JP2016191981A - フィードバック制御装置、フィードバック制御方法、およびフィードバック制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】オーバーシュートなどに対するロバスト性を向上させ、制御システムの安定性を保つこと。【解決手段】本発明の一側面に係るフィードバック制御装置は、制御対象の状態をフィードバック制御するフィードバック制御装置であって、前記制御対象に対する設定値と前記制御対象の現在値との差分である偏差に基づいて制御演算値を算出する制御演算値算出部と、算出された前記制御演算値に基づいて前記制御対象に出力する制御出力値を算出する制御出力値算出部と、を備え、前記制御出力値算出部は、前記制御演算値が第1設定演算値以上の場合に、該第1設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する。【選択図】図3
Description
本発明は、制御対象の状態を制御するフィードバック制御装置、フィードバック制御方法、およびフィードバック制御プログラムに関する。
従来、プロセス制御対象の出力が時間的に変化する場合に、その出力を目標値に追従させるように制御する制御方法として、PID制御方法が広く知られている。このPID制御とは、比例(propоrtional)制御と、積分(integral)制御と、微分(derivative)制御との各制御を備えたものであり、この3つのパラメータを調整することによって、より良い制御が可能となる制御方法が知られていた。
そして、PIDパラメータの調整支援装置として、特許文献1の段落0022〜0034、および図1には、制御応答のシミュレーション結果を記憶するシミュレーション結果記憶部21と、PIDパラメータの調整の可否判断に使用される制御応答の評価項目がシミュレーション結果のインデックス項目として予め設定され、シミュレーション結果からインデックス項目の値であるインデックス値を算出するインデックス値算出部30と、インデックス値をシミュレーション結果と対応付けて登録するインデックス値登録部31と、シミュレーション結果の中から1つを選択するシミュレーション結果選択部22と、選択されたシミュレーション結果およびインデックス値を表示するシミュレーション結果表示部11とを備える装置が開示されている。
ここで、特許文献1のPIDパラメータの調整支援装置においては、プロセス制御対象に関する所定モデルを利用したシミュレーションによりPIDパラメータを調整し、プロセス制御対象を制御するための出力(制御出力)を目標値に制御(制限)している。しかしながら、制御出力が制限を受けた場合においても、演算処理に基づく制御演算値は制限を受けないので、外乱などによってプロセス制御システムのパラメータが大きく変動すると目標値を(大きく)行き過ぎる(オーバーシュート)などの現象が生じ、制御システムの安定性を損なうおそれがある。
そこで、本発明は、オーバーシュートに対するロバスト性を向上させ、制御システムの安定性を保つことを目的の一つとする。
上記課題を解決するために、本発明の一側面に係るフィードバック制御装置は、制御対象の状態をフィードバック制御するフィードバック制御装置であって、前記制御対象に対する設定値と前記制御対象の現在値との差分である偏差に基づいて制御演算値を算出する制御演算値算出部と、算出された前記制御演算値に基づいて前記制御対象に出力する制御出力値を算出する制御出力値算出部と、を備え、前記制御出力値算出部は、前記制御演算値が第1設定演算値以上の場合に、該第1設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する。
上記課題を解決するために、本発明の一側面に係るフィードバック制御方法は、制御対象の状態をフィードバック制御するフィードバック制御方法であって、前記制御対象に対する設定値と前記制御対象の現在値との差分である偏差に基づいて制御演算値を算出するステップと、算出された前記制御演算値に基づいて前記制御対象に出力する制御出力値を算出するステップと、を含み、前記制御出力値を算出するステップは、前記制御演算値が第1設定演算値以上の場合に、該第1設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する。
上記課題を解決するために、本発明の一側面に係るフィードバック制御プログラムは、制御対象の状態をフィードバック制御するフィードバック制御プログラムであって、コンピュータに、前記制御対象に対する設定値と前記制御対象の現在値との差分である偏差に基づいて制御演算値を算出する機能と、算出された前記制御演算値に基づいて前記制御対象に出力する制御出力値を算出する機能であって、前記制御演算値が第1設定演算値以上の場合に、該第1設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する機能と、を実現させる。
