JP6346544B2 - 不具合予知装置および不具合予知方法 - Google Patents

不具合予知装置および不具合予知方法 Download PDF

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Description

本発明は、流体の供給経路に圧力損失要素が配置され、この圧力損失要素を通過した流体を加熱アクチュエータで加熱または冷却アクチュエータで冷却して送り先に供給するシステムにおいて、供給経路の詰まりという不具合事象を予知する不具合予知装置および不具合予知方法に関するものである。
半導体製造装置では、EES(Equipment Engineering System)が実用段階へと移行してきている。EESは、半導体製造装置が正常に機能しているかどうかをデータでチェックし、装置の信頼性や生産性を向上させるシステムである。EESの主な目的は、装置自体を対象とする不具合検知(FD:Fault Detection)、不具合予知(FP:Fault Prediction)である(非特許文献1参照)。
FD/FPには、装置コントロールレベル、モジュールレベル、サブシステムレベル、I/Oデバイスレベルという階層化の捉え方がある。装置コントロールレベルのFD/FPは、ホストまたはオペレータから指示された処理条件の基で装置機能が装置スペックの許容範囲内で動作しているかを監視/検知するFD/FPである。モジュールレベルのFD/FPは、デバイスもしくはサブシステムから構成されるモジュールが、指示値どおりに処理を行うことができるかを監視/検知するFD/FPである。サブシステムレベルのFD/FPは、フィードバック制御を行うような複数のデバイスからなる複合システムが、いくつかのパラメータ設定の基で安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。I/OデバイスレベルのFD/FPは、装置を構成するセンサやアクチュエータが設計値どおりに安定して動作しているかを監視/検知するFD/FPである。このように、I/Oデバイスレベルの主体は、センサやアクチュエータである。
以上のようなEESに関連する技術として、加熱装置の保温性または冷却装置の保冷性の状態を評価する状態評価装置および状態評価方法が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に開示された技術は、温度制御装置が管理する状態量である操作量と温度設定値を利用して、加熱装置の保温性または冷却装置の保冷性の状態を評価するものであり、FD機能を実現するものである。
特開2011−159099号公報
「装置レベルでの装置機能の性能確認に関する解説書」,社団法人電子情報技術産業協会,2005年3月23日
上記のように、加熱システムや冷却システムを対象とするFD機能については既に実現されているが、異常の程度が変化する傾向などに基づいて、さらに重要な異常に関して予測できることが求められている。すなわち、FP機能を実現することが求められている。また、同様のFP機能の実現が空調システムにおいても求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、加熱システムや冷却システム、あるいは空調システムに関する不具合事象を予知することができる不具合予知装置および不具合予知方法を提供することを目的とする。
本発明は、流体の供給経路に圧力損失要素が配置され、この圧力損失要素を通過した流体を加熱アクチュエータで加熱または冷却アクチュエータで冷却して送り先に供給するシステムにおいて、前記供給経路の不具合事象を予知する不具合予知装置であって、設定値SPと制御量PVとに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、前記操作量MVを前記加熱アクチュエータまたは前記冷却アクチュエータに出力する操作量出力手段と、前記操作量MVから前記供給経路の不具合事象の判断指標となる操作量指標を算出する操作量指標算出手段と、前記操作量指標が、前記供給経路のメンテナンスが必要なレベルの不具合事象と判断する不具合閾値に至るまでの期間を推定する特性変化推定手段と、前記供給経路のメンテナンスにより不具合事象が解消されたと見なせることを示すメンテナンス実施信号を入力するメンテナンス実施信号入力手段と、前記不具合事象が解消された時点の操作量を新たな初