JP6222234B2 - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ファジイ制御装置及びファジイ制御方法に係り、特に、制御ゲインを自動調整するファジイ制御装置及びファジイ制御方法に関する。
PID制御における制御応答は、場合によってどうしてもオーバーシュートを抑えられない場合がある。例えば、制御対象によっては断熱性の高いものや干渉があるものなどがある。そのため、PID定数を動的に変更したり、フィードフォワード制御を行うなどの対策をとる必要がある。
一方、応答を測定しながら制御ゲインを自動調整するために、ファジイ推論を応用するコントローラがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−281710号公報
特許文献1に記載の技術では、目標値SVと制御対象からの測定値PVとの偏差からPID制御演算部でPID演算して操作量MVを制御対象へ出力する。制御対象から出力させたい理想的な応答モデルに基づく「偏差」と「偏差の変化速度」に関する各メンバーシップ関数をメンバーシップ関数記憶部に記憶する。目標値SVと測定値PVとの偏差の変化速度を速度演算部で演算する。ファジイ推論部において「偏差」と「偏差の変化速度」を規格化し、各メンバーシップ関数に基づいてファジイ推論する。制御演算部では推論結果によって制御ゲインを修正する。したがって、制御ゲインは制御応答波形の観測結果より動的に変更され、理想的な応答モデルに近づけるように制御される。
この技術では、制御動作においてファジイ推論処理が行われる。ファジイ推論処理は推論周期毎に処理が実行され、測定されたパラメータをもとにファジイ推論を実行し、フィードバックゲインを求める。このフィードバックゲインにより積分動作の修正を行うことで、測定値PVのオーバーシュートを抑制する。
しかしながら、ゲイン抑制が効き過ぎると、応答速度が遅くなる。図12にゲイン抑制が効きすぎた例を示す。図12の左側の図では、太線で示す測定値の変化が一旦なだらかになり、その後測定値の変化が増えている。細線で示す偏差の変化速度は、値が小さくなっていった後に一旦上昇し、波形に谷と山を作る。図12の右側の図は横軸に偏差、縦軸に偏差の変化速度を取ったものである。偏差及び偏差の変化速度は安定点である原点に向かうように制御される。偏差の変化速度の波形は、偏差が残っているにも関わらず小さくなり、その後上昇し、波形に谷と山を作る。例えば図の例では、偏差が0.4から0.2へ推移する過程では、偏差と偏差の変化速度の双方が安定点(原点)に向かっていない。このような現象を本明細書では応答の息継ぎと呼ぶことにする。
本発明は、以上の点に鑑み、制御ゲインを修正しながら制御を行うシステムにおいて、上述のような応答の息継ぎを防止する制御装置及び制御方法を提供することを目的のひとつとする。また、本発明は、制御応答の応答速度が遅くなることを防止し、かつ、制御応答のオーバーシュートを抑えることを目的のひとつとする。
本発明の第1の解決手段によると、
制御対象からの測定値と目標値との偏差を求める減算部と、
少なくとも偏差に基づくパラメータに、調整されるゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である変化速度を求める速度測定部と、
偏差と偏差の変化速度に基づきゲインを調整するためのフィードバックゲインを求めるフィードバックゲイン算出部と、
フィードバックゲイン算出部で求められたフィードバックゲインを修正するか否かを予め定められた所定の条件に基づき判断して、該条件を満たす場合に該フィードバックゲインを修正して制御演算部に出力するフィードバックゲイン修正部と
を備え、
フィードバックゲイン修正部は、
偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の予測値を求め、
該偏差の変化速度の予測値が所定の条件を満たす場合にフィードバックゲイン算出部で求められたフィードバックゲインを修正する制御装置が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
制御対象からの測定値と目標値との偏差を求める減算部と、
少なくとも偏差に基づくパラメータに、調整されるゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である変化速度を求める速度測定部と、
偏差と偏差の変化速度に基づきゲインを調整するためのフィードバックゲインを求めるフィードバックゲイン算出部と、
フィードバックゲイン算出部で求められたフィードバックゲインを修正するか否かを予め定められた所定の条件に基づき判断して、該条件を満たす場合に該フィードバックゲインを修正して制御演算部に出力するフィードバックゲイン修正部と
を備え、
フィードバックゲイン修正部は、
偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の第1予測値を求め、
偏差と、偏差の加速度に基づき、偏差の加速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度の変化分を求め、求められた偏差の加速度の変化分に基づき、偏差が0のときの偏差の加速度の予測値を求め、
偏差と、偏差の変化速度の第1予測値と、偏差の加速度の予測値から、偏差が0のときの偏差の変化速度の第2予測値を求め、