なお、本発明において、「部」や「装置」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「装置」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「装置」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「装置」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
本発明によれば、制御対象に対する設定値と制御対象の現在値との差分である偏差に基づく制御演算値にリミット(設定演算値)を設けて、当該制御演算値がリミット(設定演算値)以上の場合に、該設定演算値に基づいて制御出力することにより、オーバーシュートに対するロバスト性を向上させ、制御システムの安定性を保つことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。
(発明原理)
図1および図2を用いて、本発明の発明原理について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御演算値(CVn)にリミットが「ない」場合の、制御対象に対する設定値(SPn)、制御対象の現在値(PVn)、制御演算値(CVn)、および制御出力値(OP)の相関関係を示す図である。
図2は、本発明の実施形態に係る制御演算値(CVn)にリミットが「ある」場合の、制御対象に対する設定値(SPn)、制御対象の現在値(PVn)、制御演算値(CVn)、および制御出力値(OP)の相関関係を示す図である。
図1および図2を用いて、本発明の発明原理について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御演算値(CVn)にリミットが「ない」場合の、制御対象に対する設定値(SPn)、制御対象の現在値(PVn)、制御演算値(CVn)、および制御出力値(OP)の相関関係を示す図である。
図2は、本発明の実施形態に係る制御演算値(CVn)にリミットが「ある」場合の、制御対象に対する設定値(SPn)、制御対象の現在値(PVn)、制御演算値(CVn)、および制御出力値(OP)の相関関係を示す図である。
まず、上述したとおり、PID制御とは、現在値(PVn)と設定値(SPn)との偏差(En)に比例した出力を出す比例制御と、偏差(En)の積分に比例する出力を出す積分制御と、偏差(En)の微分に比例した出力を出す微分制御の和を出力し、設定値に向かってフィードバック制御することを言う。
比例制御とは、制御出力(制御演算)を現在値と設定値との偏差の一次関数として制御するものであり、一次関数の係数(比例ゲイン)の値が一定となっている場合には現在値に対して制御出力値(制御演算値)が一義的に決まる。
積分制御とは、現在値と設定値との偏差が存在する場合に、その偏差が継続している時間に比例して入力値を変化させるものである。ここで、偏差の積分値に乗算する係数(積分ゲイン)は、比例制御と積分制御とを組み合わせたPI制御においては、その値が大きいほど積分制御の寄与が大きくなり、現在値と設定値との偏差の修正を迅速に行うことができる。一方で、積分ゲインが大き過ぎると、目標値を行き過ぎる(オーバーシュート)現象が生じることがある。
微分制御とは、現在値と設定値との偏差が存在する場合に、その偏差の微分に比例して制御出力(制御演算)を変化させるものである。ここで、偏差の微分に乗算する係数(微分ゲイン)は、PID制御においては、その値が大きいほど微分制御の寄与が大きくなり、現在値と設定値との偏差の変動への対処を迅速に行うことができる。
積分制御とは、現在値と設定値との偏差が存在する場合に、その偏差が継続している時間に比例して入力値を変化させるものである。ここで、偏差の積分値に乗算する係数(積分ゲイン)は、比例制御と積分制御とを組み合わせたPI制御においては、その値が大きいほど積分制御の寄与が大きくなり、現在値と設定値との偏差の修正を迅速に行うことができる。一方で、積分ゲインが大き過ぎると、目標値を行き過ぎる(オーバーシュート)現象が生じることがある。
微分制御とは、現在値と設定値との偏差が存在する場合に、その偏差の微分に比例して制御出力(制御演算)を変化させるものである。ここで、偏差の微分に乗算する係数(微分ゲイン)は、PID制御においては、その値が大きいほど微分制御の寄与が大きくなり、現在値と設定値との偏差の変動への対処を迅速に行うことができる。
