JPWO2019106782A1 - Pid制御装置及びpid制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
制御対象のPID制御を開始する前に、前記PID制御に用いるPIDパラメータを算出するスタートアップチューニング機能を有するPID制御装置であって、
スタートアップチューニング処理とともに、前記制御対象の温度の速度変化を測定する速度変化測定部と、
前記速度変化測定部で測定した温度の速度変化の応答特性に基づいて、前記算出されるPIDパラメータを用いるPID制御のレベルの境界を判断するレベル分割判断部と、を備えることを特徴とするPID制御装置。
前記レベル分割判断部は、前記測定された前記温度の速度変化が極値をとる箇所で、前記レベルの境界を判断することを特徴とする構成1に記載のPID制御装置。
前記レベル分割判断部は、前記測定された前記温度の速度変化が極小値をとる箇所で、前記レベルの境界を判断することを特徴とする構成2に記載のPID制御装置。
(構成4)
前記レベル分割判断部により判断されたレベルの境界によって制御範囲を複数のレベルに分割し、該分割したレベル毎にPID値を設定するPID値設定部を、さらに備えることを特徴とする構成1から構成3のいずれかに記載のPID制御装置。
前記レベル分割判断部は、前記測定された温度の速度変化が極値をとる箇所以外の箇所で設定されたレベルの境界を、前記極値をとる箇所で判断されたレベルの境界に置き換えることを特徴とする構成4に記載のPID制御装置。
制御対象のPID制御を開始する前に、前記PID制御に用いるPIDパラメータを算出するスタートアップチューニング処理を有するPID制御方法であって、
スタートアップチューニング処理とともに、前記制御対象の温度の速度変化を測定する速度変化測定処理と、
前記速度変化測定処理で測定した温度の速度変化の応答特性に基づいて、前記算出されるPIDパラメータを用いるPID制御のレベルの境界を判断するレベル分割判断処理と、を含むことを特徴とするPID制御方法。
図1はこの発明の実施の形態1によるPID制御装置を示す構成図である。
図1において、減算器1は、目標値SVと後述する測定値PVとの偏差Eを出力するもので、PID制御演算部3に接続されている。PID制御演算部3は、設定されたPID定数に基づき偏差EをPID演算して操作量MVを出力するものであり、制御対象5に接続されている。なお、図1に示す制御対象5は、図2〜図4において制御される制御対象5a、5b、5cに対応している。
制御対象5は、操作量MVによって温度制御される公知のプロセスで、温度変化を測定する測定手段(ステップ応答チューニング部9、レベル分割判断部20の速度測定部21)に接続され、この測定手段で測定された測定値PVを出力するものであり、減算器1および起動判断部7その他に接続されている。
PID定数変更判断部15は、PID制御演算部3で用いられたPID定数が良好かどうかを判断し、その判断結果をPID制御演算部3に送信する。
PID定数変更判断部15は、レベル分割判断部20からの判断結果に基づいて、制御範囲を新たなレベル分割若しくはレベルの変更が必要と判断した場合、その判断結果をPID制御演算部3に送信する。PID制御演算部3は、PID定数変更判断部15から送信された判断結果に基づいて、各レベルにおけるPID定数を演算するように構成されている。
そして、レベル分割判断部20は、スタートアップチューニングの実行中、速度測定部21によって制御対象5の温度の速度変化を測定し、その速度変化の応答特性に基づいて、PID制御のレベルの境界を判断する。この動作について、図2〜図4を用いて説明する。
同図(a)に示されるように、この制御対象5aにおいては、予め所定間隔毎に設定された3つのレベルLv1、Lv2、Lv3に区分されている。従来までのスタートアップチューニングでは、スタートアップチューニング機能とレベルを分割する機能とが独立して構成されていたため、同図(a)のように所定間隔毎に区分されたレベルLv1、Lv2、Lv3にまたがって一括でPID定数を算出することができない。このため、それぞれのレベルLv1、Lv2、Lv3毎に、複数回にわたってチューニングを行っている(後述する図3(a)、図4(a)においても同様である)。レベルLv1においては、高次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。また、レベルLv2においても、高次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。そして、レベルLv3においては、一次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。