該偏差の変化速度の第2予測値が所定の条件を満たす場合にフィードバックゲイン算出部で求められたフィードバックゲインを修正する制御装置が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
制御対象からの測定値と目標値との偏差を求めるステップと、
制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である偏差の変化速度を求めるステップと、
偏差と偏差の変化速度に基づきゲインを調整するためのフィードバックゲインを求めるステップと、
偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の予測値を求めるステップと、
該偏差の変化速度の予測値が所定の条件を満たす場合に、求められたフィードバックゲインを修正するステップと、
少なくとも偏差に基づくパラメータに、フィードバックゲインに従い調整されるゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求めるステップと
を含む制御方法が提供される。
本発明の第4の解決手段によると、
制御対象からの測定値と目標値との偏差を求めるステップと、
制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である偏差の変化速度を求めるステップと、
偏差と偏差の変化速度に基づきゲインを調整するためのフィードバックゲインを求めるステップと、
偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の第1予測値を求めるステップと、
偏差と、偏差の加速度に基づき、偏差の加速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度の変化分を求め、求められた偏差の加速度の変化分に基づき、偏差が0のときの偏差の加速度の予測値を求めるステップと、
偏差と、偏差の変化速度の第1予測値と、偏差の加速度の予測値から、偏差が0のときの偏差の変化速度の第2予測値を求めるステップと、
該偏差の変化速度の第2予測値が所定の条件を満たす場合に、求められたフィードバックゲインを修正するステップと、
少なくとも偏差に基づくパラメータに、フィードバックゲインに従い調整されるゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求めるステップと
を含む制御方法が提供される。
本発明によると、制御ゲインを修正しながら制御を行うシステムにおいて、上述のような応答の息継ぎを防止する制御装置及び制御方法を提供できる。また、本発明によると、制御応答の応答速度が遅くなることを防止し、かつ、制御応答のオーバーシュートを抑えることができる。
第1の実施の形態のファジイ制御装置の概略ブロック図である。 抑制フィードバックゲイン調整の説明図である。 抑制フィードバックゲインの修正処理のフローチャートである。 応答波形と、偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値の関係を示す説明図である。 本実施の形態におけるファジイ制御装置により抑制フィードバックゲインを修正した場合のシミュレーション結果である。 第2の実施の形態のファジイ制御装置の概略ブロック図である。 偏差の変化速度の説明図である。 本実施の形態の推論周期決定の説明図である。 従来の手法による推論周期と偏差の変化速度の関係を示す図である。 本実施の形態の制御シミュレーション結果を示す。 本実施の形態の制御シミュレーション結果を示す。 ゲイン抑制が効きすぎた場合の説明図である
1.第1の実施の形態
1−1.装置構成
図1は、本実施の形態のファジイ制御装置の概略ブロック図である。
ファジイ制御装置は、例えば、減算部1と、制御演算部5と、速度測定部7と、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9と、応答モデル記憶部11と、メンバーシップ関数記憶部13と、周期カウンタ15と、フィードバックゲイン修正部19とを備える。本ファジイ制御装置は、制御対象3からの測定値PVと目標値SVに基づき制御対象3を制御する。なお、ファジイ制御装置は、必ずしもファジイ制御を行うものでなくてもよく、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9は、ファジイ推論でない方法でフィードバックゲインを算出するだけでもよい。
減算部1は、制御対象3からの測定値PVを目標値SVから減算した偏差eを出力する。
制御演算部5は偏差eを入力して例えばPID演算を行う機能や、測定値PVを直接入力して微分演算する機能を有する。制御演算部5はそれらの演算によって得られる操作量MVを制御対象3へ出力して制御対象3を制御する。また、制御演算部5は、フィードバックゲイン修正部19からのフィードバックゲインに基づきPID係数やPID演算結果等を修正し、制御対象3に対してより適切な操作量MVを出力する修正機能も有する。例えば、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9からの指示がフィードバックゲイン修正部19で修正されて制御演算部5に入力される。ファジイ推論部9から指示されるのは例えばPID制御等のゲインの低減率である。この他にも適宜の係数、演算結果を修正してもよい。このように制御演算部5での制御応答波形の観測結果より動的に変更され、理想的な応答モデルに近づけるように制御される。