期操作量として、予め記憶している初期操作量を更新する初期操作量取得手段と、前記初期操作量に基づき、必要に応じて前記不具合閾値を補正する閾値補正手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合予知装置の1構成例は、さらに、前記特性変化推定手段によって推定された期間を提示する推定期間提示手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の不具合予知装置の1構成例において、前記特性変化推定手段は、推定した期間が所定のメンテナンス閾値未満になったときに、前記供給経路のメンテナンスの必要性を示すアラームを出力することを特徴とするものである。
また、本発明の不具合予知装置の1構成例において、前記閾値補正手段は、前記供給経路の詰まりによって前記操作量指標が低下する場合に、更新前の初期操作量と更新前の不具合閾値間の操作量低下幅と、更新後の初期操作量と更新後の不具合閾値間の操作量低下幅とが同一に維持されるように、前記不具合閾値を補正することを特徴とするものである。
また、本発明の不具合予知装置の1構成例において、前記閾値補正手段は、前記供給経路の詰まりによって前記操作量指標が低下する場合に、更新前の初期操作量と更新前の不具合閾値間の操作量低下率と、更新後の初期操作量と更新後の不具合閾値間の操作量低下率とが同一に維持されるように、前記不具合閾値を補正することを特徴とするものである。
また、本発明の不具合予知装置の1構成例において、前記流体は空気であり、前記圧力損失要素は偏流低減用の整流器、空気湿度調整の加湿器/除湿器、あるいは空気清浄用のフィルタであり、前記不具合事象は前記圧力損失要素で発生する詰まりである。
また、本発明は、流体の供給経路に圧力損失要素が配置され、この圧力損失要素を通過した流体を加熱アクチュエータで加熱または冷却アクチュエータで冷却して送り先に供給するシステムにおいて、前記供給経路の不具合事象を予知する不具合予知方法であって、設定値SPと制御量PVとに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、前記操作量MVを前記加熱アクチュエータまたは前記冷却アクチュエータに出力する操作量出力ステップと、前記操作量MVから前記供給経路の不具合事象の判断指標となる操作量指標を算出する操作量指標算出ステップと、前記操作量指標が、前記供給経路のメンテナンスが必要なレベルの不具合事象と判断する不具合閾値に至るまでの期間を推定する特性変化推定ステップと、前記供給経路のメンテナンスにより不具合事象が解消されたと見なせることを示すメンテナンス実施信号を入力するメンテナンス実施信号入力ステップと、前記不具合事象が解消された時点の操作量を新たな初期操作量として、予め記憶している初期操作量を更新する初期操作量取得ステップと、前記初期操作量に基づき、必要に応じて前記不具合閾値を補正する閾値補正ステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、操作量MVから供給経路の不具合事象の判断指標となる操作量指標を算出し、操作量指標が、供給経路のメンテナンスが必要なレベルの不具合事象と判断する不具合閾値に至るまでの期間を推定することにより、加熱システムや冷却システム、あるいは空調システムに関する不具合事象、特に流体を送り先に供給する供給経路の詰まりという特別な不具合事象を予知することができる。
また、本発明では、推定した期間が所定のメンテナンス閾値未満になったときに、供給経路のメンテナンスの必要性を示すアラームを出力することにより、メンテナンスの必要性が高まっていることをオペレータに通知することができる。
また、本発明では、供給経路のメンテナンスにより不具合事象が解消された時点の操作量を新たな初期操作量として、予め記憶している初期操作量を更新し、初期操作量に基づき、不具合閾値を補正することにより、アクチュエータの劣化が不具合予知に与える影響を低減することができる。
本発明の対象となる加熱システムの1例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不具合予知装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不具合予知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る不具合予知装置の動作例を示す図である。
