JP4440898B2 - 状態判定装置および状態判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、温度や圧力などのプロセス量に対する制御系の状態を、制御量の計測値と制御対象のモデルによる制御量の予測値との誤差に基づいて判定する状態判定装置および状態判定方法に関するものである。
従来、制御系の状態を判定する技術として、温度制御ループ内の実際の温度計測値とモデルを用いて予測した温度予測値とに基づいて、熱処理の異常を検知する熱処理異常検知方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この熱処理異常検知方法では、温度計測値と温度予測値との差を2乗するかあるいは差の絶対値をとることにより差の極性を無くして、この極性を無くした差(誤差)を計測周期毎に時系列で累積し、累積した値と予め設定された閾値とを比較することにより、熱処理の異常を検知する。
また、特許文献2に開示されたモデル予測制御方法では、温度や圧力などのプロセス量の計測値とモデルによる予測値とを比較して、それらの差に基づき操作量を決定する。このようなモデル予測制御方法をプラント制御などに適用する場合、操作や状態量の制約を評価しながら操作量を決定するのが一般的である。したがって、予め異常な状態を特定し、特定した状態に基づいて制約条件を与えるようにすれば、実質的に異常状態の予測的検知と修正動作とを実現することができる。なお、計測値とモデルによる予測値とを比較する際に2次の評価関数を用いる場合があり、このような2次の評価関数を使用すれば、正の値の誤差と負の値の誤差が相殺されて誤差が無いように計算されてしまうことを回避することができる。
特開2004−258975号公報 特開平7−168607号公報
特許文献1に開示された熱処理異常検知方法では、時系列で見た場合に均等な重みで誤差を累積している。つまり、仮にステップ応答時のオーバーシュート現象を異常判定のキーポイントとする場合であっても、オーバーシュート発生前後の誤差とオーバーシュート発生時の誤差とを同じ重みで累積することになる。したがって、肝心のオーバーシュート発生時の挙動については計測値と予測値に大きな差が無い場合、すなわちオペレータにとっては問題無しと判定するような場合でも、オーバーシュート前後の挙動について計測値と予測値に大きな差があれば、この大きな誤差が累積されて誤差の累積値が閾値を超え、異常と判定されることもあり得る。このような判定結果は、オペレータにとっては違和感のある判定であり、実質的には誤判定である。
また、特許文献2などに開示されたモデル予測制御方法においても、誤差を時系列でみた場合は、誤差の重みは時間経過と無関係に均等な扱いになる。したがって、特許文献1に開示された熱処理異常検知方法と同様に、特に重要な挙動とさほど重要でない挙動とが同じ重みで評価関数に取り込まれることになり、オペレータにとっては違和感のある制御になってしまう。実質的には、制御のための操作量を決定する前段階において、状態判定に誤判定が発生しているものと言える。
以上のように、モデルを利用する従来の制御状態判定方法では、制御系の状態判定に誤判定が発生する可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、モデルを利用する制御状態判定方法において、誤判定が発生する確率を低くすることができる状態判定装置および状態判定方法を提供することを目的とする。さらに厳密に言えば、制御量の計測値とモデルによる予測値とを比較する状態判定方法において、着目すべき挙動に対する評価が、着目する必要のない挙動の差異によって影響を受けることを軽減できる状態判定装置および状態判定方法を提供する。特にヒータによる温度制御系の場合、温度上昇時と温度下降時では、温度上昇時の誤差を重視すべきケースが多く、そのようなケースに対して従来よりも適切に適用できる状態判定装置および状態判定方法を提供する。
本発明は、操作量を算出して制御対象に出力する制御演算部と前記制御対象とからなる制御系の状態を、制御量の計測値と前記制御対象のモデルによる予測値との誤差に基づいて判定する状態判定装置であって、前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算部と、前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出部と、前記誤差に与える重みを出力する重み変更部と、前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算部と、この加重誤差積算部の積算処理結果に基づいて前記制御系の状態を判定する状態判定部とを備え、前記重み変更部は、前記制御量の予測値の上昇を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が上昇したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくするものである。
また、本発明の状態判定装置は、前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算部と、前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出部と、前記誤差に与える重みを出力する重み変更部と、前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算部と、この加重誤差積算部の積算処理結果に基づいて前記制御系の状態を判定する状態判定部とを備え、前記重み変更部は、前記制御量の予測値の下降を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が下降したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくするものである。