なお、本実施の形態において、PID制御等の制御演算部5におけるゲインを制御ゲイン、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9から出力される、制御ゲインを調整するためのフィードバックゲインを抑制フィードバックゲイン、ファジイ推論部9からの抑制フィードバックゲインがフィードバックゲイン修正部19で修正されたものを、修正された抑制フィードバックゲイン又は修正フィードバックゲインと称する場合がある。
制御演算部5は、PIDの各演算を必ずしも有していなくてもよく、PD演算(比例+微分)、PI演算(比例+積分)等でもよい。また、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9からの出力は、制御ゲインを抑制する方向に調整するだけでなく、制御ゲインをプラス・マイナスの両方向に調整するフィードバックゲインでもよい。
応答モデル記憶部11は、制御対象3から出力させたい目的とする各種の理想的な応答特性波形を応答モデル(規範モデル)として少なくとも1つ記憶するもので、メンバーシップ関数記憶部13に接続されている。
応答モデルとしては、例えば、むだ時間+1次遅れ、2次遅れ、3次遅れ、その他高次遅れ等を加味して制御対象3の特性に合わせた応答特性波形、目標値SVに対してオーバーシュートの発生を抑えた応答特性波形、オーバーシュートが多少あっても即応性が良好な応答特性波形、それらの中間的な応答特性波形、更に、ベッセル、ITAE最小、バタワース又は2項等の各種波形を組み合わせた応答特性波形等があり、制御対象3に対応してそれら応答モデルが応答モデル記憶部11に1個以上記憶されている。
応答モデル記憶部11は、各応答モデルに対応した偏差とこの変化速度について各メンバーシップ関数を1組として作成記憶するとともに、これをメンバーシップ関数記憶部13へ出力する機能を有している。これら偏差とこの変化速度の各メンバーシップ関数は、Z(ZERO:ゼロ)、S(SMALL:スモール、小さい)、M(MEDIUM:ミディアム、中くらい)、B(BIG:ビッグ、大きい)と言った同数のラベルを有する。
メンバーシップ関数記憶部13は、応答モデル記憶部11で作成した各メンバーシップ関数を1組以上記憶するとともに、使用者が外部から選択指示した1組のメンバーシップ関数をファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9へ出力する機能を有している。
周期カウンタ15は、ファジイ推論を行う周期を管理する。周期カウンタ15は、例えば、推論周期毎に偏差eを速度測定部7とファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9に出力する。また、周期カウンタは偏差eをフィードバックゲイン修正部19に出力する。なお、周期カウンタ15は、図示の構成以外にも、ファジイ推論処理が設定された推論周期で行われるような適宜の形態でもよい。例えば、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9や速度測定部7に処理を開始するためのトリガを与えるようにしてもよい。また、推論周期は予め設定されてもよいし、適宜変更されてもよい。
速度測定部7は偏差eを入力し、過去(例えば前回)および今回の偏差eから偏差の変化速度edotを演算する。速度測定部7は偏差の変化速度をファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9とフィードバックゲイン修正部19に出力する。
ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9は、減算部1からの偏差e(周期カウンタ15を介して入力されてもよい)および速度測定部7からの偏差の変化速度をサンプリングして規格化し、メンバーシップ関数記憶部13に記憶されているメンバーシップ関数を使用して所定のファジイ推論ルール群に基づきファジイ推論を行う。ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9は、PID係数の少なくとも1つ又はPID演算結果等を修正するための推論結果を、フィードバックゲイン修正部19を介して制御演算部5へ出力する機能を有する。
フィードバックゲイン修正部19は、後述する偏差の変化速度の予測値等を求めて、所定の条件を満たす場合にファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9からの抑制フィードバックゲインを修正する。抑制フィードバックゲインの修正については後述する。
なお、上述した制御装置は、CPUや、このCPUの動作プログラムを格納したROM、データを記憶格納するRAM、外部とのデータのインターフェースであるI/Oを有するいわゆるマイクロコンピュータ等のディジタル機器で構成できる。上述した減算部1、制御演算部5、速度測定部7、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9およびフィードバックゲイン修正部19はそのCPUに対応し、メンバーシップ関数記憶部13および応答モデル記憶部11はそのRAMやマイクロコンピュータに外部接続された図示しない外部記憶装置に対応する。メンバーシップ関数記憶部13に記憶されたメンバーシップ関数の選択は例えばマイクロコンピュータに外部接続された図示しないキーボードから選択入力される。
1−2. ファジイ推論及び抑制フィードバックゲインの算出