図2(b)は、PID制御装置のレベル分割判断部20の速度測定部21において、スタートアップチューニング制御時に測定された制御対象5aにおける温度特性である。同図に示されるように、この制御対象5aにおいては、制御開始時において温度速度が緩やかに上昇し(速度が遅い)、略中央部分において温度速度が急激に上昇し(速度が速い)、そして再び温度速度の上昇が緩やか(速度が遅い)になっている。すなわち、この制御対象5aにおいては、測定された温度の速度変化が、略中央部分において極大値をとるような特性を有している。そこで、レベル分割判断部20は、この測定された温度の速度変化が極大値をとる箇所で、レベルの境界を判断し、境界よりも下の領域をレベルLv1’とし、境界よりも上の領域をレベルLv2’としている。このように境界を置き換えることにより、各レベルLv1’、Lv2’に応じたより適切なPID設定値を設定することが可能となる。また、従来までのスタートアップチューニングとは異なり、一度のスタートアップチューニングで各レベルLv1’、Lv2’に応じたPID設定値を設定することが可能となる。このように、本実施形態のPID制御装置によれば、スタートアップチューニング処理とともに、PID制御のレベルの境界を適切に判断でき、応答性や制御性を向上することができる。
同図(a)に示されるように、この制御対象5bにおいては、予め所定間隔毎に設定された3つのレベルLv1、Lv2、Lv3に区分されている。図2(a)の場合と同様に、各レベルLv1、Lv2、Lv3毎にチューニングを行い、レベルLv1においては、一次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。また、レベルLv2においても、一次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。そして、レベルLv3においても、一次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。
同図(a)に示されるように、この制御対象5cにおいては、オペレータにより手動で3つのレベルLv1、Lv2、Lv3に区分されている。図2(a)、図3(a)の場合と同様に、各レベルLv1、Lv2、Lv3毎にチューニングを行い、レベルLv1においては、一次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。また、レベルLv2においては、高次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。そして、レベルLv3においても、一次遅れ系として温度の速度が測定されるとともに、このレベルにおけるPID定数が算出される。
上記の例では、レベル分割の判断処理を行うよりも以前に設定された境界を、レベル分割の判断処理によって判断された境界に置き換えるようにしているが、以前に設定された境界を残しつつ、レベル分割の判断処理によって判断された境界を追加するようにしてもよい。また、スタートアップチューニング制御を行う装置構成として、図1に示すものを説明したが、これらの構成が全て必要な訳ではなく、請求項に記載された内容の機能を実現できる構成を備えたものであればよい。また、図1に示す構成をさらに変更してもよく、例えば、レベル分割の判断処理によって判断されたレベルにおける応答特性に応じて、使用する速度測定部(温度センサ)を応答特性に応じて好適なものに切り替えるようにしてもよい。
5(5a―5c) 制御対象、7 起動判断部、9 ステップ応答チューニング部、
15 PID定数変更判断部、20 レベル分割判断部、21 速度測定部。
Claims (6)
- 制御対象のPID制御を開始する前に、前記PID制御に用いるPIDパラメータを算出するスタートアップチューニング機能を有するPID制御装置であって、
スタートアップチューニング処理とともに、前記制御対象の温度の速度変化を測定する速度変化測定部と、
前記速度変化測定部で測定した温度の速度変化の応答特性に基づいて、前記算出されるPIDパラメータを用いるPID制御のレベルの境界を判断するレベル分割判断部と、を備えることを特徴とするPID制御装置。 - 前記レベル分割判断部は、前記測定された前記温度の速度変化が極値をとる箇所で、前記レベルの境界を判断することを特徴とする請求項1に記載のPID制御装置。
- 前記レベル分割判断部は、前記測定された前記温度の速度変化が極小値をとる箇所で、前記レベルの境界を判断することを特徴とする請求項2に記載のPID制御装置。
- 前記レベル分割判断部により判断されたレベルの境界によって制御範囲を複数のレベルに分割し、該分割したレベル毎にPID値を設定するPID値設定部を、さらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のPID制御装置。
- 前記レベル分割判断部は、前記測定された温度の速度変化が極値をとる箇所以外の箇所で設定されたレベルの境界を、前記極値をとる箇所で判断されたレベルの境界に置き換えることを特徴とする請求項4に記載のPID制御装置。
- 制御対象のPID制御を開始する前に、前記PID制御に用いるPIDパラメータを算出するスタートアップチューニング処理を有するPID制御方法であって、
スタートアップチューニング処理とともに、前記制御対象の温度の速度変化を測定する速度変化測定処理と、
前記速度変化測定処理で測定した温度の速度変化の応答特性に基づいて、前記算出されるPIDパラメータを用いるPID制御のレベルの境界を判断するレベル分割判断処理と、を含むことを特徴とするPID制御方法。
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