[発明の原理1]
特許文献1では、対象とする装置として、保温領域である加熱処理チャンバー内を直接的に加熱する装置を例に挙げている。一方、加熱流体を保温領域に供給するケースもあり、このケースでは、流体中の不純物によって発生する経路での詰まり現象が、不具合の原因になることが考えられる。
例えば図1の加熱システムでは、流体(図1の例では空気)をファン101によって供給経路102に送り出し、供給経路102を通る流体をヒータ103によって加熱して、送り先である保温領域100に供給する。温度センサ104は、ヒータ103によって加熱された流体の温度PV(制御量)を計測する。温調計105は、温度PVが温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器106は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力をヒータ103に供給する。こうして、温調計105は、保温領域100に供給する流体の温度を制御する。
図1のようなシステムでは、流体の温度を維持できていても、流体の流量が低下することで、保温領域100の保温状態が悪化するという不具合事象が考えられる。発明者は、供給経路102の詰まりは通常徐々に進行するものなので、図1のようなケースにおいては、特に不具合事象の予知が可能であることに着眼した。
供給経路102の詰まりの発生個所としては、偏流低減用の整流器、空気湿度調整の加湿器/除湿器、空気清浄用のフィルタなどの圧力損失要素107が考えられる。図1のように圧力損失要素107を通過した後に流体をヒータ103で加熱する構造においては、供給経路102の詰まりによる流量低下が発生すれば、加熱に必要なヒータ出力(制御系における操作量MV)は低くて済むことになる。したがって、発明者は、安定的な操作量MVの低下傾向を監視することで、特別なセンサ等を追加することなく、圧力損失要素107のメンテナンス(例えば整流器清掃、加湿器/除湿器清掃、フィルタ交換)が必要なレベルにまで至る不具合事象を予知できることに想到した。すなわち、加熱流体経路の加熱前段の詰まり現象について、加熱操作量に基づいて不具合を予知する装置および方法に想到した。
なお、図1の例では、流体を加熱する場合について説明しているが、流体を冷却する場合についても本発明を適用可能である。また、物体を加熱するチャンバーのような保温領域100を対象として説明しているが、冷暖房の給気を空調領域に供給する空調システムに対しても本発明を適用可能である。
[発明の原理2]
加熱系の場合、ヒータの劣化による操作量MVの変化も考慮することが好ましい。ヒータの劣化は、被加熱流体を所定の温度に加熱するための操作量MVが上昇する方向に影響を与えるので、流量低下の影響を相殺することになり、不具合を見逃すような危険側の特性変化ということになる。
一般に圧力損失要素の詰まりなどに比べれば、ヒータ劣化の進行は遅い。したがって、整流器清掃、加湿器/除湿器清掃、フィルタ交換を行なった直後の操作量MV(メンテナンス実施時後の初期操作量MV)を基準に、操作量低下幅あるいは操作量低下率により不具合予知するように、必要な補正を行なうことで、ヒータ劣化の悪影響を低減できる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係る不具合予知装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2に対応する例であり、操作量低下幅に着眼した例である。ここでは、不具合予知装置を簡易型のコントローラ(温調計)で実現する例として説明する。本実施の形態の不具合予知装置は、従来から温調計に設けられている一般的構成である温調計制御機能部1と、本実施の形態の特徴的構成である不具合予知機能部2とから構成される。
温調計制御機能部1は、設定値SPを温調計外部から入力する設定値入力部10と、制御量PVを計測器から入力する制御量入力部11と、設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する操作量算出部12と、操作量MVを温調計外部に出力する操作量出力部13とを備えている。