ファジイ推論演算は、言語的な表現で表されたファジイ制御規則(ルール)にしたがって行われる。ファジイ制御規則のひとつのルールは、例えば以下のように表される。
if(偏差が小さい)and(偏差の変化速度が大きい)then(ゲイン抑制は中くらい)
上記ルールのifの後に続く部分(命題)を前件部と呼び、thenの後に続く部分(命題)を後件部と呼ぶ。ファジイ制御規則(推論ルール)及びメンバーシップ関数は、予め設計者が任意に設計し、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9及びメンバーシップ関数記憶部13に記憶しておくことができる。ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9は、公知の技術を用いて、各メンバーシップ関数に対するメンバーシップ値と、各ルールの前件部の適合度と、そのルールの後件部の値等に基づき推論結果を求めることができる。
ここで算出された推論結果を用いて、PID定数を動的に変更したり、演算結果の変更を行う。
1−3. 抑制フィードバックゲインの修正
本実施の形態では、ファジイ推論を用いて得られた抑制フィードバックゲインを調整する。制御ゲインに対するゲイン抑制が効き過ぎると、応答が息継ぎをして応答速度が遅くなるため、本実施の形態では応答が息継ぎしないように抑制フィードバックゲインを調整する。
図2は、抑制フィードバックゲイン調整の説明図である。
ゲイン抑制が効きすぎて応答が息継ぎする場合の波形を図2(a)に示し、理想とする応答波形を図2(b)に示す。また、応答波形毎の「偏差」と「偏差の変化速度」の軌跡を図2(c)及び(d)に示す。なお、図中、「偏差」と「偏差の変化速度」は規格化値となっている。
本ファジイ制御装置は、「偏差」と「偏差の変化速度」が0に向かうように制御している。図2(c)では「偏差」が残っているのに、「偏差の変化速度」が小さくなりすぎて応答が息継ぎしている((A)の箇所参照)。
本実施の形態のファジイ制御装置は、応答が息継ぎしないようにするため、できるだけ早いタイミングで息継ぎが生じる可能性を予測してゲインの修正を行う。この予測を行うため、本実施の形態では、ファジイ推論に用いた「偏差」と「偏差の変化速度」を使用して、応答を予測する。
図3に、抑制フィードバックゲインの修正処理のフローチャートを示す。
本フローチャートは、フィードバックゲイン修正部19により所定の時間間隔で実行される。また、本フローチャートは推論周期に対応するタイミングで実行されてもよいし、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9から推論結果に基づく抑制フィードバックゲインが出力されるタイミングで実行されてもよい。図3、図4参照して処理を説明する。
まず、フィードバックゲイン修正部19は、「偏差の加速度」と「偏差が0のときの偏差の変化速度(偏差の変化速度の予測値)」を算出する(S11)。例えば、フィードバックゲイン修正部19は、減算部1で求められた「偏差」と、速度測定部7で求められた「偏差の変化速度」に基づき、「偏差」をX軸、「偏差の変化速度」をY軸として、過去の(例えば前回の処理における)偏差及び偏差の変化速度と、今回の処理における偏差及び偏差の変化速度との二点間の傾きを算出する。この傾きを、本実施の形態において、偏差の変化速度の偏差に対する傾き(変化割合)、又は、「偏差の加速度」と称する。なお、偏差の変化速度は、時間に対する変化(偏差の変化)を示すが、本実施の形態における偏差の加速度との用語は、偏差に対する変化(偏差速度の変化)を示すものである。また、フィードバックゲイン修正部19は、求められた偏差の加速度が続くと仮定して、例えば今回の偏差、偏差の変化速度及び偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度を予測する。本明細書において、「偏差が0のときの偏差の変化速度」の予測値を「偏差の変化速度の予測値」(第1予測値)と称する場合がある。
次に、フィードバックゲイン修正部19は、「偏差の加速度の変化分」と「偏差が0のときの偏差の加速度(偏差の加速度の予測値)」を算出する(S13)。例えば、フィードバックゲイン修正部19は、「偏差」と、ステップS11で得られた「偏差の加速度」とから、「偏差」をX軸、「偏差の加速度」をY軸として、過去の(例えば前回の処理における)偏差及び偏差の加速度と、今回の処理における偏差及び偏差の加速度との二点間の傾きを算出する。この傾きを、本実施の形態において、偏差の加速度の偏差に対する傾き(変化割合)、又は、「偏差の加速度の変化分」と称する。また、フィードバックゲイン修正部19は、求められた偏差の加速度の変化分が続くと仮定して、例えば今回の偏差、偏差の加速度及び偏差の加速度の変化分に基づき、偏差が0になったときの偏差の加速度を予測する。本明細書において、「偏差が0のときの偏差の加速度」の予測値を「偏差の加速度の予測値」と称する場合がある。
次に、フィードバックゲイン修正部19は、「偏差」と「偏差の変化速度の予測値」で、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」を算出する(S15)。例えば、フィードバックゲイン修正部19は、「偏差」をX軸、「偏差の変化速度の予測値」をY軸として、さらに傾きが「偏差の加速度の予測値」で続くと仮定して、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」(第2予測値)を求める。
