JP2020021298A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィードフォワードピークのタイミングを適切に調整するための支援を実現する。【解決手段】制御装置は、設定値SPと制御量PVを入力として操作量MVを算出する操作量算出部1と、ゼロ値と異なる操作量加算値FF_Pを取得したときに、操作量加算値FF_Pに近づいた後にゼロ値へ収束する操作量加算量MV_Pを算出する加算量算出部4と、操作量加算量MV_Pを操作量MVに加算する操作量変更部6と、外乱印加に対する操作量加算量MV_Pの算出・出力の結果として、操作量加算量MV_Pの上昇ピークが制御量PVの下降ピークよりも後に出現した場合に操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが遅いと判断する判断部9と、操作量加算量MV_Pの上昇ピークが制御量PVの下降開始時点よりも前に出現した場合に、ピークのタイミングが早いと判断する判断部10を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、フィードバックコントローラにフィードフォワード制御を追加適用する技術に係り、特に、オペレータの操作により任意の操作量加算あるいは操作量減算を実行する場合に適した制御装置および制御方法に関するものである。
代表的なフィードバック(Feedback)制御であるPID制御に、フィードフォワード(Feedforward)分を加算する方法(以下、フィードフォワード+フィードバック制御とする)が提案されている(特許文献1参照)。
発明者は、このようなフィードフォワード+フィードバック制御を特に図15のような加熱装置に適用する場合において、実用性を向上させるために、フィードフォワード量MV_Pをゼロに漸近的に収束させる形式のフィードフォワード方法(特願2017−233250)を提案した。
図15の加熱装置は、処理対象のワークを加熱する熱処理炉100と、電気ヒータ101と、熱処理炉100内の温度を計測する温度センサ102と、熱処理炉100内の温度を制御する温調計103と、電力調整器104と、電力供給回路105と、加熱装置全体を制御するPLC(Programmable Logic Controller)106とから構成される。温調計103は、温度センサ102が計測した温度PV(制御量)が温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じて電気ヒータ101に供給する。
次に、図16の制御系のブロック線図を用いて、発明者が特願2017−233250で提案した技術について説明する。図16のPは制御対象を示している。
操作量算出部1は、設定値SPと制御量PVとを入力として、制御量PVが設定値SPと一致するように、例えば以下の伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MVを算出する。
MV=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV)
・・・(1)
Pbは比例帯、Tiは積分時間、Tdは微分時間、sはラプラス演算子である。
加算量算出部4は、操作量MVに対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値FF_P(FF_P≠0)が入力されると、操作量加算値FF_Pに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量MV_Pを算出する。具体的には、加算量算出部4は、下記のような伝達関数式で操作量加算量MV_Pを算出する。
MV_P={Kxs/(1+Tfs)2}FF_P ・・・(2)
式(2)のTfは、操作量加算量MV_Pを徐々に収束させる時間を規定するパラメータである。Kxはフィードフォワードの大きさを規定するパラメータである。加算量算出部4は、パラメータTfのβ倍の値をKxとすればよい(Kx=βTf、βは例えば2.75)。操作量加算量MV_Pの変化の1例を図17に示す。図17の例では、操作量加算値FF_P=50%、パラメータTf=100sec.としている。
減算量算出部5は、操作量MVに対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値FF_M(FF_M≠0)が入力されると、操作量減算値FF_Mに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量MV_Mを算出する。具体的には、減算量算出部5は、下記のような伝達関数式で操作量減算量MV_Mを算出する。
MV_M={Kxs/(1+Tfs)2}FF_M ・・・(3)
式(3)のTfは、操作量減算量MV_Mを徐々に収束させる時間を規定するパラメータである。操作量変更部6は、操作量算出部1で算出された操作量MVに、加算量算出部4によって算出された操作量加算量MV_Pを加算し、さらに減算量算出部5によって算出された操作量減算量MV_Mを減算した結果を操作量MV_Fとして算出する。
MV_F=MV+MV_P−MV_M ・・・(4)
リミット処理部7は、操作量変更部6によって算出された操作量MV_Fを所定の操作量下限値OL以上の値に制限する下限リミット処理と、操作量MV_Fを所定の操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理とを行なう。このリミット処理部7でリミット処理された操作量MV_F’が制御対象Pに出力される。
次に、特許文献1に開示されたフィードフォワード+フィードバック制御の問題点について説明する。温調計のPID演算による操作量出力は、温調計で算出される操作量MVのみにより出力飽和を判断して、積分動作に対するアンチリセットワインドアップの処理が行なわれる。したがって、定常的に残留するフィードフォワード分をフィードバック分(PID演算による操作量MV)に加算したままにしておくと、温調計側では正常に機能しなくなるという課題を解決する必要がある。例えば、出力飽和には十分に余裕のある操作量MV=60%を温調計が出力しているときに、50%のフィードフォワード分が加算されると110%になり、100%を超える出力飽和状態になるが、温調計としてはアンチリセットワインドアップの処理が実行されないという不具合が発生する。
特許文献1に開示されたフィードフォワード+フィードバック制御では、上記の不具合が発生するが、図16、図17で説明した技術によれば、フィードフォワード分をフィードバック分に徐々に加算するようにしたことにより、PID演算にとっての影響は一時的かつ連続的な発生になるので、上記の不具合の発生を低減することができる。