また、本発明の状態判定方法は、前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算手順と、前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出手順と、前記誤差に与える重みを出力する重み変更手順と、前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算手順とを繰り返し実行し、前記重み変更手順は、前記制御量の予測値の上昇を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が上昇したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくするようにしたものである。
また、本発明の状態判定方法は、前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算手順と、前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出手順と、前記誤差に与える重みを出力する重み変更手順と、前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算手順とを繰り返し実行し、前記重み変更手順は、前記制御量の予測値の下降を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が下降したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくするようにしたものである。
本発明によれば、制御量の計測値と予測値との誤差に与える重みを、制御系の状態判定にとって着目すべき挙動が制御量の予測値に発生しているとき又は発生が予想されているときに大きくなるように変更することにより、着目すべき挙動に対する評価が、着目する必要のない挙動の差異によって影響を受けることを軽減することができる。したがって、このように重みを変更しつつ誤差と重みの乗算結果を積算処理して、積算処理結果に基づいて制御系の状態を判定すれば、誤判定が発生する確率を低減することができる。
また、本発明では、経過時間計測部が計測した制御の経過時間に応じて、着目すべき挙動が制御量の予測値に発生すると予想される経過時間のときの重みをその他の経過時間のときの重みよりも大きくすることにより、例えば制御応答にオーバーシュートが発生する時間を予め見積もっておけば、オーバーシュートに着目した制御系の状態判定を実現することができる。
また、本発明では、制御量の予測値の変化に応じて重みを変更することにより、制御量の予測値の変化に着目した制御系の状態判定を実現することができる。制御量の予測値が上昇したときの重みをその他のときの重みよりも大きくすれば、ヒータによる温度制御のように制御量の上昇時の誤差を重視すべき場合に好適な状態判定を実現でき、制御量の予測値が下降したときの重みをその他のときの重みよりも大きくすれば、冷却機による温度制御のように制御量の下降時の誤差を重視すべき場合に好適な状態判定を実現することができる。
[発明の原理]
本発明は、モデルを利用する制御状態判定において、計測値とモデルによる予測値との誤差に時系列で変化する重みを与える。本発明では、着目すべき重要な挙動を予め特定し、その挙動が発生しているときの重みを大きくして誤差を積算することにより、着目する必要のない時点で累積される誤差による影響を軽減する。あるいは、重みをゼロにする時間帯を設けることにより、着目する必要のない時点で累積される誤差による影響を軽減する。
以下、本発明の特徴的構成である、着目すべき重要な挙動が発生しているときの重みを大きくして誤差を積算する積算方法の例を示す。
このような積算方法として、例えば制御量PVを上昇させる方向のステップ応答時のオーバーシュートを重視する場合に、ステップ応答開始後からオーバーシュートが発生する頃までの経過時間を予め見積り、この経過時間に基づいて時系列で重みを変化させていくパターンを予め設定しておく方法がある。
また、他の積算方法として、ステップ応答開始後に制御量PVが設定値SPを超えた時点から特定の経過時間だけ時系列で重みを大きく変化させていく方法がある。ステップ応答時の挙動が制御系の状態判定に有効なケースが多いので、ステップ応答開始時点を経過時間計測の起点にするのは合理的で有効である。
また、例えばヒータによる温度制御の場合、温度上昇させることが制御系の主目的になるので、温度上昇時と温度下降時では温度上昇時の誤差に対する重みの方が大きくなるケースが多い。さらに、センサ位置やヒータ位置次第で、温度上昇時と温度下降時では、制御対象を伝達関数表現した場合の次数などが微妙に異なる場合があり、このような場合には温度上昇時の挙動が優先的に高精度にモデル化されるので、温度下降時の誤差に対する重みを小さくするのが妥当になる。よって、単純に温度上昇時の重みを大きくし、温度下降時の重みを小さくする積算方法も有効である。