なお、上述の説明では2点間の傾きを求めているが、今回の値と過去の値との3点以上を用いて変化割合を求めてもよい。また、偏差が0となったときの各予測値は、適宜の回帰直線又は曲線を用いて予測してもよいが、上述のように求められた傾きが続くと仮定すると処理負荷が軽くなる。また、ステップ13を行わずにステップ15に移ることもできる。その場合には、「偏差の変化速度の予測値」の過去のデータも用いることで「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」をみることもできる。
フィードバックゲイン修正部19は、抑制フィードバックゲインを修正するか否かを判断する(S17)。具体的には、フィードバックゲイン修正部19は、ステップS15で求められた「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が負か否かを判断する。フィードバックゲイン修正部19は、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が負の場合(S1:Yes)、抑制フィードバックゲインを修正し(S19)、制御演算部5へ出力する。一方、フィードバックゲイン修正部19は、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が負でない場合(S1:No)、抑制フィードバックゲインを修正せずに、制御演算部5へそのまま出力する。その後、処理を終了して次の処理時刻まで待つ。
ここで、ステップS17における抑制フィードバックゲインを修正するか否かを判断についてより詳細に説明する。図4は、応答波形と「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」の関係を示す説明図である。
図4(a)に「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が正の場合の説明図を示す。「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が正の場合には、オーバーシュートがでる応答となる可能性がある。この場合は、抑制フィードバックゲインを修正しない。それにより、制御ゲインは通常通り抑制されてオーバーシュートを抑えるように作用する。なお、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が正の場合にも、抑制フィードバックゲインを修正してもよい。修正方法は後述する方法と同様でもよい。
図4(b)に、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が0の場合の説明図を示す。「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が0の場合には、オーバーシュートのない応答となる可能性がある。
図4(c)に、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が負の場合の説明図を示す。「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が負の場合には、図中左側のように息継ぎをする応答となる可能性がある。本実施の形態では、応答が息継ぎする可能性がある場合にゲインの修正を行うため、上記ケースのなかで「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」が負の場合に抑制フィードバックゲインの修正を行う。本実施の形態では、応答が息継ぎする場合にゲイン修正をおこなうが、オーバーシュートが起きる可能性がある場合にゲイン修正をおこなっても良い。
修正方法としては、例えば、フィードバックゲイン修正部19は、「偏差が0のときの偏差の変化速度の予測値」を用いて、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9から入力した抑制フィードバックゲインを抑制が効きすぎないように、またはオーバーシュートを抑えるように修正をおこなう。このようにゲイン抑制が効きすぎないように抑制フィードバックゲインを緩和する。なお、抑制フィードバックゲインの範囲は0.0〜1.0の間で修正する。抑制フィードバックゲインの修正方法は、これ以外にも適宜の修正方法でもよい。
1−4. シミュレーション
図5は、本実施の形態におけるファジイ制御装置により抑制フィードバックゲインを修正した場合のシミュレーション結果である。
図5の左側は、抑制フィードバックゲインを修正していない場合の応答を示す。図からわかるように、応答が息継ぎしている。図5の右側は抑制フィードバックゲインを上述のように修正した場合の応答を示す。図の左側でみられた応答の息継ぎが改善されていることが確認できる。
本実施の形態によると、制御応答の応答速度が遅くなること(応答が息継ぎすること)を防止し、かつ、制御応答のオーバーシュートを抑えることができる。また、本実施の形態によると、偏差の加速度と偏差の加速度の変化分から、偏差が0となるときの偏差の変化速度を予測することができ、応答速度が遅くなろうとしていることを検出できる。これにより、フィードバックゲインの過度な抑制を抑えるようにゲインの修正を行う。従来の技術では、偏差の変化速度が遅くなるまでゲイン抑制がおこなわれるが、本実施の形態では偏差の変化速度が遅くなることを事前に予測して、偏差に対して偏差の変化速度が遅くなりすぎないように修正することができる。