一方で、制御技術の専門家ではない通常のオペレータ(制御技術ユーザ)が、フィードフォワード制御の実行結果を適切に評価できることはほとんどないが、フィードフォワード分を加算する動作のピークのタイミングは、適切に評価しながら調整されなければならない。すなわち、図16、図17で説明した技術では、式(2)の分母を(1+Tfs)2に固定しており、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングを固定しているが、フィードフォワード制御の効果とフィードバック制御の効果を調和させる必要があるので、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングを適切に調整する必要がある。
しかし、フィードバック制御がPID制御であれば、PIDパラメータの調整次第でフィードバック制御の効果も変化するので、制御技術の専門家ではない通常のオペレータにとって、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングを適切に調整して、フィードフォワード制御の効果とフィードバック制御の効果を調和させることは困難であった。
同様に、オペレータにとって、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングを適切に調整して、フィードフォワード制御の効果とフィードバック制御の効果を調和させることは困難であった。
特開2007−102816号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、汎用フィードバックコントローラ(例えばPID制御の温調計)にフィードフォワード制御を追加適用する場合に、フィードフォワードピークのタイミングを適切に調整するための支援が可能な制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出するように構成された操作量算出部と、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値を取得するように構成された加算値取得部と、ゼロ値と異なる前記操作量加算値を取得したときに、前記操作量加算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量を算出するように構成された加算量算出部と、前記操作量算出部によって算出された操作量に、前記加算量算出部によって算出された操作量加算量を加算して操作量を変更するように構成された操作量変更部と、この操作量変更部によって変更された操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なうように構成されたリミット処理部と、このリミット処理された操作量を制御対象に出力するように構成された操作量出力部と、外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが遅いと判断するように構成された第1の判断部と、外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが早いと判断するように構成された第2の判断部と、前記第1、第2の判断部の判断結果を提示するように構成された判断結果提示部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記加算量算出部は、前記操作量加算値と、前記操作量加算量の時間に関するパラメータとに基づいて、前記操作量加算量を算出し、さらに、前記第1の判断部で前記操作量加算量のピークのタイミングが遅いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量加算量のピークのタイミングが早くなる側に更新するように構成された第1の更新部と、前記第2の判断部で前記操作量加算量のピークのタイミングが早いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量加算量のピークのタイミングが遅くなる側に更新するように構成された第2の更新部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置は、設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出するように構成された操作量算出部と、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値を取得するように構成された減算値取得部と、ゼロ値と異なる前記操作量減算値を取得したときに、前記操作量減算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量を算出するように構成された減算量算出部と、前記操作量算出部によって算出された操作量から、前記減算量算出部によって算出された操作量減算量を減算して操作量を変更するように構成された操作量変更部と、この操作量変更部によって変更された操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なうように構成されたリミット処理部と、このリミット処理された操作量を制御対象に出力するように構成された操作量出力部と、外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが遅いと判断するように構成された第1の判断部と、外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが早いと判断するように構成された第2の判断部と、前記第1、第2の判断部の判断結果を提示するように構成された判断結果提示部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記減算量算出部は、前記操作量減算値と、前記操作量減算量の時間に関するパラメータとに基づいて、前記操作量減算量を算出し、さらに、前記第1の判断部で前記操作量減算量のピークのタイミングが遅いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量減算量のピークのタイミングが早くなる側に更新するように構成された第1の更新部と、前記第2の判断部で前記操作量減算量のピークのタイミングが早いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量減算量のピークのタイミングが遅くなる側に更新するように構成された第2の更新部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出する第1のステップと、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値を取得する第2のステップと、ゼロ値と異なる前記操作量加算値を取得したときに、前記操作量加算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量を算出する第3のステップと、前記第1のステップで算出した操作量に、前記第3のステップで算出した操作量加算量を加算して操作量を変更する第4のステップと、この第4のステップで変更した操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なう第5のステップと、このリミット