PID制御においては、制御対象の制御可能範囲および制御演算値の発散防止等々から制御出力値(OP)にリミット(たとえば上限リミット、下限リミット)を設定する。
ここで、以下の式(1)〜(3)を用いてさらに説明を続ける。偏差(En)は、式(1)で示され、偏差の変化量(ΔEn)は、式(2)で示される。PID制御の制御演算式は、式(3)のとおりである。
偏差(En)=設定値(SPn)−現在値(PVn)…(1)
偏差の変化量(ΔEn)=今回偏差(En)−前回偏差(En−1)…(2)
制御演算値(CVn)=「比例項」(Kp×偏差(En))+「積分項」(Ki×偏差の累積値(∫En))+「微分項」(Kd×偏差の変化量(ΔEn))…(3)
Kp:比例項の比例定数
Ki:積分項の積分定数
Kd:微分項の微分定数
En:今回偏差
偏差(En)=設定値(SPn)−現在値(PVn)…(1)
偏差の変化量(ΔEn)=今回偏差(En)−前回偏差(En−1)…(2)
制御演算値(CVn)=「比例項」(Kp×偏差(En))+「積分項」(Ki×偏差の累積値(∫En))+「微分項」(Kd×偏差の変化量(ΔEn))…(3)
Kp:比例項の比例定数
Ki:積分項の積分定数
Kd:微分項の微分定数
En:今回偏差
図1の円A部分に示すように、制御出力値(OP)にリミットを設定した場合、制御演算値(CVn)が制御出力値(OP)のリミット値(OPリミット値)を超過すると、制御出力値(OP)は、制御出力値(OP)がリミット値に制限される。しかしながら、制御出力値(OP)がOPリミット値に制限される場合であっても、PID制御の制御演算は継続する。すなわち、制御出力値(OP)がOPリミット値に制限される場合であっても、図1の円B部分に示すように、PID制御の制御演算式である式(3)に示す「比例項」に対応する比例演算分がOPリミット値を大幅に超過し、制御演算値(CVn)がOPリミット値以下に復帰することが遅れる。特に、たとえば温度制御のような時定数の極めて長い制御プロセスにおいては、PID制御システムの安定性を著しく欠く結果となる。
より具体的には、図1の矢印(1)に示すように、制御対象の現在値(PVn)が外乱等の何らかの理由により大きく下降する場合、式(1)および式(2)を参照すると、偏差の変化量(ΔEn)はマイナスとなることがわかる。したがって、偏差の変化量(ΔEn)がマイナスとなるので、式(3)を参照すると、制御演算値(CVn)は上昇し、制御出力値(OP)が上昇する。その後、制御演算値(CVn)がOPリミット値を超過すると、制御出力値(OP)は、OPリミット値に制限される。しかしながら、図1の矢印(2)に示すように、現在値(PVn)がさらに下降を続けると、PDI制御演算の比例演算によって、制御演算値(CVn)はさらに上昇する。
図1の矢印(3)に示すように、制御対象の現在値(PVn)が上昇に転じると、制御演算値(CVn)は下降し、OPリミット値以下に復帰する。しかしながら、図1の矢印(4)に示すように、現在値(PVn)が上昇を継続した場合であっても、しばらくの間、制御出力値(OP)はOPリミット値にクランプ(固定)される。その結果、図1の円C部分に示すように、現在値(PVn)が設定値(SPn)を大きく超過するオーバーシュートにつながるおそれがある。
上記のとおり、制御出力(OP)が制限を受けている場合においても、演算処理に基づく制御演算値(CVn)が制限されないと、そのまま演算が継続され、外乱などによってPID制御システムのパラメータが大きく変動すると目標値を(大きく)行き過ぎる(オーバーシュート)などの現象が生じ、PID制御システムの安定性を損なうおそれがある。
そこで、本発明においては、制御出力(OP)のみならず、制御演算値(CVn)にリミット値(設定演算値)を設けて、当該制御演算値がリミット(設定演算値)以上の場合に、該設定演算値に基づいて制御出力することにより、オーバーシュートに対するロバスト性を向上させ、制御システムの安定性を保つことを目的の一つとする。
具体的には、図2の矢印(1)に示すように、制御対象の現在値(PVn)が、外乱等の何らかの理由により大きく下降する場合、式(1)および式(2)から、偏差の変化量(ΔEn)はマイナスとなることがわかる。偏差の変化量(ΔEn)がマイナスとなるので、式(3)から、制御演算値(CVn)は上昇し、制御出力値(OP)は上昇することがわかる。その後、図2の円A部分に示すように、制御演算値(CVn)がOPリミット値を超過すると、制御出力値(OP)はOPリミット値(制御演算値(CVn)のリミット値:設定演算値)に制限される。