さらに本実施の形態によると、PID定数を動的に変更したり、演算結果を修正するシステムにおいて、抑制フィードバックゲインを偏差の変化速度が遅くなることを防止するように修正することができる。
なお、上述の説明では「偏差の加速度の変化分」まで求めたが、「偏差の加速度」まで求めて修正の要否を判断してもよい。より具体的には上述のフローチャートにおけるステップS13及びS15を省略し、ステップS17においてはステップS11で求めた偏差の変化速度の予測値(第1予測値)が負か否かに基づきフィードバックゲインの修正の要否を判断してもよく、また上述のフローチャートにおけるステップ13を省略し、「偏差の変化速度の予測値」の今回値と前回値を用いて、求めることもできる。また、「偏差の加速度の変化分」までではなく、さらにその変化分を求めるようにして予測の精度を上げることもできる。
2.第2の実施の形態
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の構成に加えて、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9での推論周期を可変にする。理解を容易にするため、具体的数値例を用いて本実施の形態における推論周期の変更について説明する。
図6は、第2の本実施の形態におけるファジイ制御装置の構成図である。
ファジイ制御装置は、第1の実施の形態の構成に加えて、偏差の変化速度に応じて前記ファジイ推論の推論周期を算出する推論周期算出部17をさらに備える。また、本実施の形態では、フィードバックゲイン算出部は、推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論部である。
図7は、偏差の変化速度の説明図である。
図7のグラフは縦軸に測定値PVの一例としての温度を示し、横軸に時間を示す。例えば、目標値の変更に対して測定値PVが新たな目標値に追従する過程を示す。例えば周期カウンタ15は、目標値変更時の偏差(基準偏差)の90%から80%の間のサンプル数をカウントする。もっとも、区間の幅は実用的には5〜20%程度で多少変更可能である。ここでカウントされるサンプル数を基準カウント数と呼ぶ。図7に示す例は、目標値変更時の偏差(基準偏差)の90%から80%の測定値PVが10dgitに相当する。その間のサンプル数が20サンプルである例である。すなわち、この区間では偏差の変化速度は、1サンプリングで0.5digit変化することになり、これを偏差の変化速度の基準とする。この区間の変化の変化速度を1として規格化すると、変化の変化速度が1(規格化)のとき、1サンプリングで測定値PVは0.5digit変化していることになる。
図8は、本実施の形態の推論周期決定の説明図である。
本実施の形態では、推論周期の間に変化する偏差の変化量が予め定められている。例えば、図8の例では、偏差の変化量が基準偏差の1%と設定されている。これは測定値PVの1digit分に相当する(図7参照)。この例では、偏差の変化量が基準偏差の1%となる時間を予測して推論周期とする。偏差の変化量が基準偏差の1%となる時間は、偏差の変化速度により異なり、推論周期算出部17は速度測定部7で測定された偏差の変化速度に応じて推論周期を求める。
例えば、図8の例では、偏差の変化速度が1(規格化)の場合、偏差の変化量が、基準偏差の1%になるのは2サンプリングであるので、推論周期を2サンプリングとする(図8(b)左上)。また、偏差の変化速度が0.5(規格化)の場合、偏差の変化量が、基準偏差の1%になるのは4サンプリングであるので、推論周期を4サンプリングとする(図8(b)右上)。なお、偏差の変化速度が0.5(規格化)とは、上述のように偏差の変化速度の基準を測定した、基準偏差の90%〜80%の区間の偏差の変化速度に対して、半分の速度であることを表す。同様に、偏差の変化速度が0.1(規格化)の場合、偏差の変化量が、基準偏差の1%になるのは20サンプリングであるので、推論周期を20サンプリングとする(図8(b)下)。偏差の変化速度が他の値の場合の同様にして推論周期を設定できる。
このように、推論周期算出部17は、偏差の変化速度が大きくなるにつれて推論周期を短くし、偏差の変化速度が小さくなるにつれて推論周期を長くする。
基準の偏差の変化速度を測定する際に得られたカウント値(基準カウント値)と、偏差の変化速度を使用して推論周期を設定でき、設定された推論周期では所定の測定値PV(例えば温度)の変化分を得ることができる。どのくらいの偏差の変化量が得られるように推論周期を可変させるかは、設計者により設定できる。
ここで、比較のため、従来の手法による推論周期と偏差の変化速度の関係を図9に示す。特許文献1に記載の技術では、目標値変更時の偏差(基準偏差)の10%に相当する測定値幅のdigit数と、その測定幅に対応する時間(基準カウント数)から推論周期が求められる。図9の例は図7に対応し、推論周期は20サンプルである。図9(a)に示すように、求められた推論周期は以降の制御において一定である。
図10は、本実施の形態による制御シミュレーション結果を示す。図に示すように推論周期は可変であり、偏差の変化速度が大きくなると推論周期は短くなり、偏差の変化速度が小さくなると推論周期は長くなる。
(構成例)
第2の実施形態のファジイ制御装置は、
推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論部と、
ファジイ推論部の推論結果に応じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
制御対象からの測定値と目標値との偏差の変化速度を求める速度測定部と、