処理した操作量を制御対象に出力する第6のステップと、外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが遅いと判断する第7のステップと、外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが早いと判断する第8のステップと、前記第7、第8のステップの判断結果を提示する第9のステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出する第1のステップと、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値を取得する第2のステップと、ゼロ値と異なる前記操作量減算値を取得したときに、前記操作量減算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量を算出する第3のステップと、前記第1のステップで算出した操作量から、前記第3のステップで算出した操作量減算量を減算して操作量を変更する第4のステップと、この第4のステップで変更した操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なう第5のステップと、このリミット処理した操作量を制御対象に出力する第6のステップと、外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが遅いと判断する第7のステップと、外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが早いと判断する第8のステップと、前記第7、第8のステップの判断結果を提示する第9のステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、加算値取得部と加算量算出部と操作量変更部とを設けることにより、操作量算出部によるフィードバック制御にフィードフォワード制御を追加適用する場合に、フィードバック制御にとっての不具合の発生を低減することができる。さらに、本発明では、操作量加算量のピークのタイミングが遅いか早いかを判断する第1、第2の判断部を設けることにより、オペレータが操作量加算量のピークのタイミングを適切に調整するための支援を実現することができる。
また、本発明では、第1、第2の更新部を設けることにより、操作量加算量のピークのタイミングを自動調整することが可能となる。
また、本発明では、減算値取得部と減算量算出部と操作量変更部とを設けることにより、操作量算出部によるフィードバック制御にフィードフォワード制御を追加適用する場合に、フィードバック制御にとっての不具合の発生を低減することができる。さらに、本発明では、操作量減算量のピークのタイミングが遅いか早いかを判断する第1、第2の判断部を設けることにより、オペレータが操作量減算量のピークのタイミングを適切に調整するための支援を実現することができる。
また、本発明では、第1、第2の更新部を設けることにより、操作量減算量のピークのタイミングを自動調整することが可能となる。
図1は、本発明における操作量加算量の変化の1例を示す図である。 図2は、本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施例に係る制御系のブロック線図である。 図4は、本発明の実施例に係る制御装置の制御動作を説明するフローチャートである。 図5は、本発明の実施例に係る制御装置の判断部と判断結果提示部と更新部の動作を説明するフローチャートである。 図6は、フィードフォワード制御を実行せずにフィードバック制御のみで温度制御した場合の制御量と操作量の変化の1例を示す図である。 図7は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御した場合の制御量と操作量の変化の1例を示す図である。 図8は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御した場合の操作量加算量の変化の1例を示す図である。 図9は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御した場合の制御量と操作量の変化の他の例を示す図である。 図10は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御した場合の操作量加算量の変化の他の例を示す図である。 図11は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御した場合の制御量と操作量の変化の他の例を示す図である。 図12は、本発明の実施例に係る制御装置によって温度制御した場合の操作量加算量の変化の他の例を示す図である。 図13は、本発明の実施例に係る制御装置の判断結果提示部による表示例を示す図である。 図14は、本発明の実施例に係る制御装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。 図15は、加熱装置の構成を示すブロック図である。 図16は、フィードバック+フィードフォワードの制御系のブロック線図である。 図17は、フィードバック+フィードフォワード制御における操作量加算量の変化の1例を示す図である。
[発明の原理]
加熱による温度制御系を事例として、本発明の原理について説明する。まず、前述の式(2)において、分母の時定数を次式のように変更する必要がある。これにより、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが調整可能になる。
MV_P=[Kxs/{(1+γ1Tfs)(1+γ1’Tfs)}]FF_P
・・・(5)
γ1は0以上1以下の係数であり、係数γ1’は係数γ1に対してγ1’=2.0−γ1の関係にある。式(5)において係数γ1を変化させたときの操作量加算量MV_Pの1例を図1に示す。図17に示した操作量加算量MV_Pは、図1のγ1=1.0の場合の操作量加算量MV_Pに相当する。
さらに、例えば降温外乱に対する操作量加算量(フィードフォワード量)MV_Pであれば、フィードバック制御のみの操作量MVの上昇量を目安に適正化できるので、このような操作量加算量MV_Pの適正化が予め行なわれていることを前提とするのが合理的である。具体的には、前述の式(2)、式(5)において、Kx,Tf,FF_Pが適正化されていることを前提とする。
この前提に立って、降温外乱に対するプラス側の操作量加算量MV_Pであれば、外乱印加による降温のピークとフィードフォワードピークとのタイミングの関係を判断指標として、フィードフォワードピークのタイミングの妥当性を判断できる。すなわち、降温外乱に対するプラス側のフィードフォワード制御の結果として、フィードフォワードピークが温度下降ピークよりも後の場合には、フィードフォワードピークのタイミングが遅いと判断できる。反対にフィードフォワードピークが温度下降開始前の場合には、フィードフォワードピークのタイミングが早いと判断できる。