逆に、例えば冷却機による温度制御の場合、温度下降させることが制御系の主目的になるので、温度上昇時と温度下降時では温度下降時の誤差に対する重みの方が大きくなるケースが多い。さらに、センサ位置や冷却機位置次第で、温度上昇時と温度下降時では、制御対象を伝達関数表現した場合の次数などが微妙に異なる場合があり、このような場合には温度下降時の挙動が優先的に高精度にモデル化されるので、温度上昇時の誤差に対する重みを小さくするのが妥当になる。よって、単純に温度下降時の重みを大きくし、温度上昇時の重みを小さくする積算方法も有効である。
なお、温度上昇時や温度下降時のように制御量PVの上昇、下降を判断する場合は、計測値を利用するのではなく、モデルによる予測値を利用するのが好ましい。計測値には計測ノイズによる上下動が加わる場合が多く、制御量PVの上昇、下降の判断が安定しない場合があるからである。
参考例
以下、本発明の参考例について図面を参照して説明する。図1は本発明の参考例に係る状態判定装置の構成を示すブロック図である。本参考例の状態判定装置は、設定値SPと制御量PVの計測値との偏差が零になるように操作量MVを算出する制御演算部(PIDコントローラ)1と、操作量MVを制御対象に出力する操作量出力部2と、操作量MVを入力し制御量PVの予測値PVpを算出するモデル演算部3と、制御量PVの計測値PVmを入力する制御量入力部4と、制御量PVの計測値PVmと予測値PVpとの誤差Epmを算出する誤差算出部5と、特定の時点を起点として制御の経過時間を計測する経過時間計測部6と、経過時間に対応して誤差Epmに与える重みWpmを時系列で変更していく重み変更部7と、誤差Epmに重みWpmをかけて積算処理する加重誤差積算部8と、加重誤差積算部8の積算処理結果Egに基づいて制御系の状態を判定する状態判定部9とを備えている。
次に、本参考例の状態判定装置の動作を図2を用いて説明する。制御演算部1は、設定値SPと1制御周期前の制御量PVの計測値PVm’に基づき次式の伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MVを算出し、この操作量MVを操作量出力部2とモデル演算部3とに出力する(ステップS100)。
MV=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PVm’)
・・・(1)
Pbは比例帯、Tiは積分時間、Tdは微分時間、sはラプラス演算子である。設定値SPは例えばオペレータによって設定された値であり、計測値PVm’は後述する制御量入力部4によって1制御周期前に入力された値である。
操作量出力部2は、制御演算部1によって算出された操作量MVを制御対象に出力する(ステップS101)。制御演算部1と操作量出力部2と制御対象とからなる制御系のブロック線図を図3に示す。
次に、モデル演算部3は、予め設定された制御対象の伝達関数モデルGpと制御演算部1によって算出された操作量MVに基づいて、次式のように制御量PVの予測値PVpを算出して誤差算出部5に出力する(ステップS102)。
PVp=GpMV
=Kpexp(−Lps)/{(1+Tp1s)(1+Tp2s)}MV
・・・(2)
Kp,Lp,Tp1,Tp2は制御対象のモデルパラメータであり、Kpはゲイン、Lpはむだ時間、Tp1,Tp2は2次遅れ時定数である。
制御量入力部4は、図示しない計測手段であるセンサによって検出された制御量PVの計測値PVmを受け取って、この計測値PVmを制御演算部1と誤差算出部5とに出力する(ステップS103)。
誤差算出部5は、次式のように制御量PVの計測値PVmと予測値PVpとの絶対値誤差Epmを算出して加重誤差積算部8に出力する(ステップS104)。
Epm=|PVm−PVp| ・・・(3)
加重誤差積算部8は、誤差算出部5によって算出された誤差Epmに重み変更部7から出力された重みWpmを乗算して、この乗算結果を次式のように積算する(ステップS105)。
Eg=Σ(WpmEpm) ・・・(4)
このとき、重み変更部7は、経過時間計測部6が計測した制御の経過時間に応じて重みWpmを変更する。重みWpmの変更パターンの例を図4に示す。ここでは、経過時間計測の起点となる特定の時点を設定値SPが変更された時点とする。つまり、経過時間計測部6は、設定値SPの変更を検出したときに経過時間計測を開始する。
重み変更部7には、特定の時点からの経過時間と重みWpmとの関係が例えば数式やテーブルの形式で予め登録されている。このような重み変更部7の登録を行うには、設定値SPの変更時から制御量PVが設定値SPに到達する頃までの経過時間を予め見積り、制御系の状態判定にとって着目すべき重要な挙動が制御量PVm,PVpに発生すると予想される経過時間のときの重みWpmがその他の経過時間のときの重みWpmよりも大きくなるように、重みWpmを経過時間毎に決定して重み変更部7に設定すればよい。
図4の例では、制御系の状態判定にとって重要な挙動としてオーバーシュートに着目しており、制御量PVm,PVpにオーバーシュートが発生すると予想される経過時間t1〜t2の間の重みWpmを経過時間0〜t1,t2〜t3の場合よりも大きくしている。こうして、重み変更部7は、経過時間計測部6が計測した制御の経過時間に応じた値の重みWpmを出力する。
状態判定部9は、特定の時点から予め規定された時間(図4のt3)が経過したか否かを判定する(ステップS106)。規定された時間が経過していない場合は、ステップS100〜S106の処理が制御周期毎に繰り返し実行される。そして、状態判定部9は、規定された時間が経過したと判定した場合(ステップS106においてYes)、加重誤差積算部8の積算処理結果Egを予め設定された閾値Exと比較して、制御系の状態を判定する(ステップS107)。状態判定部9は、積算処理結果Egが閾値Exを超えていない場合は制御系の状態を正常と判定し、積算処理結果Egが閾値Exを超えている場合は異常と判定する。