偏差の変化速度に応じてファジイ推論の推論周期を算出する推論周期算出部と、
を備えている。
また、推論周期算出部は、偏差の変化速度に基づき、予め定められた偏差の変化量が得られる時間幅を計測して、推論周期の更新としてもよい。
推論周期算出部は、偏差の変化速度が大きくなるにつれて推論周期を短くし、偏差の変化速度が小さくなるにつれて推論周期を長くしてもよい。
推論周期算出部は、ファジイ推論部によりファジイ推論を行う度に推論周期を求めてもよい。
図11は、本実施の形態の推論周期を変更する制御シミュレーション結果を示す。
本実施の形態によると、偏差の変化速度から推論周期を求めることで、所定の測定値変化(例えば温度変化)に対してファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9が動作できる。そのため、偏差の変化速度を精度良く測定できることになり、ファジイ推論によるフィードバックゲインの調整が正しく行われる。また、無駄に行われていたファジイ演算が行われにくい。
図11(a)は、推論タイミングが比較的遅い(目標値変更幅が小さい)場合、すなわち推論周期が比較的長い場合のシミュレーション結果である。左側のグラフは従来の推論周期が一定の場合の測定値PVと推論タイミングを示す。右側のグラフは本実施の形態の推論周期が可変の場合の測定値PVと推論タイミングを示す。
測定値PVを比較すると、従来の例ではオーバーシュートしているのに対して、本実施の形態ではオーバーシュートが抑制できている。推論回数は、本実施の形態が従来の例よりも多くなっており、推論周期を可変にすることでファジイ推論を適切なタイミングで行うことができ、測定値PVのオーバーシュートを抑制できていると考えられる。
図11(b)は、推論タイミングが比較的早い(目標値変更幅が大きい)場合、すなわち推論周期が比較的短い場合のシミュレーション結果である。左側のグラフは従来の推論周期が一定の場合の測定値PVと推論タイミングを示す。右側のグラフは本実施の形態の推論周期が可変の場合の測定値PVと推論タイミングを示す。また、下には従来の例と本実施の形態の例での測定値PVの比較を示す。
測定値PVの比較をすると、従来の例では本実施の形態の例のよりも、目標値へ到達までの応答速度が遅い。これは、従来の例では測定値PVの変化速度が遅いときに、十分な精度で偏差の変化速度が測定できなくなり、適切なファジイ推論ができなくなったために制御性の悪化を招いたためである。
それに対して本実施の形態の例では、推論タイミングを測定値PVの変化速度に対して可変的に変更しているため、精度良く偏差の変化速度の測定ができ、制御性の悪化を招かない。
3.第2の実施の形態の変形例
本変形例では、偏差を監視して、偏差が予め定められた量変化した場合にファジイ推論を行う。
本変形例では、図6の構成において、推論周期算出部17を省略できる。例えば周期カウンタ15に代えて偏差監視部を備え、偏差監視部は偏差eを監視し、例えば実施例1と同様に基準偏差の1%に相当する量だけ偏差eが変化したことを検出すると、ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)9にファジイ推論開始のトリガを与える。
本変形例のファジイ制御装置は、少なくとも、推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論部と、ファジイ推論部の推論結果に応じて制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、偏差が予め定められた量以上変化したことを検出するとファジイ推論部へファジイ推論をさせるためのトリガを与える偏差監視部とを備える。
本発明は、例えば、制御ゲインを自動調整する制御装置及び制御システムに利用可能である。
1 減算部
3 制御対象
5 制御演算部
7 速度測定部
9 ファジイ推論部(フィードバックゲイン算出部)
11 応答モデル記憶部
13 メンバーシップ関数記憶部
17 推論周期算出部
19 フィードバックゲイン修正部

Claims (6)

  1. 制御対象からの測定値と目標値との偏差を求める減算部と、
    少なくとも偏差に基づくパラメータに、入力されるフィードバックゲインによって調整されるゲインを乗じて前記制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
    前記制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である変化速度を求める速度測定部と、
    偏差と偏差の変化速度に基づき前記ゲインを調整するための前記ゲインの低減率である前記フィードバックゲインを求めるフィードバックゲイン算出部と、
    前記フィードバックゲイン算出部で求められた前記フィードバックゲインを修正して前記制御演算部に出力するフィードバックゲイン修正部と
    を備え、
    前記フィードバックゲイン修正部は、
    偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた前記偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の予測値を求め、
    該偏差の変化速度の予測値が負である場合に、前記フィードバックゲイン算出部で求められた前記フィードバックゲインを、修正前の値より大きな値になるように修正する制御装置。
  2. 制御対象からの測定値と目標値との偏差を求める減算部と、