発明者は、このような判断を応用することで、オペレータがフィードフォワードピークのタイミングを適切に調整するための支援を実現できることに想到した。
なお、フィードフォワードピークのタイミングが適切でない場合には、制御量PVの下降開始と下降ピークの中間の時点を目安に自動調整することも可能である。
[実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図2は本実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、設定値SPと制御量PVとを入力としてPID制御演算により操作量MVを算出する操作量算出部1と、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、操作量MVに対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値FF_Pを取得するFF加算値取得部2と、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、操作量MVに対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値FF_Mを取得するFF減算値取得部3と、ゼロ値と異なる操作量加算値FF_Pを取得したときに、特定の時間TH1が経過した後に、操作量加算値FF_Pに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量MV_Pを算出する加算量算出部4aと、ゼロ値と異なる操作量減算値FF_Mを取得したときに、特定の時間TH2が経過した後に、操作量減算値FF_Mに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量MV_Mを算出する減算量算出部5aと、加算量算出部4aによって操作量加算量MV_Pが算出されたときに、この操作量加算量MV_Pを操作量算出部1によって算出された操作量MVに加算し、減算量算出部5aによって操作量減算量MV_Mが算出されたときに、この操作量減算量MV_Mを操作量算出部1によって算出された操作量MVから減算する操作量変更部6と、操作量変更部6で算出された操作量MV_Fを操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限するリミット処理を行なうリミット処理部7と、リミット処理された操作量MV_F’を出力する操作量出力部8とを備えている。
さらに、制御装置は、フィードフォワードピークタイミングの適正化のための構成として、外乱印加に対する操作量加算量MV_Pの算出・出力の結果として、操作量加算量MV_Pの上昇ピークが制御量PVの下降ピークよりも後に出現した場合に、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが遅いと判断する判断部9と、外乱印加に対する操作量加算量MV_Pの算出・出力の結果として、操作量加算量MV_Pの上昇ピークが制御量PVの下降開始時点よりも前に出現した場合に、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが早いと判断する判断部10と、外乱印加に対する操作量減算量MV_Mの算出・出力の結果として、操作量減算量MV_Mの下降ピークが制御量PVの上昇ピークよりも後に出現した場合に、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングが遅いと判断する判断部11と、外乱印加に対する操作量減算量MV_Mの算出・出力の結果として、操作量減算量MV_Mの下降ピークが制御量PVの上昇開始時点よりも前に出現した場合に、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングが早いと判断する判断部12と、判断部9〜12の判断結果を提示する判断結果提示部13と、判断部9あるいは判断部11でピークのタイミングが遅いと判断された場合に、ピークのタイミングを決定するパラメータをタイミングが早くなる側に更新する更新部14,16と、判断部10あるいは判断部12でピークのタイミングが早いと判断された場合に、ピークのタイミングを決定するパラメータをタイミングが遅くなる側に更新する更新部15,17とを備えている。
図3は本実施例の制御系のブロック線図である。図3のPは制御対象を示している。次に、本実施例の制御装置の制御動作を図4を参照して説明する。
設定値SP(例えば温度設定値)は、制御装置のオペレータなどによって設定され、操作量算出部1に入力される(図4ステップS100)。
制御量PV(例えば温度計測値)は、図示しない計測器(例えば被加熱物の温度を計測する温度センサ)によって計測され、操作量算出部1に入力される(図4ステップS101)。
操作量算出部1は、設定値SPと制御量PVとを入力として、制御量PVが設定値SPと一致するように、例えば式(1)に示した伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MVを算出する(図4ステップS102)。
FF加算値取得部2は、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、操作量MVに対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値FF_Pを取得する。外乱印加は、フィードバック制御系の外部における特定の操作に起因して発生するものであれば、その特定の操作が実行された時点が、外乱印加が確定した時点になる。このとき、外乱印加が確定した時点でフィードバック制御系に即座に外乱の影響が現れるとは限らない。
同様に、FF減算値取得部3は、外乱印加が確定した時点で外部から入力される、操作量MVに対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値FF_Mを取得する。FF加算値取得部2とFF減算値取得部3とは、予め規定されたタイミングで通信により送られた値を取得したり、オペレータが入力機能を利用して適宜入力した値を取得したり、操作量算出部1に入力される設定値SPの変更に伴い自動生成される値を取得したりすることで、FF_P,FF_Mを取得する。
つまり、本実施例の制御装置が適用されるシステムにおいて、例えば制御中に想定される外乱を抑制するために、上位装置から制御装置に対して規定のタイミングまたは設定値SPの変更のタイミングで操作量加算値FF_P、操作量減算値FF_Mを自動的に入力したり、制御中にオペレータが操作量加算値FF_P、操作量減算値FF_Mを手動で入力したりすることが考えられる。
加算量算出部4aは、FF加算値取得部2が、ゼロ値と異なる操作量加算値FF_Pを取得したときから特定の時間TH1以上が経過しているときに(図4ステップS103においてYES)、操作量加算値FF_Pに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量MV_Pを式(5)により算出する(図4ステップS104)。