以上のように、本参考例では、制御系の状態判定にとって着目すべき挙動が制御量PVの予測値PVpに発生すると予想される経過時間のときの重みWpmをその他の経過時間のときの重みWpmよりも大きくすることにより、着目する必要のない時点で累積される誤差による影響を軽減することができるので、制御系の状態判定に誤判定が発生する確率を低減することができる。
第1の実施の形態
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。図5は本発明の第1の実施の形態に係る状態判定装置の構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、ヒータによる温度制御のように、制御量PVの上昇時を重視する場合に適用するのが好ましい。
本実施の形態の状態判定装置は、制御演算部1と、操作量出力部2と、モデル演算部3aと、制御量入力部4と、誤差算出部5と、経過時間計測部6aと、制御量PVの予測値PVpの変化に応じて重みWpmを変更する重み変更部7aと、加重誤差積算部8aと、状態判定部9とを備えている。
次に、本実施の形態の状態判定装置の動作を図6を用いて説明する。図6のステップS200における制御演算部1の動作は参考例で説明したステップS100の動作と同じであり。ステップS201における操作量出力部2の動作はステップS101の動作と同じである。
モデル演算部3aは、参考例のモデル演算部3と同様に制御量PVの予測値PVpを算出するが、この予測値PVpを誤差算出部5だけでなく、重み変更部7aにも出力する(ステップS202)。
ステップS203における制御量入力部4の動作はステップS103の動作と同じであり、ステップS204における誤差算出部5の動作はステップS104の動作と同じである。
加重誤差積算部8aは、誤差算出部5によって算出された誤差Epmに重み変更部7aから出力された重みWpmを乗算して、この乗算結果を式(4)のように積算する(ステップS205)。加重誤差積算部8aの動作は参考例の加重誤差積算部8と同様であるが、経過時間計測部6aと重み変更部7aの動作が異なるので、参考例との違いについて説明する。
経過時間計測部6aは、経過時間計測部6と同様に特定の時点を起点として制御の経過時間を計測するが、計測した経過時間を状態判定部9のみに通知する。
重み変更部7aは、モデル演算部3aによって算出された制御量PVの予測値PVpの変化に応じて重みWpmを変更する。重み変更部7aには、予測値PVpの変化量あるいは変化の極性と重みWpmとの関係が例えば数式やテーブルの形式で予め登録されている。
前述のとおり、本実施の形態は、例えばヒータによる温度制御のように制御量PVの上昇が制御系の主目的になる場合に適用することを想定しており、制御系の状態判定にとって重要な挙動として制御量PVの上昇時の挙動に着目している。このため、制御量PVの上昇時に重みWpmが大きくなるように重み変更部7aを設定する。すなわち、制御量PVの予測値PVpが過去の値に比べて上昇した場合は重みWpmの値がWpm_1となり、予測値PVpが過去の値に比べて下降した場合は重みWpmの値がWpm_1よりも小さいWpm_2となり、予測値PVpが変化していない場合は重みWpmの値がWpm_1とWpm_2との平均値となるように、重みWpmを決定して重み変更部7aに登録しておく。こうして、重み変更部7aは、制御量PVの予測値PVpの変化に応じた値の重みWpmを出力する。
なお、重み変更部7aは、例えば現在の制御周期で算出された予測値PVpと1制御周期前に算出された予測値PVpとの差の絶対値を求めて、差の絶対値が所定の閾値を超える場合は、予測値PVpが変化したと判定すればよい。
ステップS206,S207における状態判定部9の動作は、ステップS106,S107の動作と同じである。特定の時点から予め規定された時間が経過していない場合は、ステップS200〜S206の処理が制御周期毎に繰り返し実行されることは言うまでもない。
こうして、本実施の形態では、参考例と同様に、誤判定が発生する確率を低減することができる。また、本実施の形態では、制御量PVの予測値PVpが上昇したときの重みWpmをその他のときの重みWpmよりも大きくすることにより、制御量PVの上昇時の誤差を重視すべき場合に好適な状態判定を実現することができる。
第2の実施の形態
第1の実施の形態では、ヒータによる温度制御のように制御量PVの上昇が制御系の主目的になる場合に適用することを想定していたが、例えば冷却機による温度制御のように制御量PVの下降が制御系の主目的になる場合に第1の実施の形態の状態判定装置を適用することも可能である。この場合は、制御系の状態判定にとって重要な挙動として制御量PVの下降時の挙動に着目し、制御量PVの下降時に重みWpmが大きくなるように重み変更部7aを設定すればよい。すなわち、制御量PVの予測値PVpが過去の値に比べて下降した場合は重みWpmの値がWpm_3となり、予測値PVpが過去の値に比べて上昇した場合は重みWpmの値がWpm_3よりも小さいWpm_4となり、予測値PVpが変化していない場合は重みWpmの値がWpm_3とWpm_4との平均値となるように、重みWpmを決定して重み変更部7aに登録しておけばよい。
なお、参考例および第1、第2の実施の形態で説明した状態判定装置は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って参考例および第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、温度や圧力などのプロセス量に対する制御系に適用することができる。