不具合予知機能部2は、操作量MVを取得する操作量取得部20と、操作量MVから供給経路の不具合事象の判断指標となる操作量指標を算出する操作量指標算出部21と、操作量指標が、供給経路のメンテナンスが必要なレベルの不具合事象(流量低下による不具合事象)と判断する不具合閾値に至るまでの期間を推定する特性変化推定部22と、供給経路のメンテナンスにより不具合事象が解消されたと見なせることを示すメンテナンス実施信号を入力するメンテナンス実施信号入力部23と、不具合事象が解消された時点の操作量MVを新たな初期操作量として、予め記憶している初期操作量を更新する初期操作量取得部24と、初期操作量に基づき、必要に応じて不具合閾値を補正する閾値補正部25と、特性変化推定部22によって推定された期間を提示する推定期間提示部26とを備えている。
温調計制御機能部1と操作量取得部20と操作量指標算出部21と特性変化推定部22とは上記発明の原理1に対応し、メンテナンス実施信号入力部23と初期操作量取得部24と閾値補正部25とは上記発明の原理2に対応している。
以下、本実施の形態の不具合予知装置の動作を図3を参照して説明する。ここでは、設定値SPを温度設定値、制御量PVを温度計測値とし、図1に示した加熱システムを適用対象とする場合について説明する。この場合、図2の温調計制御機能部1と不具合予知機能部2とは温調計105に実装される。
設定値SPは、オペレータなどによって設定され、設定値入力部10を介して操作量算出部12と初期操作量取得部24とに入力される(図3ステップS1)。
制御量PVは、計測器(図1の例では温度センサ104)によって計測され、制御量入力部11を介して操作量算出部12と初期操作量取得部24とに入力される(図3ステップS2)。
操作量算出部12は、周知のPID制御演算により設定値SPと制御量PVに基づき操作量MVを算出する(図3ステップS3)。
操作量出力部13は、操作量算出部12によって算出された操作量MVを制御対象に出力する(図3ステップS4)。図1の例では、電力調整器106が操作量MVの実際の出力先となる。
次に、操作量取得部20は、操作量算出部12によって算出された操作量MVを取得する。操作量指標算出部21は、操作量取得部20が取得した操作量MVから不具合事象の判断指標となる操作量指標MVXを算出する(図3ステップS5)。操作量指標算出部21は、例えば予め規定された数の操作量MVの平均値MV_Aを操作量指標MVXとして算出する。
MVX=MV_A=(ΣMV)/N ・・・(1)
このとき、予め規定された積算回数Nは、N個の操作量MVの積算に要する積算時間が保温領域100の保温特性の時定数よりも長くなるように設定されている。
また、操作量指標算出部21は、操作量ダンピング値MV_Dを操作量指標MVXとして算出してもよい。
MVX=MV_D=MV/(1+Ts) ・・・(2)
ここで、Tはダンピング時定数、sはラプラス演算子である。ダンピング時定数Tは、保温領域100の保温特性の時定数よりも長くなるように設定されている。なお、本実施の形態では、操作量指標MVXとして特許文献1に開示されたものを採用しているが、別の値を採用してもよい。
特性変化推定部22は、操作量指標MVXが、供給経路102のメンテナンスが必要なレベルの不具合事象と判断する不具合閾値MVTに至るまでの期間TSを推定する(図3ステップS6)。特性変化推定部22は、操作量指標算出部21が算出した現時点(供給経路102の不具合を予知しようとしている時点)での操作量指標MVXと、初期操作量取得部24が過去に取得して記憶している初期操作量MV0と、この初期操作量MV0が得られた時点から現時点までの期間(初期操作量MV0から操作量指標MVXに変化(低下)するまでに要した期間)TXとから、次式により期間TSを算出する。
TS=TX(MVX−MVT)/(MV0−MVX) ・・・(3)
式(3)は、操作量MVの低下幅と操作量MVの低下に要する時間とが比例関係にあるものと仮定したときの式、すなわち以下のような関係に基づく式である。
TX:(MV0−MVX)=TS:(MVX−MV0) ・・・(4)
推定期間提示部26は、特性変化推定部22によって算出された期間TSをオペレータに対して提示(表示)する(図3ステップS7)。オペレータは、提示された期間TSを確認することで、供給経路102のメンテナンスを行なうべきか否かを判断できる。
そして、オペレータは、供給経路102(圧力損失要素107)のメンテナンスが実施された時点で、このメンテナンスにより供給経路102の詰まりが解消されたと見なせることを示すメンテナンス実施信号を入力する。このメンテナンス実施信号は、メンテナンス実施信号入力部23を介して初期操作量取得部24と閾値補正部25とに入力される(図3ステップS8)。
