリセットステップと
    前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  7. 設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、
    前記操作量MVをプロセス制御のアクチュエータに出力する操作量出力ステップと、
    前記操作量MVが所定の操作量上限値で飽和する操作量上限飽和状態の連続時間である上限飽和継続時間を制御応答毎に計測する上限飽和継続時間計測ステップと、
    この上限飽和継続時間計測ステップで計測した上限飽和継続時間が上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間よりも長いときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を前記計測した上限飽和継続時間に更新する上限飽和継続時間更新ステップと、
    前記操作量MVが所定の操作量下限値で飽和する操作量下限飽和状態の連続時間である下限飽和継続時間を制御応答毎に計測する下限飽和継続時間計測ステップと、
    この下限飽和継続時間計測ステップで計測した下限飽和継続時間が下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間よりも短いときに、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を前記計測した下限飽和継続時間に更新する下限飽和継続時間更新ステップと
    外部からリセット信号を受け取ったときに、前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶されている上限飽和継続時間を最小値にリセットし、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶されている下限飽和継続時間を最大値にリセットするリセットステップと、
    前記上限飽和継続時間記憶手段に記憶された上限飽和継続時間が予め規定された第1の閾値を上回ったときに、上限飽和継続時間に関するアラームを出力し、前記下限飽和継続時間記憶手段に記憶された下限飽和継続時間が予め規定された第2の閾値を下回ったときに、下限飽和継続時間に関するアラームを出力するアラーム出力ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  8. 請求項6または7記載の不具合検知方法において、
    さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間を予め規定された間隔で取得する継続時間取得ステップと、
    前記上限飽和継続時間の取得後に前記リセット信号を送信するリセット信号送信ステップと、
    前記継続時間取得ステップで取得した上限飽和継続時間を継続時間履歴記憶手段に記憶させる継続時間履歴記憶ステップと、
    前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された閾値を超えたときに、プロセス制御に関わる装置に憂慮すべき変化の兆候が現れていることを示すアラームを出力する兆候判定ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  9. 請求項記載の不具合検知方法において、
    さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間と前記下限飽和継続時間記憶手段に保持されている下限飽和継続時間とを予め規定された間隔で取得する継続時間取得ステップと、
    前記上限飽和継続時間と下限飽和継続時間の取得後に前記リセット信号を送信するリセット信号送信ステップと、
    前記継続時間取得ステップで取得した上限飽和継続時間と下限飽和継続時間を継続時間履歴記憶手段に記憶させる継続時間履歴記憶ステップと、
    前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された第1の閾値を超え、かつ前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間に対する最新の下限飽和継続時間の変化量が予め規定された第2の閾値を超えないときに、プロセス制御のアクチュエータがプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームを出力するアクチュエータ判定ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
  10. 請求項記載の不具合検知方法において、
    さらに、前記上限飽和継続時間記憶手段に保持されている上限飽和継続時間と前記下限飽和継続時間記憶手段に保持されている下限飽和継続時間とを予め規定された間隔で取得する継続時間取得ステップと、
    前記上限飽和継続時間と下限飽和継続時間の取得後に前記リセット信号を送信するリセット信号送信ステップと、
    前記継続時間取得ステップで取得した上限飽和継続時間と下限飽和継続時間を継続時間履歴記憶手段に記憶させる継続時間履歴記憶ステップと、
    前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の上限飽和継続時間に対する最新の上限飽和継続時間の増加量が予め規定された第1の閾値を超え、かつ前記継続時間履歴記憶手段に記憶された過去の任意の下限飽和継続時間に対する最新の下限飽和継続時間の減少量が予め規定された第2の閾値を超えるときに、プロセス制御の維持環境がプロセス制御に対して不利な方向に変化している可能性が高いことを示すアラームを出力する維持環境判定ステップとを含むことを特徴とする不具合検知方法。
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