式(2)と同様に、式(5)のTfは、操作量加算量MV_Pを徐々に収束させる時間を規定するパラメータである。加算量算出部4aは、操作量算出部1に設定されているPIDパラメータ、具体的には積分時間Tiのα倍の値をTfとすればよい(Tf=αTi、所定値αは例えばα=0.1〜2.0)。これにより、操作量加算量MV_Pが加算された操作量MVの、フィードフォワード分の変化が、制御の上下動が発生する際の周期と概ね一致するようになる。また、操作量MVにフィードフォワード分が加算された時点からフィードフォワード分が最大変更量に到達するまでの経過時間が、パラメータTfの時間に概ね一致するようになる。
式(5)のKxはフィードフォワードの大きさを規定するパラメータである。加算量算出部4aは、パラメータTfのβ倍の値をKxとすればよい(Kx=βTf、所定値βは例えば2.75)。これにより、操作量MVのフィードフォワード分の最大変更量が、操作量加算値FF_Pに概ね一致するようになる。FF加算値取得部2が操作量加算値FF_Pを取得したときから特定の時間TH1が経過するまでの操作量加算量MV_Pの初期値はゼロである。
なお、本実施例では、上記のとおり、式(5)のKx,Tf,FF_Pがフィードバック制御のみの場合の操作量MVの上昇量を目安にして予め適正化されていることを前提とする。また、本実施例では、操作量加算値FF_Pが外部から入力された時点から操作量加算量MV_Pの算出・出力を開始すべき時点までの時間TH1が予め適切に調整されている(すなわち、想定される外乱印加に対して操作量加算量MV_Pの出力開始タイミングが適切に調整されている)ことを前提として説明する。
減算量算出部5aは、FF減算値取得部3が、ゼロ値と異なる操作量減算値FF_Mを取得したときから特定の時間TH2以上が経過しているときに(図4ステップS105においてYES)、操作量減算値FF_Mに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量MV_Mを算出する(図4ステップS106)。具体的には、減算量算出部5aは、下記のような伝達関数式で操作量減算量MV_Mを算出する。
MV_M=[Kxs/{(1+γ2Tfs)(1+γ2’Tfs)}]FF_M
・・・(6)
式(6)において、γ2は0以上1以下の係数であり、係数γ2’は係数γ2に対してγ2’=2.0−γ2の関係にある。加算量算出部4aと同様に、減算量算出部5aは、積分時間Tiのα倍の値をTfとすればよい(Tf=αTi、所定値αは例えば0.1〜2.0)。また、減算量算出部5aは、パラメータTfのβ倍の値をKxとすればよい(Kx=βTf、所定値βは例えば2.75)。これにより、操作量MVのフィードフォワード分の最大変更量が、操作量減算値FF_Mに概ね一致するようになる。FF減算値取得部3が操作量減算値FF_Mを取得したときから特定の時間TH2が経過するまでの操作量減算量MV_Mの初期値はゼロである。
なお、本実施例では、式(6)のKx,Tf,FF_Mがフィードバック制御のみの場合の操作量MVの下降量を目安にして予め適正化されていることを前提とする。また、本実施例では、操作量減算値FF_Mが外部から入力された時点から操作量減算量MV_Mの算出・出力を開始すべき時点までの時間TH2が予め適切に調整されている(すなわち、想定される外乱印加に対して操作量減算量MV_Mの出力開始タイミングが適切に調整されている)ことを前提として説明する。
操作量変更部6は、操作量算出部1で算出された操作量MVに、加算量算出部4aによって算出された操作量加算量MV_Pを加算し、さらに減算量算出部5aによって算出された操作量減算量MV_Mを減算した結果を操作量MV_Fとして算出する(図4ステップS107)。操作量MV_Fの算出式は、式(4)と同じである。
リミット処理部7は、操作量変更部6によって算出された操作量MV_Fを所定の操作量下限値OL以上の値に制限する下限リミット処理と、操作量MV_Fを所定の操作量上限値OH以下の値に制限する上限リミット処理とを行なう(図4ステップS108)。
IF MV_F<OL THEN MV_F’=OL ・・・(7)
IF MV_F>OH THEN MV_F’=OH ・・・(8)
つまり、リミット処理部7は、MV_Fが操作量下限値OLより小さい場合、操作量MV_F’=OLとし、操作量MV_Fが操作量上限値OHより大きい場合、操作量MV_F’=OHとする。
操作量出力部8は、リミット処理部7でリミット処理された操作量MV_F’を制御対象に出力する(図4ステップS109)。操作量MV_F’の出力先は、ヒータやバルブなどの操作部(不図示)である。ヒータの場合には、操作量MV_F’の実際の出力先は、ヒータに電力を供給する電力調整器(不図示)となる。
制御装置は、図4のステップS100〜S109の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図4ステップS110においてYES)、制御周期毎に実行する。
なお、前述のとおり、操作量加算量MV_Pは操作量加算値FF_Pに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する値であり、操作量減算量MV_Mは操作量減算値FF_Mに近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する値である。したがって、FF加算値取得部2がゼロ値と異なる操作量加算値FF_Pを取得したときから特定の時間TH1以上が経過した後は常にステップS103において判定YESとなり、加算量算出部4aは操作量加算量MV_Pの算出を繰り返し実行する。操作量加算量MV_Pは最終的にゼロ値に収束するので、加算量算出部4aは操作量加算量MV_Pがゼロ値になった時点で算出を停止しても構わない。
同様に、FF減算値取得部3がゼロ値と異なる操作量減算値FF_Mを取得したときから特定の時間TH2以上が経過した後は常にステップS105において判定YESとなり、減算量算出部5aは操作量減算量MV_Mの算出を繰り返し実行する。操作量減算量MV_Mは最終的にゼロ値に収束するので、減算量算出部5aは操作量減算量MV_Mがゼロ値になった時点で算出を停止しても構わない。
次に、本実施例の判断部9〜12と判断結果提示部13と更新部14〜17の動作を図5を参照して説明する。
判断部9は、外乱印加に対する操作量加算量MV_Pの算出・出力の結果として、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)が制御量PVの下降ピーク(極小)よりも後に出現した場合(図5ステップS200においてYES)、操作量加算量MV_Pのピーク(すなわちフィードフォワードピーク)のタイミングが遅いと判断する(図5ステップS201)。