図2の矢印(2)に示すように、制御対象の現在値(PVn)がさらに下降を続けても、制御演算値(CVn)はOPリミット値(設定演算値)に固定され続ける。したがって、図2の矢印(3)に示すように、制御対象の現在値(PVn)が上昇に転じると、直ちに制御演算値(CVn)は下降する。すなわち、制御演算値(CVn)がOPリミット値以下に迅速に復帰する。一方で、制御演算値(CVn)にリミットを設定しないと、図2の円B部分に示すように、PID制御の制御演算式である式(3)に示す「比例項」に対応する比例演算分がOPリミット値を大幅に超過し、制御演算値(CVn)がOPリミット値以下に復帰することが遅れる。
このように、図1においては、現在値(PVn)が設定値(SPn)を大きく超過するオーバーシュートが発生していたが、図2においては、図2の矢印(4)に示すように、制御対象の現在値(PVn)が上昇を継続しても図2の円C部分に示すように、オーバーシュートは発生せず、PID制御システムの安定性を保つことができる。
以下、上記原理に鑑み本発明の各実施形態を説明する。
以下、上記原理に鑑み本発明の各実施形態を説明する。
(構成)
図3は、本発明の実施形態に係るPID制御システムの構成を示すブロック図である。図3に示すように、PID制御システム100は、例示的に、制御対象の状態をフィードバック制御するPID制御装置1(フィードバック制御装置)と、制御対象である加熱炉2とを含んで構成されている。
図3は、本発明の実施形態に係るPID制御システムの構成を示すブロック図である。図3に示すように、PID制御システム100は、例示的に、制御対象の状態をフィードバック制御するPID制御装置1(フィードバック制御装置)と、制御対象である加熱炉2とを含んで構成されている。
加熱炉2は、例示的に、ヒータ20と、加熱炉2内の温度を測定する温度センサ22とを含んで構成されている。ヒータ20は、後述するとおり、PID制御装置1からの電気信号に基づいて加熱炉2内の温度を温度設定値(SPn)に一致させるように加熱量を制御する。
PID制御装置1は、たとえば、制御対象である加熱炉2内の温度を制御する装置であり、例示的に、制御対象に対する設定値(SPn)と制御対象の現在値(PVn)との差分である偏差(En)を算出する減算部10と、PID制御により加熱炉2(制御対象)の状態を制御するPID制御部12と、PID制御部12からの制御出力を電気信号に変換して該電気信号を加熱炉2のヒータ20に出力する信号変換部14とを含んで構成される。なお、PID制御装置1は、不図示であるが、外部から設定された設定値(SPn)を記憶する設定値記録部を含んで構成されている。
図4は、本発明の実施形態に係るPID制御部12の機能的構成を示すブロック図である。図4に示すように、PID制御部12は、機能的に、制御演算値算出部30、リミット判断部32、制御出力値算出部34、および変換部36を含んで構成されている。なお、PID制御部12の上記各部は、例えば、メモリやハードディスク等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されているソフトウェアプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
制御演算値算出部30は、制御対象に対する設定値(SPn)と制御対象の現在値(PVn)との差分である偏差(En)に基づいて制御演算値(CVn)を算出する機能ブロックである。
リミット判断部32は、制御演算値算出部30により算出された制御演算値(CVn)とリミット(設定演算値)との関係を判断する機能ブロックである。リミット判断部32は、具体的に、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)以上であるか、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)より小さい下限値(第2設定演算値)以下であるか、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)より小さく下限値(第2設定演算値)より大きいかを判断する。なお、リミット(設定演算値)は、上限値および下限値の二つに限られず、三つ以上設定されてもよい。
制御出力値算出部34は、制御演算値算出部30により算出された制御演算値(CVn)に基づいて制御対象に出力する制御出力値(OP)を算出する機能ブロックである。制御出力値算出部34は、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)以上の場合に、該上限値(第1設定演算値)に基づいて制御出力値(OP)を算出する。また、制御出力値算出部34は、制御演算値(CVn)が第1設定演算値より小さい下限値(第2設定演算値)以下の場合に、該下限値(第2設定演算値)に基づいて制御出力値(OP)を算出する。なお、制御出力値算出部34は、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)より小さく下限値(第2設定演算値)より大きい場合に、該制御演算値(CVn)に基づいて制御出力値(OP)を算出する。