初期操作量取得部24は、メンテナンス実施信号の入力時以降の時点であって(図3ステップS8においてYES)、かつ設定値SPと制御量PVに基づいて、流体の温度制御の整定が検出された時点において(図3ステップS9においてYES)、操作量算出部12から出力されている操作量MVを新たな初期操作量MV0’として、記憶している初期操作量MV0を更新する(図3ステップS10)。
MV0←MV0’ ・・・(5)
なお、整定判定方法については、例えば特開平9−160604号公報などに開示されている。また、計測ノイズなどに対する信頼性を考慮すれば、操作量指標MVXの算出と同様に、操作量MVの平均値あるいはダンピング値を新たな初期操作量MV0’として採用するのが好ましい。
また、以下の不具合閾値補正から明らかなように、本実施の形態では、初期操作量取得部24に初期操作量MV0を予め登録しておく必要がある。例えば加熱システムが起動して温度制御が開始され最初に制御が整定したときに操作量算出部12から出力されている操作量MVを初期操作量MV0として初期操作量取得部24が自動的に取得してもよいし、オペレータが初期操作量MV0を初期操作量取得部24に予め登録するようにしてもよい。
閾値補正部25は、更新後の初期操作量MV0’と更新前の初期操作量MV0に基づき、必要に応じて不具合閾値MVTを次式のように補正する(図3ステップS11)。
MVT←MVT+(MV0’−MV0) ・・・(6)
式(6)によれば、更新前の初期操作量MV0と更新前の不具合閾値MVT間の操作量低下幅と、更新後の初期操作量MV0’と更新後の不具合閾値MVT間の操作量低下幅とが同一に維持されるように、不具合閾値MVTが補正される。なお、更新後の初期操作量MV0’と更新前の初期操作量MV0との差が所定の更新判断閾値未満で、無視できるほどの微小な差である場合には、ステップS10,S11の処理を実行しなくてもよく、更新後の初期操作量MV0’と更新前の初期操作量MV0との差が更新判断閾値以上のときに、ステップS10,S11の処理を実行するようにしてもよい。
特性変化推定部22は、算出した期間TSが所定のメンテナンス閾値未満になったときに(図3ステップS12においてYES)、供給経路102のメンテナンスの必要性を示すアラームを出力する(図3ステップS13)。アラームの出力形態としては、例えばLEDの点灯、メッセージの表示、音声出力等がある。
以上のようなステップS1〜S13の処理が、例えばオペレータからの指令によって不具合予知装置の動作が終了するまで(図3ステップS14においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
なお、図3では、ステップS5〜S7の処理を制御周期毎に実行しているが、制御周期毎でなくてもよく、例えばオペレータの要求に応じてステップS5〜S7の処理を実行し、期間TSを推定するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態では、操作量指標MVXが不具合閾値MVTに至るまでの期間TSを推定することにより、供給経路102の詰まりという特別な不具合事象を予知することができる。
図4(A)、図4(B)は本実施の形態の不具合予知装置の動作例を示す図であり、図4(A)は設定値SP、制御量PVの変化を示す図、図4(B)は操作量MV、初期操作量MV0、不具合閾値MVTの変化を示す図である。図4(A)、図4(B)の例では、時刻t1においてステップS5〜S7の処理を実行し、期間TSを推定している。
その後、時刻t2において加熱システムの動作が止められ、供給経路102のメンテナンスが行われ、メンテナンス終了後の時刻t3において加熱システムが再起動している。そして、オペレータからメンテナンス実施信号が入力され、時刻t4において温度制御の整定が検出されたときに、操作量算出部12から出力されている操作量MVが新たな初期操作量MV0’として登録される。そして、この初期操作量MV0’と更新前の初期操作量MV0との差が不具合閾値MVTに加算されることで、不具合閾値MVTが図4(B)のように補正される。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2に対応する例であり、操作量低下率に着眼した例である。本実施の形態においても、不具合予知装置の構成および処理の流れは第1の実施の形態と同様であるので、図2、図3の符号を用いて説明する。