判断部10は、外乱印加に対する操作量加算量MV_Pの算出・出力の結果として、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)が制御量PVの下降開始時点よりも前に出現した場合(図5ステップS202においてYES)、操作量加算量MV_Pのピーク(すなわちフィードフォワードピーク)のタイミングが早いと判断する(図5ステップS203)。ここで、制御量PVの下降開始時点とは、制御量PVが所定の下降開始閾値以下となった時点のことを言う。
外乱印加に対する操作量加算量MV_Pの算出・出力の結果として、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)が、制御量PVの下降開始時点以降、かつ制御量PVの下降ピーク(極小)以前に出現した場合、判断部9が、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが遅いと判断せず、判断部10が、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが早いと判断しないので、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが適切という判断結果となる。
判断部11は、外乱印加に対する操作量減算量MV_Mの算出・出力の結果として、操作量減算量MV_Mの下降ピーク(極小)が制御量PVの上昇ピーク(極大)よりも後に出現した場合(図5ステップS204においてYES)、操作量減算量MV_Mのピーク(すなわちフィードフォワードピーク)のタイミングが遅いと判断する(図5ステップS205)。
判断部12は、外乱印加に対する操作量減算量MV_Mの算出・出力の結果として、操作量減算量MV_Mの下降ピーク(極小)が制御量PVの上昇開始時点よりも前に出現した場合(図5ステップS206においてYES)、操作量減算量MV_Mのピーク(すなわちフィードフォワードピーク)のタイミングが早いと判断する(図5ステップS207)。ここで、制御量PVの上昇開始時点とは、制御量PVが所定の上昇開始閾値以上となった時点のことを言う。
外乱印加に対する操作量減算量MV_Mの算出・出力の結果として、操作量減算量MV_Mの下降ピーク(極小)が、制御量PVの上昇開始時点以降、かつ制御量PVの上昇ピーク(極大)以前に出現した場合、判断部11が、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングが遅いと判断せず、判断部12が、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングが早いと判断しないので、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングが適切という判断結果となる。
判断結果提示部13は、オペレータに対して判断部9〜12の判断結果を提示する(図5ステップS208)。提示方法としては、例えば判断部9〜12の判断結果を示す情報をオペレータに対して表示する方法などがある。したがって、判断結果の提示に基づいて、オペレータは、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングを決定するパラメータ(ピーク係数γ1,γ1’)、または操作量減算量MV_Mのピークのタイミングを決定するパラメータ(ピーク係数γ2,γ2’)をマニュアル調整することができる。
また、以下のようにパラメータをマニュアル調整ではなく、自動で更新してもよい。具体的には、更新部14は、判断部9で操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが遅いと判断された場合(図5ステップS209においてYES)、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングを決定するパラメータ(ピーク係数γ1,γ1’)を、ピークのタイミングが早くなる側に更新する(図5ステップS210)。同様に、更新部16は、判断部11で操作量減算量MV_Mのピークのタイミングが遅いと判断された場合(ステップS209においてYES)、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングを決定するパラメータ(ピーク係数γ2,γ2’)を、ピークのタイミングが早くなる側に更新する(ステップS210)。
一方、更新部15は、判断部10で操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが早いと判断された場合(図5ステップS211においてYES)、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングを決定するパラメータ(ピーク係数γ1,γ1’)を、ピークのタイミングが遅くなる側に更新する(図5ステップS212)。同様に、更新部17は、判断部12で操作量減算量MV_Mのピークのタイミングが早いと判断された場合(ステップS211においてYES)、操作量減算量MV_Mのピークのタイミングを決定するパラメータ(ピーク係数γ2,γ2’)を、ピークのタイミングが遅くなる側に更新する(ステップS212)。
更新部14,15は、操作量加算値FF_Pの取得から特定の時間TH1が経過した時として記録された時刻(加算量算出部4aの算出開始時刻)から、式(5)による操作量加算量MV_Pの算出を開始したと仮定して再計算したときに求まる操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)の出現時刻が、判断部10によって検出された制御量PVの下降開始時刻と判断部9によって検出された制御量PVの下降ピーク(極小)の出現時刻との中間の時点になるように、ピーク係数γ1,γ1’を更新すればよい。
同様に、更新部16,17は、操作量減算値FF_Mの取得から特定の時間TH2が経過した時として記録された時刻(減算量算出部5aの算出開始時刻)から、式(6)による操作量減算量MV_Mの算出を開始したと仮定して再計算したときに求まる操作量減算量MV_Mの下降ピーク(極小)の出現時刻が、判断部12によって検出された制御量PVの上昇開始時刻と判断部11によって検出された制御量PVの上昇ピーク(極大)の出現時刻との中間の時点になるように、ピーク係数γ2,γ2’を更新すればよい。
判断部9〜12と判断結果提示部13と更新部14〜17とは、以上のステップS200〜S212の処理を、FF加算値取得部2によって操作量加算値FF_Pが取得され、加算量算出部4aによって操作量加算量MV_Pが算出・出力された場合、またはFF減算値取得部3によって操作量減算値FF_Mが取得され、減算量算出部5aによって操作量減算量MV_Mが算出・出力された場合に実施する。
図6は、本実施例の適用対象となる外乱応答の例を示す図であり、フィードフォワード制御を実行せずにフィードバック制御のみで温度制御した場合の制御量PVと操作量MVの変化の例を示す図である。図6の例は、設定値SP=制御量PV=300℃で整定している状態で降温外乱が発生した場合を示している。降温外乱により制御量PV(温度)は260℃まで下降している。