変換部36は、制御出力値に対応する制御出力を電気信号に変換して該電気信号を加熱炉2(制御対象)に出力する機能ブロックであり、信号変換部14に相当している。
(動作)
次に、PID制御装置1の制御出力値の算出動作を、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態に係るPID制御装置1の制御出力値を算出するための動作を示すフローチャートである。
次に、PID制御装置1の制御出力値の算出動作を、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態に係るPID制御装置1の制御出力値を算出するための動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、制御演算値算出部30は、前述の式(1)に示すとおり、制御対象に対する設定値(SPn)と制御対象の現在値(PVn)との差分である偏差(En)を算出する(ステップS1)。
制御演算値算出部30は、前述の式(2)に示すとおり、今回偏差(En)と前回偏差(En−1)との差に基づいて偏差変化量(ΔEn)を算出する(ステップS2)。
次に、制御演算値算出部30は、PID制御の制御演算式である前述の式(3)と以下の式(4)とに示すとおり、偏差変化量(ΔEn)に基づいて比例(P)および微分(I)演算を、偏差(En)に基づいて積分(I)演算を実行する(ステップS3)。制御演算値算出部30は、制御演算値(CVn)の変化量(ΔCVn)を算出する(ステップS4)。
ΔCVn=Kp(En−En−1)+Ki×En+Kd((En−En−1)−(En−1−En−2))…(4)
En−1:前回偏差
En−2:前々回偏差
ΔCVn=Kp(En−En−1)+Ki×En+Kd((En−En−1)−(En−1−En−2))…(4)
En−1:前回偏差
En−2:前々回偏差
制御演算値算出部30は、式(5)に示すとおり、制御演算値の変化量(ΔCVn)を前回制御演算値(CVn−1)に加算し、制御演算値(CVn)を算出する(ステップS5)。
CVn=CVn−1+ΔCVn…(5)
CVn=CVn−1+ΔCVn…(5)
リミット判断部32は、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)以上であるかを判断する(ステップS6)。なお、リミット判断部32は、上記したとおり、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)より小さい下限値(第2設定演算値)以下であるか、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)より小さく下限値(第2設定演算値)より大きいかを判断してもよい。
リミット判断部32が、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)以上である(NO)と判断した場合は、ステップS7に進む。また、リミット判断部32が、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)以上でない(YES)と判断した場合は、ステップS8に進む。
制御出力値算出部34は、リミット判断部32が、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)以上でない(YES)と判断した場合は、制御演算値(CVn)に基づいて制御出力値を算出する(ステップS8)。
一方で、制御出力値算出部34は、リミット判断部32が、制御演算値(CVn)が上限値(第1設定演算値)以上である(NO)と判断した場合は、制御演算値(CVn)を上限値(第1設定演算値)にクランプする(ステップS7)。そして、制御出力値算出部34は、上限値(第1設定演算値)に基づいて制御出力値を算出する(ステップS8)。
(効果)
本実施形態によれば、加熱炉2(制御対象)に対する設定値(SPn)と制御対象の現在値(PVn)との差分である偏差(En)に基づく制御演算値(CVn)にリミット(第1設定演算値)を設けて、当該制御演算値(CVn)がリミット(第1設定演算値)以上の場合に、該リミット(第1設定演算値)に基づいて制御出力することにより、オーバーシュートに対するロバスト性を向上させ、PID制御システム100の安定性を保つことができる。