第1の実施の形態との違いは、閾値補正部25の動作である。本実施の形態の閾値補正部25は、更新後の初期操作量MV0’と更新前の初期操作量MV0との差ではなく、更新後の初期操作量MV0’と更新前の初期操作量MV0との比に基づき、必要に応じて不具合閾値MVTを次式のように補正する(図3ステップS11)。
MVT←MVT(MV0’/MV0) ・・・(7)
式(7)によれば、更新前の初期操作量MV0と更新前の不具合閾値MVT間の操作量低下率と、更新後の初期操作量MV0’と更新後の不具合閾値MVT間の操作量低下率とが同一に維持されるように、不具合閾値MVTが補正される。第1の実施の形態で説明したとおり、更新後の初期操作量MV0’と更新前の初期操作量MV0との差が所定の更新判断閾値未満で、無視できるほどの微小な差である場合には、ステップS10,S11の処理を実行しなくてもかまわない。
こうして、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
第1、第2の実施の形態では、不具合予知装置の適用対象として加熱システムを例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、冷却した流体(空気)を送り先である保冷領域に供給する冷却システムに本発明を適用してもよい。冷却システムに本発明を適用する場合、図1のヒータ103(加熱アクチュエータ)の代わりに、冷却アクチュエータを用いることになる。また、加熱または冷却した給気を送り先である空調領域に供給する空調システムに本発明を適用してもよい。空調システムに本発明を適用する場合、空調機の熱交換器が加熱アクチュエータまたは冷却アクチュエータとなる。
第1、第2の実施の形態で説明した不具合予知装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、流体の供給経路の詰まりという不具合事象を予知する技術に適用することができる。
1…温調計制御機能部、2…不具合予知機能部、10…設定値入力部、11…制御量入力部、12…操作量算出部、13…操作量出力部、20…操作量取得部、21…操作量指標算出部、22…特性変化推定部、23…メンテナンス実施信号入力部、24…初期操作量取得部、25…閾値補正部、26…推定期間提示部、100…保温領域、101…ファン、102…供給経路、103…ヒータ、104…温度センサ、105…温調計、106…電力調整器、107…圧力損失要素。

Claims (12)

  1. 流体の供給経路に圧力損失要素が配置され、この圧力損失要素を通過した流体を加熱アクチュエータで加熱または冷却アクチュエータで冷却して送り先に供給するシステムにおいて、前記供給経路の不具合事象を予知する不具合予知装置であって、
    設定値SPと制御量PVとに基づき操作量MVを算出する操作量算出手段と、
    前記操作量MVを前記加熱アクチュエータまたは前記冷却アクチュエータに出力する操作量出力手段と、
    前記操作量MVから前記供給経路の不具合事象の判断指標となる操作量指標を算出する操作量指標算出手段と、
    前記操作量指標が、前記供給経路のメンテナンスが必要なレベルの不具合事象と判断する不具合閾値に至るまでの期間を推定する特性変化推定手段と
    前記供給経路のメンテナンスにより不具合事象が解消されたと見なせることを示すメンテナンス実施信号を入力するメンテナンス実施信号入力手段と、
    前記不具合事象が解消された時点の操作量を新たな初期操作量として、予め記憶している初期操作量を更新する初期操作量取得手段と、
    前記初期操作量に基づき、必要に応じて前記不具合閾値を補正する閾値補正手段とを備えることを特徴とする不具合予知装置。
  2. 請求項1記載の不具合予知装置において、
    さらに、前記特性変化推定手段によって推定された期間を提示する推定期間提示手段を備えることを特徴とする不具合予知装置。
  3. 請求項1または2記載の不具合予知装置において、
    前記特性変化推定手段は、推定した期間が所定のメンテナンス閾値未満になったときに、前記供給経路のメンテナンスの必要性を示すアラームを出力することを特徴とする不具合予知装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の不具合予知装置において、