図7は本実施例においてFF_P=7%,Kx=962.5,Tf=350.0秒として温度制御した場合の制御量PVと操作量MVの変化の例を示す図、図8はこの場合の操作量加算量MV_Pの変化を示す図である(操作量減算量MV_Mは0%で固定)。ピーク係数はγ1=γ1’=1.0としている。
この図7、図8の例では、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)が450秒の時点であり、制御量PVの下降ピーク(極小)が258秒の時点である。したがって、判断部9は、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが遅いと判断する。この場合、制御量PVの下降開始が140秒の時点なので、更新部14は、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)の出現時刻が、制御量PVの下降開始時刻(140秒)と制御量PVの下降ピーク(極小)の出現時刻(258秒)との中間の時点になるように、ピーク係数をγ1=0.08,γ1’=1.92に更新する。
図9は本実施例においてFF_P=7%,Kx=962.5,Tf=350.0秒として温度制御した場合の制御量PVと操作量MVの変化の例を示す図、図10はこの場合の操作量加算量MV_Pの変化を示す図である(操作量減算量MV_Mは0%で固定)。ピーク係数はγ1=0.0,γ1’=2.0としている。
この図9、図10の例では、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)が100秒の時点であり、制御量PVの下降開始(299℃以下)が140秒の時点である。したがって、判断部10は、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが早いと判断する。この場合、制御量PVの下降ピーク(極小)が298秒の時点なので、更新部15は、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)の出現時刻が、制御量PVの下降開始時刻(140秒)制御量PVの下降ピーク(極小)の出現時刻(298秒)との中間の時点になるように、ピーク係数をγ1=0.12,γ1’=0.88に更新する。
図11は本実施例においてFF_P=7%,Kx=962.5,Tf=350.0秒として温度制御した場合の制御量PVと操作量MVの変化の例を示す図、図12はこの場合の操作量加算量MV_Pの変化を示す図である(操作量減算量MV_Mは0%で固定)。ピーク係数はγ1=0.08,γ1’=1.92としている。
この図11、図12の例では、操作量加算量MV_Pの上昇ピーク(極大)が、制御量PVの下降開始時点以降、かつ制御量PVの下降ピーク(極小)以前に出現している。したがって、判断部9は、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが遅いと判断せず、判断部10は、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが早いと判断しないことになる。すなわち、操作量加算量MV_Pのピークのタイミングが適切という判断結果となり、フィードフォワード制御の効果が得られていることが分かる。
図13は、判断結果提示部13による表示例を示す図である。この図13の例は、図9,図10の例に対応する表示例である。ただし、この図13の例では、判断結果提示部13は、画面110に、フィードフォワードピークのタイミングの検出結果と判断部10の判断結果に加えて、更新部15による更新結果を併せて表示している。
本実施例で説明した制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図14に示す。コンピュータは、CPU300と、記憶装置301と、インターフェース装置(以下、I/Fと略する)302とを備えている。I/F302には、例えば温度センサや電力調整器が接続される。このようなコンピュータにおいて、本実施例の制御方法を実現させるためのプログラムは記憶装置301に格納される。CPU300は、記憶装置301に格納されたプログラムに従って本実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、制御装置に適用することができる。
1…操作量算出部、2…FF加算値取得部、3…FF減算値取得部、4a…加算量算出部、5a…減算量算出部、6…操作量変更部、7…リミット処理部、8…操作量出力部、9〜12…判断部、13…判断結果提示部、14〜17…更新部。

Claims (8)

  1. 設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出するように構成された操作量算出部と、
    外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値を取得するように構成された加算値取得部と、
    ゼロ値と異なる前記操作量加算値を取得したときに、前記操作量加算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量を算出するように構成された加算量算出部と、
    前記操作量算出部によって算出された操作量に、前記加算量算出部によって算出された操作量加算量を加算して操作量を変更するように構成された操作量変更部と、
    この操作量変更部によって変更された操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なうように構成されたリミット処理部と、
    このリミット処理された操作量を制御対象に出力するように構成された操作量出力部と、
    外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが遅いと判断するように構成された第1の判断部と、
    外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが早いと判断するように構成された第2の判断部と、
    前記第1、第2の判断部の判断結果を提示するように構成された判断結果提示部とを備えることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置において、
    前記加算量算出部は、前記操作量加算値と、前記操作量加算量の時間に関するパラメータとに基づいて、前記操作量加算量を算出し、
    さらに、前記第1の判断部で前記操作量加算量のピークのタイミングが遅いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量加算量のピークのタイミングが早くなる側に更新するように構成された第1の更新部と、
    前記第2の判断部で前記操作量加算量のピークのタイミングが早いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量加算量のピークのタイミングが遅くなる側に更新するように構成された第2の更新部とを備えることを特徴とする制御装置。