本発明の参考例に係る状態判定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の参考例に係る状態判定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の参考例における制御演算部と操作量出力部と制御対象とからなる制御系のブロック線図である。 本発明の参考例における重みの変更パターンの例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る状態判定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る状態判定装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1…制御演算部、2…操作量出力部、3,3a…モデル演算部、4…制御量入力部、5…誤差算出部、6,6a…経過時間計測部、7,7a…重み変更部、8,8a…加重誤差積算部、9…状態判定部。

Claims (4)

  1. 操作量を算出して制御対象に出力する制御演算部と前記制御対象とからなる制御系の状態を、制御量の計測値と前記制御対象のモデルによる予測値との誤差に基づいて判定する状態判定装置であって、
    前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算部と、
    前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出部と、
    前記誤差に与える重みを出力する重み変更部と、
    前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算部と、
    この加重誤差積算部の積算処理結果に基づいて前記制御系の状態を判定する状態判定部とを備え、
    前記重み変更部は、前記制御量の予測値の上昇を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が上昇したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくすることを特徴とする状態判定装置。
  2. 操作量を算出して制御対象に出力する制御演算部と前記制御対象とからなる制御系の状態を、制御量の計測値と前記制御対象のモデルによる予測値との誤差に基づいて判定する状態判定装置であって、
    前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算部と、
    前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出部と、
    前記誤差に与える重みを出力する重み変更部と、
    前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算部と、
    この加重誤差積算部の積算処理結果に基づいて前記制御系の状態を判定する状態判定部とを備え、
    前記重み変更部は、前記制御量の予測値の下降を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が下降したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくすることを特徴とする状態判定装置。
  3. 操作量を算出して制御対象に出力する制御演算部と前記制御対象とからなる制御系の状態を、制御量の計測値と前記制御対象のモデルによる予測値との誤差に基づいて判定する状態判定方法であって、
    前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算手順と、
    前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出手順と、
    前記誤差に与える重みを出力する重み変更手順と、
    前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算手順とを繰り返し実行し、
    前記重み変更手順は、前記制御量の予測値の上昇を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が上昇したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくすることを特徴とする状態判定方法。
  4. 操作量を算出して制御対象に出力する制御演算部と前記制御対象とからなる制御系の状態を、制御量の計測値と前記制御対象のモデルによる予測値との誤差に基づいて判定する状態判定方法であって、
    前記操作量を前記制御対象のモデルに入力して制御量の予測値を算出するモデル演算手順と、
    前記操作量の出力後に計測された制御量の計測値と前記予測値との誤差を算出する誤差算出手順と、
    前記誤差に与える重みを出力する重み変更手順と、
    前記誤差に前記重みを乗算して、この乗算結果を積算処理する加重誤差積算手順とを繰り返し実行し、
    前記重み変更手順は、前記制御量の予測値の下降を、前記制御系の状態判定にとって着目すべき挙動とし、前記制御量の予測値が下降したときの前記重みをその他のときの前記重みよりも大きくすることを特徴とする状態判定方法。
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