    少なくとも偏差に基づくパラメータに、入力されるフィードバックゲインによって調整されるゲインを乗じて前記制御対象へ出力する操作量を求める制御演算部と、
    前記制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である変化速度を求める速度測定部と、
    偏差と偏差の変化速度に基づき前記ゲインを調整するための前記ゲインの低減率である前記フィードバックゲインを求めるフィードバックゲイン算出部と、
    前記フィードバックゲイン算出部で求められた前記フィードバックゲインを修正して前記制御演算部に出力するフィードバックゲイン修正部と
    を備え、
    前記フィードバックゲイン修正部は、
    偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた前記偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の第1予測値を求め、
    偏差と、前記偏差の加速度に基づき、前記偏差の加速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度の変化分を求め、求められた前記偏差の加速度の変化分に基づき、偏差が0のときの偏差の加速度の予測値を求め、
    偏差と、前記偏差の変化速度の第1予測値と、前記偏差の加速度の予測値から、偏差が0のときの偏差の変化速度の第2予測値を求め、
    該偏差の変化速度の第2予測値が負である場合に、前記フィードバックゲイン算出部で求められた前記フィードバックゲインを、修正前の値より大きな値になるように修正する制御装置。
  3. 前記フィードバックゲインは、PID定数を動的に変更したり、演算結果を修正するためのゲインを調整するものである請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記フィードバックゲイン算出部は、推論周期毎にファジイ推論を行うファジイ推論部であり、
    偏差の変化速度に応じて前記ファジイ推論の推論周期を算出する推論周期算出部をさらに備えた請求項1乃至のいずれかに記載の制御装置。
  5. 制御対象からの測定値と目標値との偏差に少なくとも基づくパラメータに、入力されるフィードバックゲインによって調整されるゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求める制御システムにおける制御方法であって、
    制御対象からの測定値と目標値との偏差を求めるステップと、
    制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である偏差の変化速度を求めるステップと、
    偏差と偏差の変化速度に基づき前記ゲインを調整するための前記ゲインの低減率である前記フィードバックゲインを求めるステップと、
    偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた前記偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の予測値を求めるステップと、
    該偏差の変化速度の予測値が負である場合に、求められた前記フィードバックゲインを、修正前の値より大きな値になるように修正するステップと、
    少なくとも偏差に基づく前記パラメータに、前記フィードバックゲインに従い調整される前記ゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求めるステップと
    を含む制御方法。
  6. 制御対象からの測定値と目標値との偏差に少なくとも基づくパラメータに、入力されるフィードバックゲインによって調整されるゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求める制御システムにおける制御方法であって、
    制御対象からの測定値と目標値との偏差を求めるステップと、
    制御対象からの測定値と目標値との偏差の時間に対する変化割合である偏差の変化速度を求めるステップと、
    偏差と偏差の変化速度に基づき前記ゲインを調整するための前記ゲインの低減率である前記フィードバックゲインを求めるステップと、
    偏差と、偏差の変化速度に基づき、偏差の変化速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度を求め、求められた前記偏差の加速度に基づき、偏差が0になったときの偏差の変化速度の第1予測値を求めるステップと、
    偏差と、前記偏差の加速度に基づき、前記偏差の加速度の偏差に対する変化割合である偏差の加速度の変化分を求め、求められた前記偏差の加速度の変化分に基づき、偏差が0のときの偏差の加速度の予測値を求めるステップと、
    偏差と、前記偏差の変化速度の第1予測値と、前記偏差の加速度の予測値から、偏差が0のときの偏差の変化速度の第2予測値を求めるステップと、
    該偏差の変化速度の第2予測値が負である場合に、求められた前記フィードバックゲインを、修正前の値より大きな値になるように修正するステップと、
    少なくとも偏差に基づく前記パラメータに、前記フィードバックゲインに従い調整される前記ゲインを乗じて制御対象へ出力する操作量を求めるステップと
    を含む制御方法。
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