  3. 設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出するように構成された操作量算出部と、
    外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値を取得するように構成された減算値取得部と、
    ゼロ値と異なる前記操作量減算値を取得したときに、前記操作量減算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量を算出するように構成された減算量算出部と、
    前記操作量算出部によって算出された操作量から、前記減算量算出部によって算出された操作量減算量を減算して操作量を変更するように構成された操作量変更部と、
    この操作量変更部によって変更された操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なうように構成されたリミット処理部と、
    このリミット処理された操作量を制御対象に出力するように構成された操作量出力部と、
    外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが遅いと判断するように構成された第1の判断部と、
    外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが早いと判断するように構成された第2の判断部と、
    前記第1、第2の判断部の判断結果を提示するように構成された判断結果提示部とを備えることを特徴とする制御装置。
  4. 請求項3記載の制御装置において、
    前記減算量算出部は、前記操作量減算値と、前記操作量減算量の時間に関するパラメータとに基づいて、前記操作量減算量を算出し、
    さらに、前記第1の判断部で前記操作量減算量のピークのタイミングが遅いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量減算量のピークのタイミングが早くなる側に更新するように構成された第1の更新部と、
    前記第2の判断部で前記操作量減算量のピークのタイミングが早いと判断された場合に、前記パラメータを前記操作量減算量のピークのタイミングが遅くなる側に更新するように構成された第2の更新部とを備えることを特徴とする制御装置。
  5. 設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出する第1のステップと、
    外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の加算量の目標値である操作量加算値を取得する第2のステップと、
    ゼロ値と異なる前記操作量加算値を取得したときに、前記操作量加算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量加算量を算出する第3のステップと、
    前記第1のステップで算出した操作量に、前記第3のステップで算出した操作量加算量を加算して操作量を変更する第4のステップと、
    この第4のステップで変更した操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なう第5のステップと、
    このリミット処理した操作量を制御対象に出力する第6のステップと、
    外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが遅いと判断する第7のステップと、
    外乱印加に対する前記操作量加算量の算出・出力の結果として、前記操作量加算量の上昇ピークが前記制御量の下降開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量加算量のピークのタイミングが早いと判断する第8のステップと、
    前記第7、第8のステップの判断結果を提示する第9のステップとを含むことを特徴とする制御方法。
  6. 請求項5記載の制御方法において、
    前記第3のステップは、前記操作量加算値と、前記操作量加算量の時間に関するパラメータとに基づいて、前記操作量加算量を算出するステップを含み、
    さらに、前記第7のステップで前記操作量加算量のピークのタイミングが遅いと判断した場合に、前記パラメータを前記操作量加算量のピークのタイミングが早くなる側に更新する第10のステップと、
    前記第8のステップで前記操作量加算量のピークのタイミングが早いと判断した場合に、前記パラメータを前記操作量加算量のピークのタイミングが遅くなる側に更新する第11のステップとを含むことを特徴とする制御方法。
  7. 設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出する第1のステップと、
    外乱印加が確定した時点で外部から入力される、前記操作量に対するフィードフォワード分の減算量の目標値である操作量減算値を取得する第2のステップと、
    ゼロ値と異なる前記操作量減算値を取得したときに、前記操作量減算値に近づいた後にゼロ値へと徐々に収束する操作量減算量を算出する第3のステップと、
    前記第1のステップで算出した操作量から、前記第3のステップで算出した操作量減算量を減算して操作量を変更する第4のステップと、
    この第4のステップで変更した操作量を操作量下限値以上で操作量上限値以下の値に制限するリミット処理を行なう第5のステップと、
    このリミット処理した操作量を制御対象に出力する第6のステップと、
    外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇ピークよりも後に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが遅いと判断する第7のステップと、
    外乱印加に対する前記操作量減算量の算出・出力の結果として、前記操作量減算量の下降ピークが前記制御量の上昇開始時点よりも前に出現した場合に、前記操作量減算量のピークのタイミングが早いと判断する第8のステップと、
    前記第7、第8のステップの判断結果を提示する第9のステップとを含むことを特徴とする制御方法。
  8. 請求項7記載の制御方法において、
    前記第3のステップは、前記操作量減算値と、前記操作量減算量の時間に関するパラメータとに基づいて、前記操作量減算量を算出するステップを含み、
    さらに、前記第7のステップで前記操作量減算量のピークのタイミングが遅いと判断した場合に、前記パラメータを前記操作量減算量のピークのタイミングが早くなる側に更新する第10のステップと、
    前記第8のステップで前記操作量減算量のピークのタイミングが早いと判断した場合に、前記パラメータを前記操作量減算量のピークのタイミングが遅くなる側に更新する第11のステップとを含むことを特徴とする制御方法。
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