本実施形態によれば、加熱炉2(制御対象)に対する設定値(SPn)と制御対象の現在値(PVn)との差分である偏差(En)に基づく制御演算値(CVn)にリミット(第1設定演算値)を設けて、当該制御演算値(CVn)がリミット(第1設定演算値)以上の場合に、該リミット(第1設定演算値)に基づいて制御出力することにより、オーバーシュートに対するロバスト性を向上させ、PID制御システム100の安定性を保つことができる。
また、本実施形態によれば、下限値(第2設定演算値)を設けて、当該制御演算値(CVn)がリミット(第2設定演算値)以下の場合に、該リミット(第2設定演算値)に基づいて制御出力することにより、制御対象を制御可能な最低限の制御出力を確保できるのでPID制御システム100の安定性を保つことができる。
1 PID制御装置
2 加熱炉
10 減算部
12 PID制御部
14 信号変換部
20 ヒータ
22 温度センサ
30 制御演算値算出部
32 リミット判断部
34 制御出力値算出部
36 変換部
100 PID制御システム
2 加熱炉
10 減算部
12 PID制御部
14 信号変換部
20 ヒータ
22 温度センサ
30 制御演算値算出部
32 リミット判断部
34 制御出力値算出部
36 変換部
100 PID制御システム
Claims (4)
- 制御対象の状態をフィードバック制御するフィードバック制御装置であって、
前記制御対象に対する設定値と前記制御対象の現在値との差分である偏差に基づいて制御演算値を算出する制御演算値算出部と、
算出された前記制御演算値に基づいて前記制御対象に出力する制御出力値を算出する制御出力値算出部と、を備え、
前記制御出力値算出部は、前記制御演算値が第1設定演算値以上の場合に、該第1設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する、
フィードバック制御装置。 - 前記制御出力値算出部は、前記制御演算値が前記第1設定演算値より小さい第2設定演算値以下の場合に、該第2設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する、
請求項1に記載のフィードバック制御装置。 - 制御対象の状態をフィードバック制御するフィードバック制御方法であって、
前記制御対象に対する設定値と前記制御対象の現在値との差分である偏差に基づいて制御演算値を算出するステップと、
算出された前記制御演算値に基づいて前記制御対象に出力する制御出力値を算出するステップと、を含み、
前記制御出力値を算出するステップは、前記制御演算値が第1設定演算値以上の場合に、該第1設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する、
フィードバック制御方法。 - 制御対象の状態をフィードバック制御するフィードバック制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記制御対象に対する設定値と前記制御対象の現在値との差分である偏差に基づいて制御演算値を算出する機能と、
算出された前記制御演算値に基づいて前記制御対象に出力する制御出力値を算出する機能であって、前記制御演算値が第1設定演算値以上の場合に、該第1設定演算値に基づいて前記制御出力値を算出する機能と、
を実現させるためのフィードバック制御プログラム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022230008A1 (ja) * | 2021-04-26 | 2022-11-03 | 三菱電機株式会社 | 数値制御装置、学習装置及び、びびり振動の抑制方法 |
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2015
- 2015-03-30 JP JP2015070207A patent/JP2016191981A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022230008A1 (ja) * | 2021-04-26 | 2022-11-03 | 三菱電機株式会社 | 数値制御装置、学習装置及び、びびり振動の抑制方法 |
JP7179198B1 (ja) * | 2021-04-26 | 2022-11-28 | 三菱電機株式会社 | 数値制御装置、学習装置及び、びびり振動の抑制方法 |
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