    前記閾値補正手段は、前記供給経路の詰まりによって前記操作量指標が低下する場合に、更新前の初期操作量と更新前の不具合閾値間の操作量低下幅と、更新後の初期操作量と更新後の不具合閾値間の操作量低下幅とが同一に維持されるように、前記不具合閾値を補正することを特徴とする不具合予知装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の不具合予知装置において、
    前記閾値補正手段は、前記供給経路の詰まりによって前記操作量指標が低下する場合に、更新前の初期操作量と更新前の不具合閾値間の操作量低下率と、更新後の初期操作量と更新後の不具合閾値間の操作量低下率とが同一に維持されるように、前記不具合閾値を補正することを特徴とする不具合予知装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不具合予知装置において、
    前記流体は空気であり、前記圧力損失要素は偏流低減用の整流器、空気湿度調整の加湿器/除湿器、あるいは空気清浄用のフィルタであり、前記不具合事象は前記圧力損失要素で発生する詰まりであることを特徴とする不具合予知装置。
  7. 流体の供給経路に圧力損失要素が配置され、この圧力損失要素を通過した流体を加熱アクチュエータで加熱または冷却アクチュエータで冷却して送り先に供給するシステムにおいて、前記供給経路の不具合事象を予知する不具合予知方法であって、
    設定値SPと制御量PVとに基づき操作量MVを算出する操作量算出ステップと、
    前記操作量MVを前記加熱アクチュエータまたは前記冷却アクチュエータに出力する操作量出力ステップと、
    前記操作量MVから前記供給経路の不具合事象の判断指標となる操作量指標を算出する操作量指標算出ステップと、
    前記操作量指標が、前記供給経路のメンテナンスが必要なレベルの不具合事象と判断する不具合閾値に至るまでの期間を推定する特性変化推定ステップと
    前記供給経路のメンテナンスにより不具合事象が解消されたと見なせることを示すメンテナンス実施信号を入力するメンテナンス実施信号入力ステップと、
    前記不具合事象が解消された時点の操作量を新たな初期操作量として、予め記憶している初期操作量を更新する初期操作量取得ステップと、
    前記初期操作量に基づき、必要に応じて前記不具合閾値を補正する閾値補正ステップとを含むことを特徴とする不具合予知方法。
  8. 請求項記載の不具合予知方法において、
    さらに、前記特性変化推定ステップで推定した期間を提示する推定期間提示ステップを含むことを特徴とする不具合予知方法。
  9. 請求項または記載の不具合予知方法において、
    さらに、前記推定した期間が所定のメンテナンス閾値未満になったときに、前記供給経路のメンテナンスの必要性を示すアラームを出力するアラーム出力ステップを含むことを特徴とする不具合予知方法。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の不具合予知方法において、
    前記閾値補正ステップは、前記供給経路の詰まりによって前記操作量指標が低下する場合に、更新前の初期操作量と更新前の不具合閾値間の操作量低下幅と、更新後の初期操作量と更新後の不具合閾値間の操作量低下幅とが同一に維持されるように、前記不具合閾値を補正することを特徴とする不具合予知方法。
  11. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の不具合予知方法において、
    前記閾値補正ステップは、前記供給経路の詰まりによって前記操作量指標が低下する場合に、更新前の初期操作量と更新前の不具合閾値間の操作量低下率と、更新後の初期操作量と更新後の不具合閾値間の操作量低下率とが同一に維持されるように、前記不具合閾値を補正することを特徴とする不具合予知方法。
  12. 請求項乃至11のいずれか1項に記載の不具合予知方法において、
    前記流体は空気であり、前記圧力損失要素は偏流低減用の整流器、空気湿度調整の加湿器/除湿器、あるいは空気清浄用のフィルタであり、前記不具合事象は前記圧力損失要素で発生する詰まりであることを特徴とする不具合予知方法。
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